以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るIP電話システムの概略図である。
図示するように、本実施の形態に係るIP電話システムは、ソフトフォン等のIP電話端末3と、Wi−Fiフォン等の無線IP電話端末4と、IP電話端末3および無線IP電話端末4の呼制御を処理する主装置1と、IP電話端末3および無線IP電話端末4のスケジュールを管理するスケジュール管理装置2と、主装置1、スケジュール管理装置2およびIP電話端末3を相互接続するLAN7と、無線IP電話端末4をLAN7に接続する無線AP(アクセスポイント)5と、LAN7をWAN8に接続するGW(ゲートウェイ)6と、を有する。なお、ここでは、IP電話端末3および無線IP電話端末4をそれぞれ複数台示しているが、本実施の形態に係るIP電話システムには無線IP電話端末4が少なくとも一台あればよい。
まず、主装置1の詳細を説明する。
図2は、主装置1の概略構成図である。
図示するように、主装置1は、ネットワークIF部11と、局データ記憶部12と、トーキー記憶部13と、音声メッセージ記憶部14と、圏内・圏外状態記憶部15と、プレゼンス情報記憶部16と、呼制御部17と、自動応答部18と、プレゼンス管理部19と、を有する。
ネットワークIF部11は、LAN7を介して、スケジュール管理装置2、IP電話端末3、無線IP電話端末4等のIP端末に接続するためのインターフェースであり、トランスポート層以下の各層のプロトコル(TCP(Transmission Control Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)、IP、イーサネット(登録商標)等)を処理する。
局データ記憶部12には、IP電話端末3および無線IP電話端末4の呼制御を処理するために必要な局データが記憶されている。ここで、局データには、各端末3、4に割り当てられた電話番号(以下、端末番号と呼ぶ)、IPアドレス(以下、端末アドレスと呼ぶ)等が含まれる。
トーキー記憶部13には、「圏外」を含む、予め定められたプレゼンス毎に、プレゼンスを知らせるトーキー(プレゼンス通知用の固定音声データ)が記憶されている。
図3(A)は、トーキー記憶部13の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、トーキー記憶部13には、予め定められたプレゼンス毎にレコード1300が登録されている。レコード1300は、プレゼンスの内容(圏外、不在、来客、会議、出張、休暇等)が登録されたフィールド1301と、このプレゼンスに割り当てられた識別コード(番号列)が登録されたフィールド1302と、このプレゼンスを知らせるためのトーキー(音声データ)が登録されたフィールド1303と、を有する。
音声メッセージ記憶部14には、IP電話端末3または無線IP電話端末4のユーザから受け付けた音声メッセージ(プレゼンス通知用のユーザ設定音声データ)が記憶される。
図3(B)は、音声メッセージ記憶部14の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、音声メッセージ記憶部14にはレコード1400が登録される。レコード1400は、IP電話端末3または無線IP電話端末4の端末アドレスを登録するフィールド1401と、この端末アドレスを持つIP電話端末3または無線IP電話端末4のユーザから受け付けた音声メッセージを登録するフィールド1402と、を有する。
圏内・圏外状態記憶部15には、無線IP電話端末4毎に、対象の無線IP電話端末4が本主装置1の圏内に位置しているか、それとも圏外に位置しているかを示す圏内・圏外状態が記憶される。
図4(A)は、圏内・圏外状態記憶部15の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、圏内・圏外状態記憶部15には、無線IP電話端末4毎にレコード1500が登録されている。レコード1500は、無線IP電話端末4の端末アドレスが登録されたフィールド1501と、この無線IP電話端末4の圏内・圏外状態を登録するフィールド1502と、を有する。
プレゼンス情報記憶部16には、IP電話端末3または無線IP電話端末4のユーザから受け付けたプレゼンス情報が記憶される。
図4(B)は、プレゼンス情報記憶部16の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、プレゼンス情報記憶部16にはレコード1600が登録される。レコード1600は、プレゼンス情報登録要求元(IP電話端末3または無線IP電話端末4)の端末アドレスを登録するフィールド1601と、プレゼンス情報登録要求元のユーザから受け付けたプレゼンスの識別コードを登録するフィールド1602と、プレゼンス情報登録要求元のユーザからプレゼンスの終了時刻を受け付けた場合に、この終了時刻を登録するフィールド1603と、プレゼンス情報登録要求元が無線IP電話端末4である場合に、この無線IP電話端末4のユーザから受け付けた優先度を登録するフィールド1604と、を有する。ここで、優先度とは、無線IP電話端末4に対する呼の発信元に対して、この無線IP電話端末4のユーザから受け付けたプレゼンスの通知を圏内・圏外状態の通知よりも優先するか否かを特定する情報である。
呼制御部17は、SIP(Session Initiation Protocol)等の呼制御プロトコルに従い、局データ記憶部12に記憶されている局データを用いて、IP電話端末3および無線IP電話端末4各々の呼制御を処理する。
自動応答部18は、IP電話端末3または無線IP電話端末4を宛先とする呼の着信に対して、このIP電話端末3または無線IP電話端末4が応答できない状態にある場合に、この着信に応答して、トーキー記憶部13に記憶されているトーキー、あるいは音声メッセージ記憶部14に記憶されている音声メッセージを、この呼の発信元に送信する。
