JP5188065B2 - 焼成炉 - Google Patents

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Description

本発明は被処理物を熱処理する焼成炉に関し、特に、粉体状又は粒体状の被処理物を連続的に熱処理する連続焼成炉に関する。
従来、粉体状又は粒体状の被処理物を連続的に熱処理して焼成する連続焼成炉のうち代表的なものには、プッシャー炉、ローラーハースキルン、及びロータリーキルン等がある。これらの連続焼成炉における被処理物の移動の方向は水平方向である。
プッシャー炉及びローラーハースキルンにおいて、被処理物は、金属製又はセラミックス製の容器に充填された状態で水平方向に搬送されながら熱処理される(例えば、特許文献1参照)。この熱処理の際、被処理物は、上記容器の中で静置状態にある。一方、ロータリーキルンにおいては、被処理物を容器内に静置させた状態で熱処理を行うのではなく、外部から加熱される円筒体を回転させることにより、この円筒体の内部で被処理物を流動させながら熱処理を行う(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−203947号公報 特開平8−303953号公報
しかしながら、プッシャー炉又はローラーハースキルンにおいて被処理物の熱処理を行う場合、上述のように被処理物は金属又はセラミックスの容器に充填された静置状態で熱処理されることから、被処理物の表面部、中心部、及び底面部では熱のかかり具合が異なってくるために焼成ムラが生ずることがしばしばあった。
例えば、リチウム二次電池を製造するために被処理物としてリチウム化合物とニッケル化合物とを使用する場合、焼成ムラはリチウム二次電池の性能低下を惹き起こすため、焼成ムラを抑制することが求められている。
このような焼成ムラを抑制する方法としては、ロータリーキルンのように被処理物自体を流動させつつ熱処理を行う方法がある。しかしながら、ロータリーキルンを用いて800℃以上の温度で熱処理を行う場合、特に、被処理物がLiCoOのようなアルカリ性リチウム化合物である場合には、ロータリー円筒体の材料として金属材料を使用すると、表面が劣化して被処理物内に不純物として混入する場合がある。このため、頻繁にロータリー円筒体を取り換える必要があり経済的ではなかった。また、劣化防止のために金属製ロータリー円筒体の表面を白金等の不活性金属やセラミックスで被覆することも考えられるが、この場合、ロータリー円筒体のコストが非常に高くなる。更に、ロータリー円筒体を小型にしてコストを抑えることも考えられるが、一度に処理可能な被処理物の量が低減して焼成炉の生産性が低下してしまい工業的ではなかった。従って、従来のロータリーキルンにおいては、800℃以上の温度での熱処理を工業的且つ経済的に行うことは困難であった。
また、LiCoO等をリチウム二次電池の正極活性物質とする場合、良好な電池特性を引き出すためには、被処理物を800℃以上の温度で焼成する必要がある。
本発明の目的は、粉体状又は粒体状の被処理物の焼成ムラを抑制することができると共に、800℃以上の温度であっても経済的且つ工業的に熱処理を行うことができる焼成炉を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の焼成炉は、被処理物を熱処理する焼成炉であって、前記被処理物を加熱するためのヒータと前記被処理物を搬送するための搬送手段とを備える少なくとも2つの熱処理室と、前記ヒータを制御するヒータ制御手段と、前記搬送手段を制御する搬送手段制御手段とを備え、前記熱処理室は鉛直方向に配置されており、前記搬送手段は前記被処理物を鉛直方向下方に位置する前記熱処理室に搬送可能であり、前記ヒータ制御手段は、前記被処理物を所定の温度で加熱するために前記ヒータの各々を制御し、前記搬送手段制御手段は、前記熱処理室において前記ヒータによって所定時間加熱された前記被処理物を前記熱処理室から搬送するために前記搬送手段の各々を制御することを特徴とする。
請求項2記載の焼成炉は、請求項1記載の焼成炉において、前記搬送手段は移動可能に形成された前記熱処理室の隔壁の少なくとも一部である隔壁部を兼ねており、前記搬送手段は前記隔壁部が移動することにより前記被処理物を鉛直方向下方に位置する前記熱処理室に搬送することを特徴とする。
請求項3記載の焼成炉は、請求項2記載の焼成炉において、前記隔壁部は、金属及びセラミックスの少なくともいずれか一方から成り、板皿形状、容器形状、円筒形状、及び三角柱形状の少なくともいずれか一つを有すると共に、回転及びスライドのいずれかの移動が可能に形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の焼成炉は、請求項2又は3記載の焼成炉において、前記搬送手段は前記熱処理室の各々において前記隔壁部を複数有することを特徴とする。
