JP5158885B2 - ツール傾動許容機構 - Google Patents

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Description

本発明は、シャフト形ツールを傾動可能に支持したツール傾動許容機構に関する。
従来、この種のツール傾動許容機構として、シャフト形ツールをベース部材にユニバーサルジョイント機構を介して連結すると共に、弾性部材にてシャフト形ツールが原点姿勢になるように付勢したものが知られている。そして、例えば、ベース部材をロボットに取り付け、シャフト形ツールの側面をワークの外面に押し付けて加工を行いながらベース部材を移動したときに、ユニバーサルジョイント機構によりシャフト形ツールが傾動してワークの外面の形状のばらつきを吸収していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−301156号公報(段落[0021],[0022],[0027],第1図,第4図,第7図)
ところで、上記したツール傾動許容機構は、ワークに加工された既存のツール挿入孔にシャフト形ツールを挿入する際に、そのツール挿入孔の設計上の中心軸に対する実際の中心軸の傾きの誤差を吸収するためにも用いられていた。具体的には、ツール挿入孔の設計上の中心軸にシャフト形ツールの中心軸を一致させた状態を維持してシャフト形ツールを前進し、ツール挿入孔に挿入したときに、そのシャフト形ツールがツール挿入孔の内面にガイドされて傾動することを許容するために、上記したツール傾動許容機構が用いられていた。
ところが、シャフト形ツールは、その先端部がツール挿入孔に突入したときに傾動を開始するので、シャフト形ツールは先端部を中心にして傾動することになる。これに対し、上記した従来のツール傾動許容機構では、シャフト形ツールの傾動中心が先端部ではなく、ユニバーサルジョイント機構に支持された基端部に配置され、そのユニバーサルジョイント機構の側方への移動は許容されていない。このため、シャフト形ツールがツール挿入孔の内面にガイドされて傾動を開始したときに、シャフト形ツールに多大な曲げ応力がかかる事態が生じ得た。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、シャフト形ツールへの曲げ応力を低減させることが可能なツール傾動許容機構の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るツール傾動許容機構は、ベース部材に対してシャフト形ツールを傾動可能に連結すると共に、シャフト形ツールの中心軸が予め定められたツール移動基準軸と平行になるように付勢し、ベース部材をツール移動基準軸方向に前進させてシャフト形ツールをワークのツール挿入孔に挿入したときに、シャフト形ツールがツール挿入孔の内面にガイドされて傾動することを許容するツール傾動許容機構において、ツール移動基準軸方向に延び、ベース部材の前進方向における後端部が第1のユニバーサルジョイント機構を介してベース部材に連結された第1傾動部材と、第1傾動部材の前端部に第2のユニバーサルジョイント機構を介して連結され、シャフト形ツールと一体に傾動する第2傾動部材と、ベース部材に対して第1傾動部材を予め定められた原点姿勢に付勢する第1付勢手段と、第1傾動部材に対して第2傾動部材を予め定められた原点姿勢に付勢する第2付勢手段とを備えたことを特徴とするツール傾動許容機構。
請求項2の発明は、請求項1に記載のツール傾動許容機構において、第1及び第2の傾動部材が共に原点姿勢で、シャフト形ツールの中心軸と、第1と第2のユニバーサルジョイント機構の傾動中心点同士を繋ぐレバー軸とが同一直線上に並ぶように配置されたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のツール傾動許容機構において、第1傾動部材の後端部にベース部材を嵌合し、第1傾動部材及びベース部材の互いの嵌合面から突出して互いに嵌合した第1内側環状突壁及び第1外側環状突壁を設け、第1内側環状突壁及び第1外側環状突壁の一方の嵌合面の周方向に沿って複数の突部を均等配置して形成する一方、他方の嵌合面に複数の突部が当接する被当接部を形成し、それら突部又は被当接部の一方の当接面を曲面形状にして突部と被当接部とを点接触又は線接触させることで、第1外側環状突壁の内側で第1内側環状突壁を任意の方向に傾動可能とし、第1傾動部材又はベース部材の何れか一方に対をなして設けられて、他方の第1内側環状突壁又は第1外側環状突壁をツール移動基準軸方向で挟み付けるように第1付勢手段にて付勢された1対の第1軸移動規制部材を設け、第1内側環状突壁及び第1外側環状突壁と1対の第1軸移動規制部材とから第1のユニバーサルジョイント機構を構成し、第1傾動部材の前端部に第2傾動部材を嵌合し、第1傾動部材及び第2傾動部材の互いの嵌合面から突出して互いに嵌合した第2内側環状突壁及び第2外側環状突壁を設け、第2内側環状突壁及び第2外側環状突壁の一方の嵌合面の周方向に沿って複数の突部を均等配置して形成する一方、他方の嵌合面に複数の突部が当接する被当接部を形成し、それら突部又は被当接部の一方の当接面を曲面形状にして突部と被当接部とを点接触又は線接触させることで、第2外側環状突壁の内側で第2内側環状突壁を任意の方向に傾動可能とし、第1傾動部材又は第2傾動部材の何れか一方に対をなして設けられて、他方の第2内側環状突壁又は第2外側環状突壁をツール移動基準軸方向で挟み付けるように第2付勢手段にて付勢された1対の第2軸移動規制部材を設け、第2内側環状突壁及び第2外側環状突壁と1対の第2軸移動規制部材とから第2のユニバーサルジョイント機構を構成したところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項3に記載のツール傾動許容機構において、第1傾動部材は、ツール移動基準軸方向に延びた筒状をなし、第1傾動部材の後端部の内側にベース部材が嵌合される一方、第1傾動部材の前端部の内側に第2傾動部材が嵌合され、第1及び第2の外側環状突壁は、第1傾動部材に設けられ、第1内側環状突壁は、ベース部材に設けられ、第2内側環状突壁は、第2傾動部材に設けられ、第1傾動部材の内側面から突出して第1及び第2の外側環状突壁との間に配置された中間支持突壁を設け、第1内側環状突壁の端面に前側から対向した第1可動リングと、第1可動リングに固定されて前方に延び、中間支持突壁に直動可能に支持された複数のガイドシャフトとから一方の第1軸移動規制部材が構成されると共に、第1傾動部材のうち第1外側環状突壁より後側に配置されて第1外側環状突壁より内側に突出した第1固定突壁によって他方の第1軸移動規制部材が構成され、第1付勢手段によって第1可動リングを第1内側環状突壁に向けて後方に付勢し、第2内側環状突壁の端面に前側から対向した第2可動リングと、第2可動リングに固定されて後方に延び、中間支持突壁に直動可能に支持された複数のガイドシャフトとから一方の第2軸移動規制部材が構成されると共に、第1傾動部材のうち第2外側環状突壁より前側に配置されて第2外側環状突壁より内側に突出した第2固定突壁によって、他方の第2軸移動規制部材が構成され、第2付勢手段によって第2可動リングを第2内側環状突壁に向けて前方に付勢したところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のツール傾動許容機構において、中間支持突壁に形成されて、ツール移動基準軸方向に延び、中間支持突壁の後端面に開口を有した複数の第1流体加圧孔と、各第1流体加圧孔にそれぞれ直動可能に挿入されて第1可動リングに前方から押し付けられた複数の第1加圧シャフトと、各第1流体加圧孔内に封入されて複数の第1加圧シャフトを後方に向けて付勢する第1付勢手段としての圧縮流体と、第1傾動部材に形成されて各第1流体加圧孔から第1傾動部材の外側面まで延びた第1流体供給路と、第1傾動部材の外側面に配置されて第1流体供給路の開口を通常は閉塞し、外部から圧力を付与したときに開いて第1流体供給路内への圧縮流体の供給を許容する第1逆止弁と、中間支持