JP5172230B2 - 非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法 - Google Patents

非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5172230B2
JP5172230B2 JP2007177754A JP2007177754A JP5172230B2 JP 5172230 B2 JP5172230 B2 JP 5172230B2 JP 2007177754 A JP2007177754 A JP 2007177754A JP 2007177754 A JP2007177754 A JP 2007177754A JP 5172230 B2 JP5172230 B2 JP 5172230B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emergency
power supply
battery system
flow rate
flow battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007177754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009016219A (ja
Inventor
敏夫 重松
正樹 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP2007177754A priority Critical patent/JP5172230B2/ja
Publication of JP2009016219A publication Critical patent/JP2009016219A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5172230B2 publication Critical patent/JP5172230B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02B90/10Applications of fuel cells in buildings
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、通常用負荷運転機能を有し、非常時には、非常用負荷への電源供給を可能とする非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法に関する。
通常運転時には負荷平準化用として機能し、夜間電力を活用して電池に充電し、昼間に、電池から放電する運転を行い、万一、停電した時等には、例えば2時間程度の放電出力が可能な「非常用電源」として使用可能な機能を有するレドックスフロー電池システムが知られている。このレドックスフロー電池システムは、セル(電池セル)に電池反応を起こす電解液を供給して充放電を行う二次電池であり、例えば、電解液としてバナジウムイオンを含む電解液を用いたバナジウムレドックスフロー電池が知られている(例えば特許文献1参照)。図4は、バナジウムレドックスフロー電池システムの動作原理を説明する説明図である。
セル100は、イオン交換膜(隔膜)101により分離された正極セル102と負極セル103を具える。各極セル102,103にはそれぞれ、タンク106,107に貯留される正極電解液、負極電解液が供給側輸送路108,109を介して供給される。各極セル102,103から排出された正極電解液、負極電解液はそれぞれ、排出側輸送路110,111を介してタンク106,107に戻される。供給側輸送路108,109にはそれぞれ、ポンプ112,113が配置され、そのポンプ112,113を用いて、上述のように、タンク→供給側輸送路→セル→排出側輸送路→タンクという経路で電解液の循環が行われる。また、セル100は、交流/直流変換器を介して発電所や需要家などの外部電力系統に接続され、発電所などを電力供給源として充電を行い、需要家などを放電対象として放電を行う。
上述のようなレドックスフロー電池システムでは、通常、複数セルを積層させたセルスタックと称される構成が用いられる。図5はセルスタック200の構成を示す。上記セルとしてセルフレーム120を用いた構成が知られている。セルフレーム120は、一面に正極電極104が接するように配置され、他面に負極電極105が接するように配置される双極板121と、その外周に形成されるフレーム枠122とを具える。フレーム枠122には、各電極104,105に各極電解液を供給する給液用マニホールド123,124と、各電極104,105からの電解液を排出する排液用マニホールド125,126とが形成され、これらマニホールド123,124,125,126は、複数のセルフレーム120を積層することで電解液の流路を構成し、供給側輸送路(図4参照)、排出側輸送路(同)に接続される。また、フレーム枠122においてマニホールド123,124,125,126と双極板121との間には、それぞれ電解液を流通させるスリット127,128が設けられている。セルスタック200は、セルフレーム120、正極電極104、イオン交換膜101、負極電極105、セルフレーム120、・・・と順に繰り返し積層されて構成される。