請求項1記載の焼成炉によれば、熱処理室は鉛直方向に配置されており、各熱処理室の備える搬送手段は、粉体状又は粒体状の被処理物を鉛直方向下方に位置する熱処理室に搬送可能であるので、被処理物が搬送手段によって搬送される際に鉛直方向下方に落下し、これにより、被処理物が流動及び混合される。このため、熱処理における被処理物に対する熱のかかり具合を均等化することができる。従って、熱処理における焼成ムラの発生を抑制することができる。
請求項2記載の焼成炉によれば、搬送手段は、移動可能に形成された熱処理室の隔壁の少なくとも一部である隔壁部を兼ねており、この隔壁部が移動することにより被処理物を鉛直方向下方に位置する熱処理室に搬送するので、搬送手段を小さく且つ、簡単な形状にすることができる。従って、被処理物の流動及び混合手段としての搬送手段のコストを低減することができ、焼成炉を経済的なものにすることができる。加えて、一度に大量の被処理物を搬送することができるので、焼成炉を工業的なものにすることができる。
請求項3記載の焼成炉によれば、隔壁部は、金属及びセラミックスの少なくともいずれか一方から成り、板皿形状、容器形状、円筒形状、及び三角柱形状の少なくともいずれか一つを有すると共に、回転及びスライドのいずれかの移動が可能に形成されているので、搬送手段をより小さく且つ、より簡単な形状にすることができる。従って、搬送手段のコストをより低減することができ、焼成炉をより安価で経済的なものにすることができる。
請求項4記載の焼成炉によれば、搬送手段は隔壁部を複数有するので、一度により大量の被処理物を搬送することができ、焼成炉をより工業的なものにすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉の概略構成を示す図である。尚、以降、縦型多段式連続焼成炉について、図1左方を「前方」、右方を「後方」、上方を「上方」、下方を「下方」として説明する。
図1に示すように、縦型多段式連続焼成炉1は、粉体状又は粒体状の被処理物M(以下単に、被処理物と称する)に熱処理を行う中空の炉体2と、炉体2内に被処理物を供給するための供給路3と、熱処理された被処理物を炉体2から排出するための排出路4とを備える。供給路3は、その一端が炉体2の上部に気密に接続されており、排出路4は、その一端が、炉体2の下部に気密に接続されている。また、供給路3の他端は、被処理物を供給路3を介して炉体2内に供給するための図示しない供給装置に接続されており、排出路4の他端は、熱処理された被処理物を回収するための図示しない回収装置に接続されている。被処理物としては、例えば、LiCOとCoとの混合物や、LiOH・HOとNi(OH)との混合物等がある。被処理物をLiCOとCoとの混合物とした場合は、熱処理によりLiCoOが焼成され、また、被処理物をLiOH・HOとNi(OH)との混合物とした場合は、熱処理によりLiNiOが焼成される。
炉体2の内部には、水平方向に延びる複数の隔壁が鉛直方向に一定の間隔をあけて設けられており、これにより、複数の熱処理室が形成されている。具体的には、図1に示すように、水平方向に延びる10個の隔壁101,111,121,131,141,151,161,171,181,191が鉛直方向に一定の間隔をあけて設けられており、これにより、10個の熱処理室100,110,120,130,140,150,160,170,180,190が炉体2内に形成されている。
隔壁101は、分割された複数の横方向(紙面垂直方向)に延びる隔壁部としての分割壁から構成されている。例えば、隔壁101は、図1に示すように、分割された6つの分割壁102〜107から構成されている。分割壁102〜105は互いに同一形状であり、図2に示すように、例えば中央近傍が凹んだ板皿形状であり、長手方向(紙面垂直方向)に沿って延びる回転軸102a〜105aを中心に前後方向(図1の矢印a方向)に回転可能に炉体2に軸支されている。また、分割壁106,107は、炉体2の前側内壁及び後側内壁に、その前端部及び後端部が夫々固定されている。更に、分割壁102〜107は、上・下面が水平方向に延びる水平状態(図2の状態)において、互いに隣接する分割壁の端部が重なり合うように配置されていることにより、分割壁の間に隙間がない状態となっている。回転可能な分割壁102〜105は、金属材料又はセラミックス材料から成り、具体的には、アルミナやインコネル(R)から成る。また、回転可能な分割壁102〜105の前後方向の幅は、例えば、150〜300mmであり、嵩高20〜80mmの被処理物が積載可能に形成されている。
