JP5147798B2 - インクジェット記録装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置及び方法に係り、特に用紙(浸透性を有する記録媒体)に水性インクで画像を記録するインクジェット記録装置及び方法に関する。
用紙に水性インク(少なくとも水と色材を含むインク)を用いてインクジェット方式で画像を記録すると、紙に凹凸(カックル)が発生するという問題がある。これはインクが付着した領域(画像部)とインクが付着していない領域(非画像部)とで紙の繊維に吸収される水の量に差が生じ、紙の伸び量が不均一になることによって生じる。
このような問題を解決するべく、特許文献1には、水を主成分とする略透明の液体を非画像部に付与することにより、非画像部の水分量を画像部の水分量に近づけて、カックルを抑制する方法が提案されている。
また、特許文献2には、用紙のカールを抑制する技術として、印刷面に蒸気を吹き付ける方法が提案されている。これは、吹き付けた蒸気によって表面のインクを加熱し、インクに含まれる水分を用紙内部に浸透させることにより、用紙の表面と裏面の水分量を同程度にして、カールを抑制するというものである。
特開2005−212371号公報 特開2008−119980号公報
しかしながら、特許文献2の方法は、カールは抑制できても、カックルを抑制することはできないという欠点がある。また、印刷面に蒸気が吹き付けられた影響でインクの乾燥が不足し、ローラオフセット(ローラの表面へのインクの転写)やスタッカーブロッキング(積層させて回収したときの上部の紙へのインクの転写、貼り付き)が発生してしまうという問題がある。
一方、特許文献1の方法では、非画像部に液体を付与するための手段が別途必要になり、装置構成が大型、複雑化するという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ローラオフセットやスタッカーブロッキングを発生させず、かつ、カックルを発生させることなく、用紙に水性インクで画像を記録できるインクジェット記録装置及び方法を提供する。
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、枚葉の用紙を連続的に給紙する給紙部と、前記給紙部から給紙される用紙の表面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する記録部と、前記記録部で表面に画像が記録された用紙の裏面を加湿する加湿部と、前記加湿部で裏面が加湿された用紙の表面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する加熱加圧部と、前記加熱加圧部で加熱加圧された用紙を積層させて回収する回収部と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、記録部で表面に画像が記録された用紙は、加湿部で裏面が加湿されたのち、加熱加圧部で表面にヒートローラが押圧当接されて加熱加圧される。このように、加湿したのちヒートローラで加熱加圧することにより、用紙の剛性を低下させた状態で加熱加圧することができ、カックルを良好に矯正することができる。また、裏面を加湿することにより、表面のインクの乾燥を阻害することがない。これにより、ローラオフセットやスタッカーブロッキングの発生も防止することができる。
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、枚葉の用紙の表面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する第1の記録部と、表面に画像が記録された前記用紙の裏面を加湿する第1の加湿部と、裏面が加湿された前記用紙の表面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第1の加熱加圧部と、用紙の表裏を反転させる表裏反転部と、反転された前記用紙の裏面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する第2の記録部と、前記裏面に画像が記録された前記用紙の表面を加湿する第2の加湿部と、表面が加湿された前記用紙の裏面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第2の加熱加圧部と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、用紙は、表面に画像が記録されたのち、裏面に画像が記録される。すなわち、用紙は両面に画像が記録される。この際、用紙は、両面とも画像の記録後、記録面とは反対側の面が加湿されたのち、記録面がヒートローラで加熱加圧されて、カックルが矯正される。このように、記録面と反対側の面を加湿して、加熱加圧することにより、用紙の剛性を低下させた状態で加熱加圧することができ、カックルを良好に矯正することができる。また、記録面と反対側の面を加湿することにより、ローラオフセットやスタッカーブロッキングの発生を防止することができる。さらに、表面への画像の記録後、カックルが矯正された状態で裏面への画像の記録が行われるため、用紙の両面で高品質な画像を記録することができる。
