JP5182144B2 - 軌道輪部材の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車の車輪及びブレーキディスク等の制動用回転部材を懸架装置に対して回転自在に支持する為に利用する、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する軌道輪部材の製造方法の改良に関する。本発明の製造方法の対象となる軌道輪は、内周面の軸方向2個所位置に背面組み合わせ型で複列の外輪軌道を、外周面に外向フランジを、それぞれ備えたものである。この様な軌道輪部材は、上記車輪支持用転がり軸受ユニットが内輪回転型の場合には、懸架装置に結合固定される外輪が、同じく外輪回転型の場合には、車輪を支持固定した状態でこの車輪と共に回転するハブが、それぞれ相当する。
自動車の車輪を構成するホイール、及び、制動用回転部材であるディスク或いはドラムを、懸架装置を構成するナックルに回転自在に支持する為に、車輪支持用転がり軸受ユニットが広く使用されている。この様な車輪支持用転がり軸受ユニットとして一般的には、図4に示した内輪回転型のものが使用されているが、一部では、図5に示した様な外輪回転型のものも使用されている。
先ず、図4に示した、内輪回転型で従動輪(FR車及びMR車の前輪、FF車の後輪)用の車輪支持用転がり軸受ユニット1は、外輪2の内径側にハブ3を、複数の転動体4、4を介して、回転自在に支持している。使用状態では、上記外輪2を上記ナックルに結合固定し、上記ハブ3に車輪及び制動用回転部材を支持固定する。この為に、上記外輪2の内周面の2個所位置に複列の外輪軌道5、5を、外周面に、特許請求の範囲に記載した外向フランジである取付部6を、それぞれ形成している。一方、上記ハブ3の外周面には、上記外輪2よりも軸方向外方に突出した外端寄り部分に、車輪及び制動用回転部材を支持固定する為の支持フランジ7を、軸方向中間部乃至内端寄り部分に複列の内輪軌道8、8を、それぞれ形成している。そして、これら両列の内輪軌道8、8と上記両列の外輪軌道5、5との間に、両列毎に複数個ずつの転動体4、4を配置して、上記外輪2の内径側での上記ハブ3の回転を自在としている。
又、図5に示した、外輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユニット1aは、それぞれの外周面に内輪軌道8、8を形成した1対の内輪9、9の周囲にハブ10を、複数個の転動体4、4を介して回転自在に支持している。使用状態では上記両内輪9、9を、懸架装置に設けた車軸に外嵌固定し、上記ハブ10に車輪及び制動用回転部材を支持固定する。この為にこのハブ10の内周面の2個所位置に複列の外輪軌道5、5を、外周面の軸方向外寄り部分に、特許請求の範囲に記載した外向フランジである支持フランジ7aを、それぞれ形成している。そして、上記両列の内輪軌道8、8と上記両列の外輪軌道5、5との間に、両列毎に複数個ずつの転動体4、4を配置して、上記両内輪9、9の外径側での上記ハブ10の回転を自在としている。尚、図示の例では、転動体4、4として玉を示したが、重量の嵩む車両用の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、転動体として円すいころを使用する場合もある。更に、図6に示す様に、中心部にスプライン孔11を設けたハブ3aを組み込んだ、駆動輪(FR車及びMR車の後輪、FF車の前輪、4WD車の全輪)用の車輪支持用転がり軸受ユニット1bも、従来から広く知られている。
例えば、図4、6に示した車輪支持用転がり軸受ユニット1、1bを構成する外輪2、2a、或は図5に示した車輪支持用転がり軸受ユニット1aを構成するハブ3aの如き、内周面の軸方向2個所位置に複列の外輪軌道を、外周面に外向フランジを、それぞれ備えた軌道輪部材は、鍛造加工と切削加工及び研削加工とを組み合わせて造る。又、この様な軌道輪部材を造る為の素材は、鉄鋼メーカーで押し出し成形された、断面円形の長尺材を所定長さに切断する事で造られた、円柱状のものを使用する。この様にして得られる円柱状の素材の組成(清浄度)は均一ではなく、中心寄り部分及び外周面寄り部分に存在する金属材料の清浄度が低い事が知られている。そして、この清浄度の低い金属材料が、上記軌道輪部材の周面に設けた軌道面のうちで、特に転動体の転動面が転がり接触する部分に露出すると、この部分の転がり疲れ寿命の確保が難しくなる事も知られている。
