JP5168437B2 - 樹脂減容処理システムおよび樹脂減容処理方法 - Google Patents

樹脂減容処理システムおよび樹脂減容処理方法 Download PDF

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Description

本発明は樹脂減容処理システムおよび樹脂減容処理方法に関する。さらに詳細には、本発明は、主として原子力発電設備などにおいて用いられた使用済のイオン交換樹脂を減容する減容処理システムおよび減容処理方法に関する。
近年、原子力発電設備の運転中に生じる廃棄物や、廃炉に伴って生じる廃棄物を処理する処分技術の重要性が高まっている。例えば原子力発電設備において使用された使用済イオン交換樹脂(以下、「被処理樹脂」という)を管理し、貯蔵し、または管理処分するのに要するコストを低減するために、被処理樹脂の減容処理技術が開発されている。この被処理樹脂は、従来、例えば放射性核種を被処理樹脂から分離し、被処理樹脂を可燃性廃棄物とともに焼却するなどの手法によって減容処理が行われてきた。しかし、焼却が適さない被処理樹脂については、例えば原子力発電所敷地内に貯蔵され暫定的に保管されてきた。このような被処理樹脂を減容するための手法として、例えば特許文献1(特開2001−153998号公報)には、酸素プラズマを利用する減容処理装置が開示されている。
特許文献1に開示される減容処理装置では高い減容率が達成される。すなわち、特許文献1に記載される減容処理装置による処理では、熱により被処理樹脂を分解や炭化する処理と、分解によって生じたガスや炭化した被処理樹脂を酸素プラズマにより酸化または灰化する処理とを組み合わせることにより高い減容率で被処理樹脂が減容される。本出願の発明者が確認した数値例を挙げれば、特許文献1に開示される手法では、被処理樹脂から水分を滴下除去させた質量(水切り基準の質量)によって測定し、減容後の残渣となる固形物(以下「残渣固形物」という)の質量と対比させた場合、被処理樹脂を例えば1/20程度にまで減容することが可能である。その結果、残渣固形物を例えばセメントによって混合して封じることによりモルタル(mortar)様の固化体を作製したとしても、砂等の細骨材を含むモルタルと同様に、固化体の強度は著しくは低下しない。このため、固化体に対して設けられる強度の基準、すなわち固化体基準強度条件の範囲内においてより多くの残渣固形物を充填することが可能となり、処分費用の軽減につながるという利点がある。しかも、特許文献1に開示される手法を採用すれば、放射性核種を残渣固形物に残存させたまま減容することが可能となる。
特開2001−153998号公報
ところが、実際の放射性廃棄物の処分法においては、特許文献1に記載されるほどの高い減容率が常に必要となるわけではない。例えば、セメントに少量の残渣固形物を混合したものを製造することにより、廃棄体の管理レベルを低下させて処分することも行なわれる。また、放射性物質を伴う被処理樹脂を減容した後の残渣固形物は、上述したようにセメントによって封じるような手法が常に採用されるわけでもない。例えば、樹脂を用いて封じることにより、残渣を固化して処分するような場合もある。これらの例においては、上述した1/20程度までの高い減容率が必要になるわけではない。
また、減容後の残渣固形物を保管する実際の取り扱いでは、国または地域によっては、保管される残渣固形物の単位体積あたりの放射能量(放射能濃度)によって区分されるクラス(以下、「保管クラス」という)が設定されており、保管クラスごとに管理レベルの基準、すなわち管理の厳重さの基準が定められていることにも留意すべきである。このような保管を前提とした減容処理には、目的とする保管クラスの区分に見合う程度の減容処理が行われることが望ましい。特に、被処理樹脂を過度に高い減容率で減容処理し残渣固形物の残留放射能による放射能濃度が高くなると、残渣固形物が高い放射能濃度の廃棄物に適用される保管クラスに該当してしまうことがある。そのような場合、より厳重な保管のための管理レベルの基準に則って残渣固形物を保管する義務が生じるため、保管のためのコストが増大することとなる。
本発明は、これらの課題の少なくともいくつかを解決することを課題とし、保管コストまで考慮した場合に総コストが低減された減容処理を可能にすることにより、原子力発電設備の低コストでの運転に貢献するものである。
本願の発明者は、上述した減容処理とその後の保管に要する総コストが、減容処理に放射能計を採用し、適切なタイミングによって減容処理を中止または停止することによって低減することが可能となることに着目した。すなわち、本発明のある態様においては、放射性物質を伴う被処理樹脂の放射能を測定するようになっており、該放射能の値を示す放射能データまたは放射能信号を出力する放射能計と、前記被処理樹脂を加熱処理し、該被処理樹脂それ自体と該被処理樹脂から放出されるガスとの少なくともいずれかまたは両方を酸素プラズマによって酸化処理することにより、前記被処理樹脂を減容処理する減容処理装置と、該減容処理装置によって前記被処理樹脂を減容目標値まで減容処理するための処理停止ポイントを、該減容目標値と前記放射能データまたは前記放射能信号とに基づいて決定する処理停止ポイント演算部とを備え、前記減容処理装置が、前記処理停止ポイントに達すると前記加熱処理および前記酸化処理のうちの少なくともいずれかの処理を停止する減容処理システムが提供される。
ここで、上記総コストとは、ある単位処理量の被処理樹脂(バッチ)を減容処理後の残渣固形物に処理するまでの処理コストと、その残渣固形物の保管に要する保管コストとを合算したコストを指している。このうち、処理コストには、エネルギーコスト、マシンコスト、運搬コスト、などの処理に応じて生じる各種の一時的または過渡的なコストがすべて含まれている。処理コストは一般に、同一量の単位処理量の被処理樹脂から得られる残渣固形物を少なくするほど、つまり減容率(volume reduction ratio)を高めるほど増大する。また、保管コストには、保管の全期間にわたって生じる任意のコストのすべてが含まれている。保管コストは一般に、残渣固形物の単位体積あたりの放射能すなわち放射線濃度によって区分される保管クラスごとに定まる。保管コストは、同じ保管クラスでは被処理樹脂の減容率を高めるほど減少する。また、より高い放射能濃度の保管クラスでは、低い放射能濃度の保管クラスに比べて厳重な管理レベルでの保管を要することに応じて、保管コストが増大する。
放射能計は、α線、β線、γ線といった任意の放射線を測定する任意の測定器を含む。その中には、例えばγ線のエネルギー別に測定することができるエネルギー分解能を有する放射能計を含むことができる。放射能計は、例えば保管クラスの区分に用いる線種またはエネルギーの放射能に対応する放射能データまたは放射能信号を出力する。なお、放射能は、通常、ベクレル(Bq)またはキュリー(Ci)を単位として測定されるが、放射能データまたは放射能信号には、放射能に換算可能な情報により表現される任意の態様のものを含んでいる。
減容処理装置は、被処理樹脂を加熱処理し、被処理樹脂それ自体と被処理樹脂から放出されるガスとの少なくともいずれかまたは両方を酸素プラズマによって酸化処理するような処理を行うことが可能な任意の装置を指している。
処理停止ポイント演算部は、例えば所定の処理を行うようにプログラムに従って処理動作を行うコンピューターとして実現される機能手段または処理手段である。
減容目標値は、例えば、被処理樹脂がどの程度減容されたかを特定することができる任意の数値的な指標であり、処理の目標値として設定される。減容目標値は、例えば、減容率によってその値を指定してもよいし、減重率(weight reduction ratio)により指定することも可能である。
処理停止ポイントは、処理を停止するタイミングを決定するために用いることができる任意の情報であり、例えば、何らかの物理量の値、処理段階を示す値、時間を示す値等によりタイミングを特定することが可能な任意の値を含んでいる。典型的な処理停止ポイントは、被処理樹脂の減重率、炭素含有ガス(二酸化炭素、一酸化炭素など)の濃度の積算値、処理のための時間によって決定される。ここで、処理停止ポイントは、上述した減容目標値と放射能データまたは放射能信号とに基づいて決定される。その演算を実行するのが、コンピューターに機能手段または処理手段として実現される処理停止ポイント演算部である。
