JP5190696B2 - フレキシブルプリント配線板シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板が複数設けられたフレキシブルプリント配線板シートの製造方法に関するものである。
ハードディスク装置の磁気ヘッドを支持する支持金属箔と、信号伝達のための配線とが一体化された配線板(以下、「磁気ヘッド配線板」と記す)は、垂直磁気記録方式などの情報密度の増大にともなってさらに需要が増大している。磁気ヘッド配線板は、シート単位で製造され、1枚のシート内に、数十個、設けられている。これを、フレキシブルプリント配線板シートと呼ぶこととする。1枚のフレキシブルプリント配線板シート内には、めっきフレームが巡らされ、そのめっきフレームに繋がれて数十個の同一配線パターン(磁気ヘッド配線板)が形成されている。配線、めっきフレーム、めっきリード部等は、銅めっき層によって形成されている。また、上記のめっきフレームを用いて、配線の所定部分(接続部)に金めっき層を形成する。個々の磁気ヘッド配線板では、複数の配線が並行しており、配線の根元からめっきリード部が延びて、めっきフレームと連結して導通をとる。一方、反対側の先端では、上記複数の配線が延び出している。上記の金めっき層の形成、その他の一連の処理の後、フレキシブルプリント配線板シートを完成し、そのフレキシブルプリント配線板シートの状態で、中間製品メーカまたは磁気ヘッド配線板組み込みメーカに出荷される。
上記より、フレキシブルプリント配線板シートの製造において、配線の銅めっき、その配線の所定部への金めっきなど、めっき処理が重要な処理であることが分かる。とくに高い精度の厚みをもち、全体にわたって均一な厚みのめっき層を得ることは重要である。このため、フレキシブルプリント配線板シートのめっき処理の際に、めっき液をめっき槽の壁面等に噴射して反射流を生じさせ、この反射流の中に、陰極側の回路基板および陽極を面が並行するように配置してめっき処理する方法が開示されている(特許文献1)。
特開2003−247099号公報
上記の反射流を生じさせて反射流中に回路基板等を並行配置する方策は、一定の効果はある。しかし、フレキシブルプリント配線板シートの外枠部が広く、フレキシブルプリント配線板が配列されるシート内側の製品領域の面積よりも、外枠部の面積が非常に大きい場合、製品領域に対する電流の調整が困難になる。とくに外枠部の端部は、対面相手のめっき金属板との位置関係の少しのずれによって、めっき液内を巡ってきて析出する金属が多くあり、端部特有の不安定作用を生じる。この結果、種類の異なるフレキシブルプリント配線板を、フレキシブルプリント配線板シートの形態で製造するとき、種類に応じて製品領域に対するめっき処理条件(電流密度など)をきめ細かく調整できなくなる。たとえば、めっき膜厚を、装置全体のトータル電流と時間とで、意図した厚みに精度よく形成することが困難になる。なお、各めっき処理時に、外枠部では、導体薄膜が露出している。金めっき処理は、所定領域に限定されるが、導体薄膜に加えて銅めっき配線層が露出している。
外枠部をなくすことができれば、製品領域の電流密度のきめ細かい調整は、しやすくなる。しかし、ガイドマークの配置、めっきマスクの露光時の位置合わせ保持部、ハンドリング、製品領域を保護する強度確保などのために、外枠部は必要である。このため、外枠部を備えた上で、フレキシブルプリント配線板の種類に応じて、製品領域に対する電流調整などが可能な対策が要求されている。
