JP5181209B2 - 半導体ウエハのダイシング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハのダイシング方法に関し、さらに詳しくは、表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハをダイシングする方法に関する。
半導体ウエハは表面に回路が形成された後、ウエハの裏面側に研削加工を施し、ウエハの厚みを調整する裏面研削工程およびウエハを所定のチップサイズに個片化するダイシング工程が行われる。近年のICカードの普及にともない、その構成部材である半導体チップの薄型化が進められている。このため、従来350μm程度の厚みであったウエハを、50〜100μmあるいはそれ以下まで薄くすることが求められるようになった。しかし、半導体ウエハは薄くなるにつれて、加工や運搬の際、破損する危険性が高くなる。
このため、図2〜図4に示すように、裏面研削時に、裏面内周部16のみを研削し、裏面外周部に環状凸部17を残存させ、ウエハに剛性を持たせることが提案されている(特許文献1、2、3等)。ウエハ表面には、図2に示すように、外周端から数mmの範囲には回路13が形成されていない余剰部分15があり、回路13は余剰部分を除くウエハ内周部14に形成されている。上記の環状凸部を有するウエハでは、表面の回路形成部分(ウエハ内周部14)に対応する裏面内周部16が所定の厚みまで研削され、回路が形成されていない余剰部分15に対応する裏面外周部は研削されずに残存し、環状凸部17となる。環状凸部17は比較的剛性が高いため、上記の形態に研削されたウエハは、安定して搬送、保管でき、また加工時の破損が少なくなる。なお、図3は環状凸部17が形成されている裏面側からの斜視図、図4は図2、3の断面図を示す。
半導体ウエハを回路毎に個片化(ダイシング)する際には、通常はウエハ裏面側をダイシングシート10等で固定し、回路表面側からダイシングブレード(DB)等を用いてウエハを切断している。ダイシングブレードDBは、図10に示すように、回転軸20に取り付けられた丸刃であり、厚みが薄い場合には、補強のために台座21が取り付けられている。
しかし、上記のようにウエハ裏面の内周部のみを研削し、外周部に環状凸部17を残存させた場合には、図10に示すように、ウエハのダイシング工程において、生成したチップ12がダイシングシート10上に保持されずに、チップ12が脱落または飛散してしまうことがある。外周部に環状凸部17を有するウエハでは、内周部16の平面と環状凸部17との段差が200〜700μm程度になる。このため、環状凸部17の近傍では、内周部16の平面にダイシングシート10が密着しないことがある。この状態でウエハ11のダイシングを行うと、環状凸部17の近傍で切断されたチップ12がダイシングシート10上に保持されずに、チップ12が脱落または飛散してしまう。また、ウエハの固定が不十分であるため、ダイシング中にウエハが振動し、チッピング等のダイシング不良が発生しやすい。
そこで、前記した特許文献1〜3では、ダイシングに先立ち、環状凸部17をその内周に沿って切断し、環状凸部を除去する方法、あるいは環状凸部17をグラインダー等により研削して除去する方法が提案されている。環状凸部17を除去することで、ウエハ裏面は平坦になり、ダイシングシート10を密着させることができるため、上記の問題は解消される。しかし、環状凸部17を除去する工程において、ウエハ11が破損するおそれがあり、また工程数も増加してしまう。
このため、これらの問題を解消するため、環状凸部17が形成された裏面側に比べて、比較的平滑な回路表面側にダイシングシート10を貼付して、ウエハの個片化を行うことが検討される。この場合、ダイシングブレードDBは、ウエハ11の外側部から進入し、環状凸部17を切り込み、次いでダイシングストリートDSに沿って内周部16平面を切断する。
しかし、このダイシング方法においても、ウエハの破損やチッピングが発生することがある。内周部16の平面と環状凸部17との間には200〜700μm程度の段差がある。このため、環状凸部17を切断する際のブレードに対する負荷が大きくなり、この負荷が環状凸部17と内周部16との境界に加わり、この境界近傍においてウエハの破損やチッピングを引き起こすと考えられる。
