JP5170839B2 - ガラス基板の搬送方法 - Google Patents

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本発明は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板等の大型のガラス基板を搬送する搬送ユニット、及びこれらの搬送ユニットを連続配置した搬送装置、並びにガラス基板を搬送する方法に関する。
省スペース化の観点から、従来普及していたCRT型ディスプレイに替わり、近年は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイが普及している。これらのフラットパネルディスプレイに使用されるガラスパネルの製作に際しては、複数枚のガラスパネルが1枚のガラス基板から切り出される手法が採用されるに至っている。そして、これに伴ってガラスメーカー等で製造されるガラス基板は、大型化が推進されているのが現状である。
一般にガラス同士、もしくはガラスと金属等が接触するとガラス側の接触箇所に傷が生じ、この傷の先端に引張応力が集中すると、ガラスは破壊される。このためフラットパネルディスプレイ用ガラス基板は、搬送中にガラス基板同士が互いに接触しない距離を維持することができるように梱包する必要がある。梱包方法としては、例えば、仕切りを設けた箱に梱包される場合や、ガラス基板の間に紙又は合成樹脂製のシートからなる梱包緩衝材が介在されることにより、ガラス基板と梱包緩衝材とが交互に積層されて梱包される場合が多い。
梱包されたガラス基板は、開梱後1枚ずつ取り出され、次工程へと搬送されるが、ガラス基板の表面には物理的接触等により容易に傷が生じ易い。ガラス基板の表面に発生した傷は、基板表面に半導体素子や配線等を形成する際の形成不良や断線の原因となるし、更には前述のようにガラス基板の破損の原因にもなる。そのため、ガラス基板の取り出し、搬送の際には表面に物が接触するのを極力防止する必要がある。
従って、ガラス基板を搬送するためには、ガラス基板の表面と搬送設備等とが接触するのを防止することが必要である。例えば下記特許文献1には、コンベア底面から空気を噴出して、ガラス基板を浮上搬送する方法が提案されている。また、下記特許文献2では、湾曲フレームでガラス板の周辺を支持して搬送する方法が提案されている。
しかしながら、下記特許文献1に記載された方法では、ガラス板を浮上させる装置の他にガラス板を移動させる装置が必要となり、装置全体として種々の付帯設備が増加するとともに、これに伴い費用がかかるという問題がある。特に1辺が2000mmを超えるような大型のガラス基板になると、ガラス基板の浮上設備、及びそれらの付帯設備なども含めて装置全体の大型化が余儀なくされ、省スペース化、コストダウンを図ることができない。
また、下記特許文献2に記載された搬送方法では、ガラス基板を周辺のみで支持するために、搬送中にガラス基板周囲の気流の影響でガラス基板が振動し、ガラス基板と枠との間で摩擦が生じることにより、ガラス基板に傷が入る可能性がある。加えて、本搬送方法では枠はガラス基板よりも一回り大きくなるために、ガラス基板が大板になると枠自体も大きくなる。このために、ガラス基板の搬送に伴う周辺機器との干渉が大きな問題となる。
この問題を解決するために、下記特許文献3には、梱包緩衝材の上にガラス基板を載せた状態で洗浄工程直前まで搬送し、ガラス基板が洗浄工程に入る直前にガラス基板の下にある梱包緩衝材を除去してガラス基板を搬送することが記載されている。これによりガラス基板の表面と搬送設備との接触を回避して、ガラス基板の表面に傷が生じるのを防止することができる。
しかしながら、生産効率の改善の観点から、搬送効率の向上やタクトアップが求められており、さらにはガラス基板の大型化も伴って、搬送工程におけるガラス基板の搬送開始時や搬送停止時にガラス基板が慣性によって梱包緩衝材上を滑るという問題が生じている。搬送中のガラス基板に滑りが生じると、後工程におけるガラス基板の位置決めが適正に行われないばかりか、ガラス基板と梱包緩衝材との摩擦によってガラス基板の表面に微小傷が生じるという深刻な問題に波及する。
特開2008−41989号公報 特開2006−312511号公報 特開2007−1682号公報
