JP5163231B2 - 減反射材及びそれを備えた電子画像表示装置 - Google Patents

減反射材及びそれを備えた電子画像表示装置 Download PDF

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本発明は、視感度波長範囲(光の波長500〜650nm)における反射率を一定化(以下、反射率のフラット化と称する)して塗布層の膜厚変動に起因する着色むらを抑制することができる減反射材及びそれを備えた電子画像表示装置に関するものである。
近年、電子ディスプレイは、テレビジョン用やモニター用として広く普及している。特に、ディスプレイの薄型化や大型化が進んでおり、プラズマディスプレイ(PD)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OELD)等が注目されている。これら大型のディスプレイには、視認性向上のために、反射防止処理を施こすと同時に、色再現性の問題から着色の少ない減反射材が求められている。
例えば、写り込みと着色のない高画質の画像を診断画像として表示することができる医療用ディスプレイが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この医療用ディスプレイに用いられる反射防止フィルムは、透明支持体と、その上に設けられるハードコート層と、該ハードコート層上に設けられる反射防止層とを有し、該反射防止層は透明支持体側から中屈折率層、高屈曲性層及び低屈曲性層の3層で形成されている。そして、CIE標準イルミナントD65に対する正反射光の色味(a*値、b*値)などが特定範囲に設定されている。
さらに、本願出願人は、透明樹脂フィルム上にハードコート層を設け、そのハードコート層上に減反射層を設けた減反射材を提案した(例えば、特許文献2を参照)。この減反射材では、光の波長500〜650nmにおける反射率の振幅の差の最大値が1%以下、CIE標準イルミナントD65に対する視感度反射率が2%以下及びCIE標準イルミナントD65に対するabクロマCab*={(a*)+(b*)1/2が10以下に設定されている。
特開2004−295055号公報(第2頁、第5頁及び第18頁) 特開2006−116754号公報(第2頁、第3頁及び第12頁)
しかしながら、特許文献1に開示された反射防止フィルムにおいては、反射防止層(減反射層)が3層構成であり、減反射特性に優れるものの、視感度波長範囲において反射率は変化が大きく、一定(フラット)ではない。すなわち、反射防止層において膜厚変動が起きやすく、その膜厚変動に起因して着色むらが見え、着色低減効果を十分に発揮することができなかった。
また、特許文献2に記載の減反射材においては、減反射層が高屈折率層と低屈折率層で構成される場合、それらの膜厚の比が1.0〜1.1である(特許文献2の実施例4及び実施例7)。このため、特許文献2の減反射材では、視感度波長範囲での光の波長に対する反射率のスペクトルにおける変動が大きくなり、反射率を一定化することが難しい。このような相違点に起因して、減反射材の着色むらを抑えることができないという問題があった。
そこで、本発明の目的とするところは、視感度波長範囲において反射率を一定化し、塗布層の膜厚変動に起因する着色むらを抑制することができる減反射材及びそれを備えた電子画像表示装置を提供することにある。
本発明における第1の発明の減反射材は、透明樹脂フィルム上に少なくともハードコート層と、第1光学干渉層と、第2光学干渉層とがこの順で積層されたものである。そして、前記第1光学干渉層の屈折率はハードコート層の屈折率より高く、その屈折率差は0.01〜0.05であり、かつ第2光学干渉層の屈折率は第1光学干渉層の屈折率より低く、第1光学干渉層の膜厚/第2光学干渉層の膜厚の比率が1.6〜1.8であることを特徴とする。
第2の発明の減反射材は、第1の発明において、光の波長500〜650nmの領域における反射率の振幅の差の最大値が1%以下であり、かつJIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65に対するJIS Z8729に基づくabクロマCab*={(a*)+(b*)1/2が5以下であることを特徴とする。
第3の発明の減反射材は、第1又は第2の発明において、JIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65に対するJIS Z8701に基づく視感度反射率Yが1.5%以下であることを特徴とする。
第4の発明の電子画像表示装置は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の減反射材を、ディスプレイの前面に備えることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1の発明の減反射材では、第1光学干渉層の屈折率はハードコート層の屈折率より高く、その屈折率差は0.01〜0.05であり、かつ第2光学干渉層の屈折率は第1光学干渉層の屈折率より低く設定され、第1光学干渉層の膜厚/第2光学干渉層の膜厚の比率が1.6〜1.8に設定されている。このため、減反射材の視感度波長範囲における反射率(反射スペクトル)を一定に近づける(フラット化する)ことができ、光の波長に対する反射スペクトルの変動を抑えることができる。従って、視感度波長範囲において反射率を一定化し、塗布層の膜厚変動に起因する着色むらを抑制することができる。
第2の発明の減反射材では、光の波長500〜650nmの領域における反射率の振幅の差の最大値が1%以下であり、かつJIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65に対するJIS Z8729に基づくabクロマCab*={(a*)+(b*)1/2が5以下である。このため、第1の発明の効果に加えて、透明樹脂フィルムとハードコート層の屈折率差に起因する干渉むらを効果的に抑えることができるとともに、第1光学干渉層及び第2光学干渉層よりなる減反射層の構成に由来する着色を抑制することができる。
第3の発明の減反射材では、JIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65に対するJIS Z8701に基づく視感度反射率Yが1.5%以下である。このため、第1又は2の発明の効果に加えて、視感度反射率が低いため、より視認性に優れた減反射材を提供することができる。
第4の発明の電子画像表示装置は、前記減反射材をディスプレイの前面に備えるものである。従って、電子画像表示装置において、第1から第3のいずれかの発明の減反射材による効果を発揮することができる。
以下、本発明の最良の形態と思われる実施形態について詳細に説明する。
〔減反射材〕
図1に示すように、本実施形態の減反射材10は、透明樹脂フィルム11上に少なくともハードコート層12と、減反射層13としての第1光学干渉層13aと、同じく減反射層13としての第2光学干渉層13bとがこの順で積層されたものである。そして、第1光学干渉層13aの屈折率はハードコート層12の屈折率より高く、その屈折率差は0.01〜0.05であり、かつ第2光学干渉層13bの屈折率は第1光学干渉層13aの屈折率より低く、第1光学干渉層13aの膜厚/第2光学干渉層13bの膜厚の比率が1.6〜1.8である。
第1光学干渉層13aの屈折率をハードコート層12の屈折率より高く、その屈折率差を0.01〜0.05に設定し、かつ第2光学干渉層13bの屈折率を第1光学干渉層13aの屈折率より低く、第1光学干渉層13aの膜厚/第2光学干渉層13bの膜厚の比率を1.6〜1.8に設定する。係る構成により、反射率の変動を抑え、反射率のフラット化を達成し、着色むらを抑制することができる。このため、膜厚の変動に基づく着色むらを効果的に抑制することができる。