上述のように構成されるレドックスフロー電池システムの理論電池容量は、電解液量とその時点での充電状態(充電深度)で決定され、さらに実際に使用可能な取り出しうる電池容量は、電池の内部抵抗(セル抵抗)で決定される。そして、通常の運転で最も充電状態が低くなる放電終了時において、非常電源容量分が取り出せるような充電状態を維持するように管理、制御される。具体的には、電池電圧或いはモニタセル電圧(通電しないセルの開放電圧)を測定することで電解液の充電状態を把握し、設定された最低充電状態を常に維持するように運転される。例えば図6に示すように、非常容量(非常電源用電池容量分,ハッチング部分)を残した充電状態が常に維持されるように運転される。例えば、充電完了時の充電深度を80%、非常容量を含めた放電終了時の充電深度を20%として20%〜80%の充電範囲で運転する場合には、充電深度35%で負荷平準化用放電を終了すれば、所要の非常容量(非常放電時間20)を確保することができる。このような運転を行うためには、非常容量分の電解液を常時確保しておく必要があり、そのための対策は、例えば通常用負荷(負荷平準化用等)に常時使用しているタンクの電解液を増量しておくこと、或いは増量分を別のタンクに設けておくこと等によって可能である。
特開2006-351346号公報
上述のような非常電源が必要となるのは、まさに非常時となる万一の場合であり、10年にわたる電源設備寿命中で一度あるかないかの頻度である。従って、従来では、このような万一の時に備えて、上述のような非常電源用容量を確保するための電解液を(余分に)常時貯蔵しておくためにコストが嵩む上に、その貯蔵スペースも余分に必要とされるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされ、コストやスペースを余分に要することなく、充分な非常電源用容量を確保することができる非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法を提供することを目的とする。
本発明の非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムは、電解液が供給されるセルを備え、通常用負荷に対して電力供給を可能にする通常運転機能を有し、非常時には、非常用負荷への電力供給を可能とする非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムにあって、
非常運転時には前記セルへの送液流量を通常運転時の定格流量よりも増大させるために、通常運転時の定格流量以上の流量を送液可能とする電解液送液ポンプを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、負荷平準化用運転等の通常運転における放電終了後であっても、送液流量を増加させることで、定格出力での放電運転が可能となる。即ち、従来の負荷平準化機能等を有するレドックスフロー電池システムと同量の電解液(電解液貯蔵用タンク)を有するレドックスフロー電池にあって、非常時には放電終了後であっても送液流量を増加させることのみで、定格出力での放電が可能となり、非常時に最低限必要とされる電力の供給が確保される。従って、万一の非常時のために電解液を増量しておく必要がなく、そのためのコストやスペースを割く必要がなくなる。尚、万一の非常の際なので効率が多少低下しても問題になることはない。
本発明の非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムの非常時運転方法は、電解液が供給されるセルを備え、通常用負荷に対して電力供給を可能にする通常運転機能を有し、非常時には、非常用負荷への電力供給を可能とする非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムの非常時運転方法にあって、
非常運転時には、前記セルへの送液流量を通常運転時の定格流量よりも増大させるために、通常運転時の定格流量以上の流量で送液することを特徴とする。
このような方法によれば、非常運転時には、セルへの送液流量を通常運転時の定格流量よりも増大させるために、通常運転時の定格流量以上の流量で送液するので、定格出力での放電運転が可能となる。即ち、従来の負荷平準化機能等を有するレドックスフロー電池システムと同量の電解液(電解液貯蔵用タンク)を有するレドックスフロー電池にあって、非常時には放電終了後であっても送液流量を増加させることのみで、定格出力での放電が可能となり、非常時に最低限必要とされる電力の供給が確保される。従って、万一の非常時のために電解液を増量しておく必要がなく、そのためのコストやスペースを割く必要がなくなる。尚、万一の非常の際なので効率が多少低下しても問題になることはない。
本発明の非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムは、電解液が供給されるセルを備え、通常用負荷に対して電力供給を可能にする通常運転機能を有し、非常時には、非常用負荷への電力供給を可能とする非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムにあって、
停電を検知する停電検知手段と、停電検知時、通常用負荷への電力供給を遮断し、通常用負荷よりも小さな非常用負荷に電力供給を行う切替制御手段とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、通常運転における放電終了後であっても、非常時には、通常用負荷よりも小さな非常用負荷に対して電力供給を行うので、必要な放電運転が可能となる。即ち、従来の負荷平準化機能等を有するレドックスフロー電池システムと同量の電解液(電解液貯蔵用タンク)を有するレドックスフロー電池システムにおいて、予め非常用負荷の大きさを通常用負荷よりも小さくなるように設定しておくことで、停電が検知された非常時には、放電終了後であっても、定格出力より低い出力での放電が可能となり、非常時に最低限必要とされる電力の供給が確保される。従って、非常時には、例えば冷暖房や照明への給電を停止し、必要最小限の使用(非常用灯、スプリンクラー、排煙ファン、電話等)に止めることにより所要の放電運転が可能となる。尚、万一の非常の際なので効率が多少低下しても問題になることはない。