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、搬送速度を上げて大型のガラス基板を梱包緩衝材ごと搬送したとしても、梱包緩衝材上においてガラス基板が滑るのを防止することが可能なガラス基板の搬送ユニット、及びこれらの搬送ユニットを連続配置した搬送装置、並びにガラス基板の搬送方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、無端状ベルト上に通気性のない梱包緩衝材を介してガラス基板を載置し、前記無端状ベルトを駆動することによって前記ガラス基板を搬送するガラス基板の搬送方法であって、前記無端ベルト上に吸引孔がガラス基板の搬送方向に沿った縦長に形成され、前記吸引孔は、少なくとも前記梱包緩衝材のシート厚の10倍以上の孔径を有し、且つ、前記吸引孔の開口面積は、前記梱包緩衝材のシート厚の2乗×300以上であり、前記無端状ベルトに形成された前記吸引孔から前記梱包緩衝材を吸引することによって、前記梱包緩衝材とガラス基板との間に空隙部を形成し、前記空隙部を、減圧状態とすることを特徴とするガラス基板の搬送方法に関する。
請求項1に係る発明によれば、無端状ベルトに形成された少なくとも梱包緩衝材のシート厚の10倍以上の孔径を有し、且つ、開口面積が前記梱包緩衝材のシート厚の2乗×300以上である吸引孔から梱包緩衝材を吸引することによって、梱包緩衝材とガラス基板との間に空隙部を形成することから、梱包緩衝材は、通気性がなく弾性変形可能であるため、吸引孔から梱包緩衝材が吸引されると当該梱包緩衝材は吸引孔の方向へ変形し、ガラス基板と梱包緩衝材との間に空隙部を形成することができる。梱包緩衝材とガラス基板とは概ね密着状態にあるため、形成された空隙部には外気から空気が入り難く、当該空間は減圧状態となり、ガラス基板は梱包緩衝材に密着保持された状態となる。このような搬送方法を使用することにより、ガラス基板の梱包緩衝材上での滑りを防止することができ、後工程においてガラス基板の位置決めを適正に行うことができるとともに、ガラス基板と梱包緩衝材との摩擦によってガラス基板表面に発生する微小傷をより確実に防止することができる。
以下、本発明に係るガラス基板の搬送ユニット、及びガラス基板の搬送装置、並びにガラス基板の搬送方法の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るガラス基板搬送ユニットの説明図であって、(a)は基板搬送ユニットの構成図、(b)は基板搬送ユニット上に梱包緩衝材を介してガラス基板を載置した図である。図2は、図1(b)のA−A線断面図である。図3は、有底溝状の凹部が形成された無端状ベルトの図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。図4は、真空チャンバの構成図である。図5は、吸引孔付近の要部拡大断面図である。図6は、より好ましい態様の吸引孔付近の要部拡大断面図である。
本発明に係るガラス基板の搬送ユニット(1)は、図1(a)に示す無端状ベルト(4)と、吸引孔(5)と、真空チャンバ(6)と、真空発生源(7)とからなり、同図(b)に示す通り、無端状ベルト(4)上に通気性のない梱包緩衝材(2)を介してガラス基板(3)が載置されることを特徴としている。
無端状ベルト(4)は、合成樹脂製の幅広状のベルトであって、搬送方向における上流側端部と下流側端部とがそれぞれ回転輪(41)(42)に巻き架けられている。これらの回転輪(41)(42)のうち一方が駆動輪として回転駆動し、もう一方は従動する。図1に示す通り、梱包緩衝材(2)とガラス基板(3)との密着性に優れ、同期して回転させ易いことから、幅広状の無端状ベルトを使用することが好ましいが、コストダウンの観点から、搬送方向に分割された無端状ベルトを使用することも可能である。
吸引孔(5)は、無端状ベルト(4)上において、ベルト回転方向に連なるように、且つ、ベルト幅方向に複数列設けられている。例えば、図1においては、吸引孔(5)は、ベルト回転方向に連続して一回り配置されており、ベルト幅方向には3列設けられている。