本発明は、減容処理方法としても実施することが可能である。すなわち、本発明のある態様においては、放射能計が、放射性物質を伴う被処理樹脂の放射能を測定して、該放射能の値を示す放射能データまたは放射能信号を出力するステップと、減容処理装置が、前記被処理樹脂を加熱処理し、該被処理樹脂それ自体と該被処理樹脂から放出されるガスとの少なくともいずれかまたは両方を酸素プラズマによって酸化処理することにより、前記被処理樹脂を減容処理するステップと、処理停止ポイント演算部が、前記減容処理装置によって前記被処理樹脂を減容目標値まで減容処理するための処理停止ポイントとする処理所要時間または処理停止時刻を、該減容目標値と前記放射能データまたは前記放射能信号とに基づいて決定するステップと、前記減容処理装置が、前記処理停止ポイントに達すると前記加熱処理および前記酸化処理のうちの少なくともいずれかの処理を停止するステップとを含む減容処理方法が提供される。
本発明の上記いずれの態様においても、前記減容目標値が、前記被処理樹脂の残渣固形物を廃棄または保管するための保管クラスに従って決定されていると好ましい。
本発明の上記いずれかの態様によれば、例えば保管コストの上昇を招かない程度に減容処理することが可能になって、総コストが低減された減容処理を実現することが可能となる。
本発明のある実施形態における減容処理システムの構成を示す概略断面図である。 本発明のある実施形態における減容処理システムの状態を示す指標(温度と二酸化炭素濃度)のグラフ(図2(a))と、樹脂の減容の様子を示す推定減重率のグラフ(図2(b))である。 本発明のある実施形態において減重率に対して処理コストと保管コストが推移する様子を示す説明図である。 本発明のある実施形態において、減容目標値が与えられた場合の処理の進行の様子を示すグラフである。 本発明のある実施形態の減容処理システムによって実施される減容処理動作を説明するフローチャートである。 本発明のある実施形態の減容処理システムによって実施される減容処理動作を説明するフローチャートである。 本発明のある実施形態において、変形の前後での推定減重率と二酸化炭素ガスの濃度積算値との間の関係をグラフによって示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また、図中、実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されてはいない。
<第1実施形態>
[1 システム構成]
図1は、本発明の第1実施形態における減容処理システム1000の構成を示す概略断面図である。減容処理システム1000には、放射能計102と、減容処理装置110と、処理停止ポイント演算部180とが備えられている。
これらのうち、放射能計102は、減容処理装置110に供給される前の被処理樹脂20の放射能を測定するようになっている任意の放射能計である。典型的な放射能計102としては、エネルギー分解してγ線を測定する半導体検出器を挙げることができる。放射能計102は、処理対象の被処理樹脂20の放射能の値を示す放射能データまたは放射能信号を出力する。放射能計102をγ線のエネルギー分解能を有する放射能計とした場合には、例えば放出されるγ線のエネルギーによって放射性核種を特定しながら、その特定された核種における放射能を測定することが可能となる。放射能計102の配置は、図1に示した位置に限られず、処理対象の被処理樹脂20の放射能の値を取得可能な任意の位置に配置される。
また、減容処理装置110は、被処理樹脂20の供給されたもの(被処理樹脂22)を載置するステージ112を真空容器114内に備えている。減容処理装置110の構成およびその動作については後に詳述する。
被処理樹脂20は、供給機構122によって供給側ゲートバルブG1を通ってステージ112に供給される。その供給動作を行うために、供給機構122は所定の容積に作製された定量マス124を備えている。被処理樹脂20を供給するためには、まず、開かれた供給側ゲートバルブG1を通ってステージ112の上方空間の位置にまで定量マス124がアーム126によって届けられる。次に、その位置で定量マス124をアーム126の軸回りに回転させることにより、定量マス124内の被処理樹脂20をステージ112の上面に落下させる。このような動作を可能にする定量マス駆動機構128がアーム126には接続されている。
ステージ112は、円形皿の形状に作製されており、その上面に被処理樹脂22を載置することができるようになっている金属製のトレイである。被処理樹脂22が置かれるステージ112の平板部分の内部にはヒーター116が設けられており、そのヒーター116によってステージ112自体の温度が昇温可能となるようにされている。このステージ112は、真空容器114の気密を維持したまま、円形皿の中心を通り平板部分に垂直な軸の周りに回転動作が可能となるように構成されている。駆動機構118は、例えば数分間に1回から一分間に数回程度のゆっくりした回転動作をステージ112に行なわせることが可能である。また、ステージ112は、図示しない駆動機構によって、図1の紙面の上下方向の位置つまり高さを変更することができるように作製されている。ステージ112には、制御した電力をヒーター116に供給する加熱用電源120が接続されている。温度制御のため、ステージ112には、ステージ112自体の温度を測定する温度センサー(図示しない)が装備されている。この温度センサーからの温度測定信号に応じて、ヒーター116へ供給される電力が制御される。特に限定するものではないが、ステージ112の温度は、例えば400℃、あるいは、700℃といった減容処理に適する温度に制御することが可能である。
減容処理装置110は、概して円筒形状に作製されている真空容器114を備えている。その真空容器114には、真空容器114の内部空間に対して酸素を供給するためのガス供給ライン130が接続されている。このガス供給ライン130からは、レギュレータバルブ134を通じて、酸素ボンベ132からの酸素が真空容器114の内部空間へと制御された流量によって供給される。また、真空容器114の頂部壁114Rの大気側の外面には、高周波コイル142が配置されている。
この高周波コイル142は、例えば銅などの線状部材を渦巻き状に形成したコイルである。高周波コイル142は、渦巻き状の中心部と周縁部とに接続部を有している。この高周波コイル142は、真空容器114の頂部壁114Rの内側の空間すなわちステージ112の上方の空間Sにおいてプラズマを励起するために用いられる。このため、高周波コイル142には、そのプラズマと誘導結合するのに適した周波数の高周波電源144が接続されている。酸素を供給しながら励起されるため、このプラズマは主に酸素プラズマとなる。また、真空容器114の頂部壁114Rは、高周波コイル142による高周波電磁界を空間Sに生成するために絶縁体とされている。最も端的には、頂部壁114Rは溶融石英ガラスによって作製されている。なお、本実施形態において採用可能な高周波コイルの構成や配置は特段この高周波コイル142の配置に限定はされない。例えば、酸素プラズマの励起に適する任意の形状と配置の高周波コイルを用いることによって、本実施形態の減容処理を実施することが可能である。
真空容器114には、内部を減圧状態に保つための排気ライン150も接続されている。この排気ライン150には、排気バルブ152と真空ポンプ154が接続されている。排気バルブ152の開度は圧力制御部158によって制御されており、その圧力制御部158は、真空容器114の内部空間の圧力を測定する圧力センサー160の信号に基づいて圧力制御を継続的に行なっている。圧力制御部158は、圧力センサー160からの信号に基づいて排気バルブ152を制御するAPC(Automatic Pressure Controller)として真空容器114の圧力を自動制御している。