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記加湿部で前記用紙の裏面に供給する水分量が0.1[g/m2]〜1.0[g/m2]であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、加湿部で用紙の裏面に供給する水分量が、0.1[g/m2]〜1.0[g/m2]に設定される。これにより、カックルを矯正するのに必要十分な剛性状態で用紙を加熱加圧することができ、スタッカーブロッキングの発生も防止することができる。
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、前記ヒートローラの押圧力が0.05[MPa]〜0.5[MPa]であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、加熱加圧部でのヒートローラの押圧力が、0.05[MPa]〜0.5[MPa]に設定される。これにより、カックルを良好に矯正でき、かつ、ローラオフセットの発生も防止することができる。
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、前記ヒートローラの温度が40[℃]〜80[℃]であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、加熱加圧部でのヒートローラの温度が、40[℃]〜80[℃]に設定される。これにより、カックルを良好に矯正でき、かつ、ローラオフセットの発生も防止することができる。
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記加湿部で前記用紙の裏面を加湿する液体は水であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、水で用紙の裏面が加湿される。水で加湿することにより、取り扱いを容易にすることができる。
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記加湿部で前記用紙の裏面を加湿する液体は、界面活性剤、及び/又は、防腐剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、用紙の裏面を加湿する液体に界面活性剤、及び/又は、防腐剤が含有される。界面活性剤を含有させることにより、液の濡れ広がりを促進することができ、また、防腐剤を含有させることにより、カビ等の発生を抑制することができる。
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、前記加湿部で加湿する前に前記記録部で前記用紙の表面に打滴された水性インクを乾燥させる乾燥部を更に備え、前記加湿部は、該乾燥部から排出された湿潤空気を前記用紙の裏面に付与して、前記用紙の裏面を加湿することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、記録部で表面に画像が記録された用紙は、乾燥部でインクが乾燥されたのち、加湿部で裏面が加湿される。この際、用紙は、加湿部において、乾燥部から排出された湿潤空気が裏面に付与されて、裏面が加湿される。これにより、インクを十分乾燥させることができるとともに、効率よく装置を稼動させることができる。
請求項9に係る発明は、前記目的を達成するために、前記水溶性インクは、熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、水溶性インクに熱可塑性樹脂が含有される。
請求項10に係る発明は、前記目的を達成するために、前記水溶性インクは、活性光線硬化性インクであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、水溶性インクが活性光線硬化性インクで構成される。
請求項11に係る発明は、前記目的を達成するために、枚葉の用紙の表面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する第1の記録工程と、表面に画像が記録された前記用紙の裏面を加湿する第1の加湿工程と、裏面が加湿された前記用紙の表面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第1の加熱加圧工程と、加熱加圧された前記用紙の裏面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する第2の記録工程と、前記裏面に画像が記録された前記用紙の表面を加湿する第2の加湿工程と、表面が加湿された前記用紙の裏面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第2の加熱加圧工程と、からなることを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