吸引孔(5)は、少なくとも梱包緩衝材(2)のシート厚の10倍以上の孔径を有し、且つ、吸引孔(5)の開口面積は、梱包緩衝材(2)のシート厚の2乗×300以上であることが好ましい。これにより、通気性を有さない梱包緩衝材(2)の厚みに応じた吸引孔(5)の開口面積を確保できるので、梱包緩衝材(2)が十分に変形し、梱包緩衝材(2)とガラス基板(3)との間でより確実に空隙部(21)を形成することができるため、ガラス基板(3)を梱包緩衝材(2)により確実に密着させることができる。これにより、ガラス基板(3)の梱包緩衝材(2)上での滑りをより確実に防止することができるので、後工程においてガラス基板(3)の位置決めをより適正に行うことができるとともに、ガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)との摩擦によってガラス基板(3)の表面に発生する微小傷をより確実に防止することができる。
上述した吸引孔(5)を、梱包緩衝材(2)のシート厚の10倍以上の孔径を有し、且つ、吸引孔(5)の開口面積は、梱包緩衝材(2)のシート厚の2乗×300以上であることが好ましいと導いたのは、以下の試験による。
真空発生源に真空ブロアを有する幅450mm、長さ600mm、高さ80mmの真空チャンバの上面に、幅10mm、長さ520mmの開口部を180mm間隔で3列形成した。その上に開口部に対応する位置に吸引孔が形成された長さ600mm、幅450mmに切り取られた厚み1.6mmのベルト片を固定した。吸引孔は、孔径をそれぞれ下記表1に記載されている通り変化させた。吸引孔が形成された当該ベルト片上に梱包緩衝材として厚み0.5mmの合成樹脂製のシートを、吸引孔が隠れる程度の大きさで載置し、その上に幅400mm、長さ500mm、厚み0.7mmのガラス基板を載置した。真空ブロアを動作させた後、当該ガラス基板を水平方向にロードセルを使用することによって引っ張り、ガラス基板がずれる力を測定した。この測定値をガラス基板の面積で除した値をガラス板保持力とした。結果を表1に示す。
Figure 0005170839
本発明者らの経験から、ガラス板保持力が50N/mであれば、搬送開始時、及び搬送停止時において、ガラス基板と梱包緩衝材とがずれることはないと考えられる。従って、実験3より、シート厚の2乗×300よりも吸引孔の直径が大きければよいことがわかる。実験4の結果より、単に吸引孔の総面積を増加させても、吸引孔1個当たりの面積が少ない場合は、十分なガラス保持力を得ることができないことがわかる。
次に、個々の吸引孔の面積を一定にして、下記表2に示す通り、短辺と長辺の長さを変更した矩形状吸引孔を設けた場合について、同様の実験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005170839
実験5〜実験9では、個々の吸引孔の面積はすべて75以上であるが、短辺の長さがシート厚の10倍未満では、十分なガラス基板保持力が得られないことがわかる。一方、短辺の長さがシート厚の10倍以上の場合は、十分なガラス基板保持力を得ることができ、短辺と長辺との差が少なくなり同程度になるにつれてガラス基板保持力が増加していることがわかる。つまり、短辺がシート厚の10倍未満の場合は、梱包緩衝材の厚みに対して孔径が短いために、梱包緩衝材が十分に変形することができないことにより梱包緩衝材とガラス基板との間に十分な空隙部を形成することができず、十分なガラス基板保持力が生じないことがわかる。
無端状ベルト(4)上には図3に示す通り、有底溝状の凹部(43)が形成され、吸引孔(5)は凹部(43)に形成されていることが好ましい。これにより図6に示す通り、無端状ベルト(4)上に形成された有底溝状の凹部(43)が空隙部(21)形成の型枠となるため、より確実にガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)との間に空隙部(21)を形成することができる。従って、梱包緩衝材(2)が過剰吸引された場合でも、凹部(43)の底部(44)で梱包緩衝材(2)が保持されるため、チャンバ(6)と梱包緩衝材(2)とが接触することによる摩擦や巻き込みを生じさせることはなく、梱包緩衝材(2)が破れるのをより確実に防止することができる。
梱包緩衝材(2)のシート厚と有底溝状の凹部(43)底部(44)の深さとの比は、1:1〜1:5であることが好ましい。これにより梱包緩衝材(2)の過剰吸引をより確実に防止することができる。
吸引孔(5)の形は、ガラス基板(3)の搬送方向に沿った縦長に形成されていることが好ましい。無端状ベルト(4)は、回転輪(41)(42)にテンションをかけて巻き架けられているため、吸引孔(5)がガラス基板(3)の搬送方向に対して横長に形成されていると、吸引孔(5)の横幅方向に破断しようとする力に抗し難く、縦長のほうが強度において優れているからである。
