JP5180939B2 - 赤色カラーレジストインキ及び顔料分散体 - Google Patents

赤色カラーレジストインキ及び顔料分散体 Download PDF

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ用カラーフィルター(以下、LCD用CFともいう)などに用いられる新規な赤色カラーレジストインキ及びこれを用いたLCD用CFに関するものである。
従来より、赤色顔料としてジケトピロロピロールを用いた高分子有機材料の着色用のための組成物は知られており、これは、例えば、粉体、ペースト、フラッシュペースト及び調剤として使用することができ、印刷インキ、サイジングカラー、バインダーカラーやコーティング材料に適していることが開示されている(例えば、特開平8−20731号公報及び特開平8−27391号公報)。
特開平8−20731号公報 特開平8−27391号公報 特開平9−176511号公報 特開2000-19725号公報
しかしながら、前記従来処方で調製したジケトピロロピロール顔料の分散体を用いて赤色カラーレジストインキを調製し、これを用いて液晶ディスプレイ用カラーフィルタを製造しても最近の高品位LCDに要求される高水準の明彩度性が達成できないという課題を抱えている。これは、従来のジケトピロロピロールは1次粒径が大きく、しかも難分散性であることに起因している。また、ジケトピロロピロールは、250℃以上の高温下における結晶成長性が大きいため、ITOスパッタリング工程において250℃以上の高温に曝されるカラーフィルター用途では、ジケトピロロピロール顔料の結晶成長によってカラーフィルター表面に結晶が析出し、ヘーズの原因になる場合があり、課題となっている。
本発明の目的は、LCD用CFに用いたときに前記課題がなく高水準の明彩度性を与える赤色カラーレジストインキ及びそれに使用される顔料分散体を提供することにある。
本発明者らは、ジケトピロロピロールがそれまで赤色カラーレジストインキ用の赤色顔料として用いられてきた4,4'−ジアミノ-1,1'-ビアントラキノンに比べて、分光透過曲線の550〜600nm付近に現れる立ち上がりの傾きが大きいという特性を有することに着目し、赤色顔料としてこのジケトピロロピロールを適用した赤色カラーレジストインキを用いると、等色関数y(λ)との重なり面積が大きい、即ち明度Y値が従来より大幅に改善されたLCD用CFを得ることができ、更に、赤色顔料としてこのジケトピロロピロールの微粒化処理品を用いることにより、Y値の増大傾向が一層加速されることを予見して研究に着手した。しかし、ジケトピロロピロールは分散性及び分散安定性が従来顔料より劣るという課題及び高温時の結晶成長性がカラーフィルター表面のヘーズ原因となる場合があるという課題にぶつかり、これが高明彩化レジストインキ開発の阻害要因となった。そこで、本発明者らは、ジケトピロロピロール顔料の分散条件を検討し、前記課題である顔料分散時の難分散性及びカラーフィルターを高温暴露した場合の結晶成長を抑制できる顔料分散条件を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、赤色顔料を含む顔料分散体を感光性樹脂組成物に分散してなる赤色カラーレジストインキに使用される顔料分散体において、ジケトピロロピロールスルホン酸誘導体で表面処理された表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)が、(a)ポリ(低級アルキレンイミン)又は(b)ポリアリルアミンに、(イ)遊離のカルボン酸基を有するポリエステル、(ロ)遊離のカルボン酸基を有するポリアミド及び(ハ)遊離のカルボン酸基を有するポリエステルアミドから選ばれる1種又は2種以上を反応させてアミド又は塩を形成させてなるグラフトポリマー(B)を分散剤に、ジケトピロロピロール以外の有機顔料のスルホン酸誘導体(C)を結晶成長抑制剤に用いて分散されてなり、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)の比表面積が90m2/g以上の微粒化顔料であり、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)100重量部に対して分散剤であるグラフトポリマー(B)の配合量が30〜45重量部であり、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)と有機顔料のスルホン酸誘導体(C)の総量を100重量部として、有機顔料のスルホン酸誘導体(C)の配合量が3〜7重量部の範囲にあり、かつグラフトポリマー(B)の配合量が30〜45重量部の範囲にあることを特徴とする顔料分散体である。
ここで、前記赤色カラーレジストインキ又は顔料分散体には、分散剤としてのグラフトポリマー(B)の他、結晶成長抑制剤としてのジケトピロロピロール以外の有機顔料のスルホン酸誘導体(C)を配合することが有利であり、有機顔料のスルホン酸誘導体(C)としては、ベンチジンイエロースルホン酸誘導体(C-1)又は4,4'-ジアミノ-1,1'-ビアントラキノンスルホン酸誘導体(C-2)が好ましく挙げられる。また、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)又はジケトピロロピロール顔料(D)と、有機顔料のスルホン酸誘導体(C)の総量を100重量部としたときの有機顔料のスルホン酸誘導体(C)の配合割合は、3〜7重量部の範囲にあることが有利であり、グラフトポリマー(B)の配合割合は、30〜45重量部の範囲にあることが有利であり、更に、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)又はジケトピロロピロール顔料(D)の比表面積は、90m2/g以上の微粒化顔料であることが有利である。
