JP5165843B2 - 活物質層と固体電解質層とを含む積層体およびこれを用いた全固体リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
しかしながら、固体電解質は、液体である電解液と比較して、導電率が低く、出力密度が低いという問題がある。
また、導電率を増加させるために、液体の電解液を含むゲル電解質を、正極活物質層と負極活物質層との間に配置することも考えられる。
無機系固体電解質、正極活物質および負極活物質を用いた固体電池は、正極活物質層と固体電解質層と負極活物質層とを順に積層して積層体を形成し、熱処理により焼結させることにより作製される。この方法では、正極活物質層と固体電解質層との界面、および固体電解質層と負極活物質層との界面を接合することができる。しかし、この方法を用いることは、従来、種々の理由から不利益が大きい。
この場合、活物質と固体電解質との焼結界面に、活物質でも固体電解質でもない物質が生成することにより、その焼結界面が電気化学的に不活性化するという問題が生じる場合がある。
この場合、固体電池の内部抵抗を低減するために、焼結温度を上げて焼結を促進させることが考えられるが、元素の拡散による不活性相が、例えば、活物質層と固体電解質層との間に生成するため、充放電が困難となるという問題が生じる。
また、耐熱性のあるPerovskite型のLi0.33La0.56TiO3やNASICON型のLiTi2(PO4)3などの固体電解質を用いた場合、一般的な活物質と共に熱処理を施すと、活物質/固体電解質界面で不純物が生成してしまうため、充放電を行うことが困難である。
また、従来、LiCoPO4のような高い作動電圧を有する活物質を安定して作動させることは困難であった。
LiMPO4
(Mは、(i)Mn、(ii)Fe、(iii)Co、(iv)Ni、(v)CoおよびNi、または(vi)MnおよびFeである)
で表される。
第2リン酸化合物は、以下の一般式:
Li1+XMIII XTiIV 2-X(PO4)3
(MIIIは、Alイオンであり、0≦X≦0.6である)
で表される。
また、前記薄膜状の正極集電体および前記薄膜状の負極集電体の少なくとも一方は、活物質層の厚さ方向の中央部に配置されていることが好ましい。
固体電解質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、固体電解質層形成用スラリー2を得る工程、ここで、前記固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する上記一般式の第2リン酸化合物を含み、
前記スラリー1を用いて、活物質グリーンシートを得る工程、
前記スラリー2を用いて、固体電解質グリーンシートを得る工程、
前記活物質グリーンシートおよび固体電解質グリーンシートを積層し、所定の温度で熱処理して、結晶性の前記第1リン酸化合物を含む活物質層と、前記活物質層に焼結接合され、かつ結晶性の前記第2リン酸化合物を含む固体電解質層とからなる積層体を得る工程を包含し、
前記活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない、積層体の製造方法に関する。
基板上に活物質を堆積させて、活物質層を形成する工程、ここで、前記活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の上記一般式の第1リン酸化合物を含み、
前記活物質層の上に、固体電解質を堆積させて、固体電解質層を形成する工程、ここで、前記固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する結晶性の上記一般式の第2リン酸化合物を含み、
および
前記活物質層および固体電解質層を、所定の温度で熱処理して、結晶性の前記第1リン酸化合物を含む前記活物質層と、前記活物質層に焼結接合され、かつ結晶性の前記第2リン酸化合物を含む前記固体電解質層とからなる積層体を得る工程を包含し、
前記活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない、積層体の製造方法に関する。ここで、前記活物質および前記固体電解質の前記基板への堆積は、スパッタ法によって行われることが好ましい。
(a)正極活物質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、正極活物質層形成用スラリー1を得る工程、ここで、前記正極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の上記一般式の第1リン酸化合物を含み、
(b)固体電解質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、固体電解質層形成用スラリー2を得る工程、ここで、前記固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する上記一般式の第2リン酸化合物を含み、
(c)負極活物質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、負極活物質層形成用スラリー3を得る工程、ここで、前記負極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る第3リン酸化合物またはTiを含む酸化物を含み、
(d)前記スラリー1を用いて、正極活物質グリーンシートを得る工程、
(e)前記スラリー2を用いて、固体電解質グリーンシートを得る工程、
(f)前記スラリー3を用いて、負極活物質グリーンシートを得る工程、
(g)固体電解質グリーンシート、ならびに前記固体電解質グリーンシートを挟むように配置された正極活物質グリーンシートおよび負極活物質グリーンシートを含む組を少なくとも1つ含む第1グリーンシート群を形成する工程、ならびに
(h)前記第1グリーンシート群を所定の温度で熱処理して、結晶性の前記第1リン酸化合物を含む正極活物質層、結晶性の前記第2リン酸化合物を含む固体電解質層および負極活物質層が一体化され、かつ前記固体電解質層が前記正極活物質層に焼結接合された組を少なくとも1つ含む積層体を得る工程を包含する全固体リチウム二次電池の製造方法に関する。前記正極活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない。
また、この場合、熱処理を行うときの所定の温度を、700℃以上1000℃以下とすることが好ましい。
(A)正極活物質層、負極活物質層、および前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置された固体電解質層を含む組を備える第1群を得る工程、ならびに
(B)前記第1群を、所定の温度で熱処理して、前記正極活物質層、前記固体電解質層および前記負極活物質層を一体化させるとともに、前記固体電解質層を、前記正極活物質層に焼結接合させる工程を包含し、
前記工程(A)は、
(i)所定の基板上に正極活物質または負極活物質を堆積させて、第1活物質層を形成する工程、ここで、前記正極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の上記一般式の第1リン酸化合物を含み、前記負極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る第3リン酸化合物またはチタンを含む酸化物を含み、
(ii)前記第1活物質層の上に、固体電解質を堆積させて、固体電解質層を形成する工程、およびここで、前記固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する上記一般式の第2リン酸化合物を含み、
(iii)前記固体電解質層の上に、前記第1活物質層とは異なる第2活物質層を積層させて、前記第1活物質層と前記固体電解質層と前記第2活物質層からなる組を含む第1群を得る工程、を包含し、
前記工程(B)において、熱処理後の前記正極活物質層が、結晶性の前記第1リン酸化合物を含み、熱処理後の前記固体電解質層が、結晶性の前記第2リン酸化合物を含む、全固体リチウム二次電池の製造方法に関する。前記正極活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない。
前記活物質および前記固体電解質の前記基板への堆積が、スパッタ法または熱蒸着によって行われることが好ましい。
(a)正極活物質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、正極活物質層形成用スラリー1を得る工程、ここで、前記正極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る上記一般式の第1リン酸化合物を含み、
(b)固体電解質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、固体電解質層形成用スラリー2を得る工程、ここで、前記固体電解質はリチウムイオン伝導性を有する上記一般式の第2リン酸化合物を含み、前記固体電解質は負極活物質を兼ね、
(c)前記スラリー1を用いて、正極活物質グリーンシートを得る工程、
(d)前記スラリー2を用いて、固体電解質グリーンシートを得る工程、
(e)前記正極活物質グリーンシート、および前記固体電解質グリーンシートを含む組を少なくとも1つ含む第2グリーンシート群を形成する工程、ならびに
(f)前記第2グリーンシート群を所定の温度で熱処理して、結晶性の前記第1リン酸化合物を含む正極活物質層と結晶性の前記第2リン酸化合物を含む固体電解質層とが一体化され、かつ前記正極活物質層に前記固体電解質層が焼結接合された組を少なくとも1つ含む積層体を得る工程を包含し、
工程(e)において、前記組を、少なくとも2枚の前記正極活物質グリーンシート、少なくとも2枚の前記固体電解質グリーンシートを用いて構成し、前記少なくとも2枚の正極活物質グリーンシートの間に1枚の正極集電体が設けられ、前記少なくとも2枚の固体電解質グリーンシートの間に1枚の負極集電体が設けられ、正極集電体および負極集電体の少なくとも一方が、銀、銅、およびニッケルよりなる群から選択される少なくとも1種を含み、熱処理が、水蒸気と低酸素分圧ガスとを含む雰囲気ガス中で行われる、全固体リチウム二次電池の製造方法に関する。前記正極活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない。
−0.0310T+33.5≦−log10PO2≦−0.0300T+38.1
を満たすことがさらに好ましい。ここで、熱処理(焼結)において、グリーンチップが所定の昇温速度で加熱されていくが、その途中で、所定の時間の間、グリーンチップが所定の一定温度に維持され、焼結を行う前にバインダー等が除去される。本発明において、その所定の一定温度のことを、一定維持温度という。
活物質層は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の第1物質を含み、固体電解質層は、リチウムイオン伝導性を有する結晶性の第2物質を含む。ここで、前記積層体において、X線回折法により、活物質層の構成成分および固体電解質層の構成成分以外の成分が検出されない。
また、活物質層および固体電解質は、結晶性であることが好ましい。
なお、積層体を用いて作製された電池において、正極は、活物質層を含む。
LiMPO4
(Mは、Mn、Fe、CoおよびNiよりなる群から選ばれる少なくとも1種である)で表される材料を用いることが好ましい。
Li1+XMIII XTiIV 2-X(PO4)3
(MIIIは、Al、Y、Ga、InおよびLaよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属イオンであり、0≦X≦0.6である)で表される材料を用いることが好ましい。
一般に異なるセラミックス材料(例えば、上記第1リン酸化合物および第2リン酸化合物)は異なる焼結温度を有する。このため、複数の異種のセラミックス材料を積層して形成された積層体を一度に熱処理して焼結した場合、材料ごとにその焼結が始まる温度や焼結速度等が異なる。このように、各層の焼結が始まる温度や焼結速度等が異なると、焼結の際に反りが生じたり、熱歪みが積層体に残存して脆化したりする場合がある。さらには、活物質層と固体電解質層との界面が剥離する場合がある。そこで、活物質層および固体電解質層のうちで、焼結を促進させたい層に、焼結助剤である非晶質酸化物を添加する。これにより、各層の焼結が始まる温度や焼結速度等を揃えることが可能となる。よって、積層体を焼結した際の積層体の反りや脆化、活物質層と固体電解質層との界面剥離等を低減することが可能となる。なお、非晶質酸化剤の種類(軟化点)により、焼結が開始する温度等を調節することができ、また、その添加量により、焼結速度等を調節することができる。
