JP5156442B2 - 着色感光性樹脂組成物、ブラックマトリックス、カラーフィルター、及び液晶表示ディスプレイ - Google Patents

着色感光性樹脂組成物、ブラックマトリックス、カラーフィルター、及び液晶表示ディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、着色感光性樹脂組成物、ブラックマトリックス、カラーフィルター、及び液晶表示ディスプレイに関する。
液晶表示ディスプレイ等の表示体は、互いに対向して対となる電極が形成された2枚の基板の間に、液晶層を挟みこむ構造となっている。そして、一方の基板の内側には、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)等の各色の画素領域からなるカラーフィルターが形成されている。このカラーフィルターにおいては、通常、赤色、緑色、及び青色の各画素領域を区画するように、ブラックマトリックスが形成されている。
一般に、カラーフィルターはリソグラフィ法により製造される。即ち、まず、基板上に黒色の着色感光性樹脂組成物を塗布し、真空乾燥装置(VCD)により減圧乾燥(真空乾燥)させた後、露光・現像し、ブラックマトリックスを形成する。次いで、赤色、緑色、及び青色の各色の着色感光性樹脂組成物毎に、塗布、乾燥、露光、及び現像を繰り返し、各色の画素領域を所定の位置に形成してカラーフィルターを製造する。
着色感光性樹脂組成物の成分である着色剤は、分散剤により組成物中に分散させるのが一般的である。
ここで、特許文献1には、分散剤として、顔料吸着基である塩基性基を含む顔料吸着ブロックと、顔料吸着基を含まないブロックからなるブロック共重合体樹脂を用いたカラーフィルター用顔料分散レジスト組成物が開示されている。
特開平2004−054213号公報
しかしながら、着色感光性樹脂組成物に用いる分散剤と溶剤の種類によっては、減圧乾燥する際、異物が発生する問題があった。製品の品質を維持するためには、異物の発生を抑えることが重要な課題である。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、着色感光性樹脂組成物の塗布後の減圧乾燥時に異物(欠陥)の発生を防止できる着色感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、(A)光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)着色剤、(D)分散剤、及び(S)溶剤を含有する着色感光性樹脂組成物において、(S)溶剤に、沸点が所定の条件を満たす、少なくとも一種の(R)難揮発性溶剤を含有させ、更に、(D)分散剤に、所定の要件を満たすウレタン系分散剤(D1)を含有させた場合、減圧乾燥後における欠陥の発生を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、(A)光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)着色剤、(D)分散剤、及び(S)溶剤を含有する着色感光性樹脂組成物であって、前記(S)溶剤は、20℃における沸点が180℃以上250℃以下である少なくとも一種の(R)難揮発性溶剤を含有し、前記(D)分散剤は、30質量%となるように難揮発性溶剤中に混合させたとき、下記式(1)で表される濁度が400nmにおいて16%以下のウレタン系分散剤(D1)である着色感光性樹脂組成物である。
Figure 0005156442
[式(1)中、Tは測定試料の透過率値を示し、Tは難揮発性溶剤単独での透過率値を示す。]
また、本発明の第二の態様は、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターンを有するブラックマトリックス及び/又はカラーフィルターである。
更に、本発明の第三の態様は、本発明のブラックマトリックス及び/又はカラーフィルターを有する液晶表示ディスプレイである。
本発明によれば、(S)溶剤が(R)難揮発性溶剤を含み、且つ(D)分散剤が難揮発性溶剤に対して相溶性の高い分散剤(D1)を含有するため、減圧乾燥時における塗膜への異物の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
<着色感光性樹脂組成物>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(A)光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)着色剤、(D)分散剤、及び(S)溶剤を含有する。(以下、それぞれ「(A)成分」、「(B)成分」、「(C)成分」、「(D)成分」、及び「(S)成分」と記載することがある。)
[(A)光重合性化合物]
光重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する樹脂又はモノマーを含むものである。また、光重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する樹脂及びモノマーを組み合わせることがより好ましい。エチレン性不飽和基を有する樹脂と、エチレン性不飽和基を有するモノマーとを組み合わせることにより、硬化性を向上させ、パターン形成を容易にすることができる。なお、本明細書では、エチレン性不飽和基を有する化合物のうち、質量平均分子量が1000以上のものを「エチレン性不飽和基を有する樹脂」と称し、質量平均分子量が1000未満のものを「エチレン性不飽和基を有するモノマー」と称することとする。
(エチレン性不飽和基を有する樹脂)
エチレン性不飽和基を有する樹脂としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及びカルドエポキシジアクリレート等が重合したオリゴマー類;多価アルコール類と一塩基酸又は多塩基酸とが縮合して得られるポリエステルプレポリマーに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート、及びポリオールと2個のイソシアネート基を持つ化合物とを反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;並びに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、及びジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。更に、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂に多塩基酸無水物を反応させた樹脂を用いることができる。