突壁に形成されて、ツール移動基準軸方向に延び、中間支持突壁の前端面に開口を有した複数の第2流体加圧孔と、各第2流体加圧孔にそれぞれ直動可能に挿入されて第2可動リングに後方から押し付けられた複数の第2加圧シャフトと、各第2流体加圧孔内に封入されて複数の第2加圧シャフトを前方に向けて付勢する第2付勢手段としての圧縮流体と、第2傾動部材に形成されて各第2流体加圧孔から第2傾動部材の外側面まで延びた第2流体供給路と、第1傾動部材の外側面に配置されて第2流体供給路の開口を通常は閉塞し、外部から圧力を付与したときに開いて第2流体供給路内への圧縮流体の供給を許容する第2逆止弁とを備えたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項5に記載のツール傾動許容機構において、第1流体供給路は、複数の第1流体加圧孔の外側で、それら複数の第1流体加圧孔が並ぶ方向に延びた第1バス流路と、第1バス流路と複数の第1流体加圧孔との間を連絡する複数の第1分岐流路と、第1バス流路から第1傾動部材の外側面まで延びた第1基幹流路とからなり、第1逆止弁は、第1基幹流路の開口に備えられ、第2流体供給路は、複数の第2流体加圧孔の外側で、それら複数の第2流体加圧孔が並ぶ方向に延びた第2バス流路と、第2バス流路と複数の第2流体加圧孔との間を連絡する複数の第2分岐流路と、第2バス流路から第2傾動部材の外側面まで延びた第2基幹流路とからなり、第2逆止弁は、第2基幹流路の開口に備えられているところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項4乃至6の何れか1の請求項に記載のツール傾動許容機構において、第1傾動部材の中心軸と平行に延び、中間支持突壁を貫通した複数のガイド孔を設け、それら複数のガイド孔の一部に、第1可動リングの複数のガイドシャフトが挿入される一方、残りの複数のガイド孔に、第2可動リングの複数のガイドシャフトが挿入され、第1可動リンクには、第2可動リンクの複数のガイドシャフトが中間支持突壁の後方に突出した場合にそれらとの干渉を避けるための干渉回避孔が形成されると共に、第2可動リンクには、第1可動リンクの複数のガイドシャフトが中間支持突壁の前方に突出した場合にそれらとの干渉を避けるための干渉回避孔が形成されているところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項4乃至7の何れか1の請求項に記載のツール傾動許容機構において、1対の第1軸移動規制部材の互いの対向面、及び、1対の第2軸移動規制部材の互いの対向面には、それぞれ環状突条が形成され、それら各環状突条の先端面は、幅方向の中央が突出するように膨出した曲面形状をなしているところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項4乃至8の何れか1の請求項に記載のツール傾動許容機構において、ベース部材は、筒状をなし、第2傾動部材は、筒部の外側面から第2内側環状突壁が張り出した構造をなし、その筒部の内側に備えたベアリングにてシャフト形ツールの後端部が回転可能に支持されると共に、筒部の後端部に取り付けられたモータの回転軸とシャフト形ツールの後端部とが筒部の内部で一体回転可能に連結されているところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項9に記載のツール傾動許容機構において、ベース部材の後端面には、後端有底、前面開放の筒状をなし、ベース部材の内側より広い内部空間を有する後端カバーが取り付けられ、モータが後端カバーの内側に配置されると共に、後端カバーに貫通形成されたケーブル挿通孔からモータのケーブルが外部に導出されているところに特徴を有する。
請求項11の発明は、請求項4乃至10の何れか1の請求項に記載のツール傾動許容機構において、第2傾動部材は、第2内側環状突壁より前方に突出しかつ断面円形の前端内突部を有し、第1傾動部材は、第2外側環状突壁より前方に突出した前端外筒部を有し、前端内突部と前端外筒部との間に弾性体からなる前端防塵リングを備えると共に、ベース部材は、第1内側環状突壁より後方に突出しかつ断面円形の後端内突部を有し、第1傾動部材は、第1外側環状突壁より後方に突出した後端外筒部を有し、後端内突部と後端外筒部との間に弾性体からなる後端防塵リングを備えたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1のツール傾動許容機構は、ツール移動基準軸方向に延びた第1傾動部材の後端部に、第1のユニバーサルジョイント機構を介してベース部材に連結されると共に、第1傾動部材の前端部に、第2のユニバーサルジョイント機構を介して第2傾動部材が連結されているので、その第2傾動部材に支持されたシャフト形ツールをツール移動基準軸の側方に平行移動することもできるし、任意の方向に任意の点を中心に傾動させることもできるし、さらに、ツール移動基準軸の側方に移動させながら任意の方向に傾動させることもできる。これらにより、ツール挿入孔に応じてシャフト形ツールが任意の方向及び位置に姿勢変更及び位置変更することが可能になり、その際の第1及び/又は第2のユニバーサルジョイント機構の作動により、シャフト形ツールへの曲げ応力を解放して低減させることができる。
[請求項2の発明]
請求項2のツール傾動許容機構によれば、第1及び第2の傾動部材が共に原点姿勢で、シャフト形ツールの中心軸と、第1と第2のユニバーサルジョイント機構の傾動中心点同士を繋ぐレバー軸とが同一直線上に並ぶので、全ての方向に同じようにシャフト形ツールを傾動させることができる。
[請求項3の発明]
第1のユニバーサルジョイント機構は、カルダンジョイントやツェッパジョイント等であってもよいし、請求項3のように、第1傾動部材とベース部材との互いの嵌合面から突出した第1内側環状突壁及び第1外側環状突壁の一方の嵌合面に複数の突部を形成する一方、他方の嵌合面に複数の突部が当接する被当接部を形成し、それら突部と被当接部とを点接触又は線接触させることで、第1外側環状突壁の内側で第1内側環状突壁を任意の方向に傾動可能とした構造であってもよい。この場合、第1傾動部材又はベース部材の何れか一方に設けた1対の第1軸移動規制部材で、第1付勢手段にて他方の第1内側環状突壁又は第1外側環状突壁を挟むように付勢することで、ベース部材に対して第1傾動部材を予め定められた原点姿勢に付勢することができる。第2のユニバーサルジョイント機構に関しても同様である。
[請求項4の発明]
第1と第2のユニバーサルジョイント機構を請求項3の構成とした場合、請求項4の構成のように第1傾動部材の内側面から突出した中間支持突壁を設け、第1内側環状突壁に前側から対向した第1可動リングの複数のガイドシャフトと、第2内側環状突壁に後側から対向した第2可動リングの複数のガイドシャフトとを共通の中間支持突壁に直動可能に支持し、第1可動リングを第1内側環状突壁に向けて付勢することで、ベース部材に対して第1傾動部材を原点姿勢に付勢することができると共に、第2可動リングを第2内側環状突壁に向けて付勢することで、第1傾動部材に対して第2傾動部材を原点姿勢に付勢することができる。
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、外部から第1及び/又は第2の逆止弁を介して第1及び/又は第2の流体加圧孔内に圧縮流体を充填することで、第1傾動部材及び/又は第2傾動部材を原点姿勢に付勢するための付勢力を容易に変更することができる。
[請求項6の発明]
請求項6の構成によれば、1つの第1逆止弁から第1基幹流路内に圧縮流体を充填することで、一度に複数の第1流体加圧孔に圧縮流体を充填することができる。これと同様に、1つの第2逆止弁から第2基幹流路内に圧縮流体を充填することで、一度に複数の第2流体加圧孔に圧縮流体を充填することができる。
[請求項7の発明]
