JP5172241B2 - 熱収縮性電池用ジャケットフィルム及び包装電池 - Google Patents

熱収縮性電池用ジャケットフィルム及び包装電池 Download PDF

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Description

本発明は、優れた耐熱性、耐アルカリ性、耐衝撃性、耐低・高温サイクル性、耐磨耗性を有し、再資源化が容易であるとともに、保管時の収縮が少ない熱収縮性電池用ジャケットフィルム及び該熱収縮性電池用ジャケットフィルムを用いた包装電池に関する。
1次電池、2次電池等の電池は、一般にその本体側面の負極表面に直接印刷を行うことが困難であることから、商品名、機能等の表示や、電気的な絶縁・保護等を目的として、樹脂フィルムに文字、模様等が印刷されたジャケットフィルムで電池本体を被覆することが行われている。
このような電池用のジャケットフィルムには、被覆する電池の種類に応じて、様々な性能が要求される。特に、2次電池は、300〜500回程度の反復充電使用が行われるため、そのジャケットフィルムには、多くの厳しい品質性能が求められている。要求品質の内容は電池メーカー、2次電池の種類等によって様々であるが、一般には次のような性能が必要とされている。
まず、2次電池は、使用条件によって、熱を帯びて高温となったり、充・放電によって高温と低温とを何度も繰り返すことが想定されるため、このような場合にも、ひび、破れ、位置ずれ、しわ、割れ、着色等の変化が生じないよう耐熱性、耐低・高温サイクル性を有することが要求される。
また、2次電池は、何度も反復して使用されることから、使用中に電解液が僅かに染み出してくる危険性があるため、電解液に侵されて皺、ひび、割れ等や、寸法変化が起こらないよう電解液に対する耐性を有することが必要になる。
加えて、反復使用による落下衝撃等を考慮して耐衝撃性や、電池収納部への出し入れや充電器への出し入れの際の擦り動作に対する耐磨耗性についても必要とされる。
一方で、電池用のジャケットフィルムには、上述した性能以外にも、再資源化が容易であることも求められている。特に、2次電池は、充電による反復使用が可能であるため、環境にやさしく、加えて、近年販売されている2次電池は、カドミウム、鉛、水銀等の有害物質を含んでいないことから、その需要が日増しに高まっており、このような2次電池に使用されるジャケットフィルムについては、再資源化の要求が急速に高まっている。
これらの要求に対して、従来、電池用ジャケットフィルムとしては、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる熱収縮性フィルムに印刷を付したものが用いられていた。しかしながら、ポリ塩化ビニル系の熱収縮性フィルムは、燃焼によってダイオキシンが発生するおそれがあることから、環境面で問題があった。近年ではこの脱塩ビの流れから、例えば、特許文献1に記載のようなポリオレフィン系樹脂からなる熱収縮性フィルムが、電池用ジャケットフィルムとして用いられている。ポリオレフィン系樹脂からなる熱収縮性フィルムは、アルカリ電解液に対する耐性を有し、耐衝撃性及び耐低温・高温リサイクル性にも優れている。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂からなる熱収縮性フィルムは、常温環境下でも若干の収縮性を示す。熱収縮性フィルムは、通常、センターシールを行いチューブ状に加工した後、電池の原管に被嵌し、熱収縮させることにより電池に被覆させるが、ポリオレフィン系樹脂からなる熱収縮性フィルムを用いる場合、長時間の保管等によって収縮が起こり、電池の原管に被嵌できなくなることがあった。
国際公開WO2005/110746号
本発明は、上記現状に鑑み、優れた耐熱性、耐アルカリ性、耐衝撃性、耐低・高温サイクル性、耐磨耗性を有し、再資源化が容易であるとともに、保管時の収縮が少ない熱収縮性電池用ジャケットフィルム及び該熱収縮性電池用ジャケットフィルムを用いた包装電池を提供することを目的とする。
本発明は、電池を被覆するための熱収縮性電池用ジャケットフィルムであって、ポリエステル系樹脂を含有する表面層(A)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(B)、及び、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(C)をこの順に有する熱収縮性電池用ジャケットフィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の熱収縮性電池用ジャケットフィルムは、ポリエステル系樹脂を含有する表面層(A)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(B)、及び、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(C)をこの順に有するものである。なお、本明細書において、表面層とは、熱収縮性電池用ジャケットフィルムとした場合に外面側となる層のことをいい、裏面層とは、熱収縮性電池用ジャケットフィルムとした場合に内面側となる層のことをいう。
本発明において、上記表面層(A)及び裏面層(C)は、ポリエステル系樹脂を含有する。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸とジオールとを縮重合させることにより得られるものが挙げられる。
上記ジカルボン酸としては特に限定されず、例えば、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。上記ジオールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール類等が挙げられる。
上記ポリエステル系樹脂としては、なかでも、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する成分を含有し、かつ、ジオール成分としてエチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を含有するものが好ましい。このようなポリエステル系樹脂を用いることにより、電池用ジャケットフィルムに高い耐低温性と耐熱性を付与することができる。耐低温性及び耐熱性をより高めたい場合には、エチレングリコールに由来する成分の含有量が60〜80モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分の含有量が10〜40モル%であるものを用いることが好ましい。このようなポリエステル系樹脂は、更に、ジエチレングリコールに由来する成分を0〜20モル%含有していてもよい。
上記表面層(A)及び裏面層(C)に含まれるポリエステル系樹脂としては、上述した組成を有するポリエステル系樹脂を単独で用いてもよく、上述した組成を有する2種以上のポリエステル系樹脂を併用してもよい。また、上記ポリエステル系樹脂は、表面層(A)及び裏面層(C)とで異なる組成のものとしてもよいが、フィルムのカール等によるトラブルを抑制するため、同一の組成とすることが好ましい。
上記中間層(B)は、ポリスチレン系樹脂を含有する。
