JP5181424B2 - 高出力増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、高出力増幅器に関し、とりわけX帯からKu帯にわたる高周波領域で動作する高出力増幅器に関する。
10W以上の極めて大きな出力を得るためには、大きなゲート幅を有するパワートランジスタを用いた高出力増幅器が必要である。近年では、こういった高出力増幅器が、携帯電話用基地局やレーダー装置等において特に要求されている。このような大きなサイズのパワートランジスタを用いて高出力増幅器を実現するためには、パワートランジスタに低インピーダンスの整合回路を接続する必要がある。
ここで、従来の高出力増幅器の構成を図7乃至図9を用いて説明する。図7は、金属パッケージに収納された従来の高出力増幅器の上面図である。図8は、金属パッケージ単体の上面、側面、及びA−A´断面を示す図である。図9は、高出力増幅器単体の上面、側面、及びB−B´断面を示す図である。
図7に示したように、実際の使用時には、高出力増幅器101は金属パッケージ102に収納され、高出力増幅器101の信号線(伝送線路)としての導体103と金属パッケージ102の信号線としての導体104、及び、高出力増幅器101の信号線としての導体105と金属パッケージ102の信号線としての導体106が、それぞれワイヤ(金属細線)124、125により接続される等して構成される。
金属パッケージ102は、図8に示したように、底面に底面金属板107と108が設けられ、側面に金属壁109が設けられて構成される。また、入力側には上記の導体104を内部に有するセラミック基板110が設けられ、出力側には上記の導体106を内部に有するセラミック基板111が設けられて構成される。
高出力増幅器101は、図9に示したように、パワートランジスタ112と、その入出力整合回路として、入力整合回路113と出力整合回路114とを備えて構成される。
パワートランジスタ112は、基板115上に設けられており、一方にソース端子(同図の「S」参照)とゲート端子(同図の「G」参照)とが複数交互に配置され、他方にドレイン端子(同図の「D」参照)が複数配置されて構成される。尚、基板115の底面には、グランド(GND)に接地される導体116が設けられる。
入力整合回路113は、セラミック基板117上に、上記の導体104が設けられ、セラミック基板117の底面に、グランドに接地される導体118が設けられて構成される。
出力整合回路114は、例えばアルミナや窒化アルミ等のセラミック基板119上に、上記の導体105が設けられ、セラミック基板119の底面に、グランドに接地される導体120が設けられて構成される。
尚、パワートランジスタ112の入出力インピーダンスの関係から、入力整合回路113のセラミック基板117の方が、出力整合回路114のセラミック基板119よりも誘電率が高く構成される。
パワートランジスタ112の各ゲート端子は、ゲートワイヤ121により入力整合回路113の導体104と接続される。また、各ソース端子は、ソースワイヤ122により、金属パッケージ102のグランドに接地される底面金属板107に接続される。また、各ドレイン端子は、ドレインワイヤ123により出力整合回路114の導体105に接続される。
以上が従来の高出力増幅器の構成であるが、これ以外にも、例えば特許文献1に提案されている高周波トランジスタ装置のように、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が組み込まれているパッケージ内に整合回路を設けた構成を有するもの等もある。
特開2005−110119号公報
