JP5158133B2 - 垂直配向液晶表示装置用基板および垂直配向液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、垂直配向液晶表示装置用基板及びこれを用いた垂直配向液晶表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイなどの薄型表示装置のさらなる高画質化、低価格化および省電力化が求められている。液晶表示装置向けカラーフィルタにおいては、十分な色純度や高いコントラスト、平坦性など、より高画質表示に合わせた要求がでてきている。
高画質液晶ディスプレイにおいて、VA(Vertically Alignment)、HAN(Hybrid-aligned Nematic)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensated Bend)、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)などの液晶の配向方式あるいは液晶駆動方式が提案され、それにより、広視野角・高速応答のディスプレイが実用化されている。
液晶をガラスなど基板面に並行に配向させた広視野角で高速応答に対応しやすいVA方式、また広視野角に有効なHAN方式などの液晶表示装置では、カラーフィルタに対する平坦性(膜厚の均一性やカラーフィルタ表面の凹凸の低減)と誘電率など電気的特性について、さらに高いレベルが要求されている。このような高画質液晶ディスプレイでは、斜め方向視認での着色の低減のため、液晶セル厚(液晶層の厚み)を薄くする技術が主要な課題となっている。VA方式では、MVA(Multi-Domain Vertically Alignment)、PVA(Patterned Vertically Alignment)、VAECB(Vertically Alignment Electrically Controlled Birefringence)、VAHAN(Vertical Alignment Hybrid-aligned Nematic)、VATN(Vertically Alignment Twisted Nematic)種々の改良モードの開発が進んでいる。また、VA方式などの液晶の厚み方向に駆動電圧を印加する縦電界方式の液晶表示装置では、より高速の液晶応答、広い視野角技術、より高い透過率が主要な課題となっている。MVA技術は、液晶駆動の電圧印加時に不安定な垂直配向液晶(基板表面に対し初期垂直である液晶の、電圧印加時に倒れる方向が定まりにくいこと)の問題を解消するために、スリット状の凸部を複数設け、これらのスリット間に液晶ドメインを形成するとともに複数の配向方向のドメインを形成することにより、広い視野角を確保する技術である。特許文献4に、第1及び第2の配向規制構造体(スリット)を用いて液晶ドメインを形成する技術が開示されている。
特許文献5には、光配向を用いて4つの液晶ドメインを形成する技術が開示されている。この特許文献は、広い視野角を確保するためにそれぞれドメインでの厳密なチルト角(89度)制御に係わる複数回の配向処理と、かつ、それぞれ90°異なる配向軸が必要なことが開示されている。
カラーフィルタ基板側の透明導電膜(透明電極、表示電極あるいは第3電極)と、アレイ基板側の第1及び第2の電極を用い、斜め電界により垂直配向の液晶を制御する技術は、特許文献3および特許文献6に開示されている。特許文献3では負の誘電率異方性の液晶を用いており、特許文献6では、正の誘電率異方性の液晶が記載されている。なお、特許文献6には、負の誘電率異方性の液晶の記載は見られない。
通常、VA方式やTN方式などの液晶表示装置の基本的構成は、共通電極を備えたカラーフィルタ基板と、液晶を駆動する複数の画素電極(例えば、TFT素子と電気的に接続され、櫛歯状パターン状に形成された透明電極)とアレイ基板とで、液晶を挟持する構成である。この構成では、カラーフィルタ上の共通電極とアレイ基板側に形成された画素電極との間に駆動電圧を印加して液晶を駆動する。画素電極やのカラーフィルタ表面の共通電極としての透明導電膜は、通常、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IGZO(Indium Garium Zinc Oxide)などの導電性の金属酸化物の薄膜を用いる。
青色画素・緑色画素・赤色画素及びブラックマトリクスなどカラーフィルタを開示する技術として、例えば、ブラックマトリクスと着色画素上に透明導電膜を形成し、さらにオーバーコートを積層する技術が特許文献1に開示されている。また、ブラックマトリクスの断面を台形状に形成する技術は、特許文献2に記載されている。また、複数のストライプ電極と正の誘電率異方性を用いる技術ではあるが、透明電極(透明導電膜)上にカラーフィルタを形成する技術が、特許文献6(例えば、図7、図9)に記載されている。加えて、透明で導電膜上に色フィルタ(カラーフィルタ)を形成する技術は、特許文献7に開示されている。
特開平10−39128号公報 特許第3228139号公報 特許第2859093号公報 特許第3957430号公報 特開2008−181139号公報 特許第4364332号公報 特開平5−26161号公報
上述したように、垂直配向の液晶表示装置では、広い視野角を確保するため、スリットと呼ばれる配向規制構造体により液晶のドメインを形成する(MVA技術)。液晶が負の誘電率異方性の場合、具体的には、カラーフィルタなどの上に形成した2つの樹脂製のスリット間に位置する液晶は、駆動電圧の印加時に、例えば、平面視で、このスリットに垂直な方向に倒れ、基板面に水平に並ぼうとする。しかし、2つのスリット間の中央の液晶は、電圧印加にも関わらず倒れる方向が一義的に定まらず、スプレー配向やベンド配向をとることがある。このような液晶の配向乱れは、液晶表示でのざらつきや表示ムラにつながっていた。また、MVA方式の場合、上記問題も含め、液晶の倒れる量を駆動電圧で細かく制御することが難しく、中間調表示に難点があった。特に、駆動電圧と表示(応答時間)とのリニアリティが低く、低い駆動電圧での中間調表示に難点があった。
このような問題を解決するため、特許文献3や特許文献6に示されるように、第1と第2と第3の電極を用い、斜め電界にて液晶配向を制御する手法は極めて有効である。斜め電界により、液晶の倒れる方向を設定することができる。また、斜め電界により液晶の倒れる量を制御しやすくなり、中間調表示に大きな効果が出てくる。
しかし、これらの技術でも、液晶のディスクリネーション対策が不十分である。ディスクリネーションとは、意図しない液晶の配向乱れや未配向により光の透過率の異なる領域が画素(画素は、液晶表示の最小単位で、本発明で表記の矩形画素と同義)内に生じる問題である。
特許文献3では、画素中央のディスクリネーション固定化のため、対向電極(第3の電極)の画素中央に透明導電膜のない配向制御窓を設けている。しかし、画素周辺のディスクリネーションの改善策は開示されていない。また、画素中央のディスクリネーション固定化はできるものの、ディスクリネーションの最小化への方策も示されていない。さらに、液晶の応答性の改善技術についても記載されていない。
特許文献5には、広い視野角確保のために89度の厳密な液晶のチルト角の制御と4回の配向処理が必要であることが示されている。
特許文献6では、透明導電膜(透明電極)上に誘電体層を積層した分、斜め電界の効果が増長され、好ましい。しかし、特許文献6の図7に示されるように電圧印加後も画素中央および画素端部には垂直配向の液晶が残り、透過率あるいは開口率の低下につながる問題がある。また、正の誘電率異方性の液晶を用いる場合(特許文献6は、負の誘電率異方性の液晶はその記載・実施例において開示していない)、画素中央部のディスクリネーションのため、透過率を向上させにくい。このため、半透過型液晶表示装置では採用しにくい技術となっている。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされ、ディスクリネーションを軽減し、明るく応答性の良好な、斜め電界による液晶の駆動に最適な垂直配向液晶表示装置用基板、及びこれを具備する垂直配向液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、透明基板上に、複数の矩形開口部を有するブラックマトリクス、透明導電膜、及び樹脂層を形成してなる垂直配向液晶表示装置用電極基板と、平面視で前記矩形開口部の中心から前記ブラックマトリクスへ向かう方向に櫛歯状の第1電極から櫛歯状の第2電極の端部がはみ出しており当該はみ出し方向は前記矩形開口部の中央を基準に線対称の逆方向になるアレイ基板とを、垂直配向液晶を介して備えた液晶表示装置に用いられる垂直配向液晶表示装置用電極基板であって、前記ブラックマトリクスは、遮光性顔料を樹脂に分散した遮光層からなり前記樹脂層は、前記ブラックマトリクス及び透明導電膜を備える透明基板上に形成され、前記ブラックマトリクスの上方において凸部を形成し、前記矩形開口部中心を通る領域に線状の凹部を前記ブラックマトリクス及び前記凸部と平行に形成することを特徴とする垂直配向液晶表示装置用基板を提供する。