上記ポリスチレン系樹脂としては、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体、芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、又は、これらの混合樹脂が好ましい。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体は、低温収縮性に優れることから、得られる電池用ジャケットフィルムは、電池の被覆時に皺等が発生することがなく、容易に被覆することができる。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体としては特に限定されず、芳香族ビニル炭化水素としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が、共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に低温収縮性に優れることから、スチレンーブタジエン共重合体(SBS樹脂)が好ましい。また、よりフィッシュアイの少ないフィルムを作製するためには、共役ジエンとして2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)を用いたスチレン−イソプレン共重合体(SIS樹脂)や、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体(SIBS)等を用いることが好ましい。
上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体として、SBS樹脂、SIS樹脂又はSIBS樹脂を用いる場合には、1種の樹脂を単独で用いてもよく、複数の樹脂を組み合わせて用いてもよい。また、複数で用いる場合にはドライブレンドしてもよく、ある特定の組成にて押出機を用いて練り上げペレタイズしたコンパウンド樹脂を用いてもよい。
上記SBS樹脂、SIS樹脂又はSIBS樹脂を単独又は複数で用いる場合には、スチレン含有量が65〜90重量%、共役ジエン含有量が10〜35重量%の組成とすることが好ましい。このような組成とすることで、特に低温収縮性に優れるものとなる。
一方、スチレン含有量が90重量%を超えるか、共役ジエン含有量が10重量%未満であると、電池用ジャケットフィルムにテンションをかけたときに切れ易くなったり、印刷等の加工時に思いもよらず破断したりすることがある。スチレン含有量が65重量%未満か、共役ジエン含有量が35重量%を超えると、成形加工時にゲル等の異物が発生しやすくなったり、電池用ジャケットフィルムの腰が弱くなったりして、取り扱い性が悪化することがある。
上記芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体は、寸法安定性に優れることから、得られる電池用ジャケットフィルムは、常温環境下での収縮が殆どないものとすることができる。
上記芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては特に限定されず、例えば、上記芳香族ビニル炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が挙げられ、上記不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体として、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体を用いる場合、スチレン含有量が60〜90重量%、アクリル酸ブチル含有量が10〜40重量%であるものを用いることが好ましい。このような組成の芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体を用いることで、耐低温性に優れる電池用ジャケットフィルムを得ることができる。
上記中間層(B)として、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体と芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂を用いる場合、混合樹脂中の上記芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体の配合量の好ましい下限は20重量%、好ましい上限は100重量%である。20重量%未満であると低温での伸度が低くなり、低温環境下で誤って電池を落下させたときに熱収縮性電池用ジャケットフィルムが破れてしまうことがある。より好ましい下限は30重量%である。
上記表面層(A)、中間層(B)及び裏面層(C)には、本発明の本質を損なわない範囲内で、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、紫外線防止剤、光安定剤、消光剤、増核剤、難燃化剤、石油樹脂、低密度ポリエチレン等の公知の添加剤を添加してもよい。
本発明の熱収縮性電池用ジャケットフィルムの具体的構成としては、表面層(A)、中間層(B)及び裏面層(C)が、(A)/(B)/(C)のように積層された3層構造である。また、表面層(A)と中間層(B)との間、及び/又は、中間層(B)と裏面層(C)との間に、接着層(E)を介在させてもよい。このような場合の具体的構成としては、例えば、(A)/(E)/(B)/(C)又は(A)/(B)/(E)/(C)の4層構造や、(A)/(E)/(B)/(E)/(C)の5層構造が挙げられる。
上記接着層(E)に含まれる接着性樹脂としては、一般的に市販されているものであれば特に限定されず用いることができる。より好ましくは、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、又は、これらの変性物等を接着性樹脂として用いるのがよい。
上記スチレン系エラストマーは、ハードセグメントとしてのポリスチレンと、ソフトセグメントとしてポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエンとポリイソプレンとの共重合体とからなるものや、これらの水素添加物のことである。なお、上記水素添加物は、ポリブタジエンやポリイソプレンの一部が水素添加されたものであってもよく、全てが水素添加されたものであってもよい。
上記スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、「タフテック」、「タフプレン」(何れも旭化成ケミカルズ社製)、「クレイトン」(クレイトンポリマージャパン社製)、「ダイナロン」(JSR社製)、「セプトン」(クラレ社製)等が挙げられる。
上記スチレン系エラストマーの変性物としては、例えば、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基及び水酸基等の官能基によって変性されたものが挙げられる。
上記スチレン系エラストマーの変性物における上記カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基及び水酸基等の官能基の含有量の好ましい下限は0.05重量%、好ましい上限は5.0重量%である。0.05重量%未満であると、特に表面層及び裏面層との接着性が不充分となることがあり、5.0重量%を超えると、上記官能基を付加する際に樹脂が熱劣化し、ゲル等の異物が発生しやすくなることがある。より好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は3.0重量%である。
上記ポリエステル系エラストマーは、飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましく、特に、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントである芳香族ポリエステルと、ソフトセグメントであるポリアルキレンエーテルグリコールや脂肪族ポリエステルとからなるブロック共重合体が好ましい。更に、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールを有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体がより好ましい。