本発明によれば、用紙は、表面に画像が記録されたのち、裏面に画像が記録される。すなわち、用紙は両面に画像が記録される。この際、用紙は、両面とも画像の記録後、記録面とは反対側の面が加湿されたのち、記録面がヒートローラで加熱加圧されて、カックルが矯正される。このように、記録面と反対側の面を加湿して、加熱加圧することにより、用紙の剛性を低下させた状態で加熱加圧することができ、カックルを良好に矯正することができる。また、記録面と反対側の面を加湿することにより、ローラオフセットやスタッカーブロッキングの発生を防止することができる。さらに、表面への画像の記録後、カックルが矯正された状態で裏面への画像の記録が行われるため、用紙の両面で高品質な画像を記録することができる。
請求項12に係る発明は、前記目的を達成するために、前記第2の記録工程の前に前記第1の加熱加圧工程で加熱加圧された前記用紙を所定枚数積層させて回収する回収工程を含むことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法を提供する。
本発明によれば、表面への画像記録が完了した用紙は、一旦積層された状態で回収され、その後、裏面への画像記録が行われる。このように画像記録後の用紙を積層させた状態で回収しても、スタッカーブロッキングを発生させることなく回収することができる。
請求項13に係る発明は、前記目的を達成するために、前記第1の加湿工程及び第2の加湿工程で前記用紙の裏面に供給する水分量が0.1[g/m2]〜1.0[g/m2]であり、前記第1の加熱加圧工程及び第2の加熱加圧工程における前記ヒートローラの押圧力が0.05[MPa]〜0.5[MPa]、温度が40[℃]〜80[℃]であることを特徴とする請求項11又は12に記載のインクジェット記録方法を提供する。
本発明によれば、第1の加湿工程及び第2の加湿工程で用紙の裏面に供給する水分量が、0.1[g/m2]〜1.0[g/m2]に設定され、第1の加熱加圧工程及び第2の加熱加圧工程におけるヒートローラの押圧力が、0.05[MPa]〜0.5[MPa]、温度が、40[℃]〜80[℃]に設定される。これにより、カックルを矯正するのに必要十分な剛性状態で用紙を加熱加圧することができ、スタッカーブロッキングの発生も防止することができる。
本発明によれば、ローラオフセットやスタッカーブロッキングを発生させず、かつ、カックルを発生させることなく、用紙に水性インクで画像を記録することができる。
本発明に係るインクジェット記録装置の第1の実施の形態の全体構成図 加湿装置の概略構成図 実験結果を示す表 本発明に係るインクジェット記録装置の第2の実施の形態の全体構成図
以下、添付図面に従って本発明に係るインクジェット記録装置及び方法の好ましい実施の形態について詳説する。
〔第1の実施の形態〕
《装置構成》
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の第1の実施の形態の全体構成図である。
このインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙14にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の4色の水性インクを用いてカラー画像を記録するインクジェット記録装置であり、図1に示すように、主として、枚葉の用紙14を連続的に給紙する給紙部20と、給紙部20から給紙された用紙14の表面に所定の処理液を付与する処理液付与部30と、処理液が付与された用紙14の表面にC、M、Y、Kのインク滴を打滴して画像を記録する記録部40と、画像が記録された用紙14を乾燥させる乾燥部50と、乾燥後の用紙14の裏面を加湿する加湿部60と、裏面が加湿された用紙14にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する加熱加圧部70と、加熱加圧後の用紙14を順次積層させて回収する回収部80とを備えて構成されている。
処理液付与部30、記録部40、乾燥部50及び加熱加圧部70の各部には、それぞれ搬送手段としての圧胴(搬送ドラム)34、44、54、74が備えられており、用紙14は、この圧胴34、44、54、74の周面に巻き掛けられて、処理液付与部30、記録部40、乾燥部50及び加熱加圧部70の各部を回転しながら搬送される。
また、給紙部20と処理液付与部30との間、処理液付与部30と記録部40との間、記録部40と乾燥部50との間、乾燥部50と加熱加圧部70との間には、それぞれ搬送手段としての渡し胴(搬送ドラム)32、42、52、62が配置されており、用紙14は、この渡し胴32、42、52、62の周面に巻き掛けられて、各部の間を回転しながら搬送される。
圧胴34、44、54、74と渡し胴32、42、52、62は、交互に配置されており、それぞれ図示しないモータに駆動されて、互いに逆方向に回転する。すなわち、圧胴34、44、54、74は、図1において反時計回りの方向に回転し、渡し胴32、42、52、62は、図1において時計回りの方向に回転する。
