以下、図面を参照して、本発明の映像・音声処理装置の一つの実施の形態のブルーレイディスク(以下「BD」と称す)プレーヤ内蔵テレビジョン装置(以下「BDプレーヤ内蔵TV」と称す)を詳細に説明する。図1はBDプレーヤ内蔵TVの構成を示す図である。ブルーレイおよびブルーレイディスクは登録商標である。
図1に示すように、この実施形態のBDプレーヤ内蔵TVは、映像表示用のディスプレイ37およびスピーカ38などの出力部を備え、ディスプレイ37およびスピーカ38に出力する情報を生成する機能部品を収容したTV筐体1と、このTV筐体1に設けられた外部入力用のHDMI端子40と電源ユニット8とを有している。この例では説明をわかりやすくするためにHDMI端子40を1つ例示したが、端子の数は2つ以上複数(多数)設けてもよい。
すなわち、このBDプレーヤ内蔵TVは、TV筐体1の内部と外部のうち内部にすくなくともソース機器が1つ配置されており、TV筐体1には外部接続されるソース機器が着脱可能な端子40が設けられており、端子40とTV筐体1の内部のソース機器にはHDMIケーブル5,6を介して制御装置30が接続されており、制御装置30はHDMIケーブル5,6および端子40を通じてTV筐体1内外に接続されたソース機器を制御するものである。
電源ユニット8は、TV筐体1から引き出されたACコンセントが、家庭の壁コンセントなどの商用電源に差し込まれ、電源ユニット8に一次電源(交流100V)が供給されると、一次電源(AC100V)をAC(交流)/DC(直流)変換して駆動用の電力(直流+12V、+5V等)をBDユニット2およびTVユニット3へ供給する。
外部入力用のHDMI端子40には、外部接続用のソース機器としての例えばDVDプレーヤ4等が汎用のHDMIケーブル7を介して着脱自在に接続される。この他、外部接続用のソース機器としては、例えばBDプレーヤ、AVアンプ、レコーダ、AVセレクタ…等があり、HDMI端子40に接続可能である。
TV筐体1内には、外部入力用のHDMI端子40から内部配線用のHDMIケーブル6が接続され、TVユニット3へ配線されている。HDMIケーブル6の配線としては、例えばホットプラグ検出線12(以下「HPD線12」と称す)、HDMI−CEC制御線13、+5V電源線16、映像・音声のデータ線であるデータ線18等がある。+5V電源線16には電源スイッチがオンされたDVDプレーヤ4から+5VがHPD制御ユニット32へ供給される。
HDMI−CEC制御線13には、外部ソース機器と内蔵ソース機器とが物理的に共通(1本の配線を2つに分岐させた状態)で接続されている。このHDMI−CEC制御線13を利用してコマンドをやりとりすることで、内外に接続されたソース機器の動作制御、切り替え制御等を行える。
コマンドとしては、例えばベンダーコマンド、デッキコントロールスコマンド、アクティブソースコマンドなどがある。ベンダーコマンドおよびデッキコントロールコマンドはダイレクトコマンドであり、宛先を特定したコマンドである。
ベンダーコマンドは個々のベンダーで個別の機能制御などに利用するためのコマンドである。デッキコントロールコマンドは、機器を個別の機器から制御するためのコマンドであり、例えばTV側のリモコンからBDユニット2へのディスク再生、停止など、ボタン操作に応じた動作を行わせるためのコマンドである。
TVユニット3は、制御装置30、TVチューナー35、映像・音声処理ユニット36、ディスプレイ37、スピーカ38などを有している。
TVチューナー35は、アンテナから入力されたテレビジョン放送を受信し、受信された番組の映像・音声を映像・音声処理ユニット36に出力する。TVチューナー35はデジタルおよびアナログいずれの場合もある。また複数実装されている場合もある。
映像・音声処理ユニット36は、TVチューナー35から入力される映像・音声のデジタルデータまたはアナログ信号とHDMIケーブル5,6の各データ線17,18よりそれぞれ入力される映像・音声のデジタルデータを再生する。
なお映像・音声処理ユニット36は、制御装置30により制御されて、TVチューナー35とHDMIケーブル5,6からそれぞれ入力されるデータまたは信号を切り替えてディスプレイ37およびスピーカ38へ出力する。このBDプレーヤ内蔵TVがマルチ画面表示機能を有する場合、映像・音声処理ユニット36は、分割した複数の画面にそれぞれの映像ソースを表示するよう再生処理する。