隔壁111〜191は、隔壁101と同様の構造を有しており、分割壁112〜117及び回転軸112a〜115a、分割壁122〜127及び回転軸122a〜125a、分割壁132〜137及び回転軸132a〜135a、分割壁142〜147及び回転軸142a〜145a、分割壁152〜157及び回転軸152a〜155a、分割壁162〜167及び回転軸162a〜165a、分割壁172〜177及び回転軸172a〜175a、分割壁182〜187及び回転軸182a〜185a、分割壁192〜197及び回転軸192a〜195aを夫々備える。
隔壁101〜191において、回転可能に形成された分割壁102〜105、112〜115、122〜125、132〜135、142〜145、152〜155、162〜165、172〜175、182〜185、192〜195は、各隔壁毎に前後方向に交互にずらして配置されている。具体的には、図1に示すように、分割壁102〜105に対して分割壁112〜115が前方向に一定の距離、例えば互いに隣接する軸102a〜105a間の半分の距離だけずらして配置されており、分割壁112〜115に対して分割壁122〜125が後方向に一定の距離、例えば互いに隣接する軸112a〜115a間の半分の距離だけずらして配置されている。同様に、分割壁122〜125、132〜135、142〜145、152〜155、162〜165、172〜175、182〜185、192〜195も、前後方向に交互に一定の距離ずらして配置されている。
供給路3は、各隔壁における回転可能な分割壁の数に対応して、供給管路を有しており、本実施の形態においては、各隔壁の回動可能な4つの分割壁に対応して、4つの供給管路3a〜3dを有する。供給管路3a〜3dは、分割壁102〜105の前後方向中央部上方に夫々対応して炉体2の上部に気密に接続されている。
また、縦型多段式連続焼成炉1には、分割壁102〜105,112〜115,122〜125,132〜135,142〜145,152〜155,162〜165,172〜175,182〜185,192〜195を夫々回転駆動するための駆動装置108,118,128,138,148,158,168,178,188,198が設けられている。さらに、各熱処理室100〜190内には、室内を所定の温度に加熱するためのヒータ109,119,129,139,149,159,169,179,189,199が夫々設けられている。
また、縦型多段式連続焼成炉1は、制御装置5を備え、制御装置5は、駆動装置108〜198、ヒータ19〜199、及び上述の図示しない供給装置に、各熱処理室内の状体等に応じてこれらを制御可能に接続されている。
縦型多段式連続焼成炉1において、各熱処理室100〜190内でのヒータによる加熱態様は異なり、例えば、図1に示すように、熱処理室100〜120は昇温ゾーンAを、熱処理室130〜170は均熱ゾーンBを、熱処理室180〜190は降温ゾーンCを夫々形成する。昇温ゾーンAにおいて、熱処理室100内の温度はヒータ109により300℃に保持されており、熱処理室110内の温度はヒータ119により600℃に保持されており、熱処理室120内の温度はヒータ129により900℃に保持されている。また、均熱ゾーンBにおいて、各熱処理室130〜170内の温度はヒータ139〜179により1000℃に保持されている。更に、降温ゾーンCにおいて、熱処理室180内の温度は700℃に、熱処理室190内の温度は400℃にヒータ189,199により夫々保持されている。
また、各熱処理室には、空気、O、又はNなどのガスを夫々導入及び排気するためのガス導入口及びガス排気口(共に不図示)が設けられている。ガス導入口は管路を介してガスを熱処理室内に供給するガス供給装置(不図示)に接続されており、ガス排気口は管路を介して熱処理室内のガスを排気するガス排気装置(不図示)に接続されている。
以下、上述の構成を有する縦型多段式連続焼成炉1の動作について説明する。
制御装置5においてオペレータが所定の操作を行うと、図示しない供給装置から所定の量の被処理物が供給路3を介して熱処理室100内に供給される。上述のように、供給路3は供給管路3a〜3dより構成されており、供給管路3a〜3dは隔壁101の回転可能な分割壁102〜105に対応して夫々配設されているので、供給管路3a〜3dを介して供給される被処理物は、分割壁102〜105の前後方向中央部に上方から夫々供給される。このため、各分割壁102〜105上に積載された被処理物は、図1に示すように、横方向(図1紙面垂直方向)に延びる回転軸102a〜105aを通る分割壁に垂直な面に対して略対称な凸状形状を呈する。ここで、供給装置からの被処理物の供給時には、分割壁102〜105は図1に示すように水平状態になっている。また、供給装置から供給される被処理物は、各分割壁102〜105からこぼれ落ちない量が供給される。尚、供給装置からの被処理物の供給量は、これに限るものではない。例えば、分割壁102〜105一面に被処理物が堆積するような量の被処理物が供給されてもよい。