これらの事を考慮し、且つ、素材中の酸化物や非金属介在物の分布のばらつき、更には、製造作業時に発生する(押圧力等の)各種ばらつきを考慮して、上記素材の中央部50%の範囲、及び、上記素材の外径寄り30%の範囲に存在する金属材料を、軌道面のうちで、少なくとも転動面が転がり接触する部分に露出しない様にする為の製造方法が、特許文献1〜4に記載される等により、従来から知られている。これら各特許文献に記載された既知の製造方法では、素材の加工手順を工夫する事により、上記軌道面のうちの少なくとも転動面が転がり接触する部分に、上記素材のうちで、中心からの半径が50〜70%の範囲である、中間円筒状部分に存在する、清浄な金属材料を露出させる。
例えば、図7に示す様な、内周面の2個所位置に複列の外輪軌道5、5を、外周面に外向フランジ状の取付部6を、それぞれ形成した外輪2を造るのに、図8に示す様な工程を採用する。
この従来の製造方法の場合には、先ず、図8の(A)に示す様な円柱状の素材12を軸方向に押し潰す据え込み加工を施す事により、この素材12を、図8の(B)に示す様な、軸方向中間部の外径が軸方向両端部の外径よりも大きくなった、ビヤ樽型の第一中間素材13とする。
その後、この第一中間素材13の軸方向両端面に1対の荒成形用の金型を、この第一中間素材13の周囲に荒成形用ダイスを配置した状態で押し付ける、荒成形加工を施す。そして、この第一中間素材13を塑性変形させ、図8の(C)に示す様な第二中間素材14とする。この第二中間素材14は、軸方向両端面に開口する1対の凹部15a、15bと、これら両凹部15a、15bの底部同士を仕切る仕切り板部16と、外周面の軸方向中間部に径方向外方に突出する状態で形成された支持フランジ7とを備える。
次いで、この様な第二中間素材14の軸方向両端面に1対の仕上げ成形用の金型を、この第二中間素材14の周囲に仕上げ成形用ダイスを配置した状態で押し付ける仕上げ加工を施す。この仕上げ加工では、上記仕切り板部16及び上記支持フランジ7の厚さ寸法を縮めると共に、円筒部18の内外両周面の形状及び寸法を整えて、図8の(D)に示す様な第三中間素材17とする。
次いで、この第三中間素材17の上記仕切り板部16を、その外径寄り部分を除いて打ち抜き除去し、図8の(E)に示す様な第四中間素材19とする。
更に、この第四中間素材19に、支持フランジ7の外周縁部に残っているバリ20を除去するバリ取り加工を施して、図8の(F)に示す様な第五中間素材21とする。そして最後に、各部に旋削等による切削加工や研削加工等の仕上げ加工を施して、前記図7に示す様な外輪2とする。
図9は、図8の(A)→(B)→(C)→(D)の工程で造られた第三中間素材17中の、金属材料の分布状況を示している。最も内径側には、前記素材12の中央部50%の範囲内に存在していた、非清浄な中心部金属材料22が存在する。又、この中心部金属材料22を囲む、図9に斜格子で示した部分には、中心からの半径が50〜70%の範囲である中間円筒状部分に存在していた、清浄な中間部金属材料23が存在する。更に、この中間部金属材料23を囲む部分には、上記素材の外径寄り30%の範囲に存在していた、非清浄な外径部金属材料24が存在する。又、図9中の鎖線は、上記第三中間素材17に、切削加工及び研削加工等の仕上げ加工を施して造られる、上記外輪2を示している。この外輪2の形状を示す鎖線の位置と、上記各金属材料22〜24の分布とから分かる様に、上述の図8に示す様な工程で、図7に示す様な外輪2を造れば、この外輪2の内周面に形成した複列の外輪軌道5、5に、前記中間円筒状部分に存在する清浄な金属材料23を露出させる事ができる。
但し、図10に示す様に、複列の外輪軌道5、5同士の間隔が狭い(列間ピッチが短い)外輪2aを、上述の図8に示す様な製造方法により造る事は、金型寿命を考慮すると難しい。即ち、上記図9中に斜格子で示した、上記中間部金属材料23の分布を見れば明らかな通り、上記両外輪軌道5、5の表面のうちで転動体4、4(図4〜6参照)と転がり接触する部分に上記中間部金属材料23を露出させる為には、この中間部金属材料23を、上記両外輪軌道5、5となるべき部分に迄移動させる必要がある。ところが、単に図8に示した製造方法を上記図10に示した様な、列間ピッチが短い外輪2aの加工に適用した場合には、図11に示す様に、清浄な中間部金属材料23が、外輪軌道5、5となるべき部分に迄十分には移動しない。