本発明のレドックスフロー電池システムの非常時運転方法は、電解液が供給されるセルを備え、通常用負荷に対して電力供給を可能にする通常運転機能を有し、非常時には、非常用負荷への電力供給を可能とする非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムの運転方法にあって、
停電検知時には、通常用負荷への電力供給を遮断し、通常用負荷よりも小さな非常用負荷に電力供給を行うことを特徴とする。
このような方法によれば、通常運転における放電終了後であっても、非常時には、通常運転用定格出力よりも小さな非常用出力で電力供給を行うので、必要な放電運転が可能となる。即ち、従来の負荷平準化機能専用等のレドックスフロー電池システムと同量の電解液(電解液貯蔵用タンク)を有するレドックスフロー電池システムにおいて、予め非常用負荷の大きさを通常用負荷よりも小さくなるように設定しておくことで、停電が検知された非常時には、放電終了後であっても、定格出力より低い出力での放電が可能となり、非常時に最低限必要とされる電力の供給が確保される。従って、非常時には、例えば冷暖房や照明への給電を停止し、必要最小限の使用(非常用灯、スプリンクラー、排煙ファン、電話等)に止めることにより所要の放電運転が可能となる。尚、万一の非常の際なので効率が多少低下しても問題になることはない。
本発明の非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムは、非常運転時にはセルへの送液流量を通常運転時の定格流量よりも増大させるために、通常運転時の定格流量以上の流量を送液可能とする電解液送液ポンプを備えるので、負荷平準化用運転等の通常運転における放電終了後であっても、送液流量を増加させることで、定格出力での放電運転が可能となり、非常時に最低限必要とされる電力の供給が確保される。従って、万一の非常時のために電解液を増量しておく必要がなく、そのためのコストやスペースを割く必要がなくなる。
本発明の非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムの非常時運転方法は、非常運転時には、セルへの送液流量を通常運転時の定格流量よりも増大させるために、通常運転時の定格流量以上の流量で送液するので、定格出力での放電運転が可能となり、非常時に最低限必要とされる電力の供給が確保される。従って、万一の非常時のために電解液を増量しておく必要がなく、そのためのコストやスペースを割く必要がなくなる。
本発明の非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムは、停電を検知する停電検知手段と、停電検知時、通常用負荷への電力供給を遮断し、通常用負荷よりも小さな非常用負荷に電力供給を行う切替制御手段とを備えるので、非常時には、通常運転用定格出力よりも小さな非常用負荷に電力供給を行うので、必要な放電運転が可能となり、非常時に最低限必要とされる電力の供給が確保される。従って、非常時には、例えば冷暖房や照明への給電を停止し、必要最小限の使用(非常用灯、スプリンクラー、排煙ファン、電話等)に止めることにより所要の放電運転が可能となる。
本発明のレドックスフロー電池システムの非常時運転方法は、停電検知時には、通常用負荷への電力供給を遮断し、通常用負荷よりも小さな非常用負荷に電力供給を行うので、停電が検知された非常時には、放電終了後であっても、定格出力より低い出力での放電が可能となり、非常時に最低限必要とされる電力の供給が確保される。従って、非常時には、例えば冷暖房や照明への給電を停止し、必要最小限の使用(非常用灯、スプリンクラー、排煙ファン、電話等)に止めることにより所要の放電運転が可能となる。
以下に、本発明の実施の形態に係る非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法について説明する。
〈実施の形態1〉
図1は、レドックスフロー電池システムの構成説明図である。このレドックスフロー電池システムは、主セル(本発明のセル)1と、主セル1に供給/排出される正極電解液を貯蔵する正極電解液タンク10と、主セル1に供給/排出される負極電解液を貯蔵する負極電解液タンク11と、主セル1と各タンク10,11間を連結して電解液を輸送する供給側輸送路12,13及び排出側輸送路14,15と、主セル1に電解液を循環供給するために供給側輸送路12,13と排出側輸送路14,15の間に配置されるポンプ(本発明の電解液送液ポンプ)16,17とを具えている。これらのポンプ16,17は、コンピュータ40に接続されており、これらポンプ16,17の制御(流量調整)を行うための制御手段やタイマ手段、命令手段等がコンピュータ40に設けられている。即ち、コンピュータ40は、停電を検知するための停電検知手段と、停電検知時に、通常用負荷への電力供給を遮断し、通常用負荷よりも小さな非常用負荷に電力供給を行う切替制御手段として機能する。