ところで、図9に示したような構成の高出力増幅器において、低い周波数を取り扱う場合には、入力整合回路とパワートランジスタのゲート端子とを接続するためにボンディングワイヤが用いられる。また、グランドとソース端子とを接続する場合にも同様である。しかしながら、高い周波数を取り扱う場合にこの接続方法を用いると問題となる。なぜならば、パワートランジスタのソース端子からグランドへボンディングワイヤを打ち下ろす場合、パワートランジスタと入力整合回路との間にワイヤボンダが機能するための大きな空間的スペースが必要となるため、その間の距離(図9の「D1」参照)が大きくなってしまう。そのため、入力整合回路とゲート端子とを接続するためのボンディングワイヤ(図9の「ゲートワイヤ117」参照)も長くなり、結果として寄生インダクタンスが大きくなってしまうことになる。このときの高出力増幅器の等価回路を図10に示す。同図に示したように、入力整合回路とゲート端子とを接続するボンディングワイヤ(ゲートワイヤ)が長くなると、その寄生インダクタンスL1が大きくなってしまう。尚、同図において、Z0は入力整合回路の入力インピーダンスであり、Zlowはパワートランジスタの入力インピーダンスである。このように高い周波数を取り扱う場合には、この寄生インダクタンスL1が大きくなるとパワートランジスタの入力インピーダンスが大きくなり、低インピーダンスの入力整合回路を実現できなくなるという問題がある。また、寄生インダクタの入力整合回路に占める割合も増加するため、実装ばらつきを無視できなくなるという問題もある。
このような問題の解決方法としてビア技術がある。これは、パワートランジスタのソース端子に直接ビアを開けることでグランドとソース端子とを導通する手法である。この手法によれば、パワートランジスタと入力整合回路との間の距離(図9の「D1」参照)を縮めることが可能になるため、入力整合回路とゲート端子とを接続するボンディングワイヤを短くすることができ、低インピーダンスの入力整合回路を実現することができる。しかしながら、このビア技術を用いる場合には基板を薄く研磨する必要があるため、SiC基板のような割れやすい基板に適用するには問題がある。また、ビアを作製するためのコストも無視できない。
その他の解決方法としては、フリップチップ技術やインバーテッドマイクロストリップ技術があるが、いずれも欠点を伴う。フリップチップ技術は、パワートランジスタのソース端子、ゲート端子、ドレイン端子の各々に導電性の材料でピラーを作製し、ひっくり返して整合回路に直接マウントする手法であるが、高周波特性に優れているものの放熱性に欠点がある。また、インバーテッドマイクロストリップ技術は、パワートランジスタに絶縁材料をデポしその上をメタルで覆う手法であるが、ソース端子とグランドとの導通はとりやすいものの導体損失を小さくするには絶縁材料を厚くする必要があるため技術的に困難である。
以上のようなことから、パワートランジスタのソース端子をグランドに接地させつつ、ゲート端子と入力整合回路とを接続するワイヤを短くするための根本的な解決策が期待されている。
本発明は、上記実情に鑑み、X帯からKu帯にわたる高周波領域で動作する大きなサイズのパワートランジスタを用いた高出力増幅器において、低インピーダンスの入力整合回路を実現すると共に実装ばらつきを低減することができる高出力増幅器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る高出力増幅器は、ソース端子とゲート端子とが複数交互に配置されたトランジスタと、当該トランジスタの入力整合回路とを含む高出力増幅器であって、前記入力整合回路において、前記ソース端子と前記ゲート端子が交互に並ぶ方向上に、前記トランジスタのソース端子に対向する位置にグランドに導通したビアと、前記トランジスタのゲート端子に対向する位置に信号線としての導体とをそれぞれ交互に設け、前記ソース端子と当該ソース端子に対向する位置に設けられた前記ビアとを金属細線を用いて接続し、前記ゲート端子と当該ゲート端子に対向する位置に設けられた前記導体とを金属細線を用いて接続し、前記入力整合回路は、矩形状の信号線としての導体が形成された第1の整合回路と前記第1の整合回路側から前記トランジスタ側に幅広となるテーパ状の信号線としての導体が形成された第2の整合回路とからなり、前記第2の整合回路を構成する基板は、前記第1の整合回路を構成する基板よりも誘電率が低い、ことを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る高出力増幅器は、ソース端子とゲート端子とが複数交互に配置されたトランジスタと、当該トランジスタの入力整合回路とを含む高出力増幅器であって、前記入力整合回路において、前記ソース端子と前記ゲート端子が交互