以下、図面を参照して本発明の各実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明において、「印刷」とは、ユーザからの印刷指示に基づいて印画を行い、所定サイズに切断し排紙するまでの一連の全体動作を指すものとする。また、「印画」とは、印刷動作のうち、ロール紙(記録紙)に対してインクリボンを熱転写する動作を指すものとする。
[第1の実施形態]
1.印刷装置及びカートリッジの外観構成
図1は、本実施形態にかかる印刷装置100および該印刷装置100に用いられるカートリッジ110の外観構成を示す図である。
図1に示すように、印刷装置100は、その側面が開閉しカートリッジ110を矢印120方向に着脱(装着/取り出し)可能なハウジング101を備え、該ハウジング101の上部には、表示部102と操作部103とが配されている。
表示部102はLCD等の表示画面から構成され、印刷される画像データを表示したり、印刷に必要な設定データを入力するためのメニューを表示したりする。
操作部103は、印刷装置の電源のON/OFFを指示する電源スイッチ104と、表示部102に表示された各種メニューを選択するための選択スイッチ105とを備える。更に、選択スイッチ105の周囲には、表示部102に表示されたカーソルを所望の位置に移動させるための左右キー106と、上下キー107とが配されている。
カートリッジ110には、インクが塗布されているインクリボンと、印画紙としてのロール紙(ローラに巻き回された帯状の記録媒体)とが収納されている。また、カートリッジ110を印刷装置100に装着する前の状態では、ロール紙はハウジング111により密閉された構成となっており、ユーザがロール紙に直接触れることがない構成となっている。印刷時にはロール紙がカートリッジ110から引き出され、インクリボンに塗布されたインクを印刷装置のサーマルヘッドによりロール紙に転写して、印画が行われる。
112はロール紙が巻き回されたローラの回転軸であり、カートリッジ110を印刷装置100に装着した際には、印刷装置100が有する給紙モータの回転機構と結合され、印刷装置100によって回転が制御される。
113、114は、それぞれインクリボンの供給ローラと巻き取りローラ(インクリボンを保持する保持部材)の回転軸である。巻き取りローラの回転軸114は、カートリッジ110を印刷装置100に装着した際には、印刷装置100が有するインクリボン巻上げモータの回転機構と結合され、印刷装置100によって回転が制御される。
2.印刷装置の機能構成
図2は印刷装置100の機能構成を示すブロック図である。201は印刷装置100全体を制御するメインコントローラである。
202はメインコントローラ201に接続され、制御プログラムなどが格納されるROMであり、メインコントローラ201は、ROM202に格納された制御プログラムに従って動作する。RAM203は、メインコントローラの演算処理用ののワークメモリとして用いられ、また、操作部103を介して入力された各種設定データ等も一時的に格納される。
224Y、224M、224Cは画像データ入力部229を介して受信された画像データを格納するイメージバッファである。224Yはイエロの画像データを一時的に格納するイエロイメージバッファであり、224M、224Cはそれぞれマゼンタ、シアンの画像データを一時的に格納するイメージバッファである。
227はサーマルヘッドであり、内蔵する発熱体が発熱することにより、インクリボンに塗布されたインクを昇華させ、ロール紙に印画する。
226はサーマルヘッド227に内蔵される発熱体(不図示)を駆動させるヘッド駆動回路である。メインコントローラ201に接続されたドライバコントローラ225が、イメージバッファ224Y〜224Cにビットマップ形式で記録された画像データを用いてヘッド駆動回路226を制御することで印画が行われる。
211は駆動モータ212、213を駆動するためのロール紙搬送モータドライバである。駆動モータ212、213は回転機構を介して、後述するカール取りローラやグリップローラ、排紙ローラ、排紙蹴りだしローラ等に結合されており、これらのローラを駆動させることによりロール紙を搬送する。
214は給紙モータドライバであり、給紙モータ215の回転を制御する。カートリッジ110が装着された状態においては、給紙モータ215がロール紙が巻き回されロール紙ユニットの回転軸となっているローラと回転機構を介して結合されて、給紙モータドライバ214によりローラの回転駆動が制御される。
216はインクリボン巻上げモータドライバであり、インクリボン巻上げモータ217の回転を制御する。カートリッジ110が装着された状態では、インクリボンの巻き取りローラとインクリボン巻上げモータ217とが回転機構を介して結合されるので、インクリボン巻上げモータドライバ216によりインクリボンの巻き取り、巻き上げが制御される。
218はヘッドアップダウンモータドライバである。このドライバ218がサーマルヘッド227の昇降を行うヘッドアップダウンモータ219の回転を制御することで、サーマルヘッド227を印画位置と退避位置との間で動作させる。
220はカッターモータドライバである。カッターモータドライバ220が、カッターユニットを構成するカッター刃及びカッター受け刃を駆動するカッターモータ221を制御することで、ロール紙の切断を行う。
204は終端検知センサでローラ内に配され、ローラに巻き回されたロール紙が消費されることで、ローラに巻き回されたロール紙の残量が、1巻き未満になった場合に、これを検知する。終端が検知されると、表示部102には、ロール紙の残量が少ない旨のメッセージが表示される。
205はロール紙検出センサであり、カートリッジ110内に配されたロール紙が押し出され、先端部がカートリッジ出口から排出されたことを検出する。ロール紙検出センサは、カートリッジ出口近傍に、ロール紙の幅方向に対向して設けられており、カートリッジ出口から排出されたロール紙の幅方向右端部と左端部とをそれぞれ検出する。該ロール紙検出センサ205の検出タイミングの差により、印刷装置100では、カートリッジ出口より押し出されたロール紙の幅方向の傾きを認識することができる。
206はロール紙頭出しセンサであり、サーマルヘッド227に対向して設けられるプラテンローラの後方に配され、印刷開始時に、カートリッジ110から引き出されたロール紙の先端部がプラテンローラの後方を通過したことを検出する。
207はリボン頭出しセンサであり、インクリボンの各色の先端部に塗布された識別帯を検出する。インクリボン巻上げモータ217によるインクリボンの巻き上げ動作は、リボン頭出しセンサ207の検出結果に基づいて制御される。
208は環境温度センサであり、印刷装置100が載置された環境の雰囲気温度を検出する。ヘッド駆動回路226によりサーマルヘッド227に投入される投入エネルギーは、環境温度センサ208の検出結果に基づいて制御される。
209はヘッド圧検出センサであり、印画時にサーマルヘッド227が印画位置まで下降しプラテンローラとの間でインクリボンとロール紙とを押圧する際のヘッド圧を検出する。
210は印画範囲識別センサであり、カッターユニット近傍に配され、印画された範囲を識別する。
222は表示制御部であり、印刷する画像データや印刷に必要な設定データを入力するためのメニューを表示部102に表示するための制御を行う。
230はIC読み書き部であり、カートリッジ110に配されたカートリッジ情報チップ(IC)からの情報の読み取りと、該ICへの情報の書き込みを行う。ICより読み出される情報としては、例えば、ロール紙のサイズ(幅、厚さ、長さ)、ロール紙の特性、ローラ径、インクリボンの製造情報、インクリボンの特性情報、インクリボンの巻き取りローラの径、インクリボンの供給ローラの径等が挙げられる。また、ICに書き込まれる情報としては、例えば、印刷された枚数情報、印刷ミスした枚数情報、印刷ミスの要因情報等が挙げられる。
3.カートリッジの詳細構成
次にカートリッジ110の詳細構成について説明する。図3は、カートリッジ110の外観を示す図である(カートリッジ110の上面側、かつ印刷装置100に挿入される面とは反対面側からみた場合の外観図である)。
上述したように、カートリッジ110は印刷装置100から取り外された状態では、ハウジング111により密閉されており、外部からロール紙及びインクリボンを直接触れることができないようになっている。かかる構成により、カートリッジ110内への異物等の混入が回避される。
301はローラ内に配された終端検知センサ204の出力を、印刷装置100に送信するための接点である。カートリッジ110を印刷装置100に装着した際に、印刷装置100側の接点(不図示)と結合し、終端検知センサ204の出力を印刷装置100に送信する。
図4は、カートリッジ110の分解図である。図4を用いてカートリッジ110の内部構成について説明する。
図4において、401は上部ハウジングであり、インクリボンユニット402の上部をカバーする。402はインクリボンユニットであり、使用前(転写前)のインクリボン402−1が巻き回された供給ローラ402−2と、使用済み(転写後)のインクリボン402−1が巻き取られる巻き取りローラ402−3とを備える。供給ローラ402−2と巻き取りローラ402−3は、ハウジング111に回動自在に支持される。
つまり、上部ハウジング401とハウジング111は、供給ローラ402−2に巻き回された転写前のインクリボンと、転写後のインクリボンとを収納する収納部として機能する。
供給ローラ402−2より供給されるインクリボン402−1は、サーマルヘッド227により熱押圧される印画位置において平坦面402−4を形成し、ロール紙404−2と重畳される。
403はガイドローラであり、使用済みのインクリボン402−1を巻き取りローラ402−3が巻き取る際のインクリボン402−1の搬送経路を規定する。ガイドローラ403は、ハウジング111により回動自在に支持される。
404はロール紙ユニットであり、ローラ404−1と、該ローラ404−1に巻き回されたロール紙404−2とを備える。ローラ404−1は、側面ハウジング405とハウジング111とにより回動自在に支持される。
側面ハウジング405は、ロール紙ユニット404の側面をカバーし、ローラ404−1を軸支する。また、ローラ404−1に巻き回されたロール紙404−2の先端部を、巻き回された部分から引き剥がすための分離部材406を備える。
図5Aは、カートリッジ110の外観を示す図である(カートリッジ110の下面側、かつ印刷装置100に挿入される面側からみた場合の外観図である)。
インクリボン402−1の平坦面402−4(図5Aにおいて不図示)は、シャッター部501(開閉部材)により覆われている(当該シャッター部501の位置を、“閉位置”と称す)。カートリッジ110が印刷装置100に装着された状態では、シャッター部501がスライドレール503に沿ってスライドし、平坦面402−4がカートリッジ110より露出する(当該シャッター部501の位置を、“開位置”と称す)。つまり、スライドレール503は、シャッター部501を開位置と閉位置との間において案内する案内路の役割を果たす。スライドレール503が配されていることにより、シャッター部501は閉位置と開位置との間を移動可能である。
シャッター部501の表面には、シャッター部501をスライドさせるための摺動溝502が設けられている。カートリッジ110を印刷装置100に装着する際に、印刷装置100に設けられた当接部材(不図示)が、摺動溝502に沿って摺動することにより、シャッター部501がスライドレール503に沿ってスライドする。なお、スライド動作の詳細は図5Cを用いて後述する。
シャッター部501は弾性部材により閉方向に付勢されており、開方向へのシャッター部501のスライドは、閉方向に付勢される力に対抗して行われることとなる。
図5Bは、シャッター部501がスライドレール503に沿ってスライドされた後の様子を示す図である(カートリッジ110が印刷装置100に装着された場合の、シャッター部501の位置を説明するための図である)。
同図に示すように、シャッター部501がスライドすることにより、インクリボン402−1の平坦面402−4がカートリッジ110から露出し、サーマルヘッド227によりロール紙404−2に対して熱転写可能な状態となる。スライドレール503は平坦面402−4に略平行に配されているため、シャッター部501は同一平面上をスライドする。
なお、スライドされたシャッター部501の表面は、印画時にカートリッジ110から引き出されたロール紙404−2の印画面側の搬送路を規定する。
図5Cは、カートリッジ110が印刷装置100に装着される際に、シャッター部501がスライドする様子を、カートリッジ110の下面側からみた場合の模式図である。
図5Cの(a)は、カートリッジ110を印刷装置100に装着する直前の状態を示している。511は印刷装置100に設けられた当接部材であり、カートリッジ110を装着する場合に、シャッター部501の表面に設けられた摺動溝502に当接するように配置されている。
図5Cの(b)は、カートリッジ110が装着方向に動作中の状態を示している。作図の便宜上、当接部材511が動いているよう記載されているが、実際は、当接部材511は印刷装置100内において固定されており、カートリッジ110側が矢印504方向に動いている。
カートリッジ110が矢印504に動くことに伴って、シャッター部501は当接部材511より、矢印505方向に付勢され、スライドレール503に沿って矢印505方向に動作する。
図5Cの(c)は、カートリッジ110を印刷装置100に装着完了後の状態を示している。カートリッジ110の装着が完了すると、インクリボン402−1の平坦面402−4がカートリッジ110外部に露出した状態となる。
このとき、当接部材511は摺動溝502の端部に位置する。上述のようにシャッター部501は弾性部材により閉方向に付勢されており、カートリッジ110が装着完了した時点で、当接部材511が摺動溝502の端部に位置することで、シャッター部501の開位置が維持されることとなる。
4.カートリッジがセットされた状態での印刷装置内部の構成
図6は、カートリッジ110が印刷装置100に装着された状態を、印刷装置100の側面から見た場合の断面図である。図6を用いて、印刷装置100が印刷処理を行う際に動作する各部の構成について簡単に説明する。なお、上述の説明において既出の構成については、同じ参照番号を付すこととし、ここでは説明は省略する。また、紙面の関係上、シャッター部501の記載は省略している。
図6において、601はカートリッジ110に内包されたロール紙404−2が印画時に印画位置611まで引き出される場合に通過する引き出し路である。602はカートリッジ出口である。ローラ404−1に巻き回されていたロール紙404−2は分離部材406により引き剥がされ、引き出し路601を通過することで、カートリッジ出口602よりカートリッジ110外部に引き出される。
603−1、603−2はカール取りローラ及びカール取り従動ローラであり、ロール紙404−2の巻き癖を矯正する。604−1、604−2はグリップローラ及びピンチローラであり、ロール紙404−2を介して対向する位置に配され、ロール紙404−2の表裏面を挟持する。当該1対のローラが正転することで(グリップローラ604−1が紙面に向かって左回りに回転することで)、カートリッジ110から引き出されたロール紙404−2が、印画位置611に向かって搬送される。
605はプラテンローラであり、印画位置611において、サーマルヘッド227との間で、インクリボン402−1とロール紙404−2とを重畳させた状態を維持する。
606は排紙ローラであり、ロール紙404−2を排紙方向に搬送する。607は排紙蹴りだしローラであり、凹凸部を備え、印画され切断されたロール紙404−2を不図示の排紙ボックスに蹴りだす。排紙ローラ606と排紙蹴りだしローラ607とは、ロール紙404−2を介して対向する位置に配され、ロール紙404−2の表裏面を挟持する。
608はカッターモータ221の動作をカッターユニットに伝達するギア列である。609、610はカッターユニットを構成するカッター刃とカッター受け刃であり、ロール紙404−2の搬送路を挟んで、対向した位置に配置されている。カッター刃609とカッター受け刃610は、ギア列608により駆動され、はさみ状に上下の刃がすりあわされることにより、ロール紙404−2を切断する。
なお、図6に示すように、カートリッジ110が印刷装置100に装着された状態では、ロール紙404−2の先端部は、分離部材406により引き剥がされ、引き出し路601にとどまった状態となっているものとする。
また、印画位置611に対応する位置においてインクリボン402−1を覆っていたカートリッジ110のシャッター部501は開位置にあり、インクリボン402−1がカートリッジ110外部に露出した状態となっている。
5.印刷処理の全体フロー
次に図7を用いて印刷装置100における印刷処理の全体フローを説明する。図7は、印刷装置100における印刷処理の全体フローを示すフローチャートである。印刷装置100にカートリッジ110が装着され、電源が投入された後、カートリッジ110に配されたICの情報の読み込みが完了するとともに、印刷対象となる画像データの取り込みが完了すると、図7に示す処理が開始される。
ステップS701では、表示部102に表示された画像データの中から、操作部103を介してユーザにより印刷対象として選択された画像データに関する情報を受け付ける。なお、印刷対象として選択可能な画像データは1つに限られず、複数であってもよい。
ステップS702では、操作部103を介してユーザより印刷指示があったか否かを判定する。ステップS702において印刷指示があったと判定された場合には、ステップS703に進む。
ステップS703では、印刷可能か否かを判定する。ここでは、ステップS701において選択された画像データ全てが印刷可能であるか否かを、ロール紙404−2の残量に基づいて判定する。なお、ロール紙404−2の残量は、終端検知センサ204の検出結果に基づいて算出されるものとする。
ステップS703において印刷可能でないと判定された場合には、印刷不可である旨のメッセージを表示部102に表示するとともに、ステップS709に進む。
一方、ステップS703において印刷可能であると判定された場合には、ステップS704に進み、選択された画像データに基づいて各色ごとの印画データ(描画データ)を生成する。
ステップS705では、生成された印画データを用いて印刷処理を行う。なお、印刷処理の詳細は、後述する。
ステップS706では、印刷対象として選択された次の画像データがあるか否かを判定する。ステップS706において、印刷対象として選択された次の画像データがあると判定された場合には、ステップS703に戻り、上記処理を繰り返す。
一方、ステップS706において、印刷対象として選択された次の画像データがないと判定された場合、あるいはステップS703において印刷可能でないと判定された場合には、ステップS707に進む。
ステップS707では終了処理を行い、図6の状態に戻す。具体的には、サーマルヘッド227を退避位置に戻すと共に、ロール紙404−2を巻き上げ、ロール紙404−2の先端部が引き出し路601にくるようにする。
6.印刷処理時の動作
次にステップS705における印刷処理時の印刷装置100の動作について、図6、図8〜図10を用いて詳細を説明する。
6.1 ロール紙の引き出し
図6に示す状態において、ロール紙404−2と一体的に回動するローラ404−1が(紙面左回りに)駆動すると、ロール紙404−2が回動する。ロール紙404−2が回動することで、ローラ404−1に巻き回されているロール紙404−2は分離部材406において次々と引き剥がされていき、引き出し路601へと押し出される。この結果、ロール紙404−2の先端部は、カートリッジ出口602より排出される。
カートリッジ出口602近傍には、ロール紙検出センサ205(図6において不図示)があり、ロール紙404−2の幅に対して十分な距離をもって対向して設けられている。
これにより、ロール紙404−2がカートリッジ出口602より排出された際には、ロール紙検出センサ205の検出タイミングの差に基づいて、ロール紙404−2がどの程度傾いて排出されたのかを判別することができる。
ここで、判別された傾きが許容量以上であった場合には、引き出し動作を中止し、表示部102に警告を表示する。ロール紙404−2が斜行して引き出されると、そのときの傾きが印刷装置100内部を搬送される間に助長されることとなる。これにより、正確な印画が出来ないばかりか、最悪の場合、印刷装置100内において許容されているロール紙404−2の搬送可能な幅を逸脱してしまう可能性があるからである。
6.2 ロール紙のカール取り
カートリッジ出口602から引き出されたロール紙404−2は、カール取りローラ603−1へ導かれ、カール取りが行われる。
カール取りローラ603−1は軟質ゴムによって構成され、対向する位置に配された硬質のカール取り従動ローラ603−2に対して圧接し、ロール紙404−2を変形させることで、ロール紙404−2の進行方向を約90度曲げる。
このような構成により、ローラ404−1への巻き回し方向と反対側にしごかれることで、ローラ404−1に巻き回されていたことで生じた巻き癖が解消されることとなる。なお、カール取りは、このような構成によってのみ実現されるものではなく、他の構成により実現してもよいことはいうまでもない。例えば、硬質の壁形状の部材を通すことでカール取りを行うようにしてもよいし、複数のカール取りローラをジグザグに通すことによりカール取りを行うようにしてもよい。
なお、カール取りローラ603−1は、ロール紙404−2引き出し時には離脱している。そして、ロール紙404−2がカール取りローラ603−1の位置まで引き出されたタイミングでカール取り従動ローラ603−2に対して圧接し、該ロール紙404−2を挟持する。
6.3 ロール紙の頭出し
カール取りが行われた後のロール紙404−2は、カール取りローラ603−1により搬送され、グリップローラ部に到達する。
グリップローラ部は、グリップローラ604−1とピンチローラ604−2とを備える。ロール紙404−2がグリップローラ部に到達するまでは、グリップローラ604−1はピンチローラ604−2に対して離脱している。そして、ロール紙404−2がグリップローラ部の位置まで搬送されたタイミングで、ピンチローラ604−2に対して圧接し、該ロール紙404−2を挟持する。
グリップローラ604−1の表面には、細かい突起状の爪が形成されており、ロール紙404−2の裏面へかみこむことでロール紙404−2をグリップする。
グリップローラ部でグリップされたロール紙404−2は更に搬送され、サーマルヘッド227と該サーマルヘッド227に対向して配されたプラテンローラ605との間を通過する(図8参照)。
プラテンローラ605の後方にはロール紙頭出しセンサ206(図8において不図示)が配されており、ロール紙404−2の先端部がサーマルヘッド227とプラテンローラ605との間を通過すると、ロール紙頭出しセンサ206がONになる。
メインコントローラ201では、ロール紙頭出しセンサ206のON信号を受信すると、ロール紙404−2を、どの程度の距離搬送すべきかを算出する。ロール紙404−2は、該算出結果に基づいて制御されるグリップローラ604−1により搬送され、所定位置(印画開始位置)に到達すると停止する(ロール紙404−2の頭出し完了)。
6.4 印画動作
6.4.1 ヘッドダウン
ロール紙404−2の頭出しが完了すると、カートリッジ110に収納されているインクリボン402−1が巻き上げられる。インクリボン402−1は印刷装置100に具備されているリボン巻上げモータ217ならびに該モータに接続されたギア列を介して、巻き上げられる。
インクリボン402−1にはY、M、C、オーバーコート層の各面の頭出し位置に、インクリボン402−1の幅方向に帯状に識別帯が塗布されている。なお、特に印刷の基準となる最初のYの面の先頭部分には、異なる色の識別帯が塗布されている。
本実施形態では、Yの面の先頭部分には識別帯が2本塗布されており、他の色の先頭部分の識別帯が1本であることと区別している。これらの区別は、リボン頭出しセンサ207において識別され、識別結果がメインコントローラ201に送信されることで、メインコントローラ201では印画の最初の面であることを認識することができる。
リボン頭出しセンサ207において2本の識別帯が塗布されていることを識別すると、メインコントローラ201では、インクリボン巻上げモータ217を停止する。あわせて、サーマルヘッド227の昇降を行うヘッドアップダウンモータ219を駆動し、サーマルヘッド227を印画位置611へ回動させる。
サーマルヘッド227は印刷装置100のベースにヘッドレバー612を介して回動可能に配されており、ヘッドアップダウンモータ219はヘッドレバー612を駆動してサーマルヘッド227を所定の印画位置611へ回動させる(図9参照)。
印刷装置100のベースはヘッドレバー612の回動中心と、グリップローラ部の回転中心と、プラテンローラ605の回転中心を支持する支持部を有しており、これらの部品はユニットとして構成されている。これらの部品の寸法の相関関係は印画性能に大きく影響するものであり、このようにユニットとして構成することで、これらの部品を別々で構成した場合と比べて、ヘッドタッチが安定する。
6.4.2 カール取りOFF
サーマルヘッド227が所定の印画位置611へ回動すると、カール取りローラ603−1が離脱し、カール取りがOFFとなる。印画動作時に、余分な負荷をロール紙404−2にかけないようにするためである。
6.4.3 印画
サーマルヘッド227が印画位置611に到達すると、グリップローラ604−1によりロール紙の往復搬送が開始される。
ここで、ローラ404−1に巻き回されたロール紙404−2は、グリップローラ604−1によって反対方向に搬送されると、カートリッジ110内部に戻ってくることとなる。このとき、給紙モータ215は、印刷開始前にロール紙404−2を押し出した際の回転方向とは反対方向に、ローラ404−1を回動させるように動作する。これによりロール紙404−2は余ることなく、ローラ404−1に巻き戻されることとなる。
なお、給紙モータ215はすべりトルクを有するクラッチ機構を有している。かかる構成によりロール紙404−2を引き出す方向に動作する場合には、給紙モータ215からの力がすべて伝わり、巻き戻す方向に動作するときには、所定のすべりトルクをもって動作する。
この結果、印画動作時にロール紙404−2を巻き戻す際には、グリップローラ部により引き出された部分を過剰なストレスをかけることなく巻き戻すことが可能となる。
なお、印画時のインクリボン402−1の巻き上げ長さ、ロール紙404−2の巻き戻し長さ、ならびにグリップローラ部によるロール紙404−2の搬送距離は、インクリボン402−1に塗布された識別帯の検出タイミングを印画開始基準として制御する。
例えば、はがきサイズ用のカートリッジ110が装着されていた場合には、約150mm、Lサイズ用のカートリッジ110が装着されていた場合には、約127mmだけ印画が行われるように、上記印画開始基準から制御する。これにより、サイズに応じた範囲に印画が行われることとなる。
なお、装着されているカートリッジの種類は、IC読み書き部230がカートリッジ110に配されたICの情報を読みだすことにより、認識することができる。
6.4.4 書き出しの画質改善
印画動作時には、カートリッジ110に配されたICから読み出されたインクリボン402−1の製造情報(例えば濃度情報)を用いてサーマルヘッド227に加えるエネルギーを調整する。
また、メインコントローラ201は、印刷装置100に具備されている環境温度センサ208から使用環境の雰囲気温度を取得しており、雰囲気温度とインクリボン402−1の製造情報とから、最適な投入エネルギーを算出する。そして、該算出結果に基づいて、サーマルヘッド227に加えるエネルギーを調整する。
より具体的には、雰囲気温度が低温の場合、サーマルヘッド227は特に印画開始直後には十分にサーマルヘッド227自身の温度が上昇していないため、ロール紙404−2上の印画開始位置付近において印画結果が薄くなるという傾向がある。このため、印画開始直後のロール紙404−2の画質は、端部(カッターユニットにより切断される側の端部)付近において不均一になることとなる。
このような事態を回避すべく、本実施形態にかかる印刷装置100では、印画開始直前に余熱を蓄える動作を行ったり、インクリボン402−1の温度特性の情報を加味した熱エネルギー投入を行うなどして、切断面近傍の画質の改善を図っている。
6.4.5 印画終端の動作
印画動作において、印画終端(つまりロール紙404−2の先端部)がサーマルヘッド227の発熱体部を通過した直後にはまだ、印画動作(加熱動作)が継続してしまう。
このため、サーマルヘッド227がヘッドレバー612とともにロール紙404−2の先端部から落ち、ゴム部材であるプラテンローラ605と接触すると、プラテンローラ605を変形させてしまったり、溶かしてしまうことがありえる。
そこで本実施形態では、サーマルヘッド227がプラテンローラ605の押圧方向にロール紙404−2の厚み以上は動かないように構成されている。ただし、プラテンローラ605の変形等を回避するための方法はこれに限られない。例えば、ヘッド圧検出センサ209により、ロール紙404−2の先端部がサーマルヘッド227から抜けた際に生じる圧力変化を検出することで、サーマルヘッド227へのエネルギー投入を停止するように構成してもよい。
6.4.5 印画完了
印画開始基準から所定の長さ分だけ印画動作を実行されると、インクリボン402−1の巻き上げ動作、ロール紙404−2の巻き戻し動作を停止させるとともに、グリップローラ604−1によるロール紙404−2の搬送を停止する。
6.4.5 排紙方向への送り出し
ロール紙404−2への印画が完了すると、ヘッドアップダウンモータ219が駆動し、ヘッドレバー612を回動させ、ヘッドレバー612と一体的に固定されているサーマルヘッド227を所定の退避位置に退避させる。また、このときインクリボン402−1を微小量巻き上げ、インクリボン402−1のたるみをとる。
次に、ロール紙404−2を印画開始位置まで搬送する。このときの搬送は、印画時の搬送距離分だけ行う。
印画開始位置に到達すると、Mインクについて同様の印画動作を開始する。更に、Mインクについての印画動作後は、Cインクおよびオーバーコートについて同様の処理を行う。つまり、Y、M、C、オーバーコートの4回の往復搬送により、1枚の完成した画像が生成される。
6.5 カット及び排紙動作
6.5.1 排紙方向への搬送
オーバーコート処理が完了すると、ロール紙404−2を排紙方向に搬送する。本実施形態では、カッターユニットでカットする位置をより正確なものとするために、カッターユニット近傍には印画範囲識別センサ210(図9において不図示)が配されている。そして、印画範囲識別センサ210からの出力信号に基づいて印画された範囲を判別し、判別された印画範囲に基づいてロール紙404−2の搬送量の補正を行う。
6.5.2 排紙ローラの動作
ロール紙404−2がカッターユニットのカット位置に到達すると、排紙ローラ606が駆動され、ロール紙404−2をグリップする(図10参照)。
6.5.3 切断処理
カッターユニットには、カッター刃609のほかに、カッター刃609を駆動するギア列608を有するカッターモータ221及びカッター刃609に対向して配されたカッター受け刃610が一体的に構成されている。なお、該カッターユニットは、印刷装置100に対して外部から着脱可能に構成されている。
これは、カッターユニットは、その構造上、カッター刃609が欠けることが考えられ、交換作業が生じる可能性があるため、該交換作業を容易に行えるようにしたものである。
カッターユニットのカッターモータ221が駆動されると、ロール紙404−2が切断される。なお、カッター刃609による切断方法として、本実施形態では、はさみ状に上下の刃をすり合わせ、ロール紙404−2の幅方向に順次切断していく方法について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、円形の回転刃を回転させながら走行する切断方法であってもよいし、カッター刃が上下方向に垂直に動作することで、一気に切断する方法であってもよい。
6.5.4 排紙
カット処理により先端部が切断されたロール紙404−2の残りは、排紙ローラ606によりグリップされた状態にある。
この状態から、排紙ローラ606が駆動し、ロール紙404−2は排紙方向に搬送される。ここで、排紙ローラ606には、対向する位置に排紙蹴りだしローラ607が配されており、排紙方向に印画済みのロール紙404−2が搬送されると、排紙蹴りだしローラ607の凹凸部に印画済みのロール紙404−2の端部が係合する。この結果、印画済みのロール紙404−2は排紙ボックス(不図示)へと蹴りだされる。
この際、排紙ローラ606の回転軸と同軸上に配されている蹴りだし補助レバーが印画済みのロール紙404−2の印画面側に対して、排紙ボックス方向に付勢するため、より確実に排紙ボックスに印画済みのロール紙を収納することができる。なお、排紙ローラ606は、所定時間駆動後に停止する。
以上の動作により、印刷処理(ステップS705)が完了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、カートリッジ下面側においてインクリボンを、開閉可能なシャッター部で覆うことにより、カートリッジの密閉度を向上させることが可能となった。
また、本実施形態では、シャッター部に摺動溝を設け、カートリッジを印刷装置に装着する際に、印刷装置側に配された当接部材が摺動溝に沿ってシャッター部を開方向に付勢する構成とした。これにより、装着完了時には、インクリボンをカートリッジから露出した状態にする構成を安価に実現することが可能となった。そして、カートリッジ装着完了後は、円滑に印画動作を行うことができるようになった。
また、本実施形態では、カートリッジ装着時に、シャッター部を平行にスライドさせ、シャッター部が開いた状態において、ロール紙の搬送路を規定する構成とした。これにより、印画時のロール紙の円滑な搬送を実現することが可能となった。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、シャッター部を平行にスライドさせ、シャッター部が開いた状態において、ロール紙の印画面側の搬送路を規定する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限られず、ロール紙の印画面と反対面側の搬送路を規定するように構成してもよい。
以下、図11A〜図11Cを用いて、本実施形態にかかるカートリッジのシャッター部の構成について説明する。
図11Aは、本実施形態にかかるカートリッジ110の外観を示す図である(カートリッジ110の下面側、かつ印刷装置100に挿入される面側からみた場合の外観図である)。
インクリボン402−1の平坦面402−4(図11Aにおいて不図示)は、シャッター部1101(開閉部材)とにより覆われている。なお、以下では、当該シャッター部1101の位置を、“閉位置”と称す。カートリッジ110が印刷装置100に装着された状態では、シャッター部1101が、平坦面402−4に対して斜めに配されたスライドレール1103に沿ってスライドし、平坦面402−4がカートリッジ110より露出する(図11B)。なお、以下では、当該シャッター部1101の位置を、“開位置”と称す。つまり、スライドレール1103は、シャッター部1101を開位置と閉位置との間において案内する案内路としての役割を果たす。
シャッター部1101の表面には、シャッター部をスライドさせるための摺動溝1102が設けられている。カートリッジ110を印刷装置100に装着する際に、印刷装置100に設けられた当接部材(不図示)が、摺動溝1102に沿って摺動することにより、シャッター部1101がスライドレール1103に沿って(図11Aにおいて)斜め下方向にスライドする。なお、スライド動作の詳細は図11Cを用いて後述する。
シャッター部1101は弾性部材により閉方向に付勢されており、開方向へのシャッター部1101のスライドは、閉方向に付勢される力に対抗して行われることとなる。
図11Bは、シャッター部1101がスライドレール1103に沿ってスライドされた後の様子を示す図である。図11Bは、カートリッジ110が印刷装置100に装着された場合の、シャッター部1101の位置(閉位置)を示している。
同図に示すように、シャッター部1101がスライドすることにより、インクリボン402−1の平坦面402−4がカートリッジ110から露出し、サーマルヘッド227によりロール紙404−2に対して熱転写可能な状態となる。