また、主セル1は、レドックスフロー電池システムのセルを複数積層させた積層体(セルスタック)を用いている。セルの具体的な構成は、図5に示すものと同様である。即ち、セルは、プラスチックカーボン製の双極板の外周に設けられる塩化ビニル製のフレーム枠からなるセルフレーム、カーボンフェルト製の正極電極、イオン交換膜からなる隔膜、カーボンフェルト製の負極電極、上記と同様のセルフレームを順に積層させて形成される。フレーム枠には、電解液を電極に供給する給液用マニホールド、電極から電解液を排出する排液用マニホールド、双極板とマニホールド間に設けられるスリットとを具える。また、正極電解液として5価数のバナジウムイオンを含む溶液、負極電解液として2価数のバナジウムイオンを含む溶液を用いている。そして、主セル1には、交流/直流変換器(図5参照)が接続され、この交流/直流変換器を介して、発電所などの充電電力源や需要家などの放電対象である外部電力系統が接続され、これら外部電力系統に対して充放電を行う。
このようなレドックスフロー電池システムは、従来と同様に、通常は、負荷平準化用運転(通常運転)として、夜間などの電力オフピーク時に充電を行い、昼間などの電力ピーク時に放電を行うように運用することが可能である。そして、非常時の運用として、停電を検知すると、負荷平準化用運用時に電力供給している一般負荷を切り離し、消防用設備等の非常用負荷への電力の供給が可能なように接続を切り換える機能を兼ね備えている。そして、特に、ポンプ16,17は、負荷平準化用運転時の定格流量以上の送液が可能な容量のものを使用しており、電池が負荷平準化用運転の放電終了後の状態における非常時には、ポンプ16,17の流量を負荷平準化用運転時の定格流量以上で運転させるようにしている。
ところで、主セル1への電解液流量は、セルへの充放電出力に応じて必要最低流量が決定される。通常、電解液流量を増加させるほど主セル1での効率が高くなり、電解液利用率も向上する。しかし、流量を増加させると、補機動力であるポンプ動力は著しく増加し、ポンプ16,17を含めたシステム全体としての総合的な効率は低下する。従って、通常の負荷平準化用運転機能を有するレドックスフロー電池システムを設計する場合に、このようなトレードオフにある関係を考慮して、負荷平準化用機能として重要な指標であるシステム効率を損なわない範囲で定格流量が決定されている。
定格流量を定めた負荷平準化用運転を実施する場合、電解液利用率は、通常、充電状態の20%〜80%の範囲内としている。ここで、電解液利用率とは、電解液の有する理論的な電池容量(Ah)に対する実際の充放電で使用する利用範囲のことを指す。電解液の流量を高めることで、この利用範囲を拡大することができるが、極端にいえば、内部抵抗を0として無限大の流量としない限り利用率を100%にすることはできない。
発明者らは、電解液の流量と電解液利用率の関係に着目して、放電終了時には、電池内部抵抗が急速に大きくなり、そのために電池電圧が低下することから放電停止電圧に到達し放電が終了するが、この際の内部抵抗の大きさは、電解液の送液流量に大きく依存するという特性を見出した。即ち、起電力E、電流Iとした場合、V=E−IRで表される放電時の電池電圧Vを与える式において、電解液の流量を増加させると、内部抵抗Rは小さくなり、その結果、例えば図2(a)に示すように、電池電圧がVAに増大するという関係を見出した。このような知見に基づき、例えば図2(b)に示すように、定格流量での放電終了時点において、電解液の流量を定格比の1.5倍とした場合には、定格出力での定格放電容量に対して2割程度のハッチングで示す増分(放電容量増分)を確保できることを確認することができた。
従って、この2割増加容量分を非常電源容量とすれば、万一の非常時には、電解液の流量を増加させるだけで非常電源容量を確保できることになる。その間の流量と内部抵抗Rとの関係は、例えば図2(b)に示すように、放電終了時点で電解液の流量を定格比の1.5倍に増大させると、放電終了時に急速に増大した内部抵抗R1がR2に大きく低下する。従って、V=E−IRの式から明らかなように、電池電圧がVAに増大する(図2(a)参照)。これにより、図2(a)にハッチングで示す増分(放電容量増分)を確保できることになる。この放電容量増分では、例えば電池規模が100kW×8hrの場合、定格出力で1.6hr程度の非常用給電時間を確保することができる。
〈実施の形態2〉
本レドックスフロー電池システムの非常時運転方法では、図1に示すようなレドックスフロー電池システム自体の構成を変更することなく、コンピュータ40による放電出力の制御を行うことで、非常時に対処できるようにしている。即ち、例えば図3に示すように、定格流量での放電終了時点において、流量はそのまま定格流量とし、放電出力を6割程度に低下させることによって放電を継続させるようにした。即ち、V=E−IRの式において電流Iを小にして電池電圧をVBに増大させ、定格出力での定格放電容量に対して、ハッチングで示す2割程度の増分(放電容量増分)の確保が可能となった。この場合、例えば冷暖房や照明への給電を停止し、必要最小限の使用(非常用灯、スプリンクラー、電話等)に止めることにより所要の放電時間を確保することができる。尚、万一の非常の際なので効率が少し低下しても問題になることはない。図3にハッチングで示す増分(放電容量増分)では、例えば電池規模が100kW×8hrの場合、6割の定格出力で2.8hr程度の非常用給電時間を確保することができる。
尚、本発明は、実施の形態に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜、必要に応じて改良、変更等は自由である。