なお、圧胴34、44、54、74と渡し胴32、42、52、62の周面には、それぞれ用紙14の先端を把持するためのグリッパGが備えられている。用紙14は、このグリッパGによって先端部を把持されながら搬送される。グリッパGは、圧胴34、44、54、74と渡し胴32、42、52、62の周面2カ所(180度離れた位置)に配置されており、連続的に供給される用紙14を順番に把持する。圧胴34、44、54、74と渡し胴32、42、52、62は、このグリッパGの位置の同期を図りながら、用紙14の受渡し・受け取りが行われる。
なお、用紙14は、圧胴34、44、54、74に対しては、画像記録面(表面)が外側になるようにして、その周面に巻き掛けられ、渡し胴32、42、52、62に対しては、画像記録面とは反対側の面(裏面)が外側になるようにして、その周面に巻き掛けられる。
給紙部20から給紙された用紙14は、渡し胴32を介して処理液付与部30の圧胴34に受け渡され、処理液付与部30の圧胴34から渡し胴42を介して記録部40の圧胴44に受け渡される。そして、記録部40の圧胴44から渡し胴52を介して乾燥部50の圧胴54に受け渡され、乾燥部50の圧胴54から渡し胴62を介して加熱加圧部70の圧胴74に受け渡される。そして、さらに加熱加圧部70の圧胴74から回収部80へと受け渡される。この一連の搬送過程で用紙14は、処理液付与部30、記録部40、乾燥部50、加湿部60、加熱加圧部70を通過し、各部で所要の処理が施されて、表面(画像記録面)に画像が形成される。
以下、本実施の形態のインクジェット記録装置10の各部(給紙部20、処理液付与部30、記録部40、乾燥部50、加湿部60、加熱加圧部70、回収部80)の構成について詳説する。
<給紙部>
給紙部20は、給紙装置22と給紙トレイ24とを備えており、用紙14を1枚ずつ連続的に給紙する。
給紙装置22は、図示しないスタッカに積層された状態で格納された用紙14を上側から順に1枚ずつ給紙トレイ24に給紙する。
給紙トレイ24は、給紙装置22から1枚ずつ順に給紙された用紙14を渡し胴32に向けて送り出す。
給紙トレイ24から送り出された用紙14は、渡し胴32を介して、処理液付与部30の圧胴34に受け渡される。
なお、用紙14の種類については、特に限定されないが、ここでは、印刷用紙を用いるものとする。印刷用紙は、平滑性やインク吸収性などを高めるために塗布されるコート材(カオリン)の有無によって非塗工紙、塗工紙に区別され、塗工紙は、コートの厚みによって、さらにアート紙、コート紙、微塗工紙などに分かれる。ここでは、各種塗工紙を使用するものとする。
<処理液付与部>
処理液付与部30は、用紙14の表面に所定の処理液を付与する。この処理液付与部30は、用紙14を搬送する圧胴(処理液ドラム)34と、処理液ドラム34によって搬送される用紙14の表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する処理液付与装置36とを備えて構成されている。
処理液ドラム34は、渡し胴32から用紙14を受け取り(グリッパGで用紙14の先端を把持して受け取る。)、その周面に巻き掛けて、用紙14を回転搬送する。この際、処理液ドラム34は、用紙14の表面を外側にして、渡し胴32から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
処理液付与装置36は、処理液ドラム34の周面に対向して設けられており、処理液ドラム34によって回転搬送される用紙14の表面に所定の処理液を付与する。この処理液付与装置36は、周面に処理液を付与した塗布ローラを用紙14の周面に押圧当接させて、用紙14の表面に処理液を付与(塗布)する。
なお、処理液付与装置36は、これに限らず、インクジェットヘッドで構成し、処理液の液滴を吐出させて、用紙14の表面に処理液を付与する構成とすることもできる。また、スプレーで構成し、処理液を用紙14の表面に噴霧して付与する構成とすることもできる。
用紙14に付与する処理液は、記録部40で付与するインクと反応して、インク中の色材を凝集させる機能を有する液体が付与される。このような処理液を事前に付与して、用紙14にインク滴を打滴すると、インク滴は、着弾後ただちにインク中の色材が凝集され、隣接してインク滴が着弾しても、色材混合が生じるのを防ぐことができる。
処理液付与部30は、以上のように構成される。渡し胴32から処理液ドラム34に受け渡された用紙14は、処理液ドラム34によって回転搬送される過程で処理液付与装置36から表面に処理液が付与される。そして、処理液が付与された用紙14は、処理液ドラム34から渡し胴42に受け渡され、渡し胴42から記録部40の圧胴44に受け渡される。
<記録部>
記録部40は、用紙14の表面にC、M、Y、Kの各色のインク滴を打滴して、用紙14の表面にカラー画像を形成する。この記録部40は、用紙14を搬送する圧胴(記録ドラム)44と、用紙14にC、M、Y、Kの各色のインク滴を打滴するインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kを備えて構成されている。