本発明は、外枠部をもつフレキシブルプリント配線板シートの製造工程のめっき処理において、製品領域の電流調整がしやすい、フレキシブルプリント配線板シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のフレキシブルプリント配線板シートの製造方法は、めっき金属層を含むフレキシブルプリント配線板を複数備えるフレキシブルプリント配線板シートを製造する。フレキシブルプリント配線板シートは、全周にわたる外枠部と、該外枠部に取り囲まれてフレキシブルプリント配線板が形成される製品領域とを有し、この製造方法では、外枠部および製品領域に共通に、ステンレス箔/絶縁膜/導体薄膜を備えるフレキシブルプリント配線板シートの中間製品である基材シートを形成する工程と、基材シートに金属層を形成するめっき処理前にめっき処理時の基材シートの外枠部へ流れる電流を減少させるために、外枠部の全周にわたって、(1)導体薄膜の欠落部が外枠部に散在するように、ドット状またはメッシュ状の孔を加工により設ける、か又は、(2)製品領域および外枠部の導体薄膜上にレジストパターンを設け、外枠部のレジストパターンにおけるレジスト膜部を、散在する複数の円形、四角形などとし、上記の(1)または(2)の後、基材シートの製品領域および外枠部に銅めっき処理を行い、外枠部においてドット状もしくはメッシュ状、または円形などにめっき層が欠落している部分が散在する基材シートを形成し、その後、外枠部をレジスト膜で被覆して、製品領域の金めっき層が形成される領域に金めっきすることを特徴とする。
上記の方法によって、めっき処理時に電流を、製品領域に集めることができ、製品領域に対するきめ細かい高精度の電流制御が容易になる。さらに外枠部の端部特有の不安定作用を減少させることができる。製品の要求仕様に応じて、きめ細かくめっき膜厚等を調整でき、高品質を確保することが可能となる。そして製品種類ごとに、めっき厚みの精度を高め、さらに製品領域について均一なめっき膜厚を得ることができる。
上記のめっき処理の前に、一つの選択肢として、(1)導体層の欠落部が外枠部に散在するように、加工し、欠落部が散在する外枠部を持つ基材シートに対してめっき処理をする。これによって、外枠部の強度および把持部分を確保しながら、電流の流れ込み量を減少させ、製品領域へ流れる電流比率を増やして、製品領域に対する高精度の電流調整を容易にすることができる。とくに滑らかな(孔なし)連続平板の端部特有の不安定作用については、欠落部を散在させることで、不安定作用が、辺縁や角部に集中せずに外枠部全体に平均化され、希薄化される。このような不安定作用の平均化・希薄化によって、対面する相手金属板との少しのずれがあっても、大きな影響は発生せず、製品領域の電流制御の精度を高めることができる。この結果、製品領域のめっき厚の精度を高め、かつ製品領域にわたって厚みを均一にすることができる。
上記の導体層欠落部を、ドット状またはメッシュ状の孔とする。これによって、打ち抜き加工などの簡単な加工によって、外枠部の強度と把持部面積を確保しながら、製品領域に対する電流調整の精度を高めることができる。この結果、製品領域のめっき厚の精度を向上し、製品領域にわたってめっき厚を均一にすることができる。
導体層の欠落部を設けない場合には、他の選択肢として、めっき処理の前に、(2)製品領域および外枠部の導体層上にレジストパターンを設ける。外枠部に囲まれる製品領域は、配線回路を形成するために、めっき処理の前にレジスパターンを必ず形成する。製品領域のレジストパターンと外枠部のレジストパターンとを同時に形成することで、打ち抜き加工等により外枠部に貫通孔をあける工程を追加する必要はなくなる。すなわち、外枠部のレジストパターンのレジスト膜部にはめっき電流は流れず、導体層の欠落部と同じ作用を奏する。これにより、製造期間の短縮、工数の節約、打ち抜き装置などの不要化を得ることができ、全体的にみて、打ち抜き加工等よりも製造コストを削減することができる。また、外枠部の強度確保からも、レジストパターンによるめっき電流制御のほうが好ましい。
上記の銅めっき処理の後、金めっき処理を行う前に、銅めっき層がない部分が散在する外枠部に対して、さらにレジスト膜で被覆する。すなわち、製品領域において金めっき層が形成される領域(金めっき層形成領域と記す)に金めっきする。銅めっき層がない部分が散在する外枠部に対して、さらにレジスト膜で被覆する。これによって、金めっき処理においても、外枠部としての空間占有(存在)や強度は実質的に維持し、かつ銅めっき処理と同様に、製品領域に対する金めっき電流の制御を精度よく行うことができる。
