JP5151151B2 - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents

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本発明は、水処理装置及び水処理方法に関する。
例えば、水性塗料、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称する場合がある)等の製造工場における水系分散体の製造工程では、着色剤分散液等を含有する水が発生する。これらの水には、着色剤成分である顔料、染料の他に、顔料等の分散性を上げるために界面活性剤等の分散剤等が含まれているため、固形分濃度とともに化学的酸素要求量が大きく、このままの状態で河川や下水道等に排出することはできない。このため、これらの水は、工場内の水処理施設にて処理された後に再利用されたり、外部に排出される。
特に、近年、電子写真用トナーの製造方法として、従来の混練粉砕法に代わり、乳化重合法によるトナーを始め、懸濁重合法、溶解懸濁法などの各種化学的トナー製法が開発され、実施されている。例えば乳化重合法では、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された樹脂分散液と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を界面活性剤の存在下、水系溶媒中で撹拌・混合しながら、凝集、加熱融合させ、所定の粒径、粒度分布、形状、構造を有する着色樹脂粒子であるトナー粒子を作製するが、この過程で界面活性剤水溶液や、着色剤分散液、離型剤分散液、エマルション水溶液、装置洗浄水等、固形分を含有する水が発生する。
通常、一般の水処理としては、凝集沈殿処理が利用される場合が多い。凝集沈殿処理とは、五訂公害防止の技術と法規水質編(通商産業省環境立地局監修、平成13年発行)141〜153ページに記載されているように、水処理の分野において最も一般的に用いられている固液分離操作であり、広く用いられている。凝集沈殿処理は、原水に凝集剤を添加することによりフロック(凝集により生じた粗大粒子)を生じさせ、水とフロックとの比重差により、フロックを沈殿させ固液分離を行う処理方法である。こうして固体として分離されたフロックは、産業廃棄物の汚泥として処理され、固体を分離した水は、化学的酸素要求量が低減し、再利用されたり、河川や下水道等へ排出されている。
着色剤を含む水の処理方法としては、例えば特許文献1には、着色水の脱色処理において、原水もしくは処理水の着色度等の性状を流量計、色度計及びpH計により検知して電気信号に変換し、演算処理することによって原水流量と反応槽内へのpH調整剤、塩素系酸化剤等の薬品注入量を制御する着色廃水の脱色処理装置が記載されている。
また、特許文献2には、酸化剤による脱色工程で脱色された洗浄水の吸光度が、400nmから800nmの領域において所定の値を満たすように、インクジェット記録装置に用いられるインクカートリッジを洗浄する方法が記載されている。
また、特許文献3には、畜産系産業排水の有機物による着色を脱色する脱色剤(次亜塩素酸)を添加するとともに、畜産系産業排水に黄褐色系色素の検出に有効な波長の光を照射し、その吸光光量を検出し吸光光度の検出値に基づいて脱色剤の量を制御する畜産系産業排水の連続脱色方法が記載されている。
特開平7−299472号公報 特開2002−79689号公報 特開2003−1278号公報
本発明は、少なくとも界面活性剤及び着色剤を含む被処理水の処理において、凝集剤使用量と汚泥の発生量を削減することができる水処理装置及び水処理方法である。
また、本発明は、少なくとも界面活性剤及び着色剤を含む被処理水について、370nm〜410nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度を測定する吸光度測定工程を含み、前記測定した吸光度が白金コバルト色度標準による色度0〜50の範囲になるように、前記処理水の処理方法を調整する水処理方法である。
また、前記水処理方法において、前記吸光度測定工程においてさらに、前記被処理水について630nm〜690nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度を測定することが好ましい。
また、前記水処理方法において、前記被処理水について濁度を測定する濁度測定工程を含み、前記測定した吸光度及び濁度に基づいて前記処理水の処理方法を調整することが好ましい。
また、前記水処理方法において、630nm〜690nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおいて測定した前記濁度がポリスチレン濁度標準による濁度0〜20の範囲になるように、前記処理水の処理方法を調整することが好ましい。
本発明の請求項によると、少なくとも界面活性剤及び着色剤を含む被処理水を処理する水処理方法において、本構成を有していない場合に比較して凝集剤使用量と汚泥の発生量を削減することができる。
本発明の請求項によると、少なくとも界面活性剤及び着色剤を含む被処理水を処理する水処理方法において、本構成を有していない場合に比較して凝集剤使用量と汚泥の発生量をより削減することができる。
本発明の請求項によると、少なくとも界面活性剤及び着色剤を含む被処理水を処理する水処理方法において、本構成を有していない場合に比較して凝集剤使用量と汚泥の発生量をより削減することができる。
本発明の請求項によると、少なくとも界面活性剤及び着色剤を含む被処理水を処理する水処理方法において、本構成を有していない場合に比較して凝集剤使用量と汚泥の発生量をより削減することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、ここでは電子写真用トナー製造工程から排出される水を被処理水の例にして、本発明の実施の形態に係る水処理装置及び水処理方法を説明する。
例えば、化学的トナー製法、すなわち湿式製法による電子写真用トナー製造工場におけるトナー製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備点検等にて発生する界面活性剤水溶液、着色剤分散液、離型剤分散液、エマルション分散液、装置洗浄水等の界面活性剤及び着色剤を含有する水が排出される。
このようなトナー製造工程から発生する水の凝集沈殿処理では、水中に界面活性剤が多量に存在するために、メカニズムはよくわからないが、フロックが形成し難く、被処理水の懸濁成分を十分に除去することが難しい。また、処理性を向上させるために凝集剤を多量に使用しても、フロックの沈殿槽等における沈降性が悪く、固液分離に際し非常に長時間の沈降処理が必要となり、産業廃棄物として処理する汚泥が多量に発生するという問題がある。そのような現象は特にイエロー顔料が原水に含まれる場合に顕著であり、マゼンタ顔料が原水に含まれる場合にも起こる可能性が高い。
本発明者らの研究によれば、トナー製造工程から発生する水では、界面活性剤や着色剤等の相互の作用により、顔料等の分散状態や界面活性剤の水への溶解性がより安定することから、凝集沈殿処理での沈降時間が長くなり、また、凝集沈殿させるために使用する無機凝集剤、例えば塩化第二鉄の添加量が増加し、その結果、凝集沈殿物の量、つまり、産業廃棄物として処理する汚泥が多量に発生する。また、トナー製造工程から排出される水中の着色剤の濃度が変動することから、着色剤の最大含有量を基準として凝集剤の添加量を設定するため、凝集剤の添加量が増加し、その結果、汚泥が多量に発生する。
そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、界面活性剤及び着色剤を含む被処理水の着色成分を、370nm〜410nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度を測定することにより検出し、測定した吸光度に基づいて非処理水の処理方法を調整することで、より少ない凝集剤量で処理することができ、汚泥の発生量を削減できることを見出した。
図1には本実施形態に係る水処理方法を行うための水処理装置の一例の概略を示す。原水槽10と、反応槽12と、凝集槽14と、凝集沈殿槽16と、生物処理槽18と、後沈殿槽20と、砂ろ過装置22と、活性炭ろ過吸着装置24と、汚泥濃縮槽26、脱水装置28と、凝集剤槽30と、吸光度測定手段である色度計34とを備える。
さらに詳細に説明すると、水処理装置1において、原水槽10、反応槽12、凝集槽14、凝集沈殿槽16、生物処理槽18、後沈殿槽20、砂ろ過装置22、活性炭ろ過吸着装置24の入口と出口とがそれぞれ直列に配管等を介して接続されている。また、汚泥濃縮槽26の入口は、凝集沈殿槽16下部の出口及び後沈殿槽20下部の出口に配管等を介して接続されており、脱水装置28の入口は、汚泥濃縮槽26の出口に配管等を介して接続されている。凝集剤槽30の出口はバルブ32を介して、反応槽12に接続されている。また、凝集沈殿槽16と生物処理槽18とを接続する配管には色度計34が接続されている。なお、凝集剤槽30は使用する凝集剤の種類に応じて複数備えても良い。
本実施形態に係る水処理方法を図1を参照して説明する。
トナー製造工程から排出される水に対しては、まず凝集沈殿処理が行われる。凝集沈殿処理は、反応槽12における、原水への凝集剤の添加及び凝集反応を行う反応工程と、凝集槽14における、反応工程で凝集反応した凝集物からフロックを形成するフロック形成工程と、凝集沈殿槽16における、フロックと分離液とに分離する分離工程と、を含む。
まず原水は、原水槽10に一時的に貯留された後、反応槽12において撹拌羽根等の撹拌手段により急速撹拌されながらポンプ等により凝集剤槽30から凝集剤が添加され、凝集反応が行われる(反応工程)。その後、凝集反応が行われた反応液は、凝集槽14に送液される。
この反応工程において使用される凝集剤としては、一般の無機系凝集剤、有機系凝集剤を用いることができる。無機系凝集剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、ポリシリカ鉄凝集剤等が用いられ、安価であること、凝集性が良好であること等から、塩化第二鉄が用いられることが好ましい。
また、有機系凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系等のアニオン性高分子凝集剤;ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系等のカチオン性高分子凝集剤;ポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド系等のノニオン性高分子凝集剤;アクリル酸ジメチルアミノエチル系等の両性高分子凝集剤を使用することができる。凝集性が良好であること等から、ポリアクリルアミド系アニオン性高分子凝集剤を使用することがより好ましい。また、凝集剤として、上記無機系凝集剤及び有機系凝集剤から選択される2つ以上の凝集剤を組み合わせて使用してもよく、無機系凝集剤として塩化第二鉄を使用し、さらにフロックを成長させるために有機系凝集剤としてポリアクリルアミド系アニオン性高分子凝集剤を併用することが好ましい。
無機系凝集剤を使用する場合の添加量は、処理する水に対して500mg/L〜5000mg/Lの範囲の濃度であることが好ましく、1000mg/L〜3000mg/Lの範囲の濃度であることがより好ましい。
また、有機系凝集剤を使用する場合の添加量としては、処理する水に対して0.5mg/L〜5mg/Lの範囲の濃度であることが好ましく、1mg/L〜3mg/Lの範囲の濃度であることがより好ましい。
凝集反応時の反応液のpHは、凝集効果の点から6〜8の範囲であることが好ましく、6.5〜7.5の範囲であることがより好ましい。
反応工程において撹拌羽根等の撹拌手段によって急速撹拌することにより凝集反応が行われるが、撹拌速度は、100rpm〜500rpmの範囲であることが好ましい。撹拌速度が100rpmより小さいと、凝集反応が十分に行われず、細かい粒子が減らない場合があり、500rpmより大きいと、一度形成された凝集物が再び細かくなってしまう場合がある。
次に、凝集槽14において、反応槽12から移送された反応液に対して撹拌羽根等の撹拌手段により緩速撹拌が行われ、水中の懸濁物質が凝集したフロックが形成される(フロック形成工程)。このフロック中には、主に、トナー製造において使用された顔料、離型剤、トナー粒子等が含まれている。フロックは、緩速撹拌されることにより成長する。このとき得られるフロックの懸濁液(処理液)の固形分濃度は0.5〜1.5%程度である。なお、反応槽12と凝集槽14とを一体化した槽を使用して、1つの槽内で反応工程と、フロック形成工程とが行われてもよい。
フロック形成工程において撹拌羽根等の撹拌手段によって撹拌することによりフロックを成長させるが、撹拌速度は、60rpm〜500rpmの範囲であることが好ましく、100rpm〜300rpmの範囲であることがより好ましい。撹拌速度が60rpmより小さいと、フロックの形成が十分ではなく、細かい粒子が減らない場合があり、500rpmより大きいと、一度形成されたフロックが再び細かくなってしまう場合がある。
次に、凝集槽14においてフロック形成された処理液は、凝集沈殿槽16に送液される。フロック形成工程において、反応液は通常凝集槽14に連続的に流入され、フロック形成された処理液は連続的に凝集沈殿槽16へ送液される。このとき、凝集槽14における滞留時間としては、5分〜20分の範囲であることが好ましく、10分〜15分の範囲であることがより好ましい。滞留時間が5分より小さいと、フロックの形成が十分ではなく、細かい粒子が減らない場合があり、20分より大きいと、処理効率が低下する場合がある。また、凝集槽14においてバッチ式で水の凝集処理が行われてもよい。この場合、処理時間は5分〜15分の範囲であることが好ましく、5分〜10分の範囲であることがより好ましい。
凝集工程における処理する水の温度としては、通常、10℃〜30℃の範囲で行われ、好ましくは、15℃〜25℃の範囲で行われる。
凝集沈殿槽16に送液された処理液は、凝集沈殿槽16において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された沈殿物(汚泥スラリ)と分離液とに分離される(分離工程)。なお、分離工程において、凝集沈殿処理の代わりに加圧浮上処理等を行ってもよいが、汚泥の発生量の点から凝集沈殿処理及び加圧浮上処理のうち少なくとも1つを行うことが好ましい。なお、加圧浮上処理とは、加圧水が減圧されることにより加圧状態で溶け込んだ空気が微細気泡となって放出される特性を利用した水処理方法であり、加圧浮上槽内に加圧水を流入させ、発生した微細気泡に水内の浮遊物質を付着させ、浮遊物質を浮上分離させる処理方法である。
凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液は、生物処理槽18に送液される。ここで、凝集沈殿槽16と生物処理槽18とを接続する配管に設置された色度計34により、分離液について、370nm〜410nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度、好ましくは380nm〜400nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度が測定される。そして、測定した吸光度に基づいて、凝集剤の添加量、原水の原水槽10あるいは反応槽12への流入量等の水の処理方法を調整する。これにより、特に凝集沈殿しにくいイエロー系着色剤を効率的に処理できるという利点がある。測定波長が370nm未満であるとあるいは410nmを超えると、着色剤、特にイエロー系着色剤の光吸収量が少なく、検出感度が低下する。
例えば、測定した吸光度が予め設定した基準値より高ければ、凝集剤の添加量を増加する、原水の原水槽10あるいは反応槽12への流入量を減らす等の調整を行う。一方、測定した吸光度が予め設定した基準値より低ければ、凝集剤の添加量を減少する、原水の原水槽10あるいは反応槽12への流入量を増やす等の調整を行う。
また、色度計34により、分離液について、370nm〜410nmの範囲の波長のうち少なくとも1つ及び630nm〜690nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度を測定することが好ましく、380nm〜400nmの範囲の波長のうち少なくとも1つ及び650nm〜670nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度を測定することがより好ましい。これにより、凝集沈殿しにくいイエロー系着色剤のみならず、マゼンタ系着色剤及びシアン系着色剤をも効率的に処理できるという利点がある。測定波長が630nm未満であるとあるいは690nmを超えると、着色剤、特にシアン系着色剤及びマゼンタ系着色剤の光吸収量が少なく、検出感度が低下する。
ここで、測定した370nm〜410nmの吸光度が白金コバルト色度標準(JIS Z8722−2000)による色度0〜50の範囲になるように、水の処理方法を調整することが好ましく、色度0〜30の範囲になるように、水の処理方法を調整することがより好ましい。色度が50を超えると、着色剤の量が多く、処理が不十分である。
また、図2に示すように、色度計34に加えて、凝集沈殿槽16と生物処理槽18とを接続する配管に濁度測定手段である濁度計36が接続されていてもよい。そして測定した吸光度及び濁度に基づいて水の処理方法を調整することが好ましい。吸光度測定と濁度測定を併用することにより、着色剤のみならず、着色剤以外の濁度成分を効率的に処理できるという利点がある。なお、色度計34及び濁度計36として、色度計と濁度計とを兼ねた濁度/色度計を使用しても良い。
例えば、測定した濁度が予め設定した基準値より高ければ、凝集剤の添加量を増加する、原水の原水槽10あるいは反応槽12への流入量を減らす等の調整を行う。一方、測定した濁度が予め設定した基準値より低ければ、凝集剤の添加量を減少する、原水の原水槽10あるいは反応槽12への流入量を増やす等の調整を行う。
また、630nm〜690nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける濁度、好ましくは650nm〜670nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける濁度がポリスチレン濁度標準(JIS K0801−1986)による濁度0〜20の範囲になるように、水の処理方法を調整することが好ましく、濁度0〜10の範囲になるように、水の処理方法を調整することがより好ましい。濁度が20を超えると、着色剤及び濁度成分の量が多く、処理が不十分となる場合がある。
また、本実施形態における水処理装置の他の例を図3,4に示す。図3,4の水処理装置では、図1,2の水処理装置にさらに制御部38を備える。制御部38は、バルブ32、色度計34あるいは色度計34及び濁度計36に接続されている。制御部38は、色度計34あるいは色度計34及び濁度計36により測定された吸光度あるいは吸光度及び濁度に基づいて、バルブ32の開閉を制御して凝集剤の添加量を調整する。また、制御部38により、原水の原水槽10あるいは反応槽12への流入量等が制御されても良い。なお、図4において、色度計34及び濁度計36として、色度計と濁度計とを兼ねた濁度/色度計を使用しても良い。
次に、分離液は、生物処理槽18に送液されて生物処理が行われ、溶存有機物が除去される。生物処理槽18では活性汚泥に生息するバクテリア等で溶存有機物を分解処理し、次の後沈殿槽20で自然沈降により、活性汚泥と上澄み水に分離される。後沈殿槽20で得られた上澄み水は、砂ろ過装置22で残存固形物を除去した後、活性炭ろ過吸着装置24で溶存化学物質や生物処理工程で処理しきれなかった溶存有機物を吸着処理した後、再利用あるいは河川等に放流される。
一方、凝集沈殿槽16において分離液と分離された汚泥スラリ及び後沈殿槽20で得られた汚泥スラリは、ポンプ等にて汚泥濃縮槽26へ搬送され、6〜12時間程度をかけて、自然沈降にて濃縮される。汚泥スラリの固形分濃度は0.5〜1.5重量%程度である。また、濃縮後の固形分濃度は2.0〜4.0重量%程度である。濃縮後の汚泥スラリは、脱水装置28で脱水処理された後、産業廃棄物の汚泥として処理される。なお、脱水後の汚泥ケーキの固形分濃度は30〜60重量%程度である。なお、脱水装置28で発生したろ過液は、トナー製造工程で発生した水を貯蔵する原水槽10へ移送され、新たな原水と混合された後、上述の水処理プロセスで処理されてもよい。
脱水装置28としては、加圧葉状ろ過機、加圧ヌッチェ等の加圧ろ過機、フィルタプレス、加圧浮上機、真空ろ過機等が挙げられるが、通常は、フィルタプレスが用いられる。また、発生する汚泥の量を減らすことができること、処理時間を短縮することができること、凝集工程にて使用する凝集剤の量を減らすことができること、装置のメンテナンス性等の点から脱水工程の前に遠心分離装置を使用した遠心濃縮により脱水してもよい。
以上のような方法により、界面活性剤及び着色剤を含む被処理水を処理する場合において、凝集剤使用量と汚泥の発生量を削減することができる。特に凝集沈殿しにくいイエロー系顔料、マゼンタ系顔料が被処理水に含まれる場合でも凝集剤使用量と汚泥の発生量を削減することができる。また、トナー製造工程等から排出される水中の着色剤の濃度が変動しても、被処理水中の色度に基づいて処理を行うため、凝集剤の使用量及び汚泥の発生量を抑制することができる。
従来の水処理方法では図5に示すように、トナー製造工程から排出される固形分含有水に対して、反応槽12において凝集剤を用いた処理が行われるが、通常、トナー製造工程から排出される水中の着色剤の濃度が変動することから、着色剤の最大含有量を基準として凝集剤の添加量を設定するため、凝集剤の添加量が増加し、その結果、汚泥が多量に発生する。
以上、電子写真用トナー製造工程から排出される水を被処理水の例として、本発明の実施の形態に係る水処理装置及び水処理方法を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態に係る水処理装置及び水処理方法は、水性塗料等の水系分散体の製造工場等の製造工程、水性インクの製造工程等において排出される界面活性剤及び着色剤を含む被処理水に対しても、適用することができる。また、被処理水の性状によっては、生物処理工程や、砂ろ過、活性炭ろ過等の後ろ過工程等が省略される場合もある。すなわち、処理水の性状によって、水処理装置の構成を適宜決めればよい。
