JP5155249B2 - センサ - Google Patents
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図9に示すように、これらの(ガス)センサ200は、特定ガスの濃度検出を行うセンサ素子10を主体金具2に保持し、センサ素子10の後端側の表面に配置された電極取出部(電極パッド)10eを筒状のセラミック製セパレータ7で囲んでいる。このセパレータ7はセンサ素子10の挿通孔を有し、この挿通孔に連通して複数の端子金具60、61をそれぞれ収容する空孔が設けられている。そして、それぞれ仕切られた空孔に各端子金具60、61が絶縁を確保して取付けられ、端子金具60、61がセンサ素子10の各電極パッド10eにそれぞれ電気的に接続されている。さらに、セパレータ7よりも後端側には、後部セパレータ8、ゴム製のグロメット5がそれぞれ配置されており、セパレータ7、後部セパレータ8、グロメット5が金属製の外筒9に覆われている。
セパレータ7内の端子金具60、61から後端に突出する圧着部65、66は加締められてそれぞれリード線68、69に接続され、圧着部65、66は後部セパレータ8のそれぞれ別個の貫通孔に収容されて絶縁が確保される。さらに、後部セパレータ8から引き出された各リード線68、69を、グロメット5のそれぞれ別個の貫通孔に通して外部に引き出す。
最後に外筒9の後端側を加締めることにより、グロメット5がセパレータ7に向かって押圧され、グロメット5と保持金具9bとの間でセパレータ7が保持される。なお、外筒9は主体金具2後端側に加締め接合、レーザ接合等により接続される。
そこで、本発明は、センサ素子の電極取出部を囲むセパレータを長期間にわたって安定して確実に保持することができるセンサの提供を目的とする。
このようにすると、セパレータを先後方向にそれぞれ第1係止具と第2係止具とによって挟むようにして保持するため、セパレータを長期間にわたって安定して確実に外筒内に保持することができる。従って、例えば、ゴム等の弾性体からなるグロメットが経年変化して弾力が低下し、セパレータを上から押す圧力が弱まっても、セパレータの保持力が低下せず、セパレータが後端側に動いて電極取出部と外部端子との電気的接続に影響を与えることがない。
このようにすると、1つの金属素材から第1係止具と第2係止具を一度に作製することができ、生産性の向上や部品点数の低減が図られる。
このようにすると、センサ素子の電極取出部に接触する端子の形状が複雑であっても、2つのセパレータ内の貫通孔に容易に収容でき、それぞれの端子の絶縁が確保される。その上、先端側セパレータに先端向き面を設け、且つ後端側セパレータに、後端向き面を設けることで、先端側セパレータ及び後端側セパレータの両方を第1係止具と第2係止具とによって挟むようにして保持するため、先端側セパレータ及び後端側セパレータの両方を長期間にわたって安定して確実に外筒内に保持することができる。
このようにすると、後端向き面や先端向き面を容易に形成することができ、第1係止具や第2係止具を鍔部に容易かつ確実に係止することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るセンサ(NOxセンサ)1の先後方向に沿う断面図を示す。なお、図1の下側(センサ素子10の検出部10aが位置する側)を「先端側」と称し、上側(センサ素子10の電極取出部(電極パッド)10eが位置する側)を「後端側」と称する。
センサ1は、センサ素子10を組み付けたアッセンブリである。センサ1は、先後方向(図1の上下方向)に延びる板状のセンサ素子10と、自動車エンジンの排気管に固定される主体金具2とを備えている。主体金具2は略円筒状をなし、排気管に固定されるためのねじ部24が外表面に形成される一方、内孔25を有し、内孔25から径方向内側に突出する棚部2pを先端側に有している。そして、主体金具2はセンサ素子10を内孔25内に収容すると共に、センサ素子10の先端側に設けられた検出部10aと後端側に設けられた電極パッド10eをそれぞれ主体金具2から突出させた状態で、センサ素子10を保持している。また、主体金具2の内周面とセンサ素子10の外周面との間には、センサ素子10の外周面を囲む環状セラミック製の保持部材21、粉末充填材(滑石リング)22、23、およびセラミック製のスリーブ30がこの順に検出部10a側から積層されている。そして、主体金具2の後端部2aを加締めてスリーブ30を先端側に押し付けることにより、保持部材21が棚部2pに係止されつつ滑石リング22,23が押し潰れて内孔25内に充填され、センサ素子10が主体金具2内の所定位置にしっかりと固定される。滑石リング22,23としては、滑石(セラミック粉末)、ガラス(ケイ酸ガラスまたはケイ酸塩ガラス等のケイ酸化合物)を挙げることができる。又、保持部材21やスリーブ30の内面と外面に上記滑石やガラス等を配してもよい。