請求項7の構成によれば、第1可動リングには、第2可動リングの複数のガイドシャフトが中間支持突壁の後方に突出した場合にそれらとの干渉を避けるための干渉回避孔が形成されると共に、同様の干渉回避孔が第2可動リングにも形成されているので、第1及び第2の可動リングの複数のガイドシャフトを、反対側の可動リングとの干渉を気にせずにそれぞれ長くすることができ、第1及び第2の可動リングの直動動作を安定させることができる。
[請求項8の発明]
請求項8の構成によれば、1対の第1軸移動規制部材とそれらの間に挟まれた第1内側環状突壁又は第1外側環状突壁とは線接触することになり、面接触している場合に比べて、スムーズに第1のユニバーサルジョイント機構が作動する。同様に、1対の第2軸移動規制部材とそれらの間に挟まれた第2内側環状突壁又は第2外側環状突壁とは線接触することになり、面接触している場合に比べて、スムーズに第2のユニバーサルジョイント機構が作動する。
[請求項9,10及び11の発明]
請求項9の構成によれば、モータによってシャフト形ツールを回転駆動することができる。また、請求項10の構成によれば、ベース部材の後端面に取り付けられた筒状カバーによってモータが保護される。さらに、請求項11の構成によれば、前端防塵リングと後端防塵リングとによって、第1と第2のユニバーサルジョイント機構に異物が挟み込まれる事態を防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係るツール傾動許容機構を備えたバリ取りユニットの側断面図 バリ取りツールの斜視図 バリ取りツールの側断面図 第2外側環状突壁及び第2内側環状突壁の正面図 中間スリーブの正面図 中間スリーブにおけるガイド孔の近傍の側断面図 中間スリーブにおける流体加圧孔の近傍の側断面図 前端ジョイントリング、前端抜止リング及び傾動リングの斜視図 第1と第2の可動リング及び中間スリーブの斜視図 後端ジョイントリング、後端抜止リング及びベース部材の斜視図 第1傾動部材に対して第2傾動部材が傾動した状態のバリ取りユニットの側断面図 ベース部材に対して第1傾動部材が傾動した状態のバリ取りユニットの側断面図 ツール移動基準軸に対して傾斜したツール挿入孔にバリ取りツールが挿入される場合のバリ取りユニットの側断面図 ツール移動基準軸に対して傾斜したツール挿入孔にバリ取りツールが挿入される場合のバリ取りユニットの概念図 ツール移動基準軸に対してオフセットしたツール挿入孔にバリ取りツールが挿入される場合のバリ取りユニットの概念図 本発明のツール傾動許容機構の変形例を示した概念図
以下、本発明の一実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。図1には、本発明に係るツール傾動許容機構を備えたバリ取りユニット10が示されている。このバリ取りユニット10は、例えば、本発明に係る「シャフト形ツール」として例えばバリ取りツール80を傾動可能に支持して備え、そのバリ取りツール80をワークW(図13参照)のツール挿入孔H1(図13参照)に挿入する際に用いられる。なお、バリ取りツール80をツール挿入孔H1に挿入する際の前進方向の前側を、以下説明するバリ取りユニット10の構成部品における前側、その反対側を後側と呼ぶこととする。
図2に示すように、バリ取りツール80は、断面円形のシャフトであって、その前端の外縁角部における周方向の複数位置を縦溝状に陥没させてプレデバリングカッタ81が形成されている。また、バリ取りツール80の側面における先端寄り位置には、周方向の複数位置に矩形孔82が形成され、それら各矩形孔82に可動片83が配置されている。各可動片83は、後端部が各矩形孔82の開口縁に接続されると共に、前端部から外側に突出したバリ取り突起84を備えている。そして、可動片83が内側に傾動すると、バリ取り突起84が矩形孔82内に収まり、可動片83が外側に傾動すると、バリ取り突起84がバリ取りツール80の側面より外側に突出する。
図3に示すように、バリ取りツール80の軸芯部には、後端部から前端寄り位置に亘って流路80Rが形成されている。そして、バリ取りツール80の後端側から流路80Rに流体(例えば、クーラント液)が供給され、その流体圧力によって可動片83が外側に付勢されるようになっている。
バリ取りツール80は、図1に示したモータ85によって回転駆動され、そのモータ85とバリ取りツール80との間にはスピンドル88が設けられている。スピンドル88は、円筒状のスピンドルスリーブ86の内側に図示しない複数のベアリングを備え、それらベアリングによって中継シャフト87がスピンドルスリーブ86に回転可能に支持されている。そして、中継シャフト87の一端部が、スピンドルスリーブ86の前端面から突出し、そこにバリ取りツール80が一体回転可能に固定されている。また、スピンドルスリーブ86の後端部からは、側方に後端フランジ86Rが張り出され、その後端フランジ86Rにモータ85のステータがボルトにて固定され、スピンドルスリーブ86内においてモータ85の回転出力軸と中継シャフト87の後端部とがキー連結されている。
中継シャフト87の軸芯部には、前端から中間部まで図示しない流路が形成され、中継シャフト87の流路とバリ取りツール80の流路80Rとが連通している。また、スピンドルスリーブ86にも図示しない流路が形成され、その流路の後端部は後端フランジ86Rの後面に位置し、前端部はスピンドルスリーブ86の軸方向の中間部に位置している。そして、スピンドルスリーブ86内に備えたロータリージョイント機構によって中継シャフト87の流路とスピンドルスリーブ86の流路とが連通されている。また、スピンドルスリーブ86の流路の後端部には、図示しないチューブを介してクーラント液供給ポンプが接続されている。これにより、モータ85によりバリ取りツール80を回転駆動しながらバリ取りツール80の流路80Rにクーラント液を供給することが可能になっている。
上記したバリ取りツール80、スピンドル88及びモータ85からなるツール駆動本体80Hは、バリ取りユニット10におけるベース部材13に傾動可能に支持されている。具体的には、ベース部材13は、スピンドル88の後端部の外側に遊嵌されたベーススリーブ13Aを備え、そのベーススリーブ13Aの外側に嵌合された筒状の第1傾動部材11によって、スピンドル88の後端寄り位置から前端部に亘る範囲が外側から覆われている。そして、第1傾動部材11の後端部が、ベース部材13に対して傾動するように連結されると共に、スピンドル88の前端部が第1傾動部材11の前端部に対して傾動可能に連結され、これにより、バリ取りツール80をベース部材13に対して傾動可能に連結する本発明に係るツール傾動許容機構が構成されている。
図10に示すように、ベース部材13には、ベーススリーブ13Aの後端部から側方に張り出したケース固定盤13Bが備えられ、そのケース固定盤13Bの外縁部の一部が前方に直角曲げされてベース固定部13Cになっている。また、ベーススリーブ13Aは円筒状をなし、その前端部から側方に本発明に係る第1内側環状突壁71が突出している。
図1に示すように、ベース固定盤13Bの後面には、後端カバー37が取り付けられている。後端カバー37は、後端有底、前面開放の筒状をなし、その内側にはベーススリーブ13Aの内側より広い内部空間が備えられている。また、後端カバー37の側面には、図示しないケーブル挿通孔が貫通係止されている。そして、その後端カバー37の内部にモータ85が収容されて、モータ85のケーブルがケーブル挿通孔から外部に引き出されている。なお、そのケーブル挿通孔とケーブルとの隙間には防塵処理が施されている。
スピンドル88の外側面における前端寄り位置からは、本発明に係る第2内側環状突壁72が側方に突出している。そして、第2内側環状突壁72とスピンドルスリーブ86とによって本発明に係る第2傾動部材12が構成されている。より詳細には、スピンドルスリーブ86は、本発明に係る「第2傾動部材の筒部」をなし、そのスピンドルスリーブ86には、外側面から側方に張り出した前端フランジ86Fが一体形成されている。そして、その前端フランジ86Fに傾動リング89がボルトにて固定され、その傾動リング89により第2傾動部材12の第2内側環状突壁72が構成されている。