真空ポンプ154の出口側経路には、二酸化炭素センサー156が接続されている。二酸化炭素センサー156からは、真空容器114からの排気経路において測定された二酸化炭素ガスの濃度に応じた濃度データまたは濃度信号が出力される。なお、本実施形態では、二酸化炭素センサー156に代えて、炭素含有ガスの濃度を測定する目的を達成する任意の種類のガスセンサーを用いることができる。例えば、二酸化炭素センサーではなく一酸化炭素センサーを用いることによっても同一の目的が達成される。さらに、二酸化炭素センサー156等のガスセンサーは、真空ポンプ154の出口側経路ではなく、例えば、真空容器114の壁面や、排気ライン150のうちの真空ポンプ154までの経路に装備されていてもよい。
被処理樹脂20の供給されたもの(被処理樹脂22)は、ステージ112に載置された状態で減容処理される。この減容処理は、ステージ112による加熱処理と、酸素プラズマPによる酸化処理とによって行われる。すなわち、減容処理装置110は、被処理樹脂22を加熱処理し、被処理樹脂22それ自体と被処理樹脂22から放出されるガスとの少なくともいずれかまたは両方を、酸素プラズマPによって酸化処理する。この処理の詳細は後述する。
減容処理されると、被処理樹脂22からはステージ112に載置された状態の固形分(残渣固形物)が得られる。このため、処理終了後、残渣固形物は排出機構162によってステージ112から除去されて真空容器114の外部に排出される。この排出のために、真空容器114には、排出側ゲートバルブG2が取り付けられている。また、排出機構162には、回収ノズル166を備える吸引パイプ164が配置されている。吸引パイプ164は、排出側ゲートバルブG2が開いている状態で回収ノズル166の位置を、ステージ112上の残渣固形物の吸引に適する位置に駆動するための排出駆動機構168に接続されている。吸引パイプ164によって吸引された残渣固形物は、気流中から残渣固形物を回収するためのバグフィルターやサイクロン(いずれも図示しない)を通して飛散を防止しながら回収され、残渣固形物容器170に一時的に貯留される。この残渣固形物容器170には、最終的な残渣固形物に残留している放射能を測定するための追加の放射能計172が備えられている。残渣固形物容器170の残渣固形物は、その後に、例えばセメントや樹脂によって封じられて安全性が高められ、例えば最終処分地などの適当な設備に運搬されて半永久的に保管すなわち処分される。
追加の放射能計172は、残渣固形物が実際に示す放射能を、残留放射線データまたは残留放射線信号として出力する。このため、追加の放射能計172の出力する残留放射線データまたは残留放射線信号は、残渣固形物の保管クラスを決定するために用いることが可能である。
処理停止ポイント演算部180は、例えばコンピューター182にプログラムとして実装される機能手段である。処理停止ポイント演算部180の機能は、減容処理装置110によって被処理樹脂20を減容目標値まで減容処理するための処理停止ポイントを決定する機能である。この処理停止ポイントの決定にあたっては、減容目標値と、放射能計102により得られた放射能データまたは放射能信号とに基づく演算が行なわれる。そして、決定された処理停止ポイントを処理停止ポイント格納部188に格納する。減容処理装置110は、処理停止ポイント演算部180が実装されているコンピューター182またはシーケンス制御部184によって制御される。この制御により、減容処理装置110は、処理停止ポイントに達すると加熱処理および酸化処理のうちの少なくともいずれかの処理を停止する。処理停止ポイント演算部180が実装されているコンピューター182は、例えば処理停止ポイント格納部188の処理停止ポイントの値に基づいて制御を実行する。あるいは、コンピューター182は、シーケンス制御部184に対して制御信号を送信して同様の制御をシーケンス制御部184に実行させる。
ここで、処理停止ポイント演算部180が実装されているコンピューター182は、減容処理装置110、放射能計102、二酸化炭素センサー156、および追加の放射能計172からのデータまたは信号を受信する。また、コンピューター182は、例えば、直接またはシーケンス制御部184を通じて減容処理装置110の動作を制御する。なお、直接またはシーケンス制御部184を通じてコンピューター182からの制御を受ける減容処理装置110の要素には、ステージ駆動機構118、加熱用電源120、定量マス駆動機構128、レギュレータバルブ134、高周波電源144、圧力制御部158、排出駆動機構168、供給側ゲートバルブG1、そして排出側ゲートバルブG2が含まれている。圧力制御部158は、それ自体が圧力センサー160と排気バルブ152の制御によって真空容器114の内部の圧力を一定にするように動作していると同時に、シーケンス制御部184による制御を受け付けて、圧力の制御目標値である圧力司令値を変更する場合もある。
処理停止ポイント演算部180は、二酸化炭素センサー156からの濃度データと濃度信号から換算された濃度値とのうちの少なくともいずれかを積算した積算値を算出する積算部186をさらに有している。この積算部186は、コンピューター182の演算機能を利用して実現される機能手段である。積算部186は、二酸化炭素センサー156からの二酸化炭素ガスの濃度に応じた濃度データまたは濃度信号を時間的に積算する演算を実行する。その積算値は、被処理樹脂22から放出され二酸化炭素センサー156による測定される二酸化炭素ガス(炭素含有ガス)の総量を示す、処理の初期から各時点までの積算値である。処理停止ポイント演算部180は、その積算部186が出力する積算値を受け取って、その時点までに被処理樹脂22からどの程度の炭素含有ガスが放出されたかの判定のために利用する。放出された二酸化炭素などの炭素含有ガスの積算値は、後述するように、被処理樹脂20の減容処理の進行の程度を示す指標として利用される。
[2 減容処理システムの処理動作の概要]
次に、減容処理システム1000による処理について、さらに図面を参照して説明する。図2は、減容処理システム1000の状態を示す指標(温度と二酸化炭素濃度)のグラフ(図2(a))と、樹脂の減容の様子を示す推定減重率のグラフ(図2(b))である。減容処理システム1000の状態の指標として図2(a)に示した指標は、ステージ112の温度(曲線202)と、二酸化炭素センサー156から得られる二酸化炭素濃度の値(曲線204)である。また、図2(b)に示したものは、樹脂の減容の様子を推定した推定減重率(曲線214)である。
曲線202により示されるステージ112の温度は、ステージ112に備えられた温度センサー(図示しない)の示す温度指示値であり、縦軸に数値を目安として明示している。これに対し、二酸化炭素センサー156が出力する二酸化炭素濃度の値を示す曲線204は、時間的な振る舞いだけを示しており値の目盛は任意単位である。ただし、曲線204により示される二酸化炭素濃度の値は、線形にプロットされ横軸が濃度0となるように描かれている。図2の横軸は、被処理樹脂22の最初のサブバッチ(第1サブバッチ)をステージ112に載置して供給側ゲートバルブG1を閉じた瞬間から計時を開始した時間つまり処理時間である。図2(a)に示された全処理は、概ね24時間程度の時間を要している。なお、サブバッチとは、一連の減容処理において単位処理量となる被処理樹脂20のバッチをさらに細分化した処理単位である。本実施形態の説明では、被処理樹脂20の1バッチは、一部の処理について第1〜第4のサブバッチにわけて処理され、残りの処理について、元の1バッチのまま処理される。
なお、図2(a)に基づく説明は、本実施形態の減容処理システム1000による処理に対する理解を助ける目的で、可能な限り高い減容処理を行う手法を説明するものである。これは、本実施形態において、処理停止ポイントを設定しないで減容処理を実行した場合、または、十分に処理が進行するように処理停止ポイントを設定することにより、可能な限り高い減容率が得られるように減容処理を実行した場合に相当する。本発明の実施形態には、処理停止ポイントを利用して適切な時点で処理を中止または停止する態様も含まれている。
