JP5175669B2 - 捩り振動低減装置 - Google Patents

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Description

本発明は捩り振動低減装置に関し、捩り振動低減装置を車両に取り付ける際に、捩り振動低減装置の入力部材と出力部材とを仮センタリングすることにより、捩り振動低減装置の取付作業を容易にし、取り付け後のエンジン側の部品とトランスミッション側の部品との間にミスアライメントがある場合は、該ミスアライメントが取り付け後の仮センタリング部材の摩耗により吸収されるようにしたものである。
自動車には自動変速機を用いるものがあり、該自動変速機にエンジンのトルク変動に起因した捩り振動が伝達されるのを防止するため、捩り振動低減装置が用いられる。
従来の捩り振動低減装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。エンジンのクランクシャフトに一対の入力部材(ドライブプレートおよびサイドプレート)の内周部がボルトを介して結合され、該一対の入力部材の間に回転自在に設けられた出力部材(ドリブンプレート)の外周部がトルクコンバータのコンバータカバーに結合され、一対の入力部材と出力部材とが圧縮ばねにより円周方向に連結されている。
捩り振動低減装置を車両に取り付ける際には、一対の入力部材であるドライブプレートとサイドプレートとがクランクシャフトの端部にセンタリングして結合される一方、出力部材である単一のドリブンプレートがトルクコンバータのコンバータカバーにセンタリングして結合される。捩り振動低減装置を車両に取り付けるまでは、一対のドライブプレートとサイドプレートとの間に仮センタリング部材としての樹脂製の軸受29を設け、該軸受29を介してドリブンプレートを組みつけている。
このように仮センタリング部材を用いるのは、捩り振動低減装置の入力部材に対して出力部材が相対的にセンタリングされていないと組み付けが困難になり、そのような場合に入力部材と出力部材との間に樹脂製の軸受29を設けておくと、軸受29により仮のセンタリングが行われて組み付けが可能になるからである。そして、組み付け後にエンジン側の部品とトランスミッション側の部品との間にミスアライメントがある場合には、軸受29が変形した状態で取り付いていることになり、軸受29には変形させると復帰しようとする弾性力が作用するので、該弾性力により比較的短時間のうちに軸受29が摩耗し、部品間のミスアライメントが吸収される。
特開平08−28628号公報
ところが、捩り振動低減装置の構成部品や仮センタリング部材としての軸受29は、クランクシャフトの外周面と対応した半径寸法の位置に配置されているので、捩り振動低減装置の慣性モーメントが小さい。即ち、駆動系の部品にはフライホィール等のように慣性重量の大きさが求められる一方で、捩り振動低減装置全体の軽量化が求められるという、相反する要求があることから、この要求に答えるためには半径方向外側に重量の大きい部材を配置する方が慣性モーメントが大きくなって望ましいが、捩り振動低減装置の構成部品や仮センタリング部材としての軸受29は半径方向内側に配置されているのでこの要求を満たすことができない。
また、捩り振動低減装置を低剛性化するには圧縮ばねを半径方向外側に配置するのが有効であり、そのためには構成部品も半径方向外側に配置することになるが、半径方向外側に仮センタリング部材を配置すると、必然的に仮センタリング部材が円周方向に長くなって材料費が高くなる。
そこで本発明は、上記の課題を解決し、入力部材に対して出力部材をセンタリングする仮センタリング部材を半径方向外側に配置し、かつ仮センタリング部材を分割して材料費を抑制した捩り振動低減装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、クランクシャフトに連結されて回転自在な入力部材と、該入力部材と同心に配置されて回転自在に支持されトランスミッションの入力軸に連結された出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを円周方向に連結する弾性部材と、前記入力部材と前記出力部材との間に介在する仮センタリング部材とを備えた捩り振動低減装置において、前記仮センタリング部材が、半径方向外側に円周方向に沿って略等間隔に複数配置され、該仮センタリング部材が装着手段を介して前記入力部材または前記出力部材のいずれか一方に装着され、他方には円周方向の前記仮センタリング部材と対応する位置に円弧面が形成され、該円弧面に当接する当接部が前記仮センタリング部材に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、仮センタリング部材を設けたので、出力部材をトランスミッションの入力軸に結合し、入力部材をクランクシャフトに結合することにより、捩り振動低減装置の組み込みが容易に完了する。