図4に示すように、第2内側環状突壁72の外縁部は、前方から見ると円の周方向の複数位置(例えば、6カ所)を平坦にカットして、円弧状の非摺接部72Aと平坦な摺接部72B(本発明に係る「被当接部」に相当する)とを交互に並べかつ均等配置した構造になっている。また、図6に示すように、第2内側環状突壁72を横方向(軸方向と直交する方向)から見ると、各摺接部72Bの外側面は、後方に向かうに従って第2内側環状突壁72の軸心に近づくように全体的に傾斜しかつ外側に膨らむように丸みを帯びた円弧面になっている。なお、各非摺接部72Aは、図示しないが第2内側環状突壁72を横方向(軸方向と直交する方向)から見ると平坦になっている。
この第2内側環状突壁72における非摺接部72Aと摺接部72Bと同様に、第1内側環状突壁71の外縁部にも、図10に示すように非摺接部71A及び摺接部71Bが備えられている。また、第1内側環状突壁71の摺接部71Bは、図6に示すように、第2内側環状突壁72の摺接部72Bとは前後が逆になって、前方に向かうに従って第1内側環状突壁71の軸心に近づくように全体的に傾斜しかつ外側に膨らむように丸みを帯びた円弧面になっている。
図1に示すように、第1傾動部材11の中間部は全体が略円筒状の中間スリーブ20で構成され、中間スリーブ20の後端面には、図10に示した後端ジョイントリング21と後端抜止リング22とが重ねてボルト固定される一方、中間スリーブ20の前端面には、図8に示した前端ジョイントリング23と前端抜止リング24とが重ねてボルト固定されている。そして、図1に示すように、後端ジョイントリング21が、中間スリーブ20の後端部の内面より内側に突出して本発明に係る第1外側環状突壁61を構成し、ベース部材13における第1内側環状突壁71の外側に嵌合している。また、後端抜止リング22は、後端ジョイントリング21より更に内側に突出して本発明に係る第1固定突壁51を構成し、第1内側環状突壁71の後端面に係止している。これと同様に、前端ジョイントリング23が本発明に係る第2外側環状突壁62を構成し、ベース部材13における第2内側環状突壁72の外側に嵌合すると共に、前端抜止リング24が本発明に係る第2固定突壁52を構成し、第2内側環状突壁72の前端面に係止している。
図4に示すように第2外側環状突壁62の内縁部は、前方から見ると、円の周方向の複数位置から内側に略台形状の摺接部62B(本発明の「突部」に相当する)を突出させて、それら摺接部62Bと円弧状の非摺接部62Aとを交互に並べかつ均等配置した構造になっている。また、図6に示すように第2外側環状突壁62を横方向(軸方向と直交する方向)から見ると、非摺接部62A及び摺接部62Bは、共に平坦になっている。そして、第2外側環状突壁62が第2内側環状突壁72の外側に嵌合して、第2外側環状突壁62の摺接部62Bが第2内側環状突壁72の摺接部72Bに接触し、第2外側環状突壁62の非摺接部62Aが第2内側環状突壁72の非摺接部72Aから浮いた状態になっている。ここで、第2外側環状突壁62の摺接部62Bは、横方向から見て平坦である一方、第2内側環状突壁72の摺接部72Bは円弧面になっているから、それら接触部62B,72B同士は線接触した状態になっている。これにより、例えば、断面正六角の筒体の6つの内面全てに線接触するリングがその筒体内で任意の方向に傾動可能となる場合と同様の原理で、第2外側環状突壁62の内側で第2内側環状突壁72が任意の方向に傾動可能になり、本発明に係る第2のユニバーサルジョイント機構102の主要部が構成されている。そして、この第2のユニバーサルジョイント機構102により、第1傾動部材11に対して第2傾動部材12が任意の方向に傾動可能に連結されている。
この第2外側環状突壁62の非摺接部62A及び摺接部62Bと同様に、図10に示すように第1外側環状突壁61の内縁面にも非摺接部61A及び摺接部61Bが備えられ、図6に示すように、第1外側環状突壁61が第1内側環状突壁71の外側に嵌合して第1外側環状突壁61の摺接部61Bが第1内側環状突壁71の摺接部71Bに線接触し、図示しないが第1外側環状突壁61の非摺接部61Aが第1内側環状突壁71の非摺接部71Aから浮いた状態になっている。これにより、第1外側環状突壁61の内側で第1内側環状突壁71が任意の方向に傾動可能になり、本発明に係る第1のユニバーサルジョイント機構101の主要部が構成されている。そして、この第1のユニバーサルジョイント機構101により、ベース部材13に対して第1傾動部材11が任意の方向に傾動可能に連結されている。
なお、図1に示すように、第1のユニバーサルジョイント機構101の傾動中心点P1(第1傾動部材11のベース部材13に対する傾動中心点)は、ベース部材13の中心軸上において第1内側環状突壁71の近傍に位置し、第2のユニバーサルジョイント機構102の傾動中心点P2(第2傾動部材12の第1傾動部材11に対する傾動中心点)は、第1傾動部材11の中心軸上において第2内側環状突壁72の近傍に位置している。そして、それら傾動中心点P1,P2同士を繋ぐ線が、本発明に係るレバー軸11Jに相当し、そのレバー軸11Jは、第1傾動部材11の中心軸と一致している。
図6に示すように、第2固定突壁52の内縁部からは、第2内側環状突壁72の後端面に向けて環状突条52Tが形成されている。その環状突条52Tの先端面は、幅方向の中央が最も突出するように膨出した曲面形状をなしている。そして、第1傾動部材11に対して第2傾動部材12が所定の原点姿勢になったとき、具体的には、バリ取りツール80の中心軸と第1傾動部材11の中心軸(レバー軸11J)とが一直線上に並んだ原点姿勢になったときに、環状突条52Tの先端面と第2内側環状突壁72の前端面とが線接触した状態になり、その原点姿勢から第2傾動部材12が第1傾動部材11に対して傾動すると、環状突条52Tの先端面と第2内側環状突壁72の前端面とが点接触した状態になる。これと同様に、第1固定突壁51の内縁部からは、第1内側環状突壁71の前端面に向けて環状突条51Tが突出形成され、その環状突条51Tの先端面も、幅方向の中央が最も突出するように膨出した曲面形状をなしている。そして、ベース部材13に対して第1傾動部材11が所定の原点姿勢になったとき、具体的には、第1傾動部材11の中心軸とベース部材13におけるベーススリーブ13Aの中心軸とが一直線上に並んだ原点姿勢になったときに、環状突条51Tの先端面と第1内側環状突壁71の後端面とが線接触した状態になり、その原点姿勢から傾くと点接触した状態になる。
図1に示すように第1傾動部材11の中間スリーブ20における軸方向の中間部からは、中間支持突壁16が内側に突出している。また、中間支持突壁16と第1外側環状突壁61との間には、第1可動リング25が備えられると共に、中間支持突壁16と第2外側環状突壁62との間には、第2可動リング26が備えられている。そして、図9に示すように、第1可動リング25から前方に延びた複数のガイドシャフト25Sと、第2可動リング26から後方に突出した複数のガイドシャフト26Sとが共に中間支持突壁16に直動可能に支持されている。
具体的には、図9に示すように、第2可動リング26は、円環状をなし、その周方向を例えば3等分する位置には、シャフト取付孔26Aが形成されている。各シャフト取付孔26Aは、第2可動リング26を前後に貫通し、中間部に内径が小さくなった中間小径部が備えられている。そして、図6に示すように、中間支持突壁16側からシャフト取付孔26Aにガイドシャフト26Sの一端部が挿入され、シャフト取付孔26Aの中間小径部に突き当てられている。また、ガイドシャフト26Sの一端部の中心には雌螺子孔が形成され、中間支持突壁16と反対側からシャフト取付孔26Aに挿入したボルトをガイドシャフト26Sの雌螺子孔に締め付け、ボルトのヘッド部とガイドシャフト26Sとの間でシャフト取付孔26Aの中間小径部を挟んだ状態に固定されている。なお、ボルトのヘッド部分は、シャフト取付孔26A内に収容されて、シャフト取付孔26Aの端面からは突出していない。また、図9に示すように、第2可動リング26のうち隣り合ったシャフト取付孔26A,26Aの中間位置には、それぞれ干渉回避孔26Bが形成されている。これら各干渉回避孔26Bの内径は、ガイドシャフト26Sの外径より僅かに大きくなっている。