図2(a)に示すように、減容処理システム1000による減容処理は、大別して、二つの処理フェーズ、すなわち第1フェーズ(第1処理)と第2フェーズ(第2処理)とに分かれている。第1フェーズでは、ステージ112が概ね400℃程度に加熱されるのに対し、第2フェーズではステージ112が概ね700℃程度に加熱される。なお、これらの温度は、曲線202に示したようにより細かい時間的な変動を示す。ここで、例えば減容処理システム1000の処理対象物が原子力発電設備などによって利用されたイオン交換樹脂である場合、被処理樹脂22は、イオン交換樹脂と、そのイオン交換樹脂が伴っている放射性物質と、残留している水分との混合物である。また、原子力発電設備において利用されるイオン交換樹脂は、イオンまたは腐食性生物(クラッド)の形態でそれ自体に吸着または保持することにより、放射性同位元素を含む放射性物質を伴っている。
上記各フェーズにおける処理の概要を以下説明する。まず、第1フェーズでは、被処理樹脂22を加熱することによって炭化処理が行われる。この処理は、被処理樹脂22に対して最初に施される処理である。被処理樹脂22は、ステージ112に載置され加熱が開始されると、400℃程度の温度になるまでに、多量の水蒸気を放出するとともに、アニオン交換基等の低級分子の離脱・分解によって分解ガスを放出する。その後400℃付近にまで十分に温度が上昇すると、樹脂基材の分解による高級成分の離脱・分解によって、被処理樹脂22は分解ガスをさらに放出する。これらの分解ガスの放出は、一般の有機物が熱によって分解ガスを放出する現象に近いものである。その状態で高周波コイル142には、誘導結合によってプラズマPを励起するための電力が投入されている。したがって、放出された分解ガスはステージ112上方の空間に励起されている酸素プラズマPによって酸化される。これにより、分解ガス中の酸化を受けやすい成分、例えば炭素成分が酸化される。酸素プラズマPによって分解ガスが酸化されて生じるガスすなわち処理ガスには、二酸化炭素や一酸化炭素が含まれている。この処理ガスは、排気ライン150を通じて排気されてゆく。この処理における分解は、処理の開始直後は激しく、ある程度の時間継続すると弱まり始める。これは、その温度によって分解される成分が消費されることに対応している。ステージ112には、被処理樹脂22から分解ガス成分が放出された後の、炭化が進行したものが残されてゆく。この炭化した被処理樹脂22は、第1フェーズでは十分に処理されたとしても、炭化された状態までしか進行しない。このため、被処理樹脂22には、この時点で炭素成分が残存している。こうして、第1フェーズでは、ステージ112の加熱と、酸素プラズマPによる酸化とを組み合わせることによって、被処理樹脂22の分解処理と、炭化処理と、分解ガスの酸化処理とが実行される。
第1フェーズにおける分解ガスの炭素成分は、酸化された処理ガス中の二酸化炭素または一酸化炭素のガスとして排気ライン150から排出され、二酸化炭素センサー156によってその濃度が測定される。第1フェーズの二酸化炭素濃度は、各サブバッチにおいて温度の上昇とともに上昇し、高い値がある時間維持された後、分解される成分の消費につれて低下してゆく。この二酸化炭素濃度の値は、被処理樹脂22において酸化される単位時間あたりの炭素量を示す直接的な指標となる。そればかりか、この二酸化炭素濃度の値は、被処理樹脂22において酸化される全成分に対する間接的な指標でもある。なお、被処理樹脂22において酸化される全成分は、炭素成分以外に、窒素成分、硫黄成分、水素成分を含んでいる場合がある。
第1フェーズでは、被処理樹脂22が減容処理装置110の処理能力の範囲に小分けされたサブバッチを単位として被処理樹脂22が処理される。図2(a)には、4つのサブバッチに分けて被処理樹脂22が投入される場合の様子が示されている。第1フェーズでは、被処理樹脂22の第1サブバッチに対する加熱による炭化および分解処理の進行する様子が二酸化炭素濃度の値を通じて監視される。そして二酸化炭素濃度の値から第1サブバッチの処理がある程度進んだと判断されると供給側ゲートバルブG1が開かれて次のサブバッチすなわち第2サブバッチの被処理樹脂22が追加して投入される。このとき、ステージ112には第1サブバッチとして処理が進んだ残渣固形物が残存したままである。その状態のステージ112に第2サブバッチの被処理樹脂22が供給される。したがって、被処理樹脂22は、新たに投入された第2サブバッチと、処理途中の第1サブバッチの両方が処理される。以降、第3サブバッチ、第4サブバッチについても同様に処理される。なお、このように小分けされて被処理樹脂22の第1フェーズが進められるのは、第2フェーズの処理に比べて第1フェーズでは被処理樹脂22から多量の分解ガスが発生し、分解ガスを処理する能力が不足しかねないためである。
次いで第2フェーズについて説明する。第1フェーズから第2フェーズへ移行する際、真空容器114は大気開放されることなく減圧されたままである。ただし、第1フェーズと第2フェーズの間で圧力すなわち真空度は変更される。第2フェーズの処理対象は、ステージ112に残されている被処理樹脂22の第1〜第4サブバッチとして第1フェーズの処理を経て炭化された半処理物である。ここでは、この半処理物も被処理樹脂22と記す。第2フェーズでは、その状態でステージ112の温度が700℃に昇温される。第1フェーズの処理によって炭化された被処理樹脂22の温度が上昇すると、炭化していた被処理樹脂22に対して酸素プラズマが作用して、酸化により炭素成分が除去されてゆく。すなわち、第2フェーズは、炭化していた被処理樹脂22の炭素成分を、加熱処理と酸素プラズマとを組み合わせた灰化によって減少させる、というさらなる減容処理である。第2フェーズにおいても第1フェーズと同様に酸素プラズマPが用いられる。このため、高周波コイル142には、誘導結合によってプラズマPを励起するための電力が投入される。ただし、第1フェーズでは分解ガスを酸化することが酸素プラズマPに期待される作用であったのに対し、第2フェーズでは、炭化した被処理樹脂22を灰化する作用を期待して酸素プラズマPが励起される。この期待する作用の相異のために、一般には、酸素プラズマPを励起する条件は第1フェーズと第2フェーズとで別異のものとなる。最も典型的には、第2フェーズの酸素プラズマの励起条件では、第1フェーズよりも高い圧力が選択される。また、酸素の供給方向も、第2フェーズでは頂部壁114Rからステージ112に向かう気流が第1フェーズに比して多くなるように選択される。
第2フェーズを通じて被処理樹脂22が灰化されると、被処理樹脂22に残存していた炭素成分等は、二酸化炭素または一酸化炭素のガスのような処理ガスとなって排気ライン150から排出される。第2フェーズの二酸化炭素濃度も、温度の上昇とともに上昇し、高い値がある時間維持された後、酸化される成分の消費に応じて低下してゆく。第2フェーズにおいても、第1フェーズと同様に、二酸化炭素センサー156から得られる二酸化炭素濃度の値は、被処理樹脂22において酸化される単位時間あたりの炭素量を示す直接的な指標であり、被処理樹脂22において酸化される全成分に対する間接的な指標でもある。
図2(a)に示した処理においては、第2フェーズの処理は、二酸化炭素センサー156から得られる二酸化炭素濃度が0になるまで処理を継続している。すなわち、第2フェーズの条件で被処理樹脂22から酸化によって除かれる成分が無くなるまで処理する過程を示しているのが図2(a)のグラフである。図2(a)のグラフの右端の時点では、被処理樹脂22に最終的に残存している物質は、放射性核種を含む金属酸化物と、第2フェーズの条件では除くことができないわずかな炭素成分である。このため、第2フェーズの処理を完了すると、実質的にはそれ以上減容し得ない程度に減容処理された状態となっている残渣固形物がステージ112上に残される。
このような処理の進行に伴ってどのように被処理樹脂22が減容されてゆくかを推定減重率によって示したのが図2(b)のグラフである。このグラフに示される曲線214は、減容の様子を示す各段階での二酸化炭素濃度の積算値から推定した推定値である。また、減容の程度を、容積ではなく、質量(重量)の減少の程度すなわち減重率によって推定している。この推定減重率を推定(estimate)するためには次のように計算する。あらかじめ、処理対象の被処理樹脂20の処理単位となるバッチ(第1〜第4サブバッチ)の全質量を測定しておく。その質量は水分を含む質量であるため、別途測定しておいた水分率を用いて水の質量を被処理樹脂20の質量から減算して、乾燥質量を決定する。この未処理状態での被処理樹脂20の乾燥質量のうち減容処理されるのは、炭素成分の質量以外に、存在すれば、窒素成分、硫黄成分、水素成分といった酸化される成分による質量である。したがって、各時点の減重率は、