このような問題を解消するため、特許文献4には、裏面外周部に環状凸部17を有する半導体ウエハをダイシングする際に、環状凸部17に溝を形成し、この溝の位置に合わせて、残余の環状凸部17およびウエハ内周部16をフルカットするダイシング方法が提案されている。このようなダイシング方法によれば、環状凸部17とウエハ内周部16との段差が解消され、段差に起因するウエハの破損やチッピングを防止することができる。
特開2007-19379号公報 特開2007-266352号公報 特開2007-287796号公報 特開2008-244375号公報
しかし、特許文献4に記載の方法によっても、ウエハの破損やチッピングを完全に防止することは、なお困難であった。特許文献4の方法では、ウエハ底面から溝の底までの距離を“a”、ウエハ内周部の厚さを“d”とした場合に、a/dを1.05以上とすることが推奨されている。つまり、環状凸部17に形成された溝の底部と内周部平面との間には、わずかな段差が残存する。ダイシングブレードおよびウエハに加わる負荷という点では無視しうる程度の段差であるが、このわずかな段差がチッピング等の原因となっている可能性があり、本発明者らは鋭意検討を続けた結果、次のような知見を得た。
すなわち、上記のような裏面外周部に環状凸部17を有する半導体ウエハ11は、平板なウエハの裏面内周部をグラインダー等により研削することで得られる。この際、環状凸部17の内側壁はグラインダーの側部により削られ、環状凸部17の内側壁には微小な凹凸(破砕層)が発生する。溝の底部と内周部平面との間に段差が残存する場合には、環状凸部の内側壁底部の破砕層も残存することになる。そして、本発明者らは、環状凸部の内側壁底部に残存した破砕層が、チッピングやウエハ割れの起点となるとの知見を得た。したがって、溝を削成する際に、ダイシングライン上に存在する環状凸部を、内周部平面と同一高さ、またはそれ以下まで削成し、ダイシングライン上における環状凸部内側壁底部の破砕層を完全に除去すれば、チッピング等の発生をさらに低減できる可能性がある。
裏面研削終了後に、破砕層を除去する処理が行われることがある。しかし、工程が増え、生産性が低下する。また、この処理によっても破砕層を完全に除去することが困難であり、チップ破損とチッピングの発生を完全に抑制することができず、なお改善が要望されている。
本発明は、上記のような知見に基づいてなされたものであり、表面に回路13が形成され、裏面外周部に環状凸部17を有する半導体ウエハ11を安定して、ウエハの破損やチッピングを起こすことなく個片化しうるダイシング方法を提供することを目的としている。
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ウエハ内周部表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハの回路面側を固定し、
ダイシングストリート延長線上の環状凸部に、第1ブレードにより溝を削成し、
第2ブレードを、溝から進入させダイシングストリートに沿って走行し、半導体ウエハを個片化する、半導体ウエハのダイシング方法であって、
環状凸部の全厚T1と、ウエハ内周部厚T2と、環状凸部頂部からの溝の深さDとが、
T1>D≧T1−T2 の関係を満たす半導体ウエハのダイシング方法。
(2)第1ブレードの幅W1が第2ブレードの幅W2よりも広い、(1)に記載のダイシング方法。
(3)第1ブレードによる溝の削成を環状凸部にのみ行う(1)に記載の半導体ウエハのダイシング方法。
本発明に係るダイシング方法によれば、表面に回路13が形成され、裏面外周部に環状凸部17を有する半導体ウエハ11を安定して、ウエハの破損やチッピングを起こすことなく個片化することができる。
以下本発明の好ましい態様について、図面を参照しながら、その最良の形態も含めてさらに具体的に説明する。
本発明においては、まず図1に示すように、表面に回路13が形成され、裏面外周部に環状凸部17を有する半導体ウエハ11の回路面側を固定する。また、図2は、表面に回路13が形成され、裏面外周部に環状凸部17を有する半導体ウエハ11の回路面側の平面図を示し、図3は環状凸部17が形成された裏面側からの斜視図、図4は図2、3の断面図を示す。