本発明の実施の形態に係る水処理装置及び水処理方法は、界面活性剤及び着色剤を使用する電子写真用トナーの製造工程から排出される水を処理対象とすることが好ましい。また、本実施形態に係る水処理装置及び水処理方法は、乳化重合法、懸濁重合法、溶解懸濁法などの各種化学的トナー製造方法による製造工程、特に、界面活性剤を多量に使用する乳化重合法によるトナーの製造工程から排出される水の処理に好ましく適用可能である。乳化重合法では、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された樹脂分散液と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を水系溶媒中で撹拌・混合しながら、凝集、加熱融合させ、所定の粒径、粒度分布、形状、構造を有する着色樹脂粒子であるトナー粒子を作製する。乳化重合法は、トナーの原材料となる樹脂粒子の製造工程と、着色剤分散液、離型剤分散液等の分散液の製造工程と、現像用トナーの製造工程と、に大きく分けられる。以下に、それぞれについて例を挙げ説明する。
<樹脂粒子の製造工程>
樹脂粒子を生成するには、通常重合性単量体と界面活性剤とを水に加え、撹拌してエマルションとする。重合性単量体エマルションが生成したら、該エマルションの好ましくは25重量%以下(すなわち、少量のエマルション)と、遊離基開始剤とを、水相に加えて混合し、所望の反応温度で種重合を開始する。種粒子の生成後、この種粒子含有組成物に更に残りのエマルションを追加し、所定の温度で、所定の時間、重合を続けて重合を完了し、樹脂粒子(エマルション分散液)を生成させる。この樹脂粒子の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤等の固形分を含有するエマルション分散液等が排出される。樹脂粒子が生成したら、着色剤分散液、離型剤分散液等とともに凝集させて凝集体粒子とし、次にこれを融合させてトナー粒子とする。
前記重合性単量体の種類としては、遊離基開始剤と反応しうるものであれば特に制限はない。重合性単量体の具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類等を挙げることができ、これらの重合性単量体は重合されて、単独重合体あるいは共重合体とされる。
また、自己乳化性を持つポリエステル類、ポリウレタン類のような樹脂を界面活性剤とともに水系媒体中でせん断し、分散させても良い。また、樹脂粒子として、アンモニア成分を含むものも用いられる。
樹脂粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤または非イオン系界面活性剤を使用できるが、一般的にはアニオン系界面活性剤が、分散力が強く、樹脂粒子の分散に優れているため、好ましい。非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルアリールスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
遊離基開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類;2,2'-アゾビスプロパン、2,2'−ジクロロ−2,2'−アゾビスプロパン、1,1'−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2'−アゾビス(2−ジアミノプロパン)塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−ジアミノプロパン)硝酸塩、2,2'−アゾビスイソブタン、2,2'−アゾビスイソブチルアミド、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2'−ジクロロ−2,2'−アゾビスブタン、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1'−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2'−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1'−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1'−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1'−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1'−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1'−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1'−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4'−アゾビス-4-シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2'−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類;1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
本実施形態において、樹脂粒子の大きさは、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm〜1μm程度である。
<着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程>
着色剤分散液は、着色剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。同様にして、離型剤分散液は、離型剤、界面活性剤等を、水相中で混合し、分散処理をすることによって得られる。この着色剤分散液、離型剤分散液の製造工程から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤等の固形分を含有する着色剤分散液や、界面活性剤、離型剤等の固形分を含有する離型剤分散液等が排出される。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカライトグリーンオキサレート、などの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料などを挙げることができる。これらの着色剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、着色剤分散液中の着色剤の大きさは、例えば、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm〜0.5μm程度である。
また離型剤として働くワックスの種類としては特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;などが挙げられる。
また、離型剤分散液中の離型剤の大きさは、例えば、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm〜0.5μm程度である。
界面活性剤としては、上記樹脂粒子の製造に使用される界面活性剤と同様のものが挙げられる。
<現像用トナーの製造工程>