(1−各時点の残渣固形物の質量/乾燥質量)×100% 式(1)
として求めることが可能となる。なお、ここでは説明を簡明にするために、乾燥質量を用いた定義のみをもって減重率を説明している。乾燥質量を用いる代わりに水分を含む質量を用いて定義するなど、別の定義によって減重率を定めることも可能である。
ここまで説明した処理、特に図2(a)に示した処理では、真空容器114の内部処理が行なわれる。このため、実際に式(1)に従って残渣固形物の質量を測定することが可能となるのは、第2フェーズの処理が完了した後である。つまり、第2フェーズが完了して排出機構162によって吸引され、残渣固形物容器170に一時的に貯留された残渣固形物の質量を用いて初めて減重率が求められる。このため、式(1)において各時点の減重率を求めることは実質的には難しい。
ところが、本願の発明者の検討によれば、炭素成分、窒素成分、硫黄成分、水素成分といった各種の成分が酸化によって除去されるにもかかわらず、炭素成分のみに注目して管理することによって、処理途中での減容率をある程度の精度によって推定することが可能である。結論としては、各時点での推定減重率は、
k×炭素含有ガス濃度の積算値/乾燥質量×100% 式(2)
と表現することができる。ただし、炭素含有ガス濃度の積算値は、図1の二酸化炭素センサー156を用いる場合には、二酸化炭素センサー156の示した測定した二酸化炭素の値を時間とともに積算した積算値であり、kは比例係数である。このkを決定するためには、図2(a)および(b)に示したように、炭素含有ガスが生じなくなるまで減容処理を実行し、その最終の時点での式(1)の値と式(2)の値が等しくなるように決定すればよい。図2(b)には、炭素含有ガスの濃度が0になるまで処理を進めて搬出した残滓固形物の質量から求めた減重率を到達点RFとして示している。図2(b)の曲線214は、炭素含有ガス濃度の積算値の最終的な値を到達点RFに一致させてプロットしたものである。
[2−1 処理停止動作]
ここまで可能な限り高い減容処理を行う手法について説明した。ところが実際の処理を行う場合には、保管クラスの区分を考慮に入れ適切なタイミングで処理を中止または停止するような動作が効率的である。
[2−2 保管クラスの区分が変わらない場合のコスト]
図3は、減重率に対して処理コストと保管コストが推移する様子を示す説明図である。このうち図3(a)は、減重率に対して保管クラスが変わらない場合を示し、図3(b)は、減重率に対して保管クラスが変わる場合を示している。図3(a)における直線302は、減容処理の処理コストを示しており、減重率を高めるのに応じて増加する直線として示されている。一方、直線304は、残渣固形物の保管に要する保管コストを示している。残渣固形物の保管コストは、保管のクラスが変わらない範囲では減重率が高くなるほど低下する。したがって、保管のクラスが変わらない場合には、直線302と直線304の和である直線306によって示されるように、総コストは減重率が高まるほど低下する。
[2−3 保管クラスの区分が変わる場合のコスト]
ここで、減容処理を行って例えば炭素成分が減少して樹脂の減容が進むと、単位体積あたりの放射能の値、すなわち放射能濃度(activity concentration)が高まって、保管クラスが次の高い濃度の保管クラスになってしまうような場合がある。実際の処理のコストをみると、その高い濃度の保管クラスの廃棄物に課される規則に則った保管のためのコストは、低い濃度の保管クラスのそれと比較して、例えば10倍などに跳ね上がる。これを分断された直線によって示すのが、図3(b)に示す直線314Aおよび314Bである。このような保管コストのジャンプが生じる場合、直線302の減容処理の処理コストとの和もやはり分断された直線316Aおよび316Bのようになり、減重率に対する総コストにもジャンプが生じてしまう。この場合、減容処理は、総コストが不連続的にジャンプする減重率の値の前に中止または停止することが好ましい。すなわち、減容目標値としては、総コストに不連続なジャンプが生じる減重率RJの値から、ある余裕Δだけ小さい値に設定する。これが図3(b)の減容目標値RTである。
[2−4 減容目標値に基づく処理停止ポイント]
実際の保管クラスの区分は、放射能濃度によって決定される。このため、同じ減重率で減容処理されて得られた残渣固形物があったとしても、被処理樹脂22の初期の放射能濃度の値が異なれば、別々の保管クラスに分類される可能性がある。つまり、図3(b)の総コストに不連続なジャンプが生じる減重率RJを決定するためには、保管クラス分けの境界値となる放射能濃度と、放射能計102によって測定される被処理樹脂22の初期の放射能濃度との両方から、総コストに不連続なジャンプが生じる減重率の値を算定する必要がある。その算定された値を用いれば、コストに不連続なジャンプが生じる減重率RJを決定した後、上記余裕Δの分だけ小さい減重率として減容目標値RTを決定することが可能となる。
一旦減容目標値RTが決定されると、その減容目標値RTを用いて処理停止ポイント演算部180(図1)が処理停止ポイントを決定する処理を実行する。そして減容処理装置110の処理の停止は、その処理停止ポイントに従って行われる。図4は、この減容目標値RTが与えられた場合の処理の進行の様子を示すグラフである。図4(a)は、図2(a)に示したのと同様に減容処理において二酸化炭素濃度の時間変化を示すグラフである。二酸化炭素ガスの濃度の積算値は、処理の開始から各時点までの二酸化炭素ガスの濃度を積分した値である。その値は、上述した式(2)に従って推定減容率に換算される。換算された推定減容率を図4(b)に示している。図4(b)は、図2(b)に示したのと同様に減容処理において推定減重率の時間変化を示すグラフである。ここで、減容目標値RTは、縦軸上の値として図4(b)に示されている。このため、処理停止ポイント演算部180は、積算部186による積算値を利用して式(2)の計算を各時点で行って処理の進行を監視していれば、処理停止ポイントを決定することができる。その決定の処理は、処理停止ポイントを定める測定値または物理量の種類に応じていくつかの態様によって行なわれる。
まず、処理停止ポイントは、典型的には、被処理樹脂の減重率、二酸化炭素または一酸化炭素などの炭素含有ガスの積算値、処理所要時間または処理停止時刻として決定される。これらの典型例のうち、被処理樹脂の減重率により特定される場合の処理停止ポイントを、減重率処理停止ポイントRSPとする。この減重率処理停止ポイントRSPは、最も典型的には、図4(b)に示すように、減容目標値RT(図3(b))そのものが選択される。その場合、処理停止ポイント格納部188には、減重率処理停止ポイントRSPの値がそのまま格納される。類似の例として、減容目標値RTよりある余裕分だけ小さい値を減重率処理停止ポイントRSPとしてもよい。
別の典型例として処理停止ポイントは、炭素含有ガスの積算値により決定される場合がある。その処理停止ポイントを炭素処理停止ポイントCSPとする(図示しない)。この炭素処理停止ポイントCSPは、最も典型的には、減容目標値RT(図3(b))を与える炭素含有ガスの積算値とされる。したがって、炭素処理停止ポイントCSPは、式(2)を減容目標値RTと等しいとした場合の炭素含有ガスの積算値として容易に算出される。処理停止ポイント演算部180がその演算を実行すると、処理停止ポイント格納部188には、炭素処理停止ポイントCSPが格納される。なお、後述する変形例1には、炭素処理停止ポイントCSPをより精度高く決定する手法について説明している。
さらに別の典型例として処理停止ポイントは、処理所要時間または処理停止時刻として決定される場合がある。その処理停止ポイントを時間処理停止ポイントTSPとする。この時間処理停止ポイントTSPは、最も典型的には、図4(b)に示すように、減容目標値RT(図3(b))を与える処理時間とされる。減容目標値RTから時間処理停止ポイントTSPを決定するためには、曲線214(図2(b))があらかじめ求まっている必要がある。このためには、事前に被処理樹脂20と同種の樹脂サンプルを用いて処理を最終まで行なって到達点RFを決定して図2(b)の曲線214を得ておき、その曲線214を処理時間と減重率の間の検量線として任意の保存手段に格納しておく。その後、その保存された検量線を呼び出せば、減容目標値RTを与える時間処理停止ポイントTSPを決定することが可能である。処理停止ポイント演算部180がその演算を実行すると、処理停止ポイント格納部188には、時間処理停止ポイントTSPが格納される。