このとき、入力部材または出力部材のいずれか一方に装着された複数の仮センタリング部材の当接部が他方に形成された円弧面に当接して、入力部材に対する出力部材の相対的なセンタリングが行われているが、部材間に軸心のズレがあった場合には、仮センタリング部材の当接部を変形させて入力部材と出力部材との軸心をずらすことにより部材と部材との組み付けが可能になる。組み付け後は短時間のうちに仮センタリング部材が摩耗し、部材間のミスアライメントが吸収される。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の捩り振動低減装置において、前記入力部材と前記出力部材とのいずれか一方が一対の側板を連結して構成され、他方が前記一対の側板の間に配置された中央板により構成され、前記装着手段として、前記入力部材または前記出力部材のいずれか一方に係合孔が形成され、該係合孔に係合させるための係合突起が前記仮センタリング部材に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、係合孔に係合突起が係合されることにより仮センタリング部材が入力部材または出力部材のいずれか一方に装着される。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の捩り振動低減装置において、前記仮センタリング部材が前記中央板の両側面であって円周方向の同一位置に一対配置され、前記仮センタリング部材の円周方向の中央部に対してオフセットした位置に前記係合突起および前記係合孔が夫々形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、装着手段として仮センタリング部材のオフセットした位置の係合孔に係合突起を係合させる構成を採用することから、中央板の円周方向の同じ位置の両側面に、中央板を挟むようにして一対の仮センタリング部材を設けることが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の捩り振動低減装置において、前記仮センタリング部材の円周方向の中央部に対して前記係合突起とは反対方向へ同一寸法だけオフセットした位置に、前記係合孔と繋がる第2係合孔が夫々形成される一方、前記係合突起の先端部には、前記第2係合孔まで係合した前記係合突起が前記第2係合孔から抜けるのを防止する抜け止め部を形成したことを特徴とする。
この発明によれば、中央板を挟む一対の仮センタリング部材の一方の係合突起が中央板の係合孔および他方の第2係合孔まで係合し、他方の係合突起が中央板の係合孔および一方の第2係合孔まで係合し、双方の係合突起が抜け止め部により抜け止めされる。
請求項5に係る発明は、請求項2〜4に記載の捩り振動低減装置において、前記仮センタリング部材には、前記入力部材と前記出力部材との軸方向間に介在させるスペーサ部が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、入力部材と出力部材との軸方向間に仮センタリング部材のスペーサ部が介在するので、入力部材と出力部材とが干渉して摩耗したり異音を発生したりすることがない。また、仮センタリング部材が軸方向へ移動するのが規制され、仮センタリング部材が入力部材または出力部材から外れるのが未然に防止される。
請求項1に係る発明によれば、仮センタリング部材は半径方向外側に配置されているが、分割されているので少ない材料で作ることができる。従って材料費が抑制される。また、円環状にすると樹脂などの射出成形品は楕円形になり易いが、分割された小さな部品であるため、精度良く製作することができる。
請求項2に係る発明によれば、係合孔に係合突起が係合されることにより仮センタリング部材が入力部材または出力部材のいずれか一方に装着されることになり、装着手段の構成が簡単である。
請求項3に係る発明によれば、中央板の円周方向の同じ位置の両側面に中央板を挟むようにして一対の仮センタリング部材設ける場合に、仮センタリング部材のオフセットした位置の係合孔に係合突起を係合させる構成を採用するので、仮センタリング部材として異なる形状のものを2種類設ける必要がなく、煩雑さが解消される。また、仮センタリング部材が擦れるのは、軸方向,半径方向のいずれについても両側の側板であり、そのために擦れによって発生する熱の放出が側板から外部へ向って効率よく行われ、異常発熱を起こす危険が少ない。
請求項4に係る発明によれば、仮センタリング部材の一方の係合突起が中央板の係合孔だけでなく他方の第2係合孔まで係合するので、仮センタリング部材が2本の係合突起を介して中央板に支持されることになり、仮センタリング部材の回転がより確実に防止され、作動が安定する。