記録ドラム44は、渡し胴42から用紙14を受け取り(グリッパGで用紙14の先端を把持して受け取る。)、その周面に巻き掛けて、用紙14を回転搬送する。この際、記録ドラム44は、用紙14の表面を外側にして、渡し胴42から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
なお、渡し胴42は、処理液付与部30の処理液ドラム34から用紙14を受け取る際、画像記録面(表面)とは反対側の面(裏面)を外側にして、処理液ドラム34から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
4台のインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kは、記録ドラム44の周囲に一定の間隔をもって配置されており、それぞれ対応する色のインク滴を記録ドラム44に向けて吐出する。このインクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成されており、記録ドラム44と対向する面(ノズル面)には、用紙14の搬送方向と直交する方向に沿って、用紙幅に対応した長さのノズル列が形成されている。
記録部40は、以上のように構成される。渡し胴42を介して処理液ドラム34から記録ドラム44に受け渡された用紙14は、記録ドラム44によって回転搬送される過程で各インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kの下を通過し、その通過時に各インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46KからC、M、Y、Kの各色のインク滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が記録される。
この際、用紙14には、事前にインク中の色材を凝集させる処理液が付与されているので、色材混合等を生じさせることなく、高品位な画像を記録することができる。
ここで、画像部では水性インク中の水分を用紙14中の繊維が吸収し、用紙14に伸びが発生してしまう。一方、非画像部では用紙14は水分を吸収しないため伸びが発生しない。このように画像部と非画像部との伸び量に差が生じ、紙の伸び量が不均一になることによって、カックルとよばれる凹凸が発生してしまう。
各インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46KからC、M、Y、Kの各インク色のインク滴が打滴されて表面に画像が記録された用紙14は、記録ドラム44から渡し胴52に受け渡され、渡し胴52から乾燥部50の圧胴54に受け渡される。
なお、上記のように、本実施の形態のインクジェット記録装置10は、水性インク(少なくとも水と色材を含むインク)を用いて画像の記録を行う。したがって、各インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46Kからは対応するインク色の水性インクが吐出される。
また、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、インク中に熱可塑性樹脂が分散された水性インクを用いられる。これにより、後段の加熱加圧部70で用紙14を加熱加圧処理すると、インク中に含有された熱可塑性樹脂によって皮膜(樹脂皮膜)を形成することができ、画像の堅牢性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、CMYK4色のインクを用いて画像を記録する場合を例に説明しているが、インク色や色数の組み合わせについては、これに限らず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インク等を追加してもよい。たとえば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加した構成としてもよい。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
<乾燥部>
乾燥部50は、画像が記録された用紙14を乾燥させる。この乾燥部50は、用紙14を搬送する圧胴(乾燥ドラム)54と、乾燥ドラム54によって搬送される用紙14に対して乾燥処理を施す乾燥装置56とを備えて構成されている。
乾燥ドラム54は、渡し胴52から用紙14を受け取り(グリッパGで用紙14の先端を把持して受け取る。)、その周面に巻き掛けて、用紙14を回転搬送する。この際、乾燥ドラム54は、用紙14の表面を外側にして、渡し胴52から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