さらに、減反射材10は、視感度波長範囲(光の波長500〜650nm)の領域における反射率の振幅の差の最大値が1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。この最大値が1%より大きい場合には、透明樹脂フィルム11とハードコート層12の屈折率差より生じる干渉むらが目立つようになり、着色むらを抑制することが難しくなって好ましくない。なお、係る最大値の下限値は0.1%程度である。かつ、JIS Z8720に基づくCIE標準イルミナント(光源)D65に対するJIS Z8729に基づくabクロマCab*={(a*)+(b*)1/2が5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。この値が5を超える場合には、着色むらを抑制することが難しくなって好ましくない。なお、この値の下限値は0.1程度である。
加えて減反射材10は、JIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65に対するJIS Z8701に基づく視感度反射率Yが1.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。視感度反射率Yが1.5%を超える場合には、反射が大きくなって電子画像表示装置の画像の視認性が低下して好ましくない。なお、視感度反射率Yの下限値は0.1%程度である。
図2に示すように、減反射材10としては、透明樹脂フィルム11とハードコート層12との間に接着層14が設けられた構成であってもよい。
(透明樹脂フィルム11)
まず、透明樹脂フィルム11について説明する。該透明樹脂フィルム11は、屈折率(n)が1.45〜1.70の範囲内のものが好ましい。屈折率が低め(1.45〜1.55)の透明樹脂フィルム11を形成する透明樹脂基材としては、例えばトリアセチルセルロース(TAC、n=1.48)等のアセチルセルロース(酢酸セルロース)、アクリル樹脂(AC、n=1.50)等が挙げられる。また、屈折率が高め(1.55〜1.70)の透明樹脂基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET、n=1.65)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC、n=1.59)、ポリアリレート(PAR、n=1.60)及びポリエーテルスルフォン(PES、n=1.65)等が挙げられる。これらのうち、屈折率が低めの透明樹脂フィルム11としてはTACフィルムが、屈折率が高めの透明樹脂フィルム11としてはPETフィルムが、成形の容易性及び入手の容易さの点で好ましい。
また、透明樹脂フィルム11の膜厚は、好ましくは25〜400μm、より好ましくは40〜200μmである。この膜厚が25μm未満の場合や400μmを超える場合には、減反射材10の製造時及び使用時における取り扱い性が低下して好ましくない。前記透明樹脂フィルム11には、各種の添加剤が含有されていても良い。そのような添加剤として例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤等が挙げられる。
(ハードコート層12)
次に、ハードコート層12について説明する。ハードコート層12の屈折率は1.45〜1.70の範囲内が好ましい。ハードコート層12の屈折率が1.45未満の場合又は1.70を超える場合には、透明樹脂フィルム11とハードコート層12の屈折率差から生じる干渉むらが顕著に表れるため好ましくない。また、ハードコート層12の膜厚は、1〜10μmであることが好ましい。ハードコート層12の膜厚が1μm未満の場合には、十分な表面強度が得られないため好ましくない。その一方、膜厚が10μmを超える場合には、ハードコート層12の耐屈曲性の低下等の問題が生じるため好ましくない。
前記ハードコート層12は屈折率及び膜厚が前記範囲内あれば、特に制限されない。ハードコート層12を形成する材料として例えば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、そしてテトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物等の硬化物が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの双方を含む概念を意味する。以下、化合物が変わっても同様である。これらのうち生産性及び硬度両立の観点より、紫外線硬化性の多官能アクリレートを含む組成物の重合硬化物であることが特に好ましい。
紫外線硬化性の多官能アクリレートを含む組成物としては特に限定されない。例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコールのアクリル誘導体や、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンアクリレート、そして紫外線硬化性ハードコート材として市販されているもの等が挙げられる。
紫外線硬化性の多官能アクリレートを含む組成物には通常その他の成分が含まれるが、係るその他の成分は特に制限されるものではない。その他の成分として例えば、無機又は有機の微粒子状充填剤、無機又は有機の微粒子状顔料、及びそれ以外の無機又は有機微粒子、重合体、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤等の添加剤等が挙げられる。またウェットコーティング法において成膜後乾燥させる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。
ハードコート層12の形成方法は特に制限されず、有機材料を用いた場合には、ロールコート法やダイコート法等、一般的なウェットコート法により形成することができる。形成した層は必要に応じて加熱や紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射により硬化反応を行うことができる。
減反射材10は、第1光学干渉層13aと第2光学干渉層13bの屈折率及び膜厚を調整(コントロール)することにより、反射率のフラット化を達成することができるが、さらに波長500〜650nmの領域における反射率の振幅の差の最大値を1%以下にすることが好ましい。これにより、透明樹脂フィルム11とハードコート層12の屈折率差より生じる干渉むらを低減することができるため、一層本発明の効果、すなわち塗布層の膜厚変動に起因する着色むらを抑制することができる。そのためには、さらに以下の要件を満たすことが好ましい。ここでは、代表的な透明樹脂フィルム11であるTACフィルムとPETフィルムの場合について説明する。TACフィルムを使用する場合には、ハードコート層12の屈折率が(TACフィルムの屈折率)±0.03の範囲内であることが重要である。さらに好ましくは、ハードコート層12の屈折率が(TACフィルムの屈折率)±0.02の範囲内である。ハードコート層12の屈折率が(透明樹脂フィルム11の屈折率)±0.03を超える場合には、干渉むらがはっきりと認識されてしまい好ましくない。
TACフィルム上にウェットコーティング法でハードコート層12を形成する場合には、TACフィルム表面を浸食する溶媒、例えばメチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル等を単独又は任意の溶媒にこれら溶媒を混合して使用すると、TACフィルムとハードコート層12の界面が乱れることにより、TACフィルムとハードコート層12界面の干渉効果が抑制される。このため、上記屈折率差の効果に加えて、より効果的に干渉むらを抑制することができる。
(接着層14)
PETフィルムを使用する場合には、PETフィルム上に、透明樹脂フィルム11側から接着層14及びハードコート層12を積層することにより干渉むらを低減させることが望ましい。PETフィルム、接着層14及びハードコート層12の屈折率は、PETフィルムの屈折率>接着層14の屈折率>ハードコート層12の屈折率の関係を満たすことが好ましい。このとき、使用するハードコート層12の屈折率によって、接着層14の屈折率及び膜厚を調整することが望ましい。ハードコート層12の屈折率が1.45〜1.60の場合には、接着層14の屈折率は{(PETフィルムの屈折率)}×(ハードコート層12の屈折率)}1/2±0.03の範囲内でかつ膜厚は70〜130nmの範囲に調整する。接着層14の屈折率は、好ましくは上記範囲内であり、さらに好ましくは{(PETフィルムの屈折率)×(ハードコート層12の屈折率)}1/2±0.02の範囲内である。接着層14の屈折率は、{(PETフィルムの屈折率)×(ハードコート層12の屈折率)}1/2であるときに最も干渉むらを低減することができる。
また、ハードコート層12の屈折率が1.61〜1.70の場合には、接着層14の膜厚を20nm以下にすることが好ましい。接着層14の膜厚は、さらに好ましくは10nm以下である。接着層14の膜厚が20nmを超える場合には、干渉むらが目立ってしまい好ましくない。
前記接着層14は、高分子バインダーと微粒子とを含有する。高分子バインダーは、良好な接着性を付与するという観点から、ポリエステル樹脂及びオキサゾリン基とポリアルキレンオキシド鎖とを有するアクリル樹脂の混合体であることが好ましい。高分子バインダーは水に可溶性又は分散性のものが好ましいが、多少の有機溶剤を含有する水に可溶なものも用いることができる。接着層14の高分子バインダーを構成するポリエステル樹脂の、接着層14中での含有割合は好ましくは5〜95質量%、さらに好ましくは50〜90質量%である。接着層14の高分子バインダーを構成するオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂の、接着層14中での含有割合は好ましくは5〜95質量%、さらに好ましくは10〜50質量%である。
ポリエステル樹脂が95質量%を超え、又はオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂が5質量%未満であると、接着層14の凝集力が低下し、ハードコート層12への接着性や接着層14の接着力の発現が不十分となる場合があり好ましくない。オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂が95質量%を超え、又はポリエステル樹脂が5質量%未満であるとポリエステルフィルムとの密着性が低下し、ハードコート層12への接着性が不十分となったり、接着層14の接着力の発現が不足したりする場合がある。
前記接着層14を構成する微粒子としては、シリカとチタニアの複合無機粒子を用いることが好ましい。このシリカとチタニアの複合無機粒子は、屈折率を任意に調整可能であり、屈折率を容易に調整することができる。接着層14の高分子バインダーと微粒子との屈折率の差は、好ましくは0.02以内、さらに好ましくは0.01以内である。この屈折率の差が0.02を超えると、高分子バインダーと微粒子との境界における屈折率の差により光が大きく散乱し、接着層14のヘイズ値が高くなり、透明性が悪くなって好ましくない。
微粒子の平均粒子径は、40〜120nmの範囲であることが好ましい。この平均粒子径が120nmより大きい場合には微粒子の落脱が発生しやすくなり、その一方40nmよりも小さい場合には十分な滑性及び耐傷性が得られないことがあり好ましくない。微粒子の含有量は、接着層14に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。この含有量が0.1質量%未満であると十分な滑性及び耐傷性が得られず、一方10質量%を超えると接着層14の凝集力が低くなり、接着性が低下して好ましくない。
接着層14には脂肪族ワックスを含有させることが好ましく、その含有量は好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。この含有量が0.5質量%より少ない場合、接着層14表面の滑性が得られないことがあり好ましくない。30質量%より多い場合、透明樹脂フィルム11やハードコート層12に対する接着性が不足する傾向があり好ましくない。脂肪族ワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、パームワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの水分散性又は水溶性のワックス類が好ましい。
接着層14を透明樹脂フィルム11上に設けるためには、前記塗布液を透明樹脂フィルム11の片面又は両面に塗工することで行われる。塗布は、任意の段階で実施することができるが、透明樹脂フィルム11の製造過程で実施することが効率が良く好ましい。塗布方法としては、公知の任意の塗工法を採用することができる。例えば、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフ法、コイルバー法、ディップコート法などが挙げられる。
(減反射層13)
次に、減反射層13について説明する。係る減反射層13は、第1光学干渉層13aと第2光学干渉層13bとから構成されている。第1光学干渉層13aの屈折率はハードコート層12及び第2光学干渉層13bより高く設定され、さらに第1光学干渉層13aとハードコート層12の屈折率差は0.01〜0.05に設定される。該屈折率差は0.01〜0.03であることが好ましい。この屈折率差が0.01より小さい場合には、ハードコート層12と第1光学干渉層13aとの界面での反射光が弱くなり過ぎて好ましくない。その一方、屈折率差が0.05より大きい場合には、ハードコート層12と第1光学干渉層13aとの界面における反射光が強くなり過ぎて、反射率のフラット化を達成することができなくなるため好ましくない。
さらに、第2光学干渉層13bの屈折率は、第1光学干渉層13aの屈折率より低く設定され、その屈折率は1.28〜1.45であることが好ましい。該屈折率が1.28未満の場合には十分に硬い層を形成することが困難であり、一方屈折率が1.45を超える場合には特にウェットコーティング法では十分な減反射効果を得ることが難しい。
続いて、第1光学干渉層13aの膜厚と第2光学干渉層13bの膜厚の比率は、第1光学干渉層13aの膜厚/第2光学干渉層13bの膜厚=1.6〜1.8に設定される。この膜厚の比率が1.6未満及び1.8を超える場合には、膜厚変動による反射スペクトルの変化が大きくなり、反射率のフラット化が達成できないため好ましくない。
減反射層13の形成方法は特に制限されず、例えばドライコーティング法、ウェットコーティング法等の方法を採ることができる。これらの方法のうち、生産性及び生産コストの面より、特にウェットコーティング法が好ましい。ウェットコーティング法は公知の方法が採用され、例えばロールコート法、スピンコート法、そしてディップコート法等が代表的な方法として挙げられる。これらの中では、ロールコート法等、連続的に減反射層13を形成できる方法が生産性の点より好ましい。
第1光学干渉層13aを構成する材料は特に制限されるものではなく、無機材料又は有機材料を用いることができる。無機材料としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム錫、アンチモン含有酸化錫等の微粒子が挙げられる。特に、酸化インジウム錫、アンチモン含有酸化錫等の導電性微粒子を用いた場合には表面抵抗率を下げることができ、さらに帯電防止能も付与することができるため好ましい。一方、有機材料としては、例えばフルオレン骨格を有する重合性単量体を含む組成物を重合硬化したもの等を用いることができる。
第2光学干渉層13bを構成する材料としては、酸化珪素、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、フッ化セリウム等の無機物や、含フッ素有機化合物の単独又は混合物、或いは含フッ素有機化合物の重合体を含む組成物を用いることができる。また、フッ素を含まない単量体(非フッ素系単量体と略記する)や重合体をバインダーとして用いることができる。この中でも、酸化珪素系微粒子、特に中空酸化珪素系微粒子や含フッ素有機化合物が、低屈折率である点で特に好ましい。
中空酸化珪素系微粒子としては、例えば外殻内部に空洞を有するものや、多孔質シリカ微粒子が挙げられる。微粒子の平均粒子径は第2光学干渉層13bの膜厚を大きく超えないことが好ましく、特に0.1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が大きくなると、散乱が生じ、ヘイズ値が上昇してしまうため減反射材10として適さない。また、必要に応じて微粒子表面を各種カップリング剤等により修飾することができる。各種カップリング剤としては例えば、有機置換された珪素化合物、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン等の金属アルコキシド、有機酸塩等が挙げられる。特に、表面を(メタ)アクリロイル基等の反応性基で修飾することにより、硬度の高い膜を形成することができる。
上記含フッ素有機化合物は特に制限されるものではないが、例えば含フッ素単官能(メタ)アクリレート、含フッ素多官能(メタ)アクリレート、含フッ素イタコン酸エステル、含フッ素マレイン酸エステル、含フッ素珪素化合物等の単量体、及びそれらの重合体等が挙げられる。これらの中では、反応性の観点より含フッ素(メタ)アクリレートが好ましく、特に含フッ素多官能(メタ)アクリレートが、硬度及び屈折率の点より最も好ましい。これら含フッ素有機化合物を硬化させることにより、低屈折率かつ高硬度の第2光学干渉層13bを形成することができる。
含フッ素単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1−(メタ)アクリロイロキシ−1−パーフルオロアルキルメタン、1−(メタ)アクリロイロキシ−2−パーフルオロアルキルエタン等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜8の直鎖状、分枝状又は環状のものが挙げられる。
含フッ素多官能(メタ)アクリレートとしては、含フッ素2官能(メタ)アクリレート、含フッ素3官能(メタ)アクリレート及び含フッ素4官能(メタ)アクリレートが好ましい。含フッ素2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1,2−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロアルキルブタン、2−ヒドロキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、α,ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシメチルパーフルオロアルカン等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜11の直鎖状、分枝状又は環状のものが、パーフルオロアルカン基は直鎖状のものが好ましい。これらの含フッ素2官能(メタ)アクリレートは、使用に際して単独又は混合物として用いることができる。
含フッ素3官能(メタ)アクリレートの例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜11の直鎖状、分枝状又は環状のものが好ましい。
含フッ素4官能(メタ)アクリレートの例としては、α,β,ψ,ω−テトラキス{(メタ)アクリロイルオキシ}−αH,αH,βH,γH,γH,χH,χH,ψH,ωH,ωH−パーフルオロアルカン等が好ましい。パーフルオロアルカン基は炭素数1〜14の直鎖状のものが好ましい。使用に際しては、含フッ素4官能(メタ)アクリレートは、単独又は混合物として用いることができる。
含フッ素珪素化合物の具体的な例としては、(1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキル)トリメトキシシラン等が好ましい。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のものが好ましい。前記含フッ素有機化合物の重合体又はその他の含フッ素系単量体の重合体としては、前記含フッ素単量体の単独重合体、共重合体、又は非フッ素系単量体との共重合体等の直鎖状重合体、鎖中に炭素環や複素環を含む重合体、環状重合体、櫛型重合体等が挙げられる。前記非フッ素系単量体としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、単官能又は多官能(メタ)アクリレートやテトラエトキシシラン等の珪素化合物等が挙げられる。
減反射層13には前記の化合物以外に本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を含んでいても差し支えない。その他の成分は特に制限されるものではなく、例えば無機又は有機顔料、重合体、重合開始剤、光重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤、レベリング剤等の添加剤等が挙げられる。また、ウェットコーティング法において成膜後乾燥させる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。減反射層13はウェットコーティングにより成膜した後、必要に応じて紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射や加熱により硬化反応を行うことにより形成される。活性エネルギー線による硬化反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下にて行うことが好ましい。
減反射材10では、透明樹脂フィルム11の前記ハードコート層12及び減反射層13とは反対側の面に粘着層を形成することができる。該粘着層に用いられる材料としては特に制限されるものではないが、例えばアクリル樹脂系粘着剤、シリコーン系粘着剤、紫外線硬化型粘着剤、熱硬化型粘着剤等が挙げられる。この粘着層には特定波長域の光の遮断、コントラストの向上、色調補正等の機能の一種類以上を付与することができる。例えば、減反射材10の透過光色が黄色味を帯びている等、好ましくない場合には色素等を添加して色調補正することができる。
〔電子画像表示装置〕
本実施形態の減反射材10は、色再現性向上効果、光の干渉むら抑制効果、さらに減反射効果を必要とする用途に好適に用いることができる。特に、電子画像表示装置のディスプレイの前面に備えて使用される。電子画像表示装置としては、例えばプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、ブラウン管等が挙げられる。そして、そのディスプレイ(画面)表面に直接又はディスプレイの前面に配置される板に粘着層を介して密着させて用いることができる。
〔実施形態の作用及び効果のまとめ〕
・ 本実施形態における減反射材10では、第1光学干渉層13aの屈折率はハードコート層12の屈折率より高く、その屈折率差は0.01〜0.05であり、かつ第2光学干渉層13bの屈折率は第1光学干渉層13aの屈折率より低く設定され、第1光学干渉層13aの膜厚/第2光学干渉層13bの膜厚の比率が1.6〜1.8に設定されている。このため、減反射材10の視感度波長範囲における反射率のフラット化を果たすことができる。従って、フラットな波長範囲の色が混ざって見えることになり、白っぽく着色していないように見える。なお、反射スペクトルがV字状になるとV字の底の波長の補色の色が見えるようになる。このため、第1光学干渉層13a及び第2光学干渉層13bの膜厚の変動により、反射スペクトルが変動し、そのV字の底の波長がずれると、場所によって様々な色が見え、着色むらが発生する。従って、減反射材10では、視感度波長範囲において反射率を一定化し、塗布層の膜厚変動に起因する着色むらを抑制することができる。
・ また、減反射材10では、光の波長500〜650nmの領域における反射率の振幅の差の最大値が1%以下であり、かつJIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65に対するJIS Z8729に基づくabクロマCab*={(a*)+(b*)1/2が5以下である。このため、透明樹脂フィルム11とハードコート層12の屈折率差に起因する干渉むらを効果的に抑えることができるとともに、第1光学干渉層13a及び第2光学干渉層13bよりなる減反射層13の構成に由来する着色を抑制することができる。
・ さらに、減反射材10では、JIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65に対するJIS Z8701に基づく視感度反射率Yが1.5%以下である。このように視感度反射率が低いため、より視認性に優れた減反射材10を提供することができる。
・ 電子画像表示装置は、前記減反射材10をディスプレイの前面に備えるものである。従って、電子画像表示装置において、上記の減反射材10による効果を発揮することができる。よって、減反射材10をプラズマディスプレイや液晶ディスプレイに好適に適用することができる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。なお、製造例で調製した減反射層13用の塗液の硬化物の屈折率は以下に示す方法で測定した。
(1)屈折率1.49のアクリル樹脂板〔商品名:「デラグラスA」、旭化成ケミカルズ(株)製〕上に、ディップコーター〔(株) 杉山元医理器製〕により、減反射層13用の塗液をそれぞれ乾燥膜厚で光学膜厚が550nm程度になるように層の厚さを調整して塗布した。
(2)溶媒乾燥後、必要に応じて紫外線照射装置〔岩崎電気(株)製〕により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射して減反射層13用の塗液を硬化させた。
(3)アクリル樹脂板裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計〔「U−Best V560」、日本分光(株)製〕により、400〜650nmにおける5°、−5°正反射率を測定し、その反射率の極小値又は極大値を読み取った。
(4)反射率の極値より以下の式を用いて屈折率を計算した。
Figure 0005163231
得られた減反射材10の物性を以下の方法で評価した。
1)分光反射率:減反射材10の裏面(透明樹脂フィルム11の裏面)をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを分光光度計〔「U−Best V560」、日本分光(株)製〕により、光の波長380〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。これにより、減反射層13の反射スペクトルを測定することができる。
2)視感度反射率Y:上記で測定した光の波長380〜780nmの分光反射率と、JIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8701で規定されているXYZ表色系における、反射による物体色の三刺激値Y(%)を計算した。
3)光の波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値:前記分光反射率測定で得られた反射スペクトルより、光の波長500〜650nmでの反射率(%)の振幅の差の最大値を読み取った。
4)abクロマCab*:前記1)で測定した光の波長380〜780nmの分光反射率と、JIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8729に規定される色空間CIE1976L*a*b*表色系を計算し、求めたa*値、b*値からabクロマCab*={(a*)+(b*)1/2を計算した。
5)着色抑制効果:縦10cm、横10cmの大きさのガラス板の片面にアクリル樹脂系粘着シートを使用して減反射フィルムを貼り合せ、他方の面に黒色フィルムを貼り合せたサンプルを作製した。該サンプルを、三波長蛍光灯でない蛍光灯〔例えば、松下電器産業(株)製 パルック(FL20SS D/18)〕の下で観察し、塗布層の膜厚変動に起因する着色むらの見え方を、また三波長蛍光灯〔例えば、松下電器産業(株)製 パルック(FL20SS EX−N/18)〕の下で観察し、干渉むらの見え方を、それぞれ評価した。評価基準としては、干渉むらも着色むらも見えない場合を◎、干渉むらは見えるが着色むらは見えない場合を○、干渉むらに関係なく着色むらが見える場合を×として評価した。
〔製造例1、接着層14を形成する塗布液(以下、接着層塗布液という)の調製〕
(1)ポリエステル1の合成
テレフタル酸ジメチル47質量部、イソフタル酸ジメチル9質量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル5質量部、エチレングリコール36質量部、ジエチレングリコール3質量部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05質量部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃に調整して加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで、反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ、系内を133Pa(1mmHg)の減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステル1(Tg=71℃、質量平均分子量16000)を得た。
(2)アクリル樹脂水分散体の合成
四つ口フラスコに、イオン交換水302質量部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5質量部、亜硝酸水素ナトリウム0.2質量部を添加し、さらに単量体として、メタクリル酸メチル23.3質量部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン22.6質量部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸40.7質量部、アクリルアミド13.3質量部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が25質量%のアクリル樹脂の水分散体(Tg=50℃)を得た。
(3)シリカ及びチタニアの複合無機粒子の合成
撹拌羽根付きの内容積4リットルのガラス製反応容器にメタノール140質量部、イソプロパノール260質量部及びアンモニア水(25質量%)100質量部を仕込み、反応液を調製し、反応液の温度を40℃に保持しつつ攪拌した。次に、3リットルの三角フラスコに、シリコンテトラメトキシド〔Si(OMe)、コルコート(株)、商品名;メチルシリケート39〕542質量部を仕込み、撹拌しながら、メタノール195質量部と0.1質量%塩酸水溶液〔35質量%塩酸、和光純薬工業(株)を1/1000に水で希釈〕28質量部を加え、約10分間撹拌した。
続いて、チタニウムテトライソプロポキシド〔Ti(O−i−Pr)、日本曹達(株)、品名;A−1(TPT)〕300質量部をイソプロパノール634質量部で希釈した液を加え、透明な均一溶液(シリコンテトラアルコキシドとチタニウムテトラアルコキシドの共縮合物)を得た。上記均一溶液1699質量部とアンモニア水(25質量%)480質量部の各々を前記反応液中に、最初は滴下速度を小さくし、終盤にかけて徐々に速度を大きくして、2時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、得られた共加水分解物をろ過し、50℃で有機溶媒を乾燥させ、その後、水に分散させ、濃度10質量%、屈折率1.56のシリカ及びチタニアの複合無機粒子(平均粒子径:100nm)を得た。
(4)接着層塗布液の調製
ポリエステル1を67質量部、アクリル樹脂水分散体を20質量部、シリカ及びチタニア複合無機粒子を3質量部、添加剤としてカルナバワックス〔中京油脂(株)製 商品名セロゾール524〕を5質量部、濡れ剤としてポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル〔三洋化成工業(株)製、商品名ナロアクティーN−70〕を5質量部混合して、接着層塗布液を得た。
〔製造例2、塗液(N−1)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70質量部、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン30質量部、光重合開始剤〔製品名「IRGACURE184」、チバジャパン(株)製〕4質量部及びイソプロパノール100質量部を混合して塗液(N−1)を調製した。該塗液(N−1)の重合硬化物(窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化)の屈折率は1.52であった。
〔製造例3、塗液(N−2)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、オルガノシリカゾル〔商品名:「IPA−ST」、日産化学工業(株)製〕166質量部、メチルエチルケトン20質量部及び光重合開始剤〔商品名:「IRGACURE184」、チバジャパン(株)製〕4質量部を混合して塗液(N−2)を調製した。該塗液(N−2)の重合硬化物(窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化)の屈折率は1.49であった。
〔製造例4、塗液(N−3)の調製〕
アンチモンドープ酸化錫の30質量%メチルエチルケトン分散液〔商品名:「SNS−10M」、石原産業(株)製〕233質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30質量部及び光重合開始剤〔商品名:「IRGACURE184」、チバジャパン(株)製〕5質量部を混合して塗液(N−3)を調製した。該塗液(N−3)の重合硬化物(窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化)の屈折率は1.64であった。
〔製造例5、塗液(N−4)の調製〕
アンチモンドープ酸化錫の30質量%メチルエチルケトン分散液〔商品名:「SNS−10M」、石原産業(株)製〕100質量部、テトラメチロールメタントリアクリレート70質量部、光重合開始剤〔商品名:「KAYACURE BMS」、日本化薬(株)製〕5質量部及びブチルアルコール830質量部を混合して塗液(N−4)を調製した。該塗液(N−4)の重合硬化物(窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化)の屈折率は1.54であった。
〔製造例6、塗液(N−5)の調製〕
ジルコニア〔商品名:「ナノユース ZR−30AL」、日産化学工業(株)製〕283質量部、テトラメチロールメタントリアクリレート15質量部、光重合開始剤〔商品名:「KAYACURE BMS」、日本化薬(株)製〕5質量部及びブチルアルコール702質量部を混合して塗液(N−5)を調整した。該塗液(N−5)の重合硬化物(窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化)の屈折率は1.68であった。
〔製造例7、塗液(N−6)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部、中空シリカゾル〔商品名:「NY−1016SIV」、固形分濃度20質量%、平均粒子径60nm、触媒化成工業(株)製〕300質量部、光重合開始剤〔商品名:「KAYACURE BMS」、日本化薬(株)製〕5質量部を混合して、塗液(N−6)を調製した。該塗液(N−6)の重合硬化物(窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化)の屈折率は1.35であった。
〔製造例8、塗液(N−7)の調製〕
1,10−ジアクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン40質量部、中空シリカゾル〔商品名:「NY−1016SIV」、固形分濃度20質量%、平均粒子径60nm、触媒化成工業(株)製〕300質量部、光重合開始剤〔商品名:「KAYACURE BMS」、日本化薬(株)製〕5質量部を混合して、塗液(N−7)を調製した。該塗液(N−7)の重合硬化物(窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化)の屈折率は1.32であった。
(実施例1)
膜厚が100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔商品名:「A4100」、東洋紡績(株)製〕の易接着層が形成されていない面の上に、製造例1の接着層塗布液をグラビアコート法により、接着層14の膜厚が40nmになるように層の厚さを調整して塗布した。
その上に前記塗液(N−1)をバーコーターにより、膜厚が3μmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、大気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、ハードコート層を得た。次に、そのハードコート層12上に、第1光学干渉層13aとして、塗液(N−4)をスピンコーターにより膜厚が170nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化した。
さらにその上に、第2光学干渉層13bとして、塗液(N−6)をスピンコーターにより、膜厚が100nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、減反射材10を作製した。得られた減反射材10は、図1に示すように、透明樹脂フィルム11の上に、ハードコート層12が設けられ、該ハードコート層12の表面に減反射層13として第1光学干渉層13a及び第2光学干渉層13bが設けられている。
得られた減反射材10の視感度反射率、光の波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率のスペクトルを図3(a)に示した。図3(a)において、反射率の振幅の差の最大値をXとして示した。また、図3(a)において、反射率のスペクトルを示す波の中心を結んだ線を一点鎖線で表し、その一点鎖線にてフラット化の程度を判断した。その結果、図3(a)に示すように、この実施例1では、視感度波長範囲(光の波長500〜650nm)において、比較例1〔図3(b)に示す〕に比べスペクトルの中心線が十分にフラット化されていることが明らかになった。
(実施例2)
膜厚が100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔商品名:「A4100」、東洋紡績(株)製〕の易接着層が形成されていない面の上に、製造例1の接着層塗布液をグラビアコート法により、膜厚が85nmになるように層の厚さを調整して塗布した。
その上に、塗液(N−1)をバーコーターにより、膜厚が3μmになるように、層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、大気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、ハードコート層12を得た。次に、そのハードコート層12の上に第1光学干渉層13aとして、塗液(N−4)をスピンコーターにより膜厚が170nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化した。さらにその上に、第2光学干渉層13bとして、塗液(N−7)をスピンコーターにより、膜厚が100nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、減反射材10を得た。得られた減反射材10は、図2に示すように、透明樹脂フィルム11の上に、接着層14を介してハードコート層12が設けられ、該ハードコート層12の表面に減反射層13として第1光学干渉層13a及び第2光学干渉層13bが設けられている。
得られた減反射材10の視感度反射率、光の波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率のスペクトルを図3(c)に示した。図3(c)において、反射率の振幅の差の最大値をXとして示した。この図3(c)に示すように、実施例2では、視感度波長範囲において、比較例2〔図3(d)に示す〕に比べスペクトルの中心線が十分にフラット化されていることが明らかになった。
(実施例3)
膜厚が80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム〔商品名:「KC8UY」、コニカミノルタオプト(株)製〕上に、塗液(N−2)をバーコーターにより、膜厚が3μmになるように層の厚さを調整して塗布し、400mJ/cmの紫外線により硬化し、ハードコート層12を得た。次に、そのハードコート層12上に、第1光学干渉層13aとして、塗液(N−4)をスピンコーターにより膜厚が160nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化した。さらにその上に、第2光学干渉層13bとして、塗液(N−6)をスピンコーターにより膜厚が95nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、減反射材10を作製した。得られた減反射材10の視感度反射率、波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率のスペクトルを図3(e)に示した。この図3(e)に示すように、実施例3では、視感度波長範囲において、比較例3〔図3(f)に示す〕又は比較例4〔図3(h)に示す〕に比べスペクトルの中心線が一層フラット化された。
(実施例4)
第2光学干渉層13bとして塗液(N−7)を用いた以外は、実施例3と同様にして、減反射材10を作製した。得られた減反射材10の視感度反射率、波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率のスペクトルを図3(g)に示した。この図3(g)に示すように、実施例4では、視感度波長範囲(光の波長500〜650nm)において、比較例4〔図3(h)に示す〕に比べスペクトルの中心線が一層フラット化された。
(実施例5)
膜厚が100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔商品名:「A4100」、東洋紡績(株)製〕の易接着層が形成されていない面の上に、接着層塗布液をグラビアコート法により膜厚が10nmになるように層の厚さを調整して塗布した。
その上に、塗液(N−3)をバーコーターにより、膜厚が3μmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、大気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、ハードコート層12を得た。次に、そのハードコート層12上に、第1光学干渉層13aとして、塗液(N−5)をスピンコーターにより膜厚が155nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化した。さらにその上に、第2光学干渉層13bとして、塗液(N−7)をスピンコーターにより、膜厚が96nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、減反射材10を作製した。得られた減反射材10の視感度反射率、波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率のスペクトルを図3(i)に示した。この図3(i)に示すように、実施例5では、視感度波長範囲(光の波長500〜650nm)において、比較例5〔図3(j)に示す〕に比べスペクトルの中心線が良好にフラット化された。
(比較例1)
膜厚が100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔商品名:「A4100」、東洋紡績(株)製〕の易接着層が形成されていない面の上に、塗液(N−2)をバーコーターにより、膜厚が3μmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、大気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、ハードコート層12を得た。次に、そのハードコート層12上に、第1光学干渉層13aとして、塗液(N−4)をスピンコーターにより膜厚が100nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化した。
さらにその上に、第2光学干渉層13bとして、塗液(N−6)をスピンコーターにより、膜厚が100nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、減反射材10を作製した。得られた減反射材10の視感度反射率、波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率のスペクトルを図3(b)に示した。
(比較例2)
第1光学干渉層13aの塗液として塗液(N−2)を用いた以外は、実施例2と同様にして減反射材10を作製した。得られた減反射材10の視感度反射率、波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率のスペクトルを図3(d)に示した。
(比較例3)
第1光学干渉層13aの膜厚を100nmになるように層の膜厚を調整して塗布した以外は、実施例3と同様にして減反射材10を作製した。得られた減反射材10の視感度反射率、波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率のスペクトルを図3(f)に示した。
(比較例4)
第1光学干渉層13aの膜厚を260nmになるように層の膜厚を調整して塗布した以外は、実施例3と同様にして、減反射材10を作製した。得られた減反射材10の視感度反射率、波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率を図3(h)に示した。
(比較例5)
膜厚が80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム〔商品名:「KC8UY」、コニカミノルタオプト(株)製〕上に、塗液(N−1)をバーコーターにより、膜厚が3μmになるように層の厚さを調整して塗布し、400mJ/cmの紫外線により硬化し、ハードコート層12を得た。次に、そのハードコート層12上に、第1光学干渉層13aとして塗液(N−3)をスピンコーターにより膜厚が100nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化した。さらにその上に、第2光学干渉層13bとして、塗液(N−6)を膜厚が100nmになるように層の厚さを調整して塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で400mJ/cmの紫外線により硬化し、減反射材10を作製した。得られた減反射材10の視感度反射率、波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値、abクロマCab*及び着色抑制効果を評価した結果をそれぞれ表1に示した。減反射材10の分光反射率のスペクトルを図3(j)に示した。