上記調製法により得られた樹脂粒子は、次のような方法でトナーの調製に用いられる。上記調製法により得られた樹脂粒子と、着色剤分散液と、離型剤分散液と、必要に応じて凝集剤と、必要に応じて帯電制御剤と、及び必要に応じて他の添加剤とを混合し、得られた混合物を樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)近辺の温度、好ましくは、樹脂粒子のTg±10℃で、凝集体を生成するのに効果的な時間、例えば1〜8時間加熱して、トナー大の凝集体を生成する。次に、この凝集体懸濁液を、樹脂粒子のTg又はそれより高い温度、好ましくは樹脂粒子のTg+40℃、例えば約60〜約120℃に加熱して合体又は融合させてトナー粒子を造粒し、このトナー粒子をろ過などの手段で母液から分離して、イオン交換水などで洗浄(洗浄工程)した後、乾燥する。
樹脂粒子は、通常トナーの結着樹脂として用いられ、トナーの固形分に対して75〜98重量%程度トナー内に存在する。
着色剤は、通常トナー中に、着色に効果的な量、例えばトナーの固形分に対して1〜15重量%程度、好ましくは3〜10重量%程度存在する。
離型剤として働くワックス類の好ましい量としては、トナーの固形分に対して、5〜20重量%程度である。
必要に応じて使用される凝集剤は、融合に効果的な量、例えばトナーの固形分に対して0.01〜10重量%程度を用いることができる。使用する凝集剤としては、一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のアニオン性界面活性剤類;塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類;塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム等の塩類;等が挙げられるが、これらに限るものではない。好ましい凝集剤としては、硝酸等の窒素成分を有するものが挙げられる。
帯電制御剤は、帯電させるのに効果的な量、例えばトナーの固形分に対して0.1〜5重量%を使用しても良い。適当な帯電制御剤としては、アルキルピリジニウムハロゲン化物類、重硫酸塩類、シリカ等の帯電制御剤類、アルミニウム錯体のような陰帯電制御剤等が挙げられるが、これらに限るものではない。
その他必要に応じて添加剤として、無機粒子等を湿式添加してもよい。湿式添加する無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常トナー表面の外添剤として使用される全てのものを、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基等で水に分散して、シリカ等の無機粒子分散液として湿式添加することができる。
本実施形態において使用される無機粒子の分散液中の大きさは、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、4nm〜150nm程度である。
以上のような樹脂粒子の製造工程、着色剤分散液の製造工程、離型剤分散液の製造工程、トナー製造工程等の製造工程(トナーの洗浄工程を含む)から、製造工程で不要となったり、その製造工程の設備メンテナンス等にて発生した、界面活性剤、着色剤、離型剤、無機粒子、トナー等の固形分を含有する界面活性剤水溶液、エマルション分散液、着色剤分散液、離型剤分散液、無機粒子分散液、トナー分散液、装置洗浄水等が、排出される。これらの原水は原水槽に集められ、上記水処理方法による処理が施される。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<電子写真用トナーの製造例>
以下に、本実施例及び比較例における水処理が施される水が排出される、電子写真用トナーの製造例を示す。
[エマルション分散液(樹脂粒子分散液)の調製]
スチレン 320重量部
n−ブチルアクリレート 80重量部
アクリル酸 10重量部
ドデカンチオール 10重量部
この溶液420重量部と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)10重量部とをイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、エマルション分散液を得た。
エマルション分散液で得られた樹脂粒子は、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で樹脂粒子の体積平均粒径(D50)を測定したところ155nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ54℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ33000であった。
[着色剤分散液の調製]
顔料 150重量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製) 20重量部
イオン交換水 400重量部
以上を混合して、アルティマイザーにて分散処理し、着色剤分散液を調整した。なお、顔料は、イエロー用としてはC.I.ピグメントイエロー74(大日精化社製)、シアン用としてはC.I.ピグメントブルー15:3(BASF社製)、マゼンタ用としてはC.I.ピグメントレッド122(大日精化社製)、ブラック用としてはカーボンブラック(キャボット社製)をそれぞれ使用した。
[離型剤分散液の調製]
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃) 50重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。
[凝集粒子の調製]
エマルション分散液 200重量部
着色剤分散液 30重量部
離型剤分散液 70重量部
カチオン性界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50) 1.5重量部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が約5μmである凝集粒子(体積:95cm)が形成されていることが確認された。
[付着粒子の調製]
調整した上記凝集粒子の分散液に、上記エマルション分散液を緩やかに60重量部追加した。なお、前記エマルション分散液に含まれる樹脂粒子の体積は25cmであった。そして、加熱用オイルバスの温度を50℃に上げて1時間保持した。光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.7μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
その後、調整した上記付着粒子の分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)3重量部を追加した後、前記ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら、105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、電子写真用トナーを得た。
[水Aの組成]
水Aとは、上記電子写真用イエロートナーの製造を行ったときの各工程から排出された水であり、その中には、イエロー着色剤分散液、離型剤(ワックス)分散液、エマルション分散液、界面活性剤水溶液等が含まれる水である。水Aの主な組成について以下に示す。水Aには、界面活性剤、樹脂粒子、イエロー着色剤、離型剤(ワックス)等が含まれ、水Aの固形分濃度は0.07重量%、化学的酸素要求量(COD)は1034mg/Lであった。
界面活性剤 10重量部
樹脂粒子 10重量部
着色剤(C.I.ピグメントイエロー74) 45重量部
ワックス 5重量部
水 99930重量部