本発明の非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びその運転方法によれば、コストやスペースを要することなく、充分な非常電源用容量を確保することができるので、停電が発生した時の対策が求められる外部電力系統への適用に好適である。
本発明の実施の形態に係るレドックスフロー電池システムの基本的な構成を示す構成図である。 (a)は本発明の実施の形態1における放電出力と電池電圧の経過時間対応の変化状態を示すグラフ、(b)は内部抵抗と流量の経過時間対応の変化状態を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における放電出力と電池電圧の経過時間対応の変化状態を示すグラフである。 バナジウムレドックスフロー電池システムの動作原理を示す説明図である。 レドックスフロー電池システムに利用されるセルスタックの概略構成図である。 定格放電容量と非常容量(非常電源用電池容量分)の経過時間対応の変化状態を示すグラフである。
符号の説明

1 主セル 2p,22p 第1モニタセル 2n,22n
第2モニタセル
10 正極電解液タンク 11 負極電解液タンク

12,13 供給側輸送路 14,15 排出側輸送路

16,17 ポンプ(電解液送液ポンプ)
40 コンピュータ(停電検知手段及び切替制御手段)
V1,V2 電圧値
100 セル
101 イオン交換膜(隔膜) 102 正極セル 103 負極セル
104 正極電極 105 負極電極
106 正極電解液タンク 107 負極電解液タンク
108,109 供給側輸送路 110,111 排出側輸送路
112,113 ポンプ
120 セルフレーム 121 双極板 122 フレーム枠
123,124 給液用マニホールド 125,126 排液用マニホールド
127,128 スリット 200 セルスタック

Claims (4)

  1. 電解液が供給されるセルを備え、通常用負荷に対して電力供給を可能にする通常運転機能を有し、非常時には、非常用負荷への電力供給を可能とする非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムであって、
    非常運転時には前記セルへの送液流量を通常運転時の定格流量よりも増大させるために、通常運転時の定格流量以上の流量を送液可能とする電解液送液ポンプを備えることを特徴とする非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム。
  2. 前記非常時が停電であり、
    前記停電を検知する停電検知手段と、
    停電検知時、通常用負荷への電力供給を遮断し、通常用負荷よりも小さな非常用負荷に電力供給を行う切替制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のレドックスフロー電池システム。
  3. 電解液が供給されるセルを備え、通常用負荷に対して電力供給を可能にする通常運転機能を有し、非常時には、非常用負荷への電力供給を可能とする非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムの非常時運転方法であって、
    非常運転時には、前記セルへの送液流量を通常運転時の定格流量よりも増大させるために、通常運転時の定格流量以上の流量で送液することを特徴とする非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムの非常時運転方法
  4. 前記非常時が停電であり、
    停電検知時には、通常用負荷への電力供給を遮断し、通常用負荷よりも小さな非常用負荷に電力供給を行うことを特徴とする請求項3に記載の非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システムの非常時運転方法。
JP2007177754A 2007-07-05 2007-07-05 非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法 Expired - Fee Related JP5172230B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007177754A JP5172230B2 (ja) 2007-07-05 2007-07-05 非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007177754A JP5172230B2 (ja) 2007-07-05 2007-07-05 非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009016219A JP2009016219A (ja) 2009-01-22
JP5172230B2 true JP5172230B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=40356871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007177754A Expired - Fee Related JP5172230B2 (ja) 2007-07-05 2007-07-05 非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5172230B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7820321B2 (en) 2008-07-07 2010-10-26 Enervault Corporation Redox flow battery system for distributed energy storage