プレゼンス管理部19は、IP電話端末3および無線IP電話端末4各々のプレゼンスを管理する。図示するように、プレゼンス管理部19は、要求受付部191と、イベント取得部192と、端末監視部193と、記憶制御部194と、を有する。
要求受付部191は、IP電話端末3または無線IP電話端末4から、プレゼンス情報の登録要求あるいは削除要求を受け付ける。
イベント取得部192は、スケジュール管理装置2から、開催中のイベントのイベント情報を取得する。なお、イベント情報には、スケジュール管理対象のIP電話端末3または無線IP電話端末4(スケジュール管理対象端末)の端末アドレス、イベント開催中におけるスケジュール管理対象端末のプレゼンスの識別コード、イベントの終了時刻、およびプレゼンスの優先度(ただし、プレゼンスの優先度はスケジュール管理対象端末が無線IP電話端末4の場合のみ)が含まれる。
端末監視部193は、無線IP電話端末4各々の圏外・圏外状態を監視する。そして、その監視結果に従って圏内・圏外状態記憶部15を更新する。
記憶制御部194は、要求受付部191で受け付けたプレゼンス情報の登録要求あるいは削除要求に従って、プレゼンス情報記憶部16および音声メッセージ記憶部14を更新する。また、イベント取得部192により取得したイベント情報に従ってプレゼンス情報記憶部16を更新する。
図5は、図2に示す主装置1の圏内・圏外状態監視処理を説明するためのフロー図である。このフローは、例えば定期的に到来する圏内・圏外状態監視タイミングになると開始される。
端末監視部193は、圏内・圏外状態記憶部15から未選択のレコード1500を選択し(S101)、この選択したレコード1500のフィールド1501に登録されている端末アドレスを宛先アドレスとする存続確認メッセージ(例えばPING)を、ネットワークIF部11を介してLAN7に送出する(S102)。そして、所定時間、この存続確認メッセージに対する応答が届くのを待つ(S103)。
つぎに、端末監視部193は、所定時間内に、ネットワークIF部11を介してLAN7から、この存続確認メッセージに対する応答を受信したならば(S103でYES)、選択したレコード1500のフィールド1502に登録されている圏内・圏外状態を「圏内」に更新する(S104)。
一方、端末監視部193は、この存続確認メッセージに対する応答を所定時間内に受信しなかったならば(S103でNO)、選択したレコード1500のフィールド1502に登録されている圏内・圏外状態を「圏外」に更新する(S105)。
それから、端末監視部193は、圏内・圏外状態記憶部15に未選択のレコード1500が登録されているか否かを調べる(S106)。その結果、未選択のレコード1500があるならば(S106でYES)、S101に戻り、未選択のレコード1500がないならば(S106でNO)、このフローを終了する。
図6は、図2に示す主装置1のイベント情報取得処理を説明するためのフロー図である。このフローは、例えば定期的に到来するイベント情報取得タイミングになると開始される。
イベント取得部192は、スケジュール管理装置2から開催中のイベントのイベント情報を取得するため、ネットワークIF部11を介してスケジュール管理装置2にイベント情報送信要求を送信する(S111)。
つぎに、イベント取得部192は、ネットワークIF部11を介してスケジュール管理装置2から、イベント情報送信要求に対する応答を受信したならば、この応答にイベント情報が含まれているか否かを判断する(S112)。応答にイベント情報が含まれていないならば(S112でNO)、このフローを終了する。
一方、応答にイベント情報が含まれているならば(S112でYES)、イベント取得部192は、この応答に含まれているイベント情報のなかから未選択のイベント情報を選択し(S113)、このイベント情報を記憶制御部194に渡す。
これを受けて、記憶制御部194は、渡されたイベント情報に含まれている端末アドレスをキーにしてプレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索する(S114)。そして、プレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索できた場合(S115でYES)、記憶制御部194は、このレコード1600のフィールド1602〜1604の登録内容を、渡されたイベント情報に含まれているプレゼンスの識別コード、イベントの終了時刻(プレゼンスの終了時刻)、およびプレゼンスの優先度に更新する(S116)。ただし、渡されたイベント情報にプレゼンスの優先度が含まれていない場合は、フィールド1604を空欄とする。
一方、プレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索できなかった場合(S115でNO)、記憶制御部194は、プレゼンス情報記憶部16に新たなレコード1600を追加し、このレコード1600のフィールド1601〜1604に、渡されたイベント情報に含まれている端末アドレス、プレゼンスの識別コード、イベントの終了時刻(プレゼンスの終了時刻)、およびプレゼンスの優先度を登録する(S117)。ただし、選択したイベント情報にプレゼンスの優先度が含まれていない場合は、フィールド1604を空欄とする。
それから、イベント取得部192は、イベント情報送信要求に対する応答に未選択のイベント情報が含まれているか否かを判断する(S118)。未選択のイベント情報が含まれているならば(S118でYES)、S113に戻り、未選択のイベント情報が含まれていないならば(S118でNO)、このフローを終了する。