さらには、上記積層体を用いて全固体電池を作製した場合、活物質層および固体電解質層の少なくとも1つが非晶質酸化物を含むことにより、その全固体電池のインピーダンスを低下させることもできる。このようなインピーダンスが低下した電池は、ハイレート特性が優れる。
なお、非晶質酸化物の軟化温度は、非晶質酸化物に、アルカリ金属やアルカリ土類金属及び希土類の酸化物を添加したり、それらの含有量を変化させたりすることにより、変化させることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池は、正極活物質層、負極活物質層、および正極活物質層と負極活物質層との間に配置された固体電解質層を含む組を少なくとも1つ含む積層体(以下、第2積層体ともいう)を備える。本発明の全固体リチウム二次電池において、少なくとも正極活物質層および固体電解質層は接合(一体化)されている。つまり、第2積層体において、上記第1積層体が、正極活物質層および固体電解質層として機能する。
負極活物質層の厚さは、500μm以下であることが好ましい。
上記ゲル電解質に用いられる電解液としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどからなる混合溶媒にLiPF6、LiClO4、LiBF4、LiN(SO2CF3)2などのLi塩を溶解させたものが挙げられる。
予め、高分子ホスト単独を、アセトニトリル、2−メチルピロリジノン、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルフォルムアミドなどの有機溶媒に溶解させる。この溶液を、固体電解質層の表面にキャストやスピンコートなどの方法で塗着し、乾燥させて、薄膜とする。この後、この薄膜に、上記のようなLi塩を含む電解液を添加し、その膜をゲル化させることにより、固体電解質層の表面にゲル電解質からなる層を形成することができる。
この場合、負極活物質層の厚さx3は、0.1〜10μmであることが好ましい。活物質層の厚さx3が0.1μmよりも小さくなると、充分な容量を有する電池を得ることができなくなる。活物質層の厚さx3が、10μmよりも大きくなると、電池の充放電が困難となる。
なお、正極活物質の厚さx1は、0.1〜10μmであることが好ましく、固体電解質層の厚さyは1μm〜1cm程度が好ましく、10〜500μmが好ましい。これは、上記と同様の理由による。
また、上記組を形成した後、正極集電体および負極集電体を形成する場合には、正極集電体および/または負極集電体は、当該分野で公知の導電性材料からなるもの(例えば、所定の金属薄膜等)を用いることができる。
なお、上記第2積層体の表面において、正極外部集電体および負極外部集電体で覆われている部分以外は、固体電解質層で覆われていることが好ましい。この場合、正極外部集電体、負極外部集電体および固体電解質層が外装として機能する。
このような正極集電体および負極集電体の材料として、銀、銅、ニッケル、パラジウム、金および白金からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。大気雰囲気中(空気中)で熱処理を行う場合は、これらの中でも、パラジウム、金および白金がさらに好ましい。銀、銅およびニッケルは、活物質との反応性を示す場合があるからである。
活物質は、一般に、充放電時にリチウムが挿入および脱離することにより、その体積が膨張および収縮する。活物質の体積が変化した場合でも、集電体が空孔を有することにより、その空孔が緩衝層のような役割を果たす。このため、集電体と活物質との界面のデラミネーションや全固体電池のクラックなどが生じるのを抑制することができる。
しかしながら、銀、銅、ニッケル、コバルトおよびステンレス鋼は、活物質との反応性が高いため、積層体の焼成工程において、雰囲気制御が必須となる。そのため、白金、金、パラジウムからなる集電体を用いることがより好ましい。
また、正極集電体は正極活物質層の中央部に、負極集電体は負極活物質層の中央部に層状に挿入されるのが好ましい。
上記のように、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層よりなる群から選択される少なくとも1つの層が非晶質酸化物を含むことにより、その全固体電池のインピーダンスを低下させることができるため、ハイレート特性を向上させることができる。
第1積層体は、例えば、以下のようにして作製することができる。
まず、活物質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、活物質層形成用スラリー1を得る。同様にして、固体電解質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、固体電解質層形成用スラリー2を得る(工程(1))。ここで、活物質は、例えば、上記第1リン酸化合物を含み、固体電解質は、例えば、上記第2リン酸化合物を含む。
活物質グリーンシートおよび固体電解質グリーンシートに含まれるバインダーや可塑剤のような有機物は、焼結時に分解されるため、得られた積層体の活物質層および固体電解質層に、有機物は含まれない。
また、活物質層および固体電解質層の充填率は、焼結温度の最高値や昇温速度等を調整することにより、調節することができる。ここで、焼結温度の最高値は、700℃〜1000℃の範囲にあることが好ましい。焼結温度の最高値が700℃より小さい場合、焼結が進行しない場合がある。焼結温度の最高値が1000℃より大きい場合、Li含有化合物からLiが揮発してそのLi含有組成物の組成が変化したり、活物質と固体電解質との相互拡散が生じ、充放電ができなくなったりする場合がある。また、昇温速度は、400℃/時以上であることが好ましい。昇温速度が、400℃/時より遅いと、活物質と固体電解質との相互拡散が生じ、充放電ができなくなることがある。
添加する非晶質酸化物の軟化点は、活物質層および固体電解質層のうちで焼結の最も進行しやすい層の焼結開始温度に合わせることが望ましい。例えば、活物質層がLiCoPO4を含む場合、この正極活物質層が最も焼結しやすいため、非晶質酸化物の軟化点を、活物質層の焼結開始温度に合わせることが好ましい。また、焼結の最高温度に合わせて、非晶質酸化物酸化物の軟化点を適宜調節してもよい。
本発明においては、非晶質酸化物の軟化点は700℃以上950℃以下であることが望ましい。
まず、所定の基板上に活物質を堆積させて、活物質層を形成し、次いで、その活物質層の上に、固体電解質を堆積させて、固体電解質層を形成する(工程(1’))。活物質および固体電解質の堆積は、スパッタ法を用いて行うことができる。
ここで、工程(2’)において、活物質層と固体電解質層とを熱処理して結晶化させるときの温度は、500℃〜900℃であることが好ましい。この温度が500℃より低くなると、結晶化が困難となることがある。900℃より高くなると、活物質と固体電解質との相互拡散が激しくなることがある。
第1積層体と負極活物質層を含む組を少なくとも1つ含む第2積層体を備える全固体リチウム二次電池は、上記のようにして得られた第1積層体に、固体電解質層を介して正極活物質層と対向するように、負極活物質層を設けることにより、作製することができる。上記組が複数ある場合には、各組を、例えば、固体電解質層を介して積層することにより、全固体リチウム二次電池を作製することができる。
まず、正極活物質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、正極活物質層形成用スラリー1を得る。同様にして、固体電解質をバインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、固体電解質層形成用スラリー2を得、負極活物質をバインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、負極活物質層形成用スラリー3を得る(工程(a))。ここで、正極活物質は、例えば、上記第1リン酸化合物を含み、固体電解質は、例えば、上記第2リン酸化合物を含み、負極活物質は、例えば、上記第3リン酸化合物またはTiを含む酸化物を含む。
この場合、集電体は、以下のようにして形成することができる。
例えば、上記のような導電性材料を含むペーストを活物質層上に塗布し、乾燥等することにより、導電性層を形成し、この層を集電体として用いることができる。また、スパッタ法や蒸着法などを用いて、上記のような導電性材料からなる金属層を活物質層上に形成して、それを集電体として用いることもできる。
このような導電性層や金属層を設けることにより、活物質層からの集電を効率良く行うことができる。
例えば、正極活物質層内に薄膜状の集電体を設ける場合、2枚のグリーンシートを用い、この2枚のグリーンシートの間に、例えば、集電体として、金属薄膜を配置するか、または導電性材料からなる層を配置する。焼結後、間に集電体を備える2枚のグリーンシートが、上記組における、1つの正極活物質層となる。このようにして、薄膜状の集電体を含む正極活物質層を得ることができる。なお、上記では、2枚のグリーンシートを用いたが、3枚以上のグリーンシートを用いてもよい。
負極活物質層に薄膜状の集電体を設ける場合も、上記正極活物質層に薄膜状の集電体を設ける場合の方法と同様にして行うことができる。
このようなスラリーを用いて、正極活物質グリーンシートおよび負極活物質グリーンシートが作製される。得られた正極活物質グリーンシートおよび負極活物質グリーンシートにおいては、集電体が三次元網目構造を形成している。
このような第2積層体の表面の異なる領域への露出は、例えば、以下のようにして行うことができる。
正極活物質グリーンシート、固体電解質グリーンシートおよび負極活物質グリーンシートを積層した段階で、積層物の表面の異なる領域に、正極活物質グリーンシートの一方の端部および負極活物質グリーンシートの一方の端部を露出させる。このような積層物を焼結して、第2積層体の表面の異なる領域に、正極活物質層の一方の端部および負極活物質層の一方の端部を露出させてもよい。
正極活物質層、負極活物質層、および前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置された固体電解質層を含む組を備える第1群を得る(工程(A))。次に、前記第1群を、所定の温度で熱処理して、前記正極活物質層、前記固体電解質層および前記負極活物質層を一体化させるとともに、結晶化させて、積層体を得る(工程(B))。
まず、所定の基板上に、正極活物質または負極活物質を堆積させて、第1活物質層を形成する。次いで、その第1活物質層の上に、固体電解質を堆積させて、固体電解質層を形成する。次に、この固体電解質層の上に、第1活物質層とは異なる第2活物質層(つまり、第1活物質層が正極活物質層ならば、第2活物質層は負極活物質層)を堆積させる。このようにして、第1活物質層、固体電解質層、第2活物質層からなる組を含む第1群を形成する。このとき、その第1群は、1つの組からなるか、もしくは2つ以上の組を積層してなることが好ましい。なお、2つ以上の組がある場合には、前記組は、例えば、固体電解質層を介して積層されていることが好ましい。
ここで、活物質および固体電解質の堆積は、スパッタ法を用いて行うことができる。
本発明の全固体リチウム二次電池を樹脂で覆う前に、その表面に撥水処理を施してもよい。
また、Feを含む正極活物質においては、Fe(III)の生成を抑制しつつ、カーボン類の生成を抑制しながら、脱バインダーや脱可塑剤が可能となる。
−0.0310T+33.5≦−log10PO2≦−0.0300T+38.1(1)の範囲内であることが望ましい。酸素分圧が上記式(1)で規定される範囲よりも大きくなると、Feが酸化されたり、集電体が酸化される場合がある。一方、酸素分圧が上記式(1)で規定される範囲よりも小さくなると、カーボン類の生成を抑制することが困難となる場合がある。
銅からなる集電体を用いる場合、雰囲気ガスに含まれるCO2とH2との体積比は、例えば、103:1とすることができる。
コバルトからなる集電体を用いる場合、雰囲気ガスに含まれるCO2とH2との体積比は、例えば、10:1とすることができる。
ニッケルからなる集電体を用いる場合、雰囲気ガスに含まれるCO2とH2との体積比は、例えば、40:1とすることができる。なお、ニッケルからなる集電体を用いる場合、CO2とH2との体積比は、10〜50:1とすることが好ましい。
上記第1積層体や第2積層体を焼結プロセスを用いて作製する場合、活物質と固体電解質との界面を電気化学的に活性とするためには、焼結時に活物質と固体電解質との焼結界面で、焼結以外の副反応が起こらないことが必要となる。そのため、800℃で加熱した場合の活物質と固体電解質の反応性について調べた。