半導体ウエハ11はシリコンウエハであってもよく、またガリウム・砒素などの化合物半導体ウエハであってもよい。ウエハ表面への回路13の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。半導体ウエハの回路形成工程において、所定の回路13が形成される。回路13は、ウエハ11の内周部14表面に格子状に形成され、外周端から数mmの範囲には回路が存在しない余剰部分15が残存する。ウエハ11の研削前の厚みは特に限定はされないが、通常は500〜1000μm程度である。
裏面研削時には、表面の回路13を保護するために回路面に、表面保護シートと呼ばれる粘着シートを貼付する。裏面研削は、ウエハ11の回路面側(すなわち表面保護シート側)をチャックテーブル等により固定し、回路13が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。裏面研削時には、まず裏面全面を所定の厚みまで研削した後に、表面の回路形成部分(内周部14)に対応する裏面内周部16のみを研削し、回路13が形成されていない余剰部分15に対応する裏面領域は研削せずに残存させる。この結果、研削後の半導体ウエハ11は、裏面の内周部16のみがさらに薄く研削され、外周部分には環状の凸部17が残存する。このような裏面研削は、たとえば前記した特許文献1〜3に記載された公知の手法により行うことができる。
環状凸部17の全厚T1は特に限定はされず、ウエハに必要な剛性を与え、またハンドリング性を損なわない程度であればよく、一般的には400〜725μm程度である。環状凸部の幅は、余剰部分15の幅程度であり、一般的には2.5mm程度である。また、内周部16の厚みT2はデバイスの設計に依存し、通常は25〜200μm程度である。したがって、内周部16の平面と環状凸部17との間には200〜700μm程度の段差がある。
裏面研削工程の後、研削によって生成した破砕層を除去する処理が行われてもよい。また、裏面研削工程に続いて、必要に応じ裏面にエッチング処理などの発熱を伴う加工処理や、裏面への金属膜の蒸着、有機膜の焼き付けのように高温で行われる処理を施してもよい。裏面の内周部16のみが所定の厚みにまで研削され、外周部分には環状凸部17を有するウエハ11によれば、環状凸部17の剛性が高いため、ウエハを破損することなく、搬送、保管、加工等を行うことができる。
裏面研削工程後、図1に示すように、ウエハ11の回路面側を固定し、回路毎にダイシングする。ダイシングは回路13を個片化するように、裏面側においてダイシングストリートDSに沿って行われる。ウエハ11の固定方法は特に限定はされないが、ダイシングシートと呼ばれる再剥離性の粘着シートを用いた方法が簡便である。再剥離性の粘着シートとしては、紫外線等のエネルギー線により粘着剤層が硬化し、粘着力が激減または消失するエネルギー線硬化型の粘着剤を備えた、エネルギー線硬化型粘着シートが特に好ましく用いられる。
本発明において、ダイシングシート10によりウエハを固定する場合には、ダイシングシート10の粘着剤としては、回路面の段差に良く追従し、回路面に密着して貼付可能な柔軟性のある粘着剤を使用することが好ましい。また、本発明においては、後述するように回路が形成されていない裏面側からダイシングブレードによりウエハ11を切断する。この際、回路表面の回路パターンをCCDカメラなどにより認識し、回路間のダイシングラインDSを切断するようにダイシングブレードを連動させる。したがって、回路パターンの認識を確実に行うため、ダイシングシートとしては透明性の高いシートを使用することが好ましい。
ダイシングシート10のウエハ回路面への貼付は、マウンターと呼ばれる装置により行われるのが一般的だが特に限定はされない。また、ダイシングシート10の周辺部はリングフレームRFにより固定する。
次いで、ダイシングストリートDS延長線上の環状凸部17に、第1ブレードDB1により溝18を削成する。図5に、回路表面側のダイシングストリートに対応する、裏面側におけるダイシングストリートDSを示す。ここで、ダイシングストリートDSとは、回路を区画する仮想線であり、この仮想線に沿ってウエハを切断し、チップを得る。
第1ブレードDB1は、一定の高さを回転しながら走行し、環状凸部17に接すると凸部17を切り込み、溝18を削成する。環状凸部17に溝18を削成した後、第1ブレードDB1を裏面内周部16に走行させ、ダイシングストリートDSに沿って、環状凸部17および裏面の内周部16の両方に溝を形成してもよいが、環状凸部17に溝18を削成した後、第1ブレードDB1を反転または上方に移動させ、環状凸部17にのみに溝18を削成することが好ましい。