図7は、図2に示す主装置1のプレゼンス情報自動削除処理を説明するためのフロー図である。
記憶制御部194は、プレゼンス情報記憶部16に記憶されているレコード1600のなかから、フィールド1603に登録された終了時刻が到来または経過したレコード1600を定期的に検索する(S121、S122)。そして、該当するレコード1600を検索できたならば(S122でYES)、このレコード1600のフィールド1601に登録されている端末アドレスを取得し、その後、このレコード1600をプレゼンス情報記憶部16から削除する(S123)。
それから、記憶制御部194は、削除したレコード1600のフィールド1601に登録されていた端末アドレスをキーにして、音声メッセージ記憶部14からレコード1400を検索する(S124)。そして、レコード1400を検索できたならば(S125でYES)、このレコード1400を音声メッセージ記憶部14から削除する(S126)。
つぎに、記憶制御部194は、要求受付部191に、削除したレコード1600のフィールド1601に登録されていた端末アドレスを通知して削除報告を指示する。これを受けて、要求受付部191は、通知された端末アドレスを宛先とするプレゼンス情報削除報告メッセージを生成し、このプレゼンス情報削除報告メッセージをネットワークIF部11から送信する(S127)。
図8は、図2に示す主装置1の発信処理を説明するためのフロー図である。このフローは、呼制御部17がネットワークIF部11を介してIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4(以下、発信元端末と呼ぶ)からダイヤル情報を受信することにより開始される。
まず、呼制御部17は、発信元端末から受信したダイヤル情報が示す宛先番号が、本主装置1に割り当てられたプレゼンス管理用の所定の番号(以下、登録特番と呼ぶ)であるか否かを判断する(S131)。宛先番号が登録特番でない場合(S131でNO)、呼制御部17は、所定の呼制御手順に従って通常の発信処理を行う(S144)。
一方、宛先番号が登録特番である場合(S131でYES)、呼制御部17は、プレゼンス情報の受付けを要求受付部191に指示する。これを受けて、要求受付部191は、ネットワークIF部11を介して発信元端末に、プレゼンス情報の登録要求または削除要求の入力を促す音声ガイダンスを送出し、発信元端末から要求を受け付ける(S132)。
つぎに、要求受付部191は、発信元端末から受け付けた要求がプレゼンス情報の削除要求であるならば(S133で「削除」)、記憶制御部194に、発信元端末の端末アドレスを通知してプレゼンス情報の削除を指示する。これを受けて、記憶制御部194は、発信元端末の端末アドレスをキーにして、プレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索し、このレコード1600を削除する。同様に、発信元端末の端末アドレスをキーにして音声メッセージ記憶部14からレコード1400を検索し、レコード1400を検索できたならばこれを削除する(S134)。
一方、要求受付部191は、発信元端末から受け付けた要求がプレゼンス情報の登録要求であるならば(S133で「登録」)、記憶制御部194に、発信元端末の端末アドレスを通知してプレゼンス情報の検索を指示する。これを受けて、記憶制御部194は、発信元端末の端末アドレスをキーにして、プレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索し、その検索結果を要求受付部191に通知する(S135)。
記憶制御部194が発信元端末の端末アドレスをキーにしてプレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索できなかった場合(S136でNO)、要求受付部191は、ネットワークIF部11を介して発信元端末に、プレゼンス情報の入力を促す音声ガイダンスを送信し、発信元端末からプレゼンス情報を受け付けると、このプレゼンス情報を記憶制御部194に通知する。これを受けて、記憶制御部194は、プレゼンス情報記憶部16に新たなレコード1600を追加し、このレコード1600のフィールド1601に発信元端末の端末アドレスを登録するとともに、フィールド1602〜1604に、プレゼンス情報に含まれているプレゼンスの識別コード、プレゼンスの終了時刻、およびプレゼンスの優先度を登録する(S137)。ただし、プレゼンス情報にプレゼンスの終了時刻、優先度が含まれていない場合は、フィールド1603、1604を空欄とする。
一方、記憶制御部194が発信元端末の端末アドレスをキーにしてプレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索できた場合(S136でYES)、要求受付部191は、ネットワークIF部11を介して発信元端末に、プレゼンス情報が登録済みであることを通知して、プレゼンス情報の更新確認を問い合わせる(S138)。そして、発信元端末から受け付けた、問合せに対する応答が「更新中止」であるならば(S139でNO)、発信元端末からプレゼンス情報を受け付けることなく、このフローを終了する。
一方、発信元端末から受け付けた、問合せに対する応答が「更新実行」であるならば(S139でYES)、要求受付部191は、ネットワークIF部11を介して発信元端末からプレゼンス情報を受け付け、このプレゼンス情報を記憶制御部194に通知する。これを受けて、記憶制御部194は、S135でプレゼンス情報記憶部16から検索したレコード1600のフィールド1602〜1604の登録内容を、プレゼンス情報に含まれているプレゼンスの識別コード、プレゼンスの終了時刻、およびプレゼンスの優先度に更新する(S140)。ただし、プレゼンス情報に、プレゼンスの終了時刻、優先度が含まれていない場合は、フィールド1603、1604を空欄とする。