(焼結体1)
正極活物質としてLiCoPO4を用い、固体電解質としてLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3を用いた。正極活物質および固体電解質を、それぞれを、ボールミルにて粉砕して、その粒径を約1μmとした。これらの粉体を重量比1:1でボールミルを用いて混合し、粉体成形により直径18mmのペレットとした。そのペレットを、空気中、800℃で5時間焼結した。焼結後の焼結体をメノウ乳鉢を用いて粉砕した。粉砕後の焼結体を、焼結体1とした。
正極活物質としてLiNiPO4を用いたこと以外、上記焼結体1の作製方法と同様にして、焼結体2を得た。
正極活物質としてLiCoO2を用いたこと以外、上記焼結体1の作製方法と同様にして、比較焼結体1を得た。
正極活物質としてLiMn2O4を用いたこと以外、上記焼結体1の作製方法と同様にして、比較焼結体2を得た。
固体電解質としてLi0.33La0.56TiO3を用いたこと以外、上記焼結体1の作製方法と同様にして、比較焼結体3を得た。
正極活物質としてLiNiPO4を用い、固体電解質としてLi0.33La0.56TiO3を用いたこと以外、上記焼結体1の作製方法と同様にして、比較焼結体4を得た。
正極活物質としてLiCoO2を用い、固体電解質としてLi0.33La0.56TiO3を用いたこと以外、上記焼結体1の作製方法と同様にして、比較焼結体5を得た。
正極活物質としてLiMn2O4を用い、固体電解質としてLi0.33La0.56TiO3を用いたこと以外、上記焼結体1の作製方法と同様にして、比較焼結体6を得た。
正極活物質としてLiCo0.5Ni0.5PO4を用いたこと以外、上記焼結体1の作製方法と同様にして、焼結体3を得た。
以上の結果から、焼結体1〜3では、正極活物質と固体電解質との焼結界面においては、固相反応による第三相が発現しないのに対し、比較焼結体1〜6では、正極活物質でも固体電解質でもない第三相が発現することが明らかとなった。
(焼結体4)
負極活物質として三方晶系のFePO4を用い、固体電解質としてLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3を用いた。負極活物質および固体電解質を、それぞれ、ボールミルにて粉砕して、その粒径を約1μmとした。これらの粉体を重量比1:1でボールミルを用いて混合し、粉体成形により直径18mmのペレットとした。そのペレットを、空気中、800℃で5時間焼結した。焼結後の焼結体をメノウ乳鉢を用いて粉砕した。粉砕後の焼結体を、焼結体4とした。
負極活物質としてLi3Fe2(PO4)3を用いたこと以外、上記焼結体4の作製方法と同様にして、焼結体5を得た。
負極活物質としてLiFeP2O7を用いたこと以外、上記焼結体4の作製方法と同様にして、焼結体6を得た。
負極活物質としてLi4Ti5O12を用いたこと以外、上記焼結体4の作製方法と同様にして、参考焼結体7を得た。
負極活物質としてNb2O5を用いたこと以外、上記焼結体4の作製方法と同様にして、比較焼結体8を得た。
固体電解質としてLi0.33La0.56TiO3を用いたこと以外、上記焼結体4の作製方法と同様にして、比較焼結体9を得た。
負極活物質として三方晶系のLi3Fe2(PO4)3を用い、固体電解質としてLi0.33La0.56TiO3を用いたこと以外、上記焼結体4の作製方法と同様にして、比較焼結体10を得た。
負極活物質としてLiFeP2O7を用い、固体電解質としてLi0.33La0.56TiO3を用いたこと以外、上記焼結体4の作製法方法と同様にして、比較焼結体11を得た。
負極活物質としてLi4Ti5O12を用い、固体電解質としてLi0.33La0.56TiO3を用いたこと以外、上記焼結体4の作製方法と同様にして、焼結体12を得た。
負極活物質としてNb2O5を用い、固体電解質としてLi0.33La0.56TiO3を用いたこと以外、上記焼結体4の作製方法と同様にして、比較焼結体13を得た。
以下のような電池および比較電池を作製し、所定の条件下で充放電を行い、放電容量を求めた。
まず、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3で表される固体電解質粉体と、LiCoPO4で表される正極活物質粉体とを用意した。固体電解質粉体に、バインダーであるポリビニルブチラール樹脂、溶剤である酢酸n−ブチル、および可塑剤であるフタル酸ジブチルを加え、ジルコニアボールと共にボールミルで24時間混合して、固体電解質層形成用スラリーを調製した。
正極活物質層形成用スラリーについても、固体電解質層形成用スラリーを調製したときと同様にして、調製した。
この操作を20回繰り返し、固体電解質グリーンシート群7(厚さ:500μm)を作製した。
Liは、揮発しやすいため、焼結中に、グリーンチップからLiが揮発する場合がある。上記のように、Liを充分に吸収させたセラミックス板を用いることにより、焼結中に、グリーンチップからのLiの揮発が抑制され、不純物層の生成が抑制される。
まず、固体電解質層に含まれる固体電解質の重量、および活物質層に含まれる活物質の重量を求める。具体的には、例えば、所定の厚さの固体電解質層グリーンシートの単位面積あたりに含まれるTiの量、または所定の厚さの活物質グリーンシートの単位面積あたりに含まれるCoの量を、ICP分析により求める。その得られたTiおよびCoの量を用いて、固体電解質グリーンシート単位面積あたりのLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3の重量および活物質グリーンシートあたりのLiCoPO4の重量を求めることができる。
{[(活物質層に含まれる活物質の重量)/(活物質層の焼結後の体積)]/(活物質のX線密度)}×100
を用いて、求めることができる。
また、固体電解質層の充填率も、上記と同様にして、求めることができる。
まず、厚さ150μmの金属リチウム箔14を直径10mmに打ち抜き、厚さ0.5mm、直径20mmに打ち抜いたSUS板15中央部に貼付した。なお、このSUS板は、負極集電体として機能する。
次いで、この溶液を、金属リチウム上に2000rpmにてスピンコートし、真空乾燥して、金属リチウム箔14上にPEO−LiTFSI層16を形成した。真空乾燥後、PEO−LiTFSI層の厚さをSEMにより確認したところ、約50μmであった。
LiCoPO4の代わりに、LiMnPO4を用いたこと以外は、電池1を作製するときの方法と同様にして、電池2を作製した。
LiCoPO4の代わりに、LiCoO2を用いたこと以外は、電池1を作製するときの方法と同様にして、比較電池1を作製した。
LiCoPO4の代わりに、LiMn2O4を用いたこと以外は、電池1を作製するときの方法と同様にして、比較電池2を作製した。
図28を参照しながら、スパッタ法を用いて作製された全固体リチウム二次電池について説明する。
表面を窒化ケイ素からなる層21で被覆した、30mm×30mmの単結晶ケイ素基板22上に、RFマグネトロンスパッタ法にて、厚さ0.05μmのチタン薄膜23を形成し、さらに、チタン薄膜23上に、正極集電体である厚さ0.5μmの金薄膜24を形成した。このとき、20mm×12mmの開口部を有するメタルマスクを用いた。なお、上記チタン薄膜23は、窒化ケイ素からなる層21と金薄膜24とを接合する機能を有する。
このようにして得られた全固体リチウム二次電池を、電池3とした。ここで、正極層と固体電解質層の各層の充填率は、ほぼ100%である。
LiCoPO4の代わりに、LiMnPO4を用いたこと以外は、電池3を作製するときの方法と同様にして、電池4を作製した。
LiCoPO4の代わりに、LiCoO2を用いたこと以外は、電池3を作製するときの方法と同様にして、比較電池3を作製した。
LiCoPO4の代わりに、LiMn2O4を用いたこと以外は、電池3を作製するときの方法と同様にして、比較電池4を作製した。
一方で、電池1〜4では、充放電が可能であった。これは、本発明においては、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の第1リン酸化合物からなる正極活物質と、リチウムイオン伝導性を有する結晶性の第2リン酸化合物からなる固体電解質との界面に、充放電反応に関与しない不純物相が生成せず、その界面が電気化学的に活性であるためと考えられる。
以上のように、本発明によれば、正極活物質と固体電解との界面に不純物相が形成されず、その界面が電気化学的に活性であり、充放電が可能であることが示された。
一方、70重量部のLiCoPO4、25重量部のアセチレンブラック、および5重量部のポリテトラフルオロエチレンからなる正極と、金属リチウムからなる負極と、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合溶媒(EC:DMC=1:1(体積比))にLiPF4を1Mの濃度で溶解した電解液を用いる従来の液式電池を作製し、そのサイクル寿命を、上記と同様にして測定したところ、10回程度であった。
次に、積層体の充填率について検討を行った。
焼結を行うときに、400℃/hの昇温速度で、850℃まで昇温させたこと以外、電池1を作製するときの方法と同様にして、電池1を作製した。
焼結を行うときに、400℃/hの昇温速度で、800℃まで昇温させたこと以外、電池1を作製するときの方法と同様にして、参考電池6を作製した。
また、インピーダンスの大きい電池は高率充放電性能が低下してしまうため、好ましくない。
正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層が一体化されている電池を作製した。
(電池7)
まず、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3で表される固体電解質粉体と、LiCoPO4で表される正極活物質粉体と、Li3Fe2(PO4)3で表される負極活物質粉体を用意した。
固体電解質粉体にバインダーであるポリビニルブチラール樹脂、溶剤である酢酸n−ブチル、および可塑剤であるフタル酸ジブチルを加え、ジルコニアボールと共にボールミルで24時間混合して、固体電解質層形成用スラリーを調製した。
正極活物質層形成用スラリーおよび負極活物質層形成用スラリーについても、固体電解質層形成用スラリーを調製したときと同様にして、調製した。
この操作を20回繰り返し、固体電解質グリーンシート群36(厚さ:約500μm)を作製した。
LiCoPO4の代わりにLiMnPO4を正極活物質として用いたこと以外は、電池7の作製方法と同様にして、電池8を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、80%であった。
Li3Fe2(PO4)3の代わりにFePO4を負極活物質として用いたこと以外は、電池7の作製方法と同様にして、電池9を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、85%であった。
Li3Fe2(PO4)3の代わりにLiFeP2O7を負極活物質として用いたこと以外は、電池7の作製方法と同様にして、電池10を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、75%であった。
LiCoPO4の代わりにLiCoO2を正極活物質として用い、Li3Fe2(PO4)3の代わりにLi4Ti5O12を用いたこと以外は、電池7の作製方法と同様にして、比較電池5を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、71%であった。
スパッタ法を用いて、図37に示されるような全固体リチウム二次電池を、以下のようにして作製した。
表面を窒化ケイ素からなる層43で被覆した、30mm×30mmの単結晶ケイ素基板44上に、RFマグネトロンスパッタ法にて、厚さ0.05μmのチタン薄膜45を形成し、さらに、チタン薄膜45上に、正極集電体である厚さ0.5μmの金薄膜46を形成した。このとき、20mm×12mmの開口部を有するメタルマスクを用いた。なお、上記チタン薄膜45は、窒化ケイ素からなる層43と金薄膜46とを接合する機能を有する。
このようにして得られた全固体リチウム二次電池を、電池11とした。なお、正極活物質層、固体電解質層、および負極活物質層の各層の充填率は、ほぼ100%である。
LiCoPO4の代わりに、LiMnPO4を正極活物質として用いたこと以外は、電池11の作製方法と同様にして、電池12を作製した。
Li3Fe2(PO4)3の代わりにFePO4を負極活物質として用いたこと以外は、電池11の作製方法と同様にして、電池13を作製した。