乾燥装置56は、用紙上に存在する水分を蒸発させる処理を行う。すなわち、記録部40で用紙14の上にインクが打滴されると、処理液とインクとの凝集反応により分離したインクの液体成分と処理液の液体成分とが用紙上に残留してしまうので、かかる液体成分を除去する処理を行う。この乾燥装置56は、乾燥ドラム54によって搬送される用紙14に向けて温風を吹き付けることにより、用紙上に存在する液体成分を蒸発させる。
乾燥部50は、以上のように構成される。渡し胴52を介して記録ドラム44から乾燥ドラム54に受け渡された用紙14は、乾燥ドラム54による搬送過程で乾燥装置56から温風が吹き付けられて乾燥処理される。乾燥装置56を通過した用紙14は、乾燥ドラム54から渡し胴62に受け渡され、加湿部60へと搬送される。
<加湿部>
加湿部60は、乾燥処理された用紙14の裏面に加湿空気を当てて、用紙14の裏面を加湿する。この加湿部60は、渡し胴62に向けて加湿空気を噴射する加湿装置64を備えて構成されている。
加湿装置64は、図2に示すように、渡し胴62に対向して設けられた噴き出し口66から渡し胴62の周面に向けて加湿空気を吹き出す。この噴き出し口66は、用紙幅に対応して形成されており、渡し胴62の周面に近接して設けられている。
渡し胴62によって回転搬送される用紙14は、この加湿装置64の噴き出し口66を通過する際、その裏面に噴き出し口66から噴き出された加湿空気が当てられて、裏面が加湿される。
ここで、加湿空気を構成する液体、すなわち、用紙14の加湿に用いる液体は、取り扱い等を考慮すると、水であることが好ましい。
また、用紙14の加湿に用いる液体には、液の濡れ広がりを促進するため、界面活性剤を含有させてもよい。さらに、カビ等の発生を防止するため、防腐剤を含有させてもよい。
なお、用紙14の加湿に用いる液体には、水以外の液体を用いることもできるが、水溶性高沸点溶剤が含有されたものを用いると、裏面側に高沸点溶剤が残留し、吸水性が低下して、裏面印刷時に画像部の乾燥が低下する等の不具合が生じるので、用紙14の加湿に用いる液体には、水溶性高沸点溶剤を含有しない液体を使用することが好ましい。
加湿部60は、以上のように構成される。乾燥部50の乾燥ドラム54から渡し胴62に受け渡された用紙14は、この渡し胴62によって搬送される過程で裏面に加湿装置64から加湿空気が吹き付けられて、裏面が加湿される。
なお、渡し胴62は、乾燥ドラム54から用紙14を受け取る際、裏面を外側にして受け取る。したがって、用紙14は、裏面が加湿装置64に向けられた状態で搬送される。したがって、加湿装置64を通過することにより、その裏面に加湿空気が吹き付けられる。
加湿装置64を通過した用紙14は、渡し胴62から加熱加圧部70の圧胴74に受け渡される。
<加熱加圧部>
加熱加圧部70は、裏面が加湿された用紙14の表面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する。この加熱加圧部70は、用紙14を搬送する圧胴(加熱加圧ドラム)74と、加熱加圧ドラム74によって搬送される用紙14に加熱加圧処理を施すヒートローラ76とを備えて構成されている。
加熱加圧ドラム74は、渡し胴62から用紙14を受け取り(グリッパGで用紙14の先端を把持して受け取る。)、その周面に巻き掛けて、用紙14を回転搬送する。この際、加熱加圧ドラム74は、用紙14の表面を外側にして、渡し胴62から用紙14を受け取り、用紙14を回転搬送する。
ヒートローラ76は、乾燥部50で乾燥させたインクを加熱加圧することによって、インク中に分散された熱可塑性樹脂を溶着して、インクを皮膜化させる。また、これと同時に用紙14に生じたカックルを矯正する。このヒートローラ76は、用紙幅に対応して形成されており、加熱加圧ドラム74の周面に所定の押圧力で押圧当接されている。また、このヒートローラ76は、熱源(たとえば、ハロゲンランプ)が内蔵されており、この熱源によって所定温度に加熱される。
なお、ヒートローラ76は、内蔵される熱源によって加熱されることから、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプで形成することが好ましい。
また、ヒートローラ76は、用紙14の画像記録面に押圧当接されることから、その表面はテフロン(登録商標)等でコーティングすることが好ましい。
加熱加圧部70は、以上のように構成される。渡し胴62から加熱加圧ドラム74に受け渡された用紙14は、この加熱加圧ドラム74で搬送される過程で表面にヒートローラ76が押圧当接されて、加熱加圧される。これにより、インク中に分散された熱可塑性樹脂が溶着されて、インクが皮膜化される。また、これと同時に用紙14に生じたカックルが矯正される。この際、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、加湿部60で用紙14を加湿してから、用紙14を加熱加圧しているので、用紙14の剛性を低下させた状態で加熱加圧することができ、カックルを良好に矯正することができる。また、用紙14の裏面を加湿しているので、表面のインクの乾燥を阻害することがない。これにより、ローラオフセットやスタッカーブロッキングの発生も防止することができる。