本発明の赤色カラーレジストインキは、高分光透過性及び高Y値を有するため、高明彩度性を要求されるLCD用CFの製造を可能にする点で極めて有用である。また、本発明に用いる顔料分散体組成物は、カラーレジストインキ用以外にも、高光沢性を要求される塗料、高透明性を要求される筆記用インキ、インクジェットプリンター用インキ、印刷インキ用としても有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で使用される表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)及びジケトピロロピロール顔料(D)は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、ジケトピロロピロール顔料(D)はp-クロロベンゾニトリルとブロモ酢酸エステルを亜鉛粉末の存在下で反応させることで合成できる。次に、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)は、ジケトピロロピロール顔料(D)を濃硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸又はそれらの混合液に溶解し、80〜90℃に加熱してスルホン化反応を行い、次いで多量の水で希釈して得た懸濁液を濾過した後、水洗し、得られたフィルターケーキを乾燥してジケトピロロピロールスルホン酸誘導体を得て、次に、ジケトピロロピロールとジケトピロロピロールスルホン酸誘導体を溶媒としての濃硫酸に共溶解させた後、水中に投入して共析出させ、濾過により含水ケーキとして取りだし、乾燥、粉砕することでジケトピロロピロールをジケトピロロピロールスルホン酸誘導体で表面処理したジケトピロロピロールを得ることができる。しかし、上記製造法に限定されるものではない。
ここで、上記ジケトピロロピロールスルホン酸誘導体は、下記一般式(1)
Figure 0005180939
(但し、式中、Xは水素又はハロゲンを示し、m、nはm+n=1〜4である)で表すことができる。
表面処理ジケトピロロピロール(A)が通常のジケトピロロピロールに比較して分散性や分散安定性に優れる機構については、以下のように推測できる。即ち、表面処理に用いるジケトピロロピロールスルホン酸誘導体は、ジケトピロロピロールと同一の分子骨格を有するため、両者の混合硫酸溶液を水中に投入して共析出させた場合、ジケトピロロピロールスルホン酸誘導体はジケトピロロピロール表面に吸着合体して表面処理状態を生成すると考えられる。この際、親水性のスルホン酸基は合体した表面に出てジケトピロロピロール顔料表面の負の表面電位を増大させ、静電気的反発力による顔料分散性及び分散安定性の増大に寄与し、更に、ジケトピロロピロールスルホン酸誘導体は、前記した負電位増大によって、後述するアミノ基等のカチオン性のアンカー部分を有する高分子分散剤の吸着性及び吸着力を増大させ、同分散剤による立体反発力も増大させてその顔料分散性及び分散安定性を一層増大させる分散助剤としての機能を発揮するものと考えられる。
また、本発明で用いられる表面処理ジケトピロロピロール(A)及びジケトピロロピロール(D)は、比表面積を90m2/g以上にした微粒化品を用いることが、明度Y値の更なる向上の点から好ましい。この微粒化品は、前記含水ケーキを展色剤と混合して強力な攪拌を続けことにより誘導体表面処理ジケトピロロピロールを水相から展色剤相に移行させる所謂、フラッシング法と称される方法を適用することで得ることができる。ここで用いられる展色剤としては界面活性剤、高分子分散剤、ロジン及びロジン誘導体の有機溶剤溶液等を挙げることができ、誘導体表面処理ジケトピロロピロールの再凝集を防止することで微粒化品を得ることができる。また、微粒化品の製造方法としては、食塩の存在下で表面処理ジケトピロロピロールをミル破砕するソルトミリング法を挙げることもできる。微粒化品の製造法も特に限定されるものではない。
更に、本発明で用いられる表面処理ジケトピロロピロール(A)及びジケトピロロピロール(D)は、有機溶剤で洗浄精製して不純物を除去したジケトピロロピロールとそのスルホン酸誘導体から製造されたものを用いることが、不純物起因の結晶析出の問題や変色の問題を改善する点から好ましい。ここで、不純物としては、ジケトピロロピロールを製造する際に使用する原料物質の残存物等である有機物、例えば4-クロロベンゾニトリル等が挙げられる。
従って、ジケトピロロピロールの洗浄に用いる有機溶剤としては、上記不純物を溶解し、かつ、ジケトピロロピロールを溶解しないものであれば特に制約はなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤等を挙げることができる。
本発明の赤色カラーレジストインキは、赤色顔料である表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)又はジケトピロロピロール顔料(D)と、感光性樹脂組成物と、分散剤からなるものである。表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)を用いた顔料分散体は、それ自身が前記した静電気的反発力による分散性を有するものであるが、更に立体反発効果を付与する目的で、グラフトポリマー(B)を分散剤として用いる。
この分散剤としてのグラフトポリマー(B)は顔料に吸着し、アンカーの役割を果たすカチオン性基部分と、立体反発効果によって分散性を付与する高分子鎖部分とを有する分散剤である。このグラフトポリマー(B)は、(a)ポリ(低級アルキレンイミン)又は(b)ポリアリルアミンと、(イ)遊離のカルボン酸基を有するポリエステル、(ロ)遊離のカルボン酸基を有するポリアミド、及び(ハ)遊離のカルボン酸基を有するポリエステルアミドから選ばれる1種又は2種以上を反応させてアミド又は塩を形成させてなるグラフトポリマーである。かかるグラフトポリマーの製法等は、公知の方法(特公昭63-30057号公報及び特開平9-169821号公報参照)が採用できる。なお、(a)〜(b)又は(イ)〜(ハ)は、それぞれ1種のみを使用しても、一方又はそれぞれを2種以上使用してもよい。