溝18の幅は第1ブレードDB1の刃幅W1とほぼ等しく、後述する第2ブレードDB2の幅W2以上であり、好ましくはW2よりも広い。第1ブレードDB1の刃幅W1は、特に限定はされないが、一般的には20〜1000μm程度である。第1ブレードDB1の刃幅W1は、第2ブレードDB2の台座21の幅を考慮して適宜選択される。一般に第2ブレードDB2は、刃幅が狭く、補強用の台座21が取り付けられていることが多い。第2ブレードDB2の溝18への進入を円滑に行うため、溝18の幅W1は、第2ブレードDB2の刃幅と台座21の合計厚みよりも広くする。このため、第1ブレードDB1としては、比較的刃幅の広いものが好ましく用いられる。
図6に、溝18が削成された環状凸部17の断面図を示す。溝18の幅は、第1ブレードDB1の刃幅W1とほぼ等しい。また、環状凸部17からの溝18の深さDは、T1>D≧T1−T2の範囲である。
ここで、溝18の深さD=(T1−T2)である場合、溝18は、内周部16の平面と同一の高さまで切り込まれていることを意味する。このように環状凸部に溝18を削成することで、溝18が削成された部分においては、環状凸部17の内側壁底部の破砕層は完全に除去され、また内周部平面と環状凸部との間の段差が解消される。
また、D>T1−T2である場合には、溝18は、内周部16の平面以下の高さまで切り込まれていることを意味する。また、内周部平面にはダイシングラインに沿って深さT2−(T1−D)の溝が削成されていることを意味する。この場合も、溝18が削成された部分においては、環状凸部17の内側壁底部の破砕層は完全に除去される。
なお、D>T1−T2の場合においては、環状凸部17に溝18を削成した後、第1ブレードDB1を裏面内周部16に走行させ、ダイシングストリートDSに沿って、環状凸部17および裏面の内周部16の両方に溝18を削成してもよいが、この場合、内周部には深さ「T2−(T1−D)」の溝18が削成されることになり、ウエハが破損する可能性が高くなる。そのため、本発明においては、環状凸部17に溝18を削成した後、第1ブレードDB1を反転または上方に移動させ、環状凸部17のみに溝18を削成する方が好ましい。この場合、裏面内周部16には溝18が削成されないため、ウエハ破損を防止することができ、溝18により、環状凸部17の内側壁底部の破砕層は完全に除去される。
次いで、図7に示すように、第2ブレードDB2を、溝18から進入させ、ダイシングストリートDSに沿って走行し、半導体ウエハ11をフルカットし、個片化する。
第2ブレードDB2の刃幅W2は、前記したように第1ブレードDB1の刃幅W1と同一またはこれ以下であり、一般的には10〜60μm程度である。溝18が削成された部分においては、環状凸部17に削成された溝18の底面の高さが内周部16の平面と同等以下になり、内周部16の平面と環状凸部17との間の段差が解消されているため、第2ブレードDB2を環状凸部17から内周部16の平面に進入させた際に、第2ブレードDB2およびウエハ11に加わる負荷が緩和され、安定して内周部16の平面をダイシングストリートDSに沿って切断することができるため、ウエハの破損やチッピングが低減される。また、環状凸部17の内側壁底部の破砕層は完全に除去されているため、第2ブレードDB2がダイシングストリートDSに沿って切断する際、裏面研削時に生成した環状凸部内側壁の破砕層を起点としたウエハの破損やチッピングを抑制することができ、外周部に環状凸部を有する半導体ウエハのダイシングにおけるウエハの破損とチッピングの発生を極限まで抑制することが可能になる。
また、溝18が削成されたため、第2ブレードDB2により切断すべき深さは、浅くなる。したがって、刃出し量BLが小さく、刃幅の薄いブレードを使用することが可能になり、チップ収量の向上が図られる。また、刃出し量BLが小さなブレードの場合、台座21が邪魔をして十分に切り込めない場合があるが、溝18を削成することで台座21と溝側部との間に距離が取れるため、台座部分が溝内部に進入する深さでも切り込みが可能になる。
また、第2ブレードDB2の台座21が、溝側部と接触する場合には、第2ブレードDB2が走行するラインを、溝18の中心線からやや変位させてもよい(図7参照)。台座はブレードの片面に取り付けられているため、第2ブレードDB2が走行するラインを、台座21の反対側へずらすことで、台座21と溝側部との接触が解消される。特に第1ブレードDB1が走行するラインをダイシングストリートDSからやや変位させ、第2ブレードDB2が走行するラインをダイシングストリートDSと一致させることが好ましい。