吸引孔(5)は、梱包緩衝材(2)の厚みの10倍が短辺であり、40倍が長辺であるベルト回転方向に縦長となるような矩形状であることがより好ましい。無端状ベルト(4)の強度を保持しつつ、ガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)との間に空隙部(21)を形成することができ、十分なガラス基板保持力を生じさせることができるからである。
真空チャンバ(6)は、図1に示す通り、無端状ベルト(4)が回転輪(41)(42)に巻き架けられることによって形成された無端状ベルト(4)の内部空間に配置される。図4に示す真空チャンバ(6)の開口部(61)は、図1に示す無端状ベルト(5)上に形成された吸引孔(5)の搬送方向に沿った列に対応する位置に平行に設けられ、無端状ベルト(4)上に形成された吸引孔(5)と同列数設けられる。
真空チャンバ(6)に設けられた開口部(61)は、ガラス基板(3)よりも小さいことが好ましい。これにより、ガラス基板(3)が搬送される間に少なくとも1回はガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)とが全ての開口部(61)(図4では3列の開口部)を覆う状態を呈することができる。無端状ベルト(4)を介して梱包緩衝材(2)とガラス基板(3)とが、開口部(6)を完全に覆うことにより、真空チャンバ(6)内が、真空発生源(7)によって高い負圧状態に維持されるため、梱包緩衝材(2)をより確実に吸引することができ、ガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)との間に空隙部(21)をより確実に形成することができる。
真空チャンバ(6)内は、図2に示すように搬送方向に複数の室に分割されてなり、分割間隔が搬送すべきガラス基板(3)の搬送方向寸法の1/2以下であることが好ましい。これにより、ガラス基板(3)が搬送される間に少なくとも1つの室の全ての開口部を覆う状態を常に呈することができる。無端状ベルト(4)を介して梱包緩衝材(2)とガラス基板(3)とにより開口部が完全に覆われた室は、真空発生源(7)によって高い負圧状態に維持されるため、ガラス基板(3)の搬送中に少なくともいずれか1つの室が高い負圧状態となり、この室の真上に存在する梱包緩衝材(2)をより確実に吸引することができ、ガラス基板(3)を梱包緩衝材(2)との間に常に空隙部(21)を形成することができる。
また、真空発生源(7)は、真空チャンバ(6)と連結され、真空チャンバ(6)内を負圧状態にする。真空発生源(7)としては、公知の真空ポンプ等が使用される。真空チャンバ(6)を複数の室に分割した場合は、各室毎に真空発生源(7)を設けることが好ましい。
また、梱包緩衝材(2)は、平面視略矩形状の通気性のないシートであって、弾性変形可能なものであることを要する。シートの大きさは、搬送されるガラス基板(3)よりも一回り大きいものであることを要する。シート厚は、0.1mm〜2.0mmであることが好ましい。0.1mm未満であると、緩衝材の性能が十分に発揮され難いことにより、搬送されるガラス基板(3)に傷が発生する可能性があり、2.0mmを超えると、弾性変形し難くなり、ガラス基板(3)との間に隙間を形成し難くなるからである。
梱包緩衝材(2)は、合成樹脂製のシートであることが好ましい。廉価な樹脂であってもクッション性に優れる梱包緩衝材となるからである。特に発泡樹脂製のシートを使用することが好ましい。よりクッション性に優れ、より僅かな力で弾性変形するからである。
また、搬送されるガラス基板(3)としては、特に微小傷の発生を抑制する必要のあるディスプレイ用ガラス基板が好適に用いられる。さらに、少なくとも一辺の長さが2000mm以上の大型ガラス基板を好適に搬送することができる。大型のガラス基板(3)において、搬送開始時や搬送停止時に特に慣性力が大きく働くことによる問題があるからである。
次に、本発明に係るガラス基板(3)の搬送方法について、上記の搬送ユニットの作用と伴わせて説明する。
