JP5177755B2 - ダイラタンシー性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイラタンシー性組成物に関し、更に詳しくは剪断力が加わっていないか又は比較的小さい剪断力が加わっているときは液状を呈するものの、比較的大きい剪断力が加わっているときにはあたかも固状を呈するようになる特性すなわちダイラタンシー性を有する組成物に関する。
ダイラタンシー性組成物は、前記のようなダイラタンシー性を有する微粒子を分散させた液状物である。この液状物はダイラタンシー性を有する微粒子とこれら微粒子間に介在する液体とで構成され、加えられる剪断力が小さい場合には、粘性が低く、流動性を示す液状物を呈するが、加えられる剪断力が大きい場合には、粘性が高くなり、殆ど流動性を示さない固状物に変化する特性を有する。従来、かかるダイラタンシー性組成物として、1)アクリル酸エステル・スチレン共重合体微粒子を水に分散させたもの(ドイツBASF社製の商品名ダイラタール)、2)基油にプラスチックポリマー微粒子を分散させた組成物(例えば特許文献1参照)、3)窒素原子含有の官能基を有するオルガノシロキサンと無機又は有機化合物粒子とからなる組成物(例えば特許文献2参照)、4)一次粒子径が2nm〜30μmの微粒子と粒子分散剤とシリコーン媒体とからなる組成物(例えば特許文献3参照)、5)有機溶剤に不溶な一次粒子径が100nm〜1μmのシリコーンレジン粉末と粒子分散剤とシリコーン媒体とからなる組成物(例えば特許文献4参照)、6)真球度が1.1以下で球径が0.05〜5μmの無機粒子と液体とからなる組成物(例えば特許文献5参照)等が知られている。
しかし、前記のような従来のダイラタンシー性組成物には、分散粒子が有機微粒子であるものはその多くが機械的強度が弱いという本質的な問題があり、また分散粒子が無機粒子であるものは加えられる剪断応力の増大による粘度変化の度合いが小さい、すなわちダイラタンシー性が弱いという問題がある。
特開平7−138587号公報 特開2003−176415号公報 特開2004−231768号公報 特開2006−2072号公報 特開平8−281095号公報
本発明が解決しようとする課題は、機械的な強度が本質的に強く、剪断応力の増大による粘度変化が大きい、すなわちダイラタンシー性が強い新規な組成物を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく研究した結果、ダイラタンシー性組成物としては特定の組成及び形状を有する有機シリコーン微粒子と特定の比誘電率を有する液体とから成り且つ双方を特定割合で含有して成るものを用いることが正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、下記の有機シリコーン微粒子(A)と20℃における比誘電率が15〜85である液体(B)とから成り、且つ有機シリコーン微粒子(A)を30〜60質量%及び液体(B)を40〜70質量%(合計100質量%)の割合で含有して成ることを特徴とするダイラタンシー性組成物に係る。
有機シリコーン微粒子(A):下記の化1で示されるシロキサン単位と化2で示されるシロキサン単位とで構成されたポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子であって、縦断面で見て内側小劣弧(11)とこれを覆う外側大劣弧(21)と双方の端部間に渡る稜線(31)とで形成された、全体としては中空半球状体様を呈し、内側小劣弧(11)の端部間の幅(W)の平均値が0.01〜9.5μm、外側大劣弧(21)の端部間の幅(W)の平均値が0.05〜10μm、且つ外側大劣弧(21)の高さ(H)の平均値が0.015〜9μmの範囲内にある有機シリコーン微粒子。
Figure 0005177755
Figure 0005177755
化2において、
:メチル基
本発明に係るダイラタンシー性組成物(以下、本発明の組成物という)は、有機シリコーン微粒子(A)と20℃における比誘電率が15〜85である液体(B)とから成るものである。