このようにして、S137で新たなプレゼンス情報がプレゼンス情報記憶部16に登録された場合、または、S140でプレゼンス情報記憶部16の既登録プレゼンス情報が更新された場合、要求受付部191は、ネットワークIF部11を介して発信元端末に、音声メッセージの登録を行うか否かの確認を問い合わせる(S141)。そして、発信元端末から受け付けた、問合せに対する応答が「音声メッセージなし」であるならば(S142でNO)、発信元端末から音声メッセージを受け付けることなく、このフローを終了する。
一方、発信元端末から受け付けた、問合せに対する応答が「音声メッセージあり」であるならば(S142でYES)、要求受付部191は、ネットワークIF部11を介して発信元端末から音声メッセージを受け付け、この音声メッセージを記憶制御部194に通知する。これを受けて、記憶制御部194は、発信元端末の端末アドレスをキーにして音声メッセージ記憶部14からレコード1400を検索する。そして、レコード1400を検索できた場合は、このレコード1400のフィールド1402の登録内容を、要求受付部191から受け付けた音声メッセージに更新する。レコード1400を検索できなかった場合は、音声メッセージ記憶部14に新たなレコード1400を追加し、このレコード1400のフィールド1401、1402に、発信元端末の端末アドレス、要求受付部191から受け付けた音声メッセージを登録する(S143)。
図9は、図2に示す主装置1の着信処理を説明するためのフロー図である。このフローは、IP電話端末3あるいは無線IP電話端末4の電話番号(端末番号)を宛先番号とする呼がネットワークIF部11を介して呼制御部17に着信することにより開始される。
呼制御部17は、局データ記憶部12を参照して、呼の宛先番号に対応する端末アドレスを特定し、この端末アドレスを自動応答部18に通知する(S151)。これを受けて、自動応答部18は、呼制御部17から受け取った端末アドレスをキーにしてプレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索する(S152)。
呼制御部17から受け取った端末アドレスをキーにプレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索できた場合(S153でYES)、自動応答部18は、このレコード1600のフィールド1604に登録されているプレゼンスの優先度が「優先する」であるならば(S154でYES)、呼制御部17から受け取った端末アドレスをキーにして音声メッセージ記憶部14からレコード1400をさらに検索する(S155)。そして、自動応答部18は、該当するレコード1400を音声メッセージ記憶部14から検索できたならば(S156でYES)、呼制御部17と連携して、着信した呼に自動応答し、この呼の発信元に、このレコード1400のフィールド1402に登録されている音声メッセージの再生信号を送信する(S157)。その後、呼制御部17は、所定の呼制御手順に従って通常の呼制御処理を行う。
また、自動応答部18は、該当するレコード1400を音声メッセージ記憶部14から検索できなかったならば(S156でNO)、プレゼンス情報記憶部16から検索したレコード1600のフィールド1602に登録されている識別コードをキーにしてトーキー記憶部13からレコード1300を検索する(S158)。そして、自動応答部18は、呼制御部17と連携し、着信した呼に自動応答して、この呼の発信元に、トーキー記憶部13から検索したレコード1300のフィールド1303に登録されているトーキーの再生信号を送信する(S159)。その後、呼制御部17は、所定の呼制御手順に従って通常の呼制御処理を行う。
一方、呼制御部17から受け取った端末アドレスをキーにプレゼンス情報記憶部16からレコード1600を検索できなかった場合(S153でNO)、または、この端末アドレスをキーにプレゼンス情報記憶部16から検索したレコード1600のフィールド1604に登録されているプレゼンスの優先度が「優先しない」あるいは空欄である場合(S154でNO)、自動応答部18は、呼制御部17から受け取った端末アドレスをキーにして圏内・圏外状態記憶部15からレコード1500を検索する(S160)。
呼制御部17から受け取った端末アドレスをキーに圏内・圏外状態記憶部15からレコード1500を検索できた場合(S161でYES)、自動応答部18は、このレコード1500のフィールド1502に登録されている圏内・圏外状態が「圏外」であるならば(S162でYES)、プレゼンス「圏外」に割り当てられている識別コードをキーにしてトーキー記憶部13からレコード1300を検索する(S163)。そして、自動応答部18は、呼制御部17と連携し、着信した呼に自動応答して、この呼の発信元に、トーキー記憶部13から検索したレコード1300のフィールド1303に登録されているトーキーの再生信号を送信する(S159)。その後、呼制御部17は、所定の呼制御手順に従って通常の呼制御処理を行う。
一方、呼制御部17から受け取った端末アドレスをキーに圏内・圏外状態記憶部15からレコード1500を検索できなかった場合(S161でNO)、あるいは、この端末アドレスをキーに圏内・圏外状態記憶部15から検索したレコード1500のフィールド1502に登録されている圏内・圏外状態が「圏内」である場合(S162でNO)、自動応答部18は、S153での結果が「YES」、すなわち、呼の宛先が、プレゼンス情報登録済みIP電話端末3、または、ユーザ指定のプレゼンスを優先しない圏内のプレゼンス情報登録済み無線IP電話端末4であるならば(S164でYES)、S155に戻って処理を続ける。また、S153での結果が「NO」、すなわち、呼の宛先が、プレゼンス情報未登録IP電話端末3または圏内のプレゼンス情報未登録無線IP電話端末4であるならば(S164でNO)、呼制御部17に通常処理を指示する。これを受けて、呼制御部17は、所定の呼制御手順に従って着信処理を行い、ネットワークIF部11を介して、呼の宛先番号に対応する端末アドレスを持つIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4を呼び出す(S165)。