これに対して、図8の(C)→(D)に示す工程での、第二中間素材14から第三中間素材17への圧縮量を増大させ、図12に示す様に、得られる第三中間素材17aの仕切り板部16aを十分に(例えば、一般的な乗用車用の車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪の場合で4mm程度に)薄くすれば、同図に示す様に、清浄な中間部金属材料23を外輪軌道5、5となるべき部分に迄十分に移動させられる。但し、上記第三中間素材17aの仕切り板部16aを薄くする程、上記第二中間素材14を上記第三中間素材17に加工する際に金型に加わる面圧が高くなり、この金型に生じる応力が大きくなる。図13は、加工後に於ける仕切り板部の厚さ(横軸)と、加工に伴って金型に加わる面圧との関係の1例を示している。尚、加工前に於ける(第二中間素材14の段階での)仕切り板部の厚さは同じ(12mm)としている。この様な図13から明らかな通り、上記第三中間素材17aの様に仕切り板部16a全体の厚さを過度に小さくする事は、金型の負担を増大させて、この金型の寿命を極端に短くする為、量産を考慮した場合には採用できない。仕切り板部の厚さの実用的な値は、7〜8mm程度である。
特開2008−126286号公報 特開2008−128256号公報 特開2008−173677号公報 特開2008−188612号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、加工時に金型に生じる応力を抑えてこの金型の耐久性を確保でき、しかも、列間ピッチが短い外輪の内周面に存在する複列の外輪軌道に清浄な金属材料を露出させられる軌道輪部材の製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の軌道輪部材の製造方法は、円筒部の内周面の軸方向2個所位置に背面組み合わせ型の1対の外輪軌道を、外周面に外向フランジを、それぞれ設けた軌道輪部材を造る為に利用する。
この様な本発明の軌道輪部材の製造方法では、先ず、中心からの半径が50〜70%の範囲である中間円筒状部分に清浄な中間部金属材料を存在させた、金属材製で円柱状の素材に、軸方向に押し潰す据え込み加工を施す事により、この素材から、軸方向中間部の外径が軸方向両端部の外径よりも大きくなった第一中間素材を造る。
次いで、この第一中間素材に荒成形加工を施す事により、この第一中間素材を塑性変形させる。この荒成形加工は、この第一中間素材の軸方向両端面に1対の第一金型を、この第一中間素材の周囲に荒成形用ダイスを配置した状態で押し付ける事により、或いは、荒成形用ダイスを省略して、1対の金型同士の間で上記第一中間素材を押圧する事により行う。そして、軸方向両端面に開口する1対の凹部と、これら両凹部の底部同士を仕切る第一仕切り板部と、外周面の軸方向中間部に径方向外方に突出する状態で形成された上記外向フランジとを備えた、第二中間素材とする。
次いで、少なくとも一方の先端面の中央部に逃げ凹部を設けた1対の第二金型により、上記第二中間素材のうちの少なくとも上記第一仕切り板部の外径寄り部分を軸方向に押し潰す事で、上記中間部金属材料を前記両外輪軌道となるべき部分に移動させると共に、この押し潰しに伴って生じた余肉を上記逃げ凹部に移動させる。そして、外径寄り部分の厚さに比べて中央部の厚さが大きい第二仕切り板部を備えた、第三中間素材とする。
次いで、上記第二仕切り板部を、外径寄りの厚さが小さい部分で打ち抜き除去して、外周面に上記外向フランジを備えた、円筒状の第四中間素材とする。
更に、この第四中間素材に仕上加工を施して、上記軌道輪部材とする事により、上記中間部金属材料を上記両外輪軌道部分に露出させる
上述の様に構成する本発明の軌道輪部材の製造方法の場合には、第一仕切り板部を第二仕切り板部に加工する過程で、これら両仕切り板部の径方向に関して外寄り部分の厚さ寸法を十分に縮める事により、清浄な中間部金属材料を外輪軌道となるべき部分に迄、十分に移動させられる。この結果、この列間ピッチが短い外輪の内周面に存在する複列の外輪軌道に清浄な金属材料を露出させられて、これら両外輪軌道の転がり疲れ寿命の確保を図れる。
又、上述の様に第一仕切り板部を第二仕切り板部に加工する過程で、これら両仕切り板部の中央部は、第二金型の先端面中央部に存在する逃げ凹部の存在に基づいて押し潰される事がない。又、これら両第二金型の先端面外径寄り部分で上記第一仕切り板部が押し潰される事により生じた余肉は、上記第二金型の逃げ凹部に向けて、径方向内方に移動する。この移動に伴って、上記第一仕切り板部乃至は上記第二仕切り板部の外径寄り部分を軸方向に押し潰す(厚さ寸法を縮める)為に要する力(面圧)を、小さく抑えられる。この為、加工時に金型に生じる応力を抑えてこの金型の耐久性を確保できる。