また、エチレン性不飽和基を有する樹脂としては、エポキシ化合物(a1)と、エチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)との反応物を、更に多塩基酸無水物(a3)と反応させることにより得られる樹脂を好ましく用いることができる。
(エポキシ化合物(a1))
エポキシ化合物(a1)としては、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、脂環型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、フェノールノボラック型、及びオルソクレゾール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
(エチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2))
エチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)としては、分子中にアクリル基やメタクリル基等の反応性のエチレン性二重結合を含有するモノカルボン酸化合物が好ましい。このようなエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、α−シアノ桂皮酸、及び桂皮酸等が挙げられる。このエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)とを反応させる方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、エポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)とを、トリエチルアミン、及びベンジルエチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ピリジン、及びトリフェニルホスフィン等を触媒として、有機溶剤中、反応温度50℃以上150℃以下で数時間から数十時間反応させる方法が挙げられる。
エポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)との反応における使用量比は、エポキシ化合物(a1)のエポキシ当量とエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)のカルボン酸当量との比で、通常1:0.5から1:2、好ましくは1:0.8から1:1.25、より好ましくは1:1である。上記の範囲とすることにより、架橋効率が向上する傾向がある。
(多塩基酸無水物(a3))
多塩基酸無水物(a3)としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−エチルテトラヒドロ無水フタル酸、及び4−エチルテトラヒドロ無水フタル酸が挙げられる。これらの多塩基酸無水物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)とを反応させた後、更に多塩基酸無水物(a3)を反応させる方法としては、公知の方法を用いることができる。また、使用量比は、エポキシ化合物(a1)とエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)との反応物中のOH基のモル数と、多塩基酸無水物(a3)の酸無水物基の当量比で、通常1:1から1:0.1であり、好ましくは1:0.8から1:0.2である。上記の範囲とすることにより、現像液への溶解性が適度となる傾向がある。
エポキシ化合物(a1)と、エチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(a2)との反応物を、更に多塩基酸無水物(a3)と反応させることにより得られる樹脂の酸価は、樹脂固形分で、10mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であることが好ましく、70mgKOH/g以上110mgKOH/g以下であることがより好ましい。樹脂の酸価を10mgKOH/g以上にすることにより現像液に対する充分な溶解性が得られ、また150mgKOH/g以下にすることにより充分な硬化性を得ることができ、表面性を良好にすることができる。
また、樹脂の質量平均分子量(Mw)は、1000以上40000以下であることが好ましく、より好ましくは2000以上30000以下である。質量平均分子量を1000以上にすることにより耐熱性、膜強度を向上させることができ、また40000以下にすることにより現像液に対する十分な溶解性を得ることができる。
また、エチレン性不飽和基を有する樹脂としては、分子内にカルド構造を有する樹脂を好ましく用いることができる。カルド構造を有する樹脂は耐熱性や耐薬品性が高いため、光重合性化合物に用いることによって着色感光性樹脂組成物の耐熱性及び耐薬品性を向上させることができる。例えば、下記式(2)で表される樹脂を好ましく用いることができる。
Figure 0005156442
式(2)中、Xは、下記式(3)で示される基である。nは1以上20以下である。
Figure 0005156442
また、式(2)中、Yは無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、及び無水グルタル酸等のジカルボン酸無水物からカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を除いた残基である。
また、式(2)中、Zは無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及びビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物から2個のカルボン酸無水物基を除いた残基である。
(エチレン性不飽和基を有するモノマー)
エチレン性不飽和基を有するモノマーには、単官能モノマーと多官能モノマーとがある。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、及びフタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(即ち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート等と2−ビドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物、及びトリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このエチレン性不飽和基を有するモノマーの含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上40質量%以下の範囲である。上記の範囲とすることにより、感度、現像性、及び解像性のバランスがとり易い傾向がある。なお、固形分とは、溶剤以外の成分の総和のことをいう。