ディスプレイ37は、映像・音声処理ユニット36により再生処理された映像を画面に表示する。スピーカ38は、映像・音声処理ユニット36により再生処理された音声を出力する。
制御装置30は、HPD制御ユニット31,32とCEC制御ユニット33とメモリ34を有している。
HPD制御ユニット31は、HDMI端子29(HDMIケーブル5)への内蔵ソース機器(BDユニット2)の接続を検出し、接続が検出されたBDユニット2に対するHPD信号をLo(de-assert:停止状態)からHi(Asserted:アクティブな状態)へ変化させるホットプラグ検出部として機能する。
なお、この例では、HPD信号をLoからHiへ変化させたが、ソース機器の接続の検出を、信号を出すか出さないかで切り替えてもよい。すなわち、HPD制御ユニット31は、接続が検出されたBDユニット2に対して、接続検出信号をHDMIケーブル5のHPD線11を通じて出力する。
HPD制御ユニット32は、HDMI端子39,40(HDMIケーブル6)への外部接続のソース機器(DVDプレーヤ4)の接続を検出し、接続が検出されたDVDプレーヤ4に対するHPD信号をLo(de-assert:停止状態)からHi(Asserted:アクティブな状態)へ変化させる接続検出部またはホットプラグ検出部等として機能する。
なお、この例では、HPD信号を変化させたが、ソース機器の接続の検出をホットプラグ検出信号を出すか出さないかで切り替えてもよい。すなわち、HPD制御ユニット32は、接続が検出されたDVDプレーヤ4に対して、接続検出信号を、HDMIケーブル6のHPD線12を通じて出力する。
メモリ34には、Physical Addressの付与の元となるHDMIのポートの情報が記憶されている。ポートの情報は、例えばHDMIケーブル5が接続されるポートの物理アドレスとして「1.0.0.0」、HDMIケーブル6が接続されるポートの物理アドレスとして「2.0.0.0」等である。各ソース機器には、接続時にHDMIのポートに応じた物理アドレスが割り当てられて付与される。
接続時に各ソース機器に付与される物理アドレス(Physical Address)は機器固有のものではなく、当該機器の接続位置(接続ポート)に応じて制御装置30のCEC制御ユニット33が決定し、各ソース機器へ付与する。BDユニット2には、HDMIケーブル5が接続されるポートの下位のPhysical Addressとして、例えば「1.1.0.0」等が付与される。DVDプレーヤ4には、HDMIケーブル6が接続されるポートの下位のPhysical Addressとして、例えば「2.1.0.0」等が付与される。
メモリ34は、通信用アドレス取得動作によりソース機器が決定して通知してきた通信用アドレス(ソース機器に付与した物理アドレス(Physical Address)と論理アドレス(Logical Address)との対)を記憶可能な通信用アドレスメモリである。
CEC制御ユニット33は、HDMIケーブル5,6からの共通の制御線であるHDMI−CEC制御線13を通じて各ソース機器から受信されたアドレス決定通知に含まれる通信用アドレスを抽出し、通信用アドレスのメモリ34に記憶する。それ以降、CEC制御ユニット33は、メモリ34に記憶した通信用アドレスを用いてソース機器に対する通信制御を行う。
すなわち、CEC制御ユニット33は、HDMI−CEC制御線13を通じてソース機器から受信された通信用アドレスをメモリ34に記憶し、このメモリ34に記憶した通信用アドレスを用いて各ソース機器に対する制御を行う。
TVユニット3には、BDユニット2にHDMIケーブル5を介して接続されたHDMI端子29と、HDMIケーブル6を介してHDMI端子40に接続されたHDMI端子39が設けられている。
HDMI端子29には、例えばBDやDVD等といったディスク状記録媒体に記録された情報を読み出して再生するBDプレーヤユニット2(以下「BDユニット2」と称す)等の内蔵ソース機器が、内部配線用のHDMIケーブル5を介して接続されている。またHDMI端子29は、各内部配線を介して制御装置30に接続されている。
HDMIケーブル5の配線としては、例えばホットプラグ検出線11(以下「HPD線11」と称す)、HDMI−CEC制御線13、+5V電源線15、映像・音声のデータ線である映像・音声線17等がある。+5V電源線15には電源ユニット8から電源供給を受けたBDユニット2から+5VがHPD制御ユニット31へ供給される。