本発明の組成物に供する有機シリコーン微粒子(A)は、ポリシロキサン架橋構造体からなるものである。このポリシロキサン架橋構造体は、シロキサン単位が3次元の網目構造を形成した構造体である。かかるポリシロキサン架橋構造体を構成するシロキサン単位は、前記の化1で示されるシロキサン単位と化2で示されるシロキサン単位とである。
化2で示されるシロキサン単位において、化2中のRはメチル基である。
図1は本発明の組成物に供する有機シリコーン微粒子(A)を略示する拡大縦断面図である。図示した有機シリコーン微粒子(A)は、前記したようなポリシロキサン架橋構造体から成るものであって、縦断面で見て内側小劣弧(11)とこれを覆う外側大劣弧(21)と双方の端部間に渡る稜線(31)とで形成された、全体として中空半球状体様を呈するものである。言い替えれば、中空球状体を2分割したときの一方の分割部側の形状を呈するものであり、例えば中空球状体を不均等に2分割したときの小分割部側の形状を呈するものである。そして内側小劣弧(11)の端部間の幅(W)の平均値が0.01〜9.5μm、外側大劣弧(21)の端部間の幅(W)の平均値が0.05〜10μm、且つ外側大劣弧(21)の高さ(H)の平均値が0.015〜9μmの範囲内にあるものであるが、内側小劣弧(11)の端部間の幅(W)の平均値が0.02〜6μm、外側大劣弧(21)の端部間の幅(W)の平均値が0.06〜8μm、且つ外側大劣弧(21)の高さ(H)の平均値が0.03〜6μmの範囲内にあるものが好ましい。本発明において、内側小劣弧(11)の端部間の幅(W)の平均値、外側大劣弧(21)の端部間の幅(W)の平均値、及び外側大劣弧(21)の高さ(H)の平均値はいずれも、有機シリコーン微粒子の走査電子顕微鏡像から抽出した任意の100個についてそれぞれを測定し、その平均を求めた値である。
本発明の組成物に供する液体(B)は、20℃における比誘電率が15〜85である液体である。液体(B)はそれ以上に特に制限されるものではなく、かかる液体(B)としては、低級アルコール類、脂肪族アルコール類、アルキレングリコール類、ポリオキシアルキレングリコール類、グリコールエーテル類及びグリセリン類等の有機液体(a)の他に水(b)が挙げられるが、かかる有機液体(a)と水(b)との混合物であって、有機液体(a)/水(b)=9/1〜1/9(質量比)の範囲内にある混合物が好ましく、なかでも有機液体(a)としては、炭素数1〜12の脂肪族アルコール、炭素数2〜3のオキシアルキレン単位を構成単位とするモノ又はジアルキレングルコール、炭素数1〜4のアルキルエーテル、炭素数2〜3のオキシアルキレン単位を構成単位とするポリオキシアルキレングリコール及びグリセリンが好ましく、エタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコーモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール及びグリセリンがより好ましい。液体(B)は、以上例示したような液体(b)や水を単独で又は混合して使用することができる。
なお、本発明において比誘電率とは、絶縁性物質の持つ基本的な電気的定数であり、「化学便覧 改訂2版」に記載されている値又は記載されていない場合はJIS C2101に規定された方法で測定される値であって、具体的には、誘電率計(日本ルフト社製の液体用誘電率計、Model871)を用いて測定される値である。
本発明の組成物において、有機シリコーン微粒子(A)と液体(B)との割合は、有機シリコーン微粒子(A)/液体(B)=60/40〜30/70(質量比)の範囲内とする。本発明の組成物は、共に前記した有機シリコーン微粒子(A)と液体(B)とから成り、且つ有機シリコーン微粒子(A)を30〜60質量%及び液体(B)を40〜70質量%(合計100質量%)の割合で含有して成るものである。有機シリコーン微粒子(A)の割合が多くなると、均一な組成物が得難くなり、逆に有機シリコーン微粒子(A)の割合が少なくなると、強いダイラタンシー性が得難くなる。