前記透明導電膜を前記ブラックマトリクス及び前記矩形開口部を覆うように形成し、かつ、前記透明導電膜上に樹脂層を形成することが出来る。
前記透明基板と前記透明導電膜との間であって、前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部の中央に、透明樹脂からなる線状の凸部パターンを形成することが出来る。
あるいは、前記透明基板と前記透明導電膜との間であって、前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部の中央に、前記ブラックマトリクスと同一材料からなる線状の凸部遮光パターンを形成することが出来る。
前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部に、少なくとも赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含む着色画素を形成し、この着色画素上に前記透明導電膜を形成することが出来る。
あるいは、前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部の上、かつ、前記透明導電膜の上に、少なくとも赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含む着色画素を形成し、この着色画素上に前記樹脂層を形成することが出来る。
本発明の第2の態様は、上述した垂直配向液晶表示装置用基板と、前記垂直配向液晶を駆動する素子をマトリクス状に配設した前記アレイ基板とを対向させ、前記垂直配向液晶を介して貼り合わせてなることを特徴とする垂直配向液晶表示装置を提供する。
以上のように構成される垂直配向液晶表示装置において、前記アレイ基板が、それぞれ矩形画素を駆動するために電位の異なる前記第1電極及び前記第2電極を具備することが出来る。
前記第1電極を、前記垂直配向液晶を駆動するアクティブ素子と接続し、絶縁層を介して前記第2電極より上に形成し、前記第1電極から前記第2電極がはみ出す前記はみ出し方向を、前記垂直配向液晶の倒れる方向とし、前記垂直配向液晶の動作を、前記第1電極及び前記第2電極に液晶を駆動する電圧を印加したときに、平面視で、前記樹脂層の前記凹部から、前記凹部に平行でかつ近接する前記ブラックマトリクスの方向に前記垂直配向液晶が倒れる動作とすることが出来る。
前記第1電極及び前記第2電極を、可視域で透明な導電性金属酸化物から構成することが出来る。
前記垂直配向液晶として、負の誘電率異方性を有するものを用いることが出来る。
本発明の第3の態様は、透明基板上に、複数の矩形開口部を有するブラックマトリクス、透明導電膜、複数の着色画素、及び樹脂層を有するカラーフィルタ基板と、垂直配向液晶を駆動する素子をマトリクス状に配設したアレイ基板とを対向させ、前記垂直配向液晶を介して貼り合わせてなる垂直配向液晶表示装置において、前記樹脂層が、透明導電膜上に直接あるいは間接的に配設されるとともに、該樹脂層表面から突出する凸部及び、平面視で前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部の中央に直線状の凹部が形成され、前記アレイ基板が、それぞれ可視域で透明な導電性金属酸化物からなる櫛歯状の第1電極及び櫛歯状の第2電極を具備し、前記第2電極が絶縁層を介して前記第1電極の下に配設され、前記第2電極が液晶の倒れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ていることを特徴とする垂直配向液晶表示装置を提供する。
本発明によると、ディスクリネーションを軽減し、明るく応答性の良好な、斜め電界による液晶の駆動に最適な垂直配向液晶表示装置用基板、及びこれを具備する垂直配向液晶表示装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る垂直配向液晶表示装置の模式断面図である。 図1に示す垂直配向液晶表示装置の緑色画素14の1/2部分を拡大して示す断面図である。 図1に示す垂直配向液晶表示装置の駆動電圧の印加直後の倒れ始めた液晶の動きを説明する図である。 図1に示す垂直配向液晶表示装置の駆動電圧印加後の、白表示時の液晶分子の配向状態を示す図である。 第3電極、第1電極及び第2電極に電圧が印加されていない状態における、水平配向の液晶の液晶分子の配向状態を示す図である。 駆動電圧の印加直後、倒れ始めた液晶の動きを説明する模式断面図である。 駆動電圧印加後、白表示時の液晶分子の、ほぼ基板面に垂直に配向している配向状態を示す図である。 図1に示す垂直配向液晶表示装置の第1及び第2電極を櫛歯状パターンとした場合の、第1電極の近傍の垂直に配向した液晶分子を示す図である。 図5に示す垂直配向液晶表示装置の液晶を駆動する電圧を印加した直後の液晶分子の動作と電気力線を示す図である。 実施例1に係る基板を示す部分断面図である。 実施例2に係る基板を示す部分断面図である。 実施例3に係る基板を示す部分断面図である。 実施例4に係る基板を示す部分断面図である。 実施例5に係るカラーフィルタ基板を示す部分断面図である。 実施例6に係るカラーフィルタ基板を示す部分断面図である。 実施例7に係る液晶表示装置を示す断面図である。 実施例8に係る半透過型液晶表示装置を示す断面図である。 実施例9に係るカラーフィルタ基板を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態は、表面に樹脂層が形成された、カラーフィルタを含むか又は含まない第1の基板と、TFTなどの液晶駆動素子が形成された第2の基板とを対向させ、間に液晶層を挟持する形で貼り合わせた液晶表示装置を前提とする。また、本発明の一実施形態では、加えて、第3電極である透明導電膜を第1の基板に配設し、画素電極である第1電極と、この第1電極とは電位の異なる第2電極とからなる電極構成において生じる斜め電界を活用する技術を用いるものである。
更に、本発明者らは、第1の基板上にブラックマトリクスを覆うように樹脂層を配設し、
ブラックマトリクスの上方に樹脂層の面より突出した凸部と、ブラックマトリクスの開口部の中心を通る領域に凹部を設け、これらを液晶の配向制御に利用できることを見いだし、この知見と第3電極(透明導電膜)の構成を加えた、新規な技術を提案するものである。凸部は、ブラックマトリクスと樹脂層の重畳部により構成され、この凸部における傾斜部での液晶配向を、駆動電圧印加時の液晶の倒れに利用するものである。
凹部も同様に、樹脂層のショルダー部(肩の部分)での液晶配向を液晶の倒れに利用する。液晶の動作については後の実施例で詳述する。凸部の高さは、0.5μmから2μmが好ましい範囲である。0.4μm以下の高さでは、電圧印加時の「液晶の倒れのトリガー」として効果が不十分であり、その高さが2μmを超えると液晶セル製造時の液晶の流れに支障が生じることがある。
ブラックマトリクスの傾斜部は、丸みを帯びた形状でも良く、表示領域でのブラックマトリクスの断面形状は、半月状、台形、三角形などが例示できる。ブラックマトリクスの基板面からの傾斜角度は、上述した凸部の高さが0.5μmを超えれば特に規定しなくても良い。開口率(矩形画素としての透過率)を別にすれば、2°とか3°などの低い傾斜角度でも良く、逆テーパ(上辺の大きい逆向きの台形状)でなければ良い。しかしながら、開口率の制限のため、実効的には30°から80°の範囲の傾斜が好ましい。
ここで、本明細書における技術用語について、簡単に説明する。
ブラックマトリクスとは、液晶表示のコントラストをアップさせるため、表示の最小単位である絵素の周囲、あるいは絵素の両辺に配設される遮光性のパターンである。遮光層は透明樹脂に遮光性の顔料を分散させた塗膜であり、一般に感光性を付与され、露光・現像を含むフォトリソグラフィの手法によりパターン形成を行うことにより得られた遮光性の塗膜である。
矩形画素は、ブラックマトリクスの開口部を指し、上記絵素と同義である。着色層は、後述する有機顔料を透明樹脂に分散させた塗膜であり、これをフォトリソグラフィの手法で矩形画素上にパターン形成したものを着色画素と呼ぶ。
また、本実施形態に適用可能な液晶は、初期配向(駆動電圧の無印加の時)が垂直配向又は平行配向の液晶である。液晶の誘電率異方性は、正であっても負であっても良い。なお、負の誘電率異方性の液晶を本実施形態に適用した場合、チルト角設定のための配向膜の配向処理を省略することができる。換言すれば、本実施形態で用いる配向膜は、塗布形成後の熱処理だけで良く、ラビング配向や光配向などを省略することができる。本実施形態は、矩形画素の中央の透過率を上げることができるため、色純度より明るさを重視する、たとえば、半透過型液晶表示装置に好適なカラーフィルタ基板を提供することができる。
本実施形態に係る液晶表示装置のアレイ基板側の第1電極、第2電極の材料は、上述したITOなどの導電性の金属酸化物薄膜を用いることができる。あるいは、金属酸化物薄膜より導電性の高い金属薄膜を採用することができる。さらに、反射型や半透過型の液晶表示装置の場合には、第1電極、第2電極のいずれかにアルミニウム、アルミニウム合金の薄膜を用いても良い。