上記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体としては、(i)炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールと、(ii)芳香族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルと、(iii)ポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させたものが好ましい。
上記炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールとしては、例えば、ポリエステルの原料、特にポリエステル系エラストマーの原料として一般に用いられるものを用いることができる。具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中では、1,4−ブタンジオール又はエチレングリコールが好ましく、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。これらのジオールは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料、特にポリエステル系エラストマーの原料として一般的に用いられているものを用いることができる。具体的には例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、特にテレフタル酸が好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとしては、上記芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルやジエチルエステル等が挙げられる。なかでも、ジメチルテレフタレート及び2,6−ジメチルナフタレンジカルボキシレートが好ましい。
上記脂肪族ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸等が好ましく、そのアルキルエステルとしては、ジメチルエステルやジエチルエステル等が好ましい。また、上記の成分以外に3官能のアルコールやトリカルボン酸又はそのエステルを少量共重合させてもよく、更に、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はそのジアルキルエステルを共重合成分として用いてもよい。
上記ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び/又は1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンエーテル)グリコール等が挙げられる。
上記ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は6000である。400以上とすることで、共重合体のブロック性が高くなり、6000以下とすることで、系内での相分離が起こり難く、ポリマー物性が発現しやすくなる。より好ましい下限は500、より好ましい上限は4000、更に好ましい下限は600、更に好ましい上限は3000である。なお、本明細書において、数平均分子量とはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたものをいう。また、上記GPCのキャリブレーションは、例えば、POLYTETRAHYDROFURANキャリブレーションキット(英国POLYMER LABORATORIES社製)を使用することにより行うことができる。
上記ポリエステル系エラストマーには、天然ゴム、合成ゴム(例えば、ポリイソプレンゴム)等のゴム成分及びプロセスオイル等の軟化剤を共存させてもよい。上記軟化剤を共存させることで、ゴム成分の可塑化促進や得られる熱可塑性樹脂組成物の流動性を向上させることができる。上記軟化剤は、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系のいずれであってもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲において、該樹脂成分及びゴム成分に上記以外の樹脂やゴム、フィラー、添加剤等他の成分を添加してもよい。
上記フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カオリン、クレー、ケイソウ土、珪酸カルシウム、雲母、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素繊維、ガラス繊維、ガラス球、硫化モリブデン、グラファイト、シラスバルーン等を挙られる。また、添加剤としては、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、核剤、滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤等が挙げられる。
上記耐熱安定剤としては、例えば、フェノール系、リン系、硫黄系等の公知のものを使用することができる。上記耐候安定剤としてはヒンダードアミン系、トリアゾール系等の公知のものを使用することができる。上記着色剤としてはカーボンブラック、チタンホワイト、亜鉛華、べんがら、アゾ化合物、ニトロソ化合物、フタロシアニン化合物等が挙げられる。また、帯電防止剤、難燃剤、核剤、滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤等についてもいずれも公知のものが使用可能である。
上記ポリエステル系エラストマーの市販品としては、「プリマロイ」(三菱化学社製)、「ペルプレン」(東洋紡績社製)、「ハイトレル」(東レ・デュポン社製)等が挙げられる。
上記ポリエステル系エラストマーとして、ポリエステルとポリアルキレンエーテルグリコールとからなるポリエステルポリエーテルブロック共重合体を用いる場合、ポリアルキレンエーテルグリコール成分の含有量は、好ましい下限が5重量%、好ましい上限が90重量%である。5重量%以上であると、柔軟性及び耐衝撃性に優れるものとなり、90重量%以下であると、硬度及び機械強度に優れるものとなる。より好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は80重量%であり、更に好ましい下限は55重量%である。なお、ポリアルキレンエーテルグリコール成分の含有量は核磁気共鳴スペクトル法(NMR)を用い、水素原子の化学シフトとその含有量に基づいて算出することができる。
上記ポリエステル系エラストマーの変性物(以下、変性ポリエステル系エラストマーともいう)とは、上記ポリエステル系エラストマーを変性剤を用いて変性させたものである。上記変性ポリエステル系エラストマーを得るための変性反応は、例えば、ポリエステル系エラストマーに変性剤としてのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を反応させることによって行われる。変性反応に際してはラジカル発生剤を使用するのが好ましい。変性反応においては、ポリエステル系エラストマーにα,β−エチレン性不飽和カルボン酸やその誘導体が付加するグラフト反応が主として起こるが、分解反応も起こる。その結果、変性ポリエステル系エラストマーは、分子量が低下して溶融粘度が低くなる。また、変性反応においては、通常、他の反応として、エステル交換反応等も起こるものと考えられ、得られる反応物は、一般的には、未反応原料等を含む組成物となるが、この場合、得られる反応物中の変性ポリエステル系エラストマーの含有率の好ましい下限は10重量%、より好ましい下限は30重量%であり、変性ポリエステル系エラストマーの含有率が100重量%であることが更に好ましい。