上記のめっき処理を行うとき、参考例としては、絶縁体からなる外枠部マスクを、めっき処理の装置、または基材シートに設けることができる。これによって、フレキシブルプリント配線板シートに形状の変化等をもたらす加工を加えることなく、製品領域の電流制御を十分行うことができ、意図した厚みからの外れが小さく、かつ製品領域にわたって均一なめっき膜厚を得ることができる。
参考例として挙げるが、前記外枠部において、めっき処理における基材シート外枠部への陰極からの導電箇所に近い位置ほど、上記の(1)の場合、導体層欠落部の面積割合を大きくし、遠ざかるにしたがい小さくする、上記の(2)の場合、レジストパターンのレジスト膜部の面積割合を大きくし、遠ざかるにしたがい小さくすることができる。これによって、外枠部の陰極導電位置付近を含みそれから遠ざかる位置にわたって、電流密度に応じて、電流密度を低下させる導体層欠落部の面積割合を調整することができる。すなわち、何も対策をとらない場合に電流密度が非常に高い陰極導電位置付近では、上記欠落部の面積割合を高めて電流密度を減らし、そこから遠ざかるほど上記面積割合を小さくして強度確保を重視したものとすることができる。
参考例とすべきフレキシブルプリント配線板シートは、めっき金属層を含むフレキシブルプリント配線板を複数備えるフレキシブルプリント配線板シートである。このフレキシブルプリント配線板シートは、複数のフレキシブルプリント配線板が位置する製品領域を取り囲むように、導体層を含む外枠部が位置し、その外枠部において、(1)導体層に欠落部が散在し、非欠落部の導体層上に銅めっき層が形成されている、または(2)欠落部を含まない導体層上に銅めっき層を有し、該銅めっき層中に当該銅めっき層が欠落した銅めっき層欠落部が散在することを特徴とする。この構成によって、めっき処理時に、製品領域の電流制御をきめ細かく行い、そのため高精度で、均一なめっき膜厚を得ることができる。なお、上記の銅めっき層中の欠落部は、銅めっき処理時にレジストパターンのレジスト膜部に覆われていた箇所である。また、導体層はあとで説明する導体薄膜のことであり、ポリイミドとの密着力が高いニッケルやクロムなどの薄膜であり、無電解めっきやスパッタリングで形成される。このため、材質および膜の厚みによって、導体層と銅めっき層とを識別することができる。
外枠部において、メッシュ状またはドット状の孔があけられた導体層の非孔部に銅めっき層が形成されているか、または欠落部を含まない導体層上に銅めっき層が形成され、該銅めっき層内にメッシュ状またはドット状の銅めっき層欠落部がある構成をとることができる。これによって、打ち抜き加工などの簡単な加工、または、より効率的なレジストパターン形成などによって、製品領域の電流制御を行い、機会変動が小さく、また同じ機会において場所変動の小さいめっき膜厚を得ることができる。
導体層および銅めっき層の欠落部、または欠落部を含まない導体層上の銅めっき層中の銅めっき層欠落部、の面積率が所定の箇所で大きく、その箇所から遠ざかるにつれて小さくなるように形成される構造をとることができる。これによって、電流密度が高くなる位置を狙い撃ちに欠落部の面積率を高めて電流密度を減らし、その位置から遠ざかるにつれて欠落部の面積率を減らして強度確保を重視したものとすることができる。
本発明によって、外枠部をもつフレキシブルプリント配線板シートの製造工程のめっき処理において、製品領域の電流調整がしやすい、フレキシブルプリント配線板シートおよびその製造方法を得ることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるフレキシブルプリント配線板シート50を示す平面図である。以下の説明においてフレキシブルプリント配線板およびフレキシブルプリント配線板シートを、それぞれFPCおよびFPCシートと略記する。このFPCシート50の全体は矩形であり、最終的な製品となるFPC10が、複数、配置される製品領域7を取り囲むように外枠部5が設けられている。このFPC10は、支持金属箔と、信号伝達のための配線とが一体化された、磁気ヘッド配線板である。本実施の形態のFPCシート50の最大の特徴は、製品領域7を取り囲む外枠部5全体に欠落部5hである円孔が散在している点にある。外枠部5に設けられた欠落部5hの作用については、この後、順次説明してゆく。