処理室100内において、被処理物を所定時間、例えば2時間加熱すると、分割壁102〜105が駆動装置108の駆動によって前方に所定角度、例えば60°回動する(図1の分割壁152〜155参照)。この分割壁102〜105の回動により、各分割壁に積載された被処理物が分割壁上から滑落して下方の熱処理室110内に搬送される。このとき、被処理物は流動され、混合される。また、上述のように、分割壁112〜115は、分割壁102〜105に対して前方に変位配置されているので、分割壁102〜105の前方への回動によって滑落する被処理物は、分割壁112〜115上に夫々積載される。尚、このとき、分割壁112〜115は水平状態になっている。また、被処理物は、上述した分割壁102〜105上に積載される被処理物と同様の形態で、分割壁112〜115上に積載される。回動された分割壁102〜105は、全ての被処理物を熱処理室110に搬送すると再度水平状態に戻される。
次いで、処理室110内において、被処理物を所定時間、例えば2時間加熱すると、分割壁112〜115が駆動装置118の駆動によって後方へ所定角度、例えば60°回動する。この分割壁112〜115の回動により、各分割壁に積載された被処理物が分割壁上から滑落して下方の熱処理室120内に搬送される。このとき、被処理物は、流動され、混合される。また、上述のように、分割壁122〜125は、分割壁112〜115に対して後方に変位配置されているので、分割壁112〜115の後方への回動によって滑落する被処理物は、分割壁122〜125上に夫々積載される。また、被処理物は、上述した分割壁102〜105上に積載される被処理物と同様の形態で、分割壁122〜125上に積載される。回動された分割壁112〜115は、全ての被処理物を熱処理室120に搬送すると再び水平状態に戻される。
次いで、分割壁102〜105及び分割壁112〜115の動作と同様に、分割壁122〜125、分割壁132〜135、分割壁142〜145、分割壁152〜155、分割壁162〜165、分割壁172〜175、及び分割壁182〜185が順次、所定角度前方又は後方に交互に回動する。これにより、上方の熱処理室の分割壁上に積載されて加熱された被処理物が順次、下方の熱処理室の分割壁上に搬送されて熱処理される。即ち、被処理物は下方に向かって上方の熱処理室から下方の熱処理室まで、各処理室において順次熱処理される。この熱処理において、上方の熱処理室で加熱された被処理物は、流動され、混合されながら下方の熱処理室に搬送されるので、各熱処理室において被処理物を均等に加熱することができる。
また、分割壁122〜125、分割壁132〜135、分割壁142〜145、分割壁152〜155、分割壁162〜165、分割壁172〜175、及び分割壁182〜185は、分割壁102〜105,112〜115と同様に、全ての被処理物を下方の熱処理室に搬送すると再び水平状態に戻される。
上記熱処理において、熱処理室120では、被処理物を所定時間、例えば2時間熱処理する。即ち、熱処理室120内に被処理物が搬送されてから上記所定時間経過後に分割壁122〜125を水平状態から所定角度回動する。均熱ゾーンBの各熱処理室130〜170においては、被処理物を所定時間、例えば2時間熱処理する。即ち、各熱処理室130〜170内に被処理物が搬送されてから上記所定時間経過後に分割壁を水平状態から所定角度回動する。降温ゾーンCの各熱処理室180においては、被処理物を所定時間、例えば2時間熱処理する。即ち、各熱処理室180内に被処理物が搬送されてから上記所定時間経過後に分割壁を水平状態から所定角度回動する。
次いで、熱処理室190内において、被処理物を所定時間、例えば2時間加熱すると、分割壁192〜195が駆動装置198の駆動によって回動する。これにより、焼成された被処理物が排出路4に搬送され、排出路4を介して上述の図示しない排出装置に搬送される。分割壁192〜195は、全ての被処理物を排出路4に搬送すると、再び水平状態に戻され、これにより、縦型多段式連続焼成炉1による一連の熱処理が終了する。縦型多段式連続焼成炉1は、この一連の熱処理を所定の時間間隔で連続して実行することにより、被処理物の熱処理を効率よく行うことができる。