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸;コハク酸2−オクテン−1−イル無水物、コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸2−オクタデセン−1−イル無水物、マレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物が挙げられる。これらのなかでは、反応性が高いことから、酸無水物が好ましい。上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は、変性すべきポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する共重合体や変性条件に応じて適宜選択することができ、また、2種以上を併用してもよい。なお、上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は有機溶剤等に溶解して使用することもできる。
上記ラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルへキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルオキシ)ヘキサン、3,5,5−トリメチルへキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、過酸化カリウム、過酸化水素等の有機及び無機の過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物、ジクミル等の炭素ラジカル発生剤等が挙げられる。上記ラジカル発生剤は、変性反応に使用するポリエステル系エラストマーの種類、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の種類及び変性条件に応じて適宜選択することができ、また、2種以上を併用してもよい。更に、ラジカル発生剤は有機溶剤等に溶解して使用することもできる。
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の配合量の好ましい下限は、ポリエステル系エラストマー100重量部に対して0.01重量部、好ましい上限は30.0重量部である。0.01重量部以上とすることで、変性反応を充分に行うことができ、30.0重量部以下とすることで、経済的に有利なものとなる。より好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は5.0重量部、更に好ましい下限は0.10重量部、更に好ましい上限は1.0重量部である。
上記ラジカル発生剤の配合量の好ましい下限は、ポリエステル系エラストマー100重量部に対して0.001重量部、好ましい上限は3.00重量部である。0.001重量部以上とすることで、変性反応が起きやすくなり、3.00重量部以下とすることで、変性時の低分子量化(粘度低下)による材料強度の低下が起こりにくくなる。より好ましい下限は0.005重量部、より好ましい上限は0.50重量部、更に好ましい下限は0.010重量部、更に好ましい上限は0.20重量部であり、特に好ましい上限は0.10重量部である。
上記変性ポリエステル系エラストマーを得るための変性反応としては、溶融混練反応法、溶液反応法、懸濁分散反応等の公知の反応方法を使用することができるが、通常は安価であることから溶融混練反応法が好ましい。
上記溶融混練反応法による方法では、上述した各成分を所定の配合比にて均一に混合した後、溶融混練を行う。各成分の混合には、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等を使用することができ、溶融混練には、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、一軸又は二軸等の多軸混練押出機等を使用することができる。
上記溶融混練を行う場合の混練温度の好ましい下限は100℃、好ましい上限は300℃である。上記範囲内とすることで、樹脂の熱劣化を防止することができる。より好ましい下限は120℃、より好ましい上限は280℃、更に好ましい下限は150℃、更に好ましい上限は250℃である。
上記変性ポリエステル系エラストマーの変性率(グラフト量)の好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は10.0重量%である。0.01重量%以上であることで、ポリエステルとの親和性が高くなり、10.0重量%以下であることで、変性時の分子劣化による強度低下を小さくすることができる。より好ましい下限は0.03重量%、より好ましい上限は7.0重量%であり、更に好ましい下限は0.05重量%、更に好ましい上限は5.0重量%である。
上記変性ポリエステル系エラストマーの変性率(グラフト量)は、H−NMR測定により得られるスペクトルから、下記の式(1)に従って求めることができる。なお、上記H−NMR測定に使用する機器としては、例えば、「GSX−400」(日本電子社製)等を用いることができる。
グラフト量(重量%)=100×[(C÷3×98)/{(A×148÷4)+(B×72÷4)+(C÷3×98)}] (1)
式(1)中、Aは7.8〜8.4ppmにおける積分値、Bは1.2〜2.2ppmにおける積分値、Cは2.4〜2.9ppmにおける積分値を表す。
上記変性反応によって得られる変性ポリエステル系エラストマーを含有する反応物のJIS−D硬度の好ましい下限は10、好ましい上限は80である。10以上とすることで、機械的強度が向上し、80以下とすることで、柔軟性及び耐衝撃性が向上する。より好ましい下限は15、より好ましい上限は70、更に好ましい下限は20、更に好ましい上限は60である。なお、上記JIS−D硬度は、JIS K 6253に準拠して方法でデュロメータ タイプDを用いることにより測定することができる。
本発明の熱収縮性電池用ジャケットフィルムの厚さの好ましい下限は20μm、好ましい上限は100μmである。より好ましい下限は25μm、より好ましい上限は90μmであり、更に好ましい下限は30μm、更に好ましい上限は70μmである。上記範囲内であると、優れた熱収縮性、優れた印刷やセンターシール等のコンバーティング性、電池への優れた装着性が得られる。
また、中間層の厚さの好ましい下限は熱収縮性電池用ジャケットフィルム全体の厚みの5%、好ましい上限は90%である。また、表面層の厚さの好ましい下限は熱収縮性電池用ジャケットフィルム全体の厚みの5%、好ましい上限は90%である。また、裏面層の厚さの好ましい下限は熱収縮性電池用ジャケットフィルム全体の厚みの5%、好ましい上限は25%である。各層の厚さを上記範囲内とすることで耐熱性、耐アルカリ性、耐衝撃性、耐低・高温サイクル性、耐磨耗性を有し、再資源化が容易であるとともに、保管時の収縮が少ない熱収縮性電池用ジャケットフィルムとすることができる。また、接着層(E)の厚さは0.5〜3.0μmであることが好ましい。0.5μm未満であると、充分な接着性が得られないことがあり、3.0μmを超えると、熱収縮特性が悪化することがある。より好ましい下限は0.7μm、好ましい上限は2.0μmである。なお、接着層(E)を形成する場合は、接着層(E)の厚さ分を、中間層(B)又は表面層(C)の厚さから差し引くことによって、熱収縮性電池用ジャケットフィルム全体の厚さを調整することができる。