なお、保持部材21及び滑石リング22は金属カップ20を介して主体金具2の内孔25内に収容されている。
なお、この例ではセンサ素子10は、酸素ポンプセルやNOx検知セル等を有するNOxセンサ素子であるが、NOxセンサ素子の構成は公知のものを用いることができる。つまり、酸素ポンプセルやNOx検知セルは、それぞれ固体電解質層表面に一対の電極を配置した構成になっていて、又、セルを活性化させるためのヒータや、固体電解質層を保護するための絶縁層(アルミナ等)が積層されている。
セパレータ70の後端には、セラミック製の後部セパレータ80、ゴム製のグロメット5がこの順で同軸に積層され、全体が金属製の外筒90に覆われている。外筒90の先後方向中央付近には、セパレータ70を保持する第2保持金具(第2係止具)90bが加締め固定されている。後述するように、保持金具90bは金属製で略円筒状をなし、その後端縁から内面に向かって折り返した長片90sを複数(この例では6個)有している。又、外筒90の後端側にも、同様にセパレータ70を保持する第1保持金具(第1係止具)90aが加締め固定されている。後述するように、保持金具90aも金属製で略円筒状をなし、その先端縁から内面に向かって折り返した長片90tを複数(この例では6個)有している。
さらに、外筒90の後端側が加締められ、グロメット5が外筒90内に保持されている。このようにして内部にセパレータ70、後部セパレータ80、グロメット5を保持した外筒90は、主体金具2の後端側に嵌合され、嵌合部を全周溶接して両者が接続される。
図2に示すように、セパレータ70は、先端側に本体部70cが設けられると共に、後端側には、本体部70cから拡径するように突出する鍔部70dが設けられている。なお、本体部70cと鍔部70dとは、先端に向かって縮径する先端向き面70b(テーパー面)により繋がっている。又、セパレータ70の後端面は中心が段状に凹み、段部から外周縁までが環状の***部70eを形成している。この中心凹部には、後部セパレータ80が嵌合される。また、上記***部70eの後端面が後端向き面70aを形成している。なお、セパレータ70の***部70eは、鍔部70dの一部である。
そして、空孔71hに短冊状の端子金具60が嵌装され、空孔72hに短冊状の端子金具61が嵌装され、空孔71hと空孔72hの間の仕切り壁によって個々の端子金具60、61の絶縁が図られている。各端子金具60、61は先端で内側に折り返され、折り返し部分がセンサ素子10の各電極パッド10eに対向するようになっている。一方、各端子金具60、61の後端側はセパレータ70の後端から突出する圧着部65、66になっている。
なお、3つの電極パッドのうち、1つの電極パッド10e1はセンサ素子10の中心線上に位置すると共に、他の2つの電極パッド10e2より後端側に位置している。又、他の2つの電極パッド10e2はこの中心線から両端に離れて位置している。そして、電極パッド10e1は端子金具60に接続され、2つの電極パッド10e2は2つの端子金具61にそれぞれ接続されている。このため、端子金具60の折り返し部分は端子金具61の折り返し部分より後端側に配置し、端子金具60が電極パッド10e1に対向するようにしている。
なお、第1の実施形態においては、第1係止具90aと第2係止具90bとによって挟まれて保持されるセパレータ(第1の実施形態においてはセパレータ70)が特許請求の範囲の「セパレータ」に相当し、各係止具90a、90bで挟持されない後部セパレータ80はこれに該当しない。
まず、予めセパレータ70、後部セパレータ80、グロメット5に端子金具60、61及びリード線68、69を挿通する。なお、セパレータ70の外周に、第2係止具90bを配置し、第2係止具90bをセパレータ70の先端向き面70bに当接させておく。また、後部セパレータ80の外周に、第1係止具90aを配置し、第1係止具90aをセパレータ70の後端向き面70aに当接させておく。そして、外筒90を、セパレータ70、後部セパレータ80、第1係止具90a、第2係止具90b、グロメット5を覆うように被せる(図3(a))。なお、グロメット5の鍔部を外筒90の段部に当接するように被せる。次に、セパレータ70の先端向き面70bを第2係止具90bに当接させつつ、第2係止具90bに対応する外筒90の位置Aを径方向内側に加締めることで、セパレータ70を第2係止具90bにより係止させる(図3(b))。
その後、グロメット5に対応する外筒90の後端側の位置Bを径方向内側に加締めると、グロメット5がセパレータ70に向かって後部セパレータ80を押圧し、後部セパレータ80が外筒90内に固定される(図3(c))。
次に、第1係止具90aに対応する外筒90の位置Cを径方向内側に加締めると、第1係止具90aが上からセパレータ70の後端向き面70aに当接し、これによりセパレータ70が第1係止具90aと第2係止具90bとで上下から挟まれて外筒90内に保持される(図3(d))。
図4において、センサ素子10の後端側の電極パッド10eは、円筒状のセラミック製セパレータ(以下、「先端側セパレータ」という)71で囲まれている。先端側セパレータ71はセパレータ70と同様にセンサ素子10の挿通孔を有すると共に、この挿通孔に連通して複数の端子金具60、61をそれぞれ収容する空孔を有している。そして、それぞれ仕切られた空孔に複数の端子金具60、61が絶縁を確保して取付けられ、端子金具60、61がセンサ素子10の各電極パッド10eにそれぞれ電気的に接続されている。
さらに、外筒91の後端側が加締められ、グロメット5が先端側セパレータ71に向かって押圧されている。このようにして内部に先端側セパレータ71、後端側セパレータ81、グロメット5を保持した外筒91が、主体金具2の後端側に嵌合され、嵌合部を全周溶接して両者が接続される。なお、保持金具91aを外筒91に固定するため、予め外筒91の軸方向中央付近が加締められ、この加締め部付近で外筒91の内面がわずかに先端側セパレータ71に接することがあるしているが、この部分で外筒91と先端側セパレータ71が固定されているわけではない。従って、このように単に両者が接していて固定されていない場合も含め、「外筒とセパレータとが離間している」という。
そして、先端向き面71bに長片91sの折り返した先端が係止され、後端向き面81aに長片91tの先端が係止され、先端側セパレータ71と後端側セパレータ81の両者が保持金具91aによって先後方向に挟まれて保持される。
まず、予め先端側セパレータ71、後端側セパレータ81、グロメット5に端子金具60、61及びリード線68、69を挿通する。その後、保持金具91aの後端側から先端側に向かって先端側セパレータ71、後端側セパレータ81、グロメット5を挿入する。この際、先端側セパレータ71及び後端側セパレータ81が保持金具91aの長片91tを先端側へ押し下げることになる。
さらに、このとき、先端側へ押し下げられた保持金具91aの長片91tが後端向き面81aを通過すると、この後端向き面81aに沿って長片91tが弾性力でもとの位置(外筒91の内側へ向かって張り出した位置)へ戻り、長片91tの先端が後端向き面81aに当接して後端側セパレータ81を保持する。
次に、外筒91の先端部を、センサ素子1を保持した主体金具2の後端側に嵌合し、嵌合部を溶接する(なお、センサ素子1及び主体金具2等は図示せず)。
その後、グロメット5に対応する外筒91の後端側の位置Eを径方向内側に加締めると、グロメット5が先端側セパレータ71に向かって後端側セパレータ81を押圧する(図6(d))。
同様に、筒状の後端側セパレータ82の後端面から先端に向かい、後端側セパレータ82の側壁に沿って2つの溝が削られ、この溝は後端側セパレータ82の先後方向の所定深さまで削られている。そして、溝の底面82aが後端側セパレータ82の後端側に向いており、この底面82aが後端向き面82aになっている。
そして、後端向き面82a及び先端向き面72bに、所定の第1係止具と第2係止具とをそれぞれ係止させることで、先端側セパレータ72及び後端側セパレータ82が上下から挟まれて外筒90内に保持されることになる。