第2可動リング26のうち中間支持突壁16と反対側を向いた端面には、内縁全体を中間支持突壁16から離れる側に突出させて環状突条26Tが形成されている。その環状突条26Tの先端面は、図6に示すように、幅方向の中央が最も突出するように膨出した曲面形状をなしている。そして、前記した環状突条52Tと同様に、第1傾動部材11に対して第2傾動部材12が原点姿勢になったとき、環状突条26Tの先端面と第2内側環状突壁72の後端面とが線接触した状態になり、その原点姿勢から第2傾動部材12が第1傾動部材11に対して傾動すると点接触した状態になる。
図9に示すように、第1可動リング25は、第2可動リング26と同一形状をなしている。そして、第1可動リング25にも第2可動リング26と同様にガイドシャフト25Sが固定されかつ環状突条25Tが形成されている。そして、第1可動リング25は、第2可動リング26とは前後方向が逆に配置されると共に、第1可動リング25から突出した各ガイドシャフト25Sが第2可動リング26の干渉回避孔26Bと同一軸線上に配置されかつ、第2可動リング26から突出した各ガイドシャフト26Sが第1可動リング25の干渉回避孔25Bと同一軸線上に配置されている。そして、ベース部材13に対して第1傾動部材11が原点姿勢になったとき、環状突条25Tの先端面と第1内側環状突壁71の前端面とが線接触した状態になり、その原点姿勢から第2傾動部材12が第1傾動部材11に対して傾動すると点接触した状態になる。
図5に示すように、中間支持突壁16には、その周方向を6等分する位置に、6つのガイド孔16Aが形成されている。図6に示すように、ガイド孔16Aは、中間支持突壁16を前後に貫通し、第1可動リング25のガイドシャフト25Sが、6つのガイド孔16Aのうちの一つ飛びに配置された3つのガイド孔16Aに後方から挿入され、残りの3つのガイド孔16Aに、第2可動リング26のガイドシャフト26Sが前方から挿入されている。また、第1可動リング25のガイドシャフト25Sは、ガイド孔16Aを貫通して中間支持突壁16の前端面から前方に突出し、これと同様に、第2可動リング26のガイドシャフト26Sは、図示しないが中間支持突壁16の後端面から後方に突出している。そして、それらガイドシャフト25S,26Sの突出部分が、第1及び第2の可動リング25,26の干渉回避孔25B,26Bに遊嵌状態に収容されている。これにより、第1及び第2の可動リンク25,26の複数のガイドシャフト25S,26Sを、反対側の可動リング26(25)との干渉を気にせずにそれぞれ長くすることができ、第1及び第2の可動リンク25,26の直動動作を安定させることができる。
なお、ガイド孔16Aの内面には筒状の摺動メタル16Mが埋設され、ガイドシャフト25S,26Sとガイド孔16Aの内面との摺動摩擦の低減が図られている。
中間支持突壁16のうち隣り合ったガイド孔16A,16A同士の間には、それぞれ例えば3つずつの流体加圧孔16Bが形成されている。これら流体加圧孔16B群のうち半分の流体加圧孔16Bは、本発明に係る「第1流体加圧孔」に相当し、図7に示すように、中間支持突壁16の後端面のみに開口する一方、残りの半分の中間支持突壁16は、本発明に係る「第2流体加圧孔」に相当し、図示しないが中間支持突壁16の前端面のみに開口している。そして、前端開口の流体加圧孔16Bと後端開口の流体加圧孔16Bとが中間支持突壁16の周方向に沿って交互に配置されている。
各流体加圧孔16Bには、加圧シャフト27が直動可能に挿入されて開口が閉塞されると共に、圧縮流体が封入され、その圧縮流体の漏洩を防ぐためのシール処理が施されている。詳細には、中間支持突壁16は、中間スリーブ20に一体形成されたスリーブ内面フランジ20Aと、中間スリーブ20の内側に後方から嵌合されてスリーブ内面フランジ20Aの後端面に接合された状態にボルト固定された接合円板29とからなる。また、流体加圧孔16Bは、スリーブ内面フランジ20Aと接合円板29とに跨って形成されかつ、開口側の内径が小さくなっている。さらに、スリーブ内面フランジ20Aと接合円板29とを分離した状態で、流体加圧孔16B内にインナーブッシュ30と圧縮コイルバネ31とが収容されている。インナーブッシュ30は、流体加圧孔16Bは円筒状をなして流体加圧孔16Bの開口端側に嵌合され、インナーブッシュ30の内径は、流体加圧孔16Bの開放端の内径より小さくなっている。そして、圧縮コイルバネ31の付勢により、インナーブッシュ30が常時流体加圧孔16Bにおける開放端側の段差面に押し付けられている。そして、インナーブッシュ30の内側面と外側面とには、それぞれリング溝が形成され、それらに収容されたシールリング30A,30B(例えば、Oリング、オイルシール)によって流体加圧孔16Bの開口から圧縮流体が漏洩することが防がれている。また、スリーブ内面フランジ20Aと接合円板29との接合面にも流体加圧孔16Bを囲むようにシールリング30C(例えば、Oリング)が備えられている。
加圧シャフト27の一端部には、段付き状に径が大きくなったヘッド部27Hが備えられ、そのヘッド部27Hがインナーブッシュ30の端面に当接する位置まで加圧シャフト27が流体加圧孔16B内に挿入される。また、ヘッド部27Hがインナーブッシュ30の端面に当接した位置で、加圧シャフト27の他端面が流体加圧孔16Bの奥面から離れた状態になる。これにより、加圧シャフト27が、流体加圧孔16B内の圧縮流体の圧力を受けて、流体加圧孔16Bから突出するように付勢されている。そして、後端開口の流体加圧孔16Bに収容された加圧シャフト27によって、第1可動リング25が後方に加圧され、第1可動リング25の環状突条25Tが第1内側環状突壁71に押し付けられている。
上記した第1可動リング25の押し付けにより、第1傾動部材11が原点姿勢に付勢されている。詳細には、第1傾動部材11に外力がかかって第1傾動部材11が原点姿勢から傾斜すると、第1可動リング25が第1内側環状突壁71によって相対的に前方に押されて第1可動リング25と第1固定突壁51との間隔が広がり、第1内側環状突壁71の前後の端面に対する環状突条25T,51Tの各接触部分が点になりかつそれら点接触部分が180度離れた位置に配置される。これにより、第1可動リング25の第1内側環状突壁71に対する押圧力が環状突条25T,51Tから第1内側環状突壁71に付与される偶力として作用し、第1傾動部材11がベース部材13に対する原点姿勢に戻るように付勢される。そして、第1傾動部材11が原点姿勢になると、前述の如く第1内側環状突壁71の前後の端面に対する環状突条25T,51Tの各接触部分が共に円形の接触線になり、上記した偶力は無くなり、第1傾動部材11が原点姿勢に保持される。これと同様に、前端開口の流体加圧孔16Bに収容された加圧シャフト27によって、第2可動リング26も第1傾動部材11に対する原点姿勢に付勢されている。
なお、図11には、第1傾動部材11がベース部材13に対して原点姿勢、第2傾動部材12が第1傾動部材11に対して第2傾動部材12が前下がりに傾斜した状態が示され、図12には、第1傾動部材11がベース部材13に対して前上がりに傾斜し、第2傾動部材12が第1傾動部材11に対して第2傾動部材12が前下がりに傾斜した状態が示されている。
図5に示すように、中間スリーブ20の外側面には、180度離れた2位置にバルブ取付台座20D,20Dが突出形成されている。また、一方のバルブ取付台座20Dに第1逆止弁41が取り付けられ、他方のバルブ取付台座20Dに第2逆止弁42が取り付けられている。そして、第1逆止弁41を用いて後端開口の複数の流体加圧孔16Bに一度に圧縮流体を供給することができる一方、第2逆止弁42を用いて前端開口の複数の流体加圧孔16Bに一度に圧縮流体を供給することができるようになっている。具体的には、全ての流体加圧孔16Bから外側に、第1傾動部材11の径方向に沿って分岐供給路32が延びている。また、図7に示すように、後端開口の流体加圧孔16Bの分岐供給路32は、接合円板29における前端寄り位置に配置される一方、図示しないが前端開口の流体加圧孔16Bの分岐供給路32は、接合円板29における後端寄り位置に配置されている。そして、中間スリーブ20の内側面と接合円板29の外側面との嵌合面のうち後端開口の流体加圧孔16Bの分岐供給路32群が付き合わされた位置には、第1基幹流路33が形成され、それら分岐供給路32群が全て第1基幹流路33に連絡されている。また、中間スリーブ20の内側面と接合円板29の外側面との嵌合面のうち前端開口の流体加圧孔16Bの分岐供給路32群が付き合わされた位置には、第2基幹流路34が形成され、それら分岐供給路32群が全て第2基幹流路34に連絡されている。