上記表面層(A)、中間層(B)、裏面層(C)及び接着層(E)の各層の厚さは、例えば、熱収縮性電池用ジャケットフィルムが(A)/(B)/(C)の3層構造であり、総厚さが60μmである場合、中間層(B)の厚さは3〜54μmであることが好ましく、6〜48μmであることがより好ましい。また、表面層(A)の厚さは、3〜54μmであることが好ましく、6〜48μmであることがより好ましい。裏面層(C)の厚さは、3〜15μmであることが好ましく、6〜12μmであることがより好ましい。
また、本発明の熱収縮性電池用ジャケットフィルムが(A)/(E)/(B)/(E)/(C)の5層構成であり、総厚さが60μmである場合、中間層(B)の厚さは3〜53μmであることが好ましく、6〜46.6μmであることがより好ましい。また、表面層(A)の厚さは、3〜53μmであることが好ましく、6〜46.6μmであることがより好ましい。裏面層(C)の厚さは、3〜15μmであることが好ましく、6〜12μmであることがより好ましい。接着層(E)の厚さは0.5〜3.0μmであることが好ましく、0.7〜2.0μmであることがより好ましい。
本発明の熱収縮性電池用ジャケットフィルムは、表面層(A)と裏面層(C)との厚さが等しい対称構成であってもよく、非対称構成であってもよいが、フィルムのカール等の不具合を防止する観点から、対称構成の方が好ましい。しかしながら、表面層(A)は、裏面層(C)に比べてキズ等に対する耐久性が要求される。従って、キズ等に対する耐久性がより要求される場合、フィルムの層構成に関わらず、本発明の熱収縮性電池用ジャケットフィルムは、表面層(A)の外側に、更に耐磨耗樹脂層(D)を有することが好ましい。耐磨耗樹脂層(D)は耐磨耗樹脂形成剤をコーティングしたり、透明性の高い樹脂からなるフィルムをドライラミネート法等を用いて積層したりすることによって得ることができる。
コーティング等によって形成される耐磨耗樹脂層(D)を構成する樹脂としては、表面層(A)を構成する樹脂との密着性がよく、かつ、表面層(A)を保護可能な耐磨耗性を有する樹脂であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。また、紫外線又は電子線硬化型のニスを用いてもよい。これらのなかでは、耐磨耗性を容易にコントロールできる点から、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。
コーティング等によって形成される耐磨耗樹脂層(D)の厚さは0.1〜5μmであることが好ましい。より好ましくは0.3〜2μmである。0.1μm未満であると、耐磨耗性が不充分となることがあり、5μmを超えると、耐磨耗樹脂層(D)にクラックが入ることがある。
ドライラミネート法等を用いて透明性の高い樹脂からなるフィルムを積層する場合、透明性の高い樹脂からなるフィルムとしては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリオレフィン系樹脂等からなるフィルムが適している。更に電池の原管に被覆する場合に、美麗に被覆させるため、これらのフィルムは熱収縮性であることが好ましい。このようなフィルムを用いることによって耐熱性、耐衝撃性、耐低・高温サイクル性、耐磨耗性に優れる熱収縮性電池用ジャケットフィルム及び該熱収縮性電池用ジャケットフィルムを用いた包装電池とすることができる。
上記ドライラミネート法等を用いて透明性の高い樹脂からなるフィルムを積層する場合、使用するフィルムの厚さは15〜60μmであることが好ましく、より好ましくは20〜50μmである。15μm未満であると、耐磨耗性が不充分となることがあり、60μmを超えると、電池への収縮仕上がり性が悪化することがある。
本発明の熱収縮性電池用ジャケットフィルムは、通常、上記表面層(A)、中間層(B)、裏面層(C)、耐磨耗樹脂層(D)及び接着層(E)に加えて、印刷層を有する。
上記印刷層としては、ウレタン系樹脂、アクリル樹脂等の密着性に優れる樹脂を含有するグラビア用インキを用いて形成されたものが好ましい。
図1は、本発明の熱収縮性電池用ジャケットフィルムの印刷層に形成された印刷絵柄のレイアウトの一例を示す平面図である。図1に示すように、通常、印刷絵柄は1個分の電池に求められる図柄(一般に電池の側全面)を1単位として、縦と横に一定の隙間をもって多面付けで印刷される。
図1では、2が1単位の印刷絵柄であり、印刷絵柄2の縦と横の一定の隙間に、D1及びD2の間隔を有する非印刷部が設けられている。そして、非印刷部で縦方向3と横方向4にカットすることにより、電池1個分の熱収縮性電池用ジャケットフィルムとなる。
なお、非印刷部の幅はカットロスのでない有効幅で設けることが好ましい。上記有効幅は、縦幅(D1)はセンターシール代の幅によって決定され、横幅(D2)は電池の上面(正極キャップ側)と底面(負極側)の1部の被覆(内側に折り曲げて被覆)幅によって決定される。なお、上記縦幅(D1)及び横幅(D2)は、他に電池へ被覆する際の熱収縮の程度等も加味して決定することが好ましい。
本発明の熱収縮性電池用ジャケットフィルムを製造する方法としては特に限定されないが、表面層(A)、中間層(B)及び裏面層(C)を有するベースフィルムを押出成形等によって製造した後、必要に応じて、印刷工程、耐磨耗樹脂層形成工程、センターシール工程等の電池包装に必要な加工を行うことにより、製造することができる。
上記ベースフィルムは、共押出法により各層を同時に成形することが好ましい。例えば、Tダイによる共押出法による場合は、積層の方法として、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式、又は、これらを併用した方法等を用いることが好ましい。
具体的には例えば、表面層(A)及び裏面層(C)を構成する樹脂としてポリエステル系樹脂、中間層(B)を構成する樹脂としてポリスチレン系樹脂、また必要に応じて、接着層を構成する樹脂として接着樹脂をそれぞれ押出機に投入し、多層ダイスにより、シート状に押し出し、引き取りロールにて冷却固化した後、1軸又は2軸に延伸する方法を用いることができる。延伸温度はフィルムを構成する樹脂の軟化温度や熱収縮性電池用ジャケットフィルムに要求される収縮特性によって変更する必要があるが、延伸温度の好ましい下限は75℃、好ましい上限は120℃、より好ましい下限は80℃、より好ましい上限は115℃である。
なお、上記ベースフィルムの製造工程において、工程中に延伸耳などの屑が発生する場合があるが、この屑は粉砕して再使用することもできる。上記再使用は、発生した屑を上記中間層(B)のポリスチレン系樹脂に混合することにより行うことができる。
上記印刷工程では、上記ベースフィルムに電池の図柄等の印刷画像を印刷する。印刷の具体的方法については特に限定されないが、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル樹脂等の密着性に優れる樹脂を含有するグラビア用インキを用いたグラビア印刷等が挙げられる。なお、上記印刷工程は、上記ベースフィルムの表面層、裏面層側の何れに行ってもよいが、印刷画像の汚れや、剥がれ等もなく、かつ、表面層の光沢性を維持することが可能であることから、裏面層(筒状フィルムとした場合に内面となる面)に印刷することが好ましい。
上記耐磨耗樹脂層形成工程は、コーティング等によって形成する場合には、フィルムの製膜工程の押出シート形成工程後、MD延伸後、TD延伸後、又は、印刷工程中に行うことが好ましい。
コーティング等によって形成される耐磨耗樹脂層(D)は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を溶媒に溶解又は分散させた耐磨耗樹脂層形成剤を塗布、印刷した後、乾燥することにより形成することができる。上記耐磨耗樹脂層形成剤を塗布する場合、後述するセンターシール部分には選択的に塗布しないようにすることがセンターシールを容易にするという点で好ましい。
上記耐磨耗樹脂層形成剤に用いられる溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルシクロヘキサン等のアルカン系溶剤、2−プロパノール等のアルコール系溶剤、水のほか、これらの混合物等が挙げられる。
上記耐磨耗樹脂層形成剤には、耐磨耗性向上のため、滑剤を添加してもよい。上記滑剤としては特に限定されず、例えば、シリコンオイル;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス等の炭化水素系ワックス、ステアリン酸等の脂肪酸系ワックス、ステアリルアルコール等の高級アルコール系ワックス;ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアミド系ワックス;ステアリン酸ブチル等のエステル系ワックス、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、フッ素ワックス等が挙げられる。
上記耐磨耗樹脂層形成剤には、マット調の風合いを出すため、二酸化ケイ素等の無機微粒子を添加してもよい。
上記無機微粒子の平均粒子径の好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は10μmである。10μmを超えると、グラビアコート法によって印刷する場合に、グラビア版からフィルム基材への転移がしにくくなり、耐磨耗樹脂層が摩擦によって脱落しやすくなることがある。より好ましい上限は5μmである。
また、上記無機微粒子の含有量の好ましい上限は35重量%である。
更に、上記耐磨耗樹脂層形成剤には、必要に応じて、各種の顔料や染料等を添加してもよい。
上記耐磨耗樹脂層形成剤の塗布、印刷方法としては特に限定されず、例えば、グラビアコート、シルクスクリーン、フレキソ等の方法を用いることができるが、グラビアコートが好ましい。
ドライラミネート法等を用いて、透明性の高い樹脂からなるフィルムを積層する場合、一方のフィルムに接着剤を塗布した後、もう一方のフィルムを貼り合わせて乾燥することによって、耐磨耗樹脂層(D)が表面層(A)に積層された熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得ることができる。
本発明の電池用ジャケットフィルムは、通常、ベースフィルムに上述した印刷工程を行い、縦方向にカットした後、センターシール工程にてセンターシールを行い、横方向にカットして、1個分の電池が被覆されるサイズ(正極キャップと負極の1部は被覆されないサイズ)の筒状フィルムとして用いる。
図2はセンターシール機を用いて、センターシール工程を行う場合の一例を示す概略図である。まず、印刷工程を行った後、縦方向にカットされた長尺状のフィルムについて、フィルムの両端(シール代に相当)部分を重ね合わせるように折り畳む。次いで、シール代5aの内側部分に、有機溶剤吐出ノズル6を用いて有機溶剤を塗布する。塗布された有機溶剤5bは、フィルムと接することで、溶解又は膨潤状態となる。この状態でニップロール7に送り込まれることで、圧着され、シール部5cが形成された状態で、ロール9に巻き取られる。
上記センターシール工程は、図2の矢印方向に走行しながら連続して行うことが好ましい。上記センターシール工程におけるセンターシールの速度の好ましい下限は50m/分、好ましい上限は300m/分である。より好ましい下限は130m/分、より好ましい上限は200m/分である。
上記センターシール工程において用いられる有機溶剤としては、上記ベースフィルムの表面層(A)及び裏面層(C)、又は、耐磨耗樹脂層(D)に含まれる樹脂を溶解又は膨潤させるものであれば特に限定されず、例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン又はエチルメチルケトンを主成分とし、希釈溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソプロパノ−ル、ヘキサン、シクロヘキサン等を混合した混合溶媒が挙げられる。上記有機溶剤を用いた場合、迅速に安定してセンターシール工程を行うことができる。また、混合溶媒とすることで、溶解又は膨潤の速度を適正な速さに制御することができる。更に、このような有機溶剤を用いた場合、センターシール部分におけるシ−ル強度が強くなり、例えば、100℃のような高温雰囲気に曝されても剥離が生じることがない。
なお、上記有機溶剤を使用する方法以外にも、他の接着剤、熱融着、高周波等の方法を用いることにより、センターシール工程を行うこともできるが、本発明では、簡単確実で、高スピ−ドでセンターシール加工を行えることから、上記有機溶剤を使用する方法を用いることが好ましい。
上述のように、筒状フィルムとした本発明の電池用ジャケットフィルムを1次電池、2次電池等の電池に被嵌した後、所定の温度で加熱して、本発明の電池用ジャケットフィルムを収縮させることで、本発明の電池用ジャケットフィルムと電池とからなる包装電池が得られる。このような包装電池もまた、本発明の1つである。
本発明の包装電池に用いられる電池としては特に限定されず、1次電池、2次電池等の各種電池を使用できる。
図3は、筒状フィルムとした本発明の電池用ジャケットフィルムを電池に被嵌した状態を示す斜視図であり、図4は、本発明の電池用ジャケットフィルムを用いて電池を被覆した包装電池の一例を示す斜視図及び底面図である。
本発明の電池用ジャケットフィルムを用いて、電池を被覆する場合、まず、図3に示すように、電池用ジャケットフィルム21の印刷絵柄2が電池11の側面に位置するよう電池用ジャケットフィルム21を電池11に被嵌する。次いで、電池用ジャケットフィルム21を被嵌した電池11を、例えば、150〜220℃に加温された熱風トンネル中を約5〜10秒間かけて移動させる。これにより、図4に示すように、電池11の正極部分11a、上面の一部分及び底面(負極)の一部分を除く表面が電池用ジャケットフィルム21によって被覆された包装電池が得られる。
なお、図3及び図4では、電池の形状が円筒形状である場合を示したが、電池の形状が角柱形状等の円筒形状以外である場合でも、同様に好適に被覆することができる。
本発明によれば、優れた耐熱性、耐アルカリ性、耐衝撃性、耐低・高温サイクル性、耐磨耗性を有し、再資源化が容易であるとともに、保管時の収縮が少ない熱収縮性電池用ジャケットフィルム及び該熱収縮性電池用ジャケットフィルムを用いた包装電池を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
表面層及び裏面層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点72℃、MFR5.6g/10分)を用いた。
これらの樹脂をバレル温度が160〜250℃の押出機に投入し、250℃の多層ダイスから3層構造のシート状に押出し、30℃の引き取りロールにて冷却固化した。次いで、延伸倍率1.1倍でMD方向へロール延伸、引き続き予熱ゾーン110℃、延伸ゾーン90℃、熱固定ゾーン80℃のテンター延伸機内で延伸倍率6倍にてTD方向へ延伸した後、巻き取り機で巻き取ることにより、総厚みが60μmであり、表面層(9μm)/中間層(42μm)/裏面層(9μm)の3層構成からなる熱収縮性多層フィルムのベースフィルムを得た。
得られたベースフィルムの表面層に、アクリル樹脂を含有する透明インキ(大阪印刷インキ製造社製、オーバーコートメジウムEXP−16009)をグラビアコート法によって塗布し、乾燥させることにより、厚さ1μmの耐磨耗樹脂層を形成した後、センターシール加工を行うことにより、熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得た。
(実施例2)
表面層及び裏面層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点72℃、MFR5.6g/10分)を用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリエステル系エラストマー(三菱化学社製、プリマロイA1600N、融点160℃、MFR5.0g/10分)を用いた。
これらの樹脂を用いて実施例1と同様にすることで、厚さ60μmであり、表面層(9μm)/接着層(1μm)/中間層(40μm)/接着層(1μm)/裏面層(9μm)の5層構成からなる熱収縮性多層フィルムのベースフィルムを得た。
得られたベースフィルムの表面層に、アクリル樹脂を含有する透明インキ(大阪印刷インキ製造社製、オーバーコートメジウムEXP−14008)をグラビアコート法によって塗布し、乾燥させることにより、厚さ1μmの耐磨耗樹脂層を形成した後、センターシール加工を行うことにより、熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得た。
(実施例3)
表面層及び裏面層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点72℃、MFR5.6g/10分)100重量部を用いた。
接着層を構成する樹脂として、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン含量30重量%、無水マレイン酸付加量0.5重量%、MFR4.0g/10分)を用いた。
これらの樹脂を用いて実施例1と同様にすることで、厚さ60μmであり、表面層(9μm)/接着層(1μm)/中間層(40μm)/接着層(1μm)/裏面層(9μm)の5層構成からなる熱収縮性多層フィルムとした後、センターシール加工を行うことにより、熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得た。
(実施例4)
表面層及び裏面層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を70モル%、ネオペンチルグリコールに由来する成分を30モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
中間層を構成するとして、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(スチレン82重量%、アクリル酸ブチル18重量%:ビカット軟化点62℃、MFR5.5g/10分)50重量部と、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン77重量%、ブタジエン23重量%:ビカット軟化点82℃、MFR6.0g/10分)50重量部との混合樹脂を用いた。
接着層を構成する樹脂として、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン含量30重量%、無水マレイン酸付加量0.5重量%、MFR4.0g/10分)を用いた。
これらの樹脂を用いて実施例1と同様にすることで、厚さ60μmであり、表面層(9μm)/接着層(1μm)/中間層(40μm)/接着層(1μm)/裏面層(9μm)の5層構成からなる熱収縮性多層フィルムとした後、センターシール加工を行うことにより、熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得た。
(実施例5)
表面層及び裏面層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を70モル%、ジエチレングリコールに由来する成分を10モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を20モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
中間層として、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体とスチレン−ブタジエン共重合体とをコンパウンドしたコンパウンド樹脂A(スチレン84.5重量%、イソプレン1.5重量%、ブタジエン14重量%:ビカット軟化点70℃、MFR9.0g/10分)を用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリエステル系エラストマー(三菱化学社製、プリマロイA1600N、融点160℃、MFR5.0g/10分)を用いた。
これらの樹脂を用いて実施例1と同様にすることで、厚さ60μmであり、表面層(7μm)/接着層(1μm)/中間層(44μm)/接着層(1μm)/裏面層(7μm)の5層構成からなる熱収縮性多層フィルムとした後、センターシール加工を行うことにより、熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得た。
(実施例6)
表面層及び裏面層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点72℃、MFR5.6g/10分)を用いた。
接着層を構成する樹脂として、変性ポリエステル系エラストマー(三菱化学社製、プリマロイAP IF203、融点180℃、MFR30.0g/10分)を用いた。
これらの樹脂をバレル温度が160〜250℃の押出機に投入し、250℃の多層ダイスから3層構造のシート状に押出し、30℃の引き取りロールにて冷却固化した。次いで、予熱ゾーン110℃、延伸ゾーン90℃、熱固定ゾーン80℃のテンター延伸機内で延伸倍率6倍にて延伸した後、巻き取り機で巻き取ることにより、総厚みが60μmであり、表面層(32μm)/接着層(1μm)/中間層(18μm)/接着層(1μm)/裏面層(8μm)の5層構成からなる熱収縮性多層フィルムとした後、センターシール加工を行うことにより、熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得た。
(実施例7)
表面層及び裏面層を構成する樹脂として、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いた。
中間層を構成する樹脂として、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点72℃、MFR5.6g/10分)を用いた。
接着層を構成する樹脂として、ポリエステル系エラストマー(三菱化学社製、プリマロイA1600N、融点160℃、MFR5.0g/10分)を用いた。