ここで、(a)〜(b)はアンカーの役割を果たすカチオン性基部分であり、(イ)〜(ハ)は立体反発効果によって分散性を付与する高分子鎖部分である。従って、(a)〜(b)のアミノ基量及び(イ)〜(ハ)の分子量が顔料の分散性、分散安定性を左右することとなる。このような分散剤性能の指標には分散剤のアミン価を用いることができ、本発明に用いるカチオン性高分子分散剤のアミン価は、5〜60[KOHmg/g]の範囲が好ましく、5〜40[KOHmg/g]の範囲が更に好ましい。アミン価が小さくなるということは(a)〜(b)中のアミノ基量が減少すること、又は(イ)〜(ハ)の分子量が増大することを示し、この場合、顔料への吸着性には不利に働くが、立体反発効果には有利に働くこととなる。反対にアミン価が大きくなるということは前記と逆の作用を生じることとなり、即ちカチオン性高分子分散剤のアミン価には前記のような最適範囲が存在することとなる。本発明に適用できるカチオン性高分子分散剤の市販品を例示すると、Avecia社製:商品名 Solsperse 24000GR、同Solsperse 24000SC、味の素ファインテクノ社製:商品名 アジスパーPB-821を各々挙げることができる。
本発明の赤色カラーレジストインキにおいては、表面処理されたジケトピロロピロール顔料(A)又はジケトピロロピロール顔料(D)の結晶成長抑制剤としてジケトピロロピロール以外の有機顔料のスルホン酸誘導体(C)を配合することが好ましい。上記有機顔料のスルホン酸誘導体(C)は、分子構造がジケトピロロピロールでない有機顔料のスルホン酸誘導体であれば特に制限はないが、色相の点から赤色又は黄色のものが好ましく、例えばベンチジンイエロースルホン酸誘導体(C-1)や4,4'-ジアミノ-1,1'-ビアントラキノンスルホン酸誘導体(C-2)を挙げることができる。
ベンチジンイエロースルホン酸誘導体(C-1)は、ジクロルベンジジンをテトラアゾ化し、アセトアセトアリリドとカップリングしてベンチジンイエローを得た後、前記のジケトピロロピロールスルホン酸誘導体と同様の方法でスルホン化を行って製造することができる。
ここで、ベンチジンイエロースルホン酸誘導体(C-1)は、下記一般式(2)
Figure 0005180939
(但し、式中、R1、R2は水素又は塩素を、Xは水素、メチル基又はメトキシ基を、Yは水素、メチル基又は塩素を、Zは水素又はメトキシ基を各々示す)で表すことができる。
また、ジアミノビアントラキノンスルホン酸誘導体(C-2)は、1-アミノ−4−クロロ−2−スルホン酸縮合、脱スルホン化することで製造したジアミノビアントラキノンを濃硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸又はそれらの混合液に溶解し、室温ないし80〜90℃に加熱し、次いで多量の水で希釈して得た懸濁液をろ過後、水洗し、得られたフィルターケーキを乾燥、粉砕して製造することができる。このジアミノビアントラキノンスルホン酸誘導体(C-2)には市販品はない。
ここで、ジアミノビアントラキノンスルホン酸誘導体(C-2)は、下記一般式(3)
Figure 0005180939
(但し、m、nはm+n=1〜4である)で表すことができる。
ジケトピロロピロール以外の有機顔料のスルホン酸誘導体(C)が何故(A)又は(D)のジケトピロロピロール系顔料に対して結晶成長抑制作用を示すのかの機構は不明だが、ジケトピロロピロール自身のスルホン酸誘導体を配合しても結晶成長抑制作用は示さないことから、ジケトピロロピロールとは分子構造の異なる有機顔料のスルホン酸誘導体である(C)が(A)、(D)の表面に吸着することで、(A)又は(D)の特性が変化し、結晶成長が抑制されるようになるものと考えられる。
本発明のカラーレジストインキは、(1)ジケトピロロピロールスルホン酸誘導体で表面処理された表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)と分散剤であるグラフトポリマー(B)を必須成分とするものと、(2)ジケトピロロピロール顔料(D)とジケトピロロピロールスルホン酸誘導体(E)と分散剤であるグラフトポリマー(B)を必須成分とするものと、(3)表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)及びジケトピロロピロール顔料(D)と、ジケトピロロピロールスルホン酸誘導体(E)及び分散剤であるグラフトポリマー(B)を必須成分とするものとがある。(2)のカラーレジストインキは、ジケトピロロピロール顔料を表面処理しない代りに、ジケトピロロピロールスルホン酸誘導体(E)をもう一つの分散剤として用いる。(3)のカラーレジストインキは、顔料成分として表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)及びジケトピロロピロール顔料(D)の両者を用いる。また、いずれのカラーレジストインキにも、結晶成長抑制剤としてのジケトピロロピロール以外の有機顔料のスルホン酸誘導体(C)が配合されることが好ましい。
各成分の配合割合は、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)、グラフトポリマー(B)、ジケトピロロピロール以外の有機顔料のスルホン酸誘導体(C)、ジケトピロロピロール顔料(D)及びジケトピロロピロールスルホン酸誘導体(E)の配合量(重量部)をそれぞれ(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)で表せば、次の範囲とすることが有利である。(A)と(B)を含有し、(A)の総量を100重量部としたとき、(B)は30〜45重量部。(A)、(B)、(C)を含有し、(A)+(C)の総量を100重量部としたとき、(B)は30〜45重量部、(C)は3〜7重量部。(B)、(D)、(E)を含有し、(D)+(E)の総量を100重量部としたとき、(B)は30〜45重量部。(B)、(C)、(D)、(E)を含有し、(D)+(E) +(C)の総量を100重量部としたとき、(B)は30〜45重量部、(C)は3〜7重量部。(A)、(B)、(C)、(D)、(E)を含有し、(A)+(D)+(E)+(C)の総量を100重量部としたとき、(B)は30〜45重量部、(C)は3〜7重量部。なお、(D)と(E)の割合は(D)+(E)の総量を100重量部としたとき、(E)は5〜30重量部の範囲とすることが好ましい。