上述のように、本実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉1によれば、熱処理工程において、鉛直方向に多段に配置された分割壁が、上段の分割壁から下段の分割壁まで順次回動することにより、被処理物が上段の分割壁から下段分割壁に順次滑落しながら熱処理されるので、熱処理中に被処理物が流動及び混合される。このため、熱処理において、被処理物を均等に加熱することができ、熱処理における被処理物に対する熱のかかり具合を均等化することができる。従って、従来の焼成炉に比べて熱処理における焼成ムラの発生を抑制することができる。
縦型多段式連続焼成炉1は、被処理物の搬送手段として、熱処理室の隔壁を分割して回転可能に形成された分割壁を有しており、この分割壁が回動することにより被処理物を搬送する。このため、搬送手段を小さく且つ、簡単な形状にすることができる。従って、被処理物の流動及び混合手段としての搬送手段のコストを、従来のロータリーキルンのロータリー円筒よりも低減でき、更にプッシャー炉及びローラーハースキルンで一般的に使用される金属又はセラミックス容器よりも低減することができ、縦型多段式連続焼成炉1を安価で経済的なものにすることができる。また、一度に大量の被処理物を焼成ムラの発生を抑制しつつ搬送することができるので、一度の処理で大量の被処理物を焼成することができ、焼成炉を従来よりも工業的なものにすることができる。特に、各隔壁における分割壁の数を増やすことにより、一度の処理で大量の被処理物を搬送することができる。
また、搬送手段としての分割壁は、金属及びセラミックスのいずれか一方から成り、板皿形状を有すると共に、回転可能に形成されているので、従来に比べて搬送手段をより小さく且つ、より簡単な形状にすることができる。従って、搬送手段のコストをより低減することができ、縦型多段式連続焼成炉1をより経済的なものにすることができる。
また、縦型多段式連続焼成炉1は、隔壁において分割壁を複数有するので、一度により大量の被処理物を搬送することができ、縦型多段式連続焼成炉1をより工業的なものにすることができる。
また、縦型多段式連続焼成炉1においては、従来のプッシャー路、ローラーハースキルン、及びロータリーキルンとは異なり、大量の被処理物を少量ずつに分割して熱処理すると共に、この少量に分割された被処理物を滑落により流動及び混合するので、従来に比べて熱処理における焼成ムラの発生をより効果的に抑制することができる。
尚、本実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉1おいて分割壁は、上述のように、各段毎に交互に前後に、即ち鉛直方向に向かってジグザグ状に配設されているが、分割壁の形態はこれに限るものではない。例えば、炉体2を鉛直方向に向かってらせん状に形成し、隔壁を鉛直方向に向かう螺旋階段状に形成して、各隔壁において上述のように分割壁を形成してもよい。この場合、縦型多段式連続焼成炉1を小型化することができる。
また、縦型多段式連続焼成炉1において分割壁は、4列×10段の構造となっているが、分割壁の構造はこれに限るものではない。必要とする処理能力に応じて、分割壁の列数及び段数を任意に定めればよい。例えば、分割壁の段数、即ち隔壁の段数を多くすることにより、より細かく加熱温度の設定をすることができる。
また、縦型多段式連続焼成炉1において回転可能な分割壁は、中央近傍が凹んだ板皿形状としたが(図2参照)、分割壁の形状はこれに限るものではない。例えば、平らな板形状であってもよく、図3に示すように、凹状に形成された容器形状であってもよい。また、円筒形状や三角柱形状であってもよい。
また、分割壁は、回転可能に形成されたものに限られず、他の動作形態による動作が可能に形成されたものであってもよい。例えば、分割壁は、スライド移動可能であってもよく、振動可能であってもよい。また、これらの組み合わせであってもよい。
さらに、全ての分割壁は同一の材料から形成されていなくてもよく、熱処理ゾーン毎に材料を使い分けてもよい。例えば、昇温ゾーン及び降温ゾーンの分割壁を金属材料から形成し、均熱ゾーンの分割壁をセラミックス材料から形成してもよい。