Figure 0005163231
表1に示した結果より、実施例1で作製した減反射材10は、ハードコート層12、第1光学干渉層13a及び第2光学干渉層13bの屈折率と膜厚を制御することにより、視感度波長範囲において反射率が一定化されており、塗布層の膜厚変動に起因する着色むらは目立たなかった。さらに、実施例2及び5では、適切な屈折率と膜厚の接着層14及びハードコート層12を設け、また実施例3及び4では、屈折率が(TACフィルムの屈折率)±0.02以内のハードコート層12を用いた。そのため、光の波長500〜650nmの反射率の振幅の差の最大値は0.5%以下となっており、反射率のフラット化に加えて、干渉むらを低減させることができ、塗布層の膜厚変動に起因する着色むらをより効果的に低減させることができた。また、いずれの減反射材も、CIE標準イルミナントD65に対するabクロマCab*が5以下で、視感度反射率Yは1.5%以下であり、優れた外観と低反射率を兼ね備えていた。
それに対し、比較例2では、第1光学干渉層13aの屈折率が、ハードコート層12より低いため、比較例1及び比較例3〜5では、第1光学干渉層13aの膜厚/第2光学干渉層13bの膜厚の比率が1.6〜1.8の範囲外であるため、視感度波長範囲においてスペクトルはフラットにならず、abクロマCab*の値も5を超える結果であった。加えて比較例1では、接着層14がないために、光の波長500〜650nmでの反射率の振幅の差の最大値は1.0%を超えてしまい、ハードコート層12の干渉むらが激しく、減反射層13表面に油が浮いたような模様がでてしまった。さらに、いずれの比較例においても、塗布層の膜厚変動に起因する着色むらが目立つ結果であった。
なお、前記実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・ 前記ハードコート層12を形成する組成物に、カルボキシル基、アミノ基などを有する単量体を配合し、透明樹脂フィルム11に対するハードコート層12の密着性を向上させるように構成することもできる。
・ ハードコート層形成用組成物に近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等を含有させ、ハードコート層12に近赤外線吸収効果や紫外線吸収効果を発揮させたり、透明樹脂フィルム11に近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等を含有させ、近赤外線吸収効果や紫外線吸収効果を発揮させることもできる。
さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
〇 前記透明樹脂フィルムは、ポリエステル樹脂又はアセチルセルロースにより形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の減反射材。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、成形が容易でかつ入手が容易であると共に、透明樹脂フィルムの屈折率を高く又は低く設定することができる。
〇 前記透明樹脂フィルムとハードコート層との間には、接着層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の減反射材。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、透明樹脂フィルムとハードコート層との間の密着性を向上させることができると共に、減反射材の干渉むらを低減させることができる。
〇 前記ハードコート層は、紫外線硬化性の多官能アクリレートを含む単量体の重合硬化物であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の減反射材。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、ハードコート層の硬度を高めることができると共に、減反射材の生産性を向上させることができる。
〇 前記第2光学干渉層の屈折率は、1.28〜1.45であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の減反射材。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、第2光学干渉層を十分に硬い層にすることができると共に、十分な減反射効果を得ることができる。
実施形態における減反射材の構成を示す概略断面図。 減反射材の別の形態を示す概略断面図。 (a)は実施例1における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図、(b)は比較例1における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図、(c)は実施例2における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図、(d)は比較例2における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図、(e)は実施例3における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図、(f)は比較例3における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図、(g)は実施例4における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図、(h)は比較例4における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図、(i)は実施例5における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図及び(j)は比較例5における光の波長と反射率との関係を示すスペクトル図。
符号の説明
10…減反射材、11…透明樹脂フィルム、12…ハードコート層、13…減反射層、13a…第1光学干渉層、13b…第2光学干渉層。

Claims (4)

  1. 透明樹脂フィルム上に少なくともハードコート層と、第1光学干渉層と、第2光学干渉層とがこの順で積層された減反射材において、
    前記第1光学干渉層の屈折率はハードコート層の屈折率より高く、その屈折率差は0.01〜0.05であり、かつ第2光学干渉層の屈折率は第1光学干渉層の屈折率より低く、第1光学干渉層の膜厚/第2光学干渉層の膜厚の比率が1.6〜1.8であることを特徴とする減反射材。
  2. 光の波長500〜650nmの領域における反射率の振幅の差の最大値が1%以下であり、かつJIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65に対するJIS Z8729に基づくabクロマCab*={(a*)+(b*)1/2が5以下であることを特徴とする請求項1に記載の減反射材。
  3. JIS Z8720に基づくCIE標準イルミナントD65に対するJIS Z8701に基づく視感度反射率Yが1.5%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の減反射材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の減反射材を、ディスプレイの前面に備えることを特徴とする電子画像表示装置。
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