本発明の組成物は、使用目的に応じて、有機シリコーン微粒子(A)及び液体(B)以外に、その適用対象に通常用いられるその他の成分を併用することができる。例えば分散安定性を更に向上させる目的で、分散剤、湿潤剤、消泡剤、pH調整剤等を併用することができ、また有機シリコーン微粒子(A)に対して分散性向上のための前処理を施すこともできる。
以上説明した本発明の組成物には、機械的な強度が本質的に強く、剪断応力の増大による粘度変化が大きい、すなわちダイラタンシー性が強いという優れた効果があり、例えば衝撃吸収剤、保湿剤、高トルク伝達手段用作動液体、マッサージ用化粧料として有用である。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(有機シリコーン微粒子の合成)
・合成例1{有機シリコーン微粒子(SB−1)の合成}
反応容器にイオン交換水700gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを添加して水溶液とした。この水溶液にメチルトリメトキシシラン81.7g(0.6モル)及びテトラエトキシシラン83.2g(0.4モル)を添加し、温度を13〜15℃に保ちながら1時間加水分解反応を行ない、更に界面活性剤として10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液3gを添加し、同温度で3時間加水分解反応を行なった。約4時間でシラノール化合物を含有する透明な反応物を得た。次いで得られた反応物の温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反応を行なって、有機シリコーン微粒子を含有する水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を遠心分離機に供し、白色微粒子を分離して有機シリコーン微粒子(SB−1)の含水物(固形分約40%)を得た。この有機シリコーン微粒子(SB−1)の含水物を150℃で5時間、熱風乾燥したところ60.1gであった。この熱風乾燥物について、走査型電子顕微鏡による観察、元素分析、ICP発光分光分析、FT−IRスペクトル分析を行なったところ、この有機シリコーン微粒子(SB−1)は、縦断面で見て内側小劣弧(11)とこれを覆う外側大劣弧(21)と双方の端部間に渡る稜線(31)とで形成された、全体として中空半球状体様を呈し、内側小劣弧(11)の端部間の幅(W)の平均値が2.64μm、外側大劣弧(21)の端部間の幅(W)の平均値が3.02μm、且つ外側大劣弧(21)の高さ(H)の平均値が1.53μmの有機シリコーン微粒子であった。
尚、有機シリコーン微粒子(SB−1)の形状、内側小劣弧(11)の端部間の幅(W)の平均値、外側大劣弧(21)の端部間の幅(W)の平均値及び外側大劣弧(21)の高さ(H)の平均値は、走査型電子顕微鏡を用い、5000〜10000倍で任意の100個の有機シリコーン微粒子(SB−1)を観察し、各部位を測定して、その平均を求めた値である。また結合有機基の分析は次のように行なった。有機シリコーン微粒子(SB−1)5gを精秤し、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液250mlに加え、有機シリコーン微粒子中の加水分解性基を全て水溶液に抽出処理した。抽出処理液から超遠心分離により有機シリコーン微粒子を分離し、分離した有機シリコーン微粒子を水洗した後、200℃で5時間乾燥したものを、元素分析、ICP発光分光分析、FT−IRスペクトル分析に供して、全炭素含有量及びケイ素含有量を測定すると共に、ケイ素−炭素結合、ケイ素−酸素−ケイ素結合を確認した。これらの分析値と、原料に用いた化4で示されるシラノール形成性ケイ素化合物のRの炭素数より、化1で示されるシロキサン単位/化2で示されるシロキサン単位の割合を算出した。
合成例2〜5{有機シリコーン微粒子(SB−2)〜(SB−5)の合成}
有機シリコーン微粒子(SB−1)の合成と同様にして、有機シリコーン微粒子(SB−2)〜(SB−5)を合成し、測定及び分析等を行なった。
・合成例6{有機シリコーン微粒子(SB−6)の合成}