そして、一方のバルブ取付台座20Dには、第1基幹流路33から延びた終端流路33Sが形成されて外側に開放し、そこの開放口に第1逆止弁41が螺合固定されている。また、他方のバルブ取付台座20Dには、第2基幹流路34から延びた終端流路34Sが形成されて外側に開放し、そこの開放口に第2逆止弁42が螺合固定されている。この構成により、第1逆止弁41から第1基幹流路33内に圧縮流体を充填することで、一度に全部の後面開放の流体加圧孔16Bに圧縮流体を充填することができる。これと同様に、第2逆止弁42から第2基幹流路34内に圧縮流体を充填することで、一度に全部の前面開放の第2流体加圧孔16Bに圧縮流体を充填することができる。
また、中間スリーブ20の内側面と接合円板29の外側面との嵌合面には、第1及び第2の基幹流路33,34を区画するためのシールリング30Eが設けられ、第1基幹流路33より前方、第2基幹流路34より後方にもシールリング30D,30Fが設けられ、これらにより、中間スリーブ20の内側面と接合円板29の外側面との嵌合隙間からの圧縮流体の漏洩を防いでいる。
なお、図1に示すように、第1傾動部材11の前端部には、第2傾動部材12との間の防塵のために前端防塵リング35が備えられ、第1傾動部材11の後端部には、ベース部材13との間の防塵のために後端防塵リング36が備えられている。そして、これら前端と後端の防塵リング35,36によって、第1と第2のユニバーサルジョイント機構101,102に異物が挟み込まれる事態を防いでいる。具体的には、第2固定突壁52の一部は、スピンドルスリーブ86の先端部に隣接する位置まで延ばされている。前端防塵リング35は、断面矩形で円環状の弾性体であって、第2固定突壁52の内面とスピンドルスリーブ86の外面との間に嵌合されている。そして、第1傾動部材11に対して第2傾動部材12が傾動した際には、前端防塵リング35が圧縮変形する。また、第1固定突壁51の後端面には、ベース部材13を側方から囲むように円環壁51Kが形成され、後端防塵リング36は、前端防塵リング35と同様に断面矩形で円環状をなし、円環壁51Kとスピンドルスリーブ86との間に嵌合されている。そして、ベース部材13に対して第1傾動部材11が傾動した際には、後端防塵リング36が圧縮変形する。
本実施形態のバリ取りユニット10の構成に関する説明は以上である。次に、バリ取りユニット10をロボットを用いた自動加工システムに使用した場合を例に挙げて、バリ取りユニット10に備えた本発明に係るツール傾動許容機構の作用効果について説明する。
この自動加工システムは、バリ取り用のロボット90(図1参照)と、穿孔用のロボット(図示せず)と、ワークを固定したワーク固定治具(図示せず)とを備えている。バリ取り用のロボット90の先端には、図1に示すように、上述の如くバリ取りユニット10が取り付けられ、穿孔用のロボットの先端には、図示しないドリルと先端錐形の面取りツールと、それらを回転駆動するためのモータとを有した穿孔ユニットが取り付けられている。そして、この自動加工システムを起動すると、穿孔用のロボットが、治具に固定されたワークW(図13(A)参照)に対して予め設定されたツール移動基準軸K1にドリルの中心軸を一致させてドリルを前進させ、ワークWにツール挿入孔H1を穿孔してからドリルを退避させ、面取りツールにてツール挿入孔H1の開口縁の面取りを行う。
次いで、穿孔用のロボットが面取りツールをワークWから退避させてから、図13(A)に示すように、バリ取り用のロボット90が、バリ取りツール80の中心軸を前述したツール移動基準軸K1に一致させてバリ取りツール80を前進させ、図13(B)に示すように、ワークWのツール挿入孔H1にバリ取りツール80を挿入する。なお、このときバリ取りツール80は、回転駆動されている。
ここで、ワークWのツール挿入孔H1が設定通りの位置に穿孔されていて、バリ取り用のロボット90がバリ取りツール80の中心軸を誤差無くツール移動基準軸K1に一致させることができたとしたら、バリ取りツール80は挿入抵抗を受けずにツール挿入孔H1に挿入されていくことになる。しかしながら、実際には、ドリルをワークWの両面に突き当てたときにドリルが僅かに変形し、ドリルの先端がツール移動基準軸K1に対してランダムな方向に僅かに傾斜してツール挿入孔H1が穿孔されていく。また、穿孔用のロボットもバリ取り用のロボットも、ドリル又はバリ取りツール80の中心軸を完全にツール移動基準軸K1に一致させることは不可能であり、実際には、それらドリル又はバリ取りツール80の中心軸がツール移動基準軸K1に対してランダムな方向に傾斜したり、ずれていたり(オフセットしていたり)、或いは、傾斜してずれたりする。その結果、バリ取りツール80をツール挿入孔H1に挿入する際には、バリ取りツール80の中心軸が、ツール挿入孔H1の中心軸に対して任意の方向に傾斜していたり、ずれていたり、傾斜してずれている事態が起こり得る。
しかしながら、本実施形態のバリ取りユニット10は、本発明に係るツール傾動許容機構を有していることで、バリ取りツール80をツール挿入孔H1にスムーズに挿入することができる。具体的には、図13(A)に示すように、ツール挿入孔H1の中心軸がツール移動基準軸K1に対して下方に傾斜し、ツール挿入孔H1の中心軸とツール移動基準軸K1との交点がツール挿入孔H1の始端開口の中心に位置した状態で、バリ取り用のロボット90がバリ取りツール80の中心軸を誤差無くツール移動基準軸K1に一致させた状態で前進することができたとして、以下、バリ取りユニット10の作用効果を説明する。
この場合、ロボット90にてベース部材13をツール移動基準軸K1の軸方向に移動し、バリ取りツール80の先端がツール挿入孔H1に突入すると、図13(B)に示すように、バリ取りツール80がツール挿入孔H1にガイドされ、ツール挿入孔H1の始端開口の中心P3を傾動中心にしてバリ取りツール80の傾動が開始する。
ここで、図14には、図13と同じ動作を行うバリ取りユニット10が簡素化して示され、説明のためにツール移動基準軸K1に対するツール挿入孔H1の中心軸の傾斜角が強調して示されている。その図14(A)から図14(B)の変化に示すように、バリ取りツール80の先端がツール挿入孔H1に突入すると、図14(B)に示すように、バリ取りツール80がツール挿入孔H1にガイドされて、ツール挿入孔H1の始端開口の中心P3を傾動中心にして傾動し、バリ取りツール80の前端より後端側が上昇する。このとき、第1と第2のユニバーサルジョイント機構101,102が共に作動して第1傾動部材11が前上がり姿勢になるように傾動し、バリ取りツール80の後端部の上昇を許容するので、従来のようにバリ取りツール80に大きな曲げ応力がかかることはない。また、ロボット90がベース部材13をツール移動基準軸K1に沿ってさらに前進させると、バリ取りツール80がツール挿入孔H1に進入して行き、図14(C)に示すように、第1傾動部材11のツール移動基準軸K1に対する傾斜角が徐々に小さくなっていく。そして、予め定められた挿入量だけバリ取りツール80をツール挿入孔H1に挿入したら、ツール挿入孔H1内でバリ取りツール80の回転駆動方向を反転させたり、バリ取りツール80を前後に往復動させたりしてバリを除去し、その後、ツール挿入孔H1からバリ取りツール80を離脱させる。