分散剤であるグラフトポリマー(B)の配合量は、顔料成分と(B)を除く分散剤成分等の合計100重量部に対し、30〜45重量部の範囲が好ましく、配合量がこの範囲より少ないと顔料分散体の高粘度で経時増粘性も大きくて使用不適なものとなりやすい。また、配合量がこの範囲より多いとカラーフィルター製造時のアルカリ現像工程においてパターンが消失する場合があり不適なものとなりやすい。
結晶成長抑制剤であるジケトピロロピロール以外の有機顔料のスルホン酸誘導体(C)の配合量は、顔料成分と分散剤成分等の合計100重量部に対し、3〜7重量部の範囲にあることが好ましい。配合量がこの範囲より少ないとカラーフィルターの高温暴露時の結晶成長抑制作用が不十分となり不適なものとなりやすい。また、配合量がこの範囲より多いと分散性が不良となってレジストインキ塗面に凝集粒が発生して不適なものとなりやすい。ここで、(A)、(D)は顔料成分として計算され、 (C)、(E) は分散剤成分等として計算されるが、(B)は計算からは除外されるものとする。また、(C)は結晶成長抑制剤であるが、(B)に対しては分散助剤としても作用するので、分散助剤と称することがある。同様に、(E)は分散剤であるが、(B)に対しては分散助剤又は結晶成長抑制剤としても作用するので、分散助剤又は結晶成長抑制剤と称することがある。
本発明の赤色カラーレジストインキにおいて、赤色顔料である(A)表面処理ジケトピロロピロール顔料や(D)ジケトピロロピロール顔料を感光性樹脂中に分散させる方法としては、予め、上記顔料を分散剤であるグラフトポリマー(B)を溶解させた有機溶剤中に分散させて赤色顔料分散体を調製し、これを感光性樹脂を含む組成物(好ましくは、光重合開始剤を除いた組成物)と混合して分散させる方法や、上記顔料を感光性樹脂を含む組成物中に直接分散させる方法等が挙げられるが、カラーレジストインキの安定性の面から前者の方法が好ましい。
上記で用いられる有機溶剤としては、顔料の分散性と分散剤の溶解性に優れる点からエステル類、ケトン類、多価アルコール誘導体、含窒素系溶剤等を用いることができ、例えばエステル類では酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、ケトン類ではシクロヘキサノン、エチルブチルケトン等が挙げられ、多価アルコール誘導体ではエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、また、含窒素系溶剤ではジメチルホルムアミド等が挙げられる。
また、本発明で用いられる表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)又はジケトピロロピロール顔料(D)には、調色の点から黄色顔料を共分散配合させてもよい。黄色顔料を配合することにより、分光透過曲線は低波長側に移動するので明度Y値の向上に有利に働く。
このような黄色顔料としては、C.I.ピグメントナンバーのPY-83 、PY-139等を用いることができる。
表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)又はジケトピロロピロール顔料(D)を分散させてインキ又は赤色顔料分散体組成物とする場合、顔料、分散剤のグラフトポリマー(B)及び有機溶剤又はこれらと感光性樹脂等を先ずロールミルを用いて混練した後、有機溶剤を追加しビーズミルを用いて更に分散させ、インキ又は赤色顔料分散体組成物を製造することが粗粒解消等の分散性向上の点から好ましい。特に、分散助剤や結晶成長抑制剤として用いる顔料誘導体は粗粒である場合は、微粉砕しながらの混練が必要となるのでロールミル混練は必須となる。
このロールミルとしては2本ロールミル、3本ロールミル等が使用できるが、混練能力の点から3本ロールミルが好ましい。3本ロールミルの運転条件は、前ロール回転数50〜200rpm、前ロール:中ロール:後ロールの各回転比が1.0:1.5:5.0〜1.0:3.0:8.0であることが好ましい。ロールミル混練を行うことにより、分散安定性がより向上する。
次のビーズミル分散には、ディスク回転型ビーズミル、アニュラー型ビーズミル等が使用できる。ディスク回転型ビーズミルを使用した場合の運転条件は、分散能力の点からビーズ径0.1〜1.0mmφ、ビーズ充填率80%以上、ディスク周速10〜20m/秒とすることが好ましい。このようなビーズミルの市販装置例としては、ディスク回転型では WAB社製:商品名DYNO-MILL 、(株)井上製作所製:商品名マイティーミル、 EIGER社製:商品名MOTOR MILL等が挙げられ、また、アニュラー型ではEIRICH社製:商品名DCP-ジスルホン酸UPERFLOW、 WAB社製:商品名DYNO-MILL ECM 、三菱重工(株)製:商品名ダイヤモンドファインミル、(株)井上製作所製:商品名スパイクミル等が挙げられる。
本発明の赤色カラーレジストインキは、赤色顔料である表面処理ジケトピロロピロール(A)又はジケトピロロピロール顔料(D)を透明樹脂に分散させたものであり、この透明樹脂は、光重合性樹脂又はモノマー又はオリゴマーからなる感光性樹脂である。また、本発明でいう感光性樹脂組成物は上記樹脂又はモノマー又はオリゴマーの他に、光重合開始剤及び有機溶剤とを通常含み、硬化した状態で樹脂となるものであればよく、未硬化の状態においては樹脂化していない成分のみからなるものを含む。