なお、固形分濃度は、アルミ製の容器に、水サンプルを入れ、オーブンにて水分を蒸発させる方法で測定した。また、化学的酸素要求量は、JIS K 0102 17にて定められている方法で測定した。具体的には、試料に酸化剤を加え、一定の条件の下で反応させ、そのとき消費した酸化剤の量を酸素の量に換算して表す試験方法である。
[水Bの組成]
水Bとは、上記電子写真用イエロートナーの製造を行ったときの各工程から排出された水であり、その中には、イエロー着色剤分散液、離型剤(ワックス)分散液、エマルション分散液、界面活性剤水溶液等が含まれる水である。水Bの主な組成について以下に示す。水Bには、界面活性剤、樹脂粒子、イエロー着色剤、離型剤(ワックス)等が含まれ、水Bの固形分濃度は0.14重量%、化学的酸素要求量(COD)は1990mg/Lであった。
界面活性剤 20重量部
樹脂粒子 20重量部
着色剤(C.I.ピグメントイエロー74) 90重量部
ワックス 10重量部
水 99860重量部
[水Cの組成]
水Cとは、上記電子写真用マゼンタトナーの製造を行ったときの各工程から排出された水であり、その中には、マゼンタ着色剤分散液、離型剤(ワックス)分散液、エマルション分散液、界面活性剤水溶液等が含まれる水である。水Cの主な組成について以下に示す。水Cには、界面活性剤、樹脂粒子、マゼンタ着色剤、離型剤(ワックス)等が含まれ、水Cの固形分濃度は0.14重量%、化学的酸素要求量(COD)は2100mg/Lであった。
界面活性剤 20重量部
樹脂粒子 20重量部
着色剤(C.I.ピグメントレッド122) 90重量部
ワックス 10重量部
水 99860重量部
[水Dの組成]
水Dとは、上記電子写真用シアントナーの製造を行ったときの各工程から排出された水であり、その中には、シアン着色剤分散液、離型剤(ワックス)分散液、エマルション分散液、界面活性剤水溶液等が含まれる水である。水Dの主な組成について以下に示す。水Dには、界面活性剤、樹脂粒子、シアン着色剤、離型剤(ワックス)等が含まれ、水Dの固形分濃度は0.14重量%、化学的酸素要求量(COD)は1950mg/Lであった。
界面活性剤 20重量部
樹脂粒子 20重量部
着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 90重量部
ワックス 10重量部
水 99860重量部
[水Eの組成]
水Eとは、上記電子写真用ブラックトナーの製造を行ったときの各工程から排出された水であり、その中には、ブラック着色剤分散液、離型剤(ワックス)分散液、エマルション分散液、界面活性剤水溶液等が含まれる水である。水Eの主な組成について以下に示す。水Eは、界面活性剤、樹脂粒子、ブラック着色剤、離型剤(ワックス)等が含まれ、水Eの固形分濃度は0.14重量%、化学的酸素要求量(COD)は1950mg/Lであった。
界面活性剤 20重量部
樹脂粒子 20重量部
着色剤(カーボンブラック) 90重量部
ワックス 10重量部
水 99860重量部
(実施例1)
[水Aの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.07重量%の水Aを、図4に示すような水処理装置を用いて処理した。水Aを、まず原水槽10に蓄え、そこからポンプにて反応槽12へ送液し、無機系凝集剤(塩化第二鉄、38重量%水溶液)を1400mg/L及び高分子系凝集剤(アクリルアミド系高分子凝集剤、ハイモロックSS−100、ハイモ社製、0.1重量%水溶液)3700mg/Lを添加し、撹拌速度500rpm、滞留時間10分にて、凝集反応を行った。次に、得られた反応液をポンプで凝集槽14(18m)へ送液し、撹拌速度300rpm、滞留時間10分にてフロック形成を行った。フロック形成は良好に行うことができた。次に、凝集槽14においてフロック形成された処理液を、ポンプで凝集沈殿槽16に送液した。送液された処理液を、凝集沈殿槽16において自然沈降分離によって、フロックが濃縮された汚泥スラリと分離液とに分離した。分離に要した時間は1時間であった。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離した分離液について、色度計34及び濁度計36として濁度/色度センサ(笠原理科工業株式会社製、TCR−30)により波長390nmにおける吸光度及び波長660nmにおける濁度を測定したところ、色度(白金コバルト色度標準)は10.0、濁度(ポリスチレン濁度標準)1.0で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液した。分離液について生物処理槽18において生物処理(活性汚泥処理)を行った後、後沈殿槽20で自然沈降により活性汚泥と上澄み水に分離し、上澄み水をさらに砂ろ過装置22及び活性炭ろ過吸着装置24へ送液し、ろ過を行った。この排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。また、凝集沈殿槽16において分離液と分離された汚泥スラリ、及び後沈殿槽20で得られた汚泥スラリは、汚泥濃縮槽26で濃縮し、脱水装置28(フィルタプレス)による脱水処理工程を経て、汚泥として回収した。水Aを18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、3700mg/Lであった。結果を表1に示す。
なお、色度(白金コバルト色度標準)は、「色の測定方法−反射及び透過物体色」JIS Z8722−2000に記載の透過法により、濁度(ポリスチレン濁度標準)は「濁度自動計測器」JIS K0801−1986に記載の方法に基づいて決定した。
(実施例2)
[水Bの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Bを、実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、濁度/色度センサにより波長390nmにおける吸光度及び波長660nmにおける濁度を測定したところ、色度は20.0、濁度は94.0で分離液に着色が見られた。そこで、制御部により凝集剤の添加量が無機系凝集剤(塩化第二鉄)2500mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)6700mg/Lに変更され、引き続き処理を行ったところ、色度は12.0、濁度は1.5で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水Bを18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、4900mg/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例3)
[水B+水Cの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Bと水Cとを1:1の重量比で混合し、実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、濁度/色度センサにより波長390nmにおける吸光度及び波長660nmにおける濁度を測定したところ、色度(390nm)は38、濁度は35で分離液に着色が見られた。そこで、制御部により凝集剤の添加量が無機系凝集剤(塩化第二鉄)2400mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)6400mg/Lに変更され、引き続き処理を行ったところ、色度(390nm)は10、濁度は3で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水B及び水Cを合計で18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、4700mg/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例4)