に並ぶ方向上に、前記トランジスタのソース端子に対向する側面位置にグランドに導通した導体と、前記トランジスタのゲート端子に対向する位置に信号線としての導体とをそれぞれ交互に設け、前記ソース端子と当該ソース端子に対向する前記側面位置に設けられた導体とを金属細線を用いて接続し、前記ゲート端子と当該ゲート端子に対向する位置に設けられた前記導体とを金属細線を用いて接続し、前記入力整合回路は、矩形状の信号線としての導体が形成された第1の整合回路と前記第1の整合回路側から前記トランジスタ側に幅広となるテーパ状の信号線としての導体が形成された第2の整合回路とからなり、前記第2の整合回路を構成する基板は、前記第1の整合回路を構成する基板よりも誘電率が低い、ことを特徴とする。
また、本発明の第3の態様に係る高出力増幅器は、上記第1、又は2の態様において、前記第1の整合回路を構成する基板はセラミック基板であり、前記第2の整合回路を構成する基板はテフロン(登録商標)基板を含む樹脂基板のうちのいずれかである、ことを特徴とする。
以上の各態様に係る高出力増幅器によれば、トランジスタのソース端子は、金属細線とビアを介してグランドに接地されるようになるので、トランジスタと入力整合回路との間に、ソース端子をグランドに接地するための金属細線を打ち下ろすのに必要な空間的スペースが不要となり、トランジスタのゲート端子と入力整合回路の信号線としての導体とを接続する金属細線を短くすることができる。
本発明によれば、トランジスタのゲート端子と入力整合回路における信号線としての導体とを接続するゲートワイヤ(金属細線)を短くすることができるので、その寄生インダクタンスを小さくすることができる。よって、X帯からKu帯にわたる高周波領域で動作する大きなサイズのパワートランジスタを用いて高出力増幅器を構成しても、低インピーダンスの入力整合回路を実現することができると共に実装ばらつきを低減することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る高出力増幅器の構成を示す図である。
同図に示したように、本実施例に係る高出力増幅器は、パワートランジスタ1と、その入出力整合回路として、入力整合回路2と出力整合回路3とを備えて構成される。
パワートランジスタ1は、基板4上に設けられており、一方にソース端子(同図の「S」参照)とゲート端子(同図の「G」参照)とが複数交互に配置され、他方にドレイン端子(同図の「D」参照)が複数配置されて構成される。
尚、パワートランジスタ1としては、例えば、LDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、InP−HEMT(High Electron Mobility Trasistor)、InP−HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)、GaN−HEMT、又はSiC−HEMT等の電界効果トランジスタを適用することができる。
入力整合回路2は、セラミック基板5上に、信号線(伝送線路)としての導体6が設けられ、セラミック基板5の底面に、グランドに接地される導体7が設けられて構成される。
但し、入力整合回路2において、パワートランジスタ1の各ソース端子と対向する位置にはグランドに接地される導体7に導通したビア8が設けられ、パワートランジスタ1の各ゲート端子と対向する位置には信号線としての導体6が配置されるように構成される。尚、このとき、パワートランジスタ1の隣り合うソース端子とゲート端子との中心間距離と、入力整合回路2の隣り合うビア8と導体6との中心間距離とが同一となるように構成される。同図右下の枠9内に、パワートランジスタ1のソース端子と対向する位置に設けられたビア8付近における入力整合回路2の一部断面を示す。これに示したように、その位置には、グランドに接地される導体7に導通したビア8が設けられる。尚、正確には、ビア8毎に、セラミック基板5上に、ビア8に導通した導体8aも設けられるが、本明細書においてビア8というときには、この導体8aも含むものとする。
そして、パワートランジスタ1の各ソース端子と、これに対向するビア8との間がソースワイヤ(金属細線)12により接続され、各ゲート端子と、これに対向する導体6との間がゲートワイヤ13により接続される。