真空発生源(7)が真空チャンバ(6)内を負圧状態とすることにより、吸引孔(5)から梱包緩衝材(2)が吸引される。梱包緩衝材(2)はある程度の弾性変形が可能であるので、図5に示す通り、梱包緩衝材(2)は無端状ベルト(4)上に形成された吸引孔(5)に沿う形で変形し、ガラス基板(3)との間に空隙部(21)を形成する。このときガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)との空隙部(21)は大気圧よりも若干低くなり、ガラス基板(3)は大気圧に押さえられる状態となり、ガラス基板(3)は梱包緩衝材(2)に密着することになる。一方、梱包緩衝材(2)も無端状ベルト(4)に密着した状態(一部は無端ベルトの吸引孔に嵌合した状態)であるために、無端状ベルト(4)と、梱包緩衝材(2)、ガラス基板(3)は互いに密着した状態になる。この状態で無端状ベルト(4)を移動させるとガラス基板(3)及び梱包緩衝材(2)は無端状ベルト(4)の動きにあわせて確実に搬送される。即ち無端状ベルト(4)が急激に駆動もしくは停止しても、ガラス基板(3)が慣性により梱包緩衝材(2)上を滑り、擦れることによってガラス基板(3)上に微小傷が生じるという事態を回避することが可能となる。
有底溝状の凹部(43)が形成され、凹部(43)の底部(44)に吸引孔(5)が形成されている無端状ベルト(4)を使用して搬送する方法がより好ましい。これにより先記した搬送ユニットの作用と同様の効果を享受できる。
次に、本発明に係る搬送ユニットを利用した本発明に係る搬送装置の実施形態について説明する。図7は本発明に係るガラス基板の搬送装置の第1の実施形態の側面図である。図8は、図7の要部拡大断面図である。
第1の実施形態に係るガラス基板の搬送装置(8)は、図7に示す通り、複数の搬送ユニット(1)をガラス基板(3)の搬送方向に配置したものである。このように配置することにより、搬送ユニット(1)の配置数によって、ガラス基板(3)の搬送距離を自由に設定することができる。
搬送ユニット(1)間の距離は、無端状ベルト(4)同士が接触しない範囲で可能な限り近接させて配置することが好ましい。ガラス基板(3)が搬送ユニット(1)間を搬送される際に、ガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)とが衝撃を受け難くし、衝撃によるずれを防止するためである。搬送ユニット(1)の間隔を空けて配置する必要がある場合は、図7に示すように、補助ローラ(81)を配置することが好ましい。これにより、ガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)を次の搬送ユニット(1)に安定した状態で送り込むことができる。
また、図7に示すように、図示しない公知のコンプレッサーと接続されたエアノズル(82)を搬送ユニット(1)間の下方に配置し、搬送装置(8)の搬送面方向に向けてエアを噴出させることが好ましい。これにより、梱包緩衝材(2)に載置されたガラス基板(3)が搬送ユニット(1)間を搬送される際の、梱包緩衝材(2)の垂れ下がりや脱落を防止できる。
また、図8に示すように、真空チャンバ(6)内がガラス基板(3)の搬送方向に複数の室に分割されている搬送ユニット(1)が連結されているガラス基板の搬送装置であって、搬送方向前端の室(62)と後端の室(63)が、搬送ユニット間の中点(C)を基点として、搬送されるガラス基板(3)の搬送方向寸法(t)の1/2以下の位置にある搬送ユニット(1)が連続配置されていることが好ましい。ガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)とが搬送ユニット(1)間を渡って搬送される際に、真空チャンバ(6)の前端の室(62)又は後端の室(63)のいずれか一方が常にガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)に覆われているため、これにより梱包緩衝材(2)とガラス基板(3)とが負圧によって強く吸着保持され、よって、搬送ユニット(1)間の移送時においても梱包緩衝材(2)とガラス基板(3)とがずれるのをより確実に防止することができるからである。
図9は、本発明に係るガラス基板の搬送装置の第2の実施形態の側面図である。
第2の実施形態にかかるガラス基板の搬送装置(8)は、図9に示す通り、1台の搬送ユニット(1)からなっている。1台の搬送ユニット(1)からなっているため、第1の実施形態の如くガラス基板(3)を搬送ユニット間に渡す必要がなく、しかもガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)とのずれをより確実に防止することができる。