次いで、本発明の第2の実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉について説明する。本実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉は、上述した第1の実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉1に対してその構造が基本的に同じであるが、分割壁の構造及びその移動態様が異なる。以下、上述した第1の実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉1と同一の構造についてはその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図4は、本実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉200の分割壁の縦断面を示す拡大図である。
縦型多段式連続焼成炉200の炉体201の内部には、水平方向に延びる隔壁が鉛直方向に一定の間隔をあけて設けられており、これにより、複数の熱処理室が形成されている。図4には、鉛直方向に隣接する2つの熱処理室210,220が示されている。
熱処理室210と熱処理室220の隔壁211は、複数の分割壁212a,212bから構成されている。分割壁212a,212bは、同一の大きさ且つ同一の形状であり、縦断面が三角形の横方向に延びる三角柱形状に形成されている。隔壁211において、分割壁212a,212bは、下面が水平方向に延びる平面を形成するように前方から交互に並べて配設されている。また、分割壁212a,212bは、隣接する分割壁又は炉体201の内壁との間に隙間が形成されないように、下面両端部が隣接する分割壁の下面端部又は炉体202の内壁に気密に接するように配設されている。さらに、本実施の形態においては、隔壁211は5つの分割壁212a,212bから構成されており、具体的には、3つの分割壁212aと2つの分割壁212bから構成されている。
また、分割壁212bは、図5に示すように、鉛直方向上方にスライド移動可能に形成されている。分割壁212a,212bは、図1の分割壁と同様に金属材料又はセラミックス材料からなり、具体的にはアルミナやインコネル(R)から成る。他の熱処理室の隔壁も隔壁211と同様に構成されている。
次いで、上述の構成を有する縦型多段式連続焼成炉200の動作について説明する。
図4に示すように、隔壁211において、分割壁212a,212bの下面が水平方向に延びる平面を形成する状態において、上方の熱処理室又は供給装置から搬送された被処理物Mが分割壁212a,212b上に積載される。この状態において、熱処理室210内で所定の熱処理が行われる。
次いで、熱処理が終了すると、図5に示すように、対応する駆動装置の駆動によって分割壁212bが上方に所定の距離をスライド移動する。この分割壁212bのスライド移動により隔壁211に間隙が形成され、分割壁212a,212b上に積載されていた被処理物はこの形成された間隙を介して下方の熱処理室220の隔壁上に搬送される。各熱処理室においても同様に分割壁が作動して下方の熱処理室に被処理物が搬送される。
上述のように、分割壁212bが上方にスライド移動することにより、被処理物が、第1の実施の形態と同様に、分割壁212a,212b上から滑落して下方の熱処理室内に搬送され、このとき、被処理物は流動され、混合される。このため、各熱処理室において被処理物を均等に加熱することができる。
上述のように、本実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉200によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
尚、本実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉200の構成は上述の構成に限るものではない。例えば、分割壁の形状は、三角柱形状に限るものではなく、円筒形状(図6(a))、円柱形状(図6(b))、半円筒形状(図6(c))、及び半円柱形状(図6(d))等であってもよく、分割壁が上方にスライド移動した場合に積載されていた被処理物が下方に滑落する形状であればよい。また、分割壁のスライド移動方向は鉛直方向上方に限るものではなく、鉛直方向下方等の隔壁に間隙が形成される方向であればよい。また、分割壁の移動形態は、スライド移動に限らず、回転移動や振動、これらの組み合わせ等の他の移動形態であってもよい。