反応容器にイオン交換水700gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを添加して水溶液とした。この水溶液にメチルトリメトキシシラン74.9g(0.55モル)及びフェニルトリメトキシシラン9.9g(0.05モル)及びテトラエトキシシラン83.2g(0.4モル)を添加し、温度を13〜15℃に保ちながら1時間加水分解反応を行ない、更に界面活性剤として10%ラウリルスルホン酸ナトリウム水溶液3g及び20%α−ドデシル−ω−ヒドロキシポリ(オキシエチレン)(オキシエチレン単位の数が12)水溶液0.3gを添加し、同温度で3時間加水分解反応を行なった。約4時間でシラノール化合物を含有する透明な反応物を得た。次いで得られた反応物の温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反応を行なって、有機シリコーン微粒子を含有する水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を遠心分離機に供し、白色微粒子を分離して有機シリコーン微粒子(SB−6)の含水物(固形分約40%)を得た。この有機シリコーン微粒子(SB−6)の含水物を150℃で5時間、熱風乾燥したところ60.1gであった。この熱風乾燥物について、走査型電子顕微鏡による観察、元素分析、ICP発光分光分析、FT−IRスペクトル分析を行なったところ、この有機シリコーン微粒子(SB−6)は、縦断面で見て内側小劣弧(11)とこれを覆う外側大劣弧(21)と双方の端部間に渡る稜線(31)とで形成された、全体として中空半球状体様を呈し、内側小劣弧(11)の端部間の幅(W)の平均値が7.55μm、外側大劣弧(21)の端部間の幅(W)の平均値が8.22μm、且つ外側大劣弧(21)の高さ(H)の平均値が4.89μmの有機シリコーン微粒子であった。
・合成例7{有機シリコーン微粒子(SB−7)の合成}
有機シリコーン微粒子(SB−6)の合成と同様にして、有機シリコーン微粒子(SB−7)を合成し、測定及び分析等を行なった。
・合成例8{比較のための有機シリコーン微粒子(SBR−1)の合成}
反応容器にイオン交換水700gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gを添加して水溶液とした。この水溶液にメチルトリメトキシシラン108.9g(0.8モル)及びテトラエトキシシラン41.6g(0.2モル)を添加し、温度を13〜15℃に保ちながら1時間加水分解反応を行ない、更に界面活性剤として10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液3gを添加し、同温度で3時間加水分解反応を行なった。約4時間でシラノール化合物を含有する透明な反応物を得た。次いで得られた反応物の温度を30〜80℃に保ちながら5時間縮合反応を行なって、有機シリコーン微粒子を含有する水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を遠心分離機に供し、白色微粒子を分離して有機シリコーン微粒子(SBR−1)の含水物(固形分約40%)を得た。この有機シリコーン微粒子(SBR−1)の含水物を150℃で5時間、熱風乾燥したところ48.5gであった。この熱風乾燥物について、走査型電子顕微鏡による観察、元素分析、ICP発光分光分析、FT−IRスペクトル分析を行なったところ、この有機シリコーン微粒子(SBR−1)は、平均粒子径が2.6μm、全体としては形状が不定形である有機シリコーン微粒子であった。
・合成例9{比較のための有機シリコーン微粒子(SBR−2)の合成}
有機シリコーン微粒子(SBR−1)の合成と同様にして、有機シリコーン微粒子(SBR−2)を合成し、測定及び分析等を行なった。この有機シリコーン微粒子(SBR−2)は、平均粒子径が3.5μm、全体としては中実球状の変形及び凝集した有機シリコーン微粒子であった。
・合成例10{比較のための有機シリコーン微粒子(SBR−3)の合成}