つぎに、スケジュール管理装置2の詳細を説明する。
図10は、スケジュール管理装置2の概略構成図である。
図示するように、スケジュール管理装置2は、ネットワークIF部21と、スケジュール情報記憶部22と、スケジュール情報受付部23と、イベント情報検索部24と、イベント情報送信要求受付部25と、を有する。
ネットワークIF部21は、LAN7を介して、主装置1、IP電話端末3、無線IP電話端末4等のIP端末に接続するためのインターフェースであり、トランスポート層以下の各層のプロトコル(TCP、UDP、IP、イーサネット(登録商標)等)を処理する。
スケジュール情報記憶部22には、IP電話端末3および無線IP電話端末4各々のスケジュール情報が記憶されている。
図11は、スケジュール情報記憶部22の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、スケジュール情報記憶部22には、IP電話端末3あるいは無線IP電話端末4(スケジュール管理対象端末)の端末アドレス毎に、計画されているイベント単位でスケジュール情報が登録されるテーブル220が記憶されている。テーブル220には、イベント毎にレコード2200が登録される。レコード2200は、イベント開始日時を登録するフィールド2201と、イベント終了日時を登録するフィールド2202と、イベント開催中におけるスケジュール管理対象端末のプレゼンスの識別コードを登録するフィールド2203と、スケジュール管理対象端末が無線IP電話端末4である場合にプレゼンスの優先度を登録するフィールド2204と、主装置1へのイベント情報の送信状況を登録するフィールド2205と、を有する。
スケジュール情報受付部23は、IP電話端末3あるいは無線IP電話端末4から、イベントの開始日時・終了日時、プレゼンスの識別コードおよびプレゼンスの優先度(優先度は無線IP電話端末4の場合のみ)をイベント単位で受け付けて、このIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4の端末アドレスに対応付けられてスケジュール情報記憶部22に記憶されたテーブル220にスケジュール情報を登録する。
なお、IP電話端末3および無線IP電話端末4が、Webブラウザ端末、あるいはFTP(File Transfer Protocol)クライアントとしての機能を備えている場合、スケジュール情報受付部23には、CGI(Common Gateway Interface)機能を備えたWebサーバ、FTPサーバを利用できる。
イベント情報検索部24は、イベント情報送信要求受付部25の指示に従い、スケジュール情報記憶部22に記憶されている各テーブル220から、フィールド2201に登録されたイベント開始日時が到来または経過し、かつフィールド2205に登録された送信状況が「未送信」のレコード2200を検索する。そして、検索したレコード2200のフィールド2205に登録されている送信状況を「送信済」に変更するとともに、このレコード2200のフィールド2202〜2204に登録されたイベント終了日時、プレゼンスの識別コード、およびプレゼンスの優先度を含むイベント情報をイベント情報送信要求受付部25に通知する。
イベント情報送信要求受付部25は、ネットワークIF部21を介して主装置1からイベント情報送信要求を受け付けると、イベント情報検索部24に、開催中のイベントの検索を指示する。そして、イベント情報検索部24から受け取ったイベント情報を、ネットワークIF部21を介して主装置1に送信する。
図12は、図10に示すスケジュール管理装置2の動作を説明するためのフロー図である。
スケジュール情報受付部23は、ネットワークIF部21を介して、IP電話端末3あるいは無線IP電話端末4(以下、要求元端末と呼ぶ)からスケジュール情報登録要求を受け付けると(S201でYES)、要求元端末から、イベント開始日時、イベント終了日時、プレゼンスの識別コードおよびプレゼンスの優先度(要求元端末が無線IP電話端末4の場合のみ)をイベント単位で受け付ける(S202)。それから、スケジュール情報受付部23は、要求元端末の端末アドレスに対応付けられてスケジュール情報記憶部22に記憶されたテーブル220を検索して、このテーブル220に新たなレコード2200を追加し、このレコード2200のフィールド2201〜2205に、受け付けた情報および送信状況「未送信」を登録する(S203)。
また、イベント情報送信要求受付部25は、ネットワークIF部21を介して主装置1からイベント情報送信要求を受け付けると(S204でYES)、イベント情報検索部24に開催中のイベントの検索を指示する。これを受けて、イベント情報検索部24は、スケジュール情報記憶部22に記憶されている各テーブル220から、フィールド2201に登録されたイベント開始日時が到来または経過し、かつフィールド2205に登録された送信状況が「未送信」のレコード2200を検索する(S205)。
フィールド2201に登録されているイベント開始日時が到来または経過し、かつフィールド2205に登録された送信状況が「未送信」のレコード2200を検索できなかった場合(S206でNO)、イベント情報検索部24は、その旨をイベント情報送信要求受付部25に通知する。これを受けて、イベント情報送信要求受付部25は、該当するイベント情報がない旨のメッセージを含む応答を、ネットワークIF部21を介して主装置1に送信する(S207)。
一方、フィールド2201に登録されたイベント開始日時が到来または経過し、かつフィールド2205に登録された送信状況が「未送信」のレコード2200を検索できた場合(S206でYES)、イベント情報検索部24は、検索したレコード2200のフィールド2205に登録されている送信状況を「送信済」に変更するとともに(S208)、レコード2200を検索したテーブル220に対応付けられた端末アドレス、フィールド2202〜2204に登録されているイベント終了日時、プレゼンスの識別コード、およびプレゼンスの優先度を含むイベント情報を、イベント情報送信要求受付部25に通知する。これを受けて、イベント情報送信要求受付部25は、イベント情報検索部24から受け取ったイベント情報を含む応答を、ネットワークIF部21を介して主装置1に送信する(S209)。
つぎに、本実施の形態に係るIP電話システム動作例を説明する。
図13(A)は、プレゼンス情報を登録する場合のIP電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。ここでは、無線IP電話端末4のプレゼンス情報が登録される場合を例示している。
無線IP電話端末4は、ユーザによりオフフックされると、無線AP5を介して主装置1にオフフック信号を送信する(S301)。ついで、無線IP電話端末4は、無線AP5を介して主装置1に、ユーザによりダイヤルされた登録特番を示すダイヤル情報を送信する(S302)。
主装置1は、無線AP5を介して無線IP電話端末4から、オフフック信号、登録特番を示すダイヤル情報を受信すると、この無線IP電話端末4との間にセッションを確立し、このセッションを介して無線IP電話端末4に音声ガイダンスを送信し、無線IP電話端末4のユーザにプレゼンス情報の登録要求または削除要求の入力を促す(S303)。
ここで、無線IP電話端末4のユーザにより、登録要求に対応する番号がダイヤルされ、セッションを介して無線IP電話端末4から主装置1に、登録要求を示すダイヤル情報が伝送されたものとする(S304)。これを受けて、主装置1は、セッションを介して無線IP電話端末4に音声ガイダンスを送信して、無線IP電話端末4のユーザにプレゼンス情報の入力を促す(S305)。
つぎに、無線IP電話端末4は、セッションを介して主装置1に、ユーザによりダイヤルされたプレゼンスの識別コード、終了時刻、および優先度を示すダイヤル情報を送信する(S306)。これを受けて、主装置1は、無線IP電話端末4より受け付けたダイヤル情報が示す識別コード、終了時刻、および優先度と、無線IP電話端末4の端末アドレスと、を含むプレゼンス情報を登録する(S307)。
図13(B)は、プレゼンス情報を削除する場合のIP電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。ここでは、無線IP電話端末4のプレゼンス情報が削除される場合を例示している。
無線IP電話端末4は、ユーザによりオフフックされると、無線AP5を介して主装置1にオフフック信号を送信する(S311)。ついで、無線IP電話端末4は、無線AP5を介して主装置1に、ユーザによりダイヤルされた登録特番を示すダイヤル情報を送信する(S312)。
主装置1は、無線AP5を介して無線IP電話端末4から、オフフック信号、登録特番を示すダイヤル情報を受信すると、この無線IP電話端末4との間にセッションを確立し、このセッションを介して無線IP電話端末4に音声ガイダンスを送信し、無線IP電話端末4のユーザにプレゼンス情報の登録要求または削除要求の入力を促す(S313)。
ここで、無線IP電話端末4のユーザにより、削除要求に対応する番号がダイヤルされ、セッションを介して無線IP電話端末4から主装置1に、削除要求を示すダイヤル情報が伝送されたものとする(S314)。これを受けて、主装置1は、無線IP電話端末4の端末アドレスを含むプレゼンス情報を削除する(S315)。
図14(A)は、プレゼンス情報を自動削除する場合のIP電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。ここでは、無線IP電話端末4のプレゼンス情報が自動削除される場合を例示している。
主装置1は、各プレゼンス情報の終了時刻を監視し、終了時刻が到来または経過したプレゼンス情報があるならば(S321)、このプレゼンス情報を削除するとともに(S322)、このプレゼンス情報に含まれている端末アドレスへプレゼンス情報削除報告メッセージを送信する(S323)。
図14(B)は、イベント情報に基づいてプレゼンス情報を更新する場合のIP電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
主装置1は、定期的に到来する所定のイベント情報取得タイミングになると、スケジュール管理装置2にイベント情報送信要求を送信する(S331)。これを受けて、スケジュール管理装置2は、開始時刻が到来または経過しており、かつ未送信のイベント情報を検索する(S332)。そして、このようなイベント情報があるならば、それを主装置1に送信する(S333)。主装置1は、スケジュール管理装置2から受け取ったイベント情報に含まれている端末アドレス、イベントの終了時刻、プレゼンスの識別コード、およびプレゼンスの優先度を含むプレゼンス情報を生成して登録する(S334)。
図14(C)は、各無線IP電話端末4の圏内・圏外状態を確認する場合のIP電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
主装置1は、定期的に到来する所定の圏内・圏外状態監視タイミングになると、無線AP5を介して無線IP電話端末4各々に存続確認メッセージを送信する(S341)。この存続確認メッセージを受信した無線IP電話端末4は、主装置1に応答を返信する(S342)。主装置1は、各無線IP電話端末4からの応答の有無に基づいて各無線IP電話端末4の圏内・圏外状態を更新する(S343)。
図15(A)は、外線からの着信に対して自動応答する場合のIP電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
主装置1は、GW6を介してWAN8から、IP電話端末3または無線IP電話端末4を宛先とする接続要求を受信すると(S351)、この宛先のプレゼンス情報が登録されているか否か、およびこの宛先が無線IP電話端末4であるならば、その圏内・圏外状態を確認する。そして、「宛先のプレゼンス情報が登録されている」、および「宛先が無線IP電話端末4であり、かつその圏内・圏外状態が圏外である」の少なくとも一方に該当する場合、主装置1はこの接続要求に自動応答し(S352)、接続要求の送信元に接続確認を返信する(S353)。これにより、主装置1と接続要求の送信元との間にセッションを確立する。
つぎに、主装置1は、宛先に対応する音声メッセージまたは適当なトーキーを再生する(S354)。具体的には、「宛先のプレゼンス情報が登録されている」のみに該当する場合、宛先に対応付けられた音声メッセージが登録されているならば、この音声メッセージを再生し、そのような音声メッセージが登録されていないならば、プレゼンス情報に含まれている識別コードに対応するトーキーを再生する。また、「宛先が無線IP電話端末4であり、かつその圏内・圏外状態が圏外である」のみに該当する場合、プレゼンス「圏外」の識別コードに対応するトーキーを再生する。そして、「宛先のプレゼンス情報が登録されている」および「宛先が無線IP電話端末4であり、かつその圏内・圏外状態が圏外である」の両方に該当する場合、プレゼンス情報に含まれているプレゼンスの優先度が「優先する」ならば、「宛先のプレゼンス情報が登録されている」のみに該当する場合と同様の要領により音声メッセージまたはトーキーを再生する。一方、プレゼンス情報に含まれているプレゼンスの優先度が「優先しない」ならば、「宛先が無線IP電話端末4であり、かつその圏内・圏外状態が圏外である」のみに該当する場合と同様の要領によりトーキーを再生する。
それから、主装置1は、セッションを介して接続要求の送信元に、再生した音声メッセージまたはトーキーを送信する(S355)。
図15(B)は、スケジュール情報を登録する場合のIP電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。ここでは、無線IP電話端末4のスケジュール情報が登録される場合を例示している。
スケジュール管理装置2は、無線AP5を介して無線IP電話端末4からスケジュール情報登録要求を受信すると(S311)、この無線IP電話端末4に例えば入力フォームを送信し、この入力フォームを介して、無線IP電話端末4からスケジュール情報をイベント単位で受け付ける(S313)。そして、受け付けたスケジュール情報を、この無線IP電話端末4に対応付けて登録する(S314)。
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
本実施の形態のIP電話システムにおいて、主装置1は、配下のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4から、プレゼンス情報の登録要求あるいは削除要求を受け付けることができる。そして、主装置1は、プレゼンス情報の登録要求を受け付けたならば、登録要求元のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4に対応付けてこのプレゼンス情報を登録し、削除要求を受け付けたならば、削除要求元のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4に対応付けられて登録されているプレゼンス情報を削除する。
また、主装置1は、配下のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4を宛先とする呼の着信があった場合に、宛先のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4が応答できない状態にあるならば、呼の着信に自動応答して、宛先のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4のプレゼンスを知らせるトーキーを呼の発信元に送信する。
ここで、宛先が無線IP電話端末4である場合、この無線IP電話端末4に対応するプレゼンス情報が登録されており、かつこのプレゼンス情報に含まれているプレゼンスの優先度が「優先する」である場合、このプレゼンス情報に含まれているプレゼンスの識別コードに対応するトーキーを送信する。
また、この無線IP電話端末4に対応するプレゼンス情報が登録されており、かつこのプレゼンス情報に含まれているプレゼンスの優先度が「優先しない」である場合、この無線IP電話端末4の圏内・圏外状態が「圏内」ならば、このプレゼンス情報に含まれているプレゼンスの識別コードに対応するトーキーを送信し、「圏外」ならば、「圏外」の識別コードに対応するトーキーを送信する。
また、この無線IP電話端末4に対応するプレゼンス情報が登録されておらず、かつこの無線IP電話端末4の圏内・圏外状態が「圏外」の場合、プレゼンス「圏外」の識別コードに対応するトーキーを送信する。
このように、本実施の形態によれば、応答できない状態にあるIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4に対する呼が着信した場合に、このIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4の状態を、所定のプレゼンス毎に予め用意されたトーキーを用いてより詳細に、呼の発信元に知らせることができる。