光重合性化合物の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感度、現像性、及び解像性のバランスがとり易い傾向がある。
[(B)光重合開始剤]
光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ−2−エチルヘキシル安息香酸、4−ジメチルアミノ−2−イソアミル安息香酸、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、p−メトキシトリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、及び2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン等が挙げられる。これらの中でも、オキシム系の光重合開始剤を用いることが、感度の面で特に好ましい。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して0.5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。上記の範囲内とすることにより、十分な耐熱性、及び耐薬品性を得ることができ、また塗膜形成能を向上させ、光硬化不良を抑制することができる。
[(C)着色剤]
着色剤としては、特に限定されるものではないが、従来公知の顔料を使用することができる。例えば、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いて、ブラックマトリックスやブラックストライプを形成する場合には、カーボンブラック、チタンブラック、酸化クロム、酸化鉄、アニリンブラック、ペリレン系顔料、及びC.I.ソルベントブラック123等の黒色顔料を用いることができる。また、エポキシ樹脂等で被覆されたカーボンブラック;チタン、マンガン、鉄、銅、及びコバルト等の複合酸化物等の無機系ブラック顔料;以下に示す有機顔料の組み合わせ;並びに、有機顔料と上述の黒色顔料との組み合わせも、適宜、採用することができる。組み合わせにより、高抵抗値化や色調の調整等を行うこともできる。なお、黒色顔料と他の着色成分を組み合わせる際は、遮光性能を低下させない範囲で他の着色成分を混合することが好ましい。
無機系ブラック顔料としては、御国色素社製のカーボンブラック分散液「CFブラック」(高抵抗カーボン24%含有)等を挙げることができる。
また、カーボンブラックの赤みがかった色調を抑え全体としてより好ましい黒色にするために、御国色素社製のバイオレット分散液(バイオレット顔料10%含有)、御国色素社製のブルー顔料分散液「CFブルー」(ブルー顔料20%含有)等を混合することもできる。
また、赤色、緑色、青色、シアン、マゼンダ、及び黄色等の有彩色の場合、例えば、特開昭60−237403号公報、及び特開平4−310901号公報に記載の顔料を挙げることができる。
具体的には、カラーインデックス・ナンバー(C.I.No.)で、
黄色顔料:C.I.20、24、83、86、93、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、180、185、195
橙色顔料:C.I.36、43、51、55、59、61
赤色顔料:C.I.9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254
紫色顔料:C.I.19、23、29、30、37、40、50
青色顔料:C.I.15、15:3、15:6、22、60、64
緑色顔料:C.I.7、36
茶色顔料:C.I.23、25、26
として表されているものが透明性が高く、しかも耐熱性、耐候性、及び耐薬品性に優れているため、好適に用いることができる。
上記顔料は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対し、1質量%以上70質量%以下の範囲で含有することが好ましく、20質量%以上60質量%以下の範囲で含有することがより好ましい。1質量%未満ではカラーフィルターとして機能することが難しく、一方、70質量%を超えると、感度が低下し、硬化後の塗膜の耐熱性、及び耐薬品性が低下する可能性がある。
また、黒色顔料を分散させた着色感光性樹脂組成物においては、上記顔料の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対し、40質量%を超えることが好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。顔料の含有量を40質量%より多くすることにより、遮光性に優れた着色感光性樹脂組成物を得ることができる。一方、上記黒色顔料の含有量が着色感光性樹脂組成物の固形分に対し、70質量%以下であることが、感度、硬化後の塗膜の耐熱性、及び耐薬品性が良好に保たれるため好ましい。上限値としては60質量%がより好ましい。
黒色顔料を分散させた着色感光性樹脂組成物において、着色剤が上記含有量の範囲内で含有されることにより、遮光性(光学密度、OD値)の高い着色感光性樹脂組成物を得ることができる。本発明の着色感光性樹脂組成物においては、光学密度は3.8以上であることが好ましく、4.0以上であることがより好ましく、4.3以上であることが更に好ましく、4.5以上であることが特に好ましい。
[(D)分散剤]
本発明の着色感光性樹脂組成物は、着色感光性樹脂組成物中に顔料を分散させるため、分散剤を含有する。本発明において分散剤(D)は、30質量%となるように難揮発性溶剤中に混合させたとき、下記式(1)で表される濁度が400nmにおいて16%以下のウレタン系分散剤(D1)を含有する。
Figure 0005156442
[式(1)中、Tは測定試料の透過率値を示し、Tは難揮発性溶剤単独での透過率値を示す。]
分散剤の難揮発性溶剤との30質量%混合液(測定試料)における透過率T、及び揮発性溶剤単独の透過率Tは、分光光度計により測定できる。
前記ウレタン系分散剤(D1)は、上記条件で測定された濁度が16%以下である。下限値は特になく、濁度の小さいほうが本願発明の効果に優れ好ましい。より好ましくは、13%以下であり、更に好ましくは11%以下であり、特に好ましくは6%以下である。濁度がより低くなるような、難揮発性溶剤(R)とウレタン系分散剤(D1)とを組み合わせることにより、減圧乾燥工程における異物の発生を効果的に抑制することができる。
前記ウレタン系分散剤(D1)は、上述の条件に沿って濁度を測定することにより、市販のウレタン系分散剤の中から適宜選択してもよいし、従来公知の方法により合成して得てもよい。また、ウレタン系分散剤(D1)は、複数種類の組み合わせからなるものでもよい。