反応容器にイオン交換水3950g及び28%アンモニア水50gを仕込み、室温下で10分間撹拌して均一なアンモニア水溶液とした。このアンモニア水溶液に、メチルトリメトキシシラン600g(4.41モル)をアンモニア水溶液中に混ざらないように加え、上層にメチルトリメトキシシラン層、下層にアンモニア水溶液層の2層状態となるようにした。次いで2層状態を保ちながらゆっくり撹拌し、メチルトリメトキシシランとアンモニア水溶液との界面において加水分解及び縮合反応を進行させた。反応の進行に伴い、反応物が徐々に沈降して下層は白濁し、上層のメチルトリメトキシシラン層は徐々に層が薄くなり、約3時間で消失した。更に温度を50〜60℃に保ち、同条件で3時間撹拌を行った後、25℃に冷却し、懸濁物を濾別して白色微粒子の含水物(SBR−3)を得た。この含水物を水洗し、150℃で3時間、熱風乾燥を行って得た乾燥物について実施例1と同様に測定及び分析等を行なったところ、平均粒子径が3.0μmの中実球状の有機シリコーン微粒子であった。
・合成例11{比較のための有機シリコーン微粒子(SBR−4)の合成}
反応容器に、分散安定剤としてポリビニルアルコール(PVA)12.4gをイオン交換水766mlに溶解した溶液を入れ、またスチレンモノマー40.8gに重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)1.5g及び架橋剤としてジビニルベンゼン(DVB)17.5gを溶解した溶液を入れて、ホモジナイザーを使用して25℃で15000rpm×60分間撹拌し、懸濁液を得た。次に、この懸濁液を、撹拌装置を用いてプロペラ状の撹拌子が200rpmとなるように撹拌しながら、窒素気流下に、オイルバス温度70℃で、6時間加熱撹拌して、スチレン−DVB共重合粒子の分散液を得た。この分散液を減圧濾過して生成物を収集し、イオン交換水を用いて充分に洗浄した後、80℃で乾燥し、スチレン−DVB共重合粒子を得た。得られた粒子の粒子径を、SEMにて観察し、測定したところ、平均粒子径が3.8μmの球状の粒子であった。
以上の各例で合成した有機シリコーン微粒子の内容を表1に示した。
Figure 0005177755
表1において、
S−1:無水ケイ酸単位
S−2:メチルシロキサン単位
S−3:フェニルシロキサン単位
,W,H:単位はμm
範囲:最大値−最小値、単位はμm
形状:
A;粒子全体が中空半球状
B;粒子の1/2以上が中空半球状であり、一部に粒子が変形又は凝集したものがある
C;粒子全体が変形又は凝集しており、中空半球状微粒子が殆ど無い
D;粒子全体が中実球状
E;粒子全体が不定形状
試験区分2(液体(B)の調製)
表2に記載の液体(B)を準備又は調製し、その20℃における比誘電率をJIS C2101に規定された方法に準じて測定して、結果を表2にまとめて示した。
Figure 0005177755
表2において、
イオン交換水/メタノールは質量比
試験区分3(ダイラタンシー性組成物の調製)
・実施例1
イオン交換水5部を100Lビーカーに計り取り、試験区分1で得た有機シリコーン微粒子(SB−1)5部を徐々に加え、ペンシルミキサーにて撹拌した。室温で1時間撹拌して均一分解させ、実施例1のダイラタンシー性組成物を調製した。
・実施例2〜16及び参考例17〜19
実施例1のダイラタンシー性組成物と同様にして、実施例2〜16及び参考例17〜19のダイラタンシー性組成物を調製した。
・比較例1
ドデカン4.5部を100Lビーカーに計り取り、試験区分1で得た有機シリコーン微粒子(SB−1)5.5部を徐々に加え、ペンシルミキサーにて撹拌した。室温で1時間撹拌して均一分散させ、比較例1のダイラタンシー性組成物を調製した。
・比較例2〜10
比較例1のダイラタンシー性組成物と同様にして、比較例2〜10のダイラタンシー性組成物を調製した。
以上の各例で調製したダイラタンシー性組成物の内容を表3にまとめて示した。
東機産業株式会社製の回転粘度計(RE−85型、3‘×R9.7ローターを使用)により、ローター回転数10rpm、20rpm、50rpm、100rpmの場合における30℃の粘度を測定した。結果を表3にまとめて示した。表3の結果からも明らかなように本発明の組成物はダイラタンシー性が強い。