次に、図15(A)に示すように、ツール挿入孔H1の中心軸がツール移動基準軸K1に対して下方に平行に移動した位置にずれた状態で、バリ取り用のロボット90がバリ取りツール80の中心軸を誤差無くツール移動基準軸K1に一致させた状態で前進することができた場合のバリ取りユニット10の作用効果を説明する。この場合、バリ取りツール80の先端がツール挿入孔H1の始端開口の面取り斜面における上部に摺接し、図15(B)に示すように、バリ取りツール80が下方に平行移動する。このとき、第1と第2のユニバーサルジョイント機構101,102が共に作動して第1傾動部材11が前下がり姿勢になるように傾動し、バリ取りツール80の下方への平行移動を許容するので、バリ取りツール80に大きな曲げ応力がかかることはない。
このように、本実施形態のバリ取りユニット10におけるツール傾動許容機構は、ツール移動基準軸K1の軸方向に延びた第1傾動部材11の後端部に、第1のユニバーサルジョイント機構101を介してベース部材13に連結されると共に、第1傾動部材11の前端部に、第2のユニバーサルジョイント機構102を介して第2傾動部材12が連結されているので、第2傾動部材12に連結されたバリ取りツール80を、ツール移動基準軸K1の側方に平行移動することもできるし、任意の方向に任意の点を中心にして傾動させることもできるし、さらに、ツール移動基準軸K1の側方に移動させながら任意の方向に傾動させることもできる。これらにより、ツール挿入孔H1に応じてバリ取りツール80が任意の方向及び位置に姿勢変更及び位置変更することが可能になり、その際の第1及び/又は第2のユニバーサルジョイント機構101,102の作動によりバリ取りツール80への曲げ応力を解放して低減させることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した本実施形態では、第1傾動部材11及び第2傾動部材12が原点姿勢で、バリ取りツール80の中心軸と、第1と第2のユニバーサルジョイント機構101,102の傾動中心点P1,P2同士を繋ぐレバー軸11J(図1参照)とが同一直線上に並んでいたが、第1傾動部材11及び第2傾動部材12が原点姿勢で、図16(A)に示すように、シャフト形ツール110の中心軸L1がレバー軸L2に対してオフセットしていたり、図16(B)に示すように、シャフト形ツールの中心軸L1がレバー軸L2に対して傾斜している構成にしてもよい。このような構成にすれば、シャフト形ツールの傾動が所定の方向に対して容易になる。一方、前記実施形態の構成によれば、全ての方向に同じようにシャフト形ツール(バリ取りツール80)を傾動させることができる。
(2)前記実施形態では、環状突条25T,51Tが第1内側環状突壁71に線接触すると共に、環状突条26T,52Tが第2内側環状突壁72に線接触する構成であったが、それらが面接触する構成にしてもよい。但し、前記実施形態のように環状突条25T,51T等が第1内側環状突壁71等に線接触する構成とすれば、面接触する構成に場合に比べて、スムーズに第1と第2のユニバーサルジョイント機構101,102を作動させることができる。
(3)前記実施形態では、圧縮流体の圧力によって第1と第2の傾動部材11,12を原点姿勢に付勢していたが、弾性体にて付勢する構成にしてもよい。この場合、例えば、弾性体として圧縮コイルバネや皿バネを、ガイドシャフト25S,26Sに挿通させて第1及び第2の可動リング25,26と中間支持突壁16との間で圧縮変形される構成や、流体加圧孔16B内に圧縮コイルバネや皿バネを収容し、それらによって加圧シャフト27を流体加圧孔16Bから押し出すように付勢する構成にしてもよい。なお、本実施形態のように圧縮流体の圧力によって第1と第2の傾動部材11,12を原点姿勢する付勢する構成にすれば、外部から付勢力の調整を容易に行うことができる。
(4)本発明に係るシャフト形ツールは、前記実施形態のバリ取りツールに限定されるものではなく、リーマや、真円度や面粗度を検査するための検査ツール等であってもよい。また、シャフト形ツールは、ドリルにて穿孔された加工孔に限定されるものではなく、鋳物や樹脂成形品の成形孔であってもよい。
(5)第1及び第2のユニバーサルジョイント機構101,102は、前記実施形態の構成以外のもの、具体的には、例えば、カルダンジョイントやツェッパジョイント等であってもよい。
(6)前記実施形態では、第1傾動部材11の内側にベース部材13のベーススリーブ13Aが嵌合されていたが、その逆に、ベーススリーブ13Aの内側にベース部材13が嵌合された構成にしてもよい。
10 バリ取りユニット
11 第1傾動部材
11J,L2 レバー軸
12 第2傾動部材
13 ベース部材
13A ベーススリーブ
16 中間支持突壁
16A ガイド孔
25T,26T,51T,52T 環状突条
20 中間スリーブ
25 第1可動リング
25B,26B 干渉回避孔
25S,26S ガイドシャフト
26 第2可動リング
27 加圧シャフト
32 分岐供給路
37 後端カバー
41 第1逆止弁
42 第2逆止弁
51 第1固定突壁
52 第2固定突壁
61 第1外側環状突壁
61B 摺接部(突部)
62 第2外側環状突壁
62B 摺接部(突部)
71 第1内側環状突壁
71B 摺接部(被当接部)
72 第2内側環状突壁
72B 摺接部(被当接部)
80 バリ取りツール(シャフト形ツール)
85 モータ
86 スピンドルスリーブ
87 中継シャフト
88 スピンドル
90 ロボット
101 第1のユニバーサルジョイント機構
102 第2のユニバーサルジョイント機構
110 シャフト形ツール
H1 ツール挿入孔
K1 ツール移動基準軸
W ワーク

Claims (11)

  1. ベース部材に対してシャフト形ツールを傾動可能に連結すると共に、前記シャフト形ツールの中心軸が予め定められたツール移動基準軸と平行になるように付勢し、前記ベース部材を前記ツール移動基準軸方向に前進させて前記シャフト形ツールをワークのツール挿入孔に挿入したときに、前記シャフト形ツールが前記ツール挿入孔の内面にガイドされて傾動することを許容するツール傾動許容機構において、
    前記ツール移動基準軸方向に延び、前記ベース部材の前記前進方向における後端部が第1のユニバーサルジョイント機構を介して前記ベース部材に連結された第1傾動部材と、
    前記第1傾動部材の前端部に第2のユニバーサルジョイント機構を介して連結され、前記シャフト形ツールと一体に傾動する第2傾動部材と、
    前記ベース部材に対して前記第1傾動部材を予め定められた原点姿勢に付勢する第1付勢手段と、
    前記第1傾動部材に対して前記第2傾動部材を予め定められた原点姿勢に付勢する第2付勢手段とを備えたことを特徴とするツール傾動許容機構。
  2. 前記第1及び第2の傾動部材が共に前記原点姿勢で、前記シャフト形ツールの中心軸と、前記第1と第2のユニバーサルジョイント機構の傾動中心点同士を繋ぐレバー軸とが同一直線上に並ぶように配置されたことを特徴とする請求項1に記載のツール傾動許容機構。
  3. 前記第1傾動部材の後端部に前記ベース部材を嵌合し、
    前記第1傾動部材及び前記ベース部材の互いの嵌合面から突出して互いに嵌合した第1内側環状突壁及び第1外側環状突壁を設け、
    前記第1内側環状突壁及び前記第1外側環状突壁の一方の嵌合面の周方向に沿って複数の突部を均等配置して形成する一方、他方の嵌合面に前記複数の突部が当接する被当接部を形成し、それら突部又は被当接部の一方の当接面を曲面形状にして前記突部と前記被当接部とを点接触又は線接触させることで、前記第1外側環状突壁の内側で前記第1内側環状突壁を任意の方向に傾動可能とし、
    前記第1傾動部材又は前記ベース部材の何れか一方に対をなして設けられて、他方の前記第1内側環状突壁又は前記第1外側環状突壁を前記ツール移動基準軸方向で挟み付けるように前記第1付勢手段にて付勢された1対の第1軸移動規制部材を設け、
    前記第1内側環状突壁及び前記第1外側環状突壁と前記1対の第1軸移動規制部材とから前記第1のユニバーサルジョイント機構を構成し、
    前記第1傾動部材の前端部に前記第2傾動部材を嵌合し、
    前記第1傾動部材及び前記第2傾動部材の互いの嵌合面から突出して互いに嵌合した第2内側環状突壁及び第2外側環状突壁を設け、