Li3Fe2(PO4)3の代わりにLiFeP2O7を負極活物質として用いたこと以外は、電池11の作製方法と同様にして、電池14を作製した。
LiCoPO4の代わりにLiCoO2を正極活物質として用い、Li3Fe2(PO4)3の代わりにLi4Ti5O12を負極活物質として用いたこと以外は、電池11の作製方法と同様にして、比較電池6を作製した。
全固体リチウム二次電池を作製するときに、スパッタ法により作製した積層体に含まれる正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層を、アニールして結晶化させなかった。これ以外、電池11の作製方法と同様にして、比較電池7を作製した。
比較電池5〜6においては、熱処理により、正極活物質と固体電解質との界面および/または負極活物質と固体電解質との界面に、活物質でも固体電解質でもない不純物相が形成されたために、それらの界面が電気化学的に不活性になったと考えられる。比較電池7においては、正極活物質、負極活物質および固体電解質を結晶化するためのアニール処理をしなかった。このため、固体電解質において、リチウムイオン伝導性が発現せず、また、正極活物質および負極活物質において、リチウムイオンを充放電するサイトが形成されず、充放電が不可能であったと考えられる。
以上により、本発明により、サイクル寿命特性に優れる全固体リチウム二次電池を作製できることが明らかとなった。
次に、第2積層体の焼結密度について検討を行った。
(電池15)
焼結を行うときに、400℃/hの昇温速度で、850℃まで昇温させたこと以外、電池7の作製方法と同様にして、電池15を作製した。
焼結を行うとき、400℃/hの昇温温度で、800℃まで昇温させたこと以外、電池7の作製方法と同様にして、参考電池16を作製した。
また、インピーダンスの大きい電池は、高率充放電性能が低下してしまうため、好ましくない。
次に、湿気が電池に及ぼす影響について検討した。
(電池17)
積層体の正極活物質層の表面および負極活物質層の表面のそれぞれに、スパッタ法により、銀薄膜からなる集電体を形成したこと以外、電池7の作製方法と同様にして、電池17を作製した。
上記電池17を、図38に示すように、ナイロン製ガスケット53が配置された金属ケース51に収納し、金属ケース51の開口部を、ガスケット53を介して金属製封口板52にかしめつけることにより、直径9mm、高さ2.1mmのボタン型の密閉電池を作製した。このようにして得られた電池を、電池18とした。このとき、金属ケース51が正極端子となり、金属製封口板52が負極端子となるように、上記電池17を金属ケース内に収容した。また、金属ケース51と電池17との間には、ニッケル製のスポンジメタル片54を入れて、電池17と、金属ケースおよび金属製封口板とが、密接するようにした。
なお、図38において、電池17は、銀薄膜55、正極活物質層39a、固体電解質層39b、負極活物質層39c、および銀薄膜56を含む。
上記電池17の正極活物質層側の銀薄膜と負極活物質側の銀薄膜の各々に、直径0.5mmの銅製のリード57をハンダ58により接続し、それぞれ、正極端子および負極端子とした。図39に示すように、銀薄膜、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、および銀薄膜を含む電池17が封入されるように、エポキシ樹脂59にて樹脂モールドを施した。こうして得られた電池を電池19とした。
銅製のリードを正極端子および負極端子として備える電池17を、フッ素樹脂からなる撥水剤をn−ヘプタンに分散させた分散液中に浸漬し、電池17の表面に撥水処理を施したこと以外、上記電池19の作製方法と同様にして、電池20を作製した。
電池17〜20を用い、露点−50℃、環境温度25℃の雰囲気中で、10μAの電流値にて、1.0〜2.6Vの範囲で充放電を行い、初期放電容量を求めた。こののち、これらの電池を2.6Vまで充電した後、温度が60℃であり、相対湿度が90%の雰囲気中で、30日間保存した。次いで、これらの電池を、露点−50℃、環境温度25℃の雰囲気中で、10μAの電流値にて放電させた。これらの電池の初期放電容量と30日保存したのちの放電容量を表7に示す。
電池19においては、上記のように、電池17ほどではないが、容量低下が見られた。樹脂モールド単独では密閉性が悪いため、湿った空気が樹脂内に入り込む。これにより、集電体であるAgのイオン化及びAgイオンのマイグレーションが生じて微小短絡が起こり、容量低下したものと考えられる。
本実施例では、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層を含む組を2つ以上含む第2積層体を備える全固体リチウム二次電池を作製した。
(電池21)
まず、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3で表される固体電解質粉体と、LiCo0.5Ni0.5PO4で表される正極活物質粉体と、Li3Fe2(PO4)3で表される負極活物質粉体を用意した。
固体電解質粉体にバインダーであるポリビニルブチラール樹脂、溶剤である酢酸n−ブチル、および可塑剤であるフタル酸ジブチルを加え、ジルコニアボールと共にボールミルで24時間混合して、固体電解質層形成用スラリーを調製した。
正極活物質層形成用スラリーおよび負極活物質層形成用スラリーについても、固体電解質層形成用スラリーを調製したときと同様にして、調製した。
この操作を20回繰り返し、図47に示されるような、固体電解質グリーンシート群69(厚さ:約200μm)を作製した。
図56に示されるように、得られたグリーンチップ73においては、正極活物質グリーンシート74、固体電解質グリーンシート75および負極活物質グリーンシート76を含む組が、複数積層されている。このようなグリーンチップを焼結することにより、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層が一体化された組を少なくとも1つ含む積層体を得ることができる。なお、一体化された組の数は、正極積層物、固体電解質グリーンシート、および負極積層物の積層数を変化させることにより、調節することができる。
なお、本実施例においては、これら2つ以外の面は、固体電解質層で覆われている。
LiCo0.5Ni0.5PO4の代わりに、LiMnPO4を用いたこと以外、電池21を作製するときの方法と同様にして、電池22を作製した。
Li3Fe2(PO4)3の代わりに、FePO4を用いたこと以外、電池21を作製するときの方法と同様にして、電池23を作製した。
Li3Fe2(PO4)3の代わりに、LiFeP2O7を用いたこと以外、電池21を作製するときの方法と同様にして、電池24を作製した。
LiCo0.5Ni0.5PO4の代わりにLiCoO2を用い、Li3Fe2(PO4)3の代わりに、Li4Ti5O12を用いたこと以外、電池21を作製するときの方法と同様にして、比較電池8を作製した。
Li3Fe2(PO4)3の代わりに、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3を用いたこと以外、電池21を作製するときの方法と同様にして、電池25を作製した。
Li1.3Al0.3Ti0.7(PO4)3で表される固体電解質粉末、LiCo0.5Ni0.5PO4で表される正極活物質粉体、Li3Fe2(PO4)3で表される負極活物質粉体を用意した。
固体電解質粉末に、バインダーであるポリビニルブチラール樹脂、溶剤である酢酸n−ブチル、および可塑剤であるフタル酸ジブチルを添加し、ジルコニアボールと共にボールミルで24時間混合して、固体電解質層形成用スラリーを作製した。
負極活物質層形成用スラリーは、上記負極活物質を用い、正極活物質層形成用スラリーの場合と同様にして作製した。
なお、正極活物質グリーンシートの幅X1、正極活物質グリーンシートの長さX2、各列における正極活物質グリーンシートの間隔Y1、および各列同士の間隔Y2は、上記電池21の場合と同様にした。このことは、負極活物質グリーンシートの場合も同様である。
グリーンチップ89は、集電体が活物質グリーンシート内に三次元網目状の配置されていること以外、上記電池21で作製したグリーンチップ73(図54〜56)とほとんど同じである。つまり、グリーンチップ89においては、正極活物質グリーンシート90、固体電解質グリーンシート91および負極活物質グリーンシー92を含む組が複数積層されている。また、グリーンチップの表面の異なる領域に、それぞれ、正極活物質グリーンシートの一方の端部および負極活物質グリーンシートの一方の端部が露出している。
(電池27)
電池21の正極外部集電体82および負極外部集電体83を除く部分に、フッ素樹脂からなる撥水剤のn−ヘプタン分散液を塗布して、撥水処理を施した。このようにして得られた電池を電池27とした。
電池21の正極外部集電体82および負極外部集電体83を除く部分に、72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaO(軟化点750℃)を含むスラリーを塗布した。塗布したスラリーを乾燥した後、700℃で熱処理した。これにより、図66に示されるように、電池21の正極外部集電体82および負極外部集電体83を除く部分を、ガラス層98でコートした。このようにして得られた電池を、電池28とした。
(0.3Na2O−0.7CaO)0.5Al2O3・4.5SiO2で表される軟化点750℃の透明釉スラリーを、電池21の正極外部集電体および負極外部集電体を除く部分に塗布した。塗布したスラリーを乾燥した後、700℃で熱処理した。これにより、電池21の正極外部集電体および負極外部集電体を除く部分を釉薬でコートした。このようにして得られた電池を、電池29とした。
電池21では、電池の最外装にある固体電解質が充分に焼結されておらずに、多孔質である場合がある。このように、最外装の固体電解質層が多孔質であると、電池が多湿雰囲気に保持された場合、水分が電池内部に侵入して、金からなる正極集電体がイオン化される、イオン化された金は、固体電解質層中を移動し、負極活物質層で還元され、そこに金が析出する。このように金が析出すると、正極活物質層と負極活物質層との間で短絡が生じる。このため、電池21では、ほとんど放電が不可能であったと考えられる。
(電池30)
まず、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3で表される固体電解質粉体と、LiFePO4で表される正極活物質粉体を用意した。
固体電解質粉体にバインダーであるポリビニルブチラール樹脂、溶剤である酢酸n−ブチル、および可塑剤であるフタル酸ジブチルを加え、ジルコニアボールと共にボールミルで24時間混合して、固体電解質層形成用スラリーを調製した。
正極活物質層形成用スラリーについても、固体電解質層形成用スラリーを調製したときと同様にして、調製した。
この操作を20回繰り返し、図73に示されるような、固体電解質グリーンシート群107(厚さ:約200μm)を作製した。
なお、本実施例においては、これら2つ以外の面は、固体電解質層で覆われている。
CO2 → CO + 1/2O2 (2)
H2 + 1/2O2 → H2O (3)
のような平衡反応が生じる。式(2)の反応により、酸素が生成されるとともに、式(3)の反応により、酸素が消費されるために、雰囲気ガス内には、酸素が存在するとともに、その分圧がほぼ一定値に維持されることとなる。
混合ガスに含まれる水蒸気の量を、20体積%、30体積%、50体積%または90体積%としたこと以外、電池30の作製方法と同様にして、それぞれ、電池31〜34を作製した。
低酸素分圧ガスとしてCO2/H2/N2=4.99/0.01/95の組成のガスを用い、水蒸気を添加しなかったこと以外は、電池30と同様にして、参考電池35を作製した。
CO2/H2/N2=4.99/0.01/95の組成の低酸素分圧ガスの代わりに空気を用い、雰囲気ガスに含まれる水蒸気の量を30体積%としたこと以外は、電池30と同様にして、参考電池36を作製した。
CO2/H2/N2=4.99/0.01/95の組成の低酸素分圧ガスの代わりに純度4Nの高純度アルゴンガスを用い、雰囲気ガスに含まれる水蒸気の量を30体積%としたこと以外は、電池30と同様にして、参考電池37を作製した。
CO2/H2/N2=4.99/0.01/95の組成の低酸素分圧ガスの代わりに純度4Nの高純度CO2ガスを用い、雰囲気ガスに含まれる水蒸気の量を30体積%としたこと以外は、電池30と同様にして。参考電池38を作製した。
CO2/H2/N2=4.99/0.01/95の組成の低酸素分圧ガスの代わりに純度4Nの高純度H2ガスを用い、雰囲気ガスに含まれる水蒸気の量を30体積%としたこと以外は、電池30と同様にして、参考電池39を作製した。