本実施形態において、着色層の比誘電率は、比較的重要な特性であるものの、着色剤として添加する有機顔料の透明樹脂に対する比率によってほぼ一義的に決定されるため、比誘電率を大きく調整することは困難である。換言すれば、着色層中の有機顔料の種類や含有量は、液晶表示装置として必要な色純度から設定され、それによって、着色層の比誘電率もほぼ決まることになる。なお、有機顔料の比率を高くして着色層を薄膜化することで、比誘電率を4以上とすることが可能である。また、透明樹脂として高屈折率材料を用いることで、若干の比誘電率をアップすることができる。
着色層及び樹脂層の厚みは、用いる液晶のセルギャップ(液晶層の厚み)との関係で最適化すればよい。必要な電気特性の観点で、たとえば、着色層及び樹脂層の厚みが薄くなる場合に、液晶層の厚みを厚くすることができる。前者の膜厚が厚い場合、これに対応して液晶層の厚みを薄くすることができる。
第1電極と第2電極は、後述するように厚み方向に絶縁層により電気的に絶縁される。着色層、樹脂層、及び絶縁層の厚みは、液晶層の厚み、誘電率、印加電圧、駆動条件によって調整することができる。絶縁層をSiNx(窒化ケイ素)とする場合、この絶縁層の実用的な膜厚の範囲は、0.1μmから0.5μmである。第1電極と第2電極の膜厚方向の位置は、逆の位置でも良い。また、本実施形態に係る液晶表示装置では、斜め電界をより有効に活用することができるため、駆動電圧印加時の電気力線のおよぶ範囲を、液晶層や透明樹脂層を含む膜厚方向に拡げたことにより、透過率をアップすることができる。
本実施形態に係る液晶表示装置用基板上にブラックマトリクスを覆うように透明導電膜を積層した構成における作用、また、ブラックマトリクス上の樹脂層の重畳部、あるいは、画素部の中央部を通る領域の凹部の作用について、誘電率異方性が負である液晶を用いた場合について、以下に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る垂直配向液晶表示装置の模式断面図である。この液晶表示装置は、基板11とアレイ基板21とを液晶17を挟持する形で貼り合わせた構成を有する。基板11は、透明基板1a上に、ブラックマトリクス2、透明導電膜である第3電極3、及び樹脂層18を順次形成することにより構成される。アレイ基板21では、透明基板1b上に第2電極4及び第3電極5が形成されている。保護層や配向膜、また、偏光板、位相差板などは図示を省略されている。
図2は、図1の平面視で矩形開口部の1/2部分を拡大して示す断面図である。なお、偏光板は、クロスニコルとし、ノーマリブラックの液晶表示装置とした。偏光板としては、たとえば、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系有機高分子を延伸することにより得た延伸方向に吸収軸を有するものを使用することができる。図2は、基板11に設けられた透明導電膜である第3電極3、及びアレイ基板21に設けられた第1電極4、第2電極5に電圧が印加されていない状態での、垂直配向の液晶17における液晶分子17a、17b、17c、17dの配向状態を示している。
矩形開口部(1/2画素)の中央部の液晶は画素面に垂直に配向されているが、凹部23のショルダー部分18aの液晶分子17a、凸部24のショルダー部分18bの液晶分子17b,17cは、やや斜めに配向している。この斜めの配向の状態で液晶駆動の電圧が印加されると、液晶分子17a、17b、17cは、矢印Aの方向に倒れることになる。凹部23及び凸部24の形成によって、ラビングなどの配向処理を実施しなくとも液晶分子17a、17b、17cは、実質的にチルトを付与されていることになる。
本実施形態では、誘電率異方性が負である液晶と正である液晶の両者を用いることができる。たとえば、誘電率異方性が負の液晶として、室温付近で複屈折率が0.1程度であるネマチック液晶を用いることができる。誘電率異方性が正の液晶は、選択範囲が広いため、種々の液晶材料を適用することができる。液晶層の厚みは特に限定する必要はないが、本実施形態で実効的に用いることの可能な液晶層のΔndは、おおよそ300nmから500nmの範囲である。図示を省略した配向膜としては、たとえば、ポリイミド系有機高分子膜を加熱硬膜化して用いることができる。また、偏光板に貼り合わせる形で、1から3枚の位相差板を用いても良い。
なお、本実施形態において、液晶の倒れる動作は、誘電率異方性が負の液晶の場合、初期配向が垂直である液晶が駆動電圧印加時に水平方向に倒れていく動作であり、あるいは誘電率異方性が正の液晶の場合、初期配向が水平である液晶が駆動電圧印加時に垂直方向に立ち上がっていく動作を意味する。
図3は、駆動電圧の印加直後の倒れ始めた液晶の動きを説明する図である。即ち、電圧印加にともない、まず、液晶分子17a、17b、17cが倒れ始め、続いてこれら液晶分子周辺の液晶分子が倒れていく。凹部23及び凸部24は、誘電体である透明樹脂層が薄いか、あるいは存在しないので、画素中央部分と異なり、印加される駆動電圧が液晶分子に伝搬しやすく、液晶の倒れる動作のトリガーとなる。なお、図3には図示されていないが、画素の反対側の1/2画素では、液晶の倒れる方向が逆向きとなる。このことは、中間調表示での光学的補償を駆動電圧の大きさだけで実施することができ、MVA液晶のように4つのマルチドメインを形成しなくとも広い視野角を確保できることになる。中間調(例えば、液晶分子それぞれが斜めの状態)では、図3の1/2画素と反対側の1/2画素が反対向きの傾斜勾配をもつ液晶配向となり、これら相対する1/2画素で光学補償を行う。
図4は、駆動電圧印加後の、白表示時の液晶分子の配向状態を示す図である。図4に示すように、液晶分子はほぼ基板面に平行に配向している。
次に、誘電率異方性が正の液晶を用いた液晶表示装置における液晶分子の動作について説明する。
図5は、透明導電膜である第3電極3、第1電極4、及び第2電極5に電圧が印加されていない状態における、水平配向の液晶の液晶分子17a、17b、17c、17dの配向状態を示している。画素(1/2画素)の中央部の液晶は画素面に垂直に配向しているが、凸部24及び凹部23のそれぞれショルダー14b,14a部分の液晶分子はやや斜めに配向している。この斜めの配向の状態で、液晶駆動の電圧が印加されると、液晶分子17a、17b、17cは、図6に示すように、矢印の方向に倒れることになる。
図6は、駆動電圧の印加直後、倒れ始めた液晶の動きを説明する模式断面図である。電圧印加にともない、まず、液晶分子17a、17b、17cが縦方向に立ち始め、続いてこれら液晶分子周辺の液晶分子が立っていく。凸部24及び凹部23は、誘電体である透明樹脂層が薄いか、あるいは存在しないので、画素中央部分と異なり、印加される駆動圧が液晶分子に伝搬しやすく、液晶の倒れる動作のトリガーとなる。なお、図6には図示されていないが、画素の反対側の1/2画素では、液晶の倒れる方向が逆向きとなる。
図7は、駆動電圧印加後、白表示時の液晶分子の配向状態であり、液晶分子は、ほぼ基板面に垂直に配向している。
以上は、基板11側に近い液晶分子の挙動について説明したが、本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置では、アレイ基板21側にも 上記基板11側と同様の方向に液晶分子を倒すことが出来る。以下、そのような例について、誘電率異方性が負である液晶を用いた場合を説明する。
図8に示す液晶表示装置では、第1電極が櫛歯状電極4a,4b,4c,4dとされ、また同様に第2電極も櫛歯状電極5a,5b,5c,5dとされている。第1電極4a,4b,4c,4dの近傍における液晶分子27a,27b,27c,27dは、垂直に配向している。
図8に示す液晶表示装置において、第2電極5a,5b,5c,5dは、その端部が、液晶27aを倒す方向である画素からブラックマトリクス2へ向かう方向に、第1電極4a,4b,4c,4dの端部からはみ出るように配置されている。はみ出た量28は、用いる液晶材料や駆動電圧、液晶セル厚みなどのディメンションで種々調整することができる。はみ出た量28は、1μmから5μmの小さい量でも十分である。第1電極4a,4b,4c,4dと第2電極5a,5b,5c,5dの重なり部分の幅は、29で示されている。なお、配向膜は図示を省略した。重なり部分の幅は、適宜調整できる。
図9に、液晶を駆動する電圧を印加した直後の液晶分子27a,27b,27c,27dの動作と、電気力線30a,30b,30c,30dをあわせて示した。電圧印加により電気力線の方向Aに液晶分子27a,27b,27c,27dが倒れ始める。この液晶分子の倒れる方向は、図3に示した液晶分子17a,17b,17cが倒れる方向と同一方向なので、図示した画素の液晶分子は、同じ方向に瞬時に倒れることになり、液晶の応答性を大きく向上させることができる。
図9は、画素の1/2画素を図示しているが、残る1/2画素における第2電極のずれの方向は、図9の1/2画素に対し対称で、逆の方向であるのが望ましい。櫛歯状電極のパターンは、平面視でV字状や斜めに傾斜した形でも良い。あるいは、1/4画素単位で90°向きを変えた櫛歯状パターンでも良い。これら電極パターンは、画素中心から見て対称であることが望ましい。
