JP5177376B2 - マーキング機能付きトルクレンチ - Google Patents
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Description
現在提供されているマーキング機能付きトルクレンチ機構としては、ボルト締め付けトルクに達した際、レンチトグル動作によるラチェット部及びハンドル部の首振りの変位を利用し、機械的なリンクを介しマーキングスタンプを作動させるものである(例えば特許文献1参照)。
トルクレンチ本体31には、トグル機構32を内装したチューブ33と、このチューブ33の先端部に取り付けた支軸に軸支されるヘッド35と、チューブ33の尾端部に取り付けられている柄36を有している。このトルクレンチ本体31には、前記トグル機構32の動作でマーカーを連動させるためのマーカー駆動機構37が設けられている。マーカー駆動機構37は、チューブ33の外側に固定されている支軸ピンに軸支されているL字形のリンク39を有し、このリンク39の一端は、調整ネジを介してヘッド35の側面に当接され、またリンク39の他端は、レバー41側に当接されている。レバー41の一端は、レバー支点65によってチューブ33に軸支され、他端は、マーカー機構43のマーカーヘッド44に係合されている。ヘッド35には、前記トルクレンチ本体31と直交する方向にラチェット筒46が固定されており、該ラチェット筒46の先端部に筒状アダプタ49が着脱可能に取り付けられ、該筒状アダプタ49の先端部にソケット51が着脱可能に取り付けられている。前記マーカー機構43は、図7に示すように、前記マーカーヘッド44に連結されたマーカーロッド54が上記ラチェット筒46および筒状アダプタ49内を軸方向に延伸している。マーカーロッド54は筒状アダプタ49の先端側に至り、その先端にマーカー55が取り付けられている。
このトルク検査器の概要を図8に示す。トルク検査器70では、一般的なトルクレンチ100のヘッド101に備える六角柱形状のソケット取付け用ドライブ部102を嵌合可能な取付穴72を取付部71に設け、該取付穴72を介した回転動作によって取付部71に対するトルクの測定が可能になっている。該取付部71に対し、上記取付穴72を介してトルクレンチ100でトルクを加えると、トルクが測定されてデジタル表示などによって確認できるようになっている。これによりトルクレンチ100でプリセットされたトルクが正確であるか否か、実際の締め付けトルクと差があるか否かの確認を行うことができる。操作者は、トルク検査器の確認結果によってトルクレンチ100の設定を適宜調整することができる。
i.標準形状の角ドライブではない為一般に市販されているトルク精度管理用の検査器にトルクレンチを取り付けできない。
ii.角ドライブ下端よりマーキングスタンプ作動用のロッドなどが突き出している為、干渉等の問題によりトルク検査器に取り付けできない。
iii.標準角ドライブに比べ大型となる為これに付随する部品の大型化が避けられず、検査装置の大型化、重量増加を招くなどが挙げられる。
前記締付力を加えるトルクレンチ本体と、前記トグル機構を介して前記トルクレンチ本体と連結される接続部と、該接続部に着脱自在に取り付けられ、ボルトまたはナットの締め付けを行うソケットが連結されるエクステンション筒体と、該エクステンション筒体に内蔵されたスタンプ機構とを備え、前記接続部には、前記トルクレンチ本体側から前記スタンプ機構にスタンプ動作を行わせるスタンプ作動機構の一部が内蔵されており、該スタンプ作動機構と前記スタンプ機構とは、前記接続部に対する前記エクステンション筒体の着脱に従って離接可能になっており、前記スタンプ作動機構は、少なくとも未作動状態では、前記接続部から前記エクステンション筒体取付側に延出しておらず、前記スタンプ機構の動作時においても前記接続部から前記エクステンション筒体取付側に延出しないように構成されていることを特徴とする。
前記締付力を加えるトルクレンチ本体と、前記トグル機構を介して前記トルクレンチ本体と連結される接続部と、該接続部に着脱自在に取り付けられ、ボルトまたはナットの締め付けを行うソケットが連結されるエクステンション筒体と、該エクステンション筒体に内蔵されたスタンプ機構とを備え、前記接続部には、前記トルクレンチ本体側から前記スタンプ機構にスタンプ動作を行わせるスタンプ作動機構の一部が内蔵されており、該スタンプ作動機構と前記スタンプ機構とは、前記接続部に対する前記エクステンション筒体の着脱に従って離接可能になっており、前記スタンプ作動機構は、少なくとも未作動状態では、前記接続部から前記エクステンション筒体取付側に延出しておらず、さらに前記スタンプ機構の動作時においても前記接続部から前記エクステンション筒体取付側に延出しないように構成されているので、前記エクステンション筒体を取り外すことで、トルク検査器と干渉することなく検査に供することができ、小型で汎用的なトルク検査器によるトルク検査が可能になる。
したがって、一般に市販されているトルクレンチ用トルク検査器の使用が可能となる為、ユーザーによる日々のトルク精度管理が可能となり、市販トルクレンチ同様に生産ライン内での使用が可能となる。また、標準形状角ドライブの使用が可能となることで、付随する部品の小型化を図ることができ、装置全体の小型化、軽量化が可能となる。
以下に、本発明の一実施形態のマーキング機能付きトルクレンチについて、図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、該マーキングレンチ1の全体を示す一部断面図であり、筒状としたトルクレンチ本体2の先端側にヘッド3が回転可能に取り付けられている。ヘッド3の一部はトルクレンチ本体2内に伸張し、トルクレンチ本体2に設けたトグル機構10の一方側に連結されている。トグル機構10の他方側はトルクレンチ本体2側に連結されている。