なお、図7の例では、後端向き面82a自体及び先端向き面72b自体は、後端側セパレータ82や先端側セパレータ72の外周から径方向に突出した鍔部70d、71d、81dに設けられていないが、後端向き面82a及び先端向き面72bを形成することができる。
まず、予め先端側セパレータ71、後端側セパレータ81、グロメット5に端子金具60、61及びリード線68、69を挿通する。その後、第2係止具93bを先端側セパレータ71の先端側から挿入し、先端側セパレータ71の先端向き面71bに第2係止具93bの長片93sを当接させる。(図8(a))。
その後は、第2の実施形態と同様に、外筒93を、先端側セパレータ71、後端側セパレータ81、グロメット5等を覆うように被せ、加締めることで、外筒93内に、先端側セパレータ71及び後端側セパレータ81が保持されることなる(図6(b)〜(d)と同様)。
図8の例でセンサの完成品を見ると、第1係止具93aと第2係止具93bが溶接によって一体になっているが、上記したように、センサ製造時には第1係止具93aと第2係止具93bとが別体になっている。従って、本発明において「第1係止具と第2係止具とが一体である」とは、第1係止具と第2係止具とが一体形成されたものであるとする。
例えば、セパレータ70、71、72、セパレータ80、81、82、先端向き面70b、71b、72b、後端向き面70a、71a、72a、第1係止具90a、93a、及び第2係止具90b、93b、保持金具91aの形状等は上記実施形態に限定されない。又、例えば、第2の実施形態において、保持金具91aを第1の実施形態の第1係止具90a及び第2係止具90bと変えてもよい。
又、センサとしては、NOxセンサの他、O2、HC、H2等のガス濃度を測定するためのガスセンサや、温度測定用のサーミスタをセンサ素子先端に設けた温度センサ(サーミスタセンサ)に適用することもできる。
又、センサ素子の電極取出部としては、上記した電極パッドに限られず、例えばサーミスタセンサのセンサ素子後端から突出するリード線であってもよい。この場合、セパレータは単に各リード線を別個に収容する貫通孔を設けたものであればよく、上記した端子金具等が取り付けられている必要はない。
2 主体金具
10 センサ素子
10a 検出部
10e 電極取出部(電極パッド)
70、71、72、81、82 セパレータ
71、72 先端側セパレータ
81、82 後端側セパレータ
70a、81a、82a 後端向き面
70b、71b、72b 先端向き面
70d、71d、81d 鍔部
90、91、93 外筒
90a、93a 第1係止具
90b、93b 第2係止具
91a 保持金具(第1係止具及び第2係止具とが一体化したもの)
Claims (4)
- 先端側に検出部を有すると共に、後端側に電極取出部を有するセンサ素子と、前記センサ素子の外周面を囲む筒状の主体金具と、前記センサ素子が挿通されて前記センサ素子の前記電極取出部よりも先端側で前記主体金具の内側にて保持されると共に、後端向き面が表出するスリーブと、後端向き面とこれより先端側の先端向き面とを有し、前記センサ素子の前記電極取出部を囲むと共に前記主体金具と離間する筒状のセパレータと、前記セパレータと離間しつつこれを覆い前記主体金具に接続される筒状の外筒と、前記外筒に固定され前記後端向き面に弾性的に係止される金属製の第1係止具と、前記外筒に固定され前記先端向き面に弾性的に係止される金属製の第2係止具と、を備えたセンサであって、
前記セパレータの先端向き面が前記スリーブの後端向き面と離間しているセンサ。 - 前記第1係止具と前記第2係止具とが一体の保持金具をなす請求項1記載のセンサ。
- 前記セパレータは、先端側に配置される先端側セパレータと該先端側セパレータよりも後端側に配置される後端側セパレータとからなり、前記先端側セパレータには、前記先端向き面が設けられており、前記後端側セパレータには、前記後端向き面が設けられている請求項1又は2記載のセンサ。
- 前記第1係止具と前記第2係止具との少なくとも一方が、前記セパレータの本体部から径方向に突出する鍔部に設けられた前記後端向き面、又は/及び前記先端向き面に係止される請求項1ないし3のいずれかに記載のセンサ。
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