ウレタン系分散剤(D1)は、上記条件を充足する限り特に限定されるものではないが、一般には、(i)2つ以上の、好ましくは2から3個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、(ii)ポリオール、ポリチオール、及びポリエステルポリオールからなる群から選ばれる化合物と、を反応させることによって得ることができる。更には必要に応じて(iii)3級アミノ基、又は複素環窒素原子を有するポリオール、ポリチオール、及びアミン類からなる群から選ばれる化合物や(iv)鎖延長剤や(v)鎖停止剤等を共に反応させてもよい。また、例えば前記(i)と前記(ii)とを反応させてウレタンプレポリマー(末端イソシアネート化合物)を得た後、更に前記(ii)或いは(iii)を反応させるという方法であってもよいし、例えば前記(i)と前記(ii)とを未反応のイソシアネート基がなくなるまで反応させ、中間生成物を得た後、前記(ii)と前記中間生成物とを反応させ、更に前記(i)と反応させる方法であってもよい。
また、反応条件としても、従来公知の方法から任意に設定すればよい。一般的には、不活性雰囲気中、好ましくは窒素ガス中において、必要に応じて触媒や溶媒を用いて反応を行えばよい。反応温度は0℃から140℃の範囲であればよく、好ましくは20℃から120℃である。前記触媒としては、ジブチルスズジラウレート、スタナスオクトエート、トリエチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチルアミン、ナフテン酸金属塩等が挙げられる。また、前記溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、酢酸エチレン、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピル、プロピレングリコール、トルエン、キシレン、及びt−ブチルアルコール等を挙げることができる。
また、上記化合物を反応させる際の配合量の範囲としては、前記(D1)の全重量に対し(i)が5質量%以上50質量%以下、(ii)が10質量%以上95質量%以下、(iii)が0質量%以上30質量%以下、(iv)が0質量%以上25質量%以下、(v)が0質量%以上50質量%以下である。また、(i)のイソシアネート(NCO)基と(ii)の水酸基(OH)との当量比(NCO/OH)としては、1.1から10.0であることが好ましく、1.1から5.0であることがより好ましく、1.2から3.0であることが更に好ましい。
前記(i)の化合物としては、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,5−ジイソシアネート−2−メチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,5−ジメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、及び2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンジイソシアネート化合物;trans−1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、及び1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の環状アルキレンジイソシアネート化合物;1,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、トリレン−α,4−ジイソシアネート、トリレン−2,5−ジイソシアネート、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、3,3’−ジメチルフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルフェニルイソシアネート)、m−キシレンジイソシアネート、及びナフタレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族基を有するジイソシアネート化合物等を例示することができる。これらの化合物は、1種又は2種以上の混合物として用いてもよく、特に芳香族基を有するジイソシアネート化合物を1種又は2種以上の混合物として用いることが好ましい。
前記(ii)の化合物において、ポリオールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ポリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、1,2−ドデカンジオール、2−フェニル−1,2−プロパンジオール、1,4−ベンゼンジメタノール、及びネオペンチルグリコール等を挙げることができる。
本発明では、ポリオールとして、ポリアルキレングリコール等のポリエーテルジオール類の化合物を用いてもよいが、用いないほうが好ましい。
ポリチオールとしては、エチレングリコールジチオグリコレート、エチレングリコールジチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールジチオグリコレート、及び1,4−ブタンジオールジチオプロピオネート等のエチレングリコールや1,4−ブタンジオールのようなジオールとカルボキシル基含有メルカプタン類のジエステル;トリメチロールプロパントリチオグリコレート、及びトリメチロールプロパントリチオプロピネート等のトリメチロールプロパンのようなトリオールとカルボキシル基含有メルカプタン類のトリエステル;ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、及びペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のペンタエリスリトールのような水酸基を4個有する化合物とカルボキシル基含有メルカプタン類のポリエステル;ジペンタエリスリトールヘキサキスチオグリコレート、及びジペンタエリスリトールヘキサキスチオプロピオネート等のジペンタエリスリトールのような水酸基を6個有する化合物とカルボキシル基含有メルカプタン類のポリステル化合物;その他水酸基を3個以上有する化合物とカルボキシル基含有メルカプタン類のポリエステル化合物;トリチオグリセリン等のメルカプト基を3個以上有する化合物;2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、及び2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン等のトリアジン多価チオール類;多価エポキシ化合物の複数のエポキシ基に硫化水素を付加させて複数のメルカプト基を導入してなる化合物;並びに多価カルボン酸の複数のカルボキシル基とメルカプトエタノールをエステル化してなるエステル化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。ここで、カルボキシル基含有メルカプタン類とは、チオグリコール類、メルカプトプロピオン酸、及びチオサリチル酸等、1個のメルカプト基と1個のカルボキシル基を有する化合物のことをいう。
ポリエステルポリオールとしては、ヒドロキシカルボン酸と、ヒドロキシ基含有化合物或いはカルボキシル基含有化合物とを反応させてなる化合物が挙げられ、例えば、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、β−ヒドロキシプロパン酸、α−ヒドロキシ酪酸、γ−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシカプロン酸、β−ヒドロキシカプロン酸、γ−ヒドロキシカプロン酸、δ−ヒドロキシカプロン酸、δ−ヒドロキシメチルカプロン酸、ε−ヒドロキシカプロン酸、ε−ヒドロキシメチルカプロン酸、乳酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、4−ヒドロキシデカン酸、及び5−ヒドロキシデカン酸等のヒドロキシカルボン酸や、グリコリド、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、2−メチル−ε−カプロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトン、5−t−ブチル−ε−カプロラクトン、7−メチル−4,4,6−トリメチル−ε−カプロラクトン、4,4,6−トリメチル−ε−カプロラクトン、及びラクチド等の環状エステルから選択すればよい。
これらの化合物は、1種又は2種以上の混合物として用いてもよい。
前記(iii)の化合物において、3級アミノ基、又は複素環窒素原子を有するポリオール、ポリチオール、及びアミン類からなる群から選ばれる化合物において、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等を挙げることができる。
上記ウレタン系分散剤(D1)としては、下記一般式(d−1)で表される各骨格を有する化合物(D11)が好ましく挙げられる。
Figure 0005156442
[式(d−1)中、Q及びQ’は、それぞれ2価の有機基である。A、Bは各骨格の割合を示す。]
式(d−1)中、Q及びQ’は、2価の有機基である。具体的には、置換基を有していてもよい、炭素数1以上20以下の直鎖状、分岐鎖状、環状の炭化水素基であり、該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基でもよい。Qとしては、炭素数1以上20以下の芳香族炭化水素基含有基が好ましく挙げられ、より好ましくは炭素数1以上10以下の場合であり、中でもフェニレン基が好ましい。Q’としては、炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基が好ましく、中でも、直鎖状で炭素数1以上15以下のアルキレン基が好ましい。
また、式(d−1)中、A、Bは各骨格の割合(モル比)を示す。好ましい範囲は、A:B=1:99から99:1であり、より好ましくは1:99から20:80であり、更に好ましくは2:98から10:90である。A、Bが上記範囲内であれば、式(d−1)で表される各骨格を有する化合物(D11)は、複数種類の骨格(Q及び/又はQ’が異なるもの)を含んでいてもよく、本願発明の実施形態においてはQ及び/又はQ’が異なる連結基を有する形で存在することが好ましい。
また、化合物(D11)全体を100とした場合の、式(d−1)で表される骨格の割合(モル比)は70以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましく、90以上であることが更に好ましい。
上記化合物(D11)のうち、下記一般式(d−2)で表される各骨格を有する化合物(D12)が好ましく挙げられる。
Figure 0005156442
[式(d−2)中、Phは置換基を有していてもよいフェニレン基を示す。xは0以上10以下である。A、Bは各骨格の割合を示し、A:B=1:99から99:1である。]
式(d−2)中、Phは置換基を有していてもよいフェニレン基を示す。xは0以上10以下であり、好ましくは0以上8以下、より好ましくは0以上6以下である。
Phを有する骨格としては具体的には以下の例が好ましく挙げられる。
Figure 0005156442
Figure 0005156442
また、式(d−2)中、A、Bは上記(d−1)における場合と同様である。A及びBが上記範囲内であれば、式(d−2)の骨格を有する化合物(D12)は、複数種類の骨格(Ph及び/又はxが異なるもの)を含んでいてもよく、本願発明の実施形態においてはPh及び/又はxが異なる置換基及び/又は連結基を有する形で存在することが好ましい。xが異なるものを含む場合、xの平均値は、好ましくは0以上6以下、より好ましくは0以上3以下である。
また、化合物(D12)全体を100とした場合の、式(d−2)で表される骨格の割合(モル比)は、70以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましく、90以上であることが更に好ましい。前記化合物(D12)は、末端の残基を除いて上記一般式(d−2)で表される各骨格からなることが特に好ましい。
また、前記化合物(D11)は、本願発明の効果を損なわない範囲で下記一般式(d−3)で表される骨格(d−3)を含有していてもよい。
Figure 0005156442
[式(d−3)中、Q’’は2価の有機基である。]
式(d−3)中、Q’’は2価の有機基であり、具体的にはQ又はQ’の場合と同様である。Q’’として、好ましくは、炭素数1以上30以下の脂肪族炭化水素基であり、中でも、直鎖状で炭素数1以上25以下のアルキレン基が好ましい。
前記化合物(D11)が式(d−3)で表される骨格を含有する場合には、式(d−1)にある骨格に対する比(モル比)が、(d−1):(d−3)=99:1から85:15の範囲となることが好ましく、99:1から90:10の範囲となることがより好ましく、99:1から95:5の範囲であることが更に好ましい。上記範囲内においては、骨格(d−3)は、複数種類のQ’’を含むものであってもよい。
前記骨格(d−3)は、好ましくは、下記一般式(d−3’)で表される骨格(d−3’)である。
Figure 0005156442
[式(d−3’)中、yは0以上20以下である。]
式(d−3’)中、yは0以上20以下であり、好ましくは0以上15以下、より好ましくは1以上10以下である。また、前記化合物(D11)が骨格(d−3’)を含有する場合、その含有割合の好ましい範囲は上記骨格(d−3)における場合と同様である。上記範囲内であれば、式(d−3’)で表される骨格(d−3’)は、複数種類の骨格(yが異なるもの)を含んでいてもよい。yが異なるものを含む場合、yの平均値は、好ましくは0以上15以下、より好ましくは1以上10以下である。また、化合物(D11)全体を100とした場合の、式(d−1)と(d−3)で表される各骨格の割合(モル比)の総和は、70以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましく、90以上であることが更に好ましい。
本発明においては、前記化合物(D11)は、前記式(d−3)及び(d−3’)で表される骨格を含有しないことが好ましい。
前記化合物(D11)の質量平均分子量(Mw)は、1000以上100000以下であることが好ましく、2000以上50000以下であることが更に好ましい。
また、本発明で用いられる分散剤(D)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記ウレタン系分散剤(D1)以外の他の分散剤を含んでいてもよい。分散剤(D)における前記ウレタン系分散剤(D1)の割合は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上であり、もっとも好ましくは100質量%である。
本発明の着色感光性樹脂組成物において使用される分散剤(D)の添加量は、本発明の着色感光性樹脂組成物に用いられる着色剤の種類や含有量に応じて、適宜設定することが好ましい。着色感光性樹脂組成物中における分散剤の含有量は、着色感光性樹脂組成物の全量に対し、0.5質量%以上40質量%以下であることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。分散剤の含有量を上記範囲内とすることにより、着色剤の分散性を良好に保ちつつ、着色感光性樹脂組成物の感光性の低下を防止することができる。
また、着色感光性樹脂組成物の固形分を100とした場合の、分散剤(D)の含有率に対する着色剤の含有率は、1.5倍以上25倍以下となることが好ましく、2倍以上20倍以下となることがより好ましく、2.5倍以上15倍以下となることが更に好ましい。分散剤の含有率に対する着色剤の含有率を上記範囲内とすることにより、添加された分散剤の、着色感光性樹脂組成物中における分散性を良好に保つことができると共に、着色感光性樹脂組成物の良好な感光性が得られる。
[(S)溶剤]
本発明における(S)溶剤は、少なくとも1種の(R)難揮発性溶剤を含有する。
((R)難揮発性溶剤)
(R)難揮発性溶剤は、沸点が180℃以上250℃以下である。また、難揮発性溶剤の溶解パラメーターは8.7(cal/cm1/2以上であることが好ましい。難揮発性溶剤の溶解パラメーターが8.7(cal/cm1/2以上であることにより、減圧乾燥時の異物の発生を防止することができる。また、難揮発性溶剤は、溶解パラメーターが11(cal/cm1/2以下であることがより好ましい。溶解パラメーターが11(cal/cm1/2以下であることにより、難揮発性溶剤と着色感光性樹脂組成物に含まれる固形成分との相溶性が保たれ、異物の発生をより抑制することができる。
難揮発性溶剤は、大気圧下における沸点が、180℃以上250℃以下であり、190℃以上240℃以下であることが好ましい。上記沸点が180℃以上であることにより、減圧乾燥後の塗膜の表面荒れや乾燥ムラを防止できる。また、上記難揮発性溶剤は、沸点が250℃以下であることにより、着色感光性樹脂組成物のパターン形成後のポストベークにおいて容易に除去される。したがって、本発明の着色感光性樹脂組成物から形成されるカラーフィルターにおける溶剤の残留を防止できる。
難揮発性溶剤は、100℃における重量変化率が、10TG%以下であることが好ましい。難揮発性溶剤の重量変化率を10TG%以下にすることにより、本発明の着色感光性樹脂組成物から形成された塗膜における減圧乾燥後の異物の発生を、より一層防止できる。また、乾燥後の塗膜における表面荒れや乾燥ムラを防止することもできる。上記重量変化率は、1TG%以上9TG%以下であることがより好ましい。
ここで、「100℃における重量変化率」とは、単位時間当たりの溶剤の重量変化を指す。本明細書においては、100℃に保温した熱天秤に溶剤を添加し、大気中において、溶剤の重量の変化量を求めることにより、測定されたものである。
難揮発性溶剤の含有量は、溶剤の全量に対し、0.1質量%以上であることが好ましい。難揮発性溶剤の含有量が0.1質量%以上であることにより、着色感光性樹脂組成物から形成される塗膜における、異物の発生をより抑えることができると共に、表面荒れや乾燥ムラをも防止することができる。また、難揮発性溶剤の含有量は、溶剤の全量に対して10質量%以下であることが好ましい。難揮発性溶剤の含有量が10質量%以下であることにより、着色感光性樹脂組成物の塗布性や膜形成能を良好に保つことができると共に、難揮発性溶剤のポストベーク時の除去を容易にし、形成されるカラーフィルターに溶剤が残留することを防止できる。上記含有量は、1質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上7質量%以下であることが更に好ましい。
難揮発性溶剤としては、具体的には、ガンマブチロラクトン(GBL)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(1,3−BGA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(EDGAC)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BDGAC)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)、又はプロピレングリコールジアセテート(PGDA)を挙げることができる。これらの中でも、1,3−BGA、EDGAC、BDGAC、DPMA、及びPGDAが好ましく、1,3−BGA、及びBDGACがより好ましい。
溶剤は、上記難揮発性溶剤以外の溶剤(その他の溶剤)を含有していてもよい。その他の溶剤としては、特に限定されるものではなく、着色感光性樹脂組成物に通常用いられる溶剤を用いることができる。その他の溶剤として、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、及びテトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、及び3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、及び2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、及び2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素類;並びにN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの中でも、3−メトキシブチルアセテートは光重合性化合物、光重合開始剤に対して優れた溶解性を示すと共に、着色剤等の不溶性成分の分散性を良好にするところから好適である。また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びシクロヘキサノンも好ましい。その他の溶剤の組み合わせとしては、3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びシクロヘキサノンの3種を含むことが好ましい。
なお、本発明の着色感光性樹脂組成物における溶剤は、固形分の濃度が1質量%以上50質量%以下となる量であることが好ましく、5質量%以上30質量%以下となる量であることがより好ましい。溶剤の量が上記範囲内にあることにより、着色感光性樹脂組成物における膜形成能や塗布性を良好に保つことができる。
[その他の成分]
本発明の着色感光性樹脂組成物には、必要に応じて添加剤を含有させることができる。添加剤としては、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散剤、分散助剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び凝集防止剤等を挙げることができる。
[着色感光性樹脂組成物の調製方法]
本発明の着色感光性樹脂組成物は、上記各成分を全て撹拌機で混合することにより得られる。なお、得られた混合物が均一なものとなるようフィルターを用いて濾過してもよい。
<カラーフィルター>
カラーフィルターは、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いて形成される。即ち、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、及びポリカーボネート等からなる基板に、黒色の着色剤が分散された着色感光性樹脂組成物をロールコータ、リバースコーター、及びバーコーター等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、スリットコーター、及びカーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて基板上に塗布する。
次いで、塗布された着色感光性樹脂組成物を乾燥させて塗膜を形成する。乾燥方法は特に限定されないが、例えば、真空乾燥装置を用いて室温にて減圧乾燥し、その後、ホットプレートにて80℃以上120℃以下、好ましくは90℃以上100℃以下の温度にて60秒間以上120秒間以下乾燥する方法を挙げることができる。
次いで、この塗膜に、ネガ型のマスクを介して紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して部分的に露光する。照射するエネルギー線量は、着色感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば30mJ/cm以上2000mJ/cm以下であることが好ましい。
次いで、露光後の塗膜を、現像液により現像することによって所望の形状にパターニングする。現像方法は特に限定されず、例えば浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、及び4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。
次いで、現像後のパターンを220℃から250℃程度でポストベークを行う。この際、形成されたパターンを全面露光することが好ましい。以上により、所定のパターン形状を有するブラックマトリックスを形成することができる。
以上の操作を、赤色、緑色、及び青色の顔料が分散された着色感光性樹脂組成物について行って、各色の画素パターンを形成する。これにより、カラーフィルターが形成される。
なお、本発明のカラーフィルターの製造にあたっては、ブラックマトリックスによって区画された各領域に赤色、緑色、及び青色の各色のインクをインクジェットノズルから吐出し、溜められたインクを熱又は光で硬化させ、カラーフィルターを製造することもできる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、基板上に塗布後、真空乾燥装置を用いた減圧乾燥を行う際においても、着色剤の分散性を良好に保つことができる。したがって、減圧乾燥後における異物の発生を防止することができる。
<液晶表示ディスプレイ>
本発明の液晶表示ディスプレイは、本発明のカラーフィルターを備えるものである。本発明の液晶表示ディスプレイを製造するに当たっては、基板上に、上記カラーフィルターを形成し、次いで、電極、スペーサー等を順次形成する。そして、もう一枚の基板上に電極等を形成し、両者を張り合わせて所定量の液晶を注入、封止して、常法により製造される。
[(D)分散剤について]
分散剤1から4・・・下記式(5)で表される各骨格を有するランダム共重合体を公知の方法によって得た。各分散剤のx、y、A、B、Cの値については、表1に示す。
Figure 0005156442
Figure 0005156442
表1に示すx及びyの値は平均値である。A、B、Cは各骨格のモル比である。
[分散剤1から4の濁度について]
表2に挙げる溶剤に対する、分散剤1から4の濁度を測定した。なお、各溶剤の大気圧下における沸点、100℃における重量変化率、及び溶解パラメーターの値を表2に示す。また、表2での重量変化率は、100℃に保温した熱天秤(「TG/DTA6200」、SIIナノテクノロジー社製)を溶剤に添加し、大気圧下において溶剤の重量の変化を求めることにより測定した。
Figure 0005156442
[濁度の評価方法]
表2の溶剤に、分散剤を30質量%となるように混合し、分光光度計「UV−3600(装置名)」(島津製作所社製)により、400nmにおける濁度を測定した。また、表2には、本発明で用いられる(R)難揮発性溶剤の要件に該当しない溶剤もあるが、参考のため濁度を測定した。濁度の算出にあたっては、下記式(1)を用いた。結果を表3に示す。
Figure 0005156442
[式(1)中、Tは測定試料の透過率値を示し、Tは表2の溶剤単独での透過率値を示す。]
Figure 0005156442
<実施例1から実施例4、及び比較例1から28>
[(A)光重合性化合物の合成]
