JP5164352B2 - インクジェット記録用水系インク - Google Patents
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Description
その中でも、印刷物の耐候性や耐水性の観点から、着色剤に顔料系インクを用いるものが主流となってきているが、着色剤として顔料を用いた場合、印刷物の観測角度によって、反射光が顔料本来の色とは異なる色に観察されるブロンズ現象が生じることがある。例えば、シアンインクに含まれるフタロシアニン系顔料は、反射光が赤色に着色し、画質を著しく悪化させることがある。なお、ブロンズ現象に関しては、「色彩科学ハンドブック」(東京大学出版会)第777頁に詳細な解説がなされている。
このブロンズ現象を改善するために、ポリエーテル変性ポリシロキサンとスルホン基含有(共)重合体エマルジョンを含むインク組成物(特許文献1)、多環芳香族ヘテロ共役系化合物を含むインク(特許文献2)等が提案されている。しかし、これらの方法では、添加物や顔料変更による印刷画質への悪影響が懸念されている。
(1)着色剤を含有する水不溶性架橋ポリマー粒子(A)及びコアシェルポリマー粒子(B)を含有する、インクジェット記録用水分散体。
(2)着色剤を含有する水不溶性架橋ポリマー粒子(A)及び架橋ポリマー粒子(C)を含有する、インクジェット記録用水分散体。
(3)前記(1)又は(2)の水分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク。
(4)下記工程1〜3を有する、架橋コアシェルポリマー粒子の製造方法。
工程1:水不溶性ポリマー、少なくとも2個の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性モノマー、有機溶媒、疎水性モノマー、及び水を含有する乳化組成物を得る工程
工程2:工程1で得られた乳化組成物中の該疎水性モノマーと該架橋性モノマーとを重合してコア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子の分散体を得る工程
工程3:工程2で得られたコア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子と少なくとも2個の反応性官能基を有する架橋剤とを反応させる工程
また、本発明の方法によれば、インクジェット記録用水系インクに含有させることのできる架橋コアシェルポリマー粒子を効率的に製造することができる。
以下、詳細に説明するが、着色剤を含有する水不溶性架橋ポリマー粒子(A)を「着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)」ということがあり、水不溶性架橋ポリマーを単に「架橋ポリマー(A)」ということがある。
着色剤としては特に制限はなく、顔料、疎水性染料、水溶性染料(酸性染料、反応染料、直接染料等)等を用いることができるが、耐水性、分散安定性及び耐擦過性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましい。中でも、近年要求が強い高耐候性を発現させるためには、顔料を用いることが好ましい。
顔料及び疎水性染料は、水系インクに使用する場合には、界面活性剤、ポリマーを用いて、インク中で安定な微粒子にする必要がある。特に、耐滲み性、耐水性等の観点から、ポリマーの粒子中に顔料及び/又は疎水性染料を含有させることが好ましい。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
疎水性染料としては、油溶性染料、分散染料等が挙げられ、これらの中では油溶性染料が好ましい。
油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック、C.I.ソルベント・イエロー、C.I.ソルベント・レッド、C.I.ソルベント・バイオレット、C.I.ソルベント・ブルー、C.I.ソルベント・グリーン、及びC.I.ソルベント・オレンジからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられ、オリエント化学株式会社、BASF社等から市販されている。
これらの中でも、ブロンズ現象の低減効果を高める観点から、シアン顔料を用いることが好ましく、フタロシアニン顔料がより好ましい。具体的には、銅フタロシアニン顔料が好ましく、特にC.I.ピグメントブルー15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同16及び同60からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。上記の着色剤は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
本発明に用いられる水不溶性ポリマーは、架橋剤で架橋して架橋ポリマー(A)とされるものである。ここで、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。溶解量は、ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
用いるポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ビニルポリマー等が挙げられるが、その分散安定性の観点から、ビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニルポリマーが好ましい。
ビニルポリマーとしては、(a)塩生成基含有モノマー(以下「(a)成分」ということがある)と、(b)マクロマー(以下「(b)成分」ということがある)及び/又は(c)疎水性モノマー(以下「(c)成分」ということがある)とを含むモノマー混合物(以下「モノマー混合物」ということがある)を共重合させてなる水不溶性ビニルポリマーが好ましい。この水不溶性ビニルポリマーは、(a)成分由来の構成単位と、(b)成分由来の構成単位及び/又は(c)成分由来の構成単位を有する。より好適な水不溶性ビニルポリマーは、(a)成分由来の構成単位、又は(a)及び(c)成分由来の構成単位を主鎖として有し、(b)成分由来の構成単位を側鎖として有する水不溶性グラフトポリマーである。
塩生成基含有モノマーとしては、特開平9−286939号公報段落〔0022〕等に記載されているカチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
(b)マクロマーの中では、着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)の分散安定性等の観点から、片末端に重合性官能基を有する、スチレン系マクロマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーが好ましい。
スチレン系マクロマーとしては、スチレン系モノマー単独重合体、又はスチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等が挙げられる。
また、それらのマクロマーの片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、共重合される他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が好ましい。
スチレン系マクロマー中におけるスチレン系モノマー、又は芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマー中における芳香族基含有(メタ)アクリレートの含有量は、顔料との親和性を高める観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
CH2=C(CH3)−COOC3H6−〔Si(CH3)2O〕t−Si(CH3)3 (1)
(式中、tは8〜40の数を示す。)。
(b)成分として商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート又はそれらの両方を示す。
(c)成分の中では、印字濃度向上の観点から、スチレン系モノマー(c−1成分)が好ましく、スチレン系モノマーとしては特にスチレン及び2−メチルスチレンが好ましい。(c)成分中の(c−1)成分の含有量は、印字濃度向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
また、芳香族基含有(メタ)アクリレート(c−2)成分としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。(c)成分中の(c−2)成分の含有量は、印字濃度及び光沢性の向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。また、(c−1)成分と(c−2)成分を併用することも好ましい。
(d)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ。)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
CH2=C(R1)COO(R2O)qR3 (2)
(式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、R2は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R3は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基又は炭素数1〜9のアルキル基を有してもよいフェニル基、qは、平均付加モル数を意味し、1〜60の数、好ましくは1〜30の数を示す。)
(e)成分は、吐出性を向上するという優れた効果を発現する。
式(2)において、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子及び硫黄原子が挙げられる。
R1の好適例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基等が挙げられる。
R2O基の好適例としては、オキシエチレン基、オキシトリメチレン墓、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらの2種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルカンジイル基(オキシアルキレン基)が挙げられる。
R3の好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基を有していてもよい、フェニル基が挙げられる。
上記(a)〜(e)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(a)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%、特に好ましくは3〜20重量%である。
(b)成分の含有量は、特に着色剤との相互作用を高める観点から、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
(c)成分の含有量は、印字濃度向上の観点から、好ましくは5〜98重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
(d)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは7〜20重量%である。
(e)成分の含有量は、吐出性向上の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
モノマー混合物中における〔(a)成分+(d)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。〔(a)成分+(e)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性及び吐出性の観点から、好ましくは6〜75重量%、より好ましくは13〜50重量%である。また、〔(a)成分+(d)成分+(e)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性及び吐出性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%である。
また、〔(a)成分/[(b)成分+(c)成分]〕の重量比は、得られる分散体の分散安定性及び印字濃度の観点から、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.02〜0.67、更に好ましくは0.03〜0.50である。
本発明で用いられる水不溶性ポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
重合の際には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物や、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加してもよい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
本発明で用いられる水不溶性ビニルポリマーは、(a)塩生成基含有モノマー由来の塩生成基を有している場合は中和剤により中和して用いる。中和剤としては、ポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができる。例えば、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸、硫酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン等の塩基が挙げられる。