本発明の軌道輪部材の製造方法の実施の形態の1例を工程順に示す、素材乃至第五中間素材の断面図。 第二中間素材を第三中間素材に加工する仕上成形加工の実施状況を示す断面図。 第三中間素材の段階での、中心部、中間部、外径部、各金属材料の分布状況を示す断面図。 本発明の製造方法の対象となる軌道輪部材である外輪を備えた、内輪回転型で従動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。 本発明の製造方法の対象となる軌道輪部材であるハブを備えた、外輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。 本発明の製造方法の対象となる外輪を備えた、内輪回転型で駆動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。 従来の製造方法により造れる外輪の断面図。 従来の製造方法の1例を工程順に示す、素材乃至第五中間素材の断面図。 第三中間素材の段階での、中心部、中間部、外径部、各金属材料の分布状況を示す断面図。 従来の製造方法では良質のものを造る事が難しい、外輪軌道の列間ピッチが短い外輪の1例を示す断面図。 従来の製造方法で図10に示した外輪を造る過程で得られる第三中間素材の段階での、中心部、中間部、外径部、各金属材料の分布状況を示す断面図。 図10に示した外輪を造る場合に、中間部金属材料の分布を良好にする為、仕切り板部を十分に押し潰した状態での、中心部、中間部、外径部、各金属材料の分布状況を示す断面図。 仕切り板部の押し潰し量が金型に生じる応力の大きさに及ぼす影響を示す線図。
図1〜3により、本発明の実施の形態の1例に就いて説明する。この例は、本発明の製造方法により、前述の図10に示した様な、複列の外輪軌道5、5同士の間隔が狭い(列間ピッチが短い)外輪2aを、加工に伴って金型25a、25bに生じる応力を抑えつつ、上記両外輪軌道5、5部分に清浄な中間部金属材料23を露出させる様にする事を意図している。この様な本例の軌道輪部材の製造方法の特徴は、図1の(C)に示した第二中間素材14を同じく(D)に示した第三中間素材17bに加工する過程で使用する上記両金型25a、25bの形状にある。その他の部分の構成に関しては、図8により先に説明した従来方法と同様であるから、重複する説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
図1の(A)に示した円柱状の素材12から同じく(B)に示した第一中間素材13を経て造った、同じく(C)に示した第二中間素材14は、図2に示す様に、それぞれが特許請求の範囲に記載した第二金型に相当する上記1対の金型(上型及び下型)25a、25b同士の間で強く挟持して塑性変形させる事により、同じく(D)に示した、上記第三中間素材17bとする。上記両金型25a、25bは、互いの対向する面のうちの中央部を除く部分に、上記第三中間素材17bの表面の形状に見合う(大きさが同じで凹凸が逆になった)形状を有する仕上成形用凹部26a、26bを設けている。又、上記両金型25a、25bは、互いの対向する面のうちの中央部に、本発明の軌道輪部材の製造方法の特徴となる、逃げ凹部27、27を設けている。
それぞれがこの様な逃げ凹部27、27を備えた上記両金型25a、25bにより、上記第二中間素材14を上記第三中間素材17bとするには、この第二中間素材14を上記両金型25a、25b同士の間で強く挟持する。そして、この第二中間素材14を押し潰しつつ、上記両仕上成形用凹部26a、26bの内面の形状を、この第二中間素材14の表面に転写する。この結果、この第二中間素材14が上記第三中間素材17bに加工される。この過程で、この第二中間素材14の中央部に設けられている仕切り板部16の外径寄り部分が、上記両金型25a、25bのうちで上記両逃げ凹部27、27の周囲部分により押し潰される。上記仕切り板部16のうちでこれら両逃げ凹部27、27に対向する部分は押し潰される事はない。そして、この仕切り板部16の外径寄り部分の厚さ寸法が十分に縮まる事により、図3に示す様に、清浄な中間部金属材料23が、複列の外輪軌道5、5となるべき部分に迄十分に移動する。