US8980484B2 (en) 2011-03-29 2015-03-17 Enervault Corporation Monitoring electrolyte concentrations in redox flow battery systems
US8916281B2 (en) 2011-03-29 2014-12-23 Enervault Corporation Rebalancing electrolytes in redox flow battery systems
EP3109931B1 (en) * 2014-02-17 2019-01-02 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Redox flow battery system and method for operating redox flow battery
JP6430682B2 (ja) * 2016-12-19 2018-11-28 昭和電工株式会社 レドックスフロー電池の運転方法
WO2018117070A1 (ja) * 2016-12-19 2018-06-28 昭和電工株式会社 レドックスフロー電池の運転方法
AU2018412242A1 (en) * 2018-03-09 2020-09-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Cell, cell stack, redox flow battery, and redox flow battery system
JP6944067B2 (ja) * 2018-12-13 2021-10-06 昭和電工株式会社 レドックスフロー電池及びその運転方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002315197A (ja) * 2001-04-13 2002-10-25 Ohbayashi Corp ハイブリッド電源システム及びその運転方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009016219A (ja) 2009-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5172230B2 (ja) 非常用電源機能を有するレドックスフロー電池システム及びレドックスフロー電池システムの非常時運転方法
US9966618B2 (en) Flow battery with voltage-limiting device
AU2002251534B2 (en) Secondary battery system and operating method thereof
JP5191129B2 (ja) 燃料電池システムおよびその起動方法
WO2013002137A1 (ja) レドックスフロー電池
JP2006313691A (ja) レドックスフロー電池システム
US20050266280A1 (en) Electronic apparatus system, fuel cell unit and power supply control method
WO2014045337A9 (ja) レドックスフロー電池
CN111092249B (zh) 燃料电池***及其控制方法
JP2011233372A (ja) レドックスフロー電池
KR20170132005A (ko) 레독스 흐름 전지
KR101760983B1 (ko) 플로우 배터리 및 플로우 배터리의 전해액 혼합 방지 방법
JPH11176454A (ja) 燃料電池の補機用電源
JP3583914B2 (ja) 燃料電池の補機用電源
US20110053015A1 (en) Control Method for a Fuel Cell System and Fuel Cell System
JP2011134530A (ja) 燃料電池システムの制御方法
JP2010244980A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムを搭載した電動車両
JP6683953B2 (ja) 燃料電池システム
JP2009129679A (ja) 燃料電池システム
JP6987360B2 (ja) レドックスフロー電池システム、およびレドックスフロー電池システムの運転方法
WO2023027643A2 (en) Flow battery charging initiation method, controller for flow battery system and flow battery system
JP2024519939A (ja) 阻害剤を用いたアルカリマンガンレドックスフロー電池
WO2019026634A1 (ja) レドックスフロー電池システム、およびレドックスフロー電池システムの運転方法
JP2020089022A (ja) 電動車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5172230

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees