JP5164050B2 - 核酸を保存および合成する方法 - Google Patents

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Description

(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、分子生物学の分野に関する。特に、本発明は、核酸の保存、合成、増幅に関する。特に、発明は固体マトリックスまたは担体上のRNA(特にmRNA)の保存と、そのRNAをRT−PCRやcDNA合成を含む多くの分子生物技術によるRNAの操作とに関する。
【0001】
(関連技術)
(核酸の保存)
多くの研究において、生物試料からの多数のDNAサンプルの生成はルーチンとなっている。多大な収集物を扱い、記録する作業は研究室のロジスティックな問題となっている。ひとつの解決策は、法医学の研究室で使用されている、血液保存媒介FTA(登録商標)カードである。FTA(登録商標)ジーンカード(gene card)は、続いて起こるDNA分析に使用する生物サンプルの収集と保存のために発案された化学的な処理をされたろ紙である(1−3)。これは血液サンプルを保存するほかに、PCR分析および他のゲノムDNAへの適用のための哺乳類細胞および組織の保存にも適している(4)。これは、PCRや、記録されたバクテリア菌株およびコロニーを形質転換するためのプラスミドDNAの回収(5−6)だけでなく、DNAシークエンシングの応用のためのM13ファージの保存と回収にも有用である(M.Goldsborough,パーソナルコミュニケーション)。
【0002】
FTA(登録商標)カードキャブ(cab)は、ゲノムDNAを、紙上で細胞が溶解された、ヒトの全血の乾燥スポットの形で保存するのに用いられる。室温保存で、FTA(登録商標)ペーパー上のゲノムDNAは少なくとも7.5年安定であると報告されている(Burgoyne,et al.,Conventional DNA Collection and Processing:Disposable Tothbrushed and FTA()paper as a non-threating Buccal-cell collection kit compatible with automatable DNA processing,8th international symposium on human identification,September 17-20,1997)。捕捉されたDNAは分析の前に単純な洗浄工程により安定化化合物および酵素反応の細胞阻害剤を除く。DNAは紙に残存するのでDNAの精製の操作は単純化され、自動化しやすい。FTA(登録商標)カード上のDNAサンプルは、貴重なフリーザー空間に占めるガラスバイラルやプラスチックチューブと比べ、非常にコンパクトな記録システムを提供する。乾燥固体媒介におけるRNAの保存も記載されている(Burgoyne,米国特許No.5,976,572参照)。
【0003】
(RNA逆転写)
「逆転写酵素」という言葉は、RNA依存DNAポリメラーゼとして特徴付けられるポリメラーゼの分類を意義する。知られている逆転写酵素はRNAテンプレートからDNA転写物を合成するのにプライマーを必要とする。歴史的には、逆転写酵素は初めは、mRNAを、ベクターにクローン化して更なる操作を行うためのcDNAに複写することに使用されてきた。
【0004】
トリ骨髄芽症ウィルス(AMV)逆転写酵素は、最初の広く使用されたRNA依存DNAポリメラーゼであった(Verma,Biochim.Biophys.Acta473:1(1977))。酵素は5´―3´RNA方向DNAポリメラーゼ活性、5´―3´DNA方向DNAポリメラーゼ活性、およびRNase H活性を有している。RNase Hは前進的な、RNA−DNAハイブリッドのRNA鎖特異的な5´および3´リボヌクレア−ゼである(Perbal,A Practical Guide to Molecular cCloning,New York: Wiley&Sons(1984))。知られているウィルス逆転写酵素は校正に必要な3´(登録商標)5´エクソヌクレア−ゼ活性を欠いているため、転写におけるエラーは逆転写酵素によって修正されることができない(Saunders and Saunders,Microbial Genetic Applied to Biotechnology,London:Croom Herm(1987))。AMV逆転写酵素の活性およびその関連するRNaseH活性のより詳細な研究は、Berger et al.,Biochemistry22:2365-2372(1983)に示されている。
【0005】
他の、分子生物学で広く使用されている逆転写酵素は、モロニーマウス白血病ウィルス(M−MLV)由来のものである。たとえば、Gerard,G.R.,DNA 5:271-279(1986)およびKotewicz,M.L., et al., Gene 35:249258(1985))参照。実質的にRNaseH活性を欠いている、M−MLV逆転写酵素も記載されてきた。例えば、米国特許No.5,244,797参照。
【0006】
(RNAのPCR増幅)
逆転写酵素は、PCR増幅の前にRNAを逆複写するのに幅広く用いられてきた。この、たびたびRNA−PCRもしくはRT−PCRと呼ばれている方法は、RNAを追跡または定量を行うのに広く用いられている。
【0007】
しばしばRT−PCRに関わる技術的問題への対応を試みるため、(a)RNAの変性とリバースプライマーのハイブリダイゼ−ション:(b)cDNA合成:(c)PCR増幅:という手順の3つの基本的なステップを考慮した多くのプロトコールが発展した。「アンカップルド(uncoupled)」RT−PCR手順と呼ばれるものでは(例えば、ツーステップRT−PCR)、逆転写に最適なバッファー条件を用いて逆転写が独立したステップで行われる。cDNA合成に続いて、MgCl2およびデオキシリボヌクレオシドトリホスフェート(dNTP)濃度を、Taq DNAポリメラーゼ活性反応に最適な条件に減らすために反応液を希釈し、PCRを標準的な条件で行った(米国特許Nos.4,683,195および4,683,202)。対照的に、「カップルド(coupled)」RT−PCR方法は、通常のまたは妥協したバッファーを、逆転写酵素およびTaq DNAポリメラーゼ活性に用いる。あるバージョンでは、リバースプライマーのアニーリングが、酵素の追加に先立った別個のステップであり、それから、酵素が1つの反応容器に加えられる。別のバージョンでは、逆転写酵素活性は耐熱性TthDNAポリメラーゼの構成要素である。アニーリングとcDNA合成は、Mn++の存在下で行われ、キレート剤によりMn++がが除かれた後、Mg++の存在下でPCRが行われる。最後に、「コンテニュアス(continuous)」法(例えば、1ステップRT−PCR)は、3つのRT−PCRステップをひとつの連続的な反応に統一し、成分や酵素の追加のため、反応チューブを開くことを避けられる。コンテニュアスRT−PCRは、耐熱性Taq DNAポリメラーゼおよびTthポリメラーゼの逆転写酵素活性を用いた1酵素システムとして、および65℃のRNA変性ステップが省かれたAMV−RTおよびTaq DNAポリメラーゼを用いた2酵素システムとして、記載される。
【0008】
(cDNAおよびcDNAライブラリー)
生物個体、組織、もしくは細胞の構造や生理を試験するうえで、遺伝子の内容を決定することが要求される。生物個体の遺伝的フレームワークは、生物個体の体細胞および生殖細胞のに含まれるデオキシリボ核酸(DNA)におけるヌクレオチド塩基の2本鎖配列にコードされている。特定のDNA断片もしくは遺伝子の遺伝子の内容は、遺伝子がコードするタンパク質の生成でのみ明らかにされる。タンパク質を生成するために、DNAダブルへリックスの一方の鎖(「コーディング」鎖)の相補コピーがポリメラーゼ酵素により生成され、結果として特定のリボ核酸(RNA)の配列が生成される。この特定のタイプのRNAは、タンパク質生成のためのDNAからの遺伝メッセージが含まれているので、メッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれる。
【0009】
特定の細胞、組織、生物個体では、無数のmRNA種が存在し、各々別個の特定のタンパク質をコードしている。この事実は、組織または細胞における遺伝子発現の研究に興味を持つ研究者に有力な道具を提供する−mRNA分子が単離され、さらに様々な分子生物学的な技術により操作され、これにより完全に機能的な細胞、組織もしくは生物個体の遺伝子内容の解明ができる。
【0010】
遺伝子発現の研究へのひとつの通常のアプローチは、相補鎖DNA(cDNA)クローンの生成である。この技術では、生物個体のmRNA分子は、生物個体の細胞または組織の抽出液から単離される。この単離には、セルロース、セファロースのような、固体のクロマトグラフィーマトリックスが用いられ、そこにチミジン(T)のオリゴマーが複合している。すべての真核mRNA分子の3´末端はアデノシン(A)塩基の列を有し、またAはTと結合することから、mRNA分子は迅速に組織または細胞抽出液中の他の分子、物質から精製される。これらの精製されたmRNA分子から、逆転写酵素(RT)活性を有する酵素を用いてcDNAコピーをつくって、結果としてmRNAテンプレートのすべてにまたは部分的に相補な1本鎖cDNA分子を生成する。cDNA1本鎖を適切な条件で保温することで2本鎖DNAの合成をさせ、2本鎖DNAはプラスミドやベクターに挿入されてもよい。
【0011】
この、mRNA単離からcDNAのプラスミドまたはベクターへの挿入、単離された遺伝子を含むホスト細胞の細胞群の成長までの全プロセスは、「cDNAクローニング」と呼ばれる。もし、cDNAが多数の異なるmRNAから得られたものならば、結果的にできるcDNAのセットは「cDNAライブラリー」と呼ばれるが、これはcDNAのセットが、供給源の細胞、組織、または生物個体に存在する異なる機能的遺伝情報(遺伝子)の集合を表しているので、適切な用語である。cDNAライブラリーの遺伝子型分析は、由来の生物個体の構造、機能における多くの情報を生み出す。
【0012】
伝統的な生成方法では、cDNA分子はサイズ分画、複合フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈降が行われていた。これらの各要件には、生成物の損失、複合的な抽出/沈降によるcDNA産出量の制限などの固有の欠点があった(Lambert, K.N., and Williamson,V.M., Nucl. Acids Res. 21(3):775-776(1993))。
【0013】
これらの欠点は、部分的に文献で取り組まれている。例えば、何人かの研究者が、オリゴ(dT)と結合したラテックスまたは常磁性ビーズをmRNAと結合させることで、細胞および組織サンプルからポリA+mRNAを単離する方法を報告している;cDNA分子の1本鎖は、これらの固定されたmRNA分子の逆転写により生成されてもよい(Lambert, K.N., and Williamson,V.M., Nucl. Acids Res. 21(3):775-776(1993);Kuribayashi-Ohta,K.,et al.,Biochim.Biophys.Acta 1156:204-212(1993);Sasaki,Y.F.,et al.,Nucl.Acids Res.22(6):987-992(1994));Meszaros,M.,and Morton, D.B., Biotechniques 20(3):413-419(1996);Fellman,F.,et al.,BioTechniques21(5):766-770(1996))。このような固体相の合成方法は、伝統的な方法の抽出/沈降ステップより産出量の制限が少なくなる傾向にある。
【0014】
しかしながら、これらの方法はまだいくつかの重要な制限がある。例えば、これらの方法はcDNA分子のクローニングに先立ったPCR増幅を基にしており、cDNAライブラリーに偏りがしばしば生じる結果となっている(例えば、低量で発現している配列に優性で、高度に発現している配列)。加えて、これらの方法はしばしば、プライマー−アダプターのテンプレートへの溶液ハイブリダイゼ−ションを使用した、伝統的なcDNA合成方法よりも効果的でない(例えば、ハイブリダイゼ−ション率を上げるために、ローテーションの拡散が必要である;Schmitz,K.S.,and Schurr,J.M.,J.Phys. Chem.76:534-545(1972);Ness,J.V.,andHahn,W.E.,Nucl.Acids Res.10(24):8061-8077(1982))。最後に、上述したテクニックは、更なる加工を行う場合に固体相から新生ののcDNAを開放するため、熱または化学的な変性を行っており、これは生成物の損失および/またはダメージを生じる結果となる。
(発明の概要)
本発明は、固体媒体、もしくは核酸(例えば、DNA、またはRNA、リボソーマルRNA、またはメッセンジャーRNA)の保存(好ましくは長期間の保存)における使用のための担体に関し、特にこの固体媒体または担体の使用を含むポリA RNAまたはmRNAに関する。特に、本発明は、核酸の固体媒体からの回収、および/または固体媒体から得られた、または固体媒体に含まれた核酸の使用または操作のみならず、固体媒体における上記核酸の保存および輸送の方法に関する。上記の使用または操作は、例えば、消化(例えば、1以上のヌクレアーゼ、エクソヌクレア−ゼ、または制限酵素などのエンドヌクレア−ゼ)、合成(例えば、1以上のポリメラーゼおよび/または逆転写酵素)、増幅(例えば、1以上のポリメラーゼを使用した、1以上のポリメラーゼチェイン反応)、シークエンシング(1以上のポリメラーゼ)、または例えば科学的に反応能のある、または電気的に反応能のある細胞を用いた、または周知の形質移入の試薬および技術を用いた、1以上のホスト細胞への形質転換または形質移入を含む。好ましくは、上記操作は、固体媒体から得られた、もしくは固体媒体に含まれたRNAからの、RT−PCR、cDNA合成、あるいはcDNAライブラリー構築を含む。発明に従ったこのような操作は、担体上での核酸の保存の後に行われても、保存することなく直接に行われてもよい。好ましい媒体または担体はマトリックスに結合することで核酸の劣化を防ぐマトリックスである。このようなマトリックスは、吸収性のあるセルロースを主成分とするマトリックスまたは紙、もしくは米国特許No.5,496,562および5,976,572に記載されるような合成プラスチック素材のマイクロメッシュを含んでいてもよい。好ましくは、マトリックスは弱塩基、キレート剤、陰イオン界面活性剤、陰イオン洗剤、および任意に尿酸または尿酸塩を含む構成を含んでおり、上記マトリックスに上記構成が吸収されてあるいは結合していてもよい。FTA(登録商標)ペーパー(ライフテクノロジーズインク)およびその派生物、変形物、改良物がこのような担体に含まれる。ワットマンで入手可能なGenPrepTMおよびGenSpinTM、シュライヒャーアンドシュルで入手可能なIsoCode
も本発明に従って使用してもよい。
【0015】
発明の実施においてはどのような固体担体を使用してもよい。好ましいこのような固体担体は、ニトロセルロース、セルロース、ディアゾセルロース、カルボキシメチルセルロース、親水性ポリマー(例えば、ポリエステル、ポリアミド、カルボハイドレートポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ファイバーグラス、多孔性セラミックス、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、セファロース、寒天、スターチ、およびナイロンを含むがこれに限定されない。
【0016】
本発明に従えば、どのような核酸分子(例えば、RNA、DNAおよび特にポリA+RNA、mRNA)が記録されて、後に1以上の核酸を運ぶサンプル(例えば、細胞、組織、細胞の材料など)が固体媒体(好ましくは、FTA(登録商標)ペーパー、またはその派生物、変形物、改良物)に接続されている、単純で効果的な方法で回収および/または操作されてもよい。他の解釈では、精製された核酸分子を用いてもよく、好ましい解釈では1以上の核酸分子を含むクルード試料(精製されていないmRNA試料や細胞溶解物)が固体媒介または担体に接触していてもよい。したがって、どのようなサンプルが、ホスト細胞、ウィルス、ウィルスのプラーク、および/または生物の材料(ホスト細胞またはウィルスの抽出液、溶解液、デブリ(debri)、加水分解物など)から得たクルード試料などの担体に接触または結合する核酸分子を提供してもよい。このような固体担体もしくはマトリックスから得られた、または含まれる核酸分子は、消化、シークエンシング、増幅、合成または、形質転換/形質移入反応のような、1以上の標準的分子生物学技術において使用または操作されることができる。好ましくは、固体担体から得られた、または含まれるmRNAは、RT−PCRまたは、cDNA合成および特にcDNAライブラリー構築に用いられる。他の好ましい実施例では、発明にしたがって得られたRNAがノーザンブロットに用いられてもよく、または他のチップなどの固体担体に貼り付けられて遺伝子プロファイリング適用に使用してもよい。特に好ましい解釈では、単離され、保存され、および/または操作される核酸分子を含む、1以上のホスト細胞を、媒介か担体にに直接に接続させることができる。本発明に従うと、プレートから得たホスト細胞株、またはコロニーを用いてもよい。発明に使用する好ましいホスト細胞は、原核または真核ホスト細胞を含み、特にグラム陽性およびグラム陰性バクテリア、植物細胞、動物細胞(ヒトを含む)、昆虫細胞などが含まれる。
【0017】
発明の実施においては、発明の固体担体から得られたまたは固体担体に含まれる1以上の核酸テンプレート(例えば、mRNAまたはポリA+RNA分子)を、テンプレート全体にまたは部分的に相補な1以上の核酸分子を合成するのに好ましい条件下で、ポリメラーゼ活性および/または逆転写酵素活性を有する1以上のポリペプチド混合することで、核酸分子および特にcDNA分子またはcDNAライブラリーが作製される。
【0018】
本発明で使用される逆転写酵素および/またはポリメラーゼ活性を有する好ましいポリペプチド(例えば酵素)は、モロニーマウス白血病ウィルス(M−MLV)逆転写酵素、ラウス肉腫ウィルス(RSV)逆転写酵素、トリ骨髄芽球症(AMV)逆転写酵素、ラウスアソシエーテッドウィルス(RAV)逆転写酵素、骨髄芽球症アソシエーテッドウィルス(MAV)逆転写酵素、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)逆転写酵素、レトロウィルス逆転写酵素、レトロトランスポゾン逆転写酵素、B型肝炎逆転写酵素、カリフラワーモザイク逆転写酵素、バクテリア逆転写酵素、Thermus thermophilus(Tth)DNAポリメラーゼ、Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ、Thermotoga neopolitana(Tne)DNAポリメラーゼ、Thermotoga maritima(Tma)DNAポリメラーゼ、Thermococcus litoralis(Tli,例えば、VENT(登録商標)ブランド)DNAポリメラーゼ、Pyrococcus furiosus(Pfu)DNAポリメラーゼ、Pyrococcus species GB-D(例えば、DEEPVENTTMブランド)DNAポリメラーゼ、Pyrococcus woosii(Pwo)DNAポリメラーゼ、Bacillus sterothermophilus(Bst)DNAポリメラーゼ、Sulfolobus acidocaldarius(Sac)DNAポリメラーゼ、Thermoplasma acidophilum(Tac)DNAポリメラーゼ、Thermus flavus(Tfl/Tub)DNAポリメラーゼ、Thermus ruber(Tru)DNAポリメラーゼ、Thermus brockianus(例えば、DYNAZYME(登録商標)ブランド)DNAポリメラーゼ、Methanobacterium thermoautotrohicum(Mth)DNAポリメラーゼDNA、その変異体、変形体、派生体を含むがこれに限定されるものではない。特に、発明の使用に好ましいこれらの酵素の変形体は、実質的にRNaseH活性を弱めたものである。発明に使用するのに好ましい逆転写酵素は、インビトロジェンコーポレイション(InvitrogenCorporation)(Rockvellr,MD)の事業所であるライフテクノロジー(Life Technologies)から入手可能な逆転写酵素のSUPERSCRIPTTM,SUPERSCRIPUTMII,THERMOSCRIPTTMブランドが含まれ、他の逆転写酵素は、米国特許5,244,797およびWO98/47912に記載される。「実質的にRNaseH活性を弱められた」酵素とは、野生型または野生型M−MLVやAMV逆転写酵素のような「RNaseH+」酵素のRNaseH活性よりも、約20%より低いより好ましくは、約15%、10%、もしくは5%よりも低い、そして最も好ましくは約2%より低いRNaseH活性を有するものを意味する。いずれのRNaseH活性も、例えば、米国特許No.5,244,797やkotewicz,M.L.,et al.,Nucl.Acids Res.16:265(1988)やGerard,G.F.,et al.,FOCUS14(5):91(1992)に記載される種々のアッセイにより決定されることができる。すべての開示は参照にこのなかに組み込まれている。
【0019】
発明は、したがって、1以上の核酸テンプレート(好ましくは、1以上のRNAテンプレート、および最も好ましくは1以上のmRNA)の、逆転写酵素活性を有する1以上のポリペプチドとの混合と、1以上の核酸テンプレート全体にまたは部分的に相補な1以上の1番目の核酸分子を生成するのに十分な条件下での混合物の保温とを含む、1以上の核酸分子を作製するための方法である。このような条件は好ましくは、1以上のプライマー(好ましくはオリゴdT)の使用と、1以上のヌクレオチドとを含んでなる。好ましい実施例では、1番目の核酸分子は1本鎖cDNAである。発明のこの解釈によれば、逆転写に適した核酸テンプレートは、どのような核酸分子でも、どのような核酸分子の集合でも(好ましくはRNA、最も好ましくはmRNA)よく、特に細胞または組織由来のものがよい。発明によれば、好ましい解釈では、mRNA分子の集合(いくつかの異なるmRNA分子、典型的には細胞または組織から得られたもの)はcDNAライブラリーを作製するのに用いられる。核酸テンプレートの好ましい由来細胞源はバクテリア細胞、菌細胞、植物細胞、動物細胞を含む。
【0020】
発明は、1以上の2本鎖核酸分子を生成する方法にも関する。このような方法は、(a)1以上の核酸テンプレート(好ましくは、RNAまたはmRNA、より好ましくはmRNAテンプレートの集合)の、1以上の逆転写酵素活性を有するポリペプチドの混合、(b)1以上のテンプレート全体に、もしくは部分的にに相補的な、1以上の1番目の核酸分子を生成するのに十分な条件での混合物の保温、(c)1番目の核酸分子と全体に、もしくは部分的に相補的な1以上の2番目の核酸分子を生成するのに十分な条件下での、1番目の核酸分子の保温、を含んでなるものであり、これにより1番目のおよび2番目の核酸分子を含む1以上の2本鎖核酸分子を形成することができる。このような方法は、1以上の2本鎖核酸分子を作製する工程の一部として、1以上のDNAポリメラーゼ(および好ましくは1以上のプライマーとヌクレオチド)の使用を含んでいてもよい。
【0021】
発明は核酸分子の増幅の方法にも関連する。このような増幅方法は、上述したように生成された2本鎖核酸分子を1以上のDNAポリメラーゼと混合し、2本鎖核酸分子を増幅するのに十分な条件で混合物を保温する肯定を含む。第1の好ましい実施例では、発明は1以上の核酸分子を増幅する方法に関連しており、方法は(a)1以上の核酸テンプレート(好ましくは、1以上のRNAまたはmRNAテンプレート、より好ましくはmRNAテンプレートの集合)の、1以上の逆転写酵素活性を有するポリペプチドと、1以上のDNAポリメラーゼとの混合、(b)1以上のテンプレートと全体に、もしくは部分的に相補的な核酸分子を増幅するのに十分な条件での混合物の保温、を含んでなるものである。
【0022】
発明は、上述した方法に従って作製された核酸分子(特に、1本鎖または2本鎖cDNA分子)、または増幅された核酸分子、これらの核酸分子または増幅された核酸分子を含むベクター(特に発現ベクター)に関する。
【0023】
発明は、さらに発明の方法を実施する間に作製される、または用意される構成に関する。このような構成には、発明の固体担体、1以上のmRNA分子および/または上記mRNAから作成された1以上のcDNA分子を含む。
【0024】
発明は、さらに発明の方法において使用するキットに関する。このようなキットは、発明にしたがって核酸分子(1本鎖または2本鎖)を生成または増幅するのに用いられる。発明のキットは、箱、カートンなどの運搬手段と、その中に厳重に拘束された1以上の、バイアル、チューブ、ビンなどの収容手段とを含んでなる。発明のキットは、1以上の逆転写酵素(好ましくは、1以上のRNase H活性を弱めた、または実質的に弱めた酵素)、1以上の固体担体、1以上のプライマー、1以上のヌクレオチド、1以上の反応バッファーを含んでいてもよい。発明のキットは、発明の方法を実施する説明書を含む。
【0025】
本発明のその他の好ましい実施例は、以下の図面、発明および請求項の詳細を考慮して、通常の技術のひとつに明示されるだろう。
(発明の詳細な説明)
(定義づけ)
以下の記載では、多くの組換え遺伝子技術用語が広範囲にわたって使用されている。このような用語に与えられた範囲を含む、明細書および請求項の、明確でより一貫性のある理解を得るために、以下の定義づけを行った。
【0026】
増幅。次に使用されるように、「増幅」は、ポリメラーゼを使用し、ヌクレオチド配列のコピー数を増やす、あらゆるインビトロの方法を意味する。核酸増幅により、結果として、ヌクレオチドが、核酸(例えばDNA)分子またはプライマーへ結合し、これにより核酸テンプレートに相補な新しい核酸分子を形成する。形成された核酸分子およびそのテンプレートは、さらなる核酸分子の合成のテンプレートとして使用できる。ここに使用されるように、ひとつの増幅反応は多くの核酸合成のラウンドによりなる。増幅反応は、例えば、ポリメラーゼチェイン反応(PCR)を含む。ひとつのPCR反応は、5から100回の核酸の変性および合成の「サイクル」からなっていてもよい。
【0027】
本発明に有効なポリメラーゼ(DNAポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼを含む)は、Thermus thermophilus(Tth)DNAポリメラーゼ、Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ、Thermotoga neopolitana(Tne)DNAポリメラーゼ、Thermotoga maritima(Tma)DNAポリメラーゼ、Thermococcus litoralis(Tli,例えば、VENT(登録商標)ブランド)、Pyrococcus furiosus(Pfu)DNAポリメラーゼ、Pyrococcus species GB-D(例えば、DEEPVENTTMブランド)DNAポリメラーゼ、Pyrococcus woosii(Pwo)DNAポリメラーゼ、Bacillus sterothermophilus(Bst)DNAポリメラーゼ、Bacillus caldophilus(Bca)DNAポリメラーゼ、Sulfolobus acidocaldarius(Sac)DNAポリメラーゼ、Thermoplasma acidophilum(Tac)DNAポリメラーゼ、Thermus flavus(Tfl/Tub)DNAポリメラーゼ、Thermus ruber(Tru)DNAポリメラーゼ、Thermus brockianus(DYNAZYMEa)DNAポリメラーゼ、Methanobacterium thermoautotrohicum(Mth)DNAポリメラーゼDNA、マイコバクテリウムDNAポリメラーゼ(Mtb,Mlep)、その変異体、変形体、派生体を含むがこれに限定されるものではない。T3,T5およびSP6、その変異体、変形体、派生体のようなRNAポリメラーゼを発明に用いてもよい。
【0028】
発明にしたがって用いられるポリメラーゼは、核酸テンプレートからの核酸分子合成ができるどのような酵素でもよく、典型的には5´から3´方向のものがある。本発明で使用される核酸ポリメラーゼは、中温性もしくは好熱性のものでもよいが、高熱性が好ましい。好ましい中温性DNAポリメラーゼは、T7DNAポリメラーゼ、T5DNAポリメラーゼ、クレノー断片DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIIIなどである。発明の方法に使用するのに好ましい好熱性DNAポリメラーゼは、Taq,Tne,Tma,Pfl,Tth.Stoffel断片,Tli(例えば、VENT(登録商標)ブランド), Pyrococcus species GB-D DNA(例えば、DEEPVENTTMブランド)ポリメラーゼ、その変異体、変形体、派生体を含む(米国特許No.5,436,149; 米国特許No.4,889,818;米国特許No.4,965,188;米国特許No.5,270,179;米国特許No.5,047,342;米国特許5,512,462;WO92/06200;WO96/10640;Barnes,W.M.,Gene112:29-35(1992);Lawyer,F.C.,et al.,PCR Meth.Appl.2:275-287(1993);Flaman,J.-M,et al.,Nucl.Acids Res.22(15):3259-3260(1994))。長い核酸分子 (例えば、約3−5Kbの長さより長い核酸分子)を増幅するには、少なくとも2つのDNAポリメラーゼ(実質的に3´エクソヌクレア−ゼ活性を型もの、およびもうひとつの3´エクソヌクレア−ゼ活性を有したもの)が典型的に用いられる。米国特許No.5,436,149,米国特許No.5,512,462;Barnes,W.M.,Gene112:29-35(1992)を参照。この開示は、全体がここに組み込まれている。実質的に3´エクソヌクレア−ゼ活性を欠いたDNAポリメラーゼの例は、Taq,Tne(exo-),Tma(exo-),Pfu(exo-),Pwo(exo-)およびTthDNAポリメラーゼ、その変異体、変形体、派生体を含むがこれに限定されるものではない。
【0029】
ホスト細胞。どのような原核細胞でも、真核細胞でもよい。このような細胞は、反復可能な発現ベクター、またはクローニングベクターのレシピエントでもよい。「ホスト」や「ホスト細胞」や「細胞」のような文言は、ここでは置き換え可能に使用されていてもよい。例えば、このようなホストは、Manistis et al.,Molecular Cloning:Alaboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory , Cold Spring Harbor,NY(1982)を参照すれば良い。好ましい原核ホストは、Escherichia属(例えば、E,coli),Bacillus属,Staphylococcus属,Agrobacter(A.tumefaciens)属,Streptomyces属,Pseudomonas属,Salmonella属,Serratia,Caryophanonn等が挙げられるがこれに限定されるものではない。最も好ましい原核ホストは、E.coliである。本発明で特に興味深いバクテリアホストは、E.coli K12,DH10B,DH5αおよびHB101である。好ましい真核ホストは、菌類、魚細胞、酵母細胞、植物細胞、動物細胞が含まれるがこれに限定されるものではない。特に好ましい動物細胞は、ショウジョウバエ、スポドプテラ(Spodoptera)Sf9およびSf21細胞、トリコプルサ(Trichoplusa)High−Five細胞のような昆虫細胞;C.elegans細胞のような線虫細胞、およびCOS細胞、CHO細胞、VERO細胞、293細胞、PERC6細胞、BHK細胞、およびヒト細胞のような哺乳類細胞が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0030】
ベクター。ベクターはホスト細胞で自立的に複製する能力がある核酸分子(好ましくはDNA)である。このようなベクターは、このような配列が生物的機能を損なうことなしに切断される部位である、少数のエンドヌクレアーゼ制限サイトを有し、その複製およびクローニングを起こすためにそこに核酸分子が組みつながれることにより特徴づけられてもよい。例は、プラスミド、自律的複製配列(ARS)セントロメア、コスミド、ファージミドを含む。ベクターは、さらに、例えばPCRのためのプライマー部位、転写および/または翻訳の開始、および/または制御部位、組換えシグナル、レプリコンなどを提供することができる。ベクターはさらに、ベクターにより細胞が形質転換や形質移入をされたかを検出するための使用に適した1以上の選択可能なマーカーを有することができ、これは例えばカナマイシン、テトラサイクリン、アンプリシリンなどである。
【0031】
発明に従えば、どのようなベクターを使用してもよい。特にこの技術分野で知られ、市販されている(およびその変形体、派生体)ベクターを発明に従って使用してもよい。このようなベクターは、例えば、Vector Laboratories Inc.,Invitrogen,Promega,Novagen,NEB,Clontech,Boehringer,Mannheim,Pharmacia,EpiCenter,OriGenes Technologies Inc.,Strategene,Perkin Eomer,Pharmingen,Life Technologies,Inc.,およびResearch Geneticsから得られる。このようなベクターは、例えば重要な核酸をクローニングまたはサブクローニングするのに用いてもよい。特に重要なベクターの一般分類は、原核および/または真核クローニングベクター、発現ベクター、融合ベクター、ツーハイブリッドまたは逆ツーハイブリッドベクター、異なるホストに用いるにはシャトルベクター、変異誘発ベクター、転写ベクター、大きな挿入を受け取るベクターなどが含まれる。
【0032】
他の重要なベクターは、ウィルス由来ベクター(M13ベクター、バクテリアルファージベクター、バキュロウィルスベクター、アデノウィルスベクター、およびレトロウィルスベクター)、コピー数の多い、少ない、および調節可能なベクター、ひとつのホストにおいて組み合わせで使用するための適合性レプリコンを有するベクター(pACYC184およびpBR322)および真核エピソーム複製ベクター(pCDM8)。
【0033】
保存。ここで用いる「保存」とは、重要なある温度または複数の温度で、一定期間、担体/核酸を維持することを言う。好ましくは、保存は約20から30℃(好ましくは室温、例えば25℃)で行われるが、必要に応じてより高い、または低い温度であってもよい。より低い保存温度は約0から20℃、−20℃から0℃、および−80°から20℃の範囲であってもよい。発明に従えば、長期の保存は1年以上、好ましくは2年以上、より好ましくは3年以上、より好ましくは5年以上、より好ましくは10年以上、最も好ましくは15年以上である。
【0034】
ここに用いられた、組換えDNA技術および分子および細胞生物学の分野の他の文言は、応用技術での通常技術のひとつにより一般的に理解されるであろう。
【0035】
(cDNA分子の製造)
(核酸分子の源)
本発明に従って、種々の核酸テンプレート分子からcDNA分子(1本鎖または2本鎖)を作製することができる。本発明の使用に好ましい核酸分子は、2本鎖のDNA:RNAハイブリッドと同様に、1本鎖または2本鎖の、DNAおよびRNA分子が含まれる。より好ましい核酸分子は、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、およびリボソーマルRNA(rRNA)分子を含むが、発明によればmRNA分子が好ましいテンプレートである。
【0036】
cDNA分子の作製に用いられる核酸分子は、本発明の方法によれば、通常の技術のひとつとして知られる、標準の有機化学合成法に従った合成により得られる。より好ましくは、核酸分子は種々の細胞、組織、器官、もしくは生物のような、自然源から得てもよい。核酸分子の源として使用することのできる細胞は、原核生物(Escherichia,Bacillus, Serratia, Salmonella,Staphylococcus,Streptococcus,Clostridium,Chlamydia,Neisseria,Treponema,Mycoplasma,Borrelia.Legionella,Pseudomonas.Mycobacterium,Helicobacter,Erwinia,Agrobacterium,Rhizobium,Xanthomonas,Streptomycesの各属の種を含むが、これに限定されないバクテリア細胞)、または真核細胞(菌類(特に酵母菌)、植物、原生生物およびその他の寄生生物、およびショウジョウバエ(Drosophila spp.)細胞を含むがこれに限定されない昆虫、スポドプテラ(Spodoptera)Sf9およびSf21細胞、トリコプルサ(Trichoplusa)High−Five細胞;線虫(特にCaenorhabditis elegans細胞)、およびCOS細胞、CHO細胞、VERO細胞、293細胞、PERC6細胞、BHK細胞、およびその他のマウスおよびヒト細胞のような哺乳類細胞が挙げられる。
【0037】
いくつかの好ましい実施例においては、本発明に従って保存された核酸はウィルス由来であってもよい。
【0038】
核酸の源として用いられる哺乳類体細胞は、血液細胞(網状赤血球および白血球)、内皮細胞、上皮細胞、神経細胞(中枢または末梢神経システム由来)、筋細胞(骨格筋、平滑筋、または心筋由来のミオサイトおよび筋原細胞を含む)、結合組織細胞(線維芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、軟骨芽細胞、骨細胞、造血細胞を含む)および他の間質の細胞(例えば、マクロファージ、樹上細胞、シュワン細胞)を含む。哺乳類生殖細胞(***細胞および卵母細胞)も、上記体細胞および生殖細胞になる前駆物質、前駆体、および幹細胞として、発明に使用する核酸の源として用いることができる。核酸の源としての使用が好ましいものは、脳、腎臓、肝臓、すい臓、血液、骨髄、筋肉、神経、皮膚、尿生殖器、循環器、リンパ、胃腸、結合組織の源に由来する哺乳類の組織、または器官が挙げられ、また、哺乳類(ヒトを含む)の胚や胎児に由来するものでもよい。
【0039】
上記原核または真核細胞、組織および器官は、いずれも正常、異常でもよく、癌化、株化されていても、前駆体、前駆物質でも、胎児、または胚性のものでもよい。異常細胞は、例えば、感染症(バクテリア、菌類または酵母菌、ウィルス(AIDS,HIV,HTLV、ヘルペス、肝炎などを含む)または寄生生物による)、遺伝的または生化学的疾患(例えば、嚢胞性繊維症、血友病、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、多発性硬化症)または癌の進行を生じているものを含んでいてもよい。癌化、もしくは株化された動物細胞株は、COS細胞、CHO細胞、VERO細胞、BHK細胞、HeLa細胞、HepG2細胞、K562細胞、293細胞、L929細胞、F9細胞などである。他の本発明に使用される核酸の源として適した細胞、細胞株、組織、器官、および生物は、技術の通常の知識のひとつにも明らかである。
【0040】
始動の細胞、組織、期間、もしくは他のサンプルが得られたら、核酸分子(mRNAのような)はそこから随意に周知の技術で単離すればよい(例えば、Maniatis, T.,et al.,Cell 15:687-701(1978); Okayama, H., and Berg, P., Mol. Cell. Biol. 2:161-170(1982); Gubler, U., and Hoffman, B.J., Gene 25:263-269(1983)参照)。このようにして単離された核酸分子は発明の固体担体に直接接触していてもよい。あるいは、細胞、組織などが担体に直接に接触していてもよい。
【0041】
発明の実施において、cDNA分子またはcDNAライブラリーは、1以上の上述したようにして得た核酸分子を混合することで作製されるが、核酸分子は、核酸分子の逆転写に適した条件で、酵素の作用により1以上のcDNA分子(1本鎖または2本鎖)を形成するための逆転写酵素活性を有する1以上のポリペプチドを伴ったmRNAの集合のような1以上のmRNAが好ましい。従って、発明の方法は、(a)1以上の核酸テンプレート(好ましくは、mRNA分子の集合のような、1以上のRNAまたはmRNAテンプレート)の、1以上の逆転写酵素との混合、(b)1以上のテンプレートすべてに、もしくは一部に相補的な1以上の核酸分子を精製するのに十分な条件での混合物の保温、を含んでなるものである。このような方法は、1以上のDNAポリメラーゼを含んでいてもよい。発明は、後述の実施例に記載されるような、またはその他の周知技術の方法(例えば、Gubler, U., and Hoffman, B.J., Gene 25:263-269(1983);Krug,M.S.,and Berger,S.L.,Meth.Enzymol.152:316-325(1987);Sambrook,J.,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nded., Cold Spring Harbor,NY: Cold Spring Harbor Laboratory Press, pp.8.60-8.63(1989);and WO98/51699参照)である、cDNA合成方法と組み合わせて使用し、cDNA分子またはライブラリーを作製してもよい。好ましい実施例としては、cDNAは米国特許シリアル番号09/076,115、および/または1999年3月2日にファイルされた米国仮出願シリアル番号60/122,395に詳述される方法を使用して精製するのがよい。
【0042】
本発明に好適に使用されるcDNA合成の他の方法は周知の技術のひとつとして明白である。
【0043】
この方法に従ってcDNA分子、またはライブラリーを得たあと、これらのcDNAは単離されて更なる分析や、操作を行ってもよい。cDNA精製の詳細な方法は、GENETRAPPERTMマニュアル(Life Technologies, Inc.; Rockville, Maryland)に記載されており、その全体の関連に基づいてここに組み込まれているが、代わりの周知技術である標準的cDNA単離技術を用いてもよい(例えば、Sambrook,J.,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nded., Cold Spring Harbor,NY: Cold Spring Harbor Laboratory Press, pp.8.60-8.63(1989)参照)。
【0044】
発明の他の見方では、発明は核酸分子の増幅の方法として用いてもよい。発明のこの解釈に従った核酸増幅方法は、1ステップ(例えば、1ステップRT−PCR)もしくは2ステップ(例えば、2ステップRT−PCR)反応でもよい。発明によると、1ステップRT−PCRタイプ反応がひとつのチューブで実施されてもよく、これによりコンタミネーションの可能性が下がる。このような1ステップ反応は、(a)核酸テンプレート(例えば、mRNA)の、1以上の逆転写酵素活性を有するポリペプチド、および1以上のDNAポリメラーゼとの混合、(b)1以上のテンプレート全体に、もしくは一部に相補的な、1以上の核酸分子を増幅するのに十分な条件での混合物の保温、を含んでなるものである。あるいは、増幅は、テンプレートを、1以上の逆転写酵素活性を有する(および、任意的にDNAポリメラーゼ活性を有する)ポリペプチドと混合することにより行ってもよい。このような反応混合液を適切な条件下で保温することで、テンプレートの全体とあるいは部分的に相補である核酸分子の増幅を行うことができる。このような増幅は、逆転写酵素活性だけにより、またはDNAポリメラーゼ活性との組み合わせにより行うことができる。2ステップRT−PCR反応は、別個の2つのステップで行われる。このような方法は、(a)核酸テンプレート(例えば、mRNA)の、1以上の逆転写酵素との混合、(b)テンプレート全体に、もしくは一部に相補的な、核酸分子(例えば、DNA分子)を生成するのに十分な条件での混合物の保温(c)核酸分子の、1以上のDNAポリメラーゼとの混合、および(d)ステップ(c)の混合液の、核酸分子が増幅するのに十分な条件下での保温、を含んでなる。長い核酸分子(すなわち、長さが約3−5Kbを超えるもの)の増幅のためには、3´エクソヌクレア−ゼ活性を有するDNAポリメラーゼと、3´エクソヌクレア−ゼ活性が実質的に弱まった別のDNAポリメラーゼのような、DNAポリメラーゼの組み合わせを用いてもよい。別の2ステップの手順は、別個の逆転写活性酵素とDNAポリメラーゼとを加えるのではなく、逆転写酵素活性およびDNAポリメラーゼ活性を有する1以上のポリペプチド(例えば、Tth,TmaもしくはTne DNAポリメラーゼなど)の使用を含んでなる。
【0045】
増幅方法はPCR(米国特許Nos.4,683,195および4,683,202)、ストランド置換増幅(Strand Displacement Amplification(SDA);米国特許No.5,455,166;EP 0 684 315)、および核酸シークエンスベースド増幅(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification(NASBA);米国特許No.5,409,818; EP 0 329 822)
(キット)
別の実施例で、本発明を組み合わせて、核酸分子の逆転写または増幅に用いるキットとしてもよい。発明のこの解釈に従ったキットは、箱、カートン、チューブなどの運搬手段と、その中に厳重に拘束された1以上の、バイアル、チューブ、アンプル、ビンなどの収容手段と含んでなる。発明のキットは、逆転写酵素、1以上のDNAポリメラーゼ、1以上の適切なバッファー、1以上のヌクレオチド、1以上の固体担体(特にFTA(登録商標)または派生物またはその変形)および/または1以上のプライマーから選ばれる、1以上の構成を含んでなる。
【0046】
発明の特異的な解釈では、逆転写および増幅のキットは、1以上の逆転写酵素活性を有するポリペプチド、1以上の担体、1以上の核酸の合成に必要なヌクレオチド、および/または1以上のプライマー(例えば、逆転写のためのオリゴ(dT))を含む構成のうちの、1以上の構成を(混合されて、もしくは別個に)含んでなる。このような、逆転写および増幅キットはさらに、1以上のDNAポリメラーゼを含んでいてもよい。好ましい、逆転写酵素活性を有するポリペプチド、DNAポリメラーゼ、ヌクレオチド、プライマー、および発明の逆転写および増幅キットでの使用に適した他の構成は、上記したものが含まれる。本発明のこの特徴を含むキットは、さらに標準的な核酸逆転写を行うのに、または増幅プロトコールに必要な追加の試薬および化合物を含んでいてもよい。このような、逆転写酵素活性を有するポリペプチド、DNAポリメラーゼ、ヌクレオチド、プライマー、および追加の試薬、構成物、または化合物は、1以上のコンテナに収容されてもよく、このようなコンテナに2つ以上の上記した構成が混合されていてもよく、または別々のコンテナの発明のキットに収納されていてもよい。
【0047】
(核酸の使用)
本発明の方法により得られた核酸分子またはcDNAライブラリーは、例えばクローニングおよびシークエンシング(すなわち、核酸分子のヌクレオチド配列の決定)により、またはシークエンシング方法(例えば、DNAシークエンシングの方法について記載されている米国特許Nos.4,962,022および5,498,523参照)により、さらに特徴づけられてもよい。あるいは、これらの核酸分子はRPA、ノーザンブロット、または、周知技術の方法によるハイブリダーゼーションプローブのような産業上のプロセスにおける、種々の物質の製造のためのチップに接着して用いてもよい。cDNAからのハイブリダイゼ−ションプローブの作製により、例えば、医療分野における、患者の細胞や組織に、癌、感染症、遺伝的病気のマーカー、あるいは胚発生のマーカーなどの特定の遺伝子マーカーの存在の検査への利用の可能性を提供する。さらに、このようなハイブリダイゼーションプローブは、さらなる特徴付けのために、異なった細胞、組織または生物から得たゲノムDNAまたはcDNAライブラリーからの、DNA断片の単離にも用いることができる。
【0048】
本発明の核酸分子は、組換えDNAの方法論における使用の合成物を得ることにも使用される。それゆえ、本発明は、本発明のcDNAまたは増幅された核酸分子を含む組換えベクターに、組換えベクターにより遺伝子操作されたホスト細胞、これらのベクターおよびホスト細胞を用いた、組換えポリペプチドの作成方法、およびこれらの方法を用いて作成された組換えポリペプチドに関する。
【0049】
組換えベクターは、発明のこの解釈によると、周知の技術による方法を用い、1以上の本発明に従って得た、cDNA分子または増幅された核酸分子をベクターに挿入して作製してもよい。発明のこの解釈でのベクターは、例えば、ファージまたはプラスミド、好ましくはプラスミドがよい。興味深いポリペプチドをコードする核酸には、シス作動性の制御領域を含むベクターが好ましい。適切なトランス作動性の因子はホストから提供されてもよく、補足的なベクターにより提供されてもよく、ホストに導入するときにベクター自身により供給されてもよい。
【0050】
考慮される確実な好ましい実施例では、ベクターは誘導可能な、および/または細胞種特異的な特定の発現のために供給される(従って、「発現ベクター」と呼ばれる)。このようなベクターの中でも特に好ましいのは、温度や栄養添加のような操作が簡単な環境因子により誘導可能なものである。
【0051】
本発明で有用な発現ベクターは、染色体ベクター、エピソーマルベクター、ウィルス由来のベクターを含み、例えば、バクテリアのプラスミドやバクテリオファージに由来するものや、コスミドや、ファージミドのようなこれらの組み合わせに由来するベクターが挙げられ、好ましくは、バクテリアホスト細胞での培養のためにテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性遺伝子のような選択マーカーを少なくともひとつ含んでいるものがよい。このような発現ベクターへの挿入に先立って、発明のcDNAまたは増幅された核酸は、操作により、ファージラムダPLプロモーター、E.coli lac、trpおよびtacプロモーターのような適切なプロモーターに連結するべきである。他の適切なプロモーターは技術者に周知である。
【0052】
本発明の使用に好ましいベクターには、Quiagenより入手可能な、pQE70、pQE60、およびpQE-9;Stratageneから入手可能なpBsベクター、ファージスクリプトベクター、ブルースクリプトベクター、pNH8A,pNH16a,pNH18A,pNH46A;Invitrogeneで入手可能なpcDNA3;Pharmaciaから入手可能なpGEX,pTrxfus,pTrc99a,pET-5,pET-9,pKK223-3,pKK233-3,pDR540,pRIT5;Life Technologies, Incから入手可能なpSPORT1,pSPORT2およびpSV・SPRT1およびGatewayTM ベクターが含まれる。他の適切なベクターは技術者により容易に明示される。
【0053】
発明は、発明のcDNA分子、増幅された核酸、または組換えベクターを含む組換えホスト細胞を作製する方法、およびこの方法で作製されたホスト細胞を提供する。発明に従って作製された代表的なホスト細胞(原核細胞または真核細胞)は、バクテリア細胞、酵母細胞、植物細胞、および動物細胞を含むがこれに限定されるものではない。好ましいバクテリアホスト細胞は、Escherichia coli細胞(特に、市販されている(Life Technologies,Inc;Rockville,Maryland)E.coli株のDH10BおよびStbl2が最適)を含む。
【0054】
Bacillus subtilis細胞、Bacillus megaterium細胞、Streptomyces spp.細胞、Erwinia spp.細胞、Klebsiella spp.細胞、Saomonella typhimurium細胞。好ましい動物ホスト細胞は昆虫細胞(最も好ましくは、Spodoptera frugiperda Sf9およびSf21細胞およびTrichoplusa High-Five細胞である)および哺乳類細胞(最も好ましくは、CHO,Cos,VERO,BHKおよびヒト細胞)を含む。このようなホスト細胞は、技術分野における通常の技術のひとつとして知られる周知の形質転換、エレクトロポレ−ションまたは形質移入技術により用意できる。
【0055】
加えて、発明は組換えポリペプチドを製造する方法、およびこれらの方法により作製されたポリペプチドを提供する。発明のこの面に従えば、上記組換えホスト細胞のいずれかをポリペプチドの生成に好適な条件下で培養して、ポリペプチドを単離して作製されてもよい。組換えホスト細胞を培養する方法、およびこれからポリペプチドを作製および単離する方法は、技術者に周知である。
【0056】
ここに記載される方法および用途へのその他の適切な改良、適合は明白であり、関連する通常の技術のひとつに容易に明示されており、発明の範囲またはその実施例から外れることなく行うことができる。本発明を詳細に記載したしたが、これは以下の実施例を考慮することでより明確に理解されるだろう。実施例は例示することのみを目的として含まれるのであって、発明の限定を意図するものではない。
(実施例)
試薬及び培地は、他の記載が無ければ全てライフテクノロジー社(Life Technologies, Inc, Rockville, MD)のものである。
【0057】
(実施例1)固体担体上への核酸の調製および保存
細胞培養:HeLa(株)細胞は、4mMグルタミンと熱失活したウマ血清10%とを含むS−MEM内で懸濁培養され、BHK−21細胞は(7)に記載のように単層培養された。懸濁液はトリプシン処理された後洗浄され、ダルベッコ(Dulbecco)のPBS(Ca2+とMg2+とを含む)に適当な細胞密度で再懸濁された。再懸濁された細胞は、調節可能ピペッターを使用してFTA(登録商標)ジーンカード(GeneCards)にスポッティングされ、同様のコントロールサンプルがバイアルされ、ドライアイスエタノール溶液中で瞬間凍結され、−70°で保管された。
【0058】
サンプルの調製と保存:20mlの血液と5mlのHeLa細胞懸濁液(1×107cells/ml)とがFTA(登録商標)ジーンカード(GeneCards)に直接スポッティングされ、最大で2時間風乾された後、乾燥剤とともに密封ホイル包装されて室温、4℃、−20℃、−70℃で保管された。頬面細胞を含むジーンガードスワブ(GeneGuardSwabs)が、FTA(登録商標)ジーンカード(GeneCards)上に塗布され、最大で2時間風乾された後、乾燥剤とともに密封ホイル包装されて室温で保管された。植物は土壌上で育てられ、葉のサンプルが得られた。植物の葉のサンプルは、窒素駆動圧縮器(17.5psi)を使用してFTA(登録商標)ジーンカード(GeneCards)上にプレスされ、上述のように処理された。
【0059】
(実施例2)ポリ(A+)RNAのFTA(登録商標)ペーパー上の細胞からの直接単離
20〜50mlのBHK−21細胞懸濁液(4.25×107/ml)は、FTA(登録商標)ジーンカード(GeneCards)上に直接スポッティングされ、上述のように、あるいは、管に入れられて、ドライアイスエタノールで凍結された後、−70℃で保管された。RNAを単離するために、カミソリの刃を使用してスポット全体が小片に切断され、750mlの滅菌水に添加された。その後、度々ボルテックスされながら、15分間室温でインキュベートされた。濾紙片を除去するために、溶出液はシュレッダーマイクロチューブ(Qiagen,CA)内を通され、ポリ(A+)RNAはオリゴヌクレオチド(dT)で選択されることによって単離された。これらのサンプルの標準的な収率は、300ngmRNA/2×106cellsであった。BHK細胞からのトータルRNAは、製造者の説明書に従ってTRIzol(登録商標)試薬を使用して単離され、ポリ(A+)RNAはオリゴ(dT)で選択されることによって、これらのサンプルから単離された。
【0060】
(実施例3)RNAのノーザンブロット解析
全量RNAとポリ(A+)RNAとは、(8)に記載のように1.5%1×MOPS、30%ホルムアルデヒドを含むアガロースゲル電気泳動にかけられた後、ナイロンメンブレンに転写された。ブロットは80℃で1時間焼かれた後、(8)も記載の方法でプレハイブリダイゼーションが実施された。32Pで標識されたb−アクチンのプローブがラッドプライムキット(ライフテクノロジー:Life Technologies, Inc)を使用して準備され、ハイブリダイゼーションバッファーに対して最終濃度が5×106cpm/mlになるように調製された。ハイブリダイゼーションは(8)に記載のようにして42℃で16時間実施された。ブロットは、0.1%のSDSを含む室温の2×SSCで3×5分間洗浄され、その後、0.1%SDSを含む65℃の0.25×SSCで2×30分間洗浄された。続いて、上記ブロットはプラスチックの包みに入れられ、X線フィルムに露光された。
【0061】
ノーザンブロット解析の結果を図1に示す。全量RNA(レーン1)はTRIzol試薬を使用してBHK−21細胞から単離された。ポリ(A+)RNA(レーン2−3)は、上述のように上記全量RNAから単離され、ポリ(A+)RNA(レーン4−5)は、上述のようにFTA(登録商標)ジーンカード(GeneCard)に塗布されたBHK−21細胞から直接単離されたものである。使用された細胞の数は、レーン2及び4が2.5×106個であり、レーン1、3及び5が4×106個であった。
【0062】
FTA(登録商標)の所定期間保存サンプルからの2.2kbシグナルの質及び強度は、従来の方法によってバイアルされたBHK−21細胞から単離されたRNAの質及び強度と直接比較できる。これらの結果に基づけば、FTA(登録商標)ジーンカード(GeneCards)上にスポッティングされた哺乳類の細胞サンプルから得られたポリ(A+)RNAの完全さが維持されていることは明らかである。しかしながら、(1ヶ月以上の)長期保存の場合には、上記サンプルはFTA(登録商標)ペーパー上への哺乳類細胞の塗布された後、−20℃以下で保管されなければならないということが明らかとなった。長期間室温あるいは4℃で保管された場合のサンプル内のRNAの強度は、コントロールに比べて劣っていた。我々のRNAの観察とは全く異なるものであるが、最大で7.5年間室温で保管されたFTA(登録商標)所定期間保存サンプル内に含まれるゲノムDNAは、完全な状態であったことが(9)に示されている。
【0063】
(実施例4)核酸の増幅
ゲノムDNAのPCR:HARRIS MICRO−PUNCH(登録商標)を使用して、生体サンプルスポットの中心に2mmのパンチが開けられ、そのパンチ部分が1.5mlのマイクロチューブに入れられた。そして、FTA(登録商標)精製試薬(ライフテクノロジー)で、室温の下で3×5分間洗浄された。続いて、TE(10mm Tris−HCl(pH8.0)、0.1mMEDTA)で室温の下で2×5分間洗浄された。それぞれのパンチ部分は個々に処理され、薄壁増幅試験管へ移された。増幅はPLATINUM(登録商標)Taq高適合DNAポリメラーゼ(1U)を使用して、1×PLATINUM(登録商標)Taq高適合PCRバッファー、200mMdNTPs、200nMプライマー、2mMMgSO4中で実施された。この増幅反応に使用された上記プライマーの配列は、表1に示される。
【0064】
【表1】
Figure 0005164050
【0065】
RT−PCR:HARRIS MICRO−PUNCH(登録商標)を使用して、2mmのパンチが開けられ、そのパンチ部分が低結合性RNase及びDNAseを含まない400mlRNA処理バッファー(10mM Tris−HCl(pH8.0)、0.1mM EDTA、400−800U/ml RNASEOUT(登録商標)、及び2mM DTT)が入れられた1.5mlのチューブ(マルシュバイオメディカル)に移された。その後、5分おきにボルテックスされながら、氷上で25分間インキュベートされた。いくつかの実験では、上記処理バッファーには、引き続いて実施されるRNAの沈殿反応を促進するために250mg/mlのグリコーゲンも含まれた。ゲノムDNAとは異なり、RNAはこのインキュベート中に上記フィルターのパンチ部分から溶出する。RT−PCRは、基質として上記処理バッファー溶出液を直接使用するか、またあるいは、上記溶出液から沈殿したRNAを使用して実施された。上記RNAは、塩(0.1容量の3M酢酸ナトリウム、あるいは、0.5容量の7.5M酢酸アンモニウム)と0.5容量の氷冷した100%イソプロパノールとを添加することによって沈殿された。上記サンプルは−20℃で一昼夜置かれた後、12,000rpmでマイクロチューブ内に遠心沈殿され、(氷冷した)75%エタノールで洗浄されてから風乾された。RNAのペレットは50ml又は100mlの殺菌したTEに再懸濁された。一本鎖cDNAの合成は、SUPERSCRIPT(登録商標)II RNase H−RT(ライフテクノロジー)を使用して、50℃最終体積50mlで実施された。増幅反応(50ml)には、10ml以下のcDNA反応物及び、以下に挙げるものが含まれた。1×増幅バッファー、1.8mM MgSO4、200nMプライマー、200mMの各dNTP、及び2.5U PLATINUM(登録商標)TaqDNAポリメラーゼ。4kb以上の鋳型として、1−2UのPLATINUM(登録商標)TaqDNAポリメラーゼHighが使用された。増幅産物は、1.2%TBE−OR0.8%TAEアガロースゲル電気泳動によって解析された。
【0066】
固体担体上に蓄えられた核酸増幅の結果を図2ないし図4に示す。図2には、HeLa細胞由来の核酸の増幅結果を示す。抽出されたRNAは、上述のように、−20℃および−70℃で1年間保管されたHeLa細胞サンプルの2mmのパンチ部分から取得され洗浄された後、沈殿された。この増幅反応の標的は以下の通りである。パネルA;b−アクチンmRNAの626bp配列は、94℃1分間、続いて94℃30秒間、60℃30秒間、72℃1.5分間を40サイクルという熱サイクル条件の下で増幅された。このときのフォワードプライマー及びリバースプライマーは、それぞれ5'CCTCGCCTTTGCCGATCC3'(配列番号9)、5'GGATCTTCATGAGGTAGTCAGTC3'(配列番号10)であった。パネルB;RPA(複製プロテインA)のmRNAの1.08bp配列は、94℃1分間、続いて94℃30秒間、55℃30秒間、72℃1.5分間を40サイクルという熱サイクル条件の下で増幅された。このときのフォワードプライマー及びリバースプライマーは、それぞれ5'CAAGATGTGGAACAGTGGATTC3'(配列番号7)、5'CATCTATCTTGATGTTGTAACAAGC3'(配列番号8)であった。パネルC;クラスリン様タンパク質(D21260)mRNAの5.76bp配列は、94℃1分間、続いて94℃20秒間、60℃30秒間、68℃7分間を35サイクルという熱サイクル条件の下で増幅された。このときのフォワードプライマー及びリバースプライマーは、それぞれ5'CCCAGTGACAGGAGGAGACCATA3'(配列番号11)、5'ATCCTGTGCTTTTTCTGTGGGAC3'(配列番号12)であった。パネルA及びBに関して、レーン1−3及びレーン4−6は、FTA(登録商標)ジーンカードにサンプル塗布後に、それぞれ−20℃又は−70℃で保管されたサンプルに由来する。一方、レーン7はRT反応からSUPERSCRIPT II RTが除かれたネガティブコントロールである。Mで標識されたレーンは、1kbの梯子状サイズマーカーである。パネルCに関し、レーン1のポジティブコントロール、HeLaRNAであるレーン2及び3は、FTA(登録商標)ジーンカードにサンプル塗布後に、−70℃で保管されたサンプルに由来する。一方、レーン4はネガティブコントロールである。
【0067】
図3には、植物細胞由来の核酸の増幅の結果を示す。上述のようにしてジャガイモから葉のサンプルの2mmのパンチ部分からRNAが抽出され、5mlのRNA溶出液が50mlの各RT反応に添加された。この増幅反応の標的は、表1に示されるプライマーを使用する1.8kbのシステインプロテアーゼ(AJ003137)mRNA由来の1.05kb配列であった。熱サイクル条件は、94℃1分間、続いて94℃30秒間、60℃30秒間、72℃2分間を40サイクルで行った。レーン1−3及びレーン4−7は、FTA(登録商標)ジーンカードに塗布後に、それぞれ−20℃又は−70℃で保管されたサンプルに由来する。一方、レーン8は、50ngのジャガイモの葉由来RNAがRT反応に添加されたポジティブコントロールである。
【0068】
カードに保管された生体サンプルの量に応じたRT−PCRシグナルの依存性が調査され、その結果を図4に示す。異なる細胞濃度におけるHeLa細胞の懸濁液のサンプル5mlが、FTA(登録商標)ジーンカード上にスポッティングされ、1−2時間風乾された後、一年間以上−70℃で保管された。このサンプルから2mmのパンチ部分が取得され、上述のように処理された。そのRNAの一定分量(その洗浄物全量の80分の1の量)が、方法に記載のRT−PCRに使用された。標的は、表1に示されるプライマーを使用したRPA(複製プロテインA遺伝子(M36951))由来の〜1.08kb単位複製配列であり、図2に使用されたPCR条件で行われた。マーカーは1kb毎の階段状マーカー、レーン1−3は25,000個の細胞、レーン4−6は5,000個の細胞、レーン7−9は500個の細胞、レーン10−12はSuperScripto II Rnase H-RTがRT反応から除かれたネガティブコントロールである。
【0069】
−20℃以下で保管されたFTA(登録商標)ジーンカード上のRNAの安定性は、異なるmRNA標的でRT−PCR解析を実施することによって調査された。FTA(登録商標)パンチ部分の処理過程において、ゲノムDNAとは異なり、処理過程中にFTA(登録商標)ペーパー上に残存しないことが観察された。最初の洗浄におけるRNA溶出液のほとんど全量、及びこの溶出された細胞性RNAは、一本鎖RT反応へ直接移行することができる。あるいは、洗浄溶液からエタノール沈殿された後、解析に先立って滅菌水又はTEに懸濁されることができる。図2及び3の結果は、哺乳動物細胞及び植物サンプルからそれぞれ異なるmRNA標的の連続的なRT−PCRを実証している。哺乳動物細胞サンプルに関し、我々のRT−PCRの標的は、それぞれb−アクチン由来の626bp、1.08kb、5.76bp配列(パネルA)、複製プロテインA(RPA:パネルB)のmRNA、クラスリン様タンパク質(パネルC)であった。ジャガイモの葉の植物サンプルに関し、我々のRT−PCRの標的は、1756bpのシステインプロテアーゼのmRNA由来の852bp配列で構成された。ネガティブコントロールは、(植物サンプルでは見られない)最初のcDNA合成ステップ中でRTが除かれる反応からなり、ポジティブコントロールは、最初のcDNA合成ステップにおける100ngのHeLa又は50ngの植物葉RNAの直接の添加からなる。微量のゲノムDNAについても、処理過程においてパンチ部分から溶出することが観察され、RT−PCRシグナルが確かにRNAの産物であり、コンタミしたゲノムDNAではないことを確かめるために必要であるため、ネガティブコントロールを含むことは重要である。図2及び図3の結果は、−20℃及び−70℃で保管されたFTA(登録商標)サンプルを用いて、目的とするRNA特異的RT−PCR産物が得られ、上記ポジティブコントロールと比較できることを実証している。我々は続いて、FTA(登録商標)ジーンカード上にスポッティングされたHeLa細胞の数に対して、得られたRT−PCRシグナルのバランスを調査した。このような実験は、生体サンプルにおける異なる遺伝子発現を半定量的に測定するというこの方法を使用した場合の実行可能性を明らかにするであろう。種々の濃度のHeLa細胞懸濁液が準備され、上記種々の懸濁液から一定分量(5ml)がFTA(登録商標)ペーパー上に等しくスポッティングされた。得られたRT−PCR産物の相対量は、FTA(登録商標)カード上に置かれた細胞の数に比例した(図4)。これらのデータは、FTA(登録商標)ジーンカードを使用したRT−PCRによって、少なくとも半定量的に、mRNAレベルの違いを測定することができるということを示している。
【0070】
(実施例5)FTA(登録商標)ペーパー上に保存された生体標本から単離されたRNAを用いたcDNAライブラリーの構築
ポリ(A+)RNAは、ビオチン標識されたオリゴヌクレオチド(dT)がライブラリー構築に必要な特定のアダプター配列を有すること以外は、上述と同様の方法を用いて、FTA(登録商標)ペーパー上に保存された2.25×106個のBHK−21細胞から直接単離された。プライマーはNot I認識部位を含み、(ビオチン)4配列:GACTAGTTCTAGATCGCGAGCGGCCGCCCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列番号13)(WO98/51699、及び米国出願番号09/076,115参照)を有している。ポジティブコントロールとして、同数の細胞からTRIzol試薬によって調製された全量RNAからポリ(A+)RNAが単離された。WO98/51699及び米国出願番号09/076,115の記載に基づいて、二本鎖cDNAが作製され、プラスミドベクターへ組み込まれてクローニングされた。ポリ(A+)RNAから得られた第1のクローンの数は、mRNAがFTA(登録商標)から直接単離されたものであろうが、TRIzol精製された全量RNAから単離されたものであろうが同数であった。ライブラリーの平均挿入サイズは、上記プラスミドベクターへのプライマーを使用したコロニーPCRによって決定された。FTA(登録商標)由来の材料の場合の平均挿入サイズは1000bpであり、ポジティブコントロールポリ(A+)RNA由来の材料によってライブラリーが構築された場合の600bpに比べて大きかった。これは、FTA(登録商標)に保存されたサンプルから直接単離されたmRNAを用いて、良質のcDNAライブラリーが作製できるということを示している。
【0071】
より明確な理解を図るために、以上のように図や実施例を用いて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、幅広く、同等の条件の範囲内で、変更を加えたり、変化させたりすることによって同様のことを実行することができるということは、その技術分野における通常の熟練者の一人であれば明白であろう。また、本発明の範囲に影響を与えない公式化や他の要因、あるいは、それに伴うあらゆる特定の具体物、そして、上述のような変更の付加や変化は、添付された請求の範囲内に包含されることを意味することも明白であろう。
【0072】
この明細書に記載されたあらゆる出版物、特許、特許出願は、本発明が属する技術分野における熟練者の知識のレベルを示すものである。そして、各々の出版物、特許、あるいは特許出願が、具体的かつ個々に参考文献によって組み合わされているということが示されるように、本発明の参考文献によって、この中に組み合わされる。
【0073】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 固体担体に保存され、溶出されたRNAのノーザンブロット分析の結果を示す図面である。
【図2】 HeLa細胞に由来するサンプルを用い、固体担体に保存され、溶出されたRNAのRT−PCR分析の結果を示す図面である。
【図3】 植物細胞に由来するサンプルを用い、固体担体に保存され、溶出されたRNAのRT−PCR分析の結果を示す図面である。
【図4】 HeLa細胞に由来するサンプルを用い、固体担体に保存され、溶出された細胞の種々の量の細胞からのRNAのRT−PCR分析の結果を示す図面である。

Claims (13)

  1. 以下の(a)〜(d)の工程を含む、1以上のcDNA分子を生成する方法。
    (a)細胞またはウイルスを含むサンプルを、固体媒体へ接触させる工程であって、
    (i)該サンプルは、mRNAおよびゲノムDNAを含み、
    (ii)該mRNAは、mRNAのテンプレートを含み、
    (iii)該固体媒体は、
    吸収性のあるセルロースを主成分とするマトリックスまたは紙、あるいは合成プラスチック素材のマイクロメッシュを含む、マトリックス、および
    陰イオン性界面活性剤を含む組成物を含む、工程。
    (b)該mRNAのテンプレートの少なくとも1部を、該固体媒体へ吸着させる工程。
    (c)該ゲノムDNAを固体媒体に保持したまま、該mRNAを含む上記固体媒体を該mRNAを溶出するためのTris-HCl、EDTA、DTT、およびRNASEOUT(登録商標)を含むバッファーと接触させることにより、該固体媒体から該mRNAを溶出する工程。
    (d)該mRNAのテンプレート全体にまたは部分的に相補性を有する1以上のcDNA分子を合成するのに十分な条件下で、該mRNAを1以上の逆転写酵素と接触させる工程。
  2. 上記cDNAがcDNAライブラリーである請求項1記載の方法。
  3. 上記cDNAが2本鎖である請求項1記載の方法。
  4. さらに上記cDNAの増幅工程を含む請求項1記載の方法。
  5. 上記増幅工程が、上記テンプレート全体にまたは部分的に相補性を有する1以上のcDNA分子を合成するのに十分な条件下で、少なくとも1つのcDNA鎖を、ポリメラーゼと接触させることを含んでいる請求項4記載の方法。
  6. 上記増幅工程が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む、請求項4に記載の方法。
  7. 上記組成物は、弱塩基よびキレート剤をさらに含んでいる請求項1記載の方法。
  8. 上記組成物が、尿酸、または尿酸塩をさらに含んでいる請求項7記載の方法。
  9. 上記マトリックスが、ニトロセルロース、セルロース、ディアゾセルロース、カルボキシメチルセルロース、親水性ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ファイバーグラス、多孔性セラミックス、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、セファロース、寒天、スターチ、およびナイロンを含む請求項1記載の方法。
  10. 上記サンプルが真核細胞を含む請求項1記載の方法。
  11. 上記バッファーが、グリコーゲンをさらに含む、請求項1記載の方法。
  12. 上記溶出する工程が、上記mRNAを含む固体媒体と上記バッファーとを、氷上でインキュベートすることをさらに含む、請求項1記載の方法。
  13. 上記溶出する工程が、上記mRNAと上記バッファーと含む上記固体媒体を、ボルテックスすることを含む、請求項1記載の方法。
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