図1において、FPCシート50には、めっきをする際に導通をとるめっきフレーム21が設けられている。図1では、FPC10の配線11は、1本の太線で表示されているが、より詳しくは、図2に示すように、たとえば3本またはそれを超える本数の導線が並行している。配線11は、先端部が屈曲しており、その屈曲部が対向し、対をなすように配置される。配線11から延びてめっきリード部11kが設けられ、このめっきリード部11kは、めっきフレーム21に連結されている。配線11/めっきリード部11k/めっきフレーム21は、図1および図2において、同じ層(高さ、厚み方向位置)である配線層に位置している。
後のめっき処理の説明のために、予め、配線11に対して行う金めっき処理の領域(G領域)を紹介しておく。
(G領域):G領域では、配線11に接続のために金めっき層が形成されている。他の配線層の上には、カバー絶縁層9が位置するが、この接続用の金めっきされた箇所では、カバー絶縁層9は除去されている。また、G領域では、所定領域のステンレス箔が、くりぬかれる。
次に、FPCシート50の製造方法を説明する。以後の説明において、完成する前の段階の、FPCシート50の中間製品を、基材シート50bと記す。
図3(a)は、ステンレス箔1上にポリイミドの絶縁層2を形成した状態を示す。ステンレス箔1は、図示しない磁気ヘッドをディスク面から微小浮上させながら弾性支持するために用いられ、所定の弾性率が必要とされる。
次いで、図3(b)に示すように、ポリイミド層2上に、無電解めっきによって導体薄膜3を形成する。導体薄膜3は、電気めっきによって配線11を形成するための下地導電層となる。従来は、そのまま、導体薄膜3上に電気めっきにより銅めっき層の配線等を形成していた。すなわち、中間製品の基材シート(ステンレス箔1/ポリイミド層2/導体薄膜3から形成される矩形シート)に対して、製品領域7の内側に配線11/めっきリード部11kを、また、製品領域7の外縁部、外枠部5の内側にめっきフレームを桟(さん)のように、銅めっき層を形成していた。
この銅めっき処理において、製品領域7の配線11等に電流を流し、銅イオンを銅として析出させる。しかし、上述のように、外枠部5には大面積の導体薄膜3がめっき液中に浸漬されているので、外枠部5にもトータルで大電流が流れる。このため、製品領域7へ流れ込む電流の、外枠部5へ流れ込む電流に対する割合は、小さくなる。また、基材シートが対面する相手側の金属板(陽極)との相対位置の少しのずれによって、孔なし平板の外枠部の辺縁や角部への電流が大きく変化するという外枠部特有の不安定作用もある。このため、製品領域7に流れ込む電流の制御をきめ細かく精度よく行うことが難しいという問題を生じていた。
上記の従来の問題を打開するために、本発明の実施の形態では、基材シート(ステンレス箔1/ポリイミド層2/導体薄膜3から形成される矩形シート)50bの外枠部5の全周にわたって散在するように円孔5hを打ち抜く。図4は、上記基材シート50bの外枠部5の全周に円形の孔を打ち抜いた状態を示す平面図である。これによって、導体薄膜3の上の製品領域7に、銅めっき層11,11k,21を形成する際、外枠部5へ流れ込む電流を大幅に減らし、製品領域7へ流れる電流の制御をきめ細かく高精度にすることができる。この製品領域の電流の制御の精度向上には、孔なし完全平板の外枠部の辺縁や角部における不安定作用が、散在する孔によって外枠部全体にわたって、平均化・希薄化されることも寄与している。また、欠落部5hは外枠部5の中で連結せず、散在するので、外枠部5自体、残っており、所定の強度を有している。このため、ハンドリングのつかみ部、レジストパターン形成時の、レチクルを用いた露光の位置合わせ保持部、などとして機能することができる。