このように、処理停止ポイントは、いくつかの態様によって決定することが可能である。また、いずれの処理停止ポイントを採用するとしても、任意の余裕を設定して処理停止ポイントを決定することが可能である。いずれの処理停止ポイントも、減容目標値RTと放射能データまたは放射能信号とに基づいて決定される。
なお、処理停止ポイント演算部180によって決定される処理停止ポイント、すなわち、減重率処理停止ポイントRSP、炭素処理停止ポイントCSP、または時間処理停止ポイントTSPは、好ましくは、第2フェーズ(第2処理)を処理している期間に位置するように設定される。これは、炭化処理を実施した第1フェーズ(第1処理)では未だ多量の炭素分が残存しているものの、第2フェーズの段階では十分な処理が進んでおり、その後の処分つまり半永久的な保管に支障を生じにくいためである。
図4(a)の曲線404は、二酸化炭素センサー156から得られる二酸化炭素濃度の値であり、図4(b)の曲線414は、樹脂の減容の様子推定した推定減重率である。図4に示すように、処理停止ポイントに到達して処理が停止されると、二酸化炭素の濃度はその時点から急速に減少し、推定減重率の増加もみられなくなる。つまり、程なく処理が停止する。比較のため、図4(a)には、処理停止ポイントを利用しない場合(図2(a))の曲線を鎖線によって明示している。ここで、処理の停止は、もっとも典型的には、ヒーター116による加熱処理が停止され、酸素プラズマPによる酸化処理が停止される。酸化処理の停止は、また、ガス供給ライン130からの酸素の供給を停止し、高周波電源144による電力の供給を停止することによって行なわれる。ただし、本実施形態においては、減容処理の進行が停止する任意の停止処理を実行することができる。特に、第2フェーズの処理では、分解ガスの発生は少なく、被処理樹脂22の灰化が主な処理となっているので、ヒーター116による加熱処理の停止か、酸素プラズマPによる酸化の停止かいずれか一方を実行するのみで、減容処理を終息させることが可能である。
[3 減容処理システムの処理動作の具体例]
次に、本実施形態の処理動作を、フローチャートを参照して具体的に説明する。図5および図6は、本実施形態の減容処理システム1000によって実施される減容処理動作を説明するフローチャートである。必要に応じてこれまで参照した図面も参照する。
減容処理を開始すると、まず、初期の放射能を測定する処理(S102)が実行される。このためには放射能計102が利用される。次に、処理停止ポイントが決定される(S104)。このためには、上述した処理停止ポイント演算部180の動作が行われる。すなわち、処理停止ポイントとして例えば減重率処理停止ポイントRSPを用いる場合には、減容目標値RTの値を処理停止ポイント格納部188にそのまま格納する。処理停止ポイントとして炭素処理停止ポイントCSPを採用する場合には、典型的には、式(2)を減容目標値RTと等しいとした場合の炭素含有ガスの積算値が算出され、その値が炭素処理停止ポイントCSPとして処理停止ポイント格納部188に格納される。そして、処理停止ポイントとして時間処理停止ポイントTSPを採用する場合には、事前に測定しておいた同種の樹脂に対する曲線214(図2(b))から、典型的には減容目標値RTを与える時間処理停止ポイントTSPが求められて処理停止ポイント格納部188に格納される。以降の説明では、典型例として炭素処理停止ポイントCSPを採用するものとして説明する。
次いで、供給側ゲートバルブG1が開放されて初期に投入されるサブバッチ(第1サブバッチ)の被処理樹脂22が供給されると、再び供給側ゲートバルブG1が閉止される。これは、定量マス124によって定容積の被処理樹脂22を供給する処理であり、第1サブバッチとしてあらかじめ真空容器114のステージ112に被処理樹脂22を載置する処理である。その後、真空容器114内が減圧される(S106)。例えば10Torr(1.33kPa)程度の圧力に到達すると、第1フェーズの処理として、ステージ112がヒーター116によって400℃に昇温される(S108)。なお、真空ポンプ154は一定の排気動作を続けているが、圧力は圧力センサー160により圧力制御部158に入力されて排気バルブ152の開度を通じて自動制御される。
続けて、二酸化炭素センサー156による二酸化炭素ガス濃度の計測が開始される(S110)。なお、ステージの昇温(S108)と二酸化炭素ガスの計測開始(S110)の順序は逆であっても構わない。その後プラズマが点弧される(S112)。このために、高周波電源144によって高周波コイル142に高周波電力の供給が開始される。この処理を行うと、二酸化炭素ガスの濃度は、図4(a)の左端に示したように変化しはじめる。そこで、この二酸化炭素ガスの濃度の測定値が最大値であるかどうかが監視される(S114)。例えば、二酸化炭素ガスの濃度の測定値が最大値から、その最大値の90%程度に低下するまでは、最大値のままであると判断して監視が継続される(S144のNの分岐)。そして、その最大値から低下したと判断されると(S144のYの分岐)、次に、追加投入のための被処理樹脂20があるかどうかが判定される(S116)。処理中のサブバッチが第1サブバッチであれば、次の第2サブバッチがあるかどうかが判定されるのである。追加投入されるサブバッチの被処理樹脂20がある場合(S116、Yの分岐)、次のサブバッチの被処理樹脂20を追加する処理が行われる(S118)。この追加処理は、再び供給側ゲートバルブG1を開放して、定量マス124によって定容積の被処理樹脂20を供給する処理と、400℃から少し低下していたステージ112の温度を再び400℃に昇温させる処理である。追加のサブバッチの被処理樹脂20がない場合、すなわち、例えばサブバッチが第1〜第4サブバッチまで用意されていて処理中の被処理樹脂20がその第4サブバッチのものである場合(S116、Nの分岐)、追加投入を行なわない。そのまま処理を継続すると、第1フェーズの処理が完了する。
第1フェーズの処理が完了すると、ステージ112には、被処理樹脂22の炭化したものが配置された状態になっている。第2フェーズの処理ではこれを灰化する処理が行われる。そのためには、まず、ステージの温度が700℃に昇温される(図6、S120)。次に、プラズマ条件が、第1フェーズのものから第2フェーズの処理条件にあわせて変更される(S122)。このプラズマ条件の変更は、高周波電源144によるパワーの設定変更や、酸素ガスの流量や供給方向の変更、そして、圧力制御部158による真空容器114内部の圧力変更といった各種の条件の変更を含んでいる。この処理を行うと、炭素含有ガス濃度の積算値が上昇してゆく。その処理の進行中、コンピューター182によって、処理停止ポイントに到達しているかどうかが監視される(S124)。そのために、処理停止ポイント格納部188に格納されている処理停止ポイントが用いられる。例えば、炭素処理停止ポイントCSPを採用している場合には、炭素含有ガスの積算値の値が処理停止ポイントに到達しているかどうかが監視されるのである。処理停止ポイントに到達していない間(S124、Nの分岐)は、その値の監視が継続される。処理停止ポイントに到達すると(S124、Yの分岐)、プラズマの停止処理(S126)、ステージ加熱の停止(S128)、および残渣固形物の排出(S130)の各処理が行われる。このためには、コンピューター182によって直接またはシーケンス制御部184によって、真空容器114の排気動作の停止、加熱用電源120の停止、排出機構162の駆動の各処理が指示される。最後に、処理後の残渣固形物の放射能が追加の放射能計172によって測定される。
<第1実施形態:変形例1>