このような感光性樹脂、モノマー又はオリゴマーとしては、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。これらの光重合性モノマー、オリゴマーは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、 2,2'-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアセトフェノン、 p-tert-ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、 p,p'-ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2-メチル-1-[ 4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプロパノン−1,2-ベンジル−2-ジメチルアミノ-1-(4-モノフォリオフェニル)-ブタノン-1等のα−アミノアルキルフェノン類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン等のイオウ化合物などが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶剤としては、例えばメチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ類などが挙げられる。これらの有機溶剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)又はジケトピロロピロール顔料(D)を事前に赤色顔料分散体とする場合はその量と、感光性樹脂組成物の配合割合は、露光感度及び現像性の要求度合に応じて適宜選定されるが、通常、固形分の重量比で、前者:後者=5:95〜30:70であるのが好ましい。このようにして得られたインキは、CF用赤色インキとして好適であり、このインキを使用して得られるCFは画素中にこれを硬化させて得られる膜を有する。なお、このインキを用いてCFを製造する方法としては、公知の方法を採用できる。
次に、実施例及び比較例により、本発明を更に具体的に説明する。実施例及び比較例に用いた顔料、顔料誘導体、分散剤、結晶成長抑制剤及び有機溶剤の略号を以下に示す。
<赤色顔料:(A)、(D)成分>
(A)-1:下記式で表されるジケトピロロピロールを下記式で表されるジケトピロロピロールスルホン酸誘導体で表面処理した、比表面積が93.8 m2/gの微粒化処理ジケトピロロピロール顔料
(D)-1:比表面積が93.8 m2/gの下記式で表されるジケトピロロピロールの微粒化処理顔料
Figure 0005180939
Figure 0005180939
<分散剤:(B)成分>
(B)-A:特開平9-169821号公報記載のポリ(アリルアミン)に遊離のカルボン酸基を有するポリエステルを反応させたアミン価7.7のグラフトポリマー(味の素ファインテクノ(株)製:商品名 アジスパー PB-821)の50.0重量%溶液
(B)-B:特公昭63-30057号公報記載のポリ(エチレンイミン)に遊離のカルボン酸基を有するポリエステルを反応させたアミン価30.6のグラフトポリマー(Avecia社製:商品名Solsperse 24000GR )の50.0重量%溶液
(B)-C:特開平9-87537号公報記載のポリエポキシ化合物に片末端カルボキシル基を有する線状ポリマー及び二級アミノ基を1個有する有機アミノ化合物を反応させたアミン価35.5のグラフトポリマーの49.9重量%溶液(味の素ファインテクノ(株)製:アジスパーPB-711)
(B)-D:特開昭60-166318号公報記載のポリイソシアネート化合物にアルコール性水酸基を有する炭化水素化合物とアミノ基を有する炭化水素化合物を反応させたアミン価20.1のポリウレタン化合物の47.0重量%溶液(BYK Chemie社製:disperbyk-163)
(B)-E:特開平1-164429号公報記載のアルコール性水酸基を有するアクリレートの重合物にポリイソシアネート化合物とアミノ基を有する炭化水素化合物を反応させたアミン価29.1のアクリレート重合物の42.9重量%溶液(EFKA ChemicalB.V.社製:EFKA-46)
<分散剤、結晶成長抑制剤、分散助剤:(E)、(C)成分>
(E)-1:前記式で表されるジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体
(C)-BY:下記式で表されるベンチジンイエロースルホン酸誘導体
Figure 0005180939
(C)-AQ:下記式で表される4,4'-ジアミノ-1,1'-ビアントラキノンのスルホン酸誘導体
Figure 0005180939
<有機溶剤>
S-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S-2:ジエチレングリコールジメチルエーテル
次に、調製した顔料分散体及びカラーレジストインキ塗膜の性状評価条件を以下に示す。
<顔料分散体の性状評価>
<粘度>
分散後、1昼夜室温で静置した赤色顔料分散体組成物を23℃の恒温水槽中で40分静置した後、B型粘度計〔(株)トキメック製:商品名BL型)を用い、回転数60rpm、温度23℃で測定し、初期粘度とした。次に、同分散体を40℃の熱風オーブン中に1週間入れた後、同様の条件で粘度を測定し40℃保存での経時変化を評価した。
<TI値(チクソトロピーインデックス値)>
回転数6rpmのときの粘度を回転数60rpmの粘度で除した値を初期TI値とした。この値が小さく1に近い程、チクソトロピー性が小さく(ニュートン流動性が大きい)良好である。次に、同分散体を40℃の熱風オーブン中に1週間入れた後、同様の条件でTI値を測定し40℃保存での経時変化を評価した。
<平均粒径>
平均粒径は、赤色顔料分散体組成物0.003gを有機溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gで希釈し、超音波洗浄器中で90秒間超音波分散を行って測定試料を調製し、レーザードップラー法粒度分布測定装置〔大塚電子(株)製:商品名ELS-800 〕を用いて測定した。
<カラーレジストインキ塗膜の性状評価>
<コート性観察(中心ヘソ有無)>
インキ塗膜にイエローランプを照射して表面を観察し、中心部にヘソ状の濃い色の部分が存在するかどうかを評価した。一般に、用いた顔料分散体の粘度、TI値が低く分散性、分散安定性が良好であれば、コート性は良好となる。
<表面状態の顕微鏡観察(凝集粒や結晶析出の有無)>