また、本実施の形態のIP電話システムにおいて、主装置1は、終了時刻が到来または経過したプレゼンス情報を自動的に削除して、その報告を、このプレゼンス情報に含まれている端末アドレスにより特定されるIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4に送信する。
したがって、本実施の形態によれば、IP電話端末3および無線IP電話端末4のユーザは、プレゼンスが終了するたびに、該当するプレゼンス情報を主装置1から削除する必要がないため、IP電話端末3および無線IP電話端末4の使い勝手が向上する。また、IP電話端末3あるいは無線IP電話端末4のユーザが、主装置1に登録したプレゼンス情報の削除を忘れて、このIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4に着信が届かない事態が発生することを防止できる。
また、本実施の形態のIP電話システムにおいて、主装置1は、配下のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4からプレゼンス情報登録要求とともに音声メッセージを受け付けて、この音声メッセージをプレゼンス情報登録要求送信元のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4に対応付けて登録することができる。そして、主装置1は、IP電話端末3あるいは無線IP電話端末4を宛先とする呼に自動応答する場合に、宛先のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4に対応付けられた音声メッセージが登録されているならば、宛先のIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4のプレゼンス情報に含まれた識別トーキーに対応するトーキーに代えて、この音声メッセージを送信する。
したがって、本実施の形態によれば、応答できない状態にあるIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4に対する呼が着信した場合に、このIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4の状態を、このIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4のユーザにより登録された音声メッセージを用いてより詳細に、呼の発信元に知らせることができる。
また、本実施の形態のIP電話システムにおいて、スケジュール管理装置2は、主装置1の配下のIP電話端末3および無線IP電話端末4各々のスケジュール情報をイベント単位で管理し、開始時刻が到来または経過したイベントであって、かつイベント情報を未送信のイベントがあるならば、このイベントのイベント情報を主装置1に送信する。主装置1は、スケジュール管理装置2からイベント情報を受け取ったならば、このイベント情報に含まれている端末アドレス、イベントの終了時刻、プレゼンスの識別コード、およびプレゼンスの優先度を含むプレゼンス情報を生成して登録する。
したがって、本実施の形態によれば、スケジュール管理装置2にスケジュール情報を登録しておくことにより、主装置1にプレゼンス情報が自動的に登録される。このため、IP電話端末3および無線IP電話端末4のユーザは、その都度、主装置1にプレゼンス情報を登録する必要がなくなり、使い勝手が向上する。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、主装置1がスケジュール管理装置2に、定期的にイベント情報送信要求を送信し、これを受けて、スケジュール管理装置2が、開始時刻が到来または経過したイベントであって、かつイベント情報を未送信のイベントを検索し、検索したイベントのイベント情報を主装置1に送信している。しかし、本発明はこれに限定されない。スケジュール管理装置2が、開始時刻が到来または経過したイベントであって、かつイベント情報を未送信のイベントを常時監視し、このようなイベントが出現したならば、これを主装置1に送信するようにしてもよい。
また、上記実施の形態において、主装置1は、IP電話端末3あるいは無線IP電話端末4からプレゼンス情報登録要求とともに音声メッセージを受け付ける場合、このIP電話端末3あるいは無線IP電話端末4から受け付けるプレゼンス情報にプレゼンスの識別コードを含めなくてよい。
また、上記実施の形態において、図2に示す主装置1、および図10に示すスケジュール管理装置2の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実行されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。
または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)、モデム等の通信インターフェース(会議端末2は、これらに加えてキーボード、マウス等の入力装置)を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
また、上記実施の形態において、主装置1とスケジュール管理装置2とを一体化してもよい。
また、上記実施の形態では、本発明をIP電話システムに適用した場合を例にとり説明したが、本発明は、PHS、携帯電話機といった無線電話端末、あるいは、これらの無線電話端末と、アナログ電話機等の固定電話端末と、を配下とする電話システムに広く適用可能である。