また、めっき処理時に陰極から導電される接続箇所は、めっき電流密度が高いので、外枠部5の導体薄膜(導体層)欠落部5hの割合をそのような陰極導電部において高めるのがよい。その陰極導電箇所から遠ざかるほど導体層欠落部の割合を小さくすることで、外枠部5の強度確保を重視しながら、電流密度分布を平均化することができる。
図5は、銅めっき処理における外枠部5付近を示す断面図である。図5(a)は、製品領域7にレジストパターンR1,R2を形成した段階の、外枠部5付近の断面図である。レジストパターンR1の開口部に、銅めっき層11,11k,21を形成する。
図5(b)は、基材シート50bを銅めっき液中に浸漬して(図9参照)、銅めっき層11,11k,21を形成した状態を示す断面図である。図5(b)の断面図において、外枠部5の導体薄膜3の断面長さは半減しており、面積においても導体薄膜3の大幅な減少が実現している。このとき、図5(b)に示すように、外枠部5の非欠落部の導体薄膜3上には銅めっき層31が形成される。この銅めっき層31は、出荷されるFPCシート50に残り、強度確保に寄与する。外枠部5に設けた欠落部5hによって、銅めっき処理の際、外枠部5に流れ込む電流は大幅に減少する。したがって、銅めっき処理において製品領域7に流れ込む電流の比率が大きく増加する。このため、めっき処理装置の電流値を変えることで、製品領域7に対する電流制御の精度を高めることができようになる。
これにより、簡単な装置で、製品領域の電流値の制御を容易にすることができる。この結果、意図した厚みのめっき層を精度よく均一に形成することが容易になった。従来は、めっき処理装置の電流値を変えても、製品領域の割合が小さかったために、製品領域7に対する電流制御を高精度に行うことができなかった。このため、高精度の厚みのめっき層を均一に得られない場合を生じていた。外枠部の導体薄膜3に欠落部をあける構造では、めっき液を撹拌する場合、通液性が高くなることで、めっき層を均一する効果も含まれる。
図5(c)は、レジストパターンR1,R2を剥離して、めっき処理によって製品領域7に形成された銅めっき層11,11k,21、および外枠部5に形成された銅めっき層31を示す図である。
図6は、金めっき処理を行うときの基材シート50bの外枠部5付近の断面図である。基材シート50bの製品領域7の中において、表面側では、図6(a)に示すように、G領域はカバー絶縁層(図示せず)に被覆されていない。G領域以外の他の製品領域はカバー絶縁層に被覆されている。ステンレス箔の裏面には図示しないレジストパターンが形成されている。この状態で、金めっき槽に浸漬して金めっき処理を行う(図9参照)。図6(b)は、金めっき層15を形成した後、レジストパターンを剥離した状態を示す図である。金めっき処理の際には、外枠部5は図示しないレジスト膜で被覆されている。
上記の金めっき処理においても、外枠部5に欠落部5hを散在させることで、外枠部5としての空間占有(存在)や強度は実質的に維持し、かつ銅めっき処理と同様に、製品領域7に対するめっき電流の制御を精度よく行うことができる。
図7は、本実施の形態のFPCシートに対する変形例を示す図である。図1に示すFPCシート50では、外枠部5における欠落部5hは、打ち抜かれた円孔であった。図7の変形例では、外枠部5は格子状であり、四角形の孔が欠落部5hである。図1および図4における円孔を四角孔にする点だけが異なり、後は、製造方法および作用効果については、上述の説明をそのまま用いることができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2におけるフレキシブルプリント配線板シートの製造方法を説明するための図である。本実施の形態における製造方法では、基材シートの外枠部5に貫通孔を設けず、レジストパターンR1によりめっき電流の高精度制御を実現する点に特徴を有する。製造方法は、大略、次のとおりである。