凹部23の平面視形状は、縦長の矩形画素の場合に、矩形画素を2分する形で中心を通る領域に直線状に設けることが好ましいが、第1電極や第2電極の櫛歯パターン形状によって、矩形画素の中心から十字状あるいはX字状に延びる形に形成することもできる。十字状あるいはX字状に凹部を形成した場合、第2電極のはみ出し部は、第1電極に対して矩形画素の4辺(ブラックマトリクス)方向に配設することが望ましい。第1電極や第2電極の櫛歯パターンは、矩形画素中心から対称であることが望ましい。画素を分割して液晶を駆動することにより、光学補償を完全に行うことができ、視野角が広く、どの角度から見ても色変化のない垂直配向液晶表示装置を得ることができる。
なお、第1電極には液晶を駆動する電圧を印加するが、第2電極、第3電極は共通の電位(コモン)とすることができる。図8に示した第1電極と第2電極の重なり部分29は、補助容量として利用することができる。
以上、図1〜図9に示す実施形態では、基板11にはカラーフィルタば設けられていないが、カラーフィルタを形成し、カラーフィルタ基板としてもよい。この場合、カラーフィルタは、透明導電膜3と樹脂層18の間に形成される。なお、カラーフィルタを構成する着色画素は、赤色画素、緑色画素、青色画素の3色に限らず、これに、黄色画素などの補色の画素や、白色画素(透明画素)を加えてもよい。
以下に、本実施形態に係る液晶表示装置用基板に用いることが可能な透明樹脂及び有機顔料等について例示する。
(透明樹脂)
遮光層、着色層、樹脂層の形成に用いる感光性着色組成物は、顔料分散体に加え、さらに、多官能モノマー、感光性樹脂ないし非感光性樹脂、重合開始剤、溶剤等を含有する。感光性樹脂及び非感光性樹脂など、本実施形態に用いることの可能な透明性の高い有機樹脂を総称して透明樹脂と呼ぶ。
透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれる。熱可塑性樹脂としては、例えば、 ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、メラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させてなるものを用いてもよい。
(アルカリ可溶性樹脂)
本実施形態に用いる遮光層、光散乱層、着色層、透明樹脂層、セルギャップ規制層の形成には、フォトリソグラフィによるパターン形成可能な感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。これらの透明樹脂は、アルカリ可溶性を付与された樹脂であることが望ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であれば特に限定はない。例えば、エポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂等が挙げられる。中でもエポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、特に、エポキシアクリレート系樹脂やノボラック系樹脂が好ましい。
(アクリル樹脂)
本実施形態に採用可能な透明樹脂の代表として、以下のアクリル系樹脂が例示できる。
アクリル系樹脂は、単量体として、例えば(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートペンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のエーテル基含有(メタ)アクリレート;及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等を用いて得た重合体が挙げられる。
なお、以上挙げた単量体は、単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。さらに、これら単量体と共重合可能なスチレン、シクロヘキシルマレイミド、及びフェニルマレイミド等の化合物との共重合体でもよい。
また、例えば(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和基を有するカルボン酸を共重合し、得られた共重合体と、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基及び不飽和二重結合を含有する化合物とを反応させることや、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレートの重合体、又はそれとその他の(メタ)アクリレートとの共重合体に、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸含有化合物を付加させることによっても、感光性を有する樹脂を得ることができる。
さらに、例えばヒドロキシエチルメタアクリレート等のモノマーの、水酸基を有する重合体に、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基及びエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることによっても、感光性を有する樹脂を得ることができる。
また、上述したように、複数の水酸基を有するヒドロキシエチルメタクリレート等の共重合体と多塩基酸無水物を反応させて、共重合体にカルボキシル基を導入し、カルボキシル基を有する樹脂を得ることが出来る。カルボキシル基を有する樹脂の製造方法は、この方法のみに限るものではない。
上記の反応に用いる酸無水物の例として、例えばマロン酸無水物、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、及びトリメリト酸無水物等が挙げられる。
上述したアクリル系樹脂の固形分酸価は、20〜180mgKOH/gであることが好ましい。酸価が20mgKOH/gより小さい場合には、感光性樹脂組成物の現像速度が遅すぎて現像に要する時間が多くなり、生産性に劣る傾向となる。また、固形分酸価が180mgKOH/gより大きい場合には、逆に現像速度が速すぎて、現像後でのパターンハガレやパターン欠けの不具合が生じる傾向となる。
さらに、上記アクリル系樹脂が感光性を有する場合、このアクリル樹脂の二重結合当量は100以上であることが好ましく、より好ましくは100〜2000であり、最も好ましくは100〜1000である。二重結合当量が2000を越える場合には十分な光硬化性が得られない場合がある。
(光重合性モノマー)
光重合性モノマーの例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
また、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを用いることが好ましい。なお、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組み合わせは任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレートを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)-N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、
カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;チタノセン系化合物等が挙げられる。感度向上には、オキシム誘導体類(オキシム系化合物)が有効である。これらは1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(増感剤)
光重合開始剤と増感剤とを併用することが好ましい。増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル−9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
増感剤は、光重合開始剤100質量部に対して、0.1質量部から60質量部の量を含有させることができる。
(エチレン性不飽和化合物)
上述した光重合開始剤は、エチレン性不飽和化合物と共に用いることが好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味する。中でも、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部との現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましい。また、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来する(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。
エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド;スチレン等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、例えば、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