BDユニット2は、候補メモリ21と、保持部22と、通信用アドレス取得ユニットとしてのCEC制御ユニット23とを有している。BDユニット2としては、例えばBDディスクの映像・音声を再生する装置だけでなく、BDディスクに対して映像・音声を記録する装置も含まれる。
候補メモリ21は、電源供給されなくなった場合も保持可能な例えばEEPROMなどにより実現されている。候補メモリ21には、このBDユニット2の物理アドレス(Physical Address)と、このBDユニット2が取得可能な少なくとも一つの論理アドレス(Logical Address)の候補が予め記憶されている。
HDMI−CEC規格では、接続機器に割り当てられるLogical Addressがデバイスタイプ毎に決められており、この例のようにBDユニット2などではデバイスタイプが「Playback Device」であり、この場合、Logical Addressとして「4」と「8」と「11」が取得可能である。Logical Addressを機器ID、機器識別子等という場合もある。
この例では、固定値の場合は、例えばアドレスの数値の高いアドレス「11」が候補メモリ21に記憶されているものとする。この他、例えば割り当て可能な全てのアドレス「4」,「8」,「11」が候補メモリ21に記憶されていてもよい。
保持部22は、RAMにより実現されており、決定した通信用アドレス(Physical AddressとLogical Addressの対)、通信用アドレスを決定(取得)したことを示すフラグ、事前に登録される特定のアドレス(仮登録Logical Address)または指定の入力ポート等が保持される。
保持部22がRAMのため、通信用アドレス、フラグおよび入力ポートの保持期間はアドレス取得後、電源供給が停止するまでである。指定の入力ポートとは、一度Logical Addressを取得した後、HPD信号が変化したときにアドレス取得動作を行わないためのHDMIのPhysical Addressである。指定の入力ポートとして、例えばBDユニット2が接続されているHDMIケーブル5の入力ポートであるPhysical Address(1.0.0.0)等が指定される。
CEC制御ユニット23は、このBDユニット2への電源供給が行われてCEC制御ユニット23に電源が供給された場合、制御装置30から受信されるHPD信号がアクティブな状態に変化するのを待つことなく、候補メモリ21から、BDユニット2の固定値のPhysical Addressと、予め設定された値で持つLogical Addressの候補(例えば「11」など)とを含めたアドレス取得要求のポーリング動作(アドレス取得動作)を、HDMIケーブル5のHDMI−CEC制御線13を通じて行う。なおLogical Addressの候補は、固定値ではなく複数のアドレス候補が記憶されている場合は、通常とは逆の順序、例えばアドレス値の高いものから低いものへ順序に読み出すものとする。
ポーリングのコマンドを送信した後、他のソース機器(例えばDVDプレーヤ4等)から候補のアドレスが使用中である旨の応答(ACK)が受信されなかった場合(NACK応答)、CEC制御ユニット23は、その候補を通信用のLogical Addressとして決定し、決定したLogical AddressとBDユニット2のPhysical Addressを含む通信用アドレスをリポートフィジカルアドレスコマンド(アドレス決定通知)に含ませて、HDMI−CEC制御線13を通じて制御装置30のCEC制御ユニット33へ送信する。リポートフィジカルアドレスコマンド(アドレス決定通知)はブロードキャスト送信される。
すなわち、CEC制御ユニット23は、BDユニット2への電源供給が行われた場合、HPD信号のLo→Hiへの変化を待たずして、候補メモリ21から通信用アドレスの候補を一つずつ読み出し、通信用アドレスの候補を用いて通信用アドレス取得処理をポーリングで行い、決定した通信用アドレスを、HDMI−CEC制御線13を通じて制御装置30へ通知する。
換言すると、CEC制御ユニット23は、BDユニット2への電源供給が行われた場合、HPD信号の受信を待たずして、BDユニット2の固定値のPhysical Addressと一つの通信用のLogical Addressの候補とを候補メモリ21から読み出し、それらのアドレスを含めたアドレス取得要求のためのポーリング動作を、HDMI−CEC制御線13を通じて行い、その後、候補のアドレスが使用中である旨の応答が受信されなかった場合、候補のアドレスを通信用のLogical Addressとして決定し、決定したLogical AddressとPhysical Addressを含む通信用アドレスをアクティブソースコマンド(アドレス決定通知)に含ませて、HDMI−CEC制御線13を通じて制御装置30へ送信する。
CEC制御ユニット23は、通信用アドレスを取得後、保持部22に通信用アドレスまたはフラグを保持し、以降、HPD信号がLo→Hiに変化した場合にこの保持部22に通信用アドレス、フラグおよび指定入力ポートの少なくとも一つが保持されている場合は該当保持内容に従いアドレス取得動作を行わない。
(第1動作例)続いて、図2,図3を参照してこの実施形態のBDプレーヤ内蔵TVの第1動作例を説明する。このBDプレーヤ内蔵TVでは、予めアドレス取得用として、CECコマンドに含ませて送信する一つの候補アドレスを候補メモリ21に固定値、例えば「11」などで持っておく。家庭の壁コンセントなどの商用電源に、このTV筐体1から引き出されたACコンセントが差し込まれ、電源ユニット8にAC100V(一次電源)が供給されると、電源ユニット8からBDユニット2およびTVユニット3へ駆動用の電力が供給される(図2のステップS101、図3の時刻t1)。
BDユニット2は、TVユニット3の予め決められたHDMI端子29(固定端子)に接続されており、予め候補メモリ21にPhysical Addressを固定値で保持している。このためHPD信号がde-assertからAssertedに変化する前からLogical addressの取得動作が可能である。
したがって、内蔵のBDユニット2に駆動用の電力が供給されると、内蔵のBDユニット2では、CEC制御ユニット23が、制御装置30からのHPD信号の変化を待つことなく、予め固定値で持っていたPhysical Addressを候補メモリ21から直ちに読み出し(ステップS102)、候補のアドレス「11」を用いてHDMI−CEC制御線13を通じてLogical Addressの取得動作を開始する(ステップS103)。
具体的には、HPD信号がアクティブな状態に変化するのを待つことなく、ソース機器の固定値のPhysical Addressと予め指定(設定)されたLogical Addressの候補「11」とを候補メモリ21から読み出し、それらのアドレスを含めたアドレス取得要求のポーリング動作を、HDMI−CEC制御線13を通じて行う。
ポーリング動作に対し、候補のアドレス「11」がLogical Addressとして使用中である旨の応答(ACK)が他のソース機器から受信されなかった場合、その候補のアドレス「11」を通信用のLogical Addressとして正式に決定し(図3の時刻t2)、決定したLogical Address「11」とソース機器のPhysical Addressを含む通信用アドレスをアドレス決定通知(CECコマンド)に含ませてHDMI−CEC制御線13を通じて制御装置30へ送信する(ステップS104)。
一方、外部接続のDVDプレーヤ4では、自己の電源スイッチがオンされて既に電源が投入されている場合(ステップS201)、CEC制御ユニット43は、TV筐体1側からHDMI−CEC制御線13を通じて入力されるHPD信号がAsserted(アクティブな状態)になるのを待機している(ステップS202)。
電源ユニット8から動作用の電力がTVユニット3へ供給されたことで、TVユニット3では、HPD制御ユニット32がDVDプレーヤ4へのHPD信号をde-assert(停止状態)からAsserted(アクティブな状態)へ変化させる(ステップS202のYes)。
DVDプレーヤ4では、HPD信号がde-assert(停止状態)からAsserted(アクティブな状態)に変化したことで、DVDプレーヤ4のCEC制御ユニット43が、候補メモリ21に記憶されているPhysical Addressを候補メモリ43から読み込み(ステップS203)、候補メモリ41の候補の中から、通常の制御手順通りアドレス値の小さなアドレス「4」を一つ読み込み(ステップS204)、Logical addressの取得動作を行う(ステップS205)。
そして、Logical addressの取得動作より、アドレス「4」が通信用のLogical Addressとして正式に決定すると、決定したLogical AddressとPhysical Addressを含む通信用アドレスをアドレス決定通知(CECコマンド)に含ませてHDMI−CEC制御線13を通じて制御装置30へ送信する(ステップS206)。
DVDプレーヤ4がLogical addressの取得動作を開始した時点(図3の時刻t3)では、内蔵のBDユニット2は既にアドレス決定通知を送信しており(アドレス取得済みであり)、内蔵のBDユニット2には事前設定しておいたLogical address「11」が正式に取得されている。
上記のようにこの第1動作例では、ACコンセントなどからの一時電源が投入され、BDユニット2に電力が供給されると同時に、BDユニット2では、HPD信号の変化を待つことなくLogical Addressの取得動作を開始するので、同じHDMI−CEC制御線13で接続された他のソース機器であるDVDプレーヤ4よりも先に通信用のアドレスであるLogical Addressを取得できる。一本のHDMI−CEC制御線13で複数のソース機器を制御する上で、所定のソース機器(この例では内蔵BDユニット2)に優先して通信用のアドレスを取得させることができる。
(第2動作例)図4,図5を参照してこの実施形態のBDプレーヤ内蔵TVの第2動作例を説明する。上記第1動作例では、電源供給によりBDユニット2がHPD信号の変化を待たずにアドレス取得動作を開始してDVDプレーヤ4よりも先にアドレスを取得する例について説明したが、この第2動作例ではBDユニット2とDVDプレーヤ4がアドレス取得動作をほぼ同時に開始する場合の例について説明する。
この場合、家庭の壁コンセントなどの商用電源に、このTV筐体1から引き出されたACコンセントが差し込まれ、電源ユニット8にAC100V(一次電源)が供給されると、電源ユニット8からBDユニット2およびTVユニット3へ駆動用の電力が供給される(図4、図5のステップS111)。
一方、外部接続のDVDプレーヤ4では、自己の電源スイッチがオンされて既に電源が投入されている場合(ステップS211)、CEC制御ユニット43は、TV筐体1側からHDMI−CEC制御線13を通じて入力されるHPD信号がAsserted(アクティブな状態)になるのを待機している(ステップS212)。
電源ユニット8から動作用の電力がTVユニット3へ供給されたことで、TVユニット3では、HPD制御ユニット31,32がBDユニット2とDVDプレーヤ4へのHPD信号をde-assert(停止状態)からAsserted(アクティブな状態)へそれぞれ変化させる(ステップS112のYes、S212のYes)。
BDユニット2とDVDプレーヤ4では、HPD信号がde-assert(停止状態)からAsserted(アクティブな状態)に変化したことで、CEC制御ユニット23,43は、ほぼ同時にアドレス取得動作を開始する。
この場合、DVDプレーヤ4のCEC制御ユニット43は、候補メモリ41の候補の中から、通常の順序でアドレスの候補を一つ読み込み(ステップS213)、HDMI−CEC制御線13を通じてLogical addressの取得動作を行う(ステップS214)。通常の順序とは一般的にアドレス値の小さな順であり、「4」→「8」→「11」という順序になる。
一方、BDユニット2のCEC制御ユニット23は、候補メモリ21の候補の中から、予め決められたアドレス値の大きな順にアドレスの候補を一つ読み込み(ステップS113)、Logical addressの取得動作を行う(ステップS114)。アドレス値の大きな順とは「11」→「8」→「4」という順序になる。
したがって、DVDプレーヤ4は、アドレス値の小さなアドレス「4」を用いてLogical addressの取得動作を行い、使用中を示す応答(ACK)があった場合は次のアドレス値のアドレス「8」を一つ読み込み、Logical addressの取得動作を行うことになる。
一方、BDユニット2では、CEC制御ユニット23が、候補メモリ21から読み出ししたアドレス「11」を用いてLogical addressの取得動作を行う(ステップS114)。つまり、アドレス「11」が空いているか否かの空き確認を行う。
したがって、BDユニット2では、DVDプレーヤ4が要求するアドレスと競合することなく、1回目の要求でアドレスを取得できる。
以上のようにこの第2動作例では、同じデバイスタイプ「Playback Device」の機器と同時にアドレス取得動作を開始した場合であっても、通常とは異なるアドレス(候補として使用されている可能性の低い、アドレス値の一番大きな値のアドレス「11」)を候補にするため、同じデバイスタイプの機器と競合することなくアドレスが得られ、結果として内蔵デバイスであるBDユニット2が候補としたAddressを効率よく取得することができる。
なおこの例では、2つのソース機器の動作例を示したが、3つの場合がより効果が大きいといえる。つまり、外付けのDVDプレーヤ4以外に他の一つの外付けのソース機器が存在した場合、はじめのLogical addressの取得動作でDVDプレーヤ4と他の一つの外付けのソース機器が同じアドレス「4」を要求するケースが考えられ、この場合、2つの機器の要求が競合してアドレス取得が遅れることになるが、BDユニット2は、アドレス「11」を用いて要求することで、1回の動作でアドレスを取得できる。
(第3動作例)図6,図7を参照してこの実施形態のBDプレーヤ内蔵TVの第3動作例を説明する。上記第1動作例では、電源供給によりBDユニット2がHPD信号の変化を待たずにアドレス取得動作を開始してDVDプレーヤ4よりも先にアドレスを取得する例について説明したが、この第3動作例ではBDユニット2とDVDプレーヤ4がアドレス取得動作をほぼ同時に開始する場合の例について説明する。
この場合、家庭の壁コンセントなどの商用電源に、このTV筐体1から引き出されたACコンセントが差し込まれ、電源ユニット8にAC100V(一次電源)が供給されると、電源ユニット8からBDユニット2およびTVユニット3へ駆動用の電力が供給される(図6、図7のステップS121)。
一方、外部接続のDVDプレーヤ4では、自己の電源スイッチがオンされて既に電源が投入されている場合(ステップS221)、CEC制御ユニット43は、TV筐体1側からHDMI−CEC制御線13を通じて入力されるHPD信号がAsserted(アクティブな状態)になるのを待機している(ステップS222)。
電源ユニット8から動作用の電力がTVユニット3へ供給されたことで、TVユニット3では、HPD制御ユニット31がBDユニット2へのHPD信号を、またHPD制御ユニット32がDVDプレーヤ4へのHPD信号を、それぞれde-assert(停止状態)からAsserted(アクティブな状態)へ変化させる(ステップS122のYes、S222のYes)。
BDユニット2とDVDプレーヤ4では、HPD信号がde-assert(停止状態)からAsserted(アクティブな状態)に変化したことで、CEC制御ユニット23,43は、ほぼ同時にアドレス取得動作を開始する。
この場合、DVDプレーヤ4のCEC制御ユニット43は、候補メモリ41の候補の中から、通常の順序でアドレスの候補「4」等を一つ読み込み(ステップS223)、アドレスの候補「4」を用いてLogical addressの取得動作を行う(ステップS224)。
通常の順序とは一般的にアドレス値の小さな順であり、「4」→「8」→「11」という順序になる。CEC制御ユニット43は、Logical addressの取得動作の際に、アドレスの候補「4」をアドレス取得要求のコマンドを含ませてHDMI−CEC制御線13を通じて送信する。
一方、BDユニット2のCEC制御ユニット23は、保持部22に事前登録された特定のアドレス「4」を仮登録Logical addressに決定する(ステップS123)。なお特定のアドレスの事前登録は、保持部22でなくてもよく、例えば候補メモリ21の中の一つのアドレスにフラグを付けるなどの方法で設定しておいてもよい。
ここで、HDMI−CEC制御線13を通じてアドレス取得要求が、BDユニット2のCEC制御ユニット23に受信されると、CEC制御ユニット23は、要求を受けた候補のアドレス「4」が使用中である旨の応答(ACK)を、HDMI−CEC制御線13を通じて要求元のDVDプレーヤ4へ返信する(ステップS124)。