また、環状凸部17にのみ溝18を削成する場合、第1ブレードDB1にて環状凸部17に溝18を削成した後、第1ブレードDB1を反転させてもよく、図8に示すように、左側から右方向に第一ブレードを移動し、第1ブレードDB1で図の左側の環状凸部17に溝18を削成し、内周部に差し掛かったところで速やかに上空に第1ブレードDB1を退避させ、そのまま上空を通過し右側の環状凸部17より右へ移動後、所定深さの溝を削成する高さへ第1ブレードDB1を降ろし、さらに左方向へ移動することで右側の環状凸部17に溝18を削成してもよい。
本発明において、第1ブレードDB1による溝18の削成と、第2ブレードDB2によるウエハ11のフルカットは逐次的に行っても良く、また連続して行っても良い。すなわち、第1ブレードDB1によりウエハ11の環状凸部17に溝18を削成した後に、ブレードを交換し、第2ブレードDB2によるフルカットダイシングを行っても良い。また、図9(ダイシングストリートDS上での断面図)に示すように、第1ブレードDB1と第2ブレードDB2とを直列に並べ、第1ブレードDB1を図8に示すように運動させて環状凸部17に溝18を削成した後、第1ブレードDB1により削成した溝18から、直ちに第2ブレードDB2を進入させウエハのフルカットする方法を採用してもよい。
ダイシング終了後、ダイシングシート10からチップをピックアップする。なお、ダイシングシート10の粘着剤層2を紫外線硬化型粘着剤で形成した場合には、ピックアップに先立ち、粘着剤層2に紫外線を照射して粘着力を低下した後にチップのピックアップを行う。
ピックアップに先立ち、ダイシングシート10のエキスパンドを行うと、チップ間隔が拡張し、チップのピックアップをさらに容易に行えるようになる。また、ダイシング終了後に、ダイシングシート10上に整列しているチップ群を、ピックアップ用の他の粘着シートに転写した後に、エキスパンドおよびチップのピックアップを行ってもよい。
ピックアップされたチップはその後、常法によりダイボンド、樹脂封止がされ半導体装置が製造される。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
環状凸部を有する半導体ウエハとして下記ウエハを準備し、平滑面側(環状凸部が形成されていない面)に、全厚90μmのダイシングシート(リンテック社製、Adwill D−668(商品名))を貼付し、シート外縁部をリングフレームで固定し、ダイシング装置(ディスコ社製、DFD651)のテーブル上に設置した。なお、以下で「ブレード高さ」とは、ブレードの下端とテーブル表面との距離を意味する。
半導体ウエハとして、直径150mm、環状凸部の幅2.5mm、環状凸部の全厚(T1)725μm、内周部の厚み(T2)100μmのウエハを準備した。
第1ブレードとして、刃幅(W1)800μmのブレード(ディスコ社製、型番B1A801 SD1200N50M42)を刃出し量(BL)が2300μmとなるようにダイシング装置に取り付け、第2ブレードとして、刃幅(W2)20μm、刃出し量(BL)510μmのブレード(ディスコ社製、型番NBC-ZH205O SE-27HEBB)をダイシング装置に取り付けた。
この際、第1ブレード、第2ブレードを直列に配置し、第1ブレードが走行するラインの中心から、第2ブレードが走行するラインの中心を台座21の反対側へ300μmずらし、また第1ブレード高さを170μm、第2ブレード高さを60μmとした。
第1ブレードを回転数40000rpmで回転させ、ウエハ外側からブレードを進入させ、環状凸部にのみ深さ(D)645μm、幅800μmの溝を削成した。次いで、第2ブレードを回転数40000rpmで回転させ、溝から進入させてウエハをチップサイズ5mm×5mmにフルカットダイシングした。なお、この際、第1ブレードは、図8に示すように運動させた。
ウエハの割れが無く、安定したダイシングが可能であり、また得られたチップもチッピングの無い良好なものであった。
(実施例2)
環状凸部を有する半導体ウエハとして下記ウエハを準備し、平滑面側(環状凸部が形成されていない面)に、全厚90μmのダイシングシート(リンテック社製、Adwill D−668(商品名))を貼付し、シート外縁部をリングフレームで固定し、ダイシング装置のテーブル上に設置した。