倍率400倍の反射型偏光顕微鏡を用いてインキ塗膜の表面状態を観察し、凝集粒や結晶析出が認められず使用可能(○)、若干認められるものの使用可能(△)、著しく認められ使用不可能(×)の3段階で評価、初期状態とした。
次に、インキ塗板を熱風オーブン中に入れ250℃-1hr暴露した後、前記同様の条件で表面状態を観察、3段階評価を行った。
<明度Y値及び色度(x,y)>
色度計〔東京電色(株)製:商品名カラーアナライザーTC-1800MK2)を用いて測定した値で表した。
<膜厚>
触針式表面粗さ計〔東京精密(株)製品〕を用いて測定した値で表した。
<アルカリ現像時のパターン消失性>
前記露光後のインキ塗膜を0.4%の炭酸ナトリウム水溶液で現像した後、線幅100μmのフォトマスクパターンの線が溶出によって消失していないかどうかを倍率100倍の反射型偏光顕微鏡観察で評価した。○は消失せず、×は消失。
実施例1
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
表1記載の組成、即ち、顔料(A)-1 187.0g、分散剤(B)-A 112.2g、有機溶剤S-1 1130.8gを2Lポリ容器に配合した後、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製:商品名ロボミックス)を用い、2000rpmで1時間混合した後、ディスク回転型ビーズミル(WAB社製:商品名DYNO-MILL KDL-Special)を用いて顔料分散を行い、分散剤(B)配合率30.0重量%、固形分17.0重量%、顔料等13.1重量%の顔料分散体を調製した。
配合量(g)、配合率等を他の実施例とまとめて表1に示す。ここで、分散剤(B)、結晶成長抑制剤(C)及び分散剤(E)の配合率は、いずれも(A)+(D)+(C)+(E)=100重量%を基準とした。
また、全ての実施例、比較例等において、インキとしたときの、顔料等((A)+(D)+(E))/樹脂分((B)+樹脂)の重量比は0.49の一定とし、固形分濃度は20.0重量%の一定とした。
ビーズミルの運転条件は、次の通りとした。即ち、メディアビーズにはジルコニア材質0.3mmφのものを充填率80%で用いた。ディスク周速は8.6m/秒、装入圧力は0.5bar、分散時間は4時間とした。この赤色顔料分散体組成物について、前記の方法に従って特性評価を行った。特性評価の結果を表1に示した。
平均粒径は、134nmと微粒化は十分達成されていた。粘度は、初期値が6.40mPa・s、40℃-1週間後が9.34mPa・sと、2.94ポイントの上昇で収まり、TI値も初期値が1.08、40℃-1週間後が1.07であったため、分散安定性は良好であった。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
顔料分散体の微粒化状態及び分散安定性が前記の通り良好であったので、カラーレジストインキ及びその塗膜を調製し、特性評価を行った。樹脂成分として、フルオレン骨格を有するエポキシアクリレート樹脂溶液〔新日鐵化学(株)製:商品名V-259ME 固形分55.3%〕150.91g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート35.76g、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製:商品名エピコートYX-4000HK )17.88gを使用し、光重合開始剤成分として、2-メチル−1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプロパン-1を3.58g、 4,4'-ビス−ジエチルアミノベンゾフェノンを1.93g、2,4-トリクロロメチル−(4'-メトキシスチリル)-6-トリアジンを5.36g、2-ベンジル−2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1を1.79g使用し、フッ素系界面活性剤〔住友スリーエム(株)製:商品名フロラードFC-430)を0.12g使用し、294.75gの有機溶剤S−1に溶解して固形分濃度29.2%の感光性樹脂組成物を調製した。次いで、表1記載の組成の通り、この感光性樹脂組成物 10.0g、前記の顔料分散体 20.6g、有機溶剤S−1 3.5g及びS−2 8.5gを攪拌混合し、赤色カラーレジストインキを調製した。
このカラーレジストインキをスピンコーター〔ミカサ(株)製品〕を用いて5インチ角、厚さ1mmの青板ガラス板上に塗工した。このときのスピンコーター回転数は、インキ膜厚が1.5μm(ポストベーク後)となるように調整し、時間は10秒とした。次に、このインキ塗工ガラス板をプレベークした。プレベーク条件は80℃、3分間とした。次に、プレベークインキ塗工ガラス板にフォトマスクを乗せた後、300mj/cm2 のUV露光を行った。このUV照射インキ塗工ガラス板を0.4%炭酸ナトリウム水溶液で25秒間アルカリ現像した。このアルカリ現像インキ塗工ガラス板を230℃、30分間ポストベークしてモデル赤色カラーフィルタとしてのインキ塗膜を作成した。このようにして作成したインキ塗膜を試料とし、前記の方法に従ってカラーレジストインキの色特性を評価した。結果を表1に示す。
本実施例で得たカラーレジストインキを用いて調製したインキ塗膜は、中心部にヘソ状の色の濃い部分はなくコート性は良好(○)、塗膜表面顕微鏡観察結果は、初期状態においては凝集粒や結晶析出は認められず使用可能(○)、250℃-1hr暴露後においては凝集粒はなし、結晶析出は若干認められるものの使用可能範囲(△)であった。明度Y値は21.9と優れた値を示し、アルカリ現像時のパターン消失耐性にも問題はなかった(○)。
実施例2〜6〔顔料分散体の調製と特性評価〕配合組成は表1記載の通りとした以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散体を調製し、その特性評価を行い、結果を表1に示した。実施例1同様、顔料分散体の特性は良好であった。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