ここで中和度は、塩生成基がアニオン性基である場合、下記式(3)、(4)によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100 (3)
塩生成基がカチオン性基である場合は、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]}×100 (4)
酸価やアミン価は、ポリマーの構成単位から、計算で算出することができる。または、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して、滴定する方法でも求めることができる。
着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)の製造に用いられる架橋剤は、水不溶性ポリマーを適度に架橋するため、少なくとも2個の反応性官能基を有する架橋剤(以下、単に「架橋剤」ともいう)が好ましい。架橋剤の分子量は、反応のし易さ、及び得られる架橋ポリマー粒子の保存安定性の観点から、120〜2000が好ましく、150〜1500が更に好ましく、150〜1000が特に好ましい。
反応性官能基の数は、分子量を制御して光沢性を向上する観点から、2〜4が好ましく、2が最も好ましい。反応性官能基としては、水酸基、エポキシ基、アルデヒド基、アミノ基、及びカルボキシ基からなる群から選ばれる1以上が好ましく挙げられる。
架橋剤の具体例としては、
(a)分子中に2つ以上の水酸基を有する化合物:例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングルコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルアルコール、ジエタノールアミン、トリジエタノールアミン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブドウ糖等の多価アルコール、
(b)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物:例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル、
(c)分子中に2つ以上のアルデヒド基を有する化合物:例えば、グルタールアルデヒド、グリオキザール等のポリアルデヒド、
(d)分子中に2つ以上のアミノ基を有する化合物:例えば、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン等のポリアミン、及び
(e)分子中に2つ以上のカルボキシ基を有する化合物:例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸の等多価カルボン酸 が挙げられる。
水不溶性ポリマーの反応性基がカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等の酸性基の場合は、架橋剤は前記(a)、(b)及び(d)化合物が好ましい。
また、水不溶性ポリマーの反応性基がアミノ基、水酸基の場合は、架橋剤は前記(b)、(c)及び(e)化合物が好ましい。
水不溶性ポリマーの反応性基がイソシアネート基、エポキシ基の場合は、架橋剤は前記(a)、(d)及び(e)化合物が好ましい。
上記の組合せの中では、水不溶性ポリマーに適度な架橋構造を付与するように制御する観点から、酸性基(カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等)、アミノ基及び水酸基から選ばれる1種以上の反応性基を有する水不溶性ポリマーと、(b)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物との組合せが特に好ましい。
前記架橋剤と反応しうる反応性基を有するポリマーとして、酸性基、アミノ基等の塩生成基を有するポリマーは、前述の塩生成基含有モノマーを共重合したポリマーを用いることができ、水酸基を有するポリマーは、前述の水酸基含有モノマーを共重合したポリマーを用いることができる。
エポキシ基を有するポリマーとしては、エポキシ基を有するモノマー、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを共重合したポリマーを用いることができる。イソシアネート基を有するポリマーとしては、(i)イソシアネート基を有するモノマー、例えばイソシアネートエチル(メタ)アクリレートを共重合したポリマー、(ii)不飽和ポリエステルポリオールとイソシアネートから得られるイソシアネート末端プレポリマーを共重合したポリマー等を用いることができる。
本発明において、着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)は、コアシェルポリマー粒子(B)又は架橋ポリマー粒子(C)との相互作用により、印字濃度、光沢性を向上し、ブロンズ現象を抑制するために用いられる。
架橋ポリマー(A)が、適度な架橋構造を有することで、ポリマーの膨潤による粒子間同士の融着を防止することができると考えられる。
着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)の製造方法としては、(i)着色剤と水不溶性ポリマーを用いて、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子を得る工程Iと、工程Iで得られた着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子を架橋剤で架橋させて、架橋ポリマー粒子を得る工程IIとにより製造する方法と、(ii)水不溶性ポリマーを架橋剤で架橋させて水不溶性架橋ポリマーを得る工程IIIと、工程IIIで得られた水不溶性架橋ポリマーと着色剤とを用いて、架橋ポリマー粒子を得る工程IVとにより製造する方法が挙げられる。これらの中では、製造し易さから、前記(i)による方法が好ましい。
工程(1):水不溶性ポリマー、有機溶媒、着色剤、水、及び必要なら中和剤を含有する混合物を分散処理して、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の分散体を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた分散体から前記有機溶媒を除去して、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得る工程
工程(3):工程(2)で得られた着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体と架橋剤とを反応させて、着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)を得る工程
水不溶性ポリマーが塩生成基を有する場合、中和剤を用いることが好ましい。中和剤を用いて中和する場合の中和度には、特に限定がない。通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。前記水不溶性ポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。中和剤としては、前記のものが挙げられる。また、水不溶性ポリマーを予め中和しておいてもよい。
有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒及びジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒が挙げられる。好ましくは、水に対する溶解度が20℃において、50重量%以下でかつ10重量%以上のものであり、特に、メチルエチルケトンが好ましい。
混合物を予備分散させる際には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社、商品名〕、エバラマイルダー〔荏原製作所株式会社、商品名〕、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、TKホモジェッター、TKホモミックラインフロー、フィルミックス〔以上、プライミクス株式会社、商品名〕、クリアミックス〔エム・テクニック株式会社、商品名〕、ケイディーミル〔キネティック・ディスパージョン社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。
本分散の剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics 社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕、アルティマイザー〔スギノマシン株式会社、商品名〕、ジーナスPY〔白水化学株式会社、商品名〕、DeBEE2000 〔日本ビーイーイー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。これらの中では、顔料を用いる場合に、顔料の小粒子径化の観点から、高圧ホモジナイザーが好ましい。
得られた着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体は、着色剤を含有するポリマーの固体分が水を主溶媒とする中に分散しているものである。ここで、ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも着色剤とポリマーにより粒子が形成されていればよい。例えば、ポリマーに着色剤が内包された粒子形態、ポリマー中に着色剤が均一に分散された粒子形態、ポリマー粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等が含まれる。
反応時間は、好ましくは0.5〜10時間、更に好ましくは1〜5時間、反応温度は、好ましくは40〜95℃である。
架橋剤の使用量は、光沢性及び保存安定性の観点から、水不溶性ポリマー100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、0.3重量部以上がより好ましく、0.5重量部以上が更に好ましく、1重量部以上が特に好ましく、1.5重量部以上が最も好ましい。また、その上限は、15重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、8重量部以下が更に好ましく、6.5重量部以下が特に好ましく、6重量部以下が最も好ましい。これらの観点から、0.1〜15重量部が好ましく、0.3〜10重量部がより好ましく、0.5〜8重量部が更に好ましく、1〜7.5重量部がより更に好ましく、1〜6.5重量部が特に好ましく、1.5〜6重量部が最も好ましい。
架橋率(モル%)=[水不溶性ポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数×100/水不溶性ポリマー1モルが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数] (5)
ここで、「水不溶性ポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数」とは、水不溶性ポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル数に架橋剤1分子中の反応性基の数を乗じた値である。
本発明においては、架橋ポリマー粒子の柔軟性を改良し、印字物の光沢性を向上させる観点から、水不溶性有機化合物を用いることができる。
水不溶性有機化合物は、水系インクの光沢性の向上の観点から、分子量100〜2,000のものが好ましく、分子量100〜1,200のものがより好ましい。
水100gに対する水不溶性有機化合物の溶解量(20℃)は、好ましくは5g以下、より好ましくは3g以下、更に好ましくは1g以下、特に好ましくは0.5g以下である。
水不溶性有機化合物は、専用紙に印字した際の印字物の光沢度を向上させると共に、水分散体の保存安定性を向上させる観点から、そのLogP値(水不溶性有機化合物の1−オクタノール/水の分配係数の対数値)が好ましくは4〜16、より好ましくは5〜16、特に好ましくは6〜15である。
エステル化合物の中では、1価カルボン酸又はその塩と多価アルコールから得られるエステル、多価酸(多価カルボン酸、リン酸)又はその塩と1価アルコールから得られるエステルが好ましく、エーテル化合物の中では、多価アルコールのエーテルが好ましい。塩としては、アルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
1価アルコールとしては、炭素数1〜18、好ましくは炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコール(例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ドデシルアルコール)、炭素数6〜12の芳香族アルコール(例えば、フェノール)及びこれらのアルキレンオキサイド化合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等の炭素数2〜12の多価アルコール及びこれらのアルキレンオキサイド化合物等が挙げられる。脂肪酸やアルコールとしては飽和又は不飽和のいずれのものも使用できる。
これらの中では、光沢性向上の観点から、前記(1)〜(5)、(8)及び(10)の化合物が好ましく、(1)脂肪族カルボン酸エステル、(2)芳香族カルボン酸エステル、(3)シクロアルカン(ケン)カルボン酸エステル及び(4)リン酸エステルからなる群より選ばれる1種以上であることが更に好ましく、脂肪族ジカルボン酸エステル、芳香族ジ又はトリカルボン酸エステル、シクロアルカン(ケン)ジカルボン酸エステル及びリン酸ジ又はトリエステルからなる群より選ばれる1種以上であることが特に好ましい。
本発明において、コアシェルポリマー粒子(B)とは、コア部を構成するポリマーにシェル部を構成するポリマーが物理的又は化学的に結合した構造を有するポリマーを意味する。
コア部を構成するポリマーと、シェル部を構成するポリマーとは、その求められる性能の観点から、構成単位の種類(原料となるモノマーの種類)及び/又は構成単位の重量比(モノマーの重量比)の点で異なるものである。即ち、コア部のポリマーは光沢性、印字濃度を向上させ、シェル部のポリマーはコアシェルポリマー粒子(B)の水分散体としての安定性の機能を有する。
コアシェルポリマー粒子(B)のコア部又はシェル部は、必ずしも架橋されている必要はないが、印字濃度、光沢性を向上し、ブロンズ現象を抑制する観点から、コア部又はシェル部が架橋されてなる架橋ポリマー粒子(C)であることが好ましい。
また、架橋ポリマー粒子(C)の中では、印字濃度、光沢性を向上し、ブロンズ現象を抑制する観点から、コア部及びシェル部の両方が架橋されてなる架橋コアシェルポリマー粒子が特に好ましい。
コアシェルポリマー粒子(B)のコア部を未架橋のポリマーとする場合は、疎水性モノマーを重合して得られるポリマーとすることが好ましい。
また、コアシェルポリマー粒子(B)のコア部を架橋ポリマーとする場合は、少なくとも2個の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性モノマー及び疎水性モノマーを重合して得られるポリマーとすることが好ましい。
少なくとも2個の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性モノマー(以下、単に「架橋性モノマー」ともいう)としては、(1)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物;(2)N−メチルアリルアクリルアミド、N−ビニルアクリルアミド、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビスアクリルアミド酢酸等のアクリルアミド化合物;(3)ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルエチレン尿素等のジビニル化合物;(4)ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリアリルアンモニウム塩、ペンタエリスリトールのアリルエーテル化体、分子中に少なくとも2個のアリルエーテル単位を有するスクローゼのアリルエーテル化体等のポリアリル化合物等が挙げられる。
これらの中では、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミドが特に好ましい。
特に好ましくは、コアシェルポリマー粒子(B)のシェル部を構成する構成単位と架橋ポリマー(A)を構成する構成単位とが、2以上の同じ構成単位を有することが好ましく、3以上の同じ構成単位を有することが更に好ましくが、全て同じ構成単位であることが特に好ましい。
コアシェルポリマー粒子(B)のシェル部を未架橋のポリマーとする場合は、(a)塩生成基含有モノマー、(b)マクロマー及び/又は(c)疎水性モノマーを含むモノマー混合物を共重合させてなるポリマーとすることが好ましい。
また、コアシェルポリマー粒子(B)のシェル部を架橋ポリマーとする場合は、(a)塩生成基含有モノマー、(b)マクロマー及び/又は(c)疎水性モノマーを含むモノマー混合物を共重合させてなるポリマーを、架橋剤により架橋して得られるポリマーとすることが好ましい。
印字濃度、光沢性を向上し、ブロンズ現象を抑制する観点から、架橋ポリマー粒子(C)を構成する構成単位と架橋ポリマー(A)を構成する構成単位とが、前記の水不溶性ポリマー欄に記載した(a)塩生成基含有モノマー、(b)マクロマー、(c)疎水性モノマー、(d)水酸基含有モノマー、及び(e)成分からなる群から選ばれるモノマー種であって、2以上の同じモノマー種に由来する構成単位を含むことが好ましく、3以上の同じモノマー種に由来する構成単位を含むことがより好ましく、(a)〜(e)の5つのモノマー種に由来する構成単位を含むことが特に好ましい。即ち、架橋ポリマー粒子(C)を構成するモノマー群から選ばれる2種又は3種以上のモノマーと、架橋ポリマー(A)を構成するモノマー群から選ばれる2種又は3種以上のモノマーとを同一にすることである。
特に好ましくは、架橋ポリマー粒子(C)を構成する構成単位と架橋ポリマー(A)を構成する構成単位とが、2以上の同じ構成単位を有することが好ましく、3以上の同じ構成単位を有することが更に好ましくが、全て同じ構成単位であることが特に好ましい。
また、架橋剤としては、分子中に2つ以上の反応性官能基、特に水酸基、エポキシ基、アルデヒド基、カルボキシ基からなる群から選ばれる1以上の基を有する架橋剤が好ましく挙げられる。それらの具体例は、前記の架橋剤欄に記載したとおりである。これらの中でも、分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルが特に好ましい。
工程1:水不溶性ポリマー、少なくとも2個の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性モノマー、有機溶媒、疎水性モノマー、及び水を含有する乳化組成物を得る工程
工程2:工程1で得られた乳化組成物中の該疎水性モノマーと該架橋性モノマーとを重合してコア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子の分散体を得る工程
工程3:工程2で得られたコア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子と分子内に少なくとも2個の反応性官能基を有する架橋剤とを反応させる工程
水不溶性ポリマーが塩生成基を有する場合の中和度には、特に限定がない。通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えばpHが4.5〜10であることが好ましい。また、塩生成基を有する水不溶性ポリマーを予め中和しておいてもよい。中和剤としては、前記のものが挙げられる。
工程1における乳化方法に特に制限はないが、超音波分散法等によりモノマー混合物を十分に乳化させておくことが好ましい。超音波分散機としては、周波数20〜2000kHz、反応総液量の1リットル当たりのワット数が好ましくは20〜1000W、より好ましくは50〜800Wであるものが望ましく、かかる超音波分散機は、株式会社日本精機製作所、アレックス社等から市販されている。工程1の乳化条件は、5〜50℃が好ましく、0.5〜3時間程度が好ましい。
