JP5179843B2 - 感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性フィルム - Google Patents
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Description
(式中、R1、R2、R3、R4は炭素数3以上20以下の有機基であり、同じであっても異なっていても良い。mは3以上25以下の整数であり、nは3以上10000以下の整数であり、X及びYは、炭素数3以上30以下の有機基である。)
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は炭素数3以上20以下の有機基であり、同じであっても異なっていても良い。mは3以上25以下の整数であり、nは3以上10000以下の整数であり、X及びYは、炭素数3以上30以下の有機基である。)
[一般式(1)]
[一般式(2)]
(式中、R1、R2、R3、R4は炭素数3以上20以下の有機基であり、同じであっても異なっていても良い。mは3以上25以下の整数であり、nは3以上10000以下の整数であり、X及びYは、炭素数3以上30以下の有機基である。)
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ溶解性樹脂と、(B)キノンジアジド構造を有する感光剤と、(C)上記一般式(1)又は一般式(2)で表されるホスファゼン化合物の少なくとも1つと、を含有する。
本発明において、アルカリ溶解性ポリイミド及びポリアミド酸に用いられる酸二無水物としては、具体的には無水ピロメリット酸、オキシジフタル酸二無水物(以下ODPAと略称する)、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、メタ−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−カルボキシメチル−2,3,5−シクロペンタトリカルボン酸−2,6:3,5−二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(以下TMEGと略称する)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)などが挙げられる。
本発明に係るポリイミドは、酸二無水物とジアミンを反応させ、ポリアミド酸を合成した後に、加熱(加熱イミド化)することによって得ることができる。また酸二無水物とジアミンとを反応させてポリアミド酸を合成し、続いて触媒を添加した後にイミド化(化学的イミド化)させることによっても得ることができる。この中で、化学的イミド化が、より低温でイミド化を完結できる点で好ましい。
ポリアミド酸を製造する方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。より具体的には、以下の方法により得られる。まず、ジアミンを重合溶媒に溶解及び/又は分散し、これに酸二無水物粉末を徐々に添加し、メカニカルスターラーを用い、0.5〜96時間好ましくは0.5〜30時間攪拌する。この際モノマー濃度は0.5重量%以上95重量%以下、好ましくは1重量%以上90重量%以下である。このモノマー濃度範囲で重合を行うことにより、ポリアミド酸溶液を得ることができる。
本発明に係るアルカリ溶解性ポリイミドを製造する際のイミド化触媒は特に制限されないが、無水酢酸のような酸無水物、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−テトロン酸、γ−フタリド、γ−クマリン、γ−フタリド酸のようなラクトン化合物;ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミンのような三級アミンなどが挙げられる。また、必要に応じて1種、あるいは2種以上の混合物であっても良い。この中でも特に、反応性の高さの観点からγ−バレロラクトンとピリジンの混合系が特に好ましい。
まず、本発明に係る感光性樹脂組成物を基材にコートする。前記基材としては、感光性ドライフィルム形成の際に損傷しない基材であれば、限定されない。このような基材としては、シリコンウエハ、ガラス、セラミック、耐熱性樹脂、キャリアフィルムなどが挙げられる。本発明におけるキャリアフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムや金属フィルムが挙げられる。取扱いの良さから、耐熱性樹脂及びキャリアフィルムが好ましく、基板圧着後の剥離性の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
<試薬>