出力整合回路3は、例えばアルミナや窒化アルミ等のセラミック基板10上に、信号線としての導体11が設けられ、セラミック基板10の底面に、グランドに接地される不図示の導体が設けられる。そして、パワートランジスタ1の各ドレイン端子と導体11とがドレインワイヤ14により接続される。
尚、パワートランジスタ1の入出力インピーダンスの関係から、入力整合回路2のセラミック基板5の方が、出力整合回路3のセラミック基板10よりも誘電率が高く構成される。
以上のような構成により、パワートランジスタ1のソース端子は、ソースワイヤ12及び入力整合回路2のビア8を介してグランドに接地されるようになるので、パワートランジスタ1と入力整合回路2との間にボンディングワイヤを打ち下ろすための空間的スペースが不要となり、その間の距離(図1の「D2」参照)を短くすることができる。よって、パワートランジスタ1のソース端子をグランドに接地させつつ、パワートランジスタ1のゲート端子と入力整合回路2の信号線としての導体6とを接続するゲートワイヤ13の長さを短くすることができる。
ここで、本実施例に係る高出力増幅器の等価回路を図2に示す。同図に示したように、ゲートワイヤの長さが短くなると、その寄生インダクタンスL2を小さくすることができるのでパワートランジスタ1の入力インピーダンスを小さくすることができ極めて小さな特性インピーダンスの入力整合回路2を実現することができる。よって、大きなサイズのパワートランジスタを用いることが可能となり、10W以上の大きな出力を実現することができる。尚、図2において、Z0は入力整合回路2の入力インピーダンスであり、Zlowはパワートランジスタ1の入力インピーダンスである。
また、従来の高出力増幅器(図9,図10参照)と本実施例に係る高出力増幅器の各々におけるZlow(実数部分(Real part)と虚数部分(Imaginary part))の周波数特性を図3(a),(b) に示す。本実施例に係る高出力増幅器では、ゲートワイヤ13の寄生インダクタンス(図2の「L2」参照)を小さくすることができるので、図3(a),(b) に示したように、従来のものに比べて、虚数部分のZlowが減少すると共にその虚数部分のZlowの傾きが緩やかとなり、50Ωへの整合を容易にし、取り扱う周波数帯域をより広めることが可能となる。
次に、0.5μm GaN-HEMTを用いて、本実施例に係る高出力増幅器を実現した場合と従来の高出力増幅器(図9参照)を実現した場合とにおける整合時の周波数特性の違いについて説明する。尚、ここでは、本実施例に係る高出力増幅器におけるゲートワイヤ長が、従来の高出力増幅器におけるゲートワイヤ長の1/3になったものとする。
図4(a),(b) は、0.5μm GaN-HEMTを用いて従来の高出力増幅器を実現した場合の整合時の周波数特性を示す図であり、同図(c),(d) は、0.5μm GaN-HEMTを用いて本実施例に係る高出力増幅器を実現した場合の整合時の周波数特性を示す図である。尚、同図(a),(c) は、S21(S21,順方向伝達係数)に関する周波数特性を示し、同図(b),(d) は、S11(S11,入力反射係数)に関する周波数特性を示している。また、同図(a),(b),(d),(d) では、いずれも、ゲートワイヤ長が−25%、0%、+25%(以下単に「±25%」という)ばらついたときの各々の周波数特性を示している。
同図(a),(b) に示したように、従来の高出力増幅器では、本実施例に係る高出力増幅器よりもゲートワイヤ長が長く寄生インダクタンス(図10の「L1」参照)が大きくなるため、±25%のゲートワイヤ長のばらつきに対して、S21及びS11の周波数特性のばらつきは大きくなっている。
これに対し、同図(c),(d) に示したように、本実施例に係る高出力増幅器では、従来の高出力増幅器よりもゲートワイヤ長が短く寄生インダクタンス(図2の「L2」参照)が小さくなり、ゲートワイヤ長の占める割合が小さくなるので、±25%のゲートワイヤ長のばらつきに対して、S21及びS11の周波数特性のばらつきは小さくなっている。また、同図(a),(c) に示したように、−25%のゲートワイヤ長における周波数9.5GHz時(同図(a),(c) の「m5」参照)の利得(S(2,1))として、従来の高出力増幅器では5.062dBが得られているのに対し、本実施例に係る高出力増幅器ではそれよりも高い10.587dBが得られている。