DVDプレーヤ4では、BDユニット2からの応答(ACK)をCEC制御ユニット43が受信すると、その候補「4」の空きがないものと判定して、次のアドレスの候補「8」を候補メモリ21から読み込み(ステップS225)、アドレスの候補「8」をアドレス取得要求のコマンドに含ませてCEC制御線13を通じて送信する(ステップS226)。
アドレスの候補「8」は、空きアドレスとなっているため、CEC制御ユニット43は、そのアドレスの候補「8」をLogical addressに決定し、決定したLogical addressを含めたアドレス決定通知を制御装置30へ送信する(ステップS227)。
一方、BDユニット2のCEC制御ユニット23は、アドレス「4」が使用中である旨の応答(ACK)を返信した後、候補メモリ21から仮登録中のアドレス「4」を読み出してそのアドレス「4」を用いてLogical addressの取得動作を行う(ステップS125)。つまり、アドレス「4」が空いているか否かの空き確認を行う。
この時点でDVDプレーヤ4は、次のアドレスの候補「8」を用意してアドレス取得動作を開始しているため、BDユニット2からのアドレス取得要求に対して応答せず、BDユニット2では、CEC制御ユニット23が、アドレス「4」を正式なLogical addressに決定し、決定したLogical addressを含めたアドレス決定通知を制御装置30へ送信する(ステップS126)。
以上のようにこの第3動作例では、同じデバイスタイプ「Playback Device」の機器と同時にアドレス取得動作を開始した場合であっても、他のソース機器からのアドレス取得要求が先に実施された場合に、受信されたアドレスの候補「4」が使用中である旨の応答(ACK)を行った後、そのアドレス「4」を用いてアドレス取得動作を行うことで、結果として内蔵デバイスであるBDユニット2が候補としたアドレスを取得することができる。
このようにこの実施形態のBDプレーヤ内蔵TVによれば、1本のHDMI−CEC制御線13で接続された複数のソース機器(内蔵BDユニット2と外部接続DVDプレーヤ4)を制御する際に、内蔵するBDユニット2を所定のソース機器として通信用のアドレスを優先して取得させることができる。
また、内蔵ソース機器を専用線で制御し、外部接続のソース機器をHDMI−CEC制御線で制御するような場合に比べて連携機能部品を開発する必要がないため内蔵ソース機器のアドレス優先取得機能を低コストに構成できる。
なお、本願発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形してもよい。
例えば上記第1動作例(HPD信号が変化する前にアドレス取得動作)と第2動作例(アドレス候補を値の大きい順に読み出す)とを組み合わせてもよく、上記第1動作例(HPD信号が変化する前にアドレス取得動作)と第3動作例(他の機器からのポーリングに対してアドレス使用中を示す応答(ACK)を返す)とを組み合わせてもよい。
また、上記実施形態では、一度通信用アドレスを取得した後、再取得を行わない制御を、主に所定のソース機器である内蔵されたBDユニット2の側で行う例を示したが、例えばTVユニット3の制御装置30のCEC制御ユニット33を制御してもよい。
この場合、CEC制御ユニット33は、メモリ34に通信用アドレスが記憶されているソース機器の接続がHPD制御ユニット31,32により検出された場合、ソース機器が予め指定された入力ポート(例えば1.0.0.0など)に接続された機器である場合、HPD信号をアクティブな状態に変化させないか、HPD信号を送出しないよう該当HPD制御ユニット31,32を制御する。
また、図1で示した各構成要素を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよく、またプログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体:electronic mediaに記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。
電子媒体としては、例えばCD−ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア:Removable media等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。