ヒートローラ76によって加熱加圧された用紙14は、加熱加圧ドラム74から回収部80へと受け渡される。
<回収部>
回収部80は、一連の画像記録工程が終了した用紙14をスタッカ82に回収する。この回収部80は、用紙14をスタッカ82まで搬送するコンベア84を備えている。加熱加圧部70で加熱加圧された用紙14は、加熱加圧ドラム74からコンベア84に受け渡される。そして、このコンベア84によってスタッカ82の設置位置まで搬送される。スタッカ82は、所定の回収位置にセットされており、コンベア84で搬送された用紙14は、このスタッカ82の中に排出される。スタッカ82の中に排出された用紙14は、順次スタッカ内に積層されて回収される。
《画像記録動作》
次に、上記のように構成された本実施の形態のインクジェット記録装置10による画像記録動作について説明する。
本実施の形態のインクジェット記録装置10では、給紙部20から連続的に用紙14が給紙され、連続的に画像の記録が行われる。
給紙装置22から給紙された用紙14は、給紙トレイ24を介して、渡し胴32に受け渡される。そして、渡し胴32から処理液付与部30の処理液ドラム34に受け渡されて、処理液ドラム34によって処理液付与部30を回転搬送される。そして、その搬送過程で処理液付与装置36から表面に処理液が付与される。
処理液が付与された用紙14は、処理液ドラム34から渡し胴42に受け渡される。そして、渡し胴42から記録部40の記録ドラム44に受け渡され、記録ドラム44によって記録部40を回転搬送される。そして、その搬送過程で各インクジェットヘッド46C、46M、46Y、46KからC、M、Y、Kの各色の水性インクのインク滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が記録される。この際、用紙14には、事前にインク中の色材を凝集させる処理液が付与されているので、色材混合等を生じさせることなく、高品位な画像を記録することができる。
表面に画像が記録された用紙14は、記録ドラム44から渡し胴52に受け渡される。そして、渡し胴52から乾燥部50の乾燥ドラム54に受け渡され、乾燥ドラム54によって乾燥部50を回転搬送される。そして、その搬送過程で乾燥装置56から温風が吹き付けられて、表面に打滴されたインクが乾燥される。
表面のインクが乾燥された用紙14は、乾燥ドラム54から渡し胴62に受け渡され、その渡し胴62によって加湿部60を回転搬送される。そして、その搬送過程で加湿装置64から噴き出された加湿空気が裏面に当てられて、裏面が加湿される。
裏面が加湿された用紙14は、渡し胴62から加熱加圧部70の加熱加圧ドラム74に受け渡され、加熱加圧ドラム74によって加熱加圧部70を回転搬送される。そして、その搬送過程で表面にヒートローラ76が押圧当接されて、加熱加圧される。これにより、インク中に分散された熱可塑性樹脂が溶着されて、インクが皮膜化される。また、これと同時に用紙14に生じたカックルが矯正される。
ヒートローラ76によって加熱加圧された用紙14は、加熱加圧ドラム74からコンベア84に受け渡される。そして、コンベア84によってスタッカ82まで搬送され、スタッカ82に排出される。
スタッカ82に排出された用紙14は、順次スタッカ内に積層されて回収される。
このように、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、処理液の付与→水性インクの付与→乾燥→加湿→加熱加圧という工程を経て画像の記録が行われる。
そして、このように、水性インクの付与、乾燥が行われた用紙14を加熱加圧する前に加湿することにより、用紙14の剛性を低下させた状態で加熱加圧することができ、カックルを良好に矯正することができる。
また、この加湿に際して、用紙14の裏面を加湿しているので、表面のインクの乾燥を阻害することがない。これにより、ヒートローラ76で表面側から用紙14を加熱加圧しても、ヒートローラ76にローラオフセットが発生することがない。また、回収部80で用紙14を積層させて回収しても、スタッカーブロッキングが発生することがない。
なお、用紙14は、加湿時の供給水分量が少なすぎると、剛性を十分に低下させることができず、カックルの矯正が不十分になる。逆に加湿時の供給水分量が多すぎると、加熱加圧部70を通過しても、乾燥が不十分となって、回収部80でスタッカーブロッキングが発生してしまう。したがって、より高品質な画像記録を行うためには、加湿時の供給水分量を適切な値に設定することが好ましい。
加熱加圧を行うヒートローラ76についても、その押圧力(ニップ圧)が低すぎると、圧力が不足して、カックルを良好に矯正することができない。逆に押圧力が高すぎると、圧力が強すぎて、ローラオフセットが発生してしまう。また、温度が低すぎると、用紙14の剛性低下が不足し、カックルを良好に矯正することができない。逆に温度が高過ぎると、画像部が軟化しすぎて、ローラオフセットが発生してしまう。したがって、より高品質な画像記録を行うためには、ヒートローラ76についても、押圧力、温度を適切な値に設定することが好ましい。