(S1)ステンレス箔1上にポリイミド層2を形成し、そのポリイミド層2上に導体薄膜3を形成する。導体薄膜3は、上述のように、ポリイミドとの密着力が高いニッケルやクロムなどで形成し、無電解めっきやスパッタリングによって形成するのがよい。
(S2)図8(a)に示すように、製品領域7および外枠部5に、同じ機会に、レジストパターンR1を形成する。外枠部5のレジストパターンR1は、たとえば、複数の円形、四角形などが散在するレジスト膜部を有するものとする。
(S3)銅めっき処理を基材シートに施す。レジストパターンR1のレジスト膜部は絶縁体であり、めっき電流が流れないので、実施の形態1における導体層3の欠落部5hと同じ作用を奏する。このため、外枠部5に流れ込む電流を減少させることができる。しかし、このとき図8(b)に示すように、レジストパターン開口部に銅めっき層31が形成される。
(S4)図8(c)に示すように、レジストパターンを除去する。この結果、外枠部5に、上記複数の円形、四角形などの部分が欠落した銅めっき層31が残る。すなわち、出荷時のFPCシートの製品に、銅めっき層31が残る。
外枠部に囲まれる製品領域は、配線回路を形成するために、めっき処理の前にレジスパターンを必ず形成する。製品領域のレジストパターンと外枠部のレジストパターンとを同時に形成することで、打ち抜き加工等により外枠部に貫通孔をあける工程を追加する必要はなくなる。すなわち、外枠部のレジストパターンのレジスト膜部にはめっき電流は流れず、導体層の欠落部と同じ作用を奏する。これにより、製造期間の短縮、工数の節約、打ち抜き装置などの不要化を得ることができ、全体的にみて、打ち抜き加工等よりも製造コストを削減することができる。また、欠落部を含まない導体薄膜3、および欠落部を囲む銅めっき層は、外枠部における強度確保に有益である。
また上記の製造方法によれば、実施の形態1と同様に、外枠部5へ流れ込む電流を大幅に減らし、製品領域7へ流れる電流の制御をきめ細かく高精度にすることができる。めっき処理時に陰極から導電される接続箇所は、電流密度が高いので、外枠部5のレジストパターンR1のレジスト膜部の割合をそのような陰極導電部において高めるのがよい。その陰極導電箇所から遠ざかるほどレジスト膜部の割合を小さくすることで、外枠部5の電流密度分布を平均化することができる。
参考例として挙げる実施の形態3)
図9は、参考例として挙げる実施の形態3におけるめっき処理装置70を示す図である。めっき槽77にはめっき液75が投入され、そのめっき液75中に基材シート50bが配置されている。基材シート50bのめっきフレーム21には、図示しない陰極からの配線72が連結されている。また、基材シート50bに対向して、陽極配線71に連結する金属板71aが配置される。金属板71aは、銅めっきの場合は銅板であり、金めっきの場合は金板等が用いられる。図9において、基材シート50bの外枠部は、絶縁体で形成された外枠部マスク81によって被覆されている。図10は、外枠部マスク81を示す斜視図である。外枠部マスク81は、クリップ83によって基材シート50bに取り付けられ、基材シート50bの外枠部を被覆する。
図9によれば、基材シート50bの製品領域7のみが、めっき液75に接する。外枠部マスク81は、絶縁体なので、図9に示すように基材シート50bに取り付けられると、外枠部5に流れ込む電流は非常に小さくなる。このため、陰極および陽極間に流れる電流のほとんどは、製品領域7に流れる。この結果、製品領域7に対する電流値の制御を、装置に設けられた電流制御部を用いて、製品領域7の電流値を精度よく制御することができる。これによって、意図したとおりの高精度の厚みで、均一な厚みのめっき層を得ることができる。基材シート50bの外枠部5は、実施の形態1におけるように、導体層3の欠落部5hを設けたものでもよいし、欠落部がない基材シート50bであってもよい。