次に、本実施形態の処理停止ポイントの決定の精度を高めるための変形例について説明する。上述の式(2)では、比例係数kを用いる比例関係によって炭素含有ガス濃度の積算値を減容率に対応させていた。ここで比例関係を用いることは、暗黙にいくつかの仮定を含んでいたものといえる。まず、比例関係を用いることは、排気バルブ152および真空ポンプ154を通じた排気ライン150の排気速度が一定であると仮定していることとなる。本来は被処理樹脂22の減容処理の経過中に二酸化炭素センサー156によって測定される炭素含有ガス濃度を単純に積算せず、炭素含有ガスの濃度に排気速度を乗じた単位時間あたりの炭素含有ガス濃度の発生量を算出する必要がある。この補正のためには、排気速度を推定したり流量計を用いたりする。供給される酸素ガスの流量の値を排気速度と関連づけることも可能である。
もう一つの暗黙の仮定が式(2)の換算には含まれていた。それは、炭素以外の酸化される成分すなわち窒素成分、硫黄成分、水素成分の酸化による減容をすべて二酸化炭素などの炭素含有ガスによって代表させることができる、という仮定である。この仮定が成り立たない場合には、比例係数kを用いる比例関係では必ずしも十分な精度で処理停止ポイントが決定されるとは限らない。このため、より高い精度で処理停止ポイントを決定するためには、係数kを用いる式(2)を改良することが好ましい。
本実施形態の変形例としては処理の精度を向上させるために、係数kを置き換えるように変形する。すなわち、係数kを、二酸化炭素の濃度積算値に対する関数とする。この点を図7に基づいて説明する。図7は、この変形の前後での推定減重率と二酸化炭素ガスの濃度積算値との間の関係をグラフによって示す説明図である。図に示したように、二酸化炭素ガスが放出されなくなるまで処理した場合の減重率は、二酸化炭素ガスの濃度積算値を乾燥質量で除算した値がそれ以上大きくならない値の点CFに対応する減重率として縦軸の到達点RFに相当する、として説明する。横軸は、供給される前の被処理樹脂20の乾燥質量を用いることによって規格化し、(二酸化炭素ガスの濃度積算値/乾燥質量)である「規格化積算C量」を採用する。この場合、係数kが定数であるという比例関係を採用する式(2)の場合には、横軸の各値に対する推定減重率は、この点と原点とを結ぶ直線82として表現されていることに注目されたい。
ところが、実際の図7に示される原点から点CFまで範囲は、加熱温度などの処理条件が互いに大きく異なる第1フェーズの処理と第2フェーズの処理にわたるものである。本来の減重率の変化は、炭素成分、窒素成分、硫黄成分、水素成分といった各種の成分が第1フェーズと第2フェーズのどちらで放出されやすいか、といったより現実の減容処理の進み方に応じた状況を反映している。したがって、一般には、原点と点とを通過するものの、曲線となっているといえる。このように曲線を想定することが、式(2)の係数kを、定数ではなく、炭素含有ガスの濃度積算値に対する関数とすることに対応する。具体的には、本発明者の検討によれば、被処理樹脂22が例えばイオン交換樹脂である場合には、イオン交換樹脂の官能基に含まれる窒素成分、硫黄成分、および水酸基は、炭素成分に比べて第1フェーズにおいて多く放出される。逆に炭素成分は、第1フェーズに比べ第2フェーズにおいてより多く排出される。第1フェーズは炭化処理であるためである。そのような場合の実際の減重率の値と規格化積算C量の値と間の関係の一つの典型例を示すと、曲線84のように上に凸の曲線となる。このような曲線は、実際には、被処理樹脂の種類すなわち樹脂の分類区分にも依存し、必ずしも常に上に凸の曲線になるとは限らない。そのため、被処理樹脂22の樹脂の種類ごとに曲線84に相当する曲線を決定しておけば、実際の減重率の値と規格化積算C量の値との間の対応関係を検量線として決定することが可能となる。なお、曲線84は説明のために記載したものであり、実際の被処理樹脂から得られたものではない。
ここで、図3(b)を参照すれば、減容目標値RTが減重率の値として決定されていたので、その値に対応する点を図7の縦軸にもプロットすることができる。その減容目標値RTに対応する規格化積算C量の値を曲線84を用いて求めれば、規格化積算C量の値として処理停止ポイントすなわち炭素処理停止ポイントCSPをより高い精度で決定したこととなる。図7には、炭素処理停止ポイントCSPとして、直線82を用いる場合の炭素処理停止ポイントCSP−1と、曲線84を用いる場合の炭素処理停止ポイントCSP−2を明示している。実施に炭素処理停止ポイントCSP−1とCSP−2との差が問題になるのは、余裕Δ(図3(b))が十分に小さく設定されていて、減容目標値RTが総コストに不連続なジャンプが生じる減重率RJに近いような場合ではないかと発明者は予測している。炭素処理停止ポイントCSP−1よりも高い精度で決定されている炭素処理停止ポイントCSP−2を採用すれば、余裕Δを小さい値に選べるため、減容目標値RTを総コストに不連続なジャンプが生じる減重率RJにより近い値に設定することが可能になる。このため、処理停止ポイントを高精度に決定することにより、減容目標値RTをコスト上有利な値に設定することが可能になる。
なお、曲線84は、樹脂の分類区分ごとの検量線として、検量線データ格納部190(図1)に格納されていると好ましい。イオン交換樹脂は、例えば、イオン交換樹脂被処理樹脂に含まれるアニオンおよびカチオンの比率、それらの種類、イオン交換樹脂が使用された処理系統などの違いによって様々な種類に分類される。検量線データ格納部190には、少なくとも同一の曲線84を用いることが可能な樹脂ごとの分類区分に合せた曲線84が検量線として格納される。処理停止ポイント演算部180は、今次の被処理樹脂のための処理停止ポイントを決定するために、その今次の被処理樹脂が属する樹脂の分類区分の検量線データを検量線データ格納部190から呼び出す。そうすれば、被処理樹脂22の樹脂が実際に示す減容処理の特性を反映した一層高い精度によって、処理停止ポイントを決定することが可能となる。
<第1実施形態:変形例2>
最後に、高い精度で処理停止ポイントを決定するための別の変形例を変形例2として説明する。図1に示したように、被処理樹脂20は定量マス124によって供給される。このため、被処理樹脂20は、質量(重量)ではなく、容積によって一定量ずつ供給されている。ここで、ガス中の炭素の放出量を反映させた推定減重率(式(2)、図7)は、炭素含有ガス濃度の積算値と乾燥質量との比率として決定される。したがって、未処理の被処理樹脂20のかさ密度(powder density)が与えられれば、処理停止ポイント演算部180は式(2)の値や図7の横軸の値を決定することが容易になる。特に乾燥質量を決定するためには、今次の被処理樹脂20の水分率も利用することが好ましい。このため処理停止ポイント演算部180は、かさ密度データと水分率データとを受け付ける。このデータの受付は、何らかの装置からの通信によって行なわれてもよいし、また、減容処理システム1000のオペレータによる入力を受け付けるものであってもよい。処理停止ポイント演算部180は、かさ密度と水分率とを反映させることにより、供給機構122によって供給される所定容積の今次の被処理樹脂に対する乾燥質量を決定することが容易に行えるため、積算値と乾燥質量との比率を処理停止ポイントの決定に反映させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および実施例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、請求の範囲に含まれるものである。
本発明よれば、保管コストまで考慮した場合に総コストが低減された減容処理が可能になることを通じて、イオン交換樹脂を用いる原子力発電設備の低コストでの運転に貢献する。
1000 減容処理システム
20 被処理樹脂
22 供給された被処理樹脂
102 放射能計
110 減容処理装置
112 ステージ
114 真空容器
114R 頂部壁
116 ヒーター
118 ステージ駆動機構
120 加熱用電源
122 供給機構
124 定量マス
126 アーム
128 定量マス駆動機構
130 ガス供給ライン
132 酸素ボンベ
134 レギュレータバルブ
142 高周波コイル
144 高周波電源
150 排気ライン
152 排気バルブ
154 真空ポンプ
156 二酸化炭素センサー
158 圧力制御部
160 圧力センサー
162 排出機構
166 回収ノズル
164 吸引パイプ
170 残渣固形物容器
172 追加の放射能計