    前記第2内側環状突壁及び前記第2外側環状突壁の一方の嵌合面の周方向に沿って複数の突部を均等配置して形成する一方、他方の嵌合面に前記複数の突部が当接する被当接部を形成し、それら突部又は被当接部の一方の当接面を曲面形状にして前記突部と前記被当接部とを点接触又は線接触させることで、前記第2外側環状突壁の内側で前記第2内側環状突壁を任意の方向に傾動可能とし、
    前記第1傾動部材又は前記第2傾動部材の何れか一方に対をなして設けられて、他方の前記第2内側環状突壁又は前記第2外側環状突壁を前記ツール移動基準軸方向で挟み付けるように前記第2付勢手段にて付勢された1対の第2軸移動規制部材を設け、
    前記第2内側環状突壁及び前記第2外側環状突壁と前記1対の第2軸移動規制部材とから前記第2のユニバーサルジョイント機構を構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のツール傾動許容機構。
  4. 前記第1傾動部材は、前記ツール移動基準軸方向に延びた筒状をなし、前記第1傾動部材の後端部の内側に前記ベース部材が嵌合される一方、前記第1傾動部材の前端部の内側に前記第2傾動部材が嵌合され、
    前記第1及び第2の外側環状突壁は、前記第1傾動部材に設けられ、
    前記第1内側環状突壁は、前記ベース部材に設けられ、
    前記第2内側環状突壁は、前記第2傾動部材に設けられ、
    前記第1傾動部材の内側面から突出して前記第1及び第2の外側環状突壁との間に配置された中間支持突壁を設け、
    前記第1内側環状突壁の端面に前側から対向した第1可動リングと、前記第1可動リングに固定されて前方に延び、前記中間支持突壁に直動可能に支持された複数のガイドシャフトとから一方の前記第1軸移動規制部材が構成されると共に、前記第1傾動部材のうち前記第1外側環状突壁より後側に配置されて前記第1外側環状突壁より内側に突出した第1固定突壁によって他方の前記第1軸移動規制部材が構成され、
    前記第1付勢手段によって前記第1可動リングを前記第1内側環状突壁に向けて後方に付勢し、
    前記第2内側環状突壁の端面に前側から対向した第2可動リングと、前記第2可動リングに固定されて後方に延び、前記中間支持突壁に直動可能に支持された複数のガイドシャフトとから一方の前記第2軸移動規制部材が構成されると共に、前記第1傾動部材のうち前記第2外側環状突壁より前側に配置されて前記第2外側環状突壁より内側に突出した第2固定突壁によって、他方の前記第2軸移動規制部材が構成され、
    前記第2付勢手段によって前記第2可動リングを前記第2内側環状突壁に向けて前方に付勢したことを特徴とする請求項3に記載のツール傾動許容機構。
  5. 前記中間支持突壁に形成されて、前記ツール移動基準軸方向に延び、前記中間支持突壁の後端面に開口を有した複数の第1流体加圧孔と、
    前記各第1流体加圧孔にそれぞれ直動可能に挿入されて前記第1可動リングに前方から押し付けられた複数の第1加圧シャフトと、
    前記各第1流体加圧孔内に封入されて前記複数の第1加圧シャフトを後方に向けて付勢する前記第1付勢手段としての圧縮流体と、
    前記第1傾動部材に形成されて前記各第1流体加圧孔から前記第1傾動部材の外側面まで延びた第1流体供給路と、
    前記第1傾動部材の外側面に配置されて前記第1流体供給路の開口を通常は閉塞し、外部から圧力を付与したときに開いて前記第1流体供給路内への前記圧縮流体の供給を許容する第1逆止弁と、
    前記中間支持突壁に形成されて、前記ツール移動基準軸方向に延び、前記中間支持突壁の前端面に開口を有した複数の第2流体加圧孔と、
    前記各第2流体加圧孔にそれぞれ直動可能に挿入されて前記第2可動リングに後方から押し付けられた複数の第2加圧シャフトと、
    前記各第2流体加圧孔内に封入されて前記複数の第2加圧シャフトを前方に向けて付勢する前記第2付勢手段としての圧縮流体と、
    前記第2傾動部材に形成されて前記各第2流体加圧孔から前記第2傾動部材の外側面まで延びた第2流体供給路と、
    前記第1傾動部材の外側面に配置されて前記第2流体供給路の開口を通常は閉塞し、外部から圧力を付与したときに開いて前記第2流体供給路内への前記圧縮流体の供給を許容する第2逆止弁とを備えたことを特徴とする請求項4に記載のツール傾動許容機構。
  6. 前記第1流体供給路は、前記複数の第1流体加圧孔の外側で、それら複数の第1流体加圧孔が並ぶ方向に延びた第1バス流路と、前記第1バス流路と前記複数の第1流体加圧孔との間を連絡する複数の第1分岐流路と、前記第1バス流路から前記第1傾動部材の外側面まで延びた第1基幹流路とからなり、前記第1逆止弁は、前記第1基幹流路の開口に備えられ、
    前記第2流体供給路は、前記複数の第2流体加圧孔の外側で、それら複数の第2流体加圧孔が並ぶ方向に延びた第2バス流路と、前記第2バス流路と前記複数の第2流体加圧孔との間を連絡する複数の第2分岐流路と、前記第2バス流路から前記第2傾動部材の外側面まで延びた第2基幹流路とからなり、前記第2逆止弁は、前記第2基幹流路の開口に備えられていることを特徴とする請求項5に記載のツール傾動許容機構。
  7. 前記第1傾動部材の中心軸と平行に延び、前記中間支持突壁を貫通した複数のガイド孔を設け、それら複数のガイド孔の一部に、前記第1可動リングの前記複数のガイドシャフトが挿入される一方、残りの前記複数のガイド孔に、前記第2可動リングの前記複数のガイドシャフトが挿入され、
    前記第1可動リングには、前記第2可動リングの前記複数のガイドシャフトが前記中間支持突壁の後方に突出した場合にそれらとの干渉を避けるための干渉回避孔が形成されると共に、
    前記第2可動リングには、前記第1可動リングの前記複数のガイドシャフトが前記中間支持突壁の前方に突出した場合にそれらとの干渉を避けるための干渉回避孔が形成されていることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1の請求項に記載のツール傾動許容機構。
  8. 前記1対の第1軸移動規制部材の互いの対向面、及び、前記1対の第2軸移動規制部材の互いの対向面には、それぞれ環状突条が形成され、それら各環状突条の先端面は、幅方向の中央が突出するように膨出した曲面形状をなしていることを特徴とする請求項4乃至7の何れか1の請求項に記載のツール傾動許容機構。
  9. 前記ベース部材は、筒状をなし、
    前記第2傾動部材は、筒部の外側面から前記第2内側環状突壁が張り出した構造をなし、その筒部の内側に備えたベアリングにて前記シャフト形ツールの後端部が回転可能に支持されると共に、前記筒部の後端部に取り付けられたモータの回転軸と前記シャフト形ツールの後端部とが筒部の内部で一体回転可能に連結されていることを特徴とする請求項4乃至8の何れか1の請求項に記載のツール傾動許容機構。
  10. 前記ベース部材の後端面には、後端有底、前面開放の筒状をなし、前記ベース部材の内側より広い内部空間を有する後端カバーが取り付けられ、前記モータが前記後端カバーの内側に配置されると共に、前記後端カバーに貫通形成されたケーブル挿通孔から前記モータのケーブルが外部に導出されていることを特徴とする請求項9に記載のツール傾動許容機構。
  11. 前記第2傾動部材は、前記第2内側環状突壁より前方に突出しかつ断面円形の前端内突部を有し、
    前記第1傾動部材は、前記第2外側環状突壁より前方に突出した前端外筒部を有し、
    前記前端内突部と前記前端外筒部との間に弾性体からなる前端防塵リングを備えると共に、
    前記ベース部材は、前記第1内側環状突壁より後方に突出しかつ断面円形の後端内突部を有し、
    前記第1傾動部材は、前記第1外側環状突壁より後方に突出した後端外筒部を有し、
    前記後端内突部と前記後端外筒部との間に弾性体からなる後端防塵リングを備えたことを特徴とする請求項4乃至10の何れか1の請求項に記載のツール傾動許容機構。
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