まず、500mlの四つ口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂235g(エポキシ当量235)とテトラメチルアンモニウムクロライド110mg、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール100mg、及びアクリル酸72.0gを仕込み、これに25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90℃から100℃で加熱溶解した。次に、溶液が白濁した状態のまま徐々に昇温し、120℃に加熱して完全に溶解させた。ここで溶液は次第に透明粘稠になったが、そのまま撹拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱撹拌を続けた。酸価が目標に達するまで12時間を要した。そして室温まで冷却し、ビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートを得た。
次いで、このようにして得られた上記のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート307.0gに3−メトキシブチルアセテート600gを加えて溶解した後、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物80.5g、及び臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温して110℃から115℃で4時間反応させた。酸無水物の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合し、90℃で6時間反応させ、光重合性化合物1を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。質量平均分子量は3400だった。
[着色感光性樹脂組成物の調製]
次の(A)、(B)、(C)、(D)成分を、(S)成分により調製した;
((A)成分)
・13.0質量部の光重合性化合物1に10.6質量部の3−メトキシブチルアセテートを加えた光重合性化合物の調製液
・4.8質量部のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
((B)成分)
・1.4質量部の光重合開始剤(「IRGACURE OXE 02」、チバスペシャルティケミカルズ社製)
((C)及び(D)成分)
・24.0質量部のカーボンブラック(高抵抗カーボン)と、5質量部の上記分散剤1に71.0質量部の3−メトキシブチルアセテートを加えたカーボン分散液
に対し、以下に示す本発明の(S)成分を138質量部加えて調製し、着色感光性樹脂組成物1(固形分濃度18質量%)を得た。
((S)成分)
・MA、AN、PGMEA、及び[表2に挙げた溶剤]からなる混合溶剤。質量比は、MA/AN/PGMEA/[表2に挙げた溶剤]=65/15/15/5。
着色感光性樹脂組成物1において(S)成分は、MA/AN/PGMEA/1,3−BGA=65/15/15/5とした。
着色感光性樹脂組成物2から32の調製については、上記分散剤と(S)成分の組み合わせを表4のように変えた他は着色感光性樹脂組成物1と同様に行った。
[塗膜の形成]
上記で得られた着色感光性樹脂組成物1から32を、680mm×880mmのガラス基板上に塗布した後、60Paで30秒間減圧乾燥し、次いで110℃で120秒間プリベークして約1.0μmの膜厚を有する塗膜を得た。また、異物及び表面荒れの評価を行った。
[異物の評価]
「AOI」(TAKANO社製)を用いて、塗膜表面の欠陥を検査し、欠陥数を測定した。結果を表4に示す。
[表面荒れの評価]
着色感光性樹脂組成物1から4による塗膜に対し、原子間力顕微鏡(「AFM」、SIIナノテクノロジー社製)を用いて表面荒れ(Ra)を評価した。結果を表4に示す。なお、着色感光性樹脂組成物5から32については、異物が多すぎるため評価するまでもなかった。
Figure 0005156442
表4から分かるように、難揮発性溶剤(R)に溶解したときの濁度が16%以下となる分散剤を添加した実施例1から14では、塗膜における異物の発生が少なく、更に表面荒れも15nm以下で良好であることが分かった。一方の比較例1から28では、測定値の限界を超える2000以上もの異物が発生していることが分かった。

Claims (8)

  1. (A)光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)着色剤、(D)分散剤、及び(S)溶剤を含有する着色感光性樹脂組成物であって、
    前記(S)溶剤は、沸点が180℃以上250℃以下である少なくとも一種の(R)難揮発性溶剤を含有し、
    前記(D)分散剤は、30質量%となるように難揮発性溶剤中に混合させたとき、下記式(1)で表される濁度が400nmにおいて16%以下のウレタン系分散剤(D1)を含有する着色感光性樹脂組成物。
    Figure 0005156442
    [式(1)中、Tは測定試料の透過率値を示し、Tは難揮発性溶剤単独での透過率値を示す。]
  2. 前記(R)難揮発性溶剤の100℃における重量変化率が10TG%以下である請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
  3. 前記(R)難揮発性溶剤の溶解パラメーターが8.7(cal/cm1/2以上である請求項1又は2記載の着色感光性樹脂組成物。
  4. 前記(R)難揮発性溶剤の含有量が、前記(S)溶剤の全量に対して0.1質量%以上である請求項1から3のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
  5. 前記(R)難揮発性溶剤が、ガンマブチロラクトン(GBL)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(1,3−BGA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(EDGAC)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BDGAC)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)、又はプロピレングリコールジアセテート(PGDA)である請求項1から4のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
  6. 前記(C)着色剤が、黒色顔料を含有する請求項1から5のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターンを有するカラーフィルター。
  8. 請求項7に記載のカラーフィルターを有する液晶表示ディスプレイ。
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