図10は、本発明に係るガラス基板の搬送装置の第3の実施形態の図である。
第3の実施形態に係るガラス基板の搬送装置(8)は、図10に示す通り、搬送開始部(83)、移動部(84)、及び搬送終了部(85)とで構成されており、搬送開始部(83)と搬送終了部(85)は本発明に係る搬送ユニット(1)であって、移動部(84)は真空チャンバ(6)や真空発生源(7)等の吸引装置を有さない公知の無端状のベルトコンベアである。これにより、ガラス基板(3)に特に慣性がかかる搬送開始時と搬送終了時において、ガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)とのずれを防止することができるとともに、ガラス基板(3)が等速運動により搬送される移動部(84)においては真空チャンバ(6)及び真空発生源(7)を省略することができるため、搬送装置(8)全体の設置コスト、及びランニングコストを抑制することができる。移動部(84)は、図10に記載されているベルトコンベアには特に限定されず、ローラコンベア等を使用してもよい。
図11は、本発明に係るガラス基板の搬送装置の第4の実施形態の図である。
第4の実施形態に係るガラス基板の搬送装置(8)は、図11に示す通り、1台の搬送ユニット(1)からなる搬送装置(8)であって、搬送開始部(83)と搬送終了部(85)にのみ、真空チャンバ(6)及び真空発生源(7)が備えられており、移動部(84)には、真空チャンバ(6)及び真空発生源(7)等の吸引装置は備えられていない。これにより、ガラス基板(3)に特に慣性がかかる搬送開始時と搬送終了時において、ガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)とのずれを防止することができるとともに、ガラス基板(3)が等速運動により搬送される移動部(84)においては真空チャンバ(6)及び真空発生源(7)を省略することができるため、搬送装置(1)全体の設置コスト、及びランニングコストを抑制することができる。また、ガラス基板(3)に搬送ユニット間を渡す必要がなく、しかもガラス基板(3)と梱包緩衝材(2)とのずれをより確実に防止することができる。
本発明は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の大型のフラットパネルディスプレイ用ガラス基板を搬送するのに好適に使用することができる。また、窓板ガラスや自動車用板ガラスなどの他分野の板ガラス搬送にも利用することができる。
本発明に係るガラス基板搬送ユニットの説明図であって、(a)は基板搬送ユニットの構成図、(b)は基板搬送ユニット上に梱包緩衝材を介してガラス基板を載置した図である。 図1(b)のA−A線断面図である。 有底溝状の凹部が形成された無端状ベルトの図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 真空チャンバの構成図である。 吸引孔付近の要部拡大断面図である。 より好ましい態様の吸引孔付近の要部拡大断面図である。 本発明に係るガラス基板の搬送装置の第1の実施形態の側面図である。 図7の要部拡大断面図である。 本発明に係るガラス基板の搬送装置の第2の実施形態の側面図である。 本発明に係るガラス基板の搬送装置の第3の実施形態の図である。 本発明に係るガラス基板の搬送装置の第4の実施形態の図である。
符号の説明
1 搬送ユニット
2 梱包緩衝材
21 空隙部
3 ガラス基板
4 無端状ベルト
43 凹部
5 吸引孔
6 真空チャンバ
61 開口部
7 真空発生源
8 搬送装置

Claims (1)

  1. 無端状ベルト上に通気性のない梱包緩衝材を介してガラス基板を載置し、前記無端状ベルトを駆動することによって前記ガラス基板を搬送するガラス基板の搬送方法であって、
    前記無端ベルト上に吸引孔がガラス基板の搬送方向に沿った縦長に形成され、
    前記吸引孔は、少なくとも前記梱包緩衝材のシート厚の10倍以上の孔径を有し、且つ、前記吸引孔の開口面積は、前記梱包緩衝材のシート厚の2乗×300以上であり、
    前記無端状ベルトに形成された前記吸引孔から前記梱包緩衝材を吸引することによって、前記梱包緩衝材とガラス基板との間に空隙部を形成し、
    前記空隙部を、減圧状態とすることを特徴とするガラス基板の搬送方法。
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