正極活物質にLiCoPO4を用いたこと以外、電池32の作製方法と同様にして、電池40を作製した。
一方、参考電池35および参考電池39では、充填率は60%を下回り、ほとんど焼結が進行していないことが分かった。また、これらの参考電池において、焼結体が黒色を呈していた。よって、これらの参考電池においては、バインダー及び可塑剤が熱分解によりカーボン化したため、グリーンチップの焼結が阻害されたと考えられる。
参考電池39において、H2/H2O=7/3の雰囲気ガス中における、700℃での平衡酸素分圧は10-22気圧程度と極微量であるために、生成したカーボンが残留したものと考えられる。
また、これらの参考電池35および39は、脆く、外部集電体塗布時のハンドリング中に崩壊した。
また、参考電池36〜38における充填率は、電池30〜34および電池40と比べると、若干劣るものの、焼結体はほぼ白色を呈していた。
次に、以下のような電池および比較電池を作製し、所定の条件で充放電を行い、その放電容量を求めた。
(電池2−1)
固体電解質層形成用スラリーに、軟化点が750℃の72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOで表される非晶質酸化物粉体を、固体電解質粉末と非晶質酸化物粉末との重量比が97:3になるように混合した。また、グリーンチップの焼結の最高温度を900℃から700℃に変更した。これら以外、電池7の作製方法と同様にして、電池2−1を作製した。
なお、正極活物質が最も焼結しやすく、固体電解質層が最も焼結しにくいが、正極活物質と負極活物質とで焼結のしやすさは、それほど大きく変わらない。このため、本実施例においては、固体電解質層にのみ、非晶質酸化物を添加している。
焼結を行うときに、400℃/hの昇温速度で700℃まで昇温させる代わりに、400℃/hの昇温温度で800℃まで昇温させたこと以外、電池2−1の作製方法と同様にして、全固体電池を作製した。得られた電池を電池2−2とした。なお、焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、93%であった。
焼結を行うときに、400℃/hの昇温温度で700℃まで昇温させる代わりに、400℃/hの昇温温度で900℃まで昇温させたこと以外、電池2−1の作製方法と同様にして、全固体電池を作製した。得られた電池を電池2−3とした。なお、焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、95%であった。
焼結を行うときに、400℃/hの昇温温度で700℃まで昇温させる代わりに、400℃/hの昇温温度で1000℃まで昇温させたこと以外、電池2−1の作製方法と同様にして、全固体電池を作製した。得られた電池を電池2−4とした。なお、焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、95%であった。
固体電解質層形成用スラリーを調製するときに、Li4P2O7を非晶質酸化物として添加した。また、焼結を行うときに、400℃/hの昇温温度で700℃まで昇温させる代わりに、400℃/hの昇温温度で800℃まで昇温させた。これら以外、電池2−1の作製方法と同様にして、電池2−5を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、93%であった。
焼結を行うときに、400℃/hの昇温温度で700℃まで昇温させる代わりに、400℃/hの昇温温度で600℃まで昇温させたこと以外、電池2−1の作製方法と同様にして、比較電池2−1を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、57%であった。
焼結を行うときに、400℃/hの昇温温度で700℃まで昇温させる代わりに、400℃/hの昇温温度で1100℃まで昇温させたこと以外、電池2−1の作製方法と同様にして、比較電池2−2を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、93%であった。
固体電解質層形成用スラリーを調製するときに非晶質酸化物を加えなかった。また、焼結を行うときに、400℃/hの昇温温度で700℃まで昇温させる代わりに、400℃/hの昇温温度で800℃まで昇温させた。これら以外、電池2−1の作製方法と同様にして、比較電池2−3を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、55%であった。
焼結を行うときに、400℃/hの昇温温度で800℃まで昇温させる代わりに、400℃/hの昇温温度で900℃まで昇温させた。これ以外、比較電池2−3の作製方法と同様にして、電池2−6を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、83%であった。
焼結を行うときに、400℃/hの昇温温度で800℃まで昇温させる代わりに、400℃/hの昇温温度で1000℃まで昇温させた。これ以外、比較電池2−3の作製方法と同様にして、電池2−7を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、87%であった。
一方、本発明による電池2−1〜2−5はいずれも比較的良好な放電容量と低いインピーダンスが得られた。
また、電池2−1〜2−4と、比較電池2−3および電池2−6〜2−7との比較において、焼結助剤を添加したものの方がインピーダンスが低くなっており、電池として優れていることが明らかである。
《実施例2−2》
(電池2−8)
固体電解質層形成用スラリーを調製するときに、固体電解質であるLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3と、非晶質酸化物である72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOとを、99.9:0.1の重量比で混合した。このこと以外は、電池2−2(焼結温度:800℃)の作製方法と同様にして、電池2−8を作製した。なお、焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、72%であった。
固体電解質層形成用スラリーを調製するときに、固体電解質であるLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3と、非晶質酸化物である72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOとを、99:1の重量比で混合した。このこと以外は、電池2−2(焼結温度:800℃)の作製方法と同様にして、電池2−9を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、89%であった。
固体電解質層形成用スラリーを調製するときに、固体電解質であるLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3と、非晶質酸化物である72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOとを、95:5の重量比で混合した。このこと以外は、電池2−2(焼結温度:800℃)の作製方法と同様にして、電池2−10を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、94%であった。
固体電解質層形成用スラリーを調製するときに、固体電解質であるLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3と、非晶質酸化物である72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOとを、90:10の重量比で混合したこと以外、電池2−2(焼結温度:800℃)の作製方法と同様にして、電池2−11を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、94%であった。
固体電解質層形成用スラリーを調製するときに、固体電解質であるLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3と、非晶質酸化物である72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOとを、99.95:0.05の重量比で混合した。このこと以外、電池2−2(焼結温度:800℃)の作製方法と同様にして、比較電池2−4を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、57%であった。
固体電解質層形成用スラリーを調製するときに、固体電解質であるLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3と、非晶質酸化物である72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOとを、85:15の重量比で混合した。このこと以外、電池2−2(焼結温度:800℃)の作製方法と同様にして、電池2−12を作製した。なお、焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、93%であった。
次に、固体電解質層に添加する焼結助剤の種類及び焼結助剤の軟化点について検討を行った。
(電池2−13)
72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOの代わりに、80wt%SiO2−14wt%B2O3−2wt%Al2O3−3.6wt%Na2O−0.4wt%K2Oで表される非晶質酸化物を用いた。このこと以外、電池2−2の作製方法と同様にして、電池2−10を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、91%であった。
72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOの代わりに、Al2O3粉を用いた。このこと以外、電池2−2の作製方法と同様にして、比較電池2−5を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、55%であった。
72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOの代わりに、軟化点が600℃の72wt%SiO2−1wt%Al2O3−14wt%Na2O−3wt%MgO−10wt%CaO粉を用いた。このこと以外、電池2−2の作製方法と同様にして、比較電池2−6を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、97%であった。
72wt%SiO2−1wt%Al2O3−20wt%Na2O−3wt%MgO−4wt%CaOの代わりに、軟化点が1020℃の62wt%SiO2−15wt%Al2O3−8wt%CaO−15wt%BaO粉を用いた。このこと以外、電池2−2の作製方法と同様にして、比較電池2−7を作製した。焼結後のグリーンチップの充填率は、グリーンチップが全てLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3であると仮定した場合、58%であった。
一方、一般的に焼結助剤として用いられるAl2O3を用いた比較電池2−5においては、放電容量が0であった。これは、焼結時に積層体の焼結が進行しなかったためと考えられる。つまり、Al2O3を用いた系では、Al2O3が固体電解質であるLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3と反応し、固体固体電解質層に不純物相が生成するために、焼結性が低下したと考えられる。
負極活物質層を設けず、また、焼結温度の最高値を800℃としたこと以外、比較電池2−3、比較電池2−4、電池2−8、電池2−9、電池2−2、電池2−10、電池2−11、または電池2−12の作製方法と同様にして、正極活物質層と固体電解質層とからなる積層体を得た。得られた積層体を、それぞれ、比較積層体2−3、比較積層体2−4、積層体2−8、積層体2−9、積層体2−2、積層体2−10、積層体2−11、および積層体2−12とした。これらの積層体の反り量について、調べた。ここで、反り量とは、正極活物質層を上にして、積層体を所定の平板に置いたときに、積層体の端面の正極活物質層側の上辺から、その平板までの垂直距離をいう。なお、これらの積層体の焼結前のグリーンチップの厚さは、約500μmであり、そのサイズは7mm×7mmである。