表1記載の配合でカラーレジストインキを調製し、実施例1と同様の手順でレジストインキ塗膜を作成し色特性を評価した。インキ塗膜の評価結果も表1に示した。実施例1同様、インキ塗膜の特性は良好であった。
実施例7
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
配合組成は表1記載の通りで、結晶成長抑制剤を(C)‐BYから(C)-AQに変更した以外は、実施例5とほぼ同様の配合組成で顔料分散体を調製した。但し、用いた(C)-AQは粗粒であったため、この微粉砕混練を目的に3本ロール混練を行った後にビーズミル分散を行った。
即ち、顔料(A)-1 190.0g、結晶成長抑制剤(C)-AQ 10.0g、分散剤(B)-A 140.0gを、2Lポリ容器に配合後、3本ロールミル((株)井上製作所製:商品名C-43/4×10)で混練した。ここで、3本ロールミル混練を行ったのは、結晶成長抑制剤AQ-Sが粗粒であったため、これを微粉砕しながら混練するためである。3本ロールミルの運転条件は前ロール回転数120rpm、前ロール:中ロール:後ロールの回転比は、1.0:2.6:6.8とし、5パスのロール通しを行い3本ロール混練物を得た。
次に、前記3本ロール混練物260.0gと有機溶剤S-1 457.4gを2Lポリ容器に配合後、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製:商品名ロボミックス)を用い2000rpmで1時間、攪拌混合した上で、実施例1と同様の運転条件でビーズミル分散を行い、顔料分散体を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。同様に、良好な顔料分散体特性を有していた。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
表1記載の配合でカラーレジストインキを調製し、実施例1と同様の手順でレジストインキ塗膜を作成し色特性を評価した。インキ塗膜の評価結果も表1に示した。同様に、明度に優れ、アルカリ現像時のパターン消失耐性にも問題がなかった上、250℃-1hr暴露後に凝集粒は全く認められず、極めて良好な結果が得られた。
実施例8〜13
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
配合組成は表1記載の通りとして実施例7同様の条件で3本ロール混練を行い混練物を得た。次に、表1記載の配合組成と実施例1と同様の運転条件でビーズミル分散を行い、顔料分散体を調製し、特性評価を行い、結果を表1に示した。同様に、良好な顔料分散体特性を有していた。
なお、結晶成長抑制剤が配合されていない実施例は参考例と理解される。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
顔料分散体の特性が良好であったので、表1記載の配合でカラーレジストインキを調製し、実施例1と同様の手順でレジストインキ塗膜を作成し色特性を評価した。インキ塗膜の評価結果も表1に示した。実施例1同様、インキ塗膜の特性は良好であった。
また、実施例12及び13においては、明度は良好で、アルカリ現像時のパターン消失耐性も問題ない上、250℃-1hr暴露後の顕微鏡観察では、結晶析出は認められず極めて良好(○)な特性を示した。
Figure 0005180939
比較例1
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
配合組成を表2に記載した。実施例1と同じ条件で、顔料分散体を調製し特性評価を行い結果を表2に示した。
平均粒径は、126nmで微粒化は達成できているものの、粘度は初期値492mPa・s、40℃-1週間後818mPa・s、TI値は初期値6.50、40℃-1週間後6.87で、分散安定性は極めて不良であった。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
表2記載の配合組成でカラーレジストインキを調製後、実施例1同様の条件でインキ塗膜を調製して特性評価を行い、結果を表2に示した。
インキ塗膜の中心部に色の濃い部分(ヘソ)が認められ、コート性観察結果は不良(×)、このため、膜厚-色特性(色度、明度)は評価しなかった。
比較例2〜3
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
配合組成を表2に記載した。実施例1と同じ条件で、顔料分散体を調製し特性評価を行い、結果を表2に示した。比較例3を除いて、平均粒径は、149nm以下で、微粒化は達成できているものの、粘度は初期値と40℃-1週間後の値との差、TI値の初期値と40℃-1週間後の値との差はいずれも大きく、分散安定性は極めて不良であった。
比較例3は、平均粒径は、228nmで微粒化は未達であった上、粘度は初期値950mPa・s、40℃-1週間後1450mPa・s、TI値は初期値6.84、40℃-1週間後7.93で、分散安定性は極めて不良であった。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
表2記載の配合組成でカラーレジストインキを調製後、実施例1同様の条件でインキ塗膜を調製して特性評価を行い、結果を表2に示した。
インキ塗膜の中心部に色の濃い部分(ヘソ)が認められ、コート性観察結果は不良(×)、このため、膜厚-色特性(色度、明度)は評価しなかった。
実験例1、実施例14
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
配合組成を表2に記載した。実施例1と同じ条件で、顔料分散体を調製し特性評価を行い、結果を表2に示した。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
表2記載の配合組成でカラーレジストインキを調製後、実施例1同様の条件でインキ塗膜を調製して特性評価を行い、結果を表2に示した。
分散剤(B)の配合率が好ましい範囲を外れると、良好な性状のものが得られない場合があることが分かる。
実施例15