半導体ウエハとして、直径150mm、環状凸部の幅2.5mm、環状凸部の全厚(T1)725μm、内周部の厚み(T2)100μmのウエハを準備した。
第1ブレードとして、刃幅(W1)800μmのブレード(ディスコ社製、型番B1A801 SD1200N50M42)を刃出し量(BL)が2300μmとなるようにダイシング装置(ディスコ社製、DFD651)に取り付け、第2ブレードとして、刃幅(W2)20μm、刃出し量(BL)510μmのブレード(ディスコ社製、型番NBC-ZH205O SE-27HEBB)をダイシング装置に取り付けた。
この際、第1ブレード、第2ブレードを直列に配置し、第1ブレードの中心と、第2ブレードが走行するラインの中心とを一致させ、また第1ブレード高さを170μm、第2ブレード高さを60μmとした。
第1ブレードを回転数40000rpm、第2ブレードを回転数40000rpmで回転させ、ウエハ外側からブレードを進入させた。第1ブレードで、環状凸部に対しては深さ(D)645μm、幅800μmの溝を、内周部に対しては深さ20μm、幅800μmの溝を削成し、溝から第2ブレードを進入させてウエハをチップサイズ5mm×5mmにフルカットダイシングした。
ウエハの割れが無く、安定したダイシングが可能であり、また得られたチップもチッピングの無い良好なものであった。
(比較例1)
実施例2において、第1ブレード高さを230μmとし、環状凸部に第1ブレードで深さ(D)585μm、幅800μmの溝を削成し、溝から第2ブレードを進入させてウエハをフルカットダイシングした以外は同様の操作を行った。
第2ブレードが環状凸部から内周部平面に進入する際に、環状凸部と内周部平面との境目で、ウエハにクラックが発生した。また得られたチップにもチッピングは発生した。
(比較例2)
実施例1において、第1ブレードを用いず、第2ブレード単独でダイシングを試みたが、第2ブレードの刃出し量(BL)が環状凸部の高さT1よりも少ないため、環状凸部を切断できず、ダイシングは不可能であった。
(比較例3)
比較例2において、環状凸部の全厚(T1)が400μmである半導体ウエハを用意してダイシングを行った以外は同様の操作を行った。
第2ブレードが環状凸部から内周部平面に進入する際に、環状凸部と内周部平面との境目で、ウエハにクラックが発生した。また得られたチップにもチッピングは発生した。
以上の結果を下表にまとめる。
Figure 0005181209
半導体ウエハの回路面側を固定した状態の断面図を示す。 半導体ウエハの回路形成面の平面図を示す。 裏面外周部に環状凸部が形成された半導体ウエハの斜視図を示す。 図3の断面図を示す。 半導体ウエハ裏面側のダイシングストリートを示す。 第1ブレードで環状凸部に溝を削成した状態を示す。 第2ブレードで半導体ウエハをフルカットダイシングしている状態を示す。 本発明のダイシング方法の一実施態様を示す。 本発明のダイシング方法の一実施態様を示す。 従来法によるダイシング工程の概略を示す。
符号の説明
10…ダイシングシート
11…半導体ウエハ
12…半導体チップ
13…回路
14…回路表面内周部
15…余剰部分
16…裏面の内周部
17…環状凸部
18…溝
20…ブレードの回転軸
21…ブレードの台座
DB1…第1ブレード
DB2…第2ブレード
RF…リングフレーム

Claims (3)

  1. ウエハ内周部表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハの回路面側を固定し、
    ダイシングストリート延長線上の環状凸部に、第1ブレードにより溝を削成し、
    第2ブレードを、溝から進入させダイシングストリートに沿って走行し、半導体ウエハを個片化する、半導体ウエハのダイシング方法であって、
    環状凸部の全厚T1と、ウエハ内周部厚T2と、環状凸部頂部からの溝の深さDとが、
    T1>D≧T1−T2 の関係を満たす半導体ウエハのダイシング方法。
  2. 第1ブレードの幅W1が第2ブレードの幅W2よりも広い、請求項1に記載のダイシング方法。
  3. 第1ブレードによる溝の削成を環状凸部にのみ行う請求項1に記載の半導体ウエハのダイシング方法。
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