トグル機構10は、規定トルク締め付け時に、トグル動作によってトルクレンチ本体2側とヘッド3側の固定状態が解かれ、トルクレンチ本体2に加わる締め付け力に対し、ヘッド3が追従せず、ヘッド3側が所定角度で首振り動作をすることになる。この際に、ヘッド3の一部がトルクレンチ本体2に当たるなどして音を発することで作業者は規定トルク締め付けに達したことを知ることができる。なお、トグル機構10の構成は本発明としては特定のものに限定をされるものではなく、既知のものを用いることができる。なお、ヘッド3には、ラチェット機構を設けることができる。
調整ネジ12の頭部には、同じくエクステンション筒体4内に軸方向に沿って配置されたスタンプ押し付けロッド8の先端側が位置して当接している。該押し付けロッド8の先端側は、初期位置では前記ドライブ部3aの下端よりも僅かに内側に位置しており、ドライブ3aよりも延出しないようにされている。また、スタンプ押し付けロッド8の先端にはEリング8bなどを嵌めてドライブ部3aに対する位置決めおよび上方移動を規制している。
上記延長板20、ピン25、26、起動アーム21、起動マグネット22、スタンプ押し付けマグネット9、スタンプ押し付けロッド8によって本発明のスタンプ作動機構が構成されている。
締め付けのためのトルクをマーキングトルクレンチ1にプリセットし、ソケット5内に、締め付けを行うボルト頭部29を収容する。この際に、トグル機構10は開放されているため、起動アーム21は初期位置にあり、起動マグネット22は、前記スタンプ押し付けマグネット9の対向位置から離れて位置している。このため、両マグネット間では、互いの磁力の影響は殆どなく、互いに作用し合う力は発生していない。スタンプ押し付けロッド8は、Eリング8bで規制された状態でロッド戻しバネ8aで付勢されてドライブ部3aから最も突き出した状態になっており、その下端は前記したように、ドライブ部3a内に引き込まれている。また、マーキングスタンプ6は、スタンプ押し戻しバネ7で支持されて初期位置にあり、調整ネジ12の頭部がスタンプ押し付けロッド8の下端に接している。
なお、上記実施形態では、スタンプ作動機構としてマグネットの磁力を利用したものについて説明をしたが、トグル機構に連動して動作するリンク機構によってスタンプ機構にスタンプ動作をさせるものであってもよい。該実施形態を図5に基づいて説明する。
この実施形態では、図示しないトグル機構と連動するリンク機構を有し、該リンク機構の一端にあるレバー21aの端部がドライブ部3a上に位置し、該レバー21aの端部にスタンプ押し付けロッド8が固定されている。該スタンプ押し付けロッド8は、筒状のドライブ部3aの筒穴内に挿入される。押し付けロッド8は、リンク機構21aが動作していない状態でドライブ部3aから延出しないでドライブ部3a内に収まり、さらにリンク機構21aが動作してスタンプ押し付けロッド8が前進した状態でもドライブ部3aの下端から延出しないでドライブ部3a内に収まる長さに設定されている。これにより該スタンプ押し付けロッドがトルク検査器に干渉することなくトグル機構が動作するまでトルクを測定することが可能になる。
2 トルクレンチ本体
3 ヘッド
3a ドライブ部
4 エクステンション筒体
5 ソケット
6 マーキングスタンプ
8 スタンプ押し付けロッド
9 スタンプ押し付けマグネット
10 トグル機構
20 延長プレート
21 起動アーム
21a リンク機構
22 起動マグネット
Claims (4)
- ボルト又はナットに対する締付力が所定の値に達した際にトグル機構が動作するとともに、前記トグル機構の動作に伴う変位と連動してスタンプ機構が動作して自動的にマーキングを行うマーキング機能付きトルクレンチにおいて、
前記締付力を加えるトルクレンチ本体と、前記トグル機構を介して前記トルクレンチ本体と連結される接続部と、該接続部に着脱自在に取り付けられ、ボルトまたはナットの締め付けを行うソケットが連結されるエクステンション筒体と、該エクステンション筒体に内蔵されたスタンプ機構とを備え、前記接続部には、前記トルクレンチ本体側から前記スタンプ機構にスタンプ動作を行わせるスタンプ作動機構の一部が内蔵されており、該スタンプ作動機構と前記スタンプ機構とは、前記接続部に対する前記エクステンション筒体の着脱に従って離接可能になっており、前記スタンプ作動機構は、少なくとも未作動状態では、前記接続部から前記エクステンション筒体取付側に延出しておらず、前記スタンプ機構の動作時においても前記接続部から前記エクステンション筒体取付側に延出しないように構成されていることを特徴とするマーキング機能付きトルクレンチ。 - 前記スタンプ作動機構は、少なくとも前記スタンプ機構の動作時に、前記スタンプ作動機構による作動方向とは逆方向への負荷によって、前記ヘッド部内で前記エクステンション筒体取付側と逆の方向に後退可能であることを特徴とする請求項1記載のマーキング機能付きトルクレンチ。
- 前記スタンプ作動機構は、前記トグル機構の変位に連動して移動する起動マグネットと、前記起動マグネットが前記移動をすることによって前記起動マグネットとの間で互いに同極の着磁面が対向して磁力で反発し合うスタンプ押付けマグネットと、該スタンプ押し付けマグネットに連結されたスタンプ押し付けロッドとを有し、前記スタンプ押し付けマグネットは、前記磁力によって前記起動マグネットから離れるように移動をして前記押し付けロッドを介して前記スタンプ機構を前進させるものであることを特徴とする請求項1記載のマーキング機能付きトルクレンチ。
- 前記スタンプ作動機構は、前記トグル機構の変位に連動するリンク機構と、該リンク機構に連結されたスタンプ押し付けロッドとを有し、前記リンク機構の動作によって前記押し付けロッドを介して前記スタンプ機構を前進させるものであることを特徴とする請求項1記載のマーキング機能付きトルクレンチ。
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