また、本発明に係る焼成炉は、上記本発明の各実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉に限定されるものではない。本発明は、少なくとも2つの熱処理室が鉛直方向にずらされた多段に配設された多段式構造を有し、被処理物が最上部から投入されて、多段の熱処理室を一定時間経過毎に順次上段から下段に、昇温ゾーンA→均熱処理ゾーンB→降温ゾーンCと搬送され、この搬送の際に被処理物が流動及び混同され、最下部から排出されるという焼成炉を含む。このように、本発明は縦型構造を有し、プッシャー炉、ローラーハースキルン、及びロータリーキルンに代表される従来の焼成炉のように、被処理物が水平方向に移動する横型構造とは異なる。このような縦型構造の利点の1つとしては、上述のように、被処理物を上段から下段に落下させることにより搬送するので、搬送の際に被処理物を流動及び混合させることができ、焼成ムラを抑制することができるという利点がある。また、熱は下部から上部に向かうという性質から、上部のヒータの電気容量を小さくできるという利点もある。
本発明は、例えば、燃料電池の電極材料を焼成するための焼成炉に利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉の概略構成を示す図である。 図1の縦型多段式連続焼成炉における分割壁の概略構成を示す縦断面図である。 図2の分割壁の変形例を示す縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る縦型多段式連続焼成炉の分割壁の縦断面を示す拡大図である。 図4の縦型多段式連続焼成炉の動作を示す図である。 図4の縦型多段式連続焼成炉における分割壁の変形例を示す図である。
符号の説明
1,200 縦型多段式連続焼成炉
2,201 炉体
3 供給路
3a,3b,3c,3d 供給管路
4 排出路
5 制御装置
100,110,120,130,140,150,160,170,180,190,210,220 熱処理室
101,111,121,131,141,151,161,171,181,191,211 隔壁
102,103,104,105,106,107,112,113,114,115,116,117,122,123,124,125,126,127,132,133,134,135,136,137,142,143,144,145,146,147,152,153,154,155,156,157,162,163,164,165,166,167,172,173,174,175,176,177,182,183,184,185,186,187,192,193,194,195,196,197,212a,212b 分割壁
109,119,129,139,149,159,169,179,189,199 ヒータ

Claims (6)

  1. 被処理物を熱処理する焼成炉であって、
    前記被処理物を加熱するためのヒータと前記被処理物を搬送するための搬送手段とを備える少なくとも2つの熱処理室と、
    前記ヒータを制御するヒータ制御手段と、
    前記搬送手段を制御する搬送手段制御手段とを備え、
    前記熱処理室は鉛直方向に配置されており、
    前記搬送手段は、各々が複数の分割壁から構成された前記熱処理室の隔壁を兼ねており、かつ、前記分割壁が移動して前記被処理物が前記分割壁から滑落することにより、前記被処理物を鉛直方向下方に位置する前記熱処理室に搬送し、
    前記ヒータ制御手段は、前記被処理物を所定の温度で加熱するために前記ヒータの各々を制御し、
    前記搬送手段制御手段は、前記熱処理室において前記ヒータによって所定時間加熱された前記被処理物を前記熱処理室から搬送するために前記搬送手段の各々を制御することを特徴とする焼成炉。
  2. 前記分割壁が回転した際に、前記被処理物が前記分割壁から滑落することにより、前記被処理物が鉛直方向下方に位置する前記熱処理室に搬送されることを特徴とする、請求項1記載の焼成炉。
  3. 前記分割壁の回転軸が、熱処理室毎に、水平方向に互いに隣接する分割壁の回転軸間の距離の半分だけずらして配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の焼成炉。
  4. 前記分割壁が、三角柱形状、円筒形状、半円筒形状、円柱形状、又は半円柱形状であり、かつ、前記分割壁の一部が鉛直方向に移動した際にできる間隙から前記被処理物が滑落することにより、前記被処理物が鉛直方向下方に位置する前記熱処理室に搬送されることを特徴とする、請求項1記載の焼成炉。
  5. 前記分割壁は、金属及びセラミックスの少なくともいずれか一方ら成ることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の焼成炉。
  6. 前記被処理物が、リチウム二次電池の正極活物質である、請求項1〜5いずれかに記載の焼成炉。
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