180 処理停止ポイント演算部
182 コンピューター
184 シーケンス制御部
188 処理停止ポイント格納部
190 検量線データ格納部
202、204、214、404、414、84 曲線
302、304、82 直線
314、316 分断された直線
CSP 炭素処理停止ポイント
G1 供給側ゲートバルブ
G2 排出側ゲートバルブ
P プラズマ
RJ ジャンプが生じる減重率
RT 減容目標値
RF 到達点
RSP 減重率処理停止ポイント
TSP 時間処理停止ポイント
Δ 余裕

Claims (16)

  1. 放射性物質を伴う被処理樹脂の放射能を測定するようになっており、該放射能の値を示す放射能データまたは放射能信号を出力する放射能計と、
    前記被処理樹脂を加熱処理し、該被処理樹脂それ自体と該被処理樹脂から放出されるガスとの少なくともいずれかまたは両方を酸素プラズマによって酸化処理することにより、前記被処理樹脂を減容処理する減容処理装置と、
    該減容処理装置によって前記被処理樹脂を減容目標値まで減容処理するための処理停止ポイントを、該減容目標値と前記放射能データまたは前記放射能信号とに基づいて決定する処理停止ポイント演算部と
    を備え、
    前記減容処理装置が、前記処理停止ポイントに達すると前記加熱処理および前記酸化処理のうちの少なくともいずれかの処理を停止する
    減容処理システム。
  2. 前記減容処理装置の真空容器と該真空容器からの排気経路とのうちの少なくともいずれかの炭素含有ガスの濃度を測定して濃度データまたは濃度信号を出力するガス濃度測定器
    をさらに備え、
    前記処理停止ポイント演算部が、前記濃度データまたは前記濃度信号の示す濃度の積算値を算出する積算部をさらに有するとともに、前記処理停止ポイントを決定する前記演算のために前記積算値を用いるものである
    請求項1に記載の減容処理システム。
  3. 前記ガス濃度測定器から出力される処理の完了までの前記炭素含有ガスの濃度に関する検量線データを樹脂の分類区分ごとに格納する検量線データ格納部
    をさらに備え、
    前記処理停止ポイント演算部が、今次の被処理樹脂のための前記処理停止ポイントを決定するために、前記今次の被処理樹脂が属する樹脂の分類区分の検量線データを該検量線データ格納部から呼び出すものである
    請求項2に記載の減容処理システム。
  4. 所定の容積を単位として前記被処理樹脂を供給する供給機構を前記減容処理装置が有し、
    前記処理停止ポイント演算部が、
    今次の被処理樹脂についてのかさ密度を示すかさ密度データと、該今次の被処理樹脂の水分率を示す水分率データとを受け付けて、
    前記かさ密度と前記水分率とを反映させることにより、前記供給機構によって供給される前記所定容積の今次の被処理樹脂に対する乾燥質量を決定し、
    前記積算値と前記乾燥質量との比率を、前記処理停止ポイントの決定に反映させる
    ものである
    請求項2に記載の減容処理システム。
  5. 前記減容処理装置が、
    前記被処理樹脂を第1温度に加熱して分解または炭化によって該被処理樹脂から放出されたガスを前記酸素プラズマによって酸化する第1処理と、
    該第1処理を経た前記被処理樹脂を前記第1温度よりも高い温度である第2温度に加熱して前記被処理樹脂それ自体を前記酸素プラズマによって分解または酸化することによって前記被処理樹脂を灰化する第2処理と
    を実施するものである
    請求項1に記載の減容処理システム。
  6. 前記処理停止ポイント演算部が、前記第2処理を処理している期間に位置するように前記処理停止ポイントを設定する
    請求項5に記載の減容処理システム。
  7. 前記減容処理装置により前記処理停止ポイントまで処理が施された前記被処理樹脂の残渣固形物の放射能を測定して残留放射線データまたは残留放射線信号を出力する追加の放射能計
    をさらに備える
    請求項1に記載の減容処理システム。
  8. 前記減容目標値が、前記被処理樹脂の残渣固形物を廃棄または保管するための保管クラスに従って決定されている
    請求項1に記載の減容処理システム。
  9. 放射能計が、放射性物質を伴う被処理樹脂の放射能を測定して、該放射能の値を示す放射能データまたは放射能信号を出力するステップと、
    減容処理装置が、前記被処理樹脂を加熱処理し、該被処理樹脂それ自体と該被処理樹脂から放出されるガスとの少なくともいずれかまたは両方を酸素プラズマによって酸化処理することにより、前記被処理樹脂を減容処理するステップと、
    処理停止ポイント演算部が、前記減容処理装置によって前記被処理樹脂を減容目標値まで減容処理するための処理停止ポイントとする処理所要時間または処理停止時刻を、該減容目標値と前記放射能データまたは前記放射能信号とに基づいて決定するステップと、
    前記減容処理装置が、前記処理停止ポイントに達すると前記加熱処理および前記酸化処理のうちの少なくともいずれかの処理を停止するステップと
    を含む
    減容処理方法。
  10. ガス濃度測定器が、前記減容処理装置の真空容器と該真空容器からの排気経路とのうちの少なくともいずれかの炭素含有ガスの濃度を測定して濃度データまたは濃度信号として出力するステップと、
    前記処理停止ポイント演算部が、積算部により、前記濃度データまたは前記濃度信号の示す濃度の積算値を算出するステップと、
    前記処理停止ポイント演算部が、前記積算値を、前記処理停止ポイントを決定する前記演算のために用いるステップと
    をさらに含む
    請求項9に記載の減容処理方法。
  11. 検量線データ格納部が、前記ガス濃度測定器から出力される処理の完了までの前記炭素含有ガスの濃度に関する検量線データを樹脂の分類区分ごとに格納するステップと、
    前記処理停止ポイント演算部が、今次の被処理樹脂のための前記処理停止ポイントを決定するために、前記今次の被処理樹脂が属する樹脂の分類区分の検量線データを該検量線データ格納部から呼び出すステップと
    をさらに含む
    請求項10に記載の減容処理方法。
  12. 前記減容処理装置の供給機構が、所定の容積を単位として前記被処理樹脂を供給するステップと、
    前記処理停止ポイント演算部が、今次の被処理樹脂についてのかさ密度を示すかさ密度データと、該今次の被処理樹脂の水分率を示す水分率データとを受け付けるステップと、
    前記処理停止ポイント演算部が、前記かさ密度と前記水分率とを反映させることにより、前記供給機構によって供給される前記所定容積の今次の被処理樹脂に対する乾燥質量を決定するステップと、
    前記処理停止ポイント演算部が、前記積算値と前記乾燥質量との比率を、前記処理停止ポイントの決定に反映させるステップと
    をさらに含む
    請求項10に記載の減容処理方法。
  13. 前記減容処理するステップは、
    前記減容処理装置が、前記被処理樹脂を第1温度に加熱して分解または炭化によって該被処理樹脂から放出されたガスを前記酸素プラズマによって酸化する第1処理ステップと、
    前記減容処理装置が、該第1処理を経た前記被処理樹脂を前記第1温度よりも高い温度である第2温度に加熱して前記被処理樹脂それ自体を前記酸素プラズマによって分解または酸化することによって前記被処理樹脂を灰化する第2処理ステップと
    を含むものである
    請求項9に記載の減容処理方法。
  14. 前記処理停止ポイント演算部が、前記第2処理を処理している期間に位置するように前記処理停止ポイントを設定するステップ
    をさらに含む
    請求項13に記載の減容処理方法。
  15. 追加の放射能計が、前記減容処理装置により前記処理停止ポイントまで処理が施された前記被処理樹脂の残渣固形物の放射能を測定して残留放射線データまたは残留放射線信号として出力するステップ
    をさらに含む
    請求項9に記載の減容処理方法。
  16. 前記減容目標値が、前記被処理樹脂の残渣固形物を廃棄または保管するための放射能の区分に従って決定されている
    請求項9に記載の減容処理方法。
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