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
配合組成を表2に記載した。但し、(E)-1も粗粒であるためこの微粉砕混練を目的に、実施例7と同じ手順で3本ロール混練を行った後、ビーズミル分散を行った。特性評価結果を表2に示した。
平均粒径は、123nmで微粒化は達成できた。粘度は初期値8.69mPa・s、40℃-1週間後21.5mPa・sで若干増大が認められたが許容範囲内であり、TI値は初期値1.04、40℃-1週間後1.00で、分散安定性はほぼ良好であった。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
表2記載の配合組成でカラーレジストインキを調製後、実施例5と同様の条件でインキ塗膜を調製して特性評価を行い、結果を表2に示した。
インキ塗膜の中心部に色の濃い部分(ヘソ)が認められず、コート性観察結果は良好(○)、表面の顕微鏡観察結果は初期は良好だったが、250℃-1hr後には若干の結晶析出(△)が認められた。
実験例2
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
配合組成を表2に記載した。即ち、結晶成長抑制剤(C)-BYの配合率を10.0重量%に増大させた以外は、実施例5と同じ条件で、顔料分散体を調製し、特性評価結果を表2に示した。
平均粒径は、123nmで微粒化は達成できた。粘度は初期値8.69mPa・s、40℃-1週間後21.5mPa・sで若干増大が認められたが許容範囲内であり、TI値は初期値1.04、40℃-1週間後1.00で、分散安定性はほぼ良好であった。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
表2記載の配合組成でカラーレジストインキを調製後、実施例5同様の条件でインキ塗膜を調製して特性評価を行い、結果を表2に示した。
インキ塗膜の中心部に色の濃い部分(ヘソ)が認められず、コート性観察結果は良好(○)だったが、表面の顕微鏡観察結果では初期、270℃-1hr暴露後ともに凝集粒が認められ表面状態は不良(×)に近いものであった。結晶成長抑制剤を好ましい範囲より過剰に加えると、良好な性状のものが得られない場合があることが分かる。
比較例4
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
配合組成を表2に記載した。即ち、顔料をDPP-AからDPP-Bに変えた以外は、実施例2と同じ条件で、顔料分散体を調製し、特性評価結果を表2に示した。
平均粒径は、165nmで微粒化は未達だった上、粘度は初期値1126mPa・s、40℃-1週間後2390mPa・sと高く、TI値も初期値6.91、40℃-1週間後8.74も高く、分散安定性は極めて不良であった。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
表2記載の配合組成でカラーレジストインキを調製後、実施例2同様の条件でインキ塗膜を調製して特性評価を行い、結果を表2に示した。
インキ塗膜の中心部に色の濃い部分(ヘソ)が認められ、コート性観察結果は不良(×)だった。このため膜厚-色特性の評価は行わなかった。
比較例5〜7
〔顔料分散体の調製と特性評価〕
配合組成を表2に記載した。即ち、分散剤種を(B)-Aから(B)-C、(B)-D又は(B)-Eに変えた以外は、実施例8と同じ条件で、顔料分散体を調製し、特性評価結果を表2に示した。
平均粒径は、比較例8はやや大きいものの131〜231nmで微粒化はほぼ達成されたが、粘度は初期値486〜976mPa・s、40℃-1週間後796〜1511mPa・sと高く、TI値も初期値6.38〜6.90、40℃-1週間後も6.84〜8.13と高く、分散安定性は極めて不良であった。
〔カラーレジストインキ塗膜の調製と特性評価〕
表2記載の配合組成でカラーレジストインキを調製後、実施例8同様の条件でインキ塗膜を調製して特性評価を行い、結果を表2に示した。
インキ塗膜の中心部に色の濃い部分(ヘソ)が認められ、コート性観察結果は不良(×)だった。このため膜厚-色特性の評価は行わなかった。
Figure 0005180939

Claims (2)

  1. 赤色顔料を含む顔料分散体を感光性樹脂組成物に分散してなる赤色カラーレジストインキに使用される顔料分散体において、ジケトピロロピロールスルホン酸誘導体で表面処理された表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)が、(a)ポリ(低級アルキレンイミン)又は(b)ポリアリルアミンに、(イ)遊離のカルボン酸基を有するポリエステル、(ロ)遊離のカルボン酸基を有するポリアミド及び(ハ)遊離のカルボン酸基を有するポリエステルアミドから選ばれる1種又は2種以上を反応させてアミド又は塩を形成させてなるグラフトポリマー(B)を分散剤に、ジケトピロロピロール以外の有機顔料のスルホン酸誘導体(C)を結晶成長抑制剤に用いて分散されてなり、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)の比表面積が90m2/g以上の微粒化顔料であり、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)100重量部に対して分散剤であるグラフトポリマー(B)の配合量が30〜45重量部であり、表面処理ジケトピロロピロール顔料(A)と有機顔料のスルホン酸誘導体(C)の総量を100重量部として、有機顔料のスルホン酸誘導体(C)の配合量が3〜7重量部の範囲にあり、かつグラフトポリマー(B)の配合量が30〜45重量部の範囲にあることを特徴とする顔料分散体。
  2. 結晶成長抑制剤である有機顔料のスルホン酸誘導体(C)が、ベンチジンイエロースルホン酸誘導体(C-1)又は4,4'-ジアミノ-1,1'-ビアントラキノンスルホン酸誘導体(C-2)である請求項1に記載の顔料分散体。
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