請求項5に係る発明によれば、半径方向には短い時間で多く摩耗する仮センタリング部材として機能し、軸方向には比較的長い時間に亘って作用するスペーサとして機能するという、相反する機能を1部品で兼用して果たすことができる。
以下、本発明による捩り振動低減装置の実施の形態を説明する。
(a)実施の形態1
まず、実施の形態1について説明する。
(構成)
図1(b)に示すように、エンジンのクランクシャフト1にドライブプレート2が補強板3を介してクランクボルト4により結合されている。該ドライブプレート2は、図示しないピンを介してクランクシャフト1の端面にセンタリングされている。該ドライブプレート2の外周部には、エンジンの始動の際に図示しないセルモータにより回転駆動されるリングギヤ5が溶接固定されている。ドライブプレート2がクランクシャフト1にセンタリングされているので、リングギヤ5は正確に機能を果たすことができる。リングギヤ5に代えて、エンジン回転をセンシングするため円周方向に凹凸を形成したセンシング部材が取り付けられる場合もある。
捩り振動低減装置はドライブプレート部とダンパ部とに分かれる。ドライブプレート部とダンパ部とは、夫々に回転方向のアンバランス修正が行われるのが望ましく、ドライブプレート部には前記のようにリングギヤまたはセンシング部材が設けられ、ダンパ部には円周方向に沿ってばねが設けられ、更に慣性マスが設けられている。
このドライブプレート2には入力部材を構成する一対の側板としてのリテーナプレート6a,6bが連結されている。即ち、ドライブプレート2の左面にはドライブプレートボルト7を介してリング状の慣性マス8が結合され、該慣性マス8の左方に配置されたリテーナプレート6a,6bが前記ドライブプレートボルト7よりも内側に配置されたリベット9を介して慣性マス8に結合されている。リテーナプレート6a,6bの間には中央板としての単一の出力プレート10が設けられている。該出力プレート10は図2のように形成されており、該出力プレート10の中央に間欠的にスプライン歯を有するセンター孔10aが形成され、該センター孔10aに出力ハブ11の外周部を圧入することにより、該センター孔10aの外周部を削って塑性変形させながら組み付けられている。このため、両者は回転方向に強固に結合されている。出力ハブ11の内周面には図示しないトランスミッションの入力軸をスプライン結合するためのスプライン歯11aが形成されている。
一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10とを円周方向に連結するため、弾性部材としてのばね12,13が設けられている。ばね12,13はいずれも入れ子ばねによって構成されており、ばね12は同じ長さで外径寸法の異なるばね12a,12bにより構成され、ばね13は長さも外径寸法も異なるばね13a,13bにより構成されている。ばね12,13は円周方向へ交互に配置されており、回転バランスが保持できるようになっている。
ばね12,13をリテーナプレート6a,6bの間に保持するため、リテーナプレート6a,6bには相互に対向する窓6c,6dが円周方向に沿って複数形成され、窓6cの内周側と外周側とに、ばね12,13を半径方向に規制する規制部6e,6fが形成される一方、窓6dの外周側と内周側とには規制部6g,6hが形成されている。また、ばね12,13を単一の出力プレート10上に保持するため、図2に示すように出力プレート10の前記窓6c,6dと対応する位置に、スリット10bが円周方向に沿って複数形成されている。ばね12,13は出力プレート10のスリット10bの内部に嵌まり込んで、リテーナプレート6a,6bの窓6c,6dと対応する位置に保持されている。図1(a)の右半分は一方のリテーナプレート6aが存在する図であり、図1(b)の左半分は一方のリテーナプレート6aを除去して示す図である。円周方向における出力プレート10のスリット10bとスリット10bとの間がばね受け部10eとなり、円周方向におけるリテーナプレート6a,6bの窓6c,6dどうしの間がばね受け部6iとなる。
遠心力によりばね12,13に半径方向外側への力が作用したときにリテーナプレート6a,6bの半径方向内側が開くのを規制するためにリテーナプレート6a,6bには90度毎に中心方向へ向う幅狭の突起部6j,6kが形成され、突起部6jは突起部6kに接近させるために屈曲され、突起部6j,6kがリベット14を介して結合されている。この結合は、ばね12,13が軽量だったり、エンジンの最大回転数が低かったり、リテーナプレート6a,6bの強度が十分であったりした場合には省略される。突起部6j,6kの結合と突起部6j,6kの円周方向への移動が可能となるように、出力プレート10には、図2に示すように逃げ孔10cが形成されている。
このように構成され相対的に回転する一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10とを相対的にセンタリングする仮センタリング部材15が設けられている。以下、詳細に説明する。仮センタリング部材15は、半径方向外側に円周方向に沿って略等間隔に4つ配置され、出力プレート10の両面で8つ設けられている。夫々の仮センタリング部材15は装着手段を介して出力プレート10に装着されている。即ち、以下のようになっている。図3に示すように、仮センタリング部材15は円環を分割した形状であり、仮センタリング部材15の背面には係合突起15aが形成されている。該係合突起15aは、仮センタリング部材15の長さ方向の中央部に対してオフセットした位置に配置されている。一方、図2に示すように出力プレート10には係合突起15aを係合させるための係合孔を2つ並べて連通させることにより形成された長孔10dが、前記逃げ孔10cどうしの間に円周方向に沿って4つ形成されている。仮センタリング部材15が出力プレート10の両側面であって円周方向の同一位置に配置され、仮センタリング部材15の円周方向の中央部に対してオフセットした位置に前記係合突起15aが形成されているので、出力プレート10の両側面に配置される2つの仮センタリング部材15の2つ係合突起15aが、前記長孔10dに並べて嵌まり込んでいる。
一方、リテーナプレート6a,6bには円周方向の仮センタリング部材15と対応する位置に円弧面としての内周面6mが形成され、該内周面6mに当接する当接部15bが仮センタリング部材15に形成されている。即ち、仮センタリング部材15の前記係合突起15aとは反対側の前面の内周側には、円弧に沿って軸方向へ突出する突起部15cが形成され、該突起部15cから外周側へ向って突出させて当接部15bが形成されている。突起部15cにより繋がっている3つの当接部15bの背面に係合突起15aが位置するため、係合突起15aの基端部は強固である。このほか、仮センタリング部材15には、外周部に薄肉のスペーサ部15dが円周方向に沿って形成されている。該スペーサ部15dは、図1(b)の下部に示すように出力プレート10とリテーナプレート6a,6bとの軸方向間に挿入され、両者が直接に擦れるのを防止する。
仮センタリング部材15は出力プレート10に取り付けられており、仮センタリング部材15の当接部15bがリテーナプレート6a,6bの内周面6mに接触して両者間のセンタリングが行われる。仮センタリング部材15に形成され円弧を形成する3つの当接部15bと、リテーナプレート6a,6bの円弧である内周面6mとが当接するので、仮センタリング部材15自体が係合突起15aを中心として回動することはない。仮センタリング部材15の摩耗速度を検討するには、当接部15bがリテーナプレート6a,6bの内周面6mと摺動して摩耗する点に着目すればよい。つまり、摩耗速度を早めたければ、当接部15bの摺動面の面積を小さくすればよく、摩耗速度を遅くしたければ、摺動面の面積を大きくすればよい。仮センタリング部材15は軸方向(図3(b)にxで示す)ではスペーサ部15dの全面でリテーナプレート6a,6bの装置内側の面と接触するようになっているので、スペーサ部15dのリテーナプレート6a,6bの装置内側の面と接触する面積を大きくするのが容易であり、そのために摺動面圧は低く、長い時間スペーサとしての機能を果たすことができる。一方、径方向(図3(a)にyで示す)については、周方向に当接部15bが点在する構成にしたので、比較的短い時間で所望の摩耗を得ることができる。当接部15bの周方向の幅W1,W2は略一定なので、面圧が一定であり摩耗速度も一定となる。仮センタリング部材15としては、軸方向のスペーサとして長期間機能させるために比較的摩耗耐力のある材料として例えば66ナイロン等を使用するのが望ましい。
(作用)
次に、捩り振動低減装置の作用を説明する。
8つの前記仮センタリング部材15を介在させて一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10とを組み付け、該一対のリテーナプレート6a,6bにリベット9を介して慣性マス8を取り付けることにより捩り振動低減装置を完成させる。次に、出力ハブ11のスプライン歯11aに図示しないトランスミッションの入力軸をスプライン結合する一方、ドライブプレート2はクランクボルト4を介してクランクシャフト1に固定する。最後に該慣性マス8をドライブプレートボルト7を介してドライブプレート2に結合する。このとき、慣性マス8とドライブプレート2との間に軸心のズレがあった場合には、前記仮センタリング部材15を変形させて一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10との軸心をずらすことにより、慣性マス8とドライブプレート2との組み付けが可能になる。
捩り振動低減装置は車両の運転中に、一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10とが相対的に回転する。このため、出力プレート10の両側に結合された仮センタリング部材15の当接部15bにリテーナプレート6a,6bの内周面6mが摺動する。従って、比較的短時間のうちに仮センタリング部材15の当接部15bが半径方向に摩耗する。一方、一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10との軸方向間にはスペーサ部15dが存在するが、スペーサ部15dの摩耗は殆どない。
この発明によれば、仮センタリング部材15を設けたので、出力プレート10をトランスミッションの入力軸に結合し、一対のリテーナプレート6a,6bをクランクシャフト1に結合することにより、捩り振動低減装置の組み込みが容易に完了する。このとき、出力プレート10に装着された複数の仮センタリング部材15の当接部15bが一対のリテーナプレート6a,6bに形成された円弧面6mに当接して、一対のリテーナプレート6a,6bに対する出力プレート10の相対的なセンタリングが行われているが、部材間に軸心のズレがあった場合には、仮センタリング部材15の当接部15bを変形させて一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10との軸心をずらすことにより部材と部材との組み付けが可能になる。組み付け後は短時間のうちに仮センタリング部材15が摩耗し、部材間のミスアライメントが吸収される。そして、仮センタリング部材15は半径方向外側に配置されているが、分割されているので少ない材料で作ることができる。従って材料費が抑制される。また、円環状にすると樹脂などの射出成形品は楕円形になり易いが、分割された小さな部品であるため、精度良く製作することができる。
この発明によれば、長孔10dに係合突起15aが係合されることにより仮センタリング部材15が出力プレート10に装着されることになり、装着手段の構成が簡単である。
この発明によれば、装着手段として仮センタリング部材15のオフセットした位置に形成される2つの係合孔が繋がってできた長孔10dに係合突起15aを係合させる構成を採用することから、出力プレート10の円周方向の同じ位置の両側面に、出力プレート10を挟むようにして一対の仮センタリング部材15を設けることが可能となる。出力プレート10の円周方向の同じ位置の両側面に出力プレート10を挟むように仮センタリング部材15を設ける場合に、仮センタリング部材15のオフセットした位置の長孔10dに係合突起15aを係合させる構成を採用するので、仮センタリング部材15として異なる形状のものを2種類設ける必要がなく、煩雑さが解消される。このほか、仮センタリング部材15が擦れるのは、軸方向,半径方向のいずれについても両側の一対のリテーナプレート6a,6bであり、そのために擦れによって発生する熱の放出がリテーナプレート6a,6bから外部へ向って効率よく行われ、異常発熱を起こす危険が少ない。
この発明によれば、一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10との軸方向間に仮センタリング部材15のスペーサ部15dが介在するので、一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10とが干渉して摩耗したり異音を発生したりすることがない。また、仮センタリング部材15が軸方向へ移動するのが規制され、仮センタリング部材15が出力プレート10から外れるのが未然に防止される。このほか、半径方向には短い時間で多く摩耗する仮センタリング部材15として機能し、軸方向には比較的長い時間に亘って作用するスペーサとして機能するという、相反する機能を1部品で兼用して果たすことができる。
(b)実施の形態2
次に、実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2は実施の形態1の一部を変更したものなので、実施の形態1と異なる部分のみを説明する。
図4に示すように、仮センタリング部材15の前記係合突起15aが形成された背面に回り止め突起15eが形成されている。該回り止め突起15eは仮センタリング部材15の長さ方向の一方側の下部にのみ形成され、該回り止め突起15eの半径方向の長さと軸方向の突出長さは前記係合突起15aと略同じになっている。該回り止め突起15eは、出力プレート10に形成された前記逃げ孔10cの端部に入り込んでいる。