また、めっき処理時に陰極から導電される箇所(配線72の接続箇所)は、電流密度が高いので、外枠部5のマスク81の被覆率をそのような陰極導電部において高めるのがよい。その陰極導電箇所から遠ざかるほどマスク81の被覆率を小さくすることで、電流密度分布を平均化することができる。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明によれば、基材シートのハンドリングの容易さを確保した上で、めっき処理において製品領域への電流値の制御性を高めることができる。この結果、製品領域のめっき層の膜厚精度を向上させ、均一性も確保することができる。
本発明の実施の形態1におけるFPCシートを示す平面図である。 図1のFPCにおける配線部の部分拡大図である。 基材シートの断面図であり、(a)はステンレス箔上にポリイミド層を形成した状態を、(b)はその上に導体薄膜を形成した状態を、示す図である。 図3(b)の状態の基材シートの外枠部に導体層の欠落部を散在させる加工を行ったあとの状態を示す図である。 基材シートの外枠部付近の断面図であり、(a)はレジストフィルムにパターニング処理を施した状態を、(b)は銅めっき処理により配線を形成した状態を、(c)はレジストフィルムを剥離した状態を、示す図である。 (a)は金めっき処理前の状態を、(b)は金メッキ処理したあとの状態を、示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例のFPCシートを示す平面図である。 本発明の実施の形態2におけるFPCシートの製造方法を示す図であり、(a)はレジストパターンを製品領域および外枠部に同じ機会に形成した状態、(b)は銅めっき処理した状態、(c)はレジストパターンを剥離した状態、を示す図である。 参考例の実施の形態3におけるFPCシートの製造方法を説明するための図である。 外枠部マスクを示す図である。
1 ステンレス箔、2 ポリイミド層(絶縁層)、3 導体薄膜、5 外枠部、5h 外枠部の導体層欠落部、7 製品領域、9 カバー絶縁層、10 フレキシブルプリント配線板(FPC)、11 配線、11k めっきリード部、15 金めっき層、21 めっきフレーム、31 外枠部の銅めっき層、50 FPCシート(フレキシブルプリント配線板シート)、50b 基材シート(中間製品)、70 めっき処理装置、71 陽極配線、71a 金属板(銅板、金板)、72 陰極配線、75 めっき液、77 めっき槽、81 外枠部マスク、83 クリップ。

Claims (1)

  1. めっき金属層を含むフレキシブルプリント配線板を複数備えるフレキシブルプリント配線板シートの製造方法であって、
    前記フレキシブルプリント配線板シートは、全周にわたる外枠部と、該外枠部に取り囲まれて前記フレキシブルプリント配線板が形成される製品領域とを有し、
    前記外枠部および製品領域に共通に、ステンレス箔/絶縁膜/導体薄膜を備える前記フレキシブルプリント配線板シートの中間製品である基材シートを形成する工程と
    前記基材シートに銅めっき層を形成するめっき処理前に
    前記銅めっき処理時の前記基材シートの外枠部へ流れる電流を減少させるために、前記外枠部の全周にわたって、
    (1)前記導体薄膜の欠落部が前記外枠部に散在するように、ドット状またはメッシュ状の孔を加工により設ける、か又は、
    (2)前記製品領域および前記外枠部の前記導体薄膜上にレジストパターンを設け、前記外枠部のレジストパターンにおけるレジスト膜部を、散在する複数の円形、四角形などとし、
    前記(1)または(2)の後、前記基材シートの製品領域および外枠部に銅めっき処理を行い、前記外枠部においてドット状もしくはメッシュ状、または円形などに銅めっき層が形成されていない部分が散在する基材シートを形成し、その後、
    前記外枠部をレジスト膜で被覆して、前記製品領域の金めっき層が形成される領域に金めっきすることを特徴とする、フレキシブルプリント配線板シートの製造方法。
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