なお、スライドされたシャッター部1101の裏面は、印画時にカートリッジ110から引き出されたロール紙404−2の搬送路を規定する。つまり、図11Bにおいて、シャッター部1101と、ハウジング111との間において形成される開口部1104は、ロール紙404−2の搬送路となる。
図11Cは、シャッター部1101のスライド動作の詳細を示す模式図である。
紙面左側はシャッター部1101の状態をカートリッジ110の下面からみた様子を示している。また、紙面右側は、シャッター部1101の状態を矢印1105方向からみた場合の断面図であって、後述する当接部材1111のそれぞれの位置における断面図である。
図11Cの(a)は、カートリッジ110を印刷装置100に装着する直前の状態を示している。1111は印刷装置100に設けられた当接部材であり、カートリッジ110を装着する場合に、シャッター部1101の表面に設けられた摺動溝1102に当接するように配置されている。このとき、シャッター部1101により、インクリボン402−1の平坦面402−4は、覆われた状態となっている。
図11Cの(b)は、カートリッジ110が装着方向に動作中の状態を示している。作図の便宜上、当接部材1111が動いているように記載されているが、実際は、当接部材1111は印刷装置100内において固定されており、カートリッジ110側が矢印1107方向に動いている。
カートリッジ110が矢印1107方向に動くことに伴って、シャッター部1101は当接部材1115より矢印1106方向に付勢され、スライドレール1103に沿って矢印1106方向に動作する。上述のように、スライドレール1103は、平坦面402−4に対して斜めに配されているため、シャッター部1101はカートリッジ110のハウジング111から離れる方向に平行移動し、開口部1104が生じる。
図11Cの(c)は、カートリッジ110を印刷装置100に装着完了後の状態を示している。カートリッジ110の装着が完了すると、インクリボン402−1の平坦面402−4がカートリッジ110外部に露出した状態となる。
このとき、当接部材1111は摺動溝1102の端部に位置する。上述のようにシャッター部1101は弾性部材により閉方向に付勢されており、カートリッジ110が装着完了した時点で、当接部材1111が摺動溝1102の端部に位置することで、シャッター部1101の開位置が維持されることとなる。なお、シャッター部1101の開位置においては、開口部1104が最も大きい状態となる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、カートリッジ下面側においてインクリボンを、開閉可能なシャッター部で覆うことにより、カートリッジの密閉度を向上させることが可能となった。
また、本実施形態では、シャッター部に摺動溝を設け、カートリッジを印刷装置に装着する際に、印刷装置側に配された当接部材が摺動溝に沿ってシャッター部を開方向に付勢する構成とした。これにより、装着完了時には、インクリボンをカートリッジから露出した状態にする構成を安価に実現することが可能となった。そして、カートリッジ装着完了後は、円滑に印画動作を行うことができるようになった。
また、本実施形態では、シャッター部が閉位置にある場合には、カートリッジに密着し、開位置にある場合には、カートリッジから所定の距離だけ離れ、開口部が生じるようにスライドレールを斜めに配する構成とした。これにより、シャッター部が開位置にある場合には、ロール紙は開口部を通過するため、シャッター部の裏面をロール紙の印画面とは反対側の面を規定する搬送路として機能させることが可能となった。この結果、印画時のロール紙の安定かつ円滑な搬送を実現することが可能となった。
[第3の実施形態]
上記第1、第2の実施形態では、カートリッジの装着に伴って、シャッター部が動作する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、更にシャッター部の動作に連動させて、他の部材を動作させるように構成してもよい。例えば、シャッター部の動作に連動させて、インクリボンの巻き取りローラまたは供給ローラ(インクリボンを保持する保持部材)の回転を制限するため止め具(ロック部材)をロック/解除させる構成としてもよい。
このように構成することにより、カートリッジを取り外すと、インクリボンの回転が規制され、カートリッジを装着すると、インクリボン巻上げモータにより回転可能にすることが可能となる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給するよう構成することによっても達成されることはいうまでもない。この場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することにより、上記機能が実現されることとなる。なお、この場合、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合に限られない。例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。つまり、プログラムコードがメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実現される場合も含まれる。