上記光重合性開始剤、増感剤、及びエチレン性不飽和化合物は、後述する位相差層の形成に用いられる重合性液晶化合物を含む組成物に加えても良い。
(多官能チオール)
感光性着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールは、感光性着色組成物中に、顔料100質量部に対して、好ましくは0.2〜150質量部、より好ましくは0.2〜100質量部の量で用いることができる。
(貯蔵安定剤)
感光性着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、感光性着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.1質量部から10質量部の量で含有させることができる。
(密着向上剤)
感光性着色組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、感光性着色組成物中に、顔料100質量部に対して、0.01質量部から100質量部で含有させることができる。
(溶剤)
感光性着色組成物には、基板上への均一な塗布を可能とするために、水や有機溶剤等の溶剤が配合される。また、本実施形態に用いる組成物がカラーフィルタの着色層である場合、溶剤は、顔料を均一に分散させる機能も有する。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いることができる。溶剤は、着色組成物中に、顔料100質量部に対して、800質量部から4000質量部、好ましくは1000質量部から2500質量部で含有させることができる。
(有機顔料)
赤色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等を用いることができる。
黄色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
青色顔料としては、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等を用いることができ、これらの中では、C.I. Pigment Blue 15:6が好ましい。
紫色顔料として、例えば、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等を用いることができ、これらの中では、C.I. Pigment Violet 23が好ましい。
緑色顔料としては、例えば、C.I. Pigment Green 1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58等を用いることができ、これらの中では、C.I. Pigment Green 58が好ましい。
以下、C.I. Pigmentの顔料種の記載において、単にPB(Pigment Blue)、PV(Pigment Violet)、PR(Pigment Red)、PY(Pigment Yellow)、PG(Pigment Green)などと省略して記載することがある。
(遮光層の色材)
遮光層あるいはブラックマトリクス含まれる遮光性の色材は、可視光波長領域に吸収を有することにより遮光機能を示す色材である。本実施形態において遮光性の色材には、例えば、有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。有機顔料については、前記した有機顔料が採用できる。なお、遮光性成分は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、これら色材の表面による樹脂被覆による高体積抵抗化、逆に、樹脂の母材に対して色材の含有比率を上げて若干の導電性を付与することによる低体積抵抗化を行っても良い。しかし、こうした遮光性材料の体積抵抗値は、およそ1×10〜1×1015Ω・cmの範囲であるので、透明導電膜の抵抗値に影響するレベルではない。同様に、遮光層の比誘電率も色材の選択や含有比率でおよそ3〜11の範囲で調整できる。
(分散剤・分散助剤)
顔料分散剤として高分子分散剤を用いると、経時の分散安定性に優れるので好ましい。高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。中でも、特に窒素原子を含有するグラフト共重合体からなる分散剤が、顔料を多く含む本実施形態に用いる遮光性感光性樹脂組成物に対しては、現像性の点で好ましい。
これら分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbik(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)等を挙げることができる。これらの分散剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。
分散助剤としては、例えば色素誘導体等を用いることができる。色素誘導体としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもキノフタロン系が好ましい。
色素誘導体の置換基としては、例えばスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられる。これらの中では、スルホン酸基が好ましい。また、これら置換基は、一つの顔料骨格に複数置換していてもよい。
色素誘導体の具体例としては、フタロシアニンのスルホン酸誘導体、キノフタロンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体、ジオキサジンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。
以上の分散助剤及び色素誘導体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
以下、本発明の種々の実施例について説明する。
以下の実施例のうち、カラーフィルタ基板に係る実施例6〜9では、着色画素を、赤色画素、緑色画素、青色画素の3色を用いたが、これに、黄色画素などの補色の画素や、白色画素を加えてもよい。
実施例1
図10に示す基板を、以下のようにして製造した。
(ブラックマトリクス形成用分散液)
カーボン顔料#47(三菱化学社製)20質量部、高分子分散剤BYK-182(ビックケミー社製)8.3質量部、銅フタロシアニン誘導体(東洋インキ製造社製)1.0質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71質量部を、ビーズミル分散機にて、攪拌してカーボンブラック分散液を作製した。
(ブラックマトリクス形成用フォトレジスト)
ブラックマトリクス形成用レジストは、以下の材料を使用して作製した。
カーボンブラック分散液:顔料#47(三菱化学社製)
樹脂:V259-ME(新日鐵化学社製)(固形分56.1質量%)
モノマー:DPHA(日本化薬社製)
開始剤:OXE-02(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
OXE-01(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
エチル-3-エトキシプロピオネート
レベリング剤:BYK-330(ビックケミー社製)
以上の材料を、以下の組成比で混合攪拌し、ブラックマトリクス形成用レジストとした(固形分中の顔料濃度:約20%)。
カーボンブラック分散液 3.0質量部
樹脂 1.4質量部
モノマー 0.3質量部
開始剤 OXE−01 0.67質量部
開始剤 OXE−02 0.17質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 14質量部
エチル-3-エトキシプロピオネート 5.0質量部
レベリング剤 1.5質量部
(ブラックマトリクス形成条件)
図10に示すように、上記フォトレジストをガラスからなる透明基板1aにスピンコートし、乾燥させ、膜厚1.9μmの塗膜を作製した。かかる塗膜を100℃で3分間、乾燥した後、ブラックマトリクスとしてパターン幅(ブラックマトリクスの画線幅に相当)20.5μm開口のある露光用のフォトマスクを用い、光源として超高圧水銀灯ランプを用いて200mJ/cm照射した。
次に、2.5%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間現像し、現像後よく水洗し、さらに乾燥した後、230℃で60分加熱処理してパターンを定着させ、透明基板1a上にブラックマトリクス2を形成した。ブラックマトリクス2の画線幅は、約20μmであり、矩形画素の周囲(4辺)に形成した。透明基板面からの画線端部の傾斜角度は約45度とした。
(透明導電膜の成膜)
スパッタリング装置を用いて、前記したブラックマトリクス2の全面を覆うように、ITO(インジウム・スズの金属酸化物薄膜)からなる透明導電膜3(第3電極)を0.14μmの膜厚で形成した。
(樹脂層の形成)
透明導電膜3を覆うように、アルカリ可溶性のアクリル感光性樹脂塗布液を用いて、硬膜後の膜厚が1.8μmになるように、フォトリソグラフィーにより樹脂層18を形成した。
用いたフォトマスクとしては、矩形画素の中央部にはハーフトーン(透過率の低い半透過部)のスリットを設けたものを用い、平面視で線状の凹部13を形成した。凹部13の深さは、約1μmとした。
ブラックマトリクス2上に形成された樹脂層18からなる凸部24の高さHは約1.1μmとなった。凸部24の傾斜は、透明基板面からの角度で約45度であった。なお、凸部24の高さHは、樹脂層18の平坦部の表面から凸部24のトップまでの高さとした。
なお、本実施例に係る基板はカラーフィルタを含まず、カラーフィルタはアレイ基板側に形成するか、あるいは、フィールドシーケンシャル(複数色のLED光源をバックライトに用い、時分割の光源駆動により、カラーフィルタなしでカラー表示を行う手法)のカラー液晶表示装置に適用することができる。
樹脂層18の形成に用いるアクリル感光性樹脂塗布液は、下記に示すようにアクリル樹脂を合成し、さらにモノマー、光開始剤を加え、0.5μmのフィルトレーションを行って得た透明樹脂塗布液である。
(アクリル樹脂の合成)
反応容器にシクロヘキサノン800質量部を入れ、窒素ガスを注入しながら加熱し、下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を滴下して、重合反応を行った。
スチレン 55質量部
メタクリル酸 65質量部
メチルメタクリレート 65質量部
ベンジルメタクリレート 60質量部
熱重合開始剤 15質量部
連鎖移動剤 3質量部
滴下後、十分に加熱した後、熱重合開始剤2.0質量部をシクロヘキサノン50質量部で溶解して得た溶液を添加し、さらに反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。この樹脂溶液に固形分が30質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製し、樹脂溶液(1)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約20,000であった。
さらに、下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで2時間分散し、0.5μmのフィルタで濾過して、透明樹脂塗布液を得た。
樹脂溶液(1) 100質量部
多官能重合性モノマー
EO変性ビスフェノールAメタクリレート(BPE−500:新中村化学社製)
20質量部
光開始剤
(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー907」)
16重量部
シクロヘキサノン 190重量部
実施例2
図11に示す基板を、以下のようにして製造した。
本実施例では、用いたブラックマトリクス形成用フォトマスク及びフォトレジストは、実施例1と同じである。
ガラス基板1a上にブラックマトリクス2を形成した後、このブラックマトリクス2を含むガラス基板1a上にアルカリ可溶型、感光性フォトレジストのアクリル樹脂を乾燥後膜厚が1.2μmとなるような厚さに塗布した。感光性矩形画素中央部のみに10μmの開口幅のあるフォトマスクを用いて露光し、さらに現像及び硬膜処理して、12μm画線幅の透明線状パターン22を形成した。
次いで、実施例1と同様にして透明導電膜3を積層した。
その後、樹脂層18を形成するが、それに使用したレジスト及びその形成方法は、実施例1と同じである。ただし、樹脂層18形成のためのフォトマスクとしては、実施例1と異なり、矩形画素中央部に線状遮光パターンのあるフォトマスクを用いた。
図11を参照して、製造した基板について説明する。樹脂層18の膜厚は1.8μmである。樹脂層18の凸部24の高さは、1μmである。矩形画素の中央部には、透明樹脂(アクリル樹脂)からなる線状パターン22が形成され、この線状パターン22上には、7μmの透明導電膜の開口幅と約0.6μmの深さのある凹部33が形成されている。
なお、本実施例で用いたアクリル樹脂に代えて、高い濃度の有機顔料を含む着色層により線状パターンを形成しても良い。顔料濃度の高い着色層からなる線状パターンにより、線状の光の抜けをなくし、色純度の高い表示が可能となる。
実施例3
図12に示す基板を、以下のようにして製造した。
本実施例では、実施例1で用いたブラックマトリクス形成用フォトマスクに代えて、ブラックマトリクス形成用開口パターンに加え、矩形画素中央部にさらに11μm幅の開口のあるフォトマスクを用いた。開口幅を狭くすることで露光量が急減するため、矩形画素中央に、高さの低い線状の遮光パターン32を形成することができる。
その後、実施例1と同様にして透明導電膜3を積層した。
また、樹脂層18形成用フォトマスクとして、矩形画素中央部にさらに12μm幅の遮光パターンのあるフォトマスクを用いた。ほか、使用したレジスト、製造方法は実施例1と同じである。
図12を用いて、製造した基板について説明する。樹脂層18の膜厚は、いずれも1.8μmである。樹脂層18の凸部24の高さは、1.1μmである。矩形画素の中央部には、遮光層(ブラック形成レジスト)による遮光パターン32が形成され、この遮光パターン32上には、7μmの透明導電膜の開口幅と約0.6μmの深さのある凹部43が形成されている。
本実施例では、ブラックマトリクスと矩形画素中央の遮光パターンを1つのフォトマスクを用いて形成したが、ブラックマトリクスと遮光パターンと分けて2つのフォトマスクを用い、かつ2回のフォトリソグラフィの手法で形成しても良い。
実施例4
図13に示す基板を、以下のようにして製造した。
ガラス基板1a上に、0.14μm膜厚の透明導電膜3を形成し、この透明導電膜3上に、ブラックマトリクス2を1.9μmの膜厚で形成した。ブラックマトリクス形成用フォトレジストは、実施例1と同様のものを用いた。
次に、ブラックマトリクス2及び矩形開口部を覆うように、アルカリ可溶性のアクリル感光性樹脂塗布液を用いて、硬膜後の膜厚が1μmになるように樹脂層18を形成した。ブラックマトリクス2上に形成された樹脂層18からなる凸部24の高さHは、約1μmとした。凹部53の深さは1μmであり、凹部53には透明導電膜3を露出させた。
なお、本実施例に係る基板はカラーフィルタを含まず、カラーフィルタはアレイ基板側に形成するか、あるいは、フィールドシーケンシャル(複数色のLED光源をバックライトに用い、時分割の光源駆動により、カラーフィルタなしでカラー表示を行う手法)のカラー液晶表示装置に適用することができる。
樹脂層18の形成に用いるアクリル感光性樹脂塗布液は、実施例1で用いたものと同様のものとした。
実施例5
図14に示すカラーフィルタ基板を、以下のようにして製造した。
ガラス基板1a上に、0.14μm膜厚の透明導電膜3を形成し、この透明導電膜3上に、ブラックマトリクス2を1.9μmの膜厚で形成した。ブラックマトリクス形成用フォトレジストは、実施例1と同様のものを用いた。
次に、ブラックマトリクス2及び矩形開口部を覆うように、着色画素を形成した。着色画素の形成に用いたカラーレジスト及び着色画素の形成方法について、以下に示す。
(着色画素の形成)
《着色層形成用分散液》
着色層に分散する有機顔料として、以下のものを使用した。
赤色用顔料:C.I.Pigment Red 254(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B-CF」)、C.I.Pigment Red 177(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッドA2B」)
緑色用顔料:C.I.Pigment Green 58、C.I.Pigment Yellow 150(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y-5688」)
青色用顔料:C.I.Pigment Blue 15(東洋インキ製造製「リアノールブルーES」)
C.I.Pigment Violet 23(BASF社製「バリオゲンバイオレット 5890」)
以上の顔料を用いて、赤色、緑色、及び青色の各色分散液を作製した。
<赤色顔料分散液>
赤色顔料:C.I.Pigment Red 254 18質量部
赤色顔料:C.I.Pigment Red 177 2質量部
アクリルワニス(固形分20質量%) 108質量部
上記の組成の混合物を均一に攪拌した後、ガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散し、5μmフィルタで濾過して赤色顔料分散液を作製した。
<緑色顔料分散液>
緑色顔料:C.I.Pigment Green 58 16質量部
緑色顔料:C.I.Pigment Yellow 150 8質量部
アクリルワニス(固形分20質量%): 102質量部
上記の組成の混合物に対して、赤色顔料分散液と同様の作製方法を用いて、緑色顔料分散液を作製した。
<青色顔料分散液>
青色顔料:C.I.Pigment Blue 15 50質量部
青色顔料:C.I.Pigment Violet 23 2質量部