又、上記第二中間素材14を押し潰す事により生じた余肉は、支持フランジ7側に移動してこの支持フランジ7の外周縁部でバリ20となる他、上記仕切り板部16の径方向中央側に移動して、上記両逃げ凹部27、27部分で膨らむ。この為、本発明を実施する過程で得られる第三中間素材17bの仕切り板部16bは、外径寄り部分の厚さが最も小さく、この外径寄り部分の内径側に隣接する部分の厚さが最も大きく、中央部の厚さがその中間の値となる。以上に述べた様に本発明の場合には、上記清浄な中間部金属材料23を上記両外輪軌道5、5となるべき部分に移動させるべく、上記第二中間素材14の仕切り板部16の厚さを十分に縮めるのを、この仕切り板部16の外径寄り部分のみとし、この外径寄り部分を押し潰す事により生じる余肉を、上記両逃げ凹部27、27部分に向け、内径側に移動させる様にしている。この為、比較的小さな力(圧力)でも、上記仕切り板部16の外径寄り部分を十分に小さな厚さ寸法に迄押し潰せる。
この様にして得た、図1の(D)及び図3に示した第三中間素材17bは、上記仕切り板部16bを、その最外径寄り部分を除いて打ち抜き除去し、図1の(E)に示す様な第四中間素材19とし、更に、バリ取り加工を施して、図1の(F)に示す様な第五中間素材21aとしてから、各部に旋削等による切削加工や研削加工等の仕上げ加工を施して、前記図10に示す様な外輪2aとする。
上述の様な本発明の軌道輪部材の製造方法によれば、図3から明らかな通り、清浄な中間部金属材料23を上記両外輪軌道5、5となるべき部分に迄十分に移動させられて、これら両外輪軌道5、5のうちで転動体と転がり接触する部分に、上記中間部金属材料23を露出させる事ができる。そして、上記両外輪軌道5、5の転がり疲れ寿命を確保して、上記外輪2aを組み込んだ車輪支持用転がり軸受ユニットの耐久性を確保できる。しかも、中間部金属材料23を上記両外輪軌道5、5となるべき部分に迄移動させるべく、上記第二中間素材14の仕切り板部16の厚さを十分に縮める為に要する力を低く抑えられるので、この第二中間素材14を上記第三中間素材17bに加工する過程で、前記両金型25a、25bに生じる応力を低く抑えられる。この結果、これら両金型25a、25bの耐久性を確保でき、コストを抑えつつ、列間ピッチが短くてしかも十分な耐久性を有する、外輪2a等の軌道輪部材の量産化が可能になる。
本発明を実施する場合に、逃げ凹部は、少なくとも一方の第二金型の先端面中央部に設ければ足りる。但し、金属材料の移動を、軸方向に関して対称に行わせる為には、図示の例の様に、1対の第二金型の両方の先端面に逃げ凹部を設ける事が好ましい。
1、1a、1b 車輪支持用転がり軸受ユニット
2、2a 外輪
3、3a ハブ
4 転動体
5 外輪軌道
6 取付部
7、7a 支持フランジ
8 内輪軌道
9 内輪
10 ハブ
11 スプライン孔
12 素材
13 第一中間素材
14 第二中間素材
15a、15b 凹部
16、16a、16b 仕切り板部
17、17a、17b 第三中間素材
18 円筒部
19 第四中間素材
20 バリ
21、21a 第五中間素材
22 中心部金属材料
23 中間部金属材料
24 外径部金属材料
25a、25b 金型
26a、26b 仕上成形用凹部
27 逃げ凹部

Claims (1)

  1. 円筒部の内周面の軸方向2個所位置に背面組み合わせ型の1対の外輪軌道を、外周面に外向フランジを、それぞれ設けた軌道輪部材を造る為、中心からの半径が50〜70%の範囲である中間円筒状部分に清浄な中間部金属材料を存在させた、金属材製で円柱状の素材に、軸方向に押し潰す据え込み加工を施す事により、この素材を、軸方向中間部の外径が軸方向両端部の外径よりも大きくなった第一中間素材とした後、この第一中間素材を塑性変形させ、軸方向両端面に開口する1対の凹部と、これら両凹部の底部同士を仕切る第一仕切り板部と、外周面の軸方向中間部に径方向外方に突出する状態で形成された上記外向フランジとを備えた第二中間素材とし、次いで、少なくとも一方の先端面の中央部に逃げ凹部を設けた1対の第二金型により、この第二中間素材のうちの少なくとも上記第一仕切り板部の外径寄り部分を軸方向に押し潰す事で、上記中間部金属材料を前記両外輪軌道となるべき部分に移動させると共に、この押し潰しに伴って生じた余肉を上記逃げ凹部に移動させて、外径寄り部分の厚さに比べて中央部の厚さが大きい第二仕切り板部を備えた第三中間素材としてから、この第二仕切り板部を、外径寄りの厚さが小さい部分で打ち抜き除去して、外周面に上記外向フランジを備えた円筒状の第四中間素材とし、次いで、この第四中間素材に仕上加工を施して上記軌道輪部材とする事により、上記中間部金属材料を上記上外輪軌道部分に露出させる事を特徴とする軌道輪部材の製造方法。
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