実施例及び比較例において、用いた試薬であるシリコーンジアミン(KF−8010)(信越化学工業社製)、MBAA(和歌山精化社製)、ODPA(和光純薬工業社製)、APB(三井化学社製)、TMEG(新日本理化社製)、化合物B−1、化合物B−2、TBXP(大八化学社製)、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、(アロニックスM−325、東亞合成社製、以下M−325と略称する)、ホスファゼン化合物(SPB−100、SPH−100、大塚化学社製)、トルエン(和光純薬工業社製、有機合成用)、γ−ブチロラクトン(和光純薬工業社製、特級)、ピリジン(和光純薬工業社製、有機合成用)、γ−バレロラクトン(和光純薬工業社製、一級)、は特別な精製を実施せずに、反応に用いた。
数平均分子量の測定法であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)は、下記の条件により測定を行った。溶媒としてN、N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を用い、測定前に24.8mmol/Lの臭化リチウム一水和物(和光純薬工業社製、純度99.5%)及び63.2mmol/Lのリン酸(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を加えたものを使用した。
カラム:Shodex KD−806M(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
ポンプ:PU−2080Plus(JASCO社製)
検出器:RI−2031Plus(RI:示差屈折計、JASCO社製)
UV―2075Plus(UV−VIS:紫外可視吸光計、JASCO社製)
また、前記分子量を算出するための検量線は、スタンダードポリスチレン(東ソー社製)を用いて作成した。
硬化体の膜厚測定は、膜厚計(Mitutoyo社製、ID−C112B)を用いて行った。
本発明における感光性樹脂組成物のコート方法は、FILMCOATER(TESTER SANGYO社製、PI1210)を用いるドクターブレード法により行った。易剥離PETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、DIAFOIL、T100H25)に前記感光性樹脂組成物を滴下し、クリアランス200μmでコートを行った。コートした前記フィルムを、乾燥器(ESPEC社製、SPHH−10l)を用いて95℃で30分間乾燥することにより、感光性ドライフィルムを得た。
本発明におけるラミネートは、真空プレス機(名機製作所製)を用いて行った。プレス温度110℃、プレス圧1.23MPa、プレス時間5分間にて行った。
難燃性試験は以下の手順で行った。前述のコート方法によって、カプトン(登録商標)フィルムの片面に感光性樹脂組成物をコートし、95℃で30分間乾燥し、次いで反対の面に感光性樹脂組成物をコートし、95℃で30分間乾燥させることにより、カプトン(登録商標)フィルムの両面に感光性樹脂組成物をコートした後、焼成炉(光洋リンドバーグ社製)を用いて、120℃で60分間、続いて180℃で60分間焼成することにより硬化体を得た。この硬化体を20cm×5cmに切り取り、UL94 VTM試験により難燃性の評価を行った。各試料の残炎時間が10秒以下で、かつ12.5cmの標線まで燃焼しなかったサンプルをVTM−0とし、各試料の残炎時間が10秒以上あるいは12.5cmの標線まで燃焼したサンプルを難燃性×とした。
現像性評価は、銅張積層板上に、感光性ドライフィルム(感光層の厚さ約15μm)を用いて、上記のラミネート条件でラミネートした後に、ポジ型マスクを用いて照射量1.0J/cm2にて露光を行い、続いて1%又は3%水酸化ナトリウム水溶液によるアルカリ現像処理と水によるリンスを行い、乾燥後にパターンを光学顕微鏡にて評価することにより行った。マスクには100μm径の円形パターン(間隔100μmピッチ)を用いた。現像により、露光部で銅面が現れており、かつ未露光部の感光層の膜厚が13μm以上の場合を◎、10μm以上13μm未満の場合を○とし、それ以外の解像度が劣る場合や膜厚が10μm未満の場合を×とした。
反りの評価は、A4サイズの感光性ドライフィルムを製造した際に、エッジ部分において5mmを上回って持ち上がる部分が無い場合を○とし、上回る部分が発生した場合を×とした。
銅製回路(50μmの銅ライン幅、ライン間隔は50μm、銅配線の厚み12μm)上に感光性ドライフィルムを用いて、前述のラミネート条件によりラミネートした後に、得られた積層体をカットして断面を電子顕微鏡にて観察した。埋め込みに不十分なところが無く、カバーレイ層の表面の平坦性が良いものを○とした。埋め込みが不十分で空隙が観測された場合を×とした。