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバース20000」):6質量部
アクリルワニス(固形分20質量%): 200質量部
上記の組成の混合物に対して、赤色顔料分散液と同様の作製方法を用いて、青色顔料分散液を作製した。
《着色画素形成カラーレジスト》
<赤色画素形成カラーレジスト>
赤色分散液 150質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 13質量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2質量部
溶剤:シクロヘキサノン 257質量部
上記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色画素形成カラーレジストを得た。
<緑色画素形成カラーレジスト>
緑色分散液 126質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 14質量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2質量部
シクロヘキサノン 257質量部
上記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して、緑色画素形成カラーレジストを得た。
<青色画素形成カラーレジスト>
組成がそれぞれ下記組成となるように,赤色画素形成カラーレジストと同様の方法で作製した。
青色分散液 258質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 19質量部
(大阪有機化学工業社製「TMP3A」)
光開始剤 4質量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgacure907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 2質量部
シクロヘキサノン 214質量部
[緑色顔料の調製]
塩化アルミニウム356質量部および塩化ナトリウム6質量部の200℃の溶融塩に、亜鉛フタロシアニン46質量部を溶解し、130℃まで冷却し、1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10質量部の速度で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8質量部の速度で5時間導入した。
この反応液を水3200質量部中に徐々に注入した後、濾過し、水洗して、107.8質量部の粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。この粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の1分子内に含まれる平均臭素数は14.1個、平均塩素数は1.9個であった。
得られた粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料120質量部、粉砕した食塩1600質量部、およびジエチレングリコール270質量部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。
この混合物を温水5000質量部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過及び水洗をくりかえして、食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117質量部のソルトミリング処理の緑色顔料を得た。
《着色画素形成》
上記の如き方法によって得られた着色画素形成カラーレジストを用いて着色層を形成した。
着色層の形成は、まず透明導電膜3及びブラックマトリクス2が形成されたガラス基板1a上に、赤色画素形成用カラーレジストをスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布した。90℃で5分間乾燥した後、着色画素形成用のフォトマスクを通して高圧水銀灯の光を300mJ/cmの照射量で照射し、アルカリ現像液にて60秒間現像して、ストライプ形状の赤色の着色画素15を得た。その後、230℃で30分焼成した。BM部とカラー部の重なりを14.0μmとして作製した。なお、矩形画素の中央部にはハーフトーン(透過率の低い半透過部)のスリットを設け、平面視で線状の凹部(図示せず)を形成した。凹部の深さは、約1μmとした。
次に、緑色画素形成用レジストも同様にスピンコートにより仕上り膜厚が1.8μmとなるように塗布した。90℃、5分間乾燥した後、前述の赤色画素15と隣接した位置にパターンが形成されるようにフォトマスクを通して露光し現像することで、緑色画素14を形成した。同様に、矩形画素の中央部にはハーフトーン(透過率の低い半透過部)のスリットを設け、平面視で線状の凹部63を形成した。凹部63の深さは、約1μmとした。その後、230℃で30分間熱処理して硬膜した。
さらに、赤色、緑色と全く同様にして、青色画素形成用レジストについても仕上り膜厚が1.8μmで赤色画素、緑色画素と隣接した青色画素16を得た。これで、基板1a上に赤、緑、青3色の着色画素を持つカラーフィルタが得られた。その後、230℃で30分間熱処理して硬膜し、カラーフィルタ基板を得た。
その後、着色画素上に熱硬化型のアクリル樹脂からなる樹脂層68を0.2μmの膜厚で積層した。凸部64の高さは約1μm、凹部63深さは約0.9μmとなった。樹脂層68により、凸部64の高さ及び凹部63の深さがやや小さめの値となった。
実施例6
図15に示すカラーフィルタ基板を、以下のようにして製造した。
ガラス基板1a上に、ブラックマトリクス2を1.9μmの膜厚で形成した。ブラックマトリクス形成用フォトレジストは、実施例6と同様のものを用いた。次に、実施例6で用いたカラーレジストを用い、赤色着色画素15、緑色着色画素14、青色着色画素16を膜厚1.8μmにて形成した。
その後、実施例5と同様の方法で、スパッタリング装置を用いて透明導電膜3を0.14μmの膜厚で形成した。さらに、アルカリ可溶性のアクリル感光性樹脂を用いて、硬膜後の膜厚が1.5μmになるように樹脂層78を形成した。このとき、公知のフォトリソグラフィの手法で矩形開口部の中央に深さ1.2μmの凹部73を形成した。樹脂層78のパターン形成のために、矩形開口部にスリット状パターンの形成あるフォトマスクを用いた。本実施例における凸部74の高さは、約1.1μmであった。
実施例7
本実施例に係る液晶表示装置を図16に示す。本実施例に用いたカラーフィルタ基板71は、図15に示す実施例7のカラーフィルタ基板である。アクティブ素子の形成された基板は、図8及び図9で示した櫛歯状電極を有するアレイ基板21とした。
このカラーフィルタ基板71とアレイ基板21を貼り合わせ、負の誘電率異方性の液晶77を封入し、さらに両面に偏光板を貼付して、図16に示す液晶表示装置とした。カラーフィルタ基板71及びアレイ基板21の表面には、あらかじめ垂直配向膜を塗布、形成してある。垂直配向膜は、図示を省略した。MVAやVATNなどの垂直配向の液晶表示装置に必要な厳密な配向処理(例えば、チルト角89°とし、複数ドメインを形成するための複数方向の配向処理)は実施せず、ほぼ90°の垂直配向とした。
図16を参照して、製造した液晶表示装置について説明する。液晶77の動作は、図16の中央の緑色画素14で代表して説明する。
初期配向が垂直配向である液晶77の液晶分子は、駆動電圧印加時に、第1電極4及び第2電極5により、着色画素14を矩形画素中央から2分する線から凸部84のショルダー部84cに向かう方向、即ち、矢印Bに示す方向に倒れる。なお、第2電極5は、矢印Cに示す方向に、第1電極4の端部からはみ出ている。第3電極3と第2電極2は、同電位のグランドとした。
本実施例では、緑色画素14の中央に凹部73があるため、カラーフィルタ面でも矩形画素中心を通る領域から2分する形で液晶分子が倒れ、アレイ基板21の櫛歯状の第1電極4、第2電極5と相まって、ディスクリネーションを抑えた明るい表示が可能となる。
本実施例における画素の中心を通る領域の凹部73は、光の透過率を上げるため、半透過型や反射型などの明るさを重視する液晶ディスプレイの用途に最適となる。たとえば、バックライトからの光を透過するとともに外光反射の可能な反射偏光板をバックライトシステムに加えて、半透過型液晶表示装置とすることができる。なお、反射偏光板としては、例えば、特許第4177398号公報に反射偏光子として記載されているようなものを用いることが出来る。
実施例8
本実施例に係る液晶表示装置を図17に示す。この液晶表示装置は、反射偏光板を用いた半透過型液晶表示装置である。本実施例に用いたカラーフィルタ基板71は、図15に示す実施例7のカラーフィルタ基板である。アクティブ素子の形成されたアレイ基板は、図8及び図9で示した櫛歯状電極を有するアレイ基板21とした。