このように、本実施例に係る高出力増幅器では、従来のものよりもゲートワイヤ長を短くして寄生インダクタンスを小さくすることができるので、ゲートワイヤ長のばらつきに対するS21及びS11の周波数特性のばらつきを低減することができる。
以上、本実施例に係る高出力増幅器によれば、パワートランジスタ1のゲート端子と入力整合回路2の信号線としての導体6とを接続するゲートワイヤ13を短くすることができるので、その寄生インダクタンスL2を小さくすることができ、例えばX帯からKu帯といった高周波領域において低インピーダンスの入力整合回路を実現することができる。結果として、大きなサイズのパワートランジスタを用いることで出力10W以上の高出力増幅器を提供することができる。また、寄生インダクタの入力整合回路に占める割合も減少するため、実装ばらつきを小さくすることもできる。
尚、本実施例では説明を省略したが、実際の使用時には、本実施例に係る高出力増幅器は、例えば図8に示したような金属パッケージに収納され所定の配線が為される等して使用される。
上述の実施例1に係る高出力増幅器において、入力整合回路を構成する基板として高誘電率基板を使用する場合、その使用は低インピーダンスの入力整合回路を実現する上では有利であるが、位相の回転が生じてしまうという問題がある。例えば、誘電率が100の基板を使用すると、10GHzでは1波長が3mmである。この場合、仮に長さ2mmの入力整合回路を考えると、その両端で位相差が半周期以上になってしまう。これに対し、誘電率が4程度の基板を使用すると、10GHzでは1波長が15mm程度である。この場合、同様に、長さ2mmの入力整合回路を考えると、その両端で位相差が8分の1周期程度に抑えられる。
そこで、本発明の実施例2に係る高出力増幅器では、低インピーダンスで且つ位相の回転を抑えた入力整合回路を実現するために、入力整合回路を構成する基板として、高誘電率基板と低誘電率基板とを用いるようにした。
図5は、本実施例に係る高出力増幅器の構成を示す図である。
同図に示したように、本実施例では、入力整合回路21が、第1の整合回路21aと第2の整合回路21bとにより構成される。
第1の整合回路21aは、高い誘電率の基板22a上に、信号線(伝送線路)としての導体23aが設けられ、その基板22aの底面に、グランドに接地される不図示の導体が設けられて構成される。
第2の整合回路21bは、第1の整合回路21aの基板22aよりも低い誘電率の基板22b上に、信号線(伝送線路)としての導体23bが設けられ、その基板22bの底面に、グランドに接地される導体24が設けられて構成される。
尚、高い誘電率の基板22aは例えばセラミック基板であり、低い誘電率の基板22bは例えばテフロン(登録商標)等の樹脂基板である。
そして、第1の整合回路21aの信号線としての導体23aと、第2の整合回路21bの信号線としての導体23bとは、ワイヤ(金属細線)25により接続される。
その他の構成については、実施例1に係る高出力増幅器(図1参照)と同様である。
以上、本実施例に係る高出力増幅器によれば、実施例1と同様の効果を得ることができると共に、低インピーダンスで且つ位相の回転を抑えた入力整合回路を実現することができる。
尚、本実施例において、第2の整合回路21bの基板22aと出力整合回路3の基板10とを同一の誘電率に構成することもできる。
本発明の実施例3に係る高出力増幅器では、上述の実施例1に係る高出力増幅器の入力整合回路において、ビアの代わりに側面に設けた導体を用いるようにした。
図6は、本実施例に係る高出力増幅器の構成を示す図である。