仮センタリング部材15は、係合突起15aと回り止め突起15eとの2つの部分を介して出力プレート10に装着されている。このため、仮センタリング部材15の回転がより確実に防止され、作動が安定する。
(c)実施の形態3
次に、実施の形態3について説明する。なお、実施の形態3は実施の形態1の一部を変更したものなので、実施の形態1と異なる部分のみを説明する。
この実施の形態では、仮センタリング部材15には前記係合突起15aに代えて図5に示すように略円柱状の係合突起15fが形成されると共にオフセット量が大きくなっており、一対の仮センタリング部材15が出力プレート10の両側から該出力プレート10を挟むようにして装着されている。即ち、仮センタリング部材15の背面の右側に係合突起15fが形成され、該係合突起15fを嵌め込む第2係合孔15gが左側に貫通させて形成されている。そして、出力プレート10の一方側に配置された一方の仮センタリング部材15の係合突起15fが、他方側に配置された他方の仮センタリング部材15の第2係合孔15gに嵌め込まれている。詳細に説明すると、仮センタリング部材15の円周方向の中央部である中心線16に対してP/2だけ右側へオフセットした位置に係合突起15fが形成され、左側へP/2だけオフセットした位置に第2係合孔15gが形成されている。
係合突起15fには、その軸心を通るスリット15hが形成されている。そして、係合突起15fの先端部には、他方の仮センタリング部材15に形成された第2係合孔15gから係合突起15fが抜けないようにするための抜け止め部15iが形成されている。そして、係合突起15fが出力プレート10を貫通することから、図6に示すように出力プレート10の逃げ孔10cと逃げ孔10cとの間には、ピッチPの間隔で2つの係合孔10eが形成されている。
この発明によれば、出力プレート10を挟む一対の仮センタリング部材15の一方の係合突起15fが出力プレート10の係合孔10eおよび他方の仮センタリング部材15の第2係合孔15gまで係合し、他方の係合突起15fが出力プレート10の係合孔10eおよび一方の仮センタリング部材15の第2係合孔15gまで係合し、双方の係合突起15fが抜け止め部15iにより抜け止めされている。そして、仮センタリング部材15の一方の係合突起15fが出力プレート10の係合孔だけでなく他方の第2係合孔15gまで係合するので、仮センタリング部材15が2本の係合突起15fを介して出力プレート10に支持されることになり、仮センタリング部材15の回転がより確実に防止されると共に出力プレート10に組み付けた後に脱落することがないので、装置の組み立てが楽にでき、更に作動が安定する。
(d)実施の形態4
最後に、実施の形態4について説明する。
実施の形態1では、捩り振動低減装置が完成して、最後に一対のリテーナプレート6a,6bに取り付けられた慣性マス8を、ドライブプレートボルト7を介してドライブプレート2に結合する場合の構成であり、一対のリテーナプレート6a,6bと出力プレート10との間に仮センタリング部材15を設けたものであるが、この実施の形態は、前記慣性マス8にドライブプレートボルト7を介して予めドライブプレート2を取り付けておき、最後に該ドライブプレート2をクランクシャフト1の端面に取り付ける場合の構成を示すものである。
そのためには、図1(b)において、クランクボルト4を回すための工具を挿入する孔を出力プレート10に形成し、かつクランクボルト4として六角孔付ボルトを採用するのがよい。
まず、捩り振動低減装置に慣性マス8を介してドライブプレート2を取り付けておく。そして、捩り振動低減装置を車両に搭載する際には、該ドライブプレート2をクランクシャフト1の端面に取り付け、最後にトランスミッションの入力軸に出力ハブのスプラインを結合する。ドライブプレート2をクランクシャフト1の端面に取り付ける際にはドライブプレート2とクランクシャフト1とのセンタリングを行うが、ここでのセンタリングは通常に用いられるようにピンを用いることができる。
前記の捩り振動低減装置に慣性マス8を介してドライブプレート2を取り付ける際には、慣性マス8と一対のリテーナプレート6a,6bとのセンタリングは通常用いられるようにピンで行ってもよいが、図1(b)の下部に示すように、慣性マス8の内周面と一対のリテーナプレート6a,6bの外周面との隙間をつめるように設定しておくこともできる。
そして、最後にトランスミッションの入力軸に出力ハブのスプラインを結合する際に、クランクシャフト1とトランスミッションの入力軸との軸心がズレている場合には、仮センタリング部材15を変形させることにより出力ハブのスプラインとトランスミッションの入力軸との結合が可能になる。この工程で捩り振動低減装置を組んだ場合は、捩り振動低減装置とドライブプレート部とを組み付けてからこれらの回転バランスの修正を行うと効率が良い。