カラーフィルタ基板71及びアレイ基板21を対向して配置し、間に液晶77を介在させた構造を有することは、図17に示す構造と同様である。カラーフィルタ基板71の液晶77と反対側には、光学補償層81a及び偏光板82aが配置されている。また、アレイ基板21の液晶77と反対側には、偏光板82b、光拡散層83a、反射偏光板84、光学補償層81b、プリズムシート85、光拡散層83b、導光板86、光反射板87が順次配設されている。導光板86には、光源、例えばLED光源88が取付けられている。
LED光源88としては、RGB個別発光素子であることが望ましいが、擬似白色LEDであってもよい。また、LEDの代わりに、従来汎用されている冷陰極線管や蛍光灯を用いてもよい。LED光源88としてRGB個別発光素子を用いた場合には、それぞれの発光強度を色ごとに個別に調整することができるので、最適な色表示を行うことが可能である。また、立体画像表示に適用することもできる。
なお、カラーフィルタ基板に代えて、実施例4におけるようなカラーフィルタを含まない基板を用い、RGB個別発光のLED光源を液晶表示と同期させる、フィールドシーケンシャル手法によるカラー表示とすることも可能である。
実施例9
図18に示すカラーフィルタ基板を、以下のようにして製造した。
ガラス基板1a上に、ブラックマトリクス2を1.9μmの膜厚で形成した。ブラックマトリクス形成用フォトレジストは、実施例5と同様のものを用いた。次に、実施例6で用いたカラーレジストを用い、赤色着色画素15、緑色着色画素14、青色着色画素16を膜厚1.8μmにて形成した。なお、各着色画素の形成に用いたフォトマスクとしては、矩形画素に対応する部分を2分する中心線に沿って遮光パターンを有するものを用いた。これによって、着色画素の中央に、10μm幅、深さ1.8μmの線状凹部を形成した。
その後、実施例5と同様の方法で、スパッタリング装置を用いて、赤色着色画素15、緑色着色画素14、及び青色着色画素16を覆うように、透明導電膜3を0.14μmの膜厚で形成した。
次いで、熱硬化タイプのアクリル樹脂溶液を用いて、硬膜後の膜厚が0.8μmになるように樹脂層98を形成した。その結果、ブラックマトリクス2、着色画素14,15,16、透明導電膜3、及び樹脂層98の重畳からなる凸部94が形成された。また、矩形画素の中央部に線状の凹部93が形成された。凸部94の高さHは約1μmであり、凹部93の深さは0.7μmであった。
本実施例に係るカラーフィルタ基板において、形画素中央部の線状の凹部93は、反射型表示装置として用いる場合には、画素の明るさを向上させる開口部の役割を果たすことが出来る。バックライトを用いた透過表示では、TFT配線(例えば、ドレイン引き出し配線や補助容量配線)を、平面視で直線状の凹部と重なる位置に遮光膜として形成することで、バックライトからの光漏れをなくすことが出来る。
なお、以上の実施形態に係る液晶表示装置の画素は、線状凹部にて線対称に1/2画素、あるいは点対称に1/4画素に区分されるが、TFTを一画素に2個ないし4個形成し さらにそれぞれ異なる電圧を印加する駆動方式をとることにより、視野角調整や立体画像表示が可能となる。
1a,1b・・・透明基板
2・・・ブラックマトリクス
3・・・透明電極(第3電極)
4,・・・第1電極
5・・・第2電極
11,71・・・カラーフィルタ基板
14・・・緑色画素
14a,14b,14c,84c・・・ショルダー部
15・・・赤色画素
16・・・青色画素
17,27,67,77・・・液晶
17a,17b,17c,17d・・・液晶分子
18,68,78,98・・・樹脂層
21・・・アレイ基板
23,33,43,53,63,83,93・・・凹部
24,64,74,84,94・・・凸部
81a,81b・・・光学補償層
82a,b・・・偏光板
83a,83b・・・光拡散層
84・・・反射偏光板
85・・・プリズムシート
86・・・導光板
87・・・光反射板
88・・・LED光源

Claims (12)

  1. 透明基板上に、複数の矩形開口部を有するブラックマトリクス、透明導電膜、及び樹脂層を形成してなる垂直配向液晶表示装置用電極基板と、平面視で前記矩形開口部の中心から前記ブラックマトリクスへ向かう方向に櫛歯状の第1電極から櫛歯状の第2電極の端部がはみ出しており当該はみ出し方向は前記矩形開口部の中央を基準に線対称の逆方向になるアレイ基板とを、垂直配向液晶を介して備えた液晶表示装置に用いられる垂直配向液晶表示装置用電極基板であって、
    前記ブラックマトリクスは、遮光性顔料を樹脂に分散した遮光層からなり前記樹脂層は、前記ブラックマトリクス及び透明導電膜を備える透明基板上に形成され、前記ブラックマトリクスの上方において凸部を形成し、前記矩形開口部中心を通る領域に線状の凹部を前記ブラックマトリクス及び前記凸部と平行に形成することを特徴とする垂直配向液晶表示装置用基板。
  2. 前記透明導電膜が前記ブラックマトリクス及び前記矩形開口部を覆うように形成され、かつ、前記透明導電膜上に樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項に記載の垂直配向液晶表示装置用基板。
  3. 前記透明基板と前記透明導電膜との間であって、前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部の中央に、透明樹脂からなる線状の凸部パターンが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直配向液晶表示装置用基板。
  4. 前記透明基板と前記透明導電膜との間であって、前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部の中央に、前記ブラックマトリクスと同一材料からなる線状の凸部遮光パターンが形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の垂直配向液晶表示装置用基板。
  5. 前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部に、少なくとも赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含む着色画素が形成され、この着色画素上に前記透明導電膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の垂直配向液晶表示装置用基板。
  6. 前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部の上、かつ、前記透明導電膜の上に、少なくとも赤色画素、緑色画素、及び青色画素を含む着色画素が形成され、この着色画素上に前記樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の垂直配向液晶表示装置用基板。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の垂直配向液晶表示装置用基板と、前記垂直配向液晶を駆動する素子をマトリクス状に配設した前記アレイ基板とを対向させ、前記垂直配向液晶を介して貼り合わせてなることを特徴とする垂直配向液晶表示装置。
  8. 前記アレイ基板が、それぞれ矩形画素を駆動するために電位の異なる前記第1電極及び前記第2電極を具備することを特徴とする請求項に記載の垂直配向液晶表示装置。
  9. 前記第1電極は、前記垂直配向液晶を駆動するアクティブ素子と接続され、絶縁層を介して前記第2電極より上に形成されており、
    前記第1電極から前記第2電極がはみ出す前記はみ出し方向は、前記垂直配向液晶の倒れる方向であり、
    前記垂直配向液晶の動作、前記第1電極及び前記第2電極に液晶を駆動する電圧を印加したときに、平面視で、前記樹脂層の前記凹部から、前記凹部に平行でかつ近接する前記ブラックマトリクスの方向に前記垂直配向液晶が倒れる動作であることを特徴とする請求項又はに記載の垂直配向液晶表示装置。
  10. 前記第1電極及び前記第2電極が、可視域で透明な導電性金属酸化物からなることを特徴とする請求項のいずれかに記載の垂直配向液晶表示装置。
  11. 前記垂直配向液晶が、負の誘電率異方性を有することを特徴とする請求項10のいずれかに記載の垂直配向液晶表示装置。
  12. 透明基板上に、複数の矩形開口部を有するブラックマトリクス、透明導電膜、複数の着色画素、及び樹脂層を有するカラーフィルタ基板と、垂直配向液晶を駆動する素子をマトリクス状に配設したアレイ基板とを対向させ、前記垂直配向液晶を介して貼り合わせてなる垂直配向液晶表示装置において、
    前記樹脂層が、透明導電膜上に直接あるいは間接的に配設されるとともに、該樹脂層表面から突出する凸部及び、平面視で前記ブラックマトリクスの前記矩形開口部の中央に直線状の凹部が形成され、前記アレイ基板が、それぞれ可視域で透明な導電性金属酸化物からなる櫛歯状の第1電極及び櫛歯状の第2電極を具備し、前記第2電極が絶縁層を介して前記第1電極の下に配設され、前記第2電極が液晶の倒れる方向に前記第1電極の端部からはみ出ていることを特徴とする垂直配向液晶表示装置。
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