[水B+水Dの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Bと水Dとを1:1の重量比で混合し、実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、濁度/色度センサにより波長390nmにおける吸光度及び波長660nmにおける濁度を測定したところ、色度(390nm)は40、濁度は44で分離液に着色が見られた。そこで、制御部により凝集剤の添加量が無機系凝集剤(塩化第二鉄)2200mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)5700mg/Lに変更され、引き続き処理を行ったところ、色度(390nm)は10、濁度は3で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水B及び水Dを合計で18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、4200mg/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例5)
[水B+水C+水D+水Eの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水B、水C、水D及び水Eを1:1:1:1の重量比で混合し、実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、濁度/色度センサにより波長390nmにおける吸光度及び波長660nmにおける濁度を測定したところ、色度(390nm)は46、濁度は45で分離液に着色が見られた。そこで、制御部により凝集剤の添加量が無機系凝集剤(塩化第二鉄)2100mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)5500mg/Lに変更され、引き続き処理を行ったところ、色度(390nm)は9、濁度は2で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水B、水C、水D及び水Eを合計で18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、4100mg/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例6)
[水Bの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Bを、図3に示すような水処理装置を用いて実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、濁度/色度センサ(笠原理科工業株式会社製、TCR−30)により波長390nmにおける吸光度を測定したところ、色度は45で分離液に着色が見られた。そこで、制御部により凝集剤の添加量が無機系凝集剤(塩化第二鉄)2500mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)6700mg/Lに変更され、引き続き処理を行ったところ、色度は10で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水Bを18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、4900mg/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例7)
[水Bの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Bを、図3に示すような水処理装置を用いて実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、色度センサ(東亜ディーケーケー株式会社製、COL−01型)により波長380nmにおける吸光度を測定したところ、色度は45で分離液に着色が見られた。そこで、制御部により凝集剤の添加量が無機系凝集剤(塩化第二鉄)2500mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)6700mg/Lに変更され、引き続き処理を行ったところ、色度は12で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水Bを18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、4900mg/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例8)
[水Bの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Cを、図3に示すような水処理装置を用いて実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、濁度/色度センサ(笠原理科工業株式会社製、TCR−30)により波長390nmにおける吸光度を測定したところ、色度は38で分離液に着色が見られた。そこで、制御部により凝集剤の添加量が無機系凝集剤(塩化第二鉄)2300mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)6000mg/Lに変更され、引き続き処理を行ったところ、色度は12で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水Cを18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、4400mg/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例9)
[水Bの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Dを、図3に示すような水処理装置を用いて実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、濁度/色度センサ(笠原理科工業株式会社製、TCR−30)により波長390nmにおける吸光度を測定したところ、色度は30で分離液に着色が見られた。そこで、制御部により凝集剤の添加量が無機系凝集剤(塩化第二鉄)1800mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)4700mg/Lに変更され、引き続き処理を行ったところ、色度は9で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水Dを18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、3500mg/Lであった。結果を表1に示す。
(実施例10)