少なくとも2個の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性モノマーの使用量は、印字濃度、光沢性及びブロンズ現象抑制の観点から、疎水性モノマーと架橋性モノマーとの合計100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、0.7〜15重量部がより好ましく、1〜10重量部が更に好ましく、1〜8重量部が特に好ましい。
工程3では、得られたコア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子と分子内に少なくとも2個の反応性官能基を有する架橋剤とを反応させて、架橋コアシェルポリマー粒子を得る。この工程3でシェル部である水不溶性ポリマーが架橋されて、コア部及びシェル部の両方が架橋されてなる架橋コアシェルポリマー粒子が得られる。
上記反応における触媒、溶媒、温度、時間は、用いる架橋剤を考慮して適宜決定することができる。反応時間は、好ましくは0.5〜10時間、更に好ましくは1〜5時間であり、反応温度は、好ましくは40〜95℃である。
架橋剤の使用量は、印字濃度、光沢性の向上及びブロンズ現象抑制の観点から、水不溶性ポリマー(シェル部のポリマー)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.3〜8重量部がより好ましく、0.5〜6重量部がより更に好ましい。
コア部の架橋度(重量%)=(架橋剤量/架橋コア部のポリマー量)×100 (6)
式(6)において、架橋コア部のポリマー量は、架橋したポリマー量であり、架橋剤を含む。
また、下記式(7)で表されるシェル部の架橋度は、印字濃度、光沢性の観点から、好ましくは0.1〜15重量部が好ましく、0.3〜10重量部がより好ましく、0.5〜8重量部が更に好ましく、1〜7.5重量部がより更に好ましく、1〜6.5重量部が特に好ましく、1.5〜6重量部が最も好ましい。
シェル部の架橋度(重量%)=(架橋剤量/シェル部のポリマー量)×100 (7)
式(7)において、シェル部のポリマー量は、架橋する前のポリマー量であり、架橋剤量を含まない。
ここで、下記式(8)により求めたシェル部の架橋率(モル%)は、印字濃度、光沢性の観点から、好ましくは1〜80%、より好ましくは3〜60%であり、特に好ましくは5〜50%である。
架橋率(モル%)=[シェル部を構成するポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数×100/シェル部を構成するポリマー1モルが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数] (8)
式(8)において、「シェル部を構成するポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数」とは、シェル部を構成するポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル数に架橋剤1分子中の反応性基の数を乗じた値である。
また、下記式(9)で表される架橋ポリマー粒子(C)の架橋度は、印字濃度、光沢性の観点から、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは2〜8重量%である。
架橋ポリマー粒子(C)の架橋度(重量%)=(架橋剤量/架橋ポリマー量)×100 (9)
式(9)において、架橋ポリマー量は、架橋したポリマー量であり、コアシェルポリマーである場合は、架橋コア部のポリマー量と架橋シェル部のポリマー量との合計量である。
本発明の水分散体は、前記の方法により得られた、着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)、及びコアシェルポリマー粒子(B)又は架橋ポリマー粒子(C)を混合し、必要に応じて水不溶性有機化合物を存在させることにより得ることができる。
本発明の水系インクは、本発明の水分散体を含有し、水を主媒体とするインクであり、必要により、湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤等の添加剤を添加することができる。これらの各成分の混合方法に特に制限はない。
着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)の含有量は、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜12重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
コアシェルポリマー粒子(B)の含有量は、好ましくは0.3〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。
架橋ポリマー粒子(C)の含有量は、好ましくは0.3〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。
コア部とシェル部との重量比(コア部/シェル部)は、好ましくは0.3〜15であり、より好ましくは0.4〜13であり、更に好ましくは0.5〜10であり、特に好ましくは0.5〜8である。架橋する場合、コア部とシェル部との重量比の計算には、それぞれ架橋剤量も含む。
水不溶性有機化合物の含有量は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜4重量%、特に好ましくは0.3〜3重量%である。
水の含有量は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。
また、コアシェルポリマー粒子(B)及び架橋ポリマー粒子(C)の平均粒径は、印字濃度の向上、光沢性の向上及びブロンズ現象抑制の観点から、好ましくは0.01〜0.5μm、より好ましくは0.03〜0.2μm、特に好ましくは0.04〜0.15μmである。
なお、平均粒径は、実施例記載の方法で行う。
本発明の水分散体及び水系インクの好ましい表面張力(20℃)は、水分散体としては、好ましくは30〜70mN/m、更に好ましくは35〜68mN/mであり、水系インクとしては、好ましくは25〜50mN/m、更に好ましくは27〜45mN/mである。
水分散体の固形分10重量%における粘度(20℃)は、水系インクとした時に良好な粘度とするために、2〜6mPa・sが好ましく、2〜5mPa・sが更に好ましい。また、水系インクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましい。また、水系インクのpHは4〜10が好ましい。
本発明の水系インクを適用するインクジェットの方式は制限されないが、特にピエゾ方式のインクジェットプリンターに好適である。
製造例1〜3(水不溶性ポリマーの製造)