また、表15には、固体電解質層形成用グリーンシートに添加されている非晶質酸化物の量と焼結温度の最高値を同時に示す。
(電池3−1)
正極集電体グリーンシートおよび負極集電体グリーンシートを作製するときに、金ペーストの代わりに、パラジウムペーストを用いた。パラジウムの量は、このペーストの25重量%とした。正極集電体グリーンシートおよび負極集電体グリーンシートの厚さは、それぞれ10μmとした。また、グリーンチップを焼結するときの最高温度を900℃から950℃に変更した。これら以外は、電池21の作製方法と同様にして、電池3−1を作製した。
また、焼結体の研磨断面をSEM観察したところ、正極活物質層および負極活物質層の厚さは、それぞれ約1μmおよび約2μmであった。正極活物質層内に配置された正極集電体層および負極活物質層内に負極集電体の厚さは、それぞれ4μm程度であった。
正極集電体グリーンシートまたは負極集電体グリーンシートにおいて、単位面積あたりのパラジウムの重量を求める。焼結すると集電体グリーンシートは収縮する。収縮した後の単位面積あたりのパラジウム重量を、前記グリーンシートの単位面積あたりのパラジウム重量を用いて計算する。次いで、焼結後の集電体層の見かけの厚さをSEMにより測定する。こうして、集電体層の体積とそれに含まれるパラジウムの量を求めることができる。これらの値を用いて、集電体層の多孔度を求めることができる。以下の実施例では、このようにして多孔度を求めた。
その結果、正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ50%であった。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を65重量%にしたこと以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、電池3−2を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ20%であった。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を20重量%にしたこと以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、電池3−3を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ60%であった。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を70重量%にしたこと以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、比較電池3−1を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ15%であった。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を10重量%にしたこと以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、比較電池3−2を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ70%であった。
各電池について、破損することなく充放電できたセルの初期放電容量、および構造欠陥が発生したセルの数を表16に示す。
また、集電体の多孔度が70%である電池3−5においては、電池の破損は発生しなかったが、その容量が、60〜70%程度に落ち込んだ。このような容量の低下は、集電体の集電性が低下しているためであると考えられる。したがって、正極集電体層および負極集電体層の多孔度は20〜60%であることが好ましい。
本実施例では、他の活物質材料を用いた場合でも、集電体の多孔度が、放電容量および構造欠陥に影響を及ぼすことについて検討した。
(電池3−6)
LiCoPO4の代わりに、LiMnPO4を正極活物質として用いたこと以外、電池3−1の作製方法と同様にして、電池3−6を作製した。
LiCoPO4の代わりに、LiFePO4を正極活物質として用いた。また、酸素分圧が所定の値に制御された、CO2とH2とを含む雰囲気ガス中で、グリーンチップを焼成した。なお、600℃に5時間維持して、グリーンチップに含まれるバインダーを分解させた。この雰囲気ガスにおいて、CO2とH2との混合比を103:1とした。
これら以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、電池3−7を作製した。
LiCoPO4の代わりに、LiMn0.7Fe0.3PO4を正極活物質として用いた。また、酸素分圧が所定の値に制御された、CO2とH2とを含む雰囲気ガス中で、グリーンチップを焼成した。なお、600℃に5時間維持して、グリーンチップに含まれるバインダーを分解させた。この雰囲気ガスにおいて、CO2とH2との混合比を103:1とした。
これら以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、電池3−8を作製した。
Li3Fe2(PO4)3の代わりにFePO4を負極活物質として用いたこと以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、電池3−9を作製した。
Li3Fe2(PO4)3の代わりにLiFeP2O7を負極活物質として用いたこと以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、電池3−10を作製した。
Li3Fe2(PO4)3の代わりにLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3を用いたこと以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、電池3−11を作製した。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を75重量%にしたこと以外は、電池3−6の作製方法と同様にして、電池3−12を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を75重量%にしたこと以外は、電池3−7の作製方法と同様にして、電池3−13を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を75重量%にしたこと以外は、電池3−8の作製方法と同様にして、電池3−14を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を75重量%にしたこと以外は、電池3−9の作製方法と同様にして、電池3−15を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を75重量%にしたこと以外は、電池3−10の作製方法と同様にして、電池3−16を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
パラジウムペーストにおけるパラジウムの量を75重量%にしたこと以外は、電池3−11の作製方法と同様にして、電池3−17を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
本実施例では、卑金属材料から構成される集電体を用いた。
(電池3−18)
正極活物質としてはLiCoPO4を用い、固体電解質としては、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3を用いた。なお、この固体電解質層は、負極活物質を兼ねる。
正極集電体層および負極集電体層に含まれる金属材料としては銅を用いた。なお、集電体材料のペーストにおける銅の量は、そのペーストの30重量%とした。
グリーンチップは、酸素分圧が所定の小さいな値に制御された、CO2とH2とを含む雰囲気ガス中において焼結した。なお、雰囲気ガスにおいて、CO2とH2との体積比は、103:1とした。
また、グリーンチップの焼結において、バインダーの分解温度は600℃とした。
これら以外は、電池3−1の作製方法と同様にして、電池3−18を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ50%であった。
正極集電体層および負極集電体層に含まれる金属材料にコバルトを用いた。グリーンチップを焼成するときの雰囲気ガスにおけるCO2とH2との体積比を10:1に変更した。また、グリーンチップに含まれるバインダーを、600℃で72時間加熱することにより分解した。これら以外は、電池3−18の作製方法と同様にして、電池3−19を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ50%であった。
正極集電体層および負極集電体層に含まれる金属材料にニッケルを用いた。グリーンチップを焼成するときの雰囲気ガスにおけるCO2とH2との体積比を40:1に変更した。また、グリーンチップに含まれるバインダーを、600℃で48時間加熱することにより分解した。これら以外は、電池3−18の作製方法と同様にして、電池3−20を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ50%であった。
正極集電体層および負極集電体層に含まれる金属材料にステンレス鋼を用いた。グリーンチップの焼成の最高温度を1000℃に変更した。これら以外は、電池3−18の作製方法と同様にして、電池3−21を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ50%であった。
正極集電体層および負極集電体層に含まれる金属材料にチタンを用いた。グリーンチップの焼成の最高温度を900℃に変更した。これら以外は、電池3−18の作製方法と同様にして、比較電池3−1を作製した。焼成後の正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ50%であった。
本実施例では、正極集電体層および負極集電体層の多孔度をそれぞれ10%とした。
(電池3−22)
正極集電体層および負極集電体層を形成するための銅ペーストにおいて、銅の量をそのペーストの70重量%とした。このこと以外は、電池3−18の作製方法と同様にして、電池3−22を作製した。正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
正極集電体層および負極集電体層を形成するためのコバルトペーストにおいて、コバルトの量をそのペーストの70重量%とした。このこと以外は、電池3−19の作製方法と同様にして、電池3−23を作製した。正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
正極集電体層および負極集電体層を形成するためのニッケルペーストにおいて、ニッケルの量をそのペーストの70重量%とした。このこと以外は、電池3−20の作製方法と同様にして、電池3−24を作製した。正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
正極集電体層および負極集電体層を形成するためのステンレス鋼ペーストにおいて、ステンレス鋼の量をそのペーストの70重量%とした。このこと以外は、電池3−21の作製方法と同様にして、電池3−25を作製した。正極集電体層および負極集電体層の多孔度は、それぞれ10%であった。
2 固体電解質グリーンシート
4 正極活物質グリーンシート
5 支持台
6 ポリエステルフィルム
7 固体電解質グリーンシート群
8 グリーンチップ
9 固体電解質面
10 セラミックス板
11 第1積層体
11a 正極活物質層
11b 固体電解質層
12 金薄膜
13 積層体の側面
14 金属リチウム箔
15 SUS板
16、27 PEO−LiTFSI層
17 固体電解質面
21 窒化ケイ素からなる層
22 単結晶ケイ素板
23 チタン薄膜
24 金薄膜
25 LiCoPO4薄膜
26 LiTi2(PO4)3薄膜
28 金属リチウム薄膜
29 銅薄膜
31 固体電解質グリーンシート
32 正極活物質グリーンシート
33 負極活物質グリーンシート
34 支持台
35 ポリエステルフィルム
36 固体電解質グリーンシート群
37 グリーンチップ
38 セラミックス板
39 第2積層体
39a 正極活物質層
39b 固体電解質層
39c 負極活物質層
40、41 金薄膜
42 積層体の各側面
43 窒化ケイ素からなる層
44 単結晶ケイ素基板
45 チタン薄膜層
46 金薄膜
47 LiCoPO4薄膜
48 LiTi2(PO4)3薄膜
49 Li3Fe2(PO4)3薄膜
50 銅薄膜
51 金属製ケース
52 金属製封口板
53 ナイロン製ガスケット