同図に示したように、本実施例では、入力整合回路2において、ビア8は設けられておらず、その代わりに、パワートランジスタ1の各ソース端子と対向する入力整合回路1の側面に、グランドに接地される導体7に導通した導体31が設けられる。尚、このとき、パワートランジスタ1における隣り合うソース端子とゲート端子との中心間距離と、入力整合回路2における隣り合う導体31と導体6との中心間距離とが同一となるように構成される。同図右下の枠32内に、パワートランジスタ1のソース端子と対向する入力整合回路2の側面に設けられた導体31付近における入力整合回路2の一部断面を示す。これに示したように、その側面には、グランドに接地される導体7に導通した導体31が設けられる。尚、正確には、導体31毎に、セラミック基板5上に、導体31に導通した導体31aも設けられるが、本明細書において導体31というときには、この導体31aも含むものとする。
そして、パワートランジスタ1の各ソース端子と、これに対向する導体31との間がソースワイヤ13により接続される。
その他の構成については、実施例1に係る高出力増幅器(図1参照)と同様である。
以上、本実施例に係る高出力増幅器によっても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
尚、本実施例では、実施例1に係る高出力増幅器において、ビア8の代わりに、入力整合回路2の側面にグランドに導通する導体31を設けるようにしたが、上述の実施例2に係る高出力増幅器においても同様に構成することができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び変更を行っても良いのはもちろんである。
(付記1)
ソース端子とゲート端子とが複数交互に配置されたトランジスタと、当該トランジスタの入力整合回路とを含む高出力増幅器であって、
前記入力整合回路において、前記トランジスタのソース端子に対向する位置にグランドに導通したビアを設け、前記トランジスタのゲート端子に対向する位置に信号線としての導体を設け、
前記ソース端子と当該ソース端子に対向する位置に設けられた前記ビアとを金属細線を用いて接続し、前記ゲート端子と当該ゲート端子に対向する位置に設けられた前記導体とを金属細線を用いて接続する、
ことを特徴とする高出力増幅器。
(付記2)
隣り合う前記ソース端子と前記ゲート端子との中心間距離と、隣り合う前記ビアと前記導体との中心間距離は、同一である、
ことを特徴とする付記1記載の高出力増幅器。
(付記3)
ソース端子とゲート端子とが複数交互に配置されたトランジスタと、当該トランジスタの入力整合回路とを含む高出力増幅器であって、
前記入力整合回路において、前記トランジスタのソース端子に対向する側面位置にグランドに導通した導体を設け、前記トランジスタのゲート端子に対向する位置に信号線としての導体を設け、
前記ソース端子と当該ソース端子に対向する前記側面位置に設けられた導体とを金属細線を用いて接続し、前記ゲート端子と当該ゲート端子に対向する位置に設けられた前記導体とを金属細線を用いて接続する、
ことを特徴とする高出力増幅器。
(付記4)
隣り合う前記ソース端子と前記ゲート端子との中心間距離と、隣り合う前記グランドに導通した導体と前記信号線としての導体との中心間隔距離は、同一である、
ことを特徴とする付記3記載の高出力増幅器。
(付記5)
前記入力整合回路は、第1の整合回路と第2の整合回路とからなり、前記第2の整合回路を構成する基板は、前記第1の整合回路を構成する基板よりも誘電率が低い、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一つに記載の高出力増幅器。
(付記6)
前記第2の整合回路は、前記トランジスタ側に設けられる、
ことを特徴とする付記5記載の高出力増幅器。
(付記7)
前記第1の整合回路を構成する基板はセラミック基板であり、前記第2の整合回路を構成する基板はテフロン(登録商標)基板を含む樹脂基板のうちのいずれかである、
ことを特徴とする付記5又は6記載の高出力増幅器。
(付記8)
前記トランジスタは、LDMOS、CMOS、InP-HEMT、InP-HBT、GaN-HEMT、SiC-HEMTを含む電界効果トランジスタのうちのいずれかである、
ことを特徴とする付記1乃至7の何れか一つに記載の高出力増幅器。