反応容器内に、メチルエチルケトン(MEK)20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03部、表1に示す各モノマーの200部の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマーの残りの90%を仕込み、前記重合連鎖移動剤0.27部、メチルエチルケトン60部及びラジカル重合開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記ラジカル重合開始剤0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させた。更にメチルエチルケトンにてポリマー濃度を35重量%に調整したポリマー(P1〜P3)の溶液を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量は、溶媒として60mmol/Lのリン酸と50mmol/Lのリチウムブロマイドを含有するジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した。その結果を表1に示す。
43PAPE600B:フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数=6、プロピレンオキシド平均付加モル数=6)、末端:フェニル基、日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマー43PAPE600B
PP−800:ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレンオキシド平均付加モル数=13、末端水酸基)、日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPP−800
NM−95:スチレンマクロマー:特開2005−54175号公報、製造例1記載のマクロマー、数平均分子量:3200、重合性官能基:メタクリロイルオキシ基
製造例1〜3で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー68部をメチルエチルケトン281部に溶かした後、中和剤1(5N水酸化ナトリウム水溶液)12.4部(中和度55%)と中和剤2(25%アンモニア水溶液)6.5部(中和度100%)及びイオン交換水975部加えて塩生成基を中和し、更に銅フタロシアニン系顔料(ピグメント・ブルー15:3)157部を加え、浅田鉄工株式会社製のピコミルにて周速15m/sにて2時間分散処理を施した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics社製、商品名)で150MPaの圧力で5パス分散処理した。
得られた分散体から、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5Dm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が22%の顔料含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得た。
次に、得られた水分散体200部(水不溶性ポリマー13.2部)を窒素雰囲気下の反応容器内に投入し、更に、架橋剤(デナコールEX−321:エポキシ当量140:ナガセケムテックス株式会社製)を0.40部(架橋率:14モル%)、イオン交換水を47.4部を加え、撹拌しながら90℃で1.5時間反応を行い、イオン交換水で濃度調整して固形分濃度が20%の顔料を含有した水不溶性架橋ポリマー粒子の水分散体(S1〜S3)を得た。
水分散体(S1)の平均粒子径は78nmであり、水分散体(S2)の平均粒子径は74 nmであり、水分散体(S3)の平均粒子径は69nmであった。
(1)平均粒径
大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)で測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力する。測定濃度は、通常5×10-3重量%程度で行った。
(2)架橋率の算出
前記式(5)に基づき、下記のとおり算出した。
水不溶性ポリマー(重量平均分子量160,000)1モルと反応させる架橋剤のモル当量数は、(0.40/140)/(13.2/160000)=34.6となる。
ここで、架橋剤(デナコールEX−321)は、カルボキシ基、水酸基と反応するため、水不溶性ポリマー1モルが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数は、水不溶性ポリマー1モルが有するメタクリル酸(分子量86)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PP−800、分子量840)の合計モル数である。
160000×0.12/86+160000×0.15/840=252モル
よって、水不溶性ポリマーの架橋率は、34.6×100/252=14モル%となる。
反応容器内に、A液(水酸化ナトリウム0.1%のイオン交換水)84.43部を投入し、攪拌(約100rpm)しながら、室温下、スチレン溶液〔スチレン、ジビニルベンゼン(スチレン100部に対して6.4部、ジビニルベンゼンの純分は81重量% 商品名:DVB−810:新日鐵化学株式会社製)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤V−65、スチレン100部に対して2.2部)〕10.9部と、製造例2で得られた水不溶性ポリマーP2の35%メチルエチルケトン溶液13.34部とを混合したB液24.24部を滴下した後、超音波分散(株式会社日本精機製作所製、Ultrasonic Generater Nissei ModelUSS-300T 、300μA)1時間行うことで乳化させ、その後75℃に昇温し、3時間攪拌して重合を行った。その後有機溶媒を除去し、架橋剤(デナコールEX−321:エポキシ当量140:ナガセケムテックス株式会社製)を水不溶性ポリマー100部に対して4部の割合で加えた後、更に90℃で1.5時間攪拌して架橋させ、次に冷却して、イオン交換水で調整することにより固形分が10%のコアシェルポリマー粒子a(シェル部の架橋率:19モル%)の水分散体を得た。結果を表2及び3に示す。
コアシェルポリマー粒子aの製造では、シェル部のポリマー4.67部に架橋剤(デナコールEX−321)0.19部(エポキシ当量140)を反応させたため、水不溶性ポリマー(重量平均分子量160,000)1モルと反応させる架橋剤のモル当量数は、
(0.19/140)/(4.67/160000)=47 となる。