54 ニッケル製のスポンジメタル片
55、56 銀薄膜
57 銅製リード
58 ハンダ
59 エポキシ樹脂
61、75 固体電解質グリーンシート
62、74 正極活物質グリーンシート
63 正極活物質グリーンシートが直線状に並んだ列
64、77 正極集電体グリーンシート
65、76 負極活物質グリーンシート
66、78 負極集電体グリーンシート
67 支持台
68 ポリエステルフィルム
69 固体電解質グリーンシート群
70 負極積層物
71 正極積層物
72 積層物
73 グリーンチップ
79 焼結体
80、94 正極集電体露出面
81、95 負極集電体露出面
82、96 正極外部集電体
83、97 負極外部集電体
84、90 三次元網目状の集電体を含む正極活物質グリーンシート
85 正極シート
86、92 三次元網目状の集電体を含む負極活物質グリーンシート
87 負極シート
88 積層物
89 グリーンチップ
90 固体電解質グリーンシート
93 焼結体
98 ガラス層
100 固体電解質グリーンシート
101 正極活物質グリーンシート
102 列
103 正極集電体グリーンシート
104 負極集電体グリーンシート
105 支持台
106 ポリエステルフィルム
107 固体電解質グリーンシート群
108 負極兼固体電解質シート
109 正極積層物
110 積層物
111 グリーンチップ
112 焼結体
113 正極集電体露出面
114 負極集電体露出面
115 正極外部集電体
116 負極外部集電体
Claims (53)
- 活物質層と、前記活物質層に焼結接合された固体電解質層を含む全固体リチウム二次電池用積層体であって、
前記活物質層は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の第1リン酸化合物を含み、
前記第1リン酸化合物は、以下の一般式:
LiMPO 4
(Mは、(i)Mn、(ii)Fe、(iii)Co、(iv)Ni、(v)CoおよびNi、または(vi)MnおよびFeである)
で表され、
前記固体電解質層は、リチウムイオン伝導性を有する結晶性の第2リン酸化合物を含み、
前記第2リン酸化合物は、以下の一般式:
Li 1+X M III X Ti IV 2-X (PO 4 ) 3
(M III は、Alイオンであり、0≦X≦0.6である)
で表され、
前記活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない、全固体リチウム二次電池用積層体。 - 少なくとも前記固体電解質層の充填率が70%を超える請求項1記載の全固体リチウム二次電池用積層体。
- 前記活物質層および前記固体電解質層の少なくとも1つが、非晶質酸化物を含む請求項1記載の全固体リチウム二次電池用積層体。
- 前記活物質層および前記固体電解質層の少なくとも1つが、それぞれ前記非晶質酸化物を0.1〜10重量%含む請求項3記載の全固体リチウム二次電池用積層体。
- 前記非晶質酸化物の軟化点が、700℃以上950℃以下である請求項3記載の全固体リチウム二次電池用積層体。
- 前記第1リン酸化合物が、LiMnPO 4 、LiFePO 4 、LiCoPO 4 、LiNiPO 4 、LiCo 0.5 Ni 0.5 PO 4 、またはLiMn 0.7 Fe 0.3 PO 4 である、請求項1記載の全固体リチウム二次電池用積層体。
- 前記第2リン酸化合物の一般式において、0≦X≦0.3である、請求項1記載の全固体リチウム二次電池用積層体。
- 前記第2リン酸化合物が、Li 1.3 Al 0.3 Ti 1.7 (PO 4 ) 3 、またはLiTi 2 (PO 4 ) 3 である、請求項1記載の全固体リチウム二次電池用積層体。
- 請求項1〜8記載の全固体リチウム二次電池用積層体を備える全固体リチウム二次電池であって、
前記積層体が、正極活物質層としての前記活物質層と、前記正極活物質層に焼結接合された前記固体電解質層とを含む組を少なくとも1つ含む、全固体リチウム二次電池。 - 前記組が、前記固体電解質層を介して前記正極活物質層と対向する負極活物質層を有し、前記固体電解質層と前記負極活物質層とが接合されており、前記負極活物質層は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の第3リン酸化合物またはTiを含む酸化物を含む請求項9記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記第3リン酸化合物が、FePO4、Li3Fe2(PO4)3、およびLiFeP2O7よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項10記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記固体電解質層が負極活物質層を兼ねる請求項9記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記正極活物質層および前記固体電解質層の少なくとも一つが、Li4P2O7を含み、前記固体電解質層の充填率が70%を超えている請求項9記載の全固体リチウム二次電池。
- Li4P2O7が、それが含まれる層の0.1〜10重量%を占める請求項13記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記固体電解質層の前記正極活物質層と接合されていない面が、耐還元性を有する電解質からなる層を介して、金属リチウムまたは集電体と、接合されている請求項9記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記組が、正極集電体および負極集電体により挟まれている請求項9記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記正極活物質層が正極集電体を備え、前記負極活物質層が負極集電体を備える請求項10記載の全固体リチウム二次電池。
- 正極および負極の少なくとも一方の活物質層内に、薄膜状の集電体が設けられている請求項17記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも1つの多孔度が、20%以上60%以下である請求項18記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記薄膜状の正極集電体および前記薄膜状の負極集電体の少なくとも一方が、活物質層の厚さ方向の中央部に配置されている請求項18記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも一方の全体にわたって、集電体が三次元網目状に配置されている請求項17記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記正極活物質層の固体電解質層と接している方の面と反対側の面および前記負極活物質層の固体電解質と接している方の面と反対側の面の少なくとも一方に、集電体を備える請求項17記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記組が2つ以上であり、前記正極集電体および前記負極集電体が、それぞれ、正極外部集電体および負極外部集電体により並列に接続されている請求項17記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記正極集電体および前記負極集電体が、導電性材料からなる請求項17記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記導電性材料が、ステンレス鋼、銀、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、金、および白金よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項24記載の全固体リチウム二次電池。
- 前記正極外部集電体および前記負極外部集電体が、金属とガラスフリットとの混合物からなる請求項23記載の全固体リチウム二次電池。
- 活物質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、活物質層形成用スラリー1を得る工程、ここで、前記活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る第1リン酸化合物を含み、前記第1リン酸化合物は、以下の一般式:
LiMPO 4
(Mは、(i)Mn、(ii)Fe、(iii)Co、(iv)Ni、(v)CoおよびNi、または(vi)MnおよびFeである)
で表され、
固体電解質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、固体電解質層形成用スラリー2を得る工程、ここで、前記固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する第2リン酸化合物を含み、前記第2リン酸化合物は、以下の一般式:
Li 1+X M III X Ti IV 2-X (PO 4 ) 3
(M III は、Alイオンであり、0≦X≦0.6である)
で表され、
前記スラリー1を用いて、活物質グリーンシートを得る工程、
前記スラリー2を用いて、固体電解質グリーンシートを得る工程、
前記活物質グリーンシートおよび固体電解質グリーンシートを積層し、熱処理して、結晶性の前記第1リン酸化合物を含む活物質層と、前記活物質層に焼結接合され、かつ結晶性の前記第2リン酸化合物を含む固体電解質層とからなる積層体を得る工程を包含し、
前記活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない、積層体の製造方法。 - 前記スラリー1および前記スラリー2の少なくとも一方に、非晶質酸化物を含ませ、前記熱処理を700℃以上1000℃以下で行う請求項27記載の積層体の製造方法。
- 前記少なくとも一方のスラリーにおいて、前記非晶質酸化物と、前記活物質または前記固体電解質との合計に占める非晶質酸化物の割合が、0.1重量%〜10重量%である請求項28記載の積層体の製造方法。
- 前記非晶質酸化物の軟化点が、700℃以上950℃以下である請求項28記載の積層体の製造方法。
- 基板上に活物質を堆積させて、活物質層を形成する工程、ここで、前記活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の第1リン酸化合物を含み、前記第1リン酸化合物は、以下の一般式:
LiMPO 4
(Mは、(i)Mn、(ii)Fe、(iii)Co、(iv)Ni、(v)CoおよびNi、または(vi)MnおよびFeである)
で表され、
前記活物質層の上に、固体電解質を堆積させて、固体電解質層を形成する工程、ここで、前記固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する結晶性の第2リン酸化合物を含み、前記第2リン酸化合物は、以下の一般式:
Li 1+X M III X Ti IV 2-X (PO 4 ) 3
(M III は、Alイオンであり、0≦X≦0.6である)
で表され、
前記活物質層および固体電解質層を、熱処理して、結晶性の前記第1リン酸化合物を含む前記活物質層と、前記活物質層に焼結接合され、かつ結晶性の前記第2リン酸化合物を含む前記固体電解質層とからなる積層体を得る工程を包含し、
前記活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない、積層体の製造方法。 - 前記活物質および前記固体電解質の前記基板への堆積が、スパッタ法によって行われる請求項31記載の積層体の製造方法。
- (a)正極活物質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、正極活物質層形成用スラリー1を得る工程、ここで、前記正極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の第1リン酸化合物を含み、前記第1リン酸化合物は、以下の一般式:
LiMPO 4
(Mは、(i)Mn、(ii)Fe、(iii)Co、(iv)Ni、(v)CoおよびNi、または(vi)MnおよびFeである)
で表され、
(b)固体電解質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、固体電解質層形成用スラリー2を得る工程、ここで、前記固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する第2リン酸化合物を含み、前記第2リン酸化合物は、以下の一般式:
Li 1+X M III X Ti IV 2-X (PO 4 ) 3
(M III は、Alイオンであり、0≦X≦0.6である)
で表され、
(c)負極活物質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、負極活物質層形成用スラリー3を得る工程、ここで、前記負極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る第3リン酸化合物またはTiを含む酸化物を含み、
(d)前記スラリー1を用いて、正極活物質グリーンシートを得る工程、
(e)前記スラリー2を用いて、固体電解質グリーンシートを得る工程、
(f)前記スラリー3を用いて、負極活物質グリーンシートを得る工程、
(g)前記固体電解質シート、ならびに前記固体電解質シートを挟み込むように配置された前記正極活物質グリーンシートおよび前記負極活物質グリーンシートを含む組を少なくとも1つ含む第1グリーンシート群を形成する工程、ならびに
(h)前記第1グリーンシート群を熱処理して、結晶性の前記第1リン酸化合物を含む正極活物質層、結晶性の前記第2リン酸化合物を含む固体電解質層および負極活物質層が一体化され、かつ前記固体電解質層が前記正極活物質層に焼結接合された組を少なくとも1つ含む、積層体を得る工程を包含し、
前記正極活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない、全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記スラリー1、前記スラリー2および前記スラリー3よりなる群から選択される少なくとも1つが、非晶質酸化物を含む請求項33記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
- 前記工程(h)において、前記熱処理を700℃以上1000℃以下で行う請求項34記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
- 前記スラリー1、前記スラリー2および前記スラリー3よりなる群から選択される少なくとも1つに、Li4P2O7を添加し、
前記工程(h)において、前記熱処理を700℃以上1000℃以下で行う請求項33記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記工程(g)において、前記組を、少なくとも2枚の前記正極活物質グリーンシート、少なくとも2枚の前記負極活物質グリーンシート、および固体電解質グリーンシートを用いて構成し、
前記少なくとも2枚の正極活物質グリーンシートの間に1枚の正極集電体が設けられ、前記少なくとも2枚の負極活物質グリーンシートの間に1枚の負極集電体が設けられ、
前記積層体の表面の異なる領域に、前記正極集電体の一方の端部および前記負極集電体の一方の端部がそれぞれ露出される請求項33記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記工程(a)および工程(c)において、正極集電体を構成する材料および負極集電体を構成する材料が、それぞれ、前記スラリー1および前記スラリー3に、さらに混合され、
前記積層体の表面の異なる領域に、前記正極活物質層の一方の端部および前記負極活物質層の一方の端部がそれぞれ露出される請求項33記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。 - (A)正極活物質層、負極活物質層、および前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置された固体電解質層を含む組を備える第1群を得る工程、ならびに
(B)前記第1群を、所定の温度で熱処理して、前記正極活物質層、前記固体電解質層および前記負極活物質層を一体化させるとともに、前記固体電解質層を、前記正極活物質層に焼結接合させる工程を包含し、
前記工程(A)は、
(i)所定の基板上に正極活物質または負極活物質を堆積させて、第1活物質層を形成する工程、ここで、前記正極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る結晶性の第1リン酸化合物を含み、前記第1リン酸化合物は、以下の一般式:
LiMPO 4
(Mは、(i)Mn、(ii)Fe、(iii)Co、(iv)Ni、(v)CoおよびNi、または(vi)MnおよびFeである)
で表され、前記負極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る第3リン酸化合物またはチタンを含む酸化物を含み、
(ii)前記第1活物質層の上に、固体電解質を堆積させて、固体電解質層を形成する工程、ここで、前記固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する第2リン酸化合物を含み、前記第2リン酸化合物は、以下の一般式:
Li 1+X M III X Ti IV 2-X (PO 4 ) 3
(M III は、Alイオンであり、0≦X≦0.6である)
で表され、
および
(iii)前記固体電解質層の上に、前記第1活物質層とは異なる第2活物質層を積層させて、前記第1活物質層と前記固体電解質層と前記第2活物質層からなる組を含む積層物を得る工程、を包含し、
前記工程(B)において、熱処理後の前記正極活物質層が、結晶性の前記第1リン酸化合物を含み、熱処理後の前記固体電解質層が、結晶性の前記第2リン酸化合物を含み、
前記正極活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない、全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記工程(iii)が、前記工程(B)の前に、前記組を、固体電解質層を介して、少なくとも2つ積層して、第1群を得る工程をさらに含む請求項39記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
- 前記活物質および前記固体電解質の前記基板への堆積が、スパッタ法または熱蒸着によって行われる請求項39記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
- 前記第3リン酸化合物が、Li1+XMIII XTiIV 2-X(PO4)3(MIIIは、Alイオンであり、0≦X≦0.6である)を含み、
前記熱処理が、水蒸気と低酸素分圧ガスとを含む雰囲気ガス中で行われ、
前記水蒸気は、前記雰囲気ガスの5〜90体積%を占め、
前記熱処理の最高温度が、700℃以上1000℃以下である請求項37記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記第1リン酸化合物の一般式において、Mが、Fe、またはMnおよびFeであり、
前記熱処理が、水蒸気と低酸素分圧ガスとを含む雰囲気ガス中で行われ、
前記水蒸気は、前記雰囲気ガスの5〜90体積%を占め、
前記熱処理の最高温度が700℃以上1000℃以下である請求項33記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記雰囲気ガスにおいて、平衡酸素分圧PO2(気圧)が、前記熱処理の一定維持温度をT℃とした場合に、以下の式:
−0.0310T+33.5≦−log10PO2≦−0.0300T+38.1
を満たす請求項42または43記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記第1リン酸化合物の一般式において、Mが、Fe、またはMnおよびFeであり、
前記熱処理が、水蒸気と低酸素分圧ガスとを含む雰囲気ガス中で行われ、
前記水蒸気は、前記雰囲気ガスの5〜90体積%を占め、
前記熱処理の最高温度が700℃以上1000℃以下である請求項27記載の積層体の製造方法。 - 前記雰囲気ガスにおいて、平衡酸素分圧PO2(気圧)が、前記熱処理の一定維持温度をT℃とした場合に、以下の式:
−0.0310T+33.5≦−log10PO2≦−0.0300T+38.1
を満たす請求項45記載の積層体の製造方法。 - 前記低酸素分圧ガスが、酸素を放出可能なガスおよび酸素と反応するガスの混合物を含む請求項45記載の積層体の製造方法。
- 前記正極集電体および前記負極集電体のうちの少なくとも一方が、銀、銅、およびニッケルよりなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、
前記熱処理が、電極の酸化還元平衡酸素分圧より低い酸素分圧を有する雰囲気ガス中で行われ、
前記熱処理の最高温度が700℃以上1000℃以下である請求項37記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記雰囲気ガスが、3容量%以下の炭酸ガスと水素ガスを含み、前記炭酸ガスと前記水素ガスとの混合比を変化させることにより、前記雰囲気ガスの酸素分圧が調節されている請求項48記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
- 前記正極集電体および前記負極集電体のうちの少なくとも一方が、銀、銅およびニッケルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含み、
前記熱処理が、水蒸気と低酸素分圧ガスとを含む雰囲気ガス中で行われ、
前記水蒸気は、前記雰囲気ガスの5〜90体積%を占め、
前記熱処理の最高温度が700℃以上1000℃以下である請求項37または38記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記雰囲気ガスにおいて、平衡酸素分圧PO2(気圧)が、前記熱処理の一定維持温度をT℃とした場合に、以下の式:
−0.0310T+3.5≦−log10PO2≦−0.0300T+38.1
を満たす請求項50記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。 - 前記低酸素分圧ガスが、酸素を放出可能なガスおよび酸素と反応するガスの混合物を含む請求項42記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
- (a)正極活物質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、正極活物質層形成用スラリー1を得る工程、ここで、前記正極活物質は、リチウムイオンを放出および吸蔵し得る第1リン酸化合物を含み、前記第1リン酸化合物は、以下の一般式:
LiMPO 4
(Mは、(i)Mn、(ii)Fe、(iii)Co、(iv)Ni、(v)CoおよびNi、または(vi)MnおよびFeである)
で表され、
(b)固体電解質を、バインダーおよび可塑剤を含む溶媒中に分散させて、固体電解質層形成用スラリー2を得る工程、ここで、前記固体電解質はリチウムイオン伝導性を有する第2リン酸化合物を含み、前記固体電解質は負極活物質を兼ね、前記第2リン酸化合物は、以下の一般式:
Li 1+X M III X Ti IV 2-X (PO 4 ) 3
(M III は、Alイオンであり、0≦X≦0.6である)
で表され、
(c)前記スラリー1を用いて、正極活物質グリーンシートを得る工程、
(d)前記スラリー2を用いて、固体電解質グリーンシートを得る工程、
(e)前記正極活物質グリーンシート、および前記固体電解質グリーンシートを含む組を少なくとも1つ含む第2グリーンシート群を形成する工程、ならびに
(f)前記第2グリーンシート群を熱処理して、結晶性の前記第1リン酸化合物を含む正極活物質層と結晶性の前記第2リン酸化合物を含む固体電解質層とが一体化され、かつ前記正極活物質層に前記固体電解質層が焼結接合された組を少なくとも1つ含む積層体を得る工程を包含し、
前記工程(e)において、前記組を、少なくとも2枚の前記正極活物質グリーンシート、少なくとも2枚の前記固体電解質グリーンシートを用いて構成し、前記少なくとも2枚の正極活物質グリーンシートの間に1枚の正極集電体が設けられ、前記少なくとも2枚の固体電解質グリーンシートの間に1枚の負極集電体が設けられ、
前記正極集電体および前記負極集電体の少なくとも一方が、銀、銅、およびニッケルよりなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記熱処理が、水蒸気と低酸素分圧ガスとを含む雰囲気ガス中で行われ、
前記正極活物質と前記固体電解質との接合界面において、充放電反応に寄与しない不純物相を含まない、全固体リチウム二次電池の製造方法。
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