実施例1に係る高出力増幅器の構成を示す図である。 実施例1に係る高出力増幅器の等価回路を示す図である。 (a),(b) は、従来と本実施例に係る高出力増幅器の各々におけるZlow(実数部分(Real part)と虚数部分(Imaginary part))の周波数特性を示す図である。 (a),(b) は、0.5μm GaN-HEMTを用いて従来の高出力増幅器を実現した場合の整合時の周波数特性を示す図、(c),(d) は、0.5μm GaN-HEMTを用いて実施例1に係る高出力増幅器を実現した場合の整合時の周波数特性を示す図である。 実施例2に係る高出力増幅器の構成を示す図である。 実施例3に係る高出力増幅器の構成を示す図である。 金属パッケージに収納された従来の高出力増幅器の上面図である。 金属パッケージ単体の上面、側面、及びA−A´断面を示す図である。 従来の高出力増幅器単体の上面、側面、及びB−B´断面を示す図である。 従来の高出力増幅器の等価回路を示す図である。
符号の説明
1 パワートランジスタ
2 入力整合回路
3 出力整合回路
4 基板
5 セラミック基板
6、7 導体
8 ビア
8a 導体
9 枠
10 セラミック基板
11 導体
12 ソースワイヤ
13 ゲートワイヤ
14 ドレインワイヤ
21 入力整合回路
21a 第1の整合回路
21b 第2の整合回路
22a、22b 基板
23a、23b、24 導体
25 ワイヤ
31、31a 導体
32 枠
101 高出力増幅器
102 金属パッケージ
103、104、105、106 導体
107、108 底面金属板
109 金属壁
110、111 セラミック基板
112 パワートランジスタ
113 入力整合回路
114 出力整合回路
115 基板
116 導体
117 セラミック基板
118 導体
119 セラミック基板
120 導体
121 ゲートワイヤ
122 ソースワイヤ
123 ドレインワイヤ
124、125 ワイヤ

Claims (3)

  1. ソース端子とゲート端子とが複数交互に配置されたトランジスタと、当該トランジスタの入力整合回路とを含む高出力増幅器であって、
    前記入力整合回路において、前記ソース端子と前記ゲート端子が交互に並ぶ方向上に、前記トランジスタのソース端子に対向する位置にグランドに導通したビアと、前記トランジスタのゲート端子に対向する位置に信号線としての導体とをそれぞれ交互に設け、
    前記ソース端子と当該ソース端子に対向する位置に設けられた前記ビアとを金属細線を用いて接続し、前記ゲート端子と当該ゲート端子に対向する位置に設けられた前記導体とを金属細線を用いて接続し、
    前記入力整合回路は、矩形状の信号線としての導体が形成された第1の整合回路と前記第1の整合回路側から前記トランジスタ側に幅広となるテーパ状の信号線としての導体が形成された第2の整合回路とからなり、前記第2の整合回路を構成する基板は、前記第1の整合回路を構成する基板よりも誘電率が低い、
    ことを特徴とする高出力増幅器。
  2. ソース端子とゲート端子とが複数交互に配置されたトランジスタと、当該トランジスタの入力整合回路とを含む高出力増幅器であって、
    前記入力整合回路において、前記ソース端子と前記ゲート端子が交互に並ぶ方向上に、前記トランジスタのソース端子に対向する側面位置にグランドに導通した導体と、前記トランジスタのゲート端子に対向する位置に信号線としての導体とをそれぞれ交互に設け、
    前記ソース端子と当該ソース端子に対向する前記側面位置に設けられた導体とを金属細線を用いて接続し、前記ゲート端子と当該ゲート端子に対向する位置に設けられた前記導体とを金属細線を用いて接続し、
    前記入力整合回路は、矩形状の信号線としての導体が形成された第1の整合回路と前記第1の整合回路側から前記トランジスタ側に幅広となるテーパ状の信号線としての導体が形成された第2の整合回路とからなり、前記第2の整合回路を構成する基板は、前記第1の整合回路を構成する基板よりも誘電率が低い、
    ことを特徴とする高出力増幅器。
  3. 前記第1の整合回路を構成する基板はセラミック基板であり、前記第2の整合回路を構成する基板はテフロン基板を含む樹脂基板のうちのいずれかである、
    ことを特徴とする請求項1、又記載の高出力増幅器。
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