[水Bの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Eを、図3に示すような水処理装置を用いて実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、濁度/色度センサ(笠原理科工業株式会社製、TCR−30)により波長390nmにおける吸光度を測定したところ、色度は35で分離液に着色が見られた。そこで、制御部により凝集剤の添加量が無機系凝集剤(塩化第二鉄)1800mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)4700mg/Lに変更され、引き続き処理を行ったところ、色度は10で分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水Eを18m処理したが、処理された水は着色なく透明で、最終的な汚泥発生量は、3500mg/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例1)
[水Bの処理]
図5に示すような水処理装置を用いて、上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Bを、実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液に着色が見られた。分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は180mg/Lであった。水Bを18m処理したところ、処理された水には着色が見られ、最終的な汚泥発生量は、3700mg/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例2)
[水Bの処理]
図5に示すような水処理装置を用いて、上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Bを、凝集剤の添加量を無機系凝集剤(塩化第二鉄)2500mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)を6700mg/Lとした以外は、実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水Bを18m処理したところ、処理された水には着色がなく、最終的な汚泥発生量は、4900mg/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例3)
[水B+水Cの処理]
図5に示すような水処理装置を用いて、上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Bと水Cとを1:1の重量比で混合し、凝集剤の添加量を無機系凝集剤(塩化第二鉄)2500mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)を6700mg/Lとした以外は、実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水B及び水Cを合計で18m処理したところ、処理された水には着色がなく、最終的な汚泥発生量は、4800mg/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例4)
[水B+水C+水D+水Eの処理]
図5に示すような水処理装置を用いて、上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水B、水C、水D及び水Eを1:1:1:1の重量比で混合し、凝集剤の添加量を無機系凝集剤(塩化第二鉄)2500mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)を6700mg/Lとした以外は、実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液に着色は見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水B、水C、水D及び水Eを合計で18m処理したところ、処理された水には着色がなく、最終的な汚泥発生量は、4500mg/Lであった。結果を表1に示す。
(比較例5)
[水Bの処理]
上記トナー製造工程から排出された固形分濃度0.14重量%の水Bを、実施例1と同様にして処理した。凝集沈殿槽16において汚泥スラリと分離された分離液について、色度センサ(オプテックス株式会社製、TC−A100−470型)により波長470nmにおける吸光度を測定したところ、色度は49で分離液に着色が見られた。そこで、凝集剤の添加量を無機系凝集剤(塩化第二鉄)2600mg/L、高分子系凝集剤(ハイモロックSS−100)6800mg/Lに変更し、引き続き処理を行ったところ、色度は10で分離液に着色が見られなかった。そこで、分離液をそのまま生物処理槽18にポンプで送液し、実施例1と同様にして以降の処理を行った。排出水の化学的酸素要求量は<5mg/Lであった。水Bを18m処理したが、処理された水には着色がなく、最終的な汚泥発生量は、5100mg/Lであった。結果を表1に示す。
Figure 0005151151
表1に示すように、実施例1〜10のように370nm〜410nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度を測定し、測定した吸光度に基づいて非処理水の処理方法を調整することによって、吸光度に基づいた処理方法の調整を行わない比較例1〜4に比べて、処理を効率的に行うことができ、凝集剤の使用量及び汚泥の発生量を大幅に削減することができた。また、370nm〜410nmの範囲外の波長で吸光度を測定した比較例5では、凝集剤の使用量及び汚泥の発生量を削減することができなかった。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略図である。 従来の水処理装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 水処理装置、10 原水槽、12 反応槽、14 凝集槽、16 凝集沈殿槽、18 生物処理槽、20 後沈殿槽、22 砂ろ過装置、24 活性炭ろ過吸着装置、26 汚泥濃縮槽、28 脱水装置、30凝集剤槽、32 バルブ、34 色度計、36 濁度計、38 制御部。

Claims (4)

  1. 少なくとも界面活性剤及び着色剤を含む被処理水について、370nm〜410nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度を測定する吸光度測定工程を含み、
    前記測定した吸光度が白金コバルト色度標準による色度0〜50の範囲になるように、前記処理水の処理方法を調整することを特徴とする水処理方法。
  2. 請求項に記載の水処理方法であって、
    前記吸光度測定工程においてさらに、前記被処理水について630nm〜690nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおける吸光度を測定することを特徴とする水処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の水処理方法であって、
    前記被処理水について濁度を測定する濁度測定工程を含み、
    前記測定した吸光度及び濁度に基づいて前記処理水の処理方法を調整することを特徴とする水処理方法。
  4. 請求項に記載の水処理方法であって、
    630nm〜690nmの範囲の波長のうち少なくとも1つにおいて測定した前記濁度がポリスチレン濁度標準による濁度0〜20の範囲になるように、前記処理水の処理方法を調整することを特徴とする水処理方法。
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