なお、本実施の形態は仮センタリング部材を出力部材に設けた場合について示したが、入力側部材に設けることもできる。また、入力部材が一対の側板を連結して構成され、出力部材が一対の側板の間に配置された中央板により構成されているが、1枚の入力部材と1枚の出力部材とにより構成してもよい。更に、入力部材が一対の側板を連結して構成され、出力部材が単一の中央板により構成されているが、逆の構成にしても良い。また更に、仮センタリング部材には、入力部材と出力部材との軸方向間に介在させるスペーサ部が形成されているが、これを設けない構成にすることもできる。また更に、仮センタリング部材として66ナイロンを用いたが、その他の樹脂を用いてもよく、更に金属粉や練り物を型に入れて成形して得られたものであってもよい。
捩り振動低減装置に係り、(a)は一部除去して示す正面図、(b)は(a)のA−O−A断面図(実施の形態1)。 出力プレートに係り、(a)は正面図、(b)は(a)のB−O−B断面図(実施の形態1)。 仮センタリング部材に係り、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図(実施の形態1)。 仮センタリング部材に係り、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図、(d)は(a)のC−C矢視図(実施の形態2)。 仮センタリング部材に係り、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図(実施の形態3)。 出力プレートに係り、(a)は正面図、(b)は(a)のD−O−D断面図(実施の形態3)。
符号の説明
1…クランクシャフト
6m…内周面(円弧面)
6a,6b…リテーナプレート(入力部材,側板)
10…出力プレート(出力部材,中央板)
10d…長孔(装着手段,係合孔)
12,13…ばね(弾性部材)
15…仮センタリング部材
15a…係合突起(装着手段)
15b…当接部
15d…スペーサ部

Claims (5)

  1. クランクシャフトに連結されて回転自在な入力部材と、該入力部材と同心に配置されて回転自在に支持されトランスミッションの入力軸に連結された出力部材と、前記入力部材と前記出力部材とを円周方向に連結する弾性部材と、前記入力部材と前記出力部材との間に介在する仮センタリング部材とを備えた捩り振動低減装置において、
    前記仮センタリング部材が、半径方向外側に円周方向に沿って略等間隔に複数配置され、該仮センタリング部材が装着手段を介して前記入力部材または前記出力部材のいずれか一方に装着され、
    他方には円周方向の前記仮センタリング部材と対応する位置に円弧面が形成され、該円弧面に当接する当接部が前記仮センタリング部材に形成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
  2. 請求項1に記載の捩り振動低減装置において、
    前記入力部材と前記出力部材とのいずれか一方が一対の側板を連結して構成され、他方が前記一対の側板の間に配置された中央板により構成され、
    前記装着手段として、前記入力部材または前記出力部材のいずれか一方に係合孔が形成され、該係合孔に係合させるための係合突起が前記仮センタリング部材に形成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
  3. 請求項2に記載の捩り振動低減装置において、
    前記仮センタリング部材が前記中央板の両側面であって円周方向の同一位置に一対配置され、前記仮センタリング部材の円周方向の中央部に対してオフセットした位置に前記係合突起および前記係合孔が夫々形成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
  4. 請求項3に記載の捩り振動低減装置において、
    前記仮センタリング部材の円周方向の中央部に対して前記係合突起とは反対方向へ同一寸法だけオフセットした位置に、前記係合孔と繋がる第2係合孔が夫々形成される一方、前記係合突起の先端部には、前記第2係合孔まで係合した前記係合突起が前記第2係合孔から抜けるのを防止する抜け止め部を形成したことを特徴とする捩り振動低減装置。
  5. 請求項2〜4に記載の捩り振動低減装置において、
    前記仮センタリング部材には、前記入力部材と前記出力部材との軸方向間に介在させるスペーサ部が形成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
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