ここで、架橋剤(デナコールEX−321)は、カルボキシ基、水酸基と反応するため、水不溶性ポリマー1モルが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数は、水不溶性ポリマー1モルが有するメタクリル酸(分子量86)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PP−800、分子量840)の合計モル数である。
160000×0.12/86+160000×0.15/840=252モル
よって、そのシェル部の架橋率は、47×100/252=19モル%となる。
実施例2〜5(コアシェルポリマー粒子b〜eの製造)
表2に記載のA液及びB液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分が10%のコアシェルポリマー粒子b〜eの水分散体を得た。結果を表2及び3に示す。
上記で得られた固形分濃度が20%の顔料含有水不溶性架橋ポリマー粒子の水分散体S1 20.6部に、水不溶性有機化合物0.3部を混合、攪拌して水不溶性有機化合物〔(i)フタル酸と2−エチルヘキシルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数4、日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール1004)とのジエステル25部と(ii)トリメリット酸とラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数4、日本乳化剤株式会社製)とのトリエステル75部からなる〕をポリマー粒子中に含有させた。この混合液に、グリセリン16部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGMBE)7部、サーフィノール465(日信化学工業株式会社製)1部、プロキセルXL2(アビシア株式会社製)0.3部、実施例1で得られた固形分が10%のコアシェルポリマー粒子aの水分散体15部、及び全量が100部となるようにイオン交換水を混合し、得られた混合液を1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することによりインクを得た。
表3記載の顔料含有水不溶性架橋ポリマー粒子の水分散体S2〜S3とコアシェルポリマー粒子a〜eを、表4記載の量で配合した以外は、実施例6と同様に行った。
比較例1(インクの調製)
実施例6において、コアシェルポリマー粒子の水分散体を用いずに、その分を水に替えた以外は、実施例6と同様に行った。
(1)光沢性試験
市販のインクジェットプリンター〔セイコーエプソン株式会社、型番:PX−A650、ピエゾ方式〕を用いて、市販の専用紙〔写真用紙<光沢>、セイコーエプソン株式会社製〕〕にベタ印字し〔印字条件=用紙種類:EPSON写真用紙、印刷品質:フォト、カラー設定:色補正なし〕、25℃で24時間放置後、20°の光沢度を光沢計(日本電色工業株式会社製、商品名:HANDY GLOSSMETER PG-1)で5回測定し、その平均値を求めた。数値が大きい方が、光沢度が高い。
(2)ブロンズ試験
上記(1)と同じ条件でベタ印字し、25℃で24時間放置後、得られたベタ印字物について以下の方法でブロンズを目視で評価した。
〇:ベタ印字においても赤さが認識されにくいので最も好ましい。
△:写真等の印刷を行っても赤みを認識されにくい。
×:印字面に映る蛍光灯や太陽光の反射光が赤っぽく見える。
(3)印字濃度
前記プリンターを用いて、市販の普通紙(XEROX株式会社製、商品名:4024)にベタ印字〔印字条件=用紙種類:普通紙、モード設定:スーパーファイン〕し、25℃で24時間放置後、印字濃度をマクベス濃度計(グレタグマクベス社製、品番:RD914) で5回測定し、平均値を求めた。数値が大きい方が、印字濃度が高い。
Claims (8)
- 顔料を含有する水不溶性架橋ポリマー粒子(A)及び顔料を含有しないコアシェルポリマー粒子(B)を含有する、インクジェット記録用水分散体であって、コアシェルポリマー粒子(B)のコア部及びシェル部が架橋されてなり、水不溶性架橋ポリマーを構成する構成単位と、コアシェルポリマー粒子(B)のシェル部を構成する構成単位が、(a)塩生成基含有モノマー、(b)マクロマー、(c)疎水性モノマー、(d)水酸基含有モノマー、及び(e)下記式(2)で表されるモノマーからなる群から選ばれるモノマー種に由来し、コアシェルポリマー粒子(B)のシェル部を形成するモノマー種と、水不溶性架橋ポリマーを形成するモノマー種とが同一である、インクジェット記録用水分散体。
CH2=C(R1)COO(R2O)qR3 (2)
(式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、R2は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R3は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基又は炭素数1〜9のアルキル基を有してもよいフェニル基、qは、平均付加モル数を意味し、1〜60の数を示す。) - コアシェルポリマー粒子(B)のコア部とシェル部との重量比(コア部/シェル部)が、0.3〜15である、請求項1に記載のインクジェット記録用水分散体。
- コアシェルポリマー粒子(B)のシェル部の架橋度が0.1〜15重量%である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水分散体。
- コアシェルポリマー粒子(B)のコア部の架橋度が0.5〜20重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
- コアシェルポリマー粒子(B)のコア部が、少なくとも2個の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性モノマー及び疎水性モノマーを重合して得られるポリマーである、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
- コアシェルポリマー粒子(B)のシェル部が、(a)塩生成基含有モノマー、(b)マクロマー及び/又は(c)疎水性モノマーを含むモノマー混合物を共重合させてなるポリマーに、少なくとも2個の反応性官能基を有する架橋剤により架橋して得られるポリマーである、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
- 水不溶性架橋ポリマーが、水不溶性ポリマー100重量部に対して架橋剤を0.1〜15重量部使用して架橋させたポリマーである、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の水分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク。
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