窒素雰囲気下、セパラブルフラスコに、MBAA(30.0mmol)、シリコーンジアミン(KF−8010、45.0mmol)、γ−ブチロラクトン(120mL)を入れ、続いてODPA(60.0mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。続いて、トルエン(60mL)、ピリジン(34.13mmol)、γ−バレロラクトン(22.47mmol)を加え、ディーンシュタルク装置及び還流器をつけ、180℃で2時間加熱撹拌した。120℃まで冷却した後に、APB(15.0mmol)を加え、10分間撹拌した後に、TMEG(30.0mmol)を加え、120℃で2時間加熱撹拌した。続いて、トルエン(15mL)を加え、180℃で2時間加熱撹拌した。140℃まで冷却し、ポリマー固形分濃度30重量%となるようにγ−ブチロラクトンを加え、室温まで冷却することにより、ポリイミド(1)のγ−ブチロラクトン溶液を得た。数平均分子量及びシロキサン構造に由来する部位の重量(%)を下記表1に示す。
窒素雰囲気下、セパラブルフラスコに、シリコーンジアミン(KF−8010、45.0mmol)、γ−ブチロラクトン(120mL)を入れ、続いてODPA(60.0mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。続いて、トルエン(60mL)、ピリジン(34.13mmol)、γ−バレロラクトン(22.47mmol)を加え、ディーンシュタルク装置及び還流器をつけ、180℃で2時間加熱撹拌した。120℃まで冷却した後に、APB(9.0mmol)、MBAA(30mmol)を加え、10分間撹拌した後に、TMEG(25.8mmol)を加え、120℃で2時間加熱撹拌した。続いて、トルエン(15mL)を加え、180℃で2時間加熱撹拌した。140℃まで冷却し、ポリマー固形分濃度30重量%となるようにγ−ブチロラクトンを加え、室温まで冷却することにより、ポリイミド(2)のγ−ブチロラクトン溶液を得た。数平均分子量及びシロキサン構造に由来する部位の重量(%)を下記表1に示す。
実施例2で製造したポリイミド(2)100重量%に対して、化合物B−1(20重量%)、SPB−100(20重量%)、TBXP(10重量%)を混合し、感光性樹脂組成物を調整した。その組成を下記表2に示す。前記感光性樹脂組成物を実施例2と同様の方法にて反り、難燃性、基板への圧着性、アルカリ現像性の評価を行った。その結果を下記表3に示す。
実施例2で製造したポリイミド(2)100重量%に対して、化合物B−1(20重量%)、SPH−100(20重量%)、TBXP(10重量%)を混合し、感光性樹脂組成物を調整した。その組成を下記表2に示す。前記感光性樹脂組成物を実施例2と同様の方法にて反り、難燃性、基板への圧着性、アルカリ現像性の評価を行った。その結果を下記表3に示す。
実施例2で製造したポリイミド(2)100重量%に対して、化合物B−1(20重量%)を混合し、感光性樹脂組成物を調整した。その組成を下記表2に示す。前記感光性樹脂組成物を実施例2と同様の方法にて反り、難燃性、基板への圧着性、アルカリ現像性の評価を行った。その結果を下記表3に示す。
Claims (10)
- 前記アルカリ溶解性樹脂が、シロキサン構造を10重量%以上含有するアルカリ溶解性ポリイミドであることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ホスファゼン化合物におけるR1、R2、R3、R4が芳香環を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- (D)可塑剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記可塑剤が、リン酸エステル、エーテル化合物、メタクリル基含有化合物、アクリル基含有化合物、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、イソシアヌル酸エチレングリコール変性トリアクリレート、及びε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートからなる群より選ばれたいずれかを含むことを特徴とする請求項5記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物で構成されることを特徴とする感光性フィルム。
- キャリアフィルムと、前記キャリアフィルム上に設けられた請求項7記載の感光性フィルムと、を具備することを特徴とする積層フィルム。
- 前記感光性フィルム上に形成されたカバーフィルムを具備することを特徴とする請求項8記載の積層フィルム。
- 配線を有する基材と、前記配線を覆うように前記基材上に形成され、請求項7から請求項9のいずれかに記載の感光性フィルム又は積層フィルムで構成されたカバーレイと、を具備することを特徴とするプリント配線板。
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