これらの樹脂をバレル温度が160〜250℃の押出機に投入し、250℃の多層ダイスから5層構造のシート状に押出し、30℃の引き取りロールにて冷却固化した。次いで、予熱ゾーン110℃、延伸ゾーン90℃、熱固定ゾーン80℃のテンター延伸機内で延伸倍率6倍にて延伸した後、巻き取り機で巻き取ることにより、総厚みが30μmであり、表面層(4μm)/接着層(1μm)/中間層(20μm)/接着層(1μm)/裏面層(4μm)の5層構成からなる熱収縮性多層フィルムのベースフィルムを得た。
ポリエステル系樹脂からなるフィルム(グンゼ社製、ファンシーラップ TAS、厚さ30μm)の裏面に、接着剤(大日本インキ化学工業社製、LX−401A)、硬化剤(大日本インキ化学工業社製、SP−60)、酢酸エチルを1:1:3の割合で含有する接着剤組成物を塗布した後、得られたベースフィルムの表面層に貼り合わせ、2.5m×3ゾーン(60℃−70℃−80℃)からなる乾燥炉で乾燥させることにより、ドライラミネートにより耐磨耗樹脂層を形成し、熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得た。
(比較例1)
表面層、中間層及び裏面層に、何れもスチレン−ブタジエン共重合体(スチレン78重量%、ブタジエン22重量%:ビカット軟化点72℃、MFR5.6g/10分)からなるポリスチレン系樹脂を用いて、実施例1と同様にして60μmの熱収縮性多層フィルムとした後、センターシール加工を行うことにより、熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得た。
(比較例2)
表面層、中間層及び裏面層に、何れもジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を33モル%含有するポリエステル系樹脂を用いて、実施例1と同様にして60μmの熱収縮性多層フィルムとした後、センターシール加工を行うことにより、熱収縮性電池用ジャケットフィルムを得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた熱収縮性電池用ジャケットフィルムについて、以下の評価を行った。
(1)耐アルカリ性
得られた熱収縮性電池用ジャケットフィルムを30質量%のKOH水溶液に室温で24時間浸漬した後、水洗、乾燥した。その後、皺、割れ、破れ、被覆フィルムの緩み、シ−ル部剥がれ及びブロッキングの異常の有無を目視観察した。
上述した異常が1つもない場合は〇、何れか1つでもある場合は×とした。
(2)耐熱性
得られた熱収縮性電池用ジャケットフィルムを2次電池に被嵌し、400℃に加温した熱風トンネル内を2秒間かけて移動させることにより、熱収縮性電池用ジャケットフィルムで個装した2次電池を得た。
得られたチュ−ブフィルムで個装した2次電池を10列2段積みにして、これを100℃で24時間空気加熱した。2段済みの上段の該電池を持ち上げた時に、該フィルムを目視により確認し、皺、割れ、破れ、被覆フィルムの緩み、シ−ル部剥がれ及びブロッキングの異常の有無を目視観察した。
上述した異常が1つもない場合は〇、何れか1つでもある場合は×とした。
(3)耐衝撃性
「(2)耐熱性」で得られた熱収縮性電池用ジャケットフィルムで個装した2次電池について、常温と−20℃に各24時間放置した。次いで、各々を該電池の負極面が下方になるように、30度傾斜状態にして1m位置からコンクリ−ト上に垂直に落下させた後、該フィルムを貫通する割れの有無を目視観察した。
割れがない場合は〇、割れがある場合は×とした。
(4)耐低・高温サイクル性
「(2)耐熱性」で得られた熱収縮性電池用ジャケットフィルムで個装した2次電池をまず−20℃で1時間放置した。次いで、1時間掛けて80℃に昇温した後、80℃で1時間放置した。80℃、1時間の加熱終了後、1時間掛けて最初の−20℃まで冷却した。この−20〜80℃の温度変化を1サイクルとして、100サイクル反復し、皺、割れ、破れ、被覆フィルムの緩み、シ−ル部剥がれ及びブロッキングの異常の有無を目視観察するとともに、2次的収縮に起因する該電池上下面部分の被覆フィルムに位置移動がないかどうかも目視観察した。上述した異常が1つもない場合は〇、何れか1つでもある場合は×とした。
(5)耐摩耗性
「(2)耐熱性」で得られた熱収縮性電池用ジャケットフィルムで個装した2次電池を使って、充電器への装着脱を500回(装着脱を一回とする)反復して行った後、該フィルムヘの傷、破れの有無を目視にて観察した。
傷、破れがない場合は〇、傷、破れがある場合は×とした。
(6)保管時の収縮性
得られた熱収縮性電池用ジャケットフィルムをMD100mm×TD100mmに切り出し、40℃雰囲気下で7日間保管し、保管後のTDの1辺の長さLをそれぞれ測定して、下記式(2)に従い、TDの収縮率を求めることによって保管時の収縮性を比較した。
収縮率が1.5%未満である場合は○、1.5%以上である場合は×とした。
収縮率(%)={(100−L)/100}×100 (2)
Figure 0005172241
本発明によれば、優れた耐熱性、耐アルカリ性、耐衝撃性、耐低・高温サイクル性、耐磨耗性を有し、再資源化が容易であるとともに、保管時の収縮が少ない電池用ジャケットフィルム及び該電池用ジャケットフィルムを用いた包装電池を提供できる。
印刷絵柄のレイアウトの一例を示す平面図である。 センターシール機を用いて、センターシール工程を行う場合の一例を示す概略図である。 本発明の電池用ジャケットフィルムを電池に被嵌した状態を示す斜視図である。 本発明の電池用ジャケットフィルムを用いて電池を被覆した包装電池の一例を示す斜視図及び底面図である。
符号の説明
2 印刷絵柄
5a シ−ル代
5b 有機溶剤
5c シール部
6 有機溶剤吐出ノズル
7 ニップロール
9 ロール
11 電池
21 電池用ジャケットフィルム
1/2d 非印刷部(上底部、下底部)

Claims (6)

  1. 電池を被覆するための熱収縮性電池用ジャケットフィルムであって、
    ポリエステル系樹脂を含有する表面層(A)、ポリスチレン系樹脂を含有する中間層(B)、及び、ポリエステル系樹脂を含有する裏面層(C)をこの順に有し、
    前記表面層(A)の外側に、更にアクリル樹脂又はウレタン樹脂からなる耐磨耗樹脂層(D)を有する
    ことを特徴とする熱収縮性電池用ジャケットフィルム。
  2. 耐磨耗樹脂層(D)は、厚さが0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1記載の熱収縮性電池用ジャケットフィルム。
  3. ポリスチレン系樹脂は、芳香族ビニル炭化水素−共役ジエン共重合体、芳香族ビニル炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、又は、これらの混合樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮性電池用ジャケットフィルム。
  4. 表面層(A)と中間層(B)との間、及び/又は、中間層(B)と裏面層(C)との間に接着層(E)を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱収縮性電池用ジャケットフィルム。
  5. 接着層(E)は、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、又は、これらの変性物を含有することを特徴とする請求項4記載の熱収縮性電池用ジャケットフィルム。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の熱収縮性電池用ジャケットフィルムと電池とからなることを特徴とする包装電池。

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