・ダイラタンシー性の評価
表3のローター回転数における粘度を比較して、ローターが高速回転になるほど、高粘度化する現象をダイラタンシー性があると評価した。またその度合いについては、以下の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。
ダイラタンシー性の評価基準:
AAA:ローター回転数10rpm時の粘度よりもローター回転数100rpm時の粘度の方が高く、双方の粘度の差が1000mPa・s以上であり、非常に強いダイラタンシー性が見られた。
AA:ローター回転数10rpm時の粘度よりもローター回転数100rpm時の粘度の方が高く、双方の粘度の差が500mPa・s以上から1000mPa・s未満であり、強いダイラタンシー性が見られた。
A:ローター回転数10rpm時の粘度よりもローター回転数100rpm時の粘度の方が高く、双方の粘度の差が10mPa・s以上から500mPa・s未満であり、弱いダイラタンシー性が見られた。
B:ローター回転数10rpm時の粘度よりもローター回転数100rpm時の粘度の方が低いか、又は後者の方が高い場合でも双方の粘度の差が10mPa・s未満であり、ダイラタンシー性がみられなかった。
C:組成外観が固体状であり、粘度測定ができなかった。
















Figure 0005177755
本発明の組成物に供する有機シリコーン微粒子を略示する拡大縦断面図。
11 内側小劣弧
21 外側大劣弧
31 稜線
内側小劣弧の端部間の幅
外側大劣弧の端部間の幅
H 外側大劣弧の高さ

Claims (4)

  1. 下記の有機シリコーン微粒子(A)と20℃における比誘電率が15〜85である液体(B)とから成り、且つ有機シリコーン微粒子(A)を30〜60質量%及び液体(B)を40〜70質量%(合計100質量%)の割合で含有して成ることを特徴とするダイラタンシー性組成物。
    有機シリコーン微粒子(A):下記の化1で示されるシロキサン単位と化2で示されるシロキサン単位とで構成されたポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子であって、縦断面で見て内側小劣弧(11)とこれを覆う外側大劣弧(21)と双方の端部間に渡る稜線(31)とで形成された、全体としては中空半球状体様を呈し、内側小劣弧(11)の端部間の幅(W)の平均値が0.01〜9.5μm、外側大劣弧(21)の端部間の幅(W)の平均値が0.05〜10μm、且つ外側大劣弧(21)の高さ(H)の平均値が0.015〜9μmの範囲内にある有機シリコーン微粒子。
    Figure 0005177755
    Figure 0005177755
    (化2において、
    :メチル基)
  2. 液体(B)が、低級アルコール類、脂肪族アルコール類、アルキレングリコール類、ポリオキシアルキレングリコール類、グリコールエーテル類、グリセリン類及び水から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1記載のダイラタンシー性組成物。
  3. 液体(B)が、低級アルコール類、脂肪族アルコール類、アルキレングリコール類、ポリオキシアルキレングリコール類、グリコールエーテル類及びグリセリン類から選ばれる一つ又は二つ以上の有機液体(a)と水(b)との混合物であり、且つ双方の割合が有機液体(a)/水(b)=9/1〜1/9(重量比)の範囲にある請求項1記載のダイラタンシー性組成物。
  4. 液体(B)が、炭素数1〜12の脂肪族アルコール、炭素数2〜3のオキシアルキレン単位を構成単位とするモノ又はジアルキレングリコール、炭素数1〜4のアルキルエーテル、炭素数2〜3のオキシアルキレン単位を構成単位とするポリオキシアルキレングリコール及びグリセリンから選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1記載のダイラタンシー性組成物。
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