そこで、加湿時の供給水分量、ヒーローラの押圧力、ヒートローラの温度を変えて、カックル、ローラオフセット、スタッカーブロッキングの発生状況を確認する実験を行った。図3は、その実験結果を示す表である。同表において、○は良好、△は発生するが許容範囲内、×は許容範囲外を表している。
同表に示すように、加湿時の供給水分量は、0.1[g/m2]〜1.0[g/m2]の範囲内で設定することが好ましい。0.1[g/m2]未満では、用紙14の剛性を十分に低下させることができず、カックルを良好に矯正することができないからである。その一方で、1.0[g/m2]を超えると、加熱加圧部70を通過しても、乾燥が不十分となり、回収部80でスタッカーブロッキングが発生してしまうからである。
また、ヒートローラ76の押圧力(ニップ圧)は、0.05[MPa]〜0.5[MPa]の範囲内で設定することが好ましい。0.05[MPa]未満では、圧力が不足して、カックルを良好に矯正することができないからである。その一方で、0.5[MPa]を超えると、圧力が強すぎて、ローラオフセットが発生してしまうからである。
また、ヒートローラ76の温度は、40[℃]〜80[℃]の範囲内で設定することが好ましい。40[℃]未満では、温度が低すぎ、用紙14の剛性低下が不足し、カックルを良好に矯正することができないからである。その一方で、80[℃]を超えると、画像部が軟化しすぎて、ローラオフセットが発生してしまうからである。
このように、加湿は、供給水分量を0.1[g/m2]〜1.0[g/m2]の範囲内に設定して行い、加熱加圧は、ヒートローラ76の押圧力を0.05[MPa]〜0.5[MPa]、温度を40[℃]〜80[℃]の範囲内に設定して行うことが好ましい。これにより、ローラオフセットやスタッカーブロッキングを発生させることなく、良好にカックルを矯正することができる。
〔第2の実施の形態〕
図4は、本発明に係るインクジェット記録装置の第2の実施の形態の全体構成図である。
本実施の形態のインクジェット記録装置100は、加湿部60の構成が、上述した第1の実施の形態のインクジェット記録装置10と相違している。したがって、ここでは加湿部60の構成についてのみ説明する。
上述した第1の実施の形態のインクジェット記録装置10では、加湿装置64によって、用紙14の裏面を加湿していた。本実施の形態のインクジェット記録装置10では、乾燥部50から排出された空気を利用して、用紙14の裏面を加湿する。すなわち、乾燥部50から排出された湿潤空気を加湿部60に導き、この湿潤空気を渡し胴62によって回転搬送される用紙14の裏面に吹き付けて、用紙14の裏面を加湿する。
図4に示すように、本実施の形態の加湿機構110は、渡し胴62によって回転搬送される用紙14の裏面に乾燥部50から排出された湿潤空気を吹き付ける送風ヘッド112と、乾燥部50から排出された湿潤空気を集気するエアチャンバ114と、エアチャンバ114で集気した乾燥部50の湿潤空気を送風ヘッド112に送気するエアダクト116と、エアチャンバ114で集気した乾燥部50の湿潤空気をエアダクト116を介して送風ヘッド112に送気する送気ファン118とで構成されている。
送風ヘッド112は、用紙幅に対応して形成されており、用紙幅に対応したエア噴き出し口を有している。そして、そのエア噴き出し口が渡し胴62の周面に近接して設けられている。渡し胴62によって回転搬送される用紙14は、この送風ヘッド112の噴き出し口を通過する際、その裏面に噴き出し口から噴き出された湿潤空気が当てられて、裏面が加湿される。
エアチャンバ114は、上部が開口した箱状に形成されており、乾燥部50の乾燥ドラム54の下部を覆うように設置されている。
エアダクト116は、一端が送風ヘッド112、他端がエアチャンバ114に接続されており、エアチャンバ114で回収した湿潤空気を送風ヘッド112に導く。
送気ファン118は、エアダクト116の途中に設置されており、エアチャンバ114で回収した湿潤空気を送風ヘッド112に送気する。
加湿機構110は、以上のように構成される。この加湿機構110によれば、送気ファン118を回転駆動すると、乾燥部50から排出された湿潤空気がエアチャンバ114で回収され、エアダクト116を介して、送風ヘッド112に送気される。そして、送風ヘッド112のエア噴き出し口から渡し胴62の周面に向けて噴き出される。この結果、渡し胴62によって用紙14を搬送すると、送風ヘッド112のエア噴き出し口から噴き出された湿潤空気が、用紙14の裏面に当てられ、用紙14の裏面が加湿される。
このように、本実施の形態のインクジェット記録装置100では、乾燥部50での乾燥時に生じる湿潤空気を利用して、用紙14を加湿する。これにより、効率よく装置を稼動させることができる。
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置100においても、加湿時の供給水分量は、0.1[g/m2]〜1.0[g/m2]とすることが好ましい。
また、加熱加圧は、ヒートローラ76の押圧力を0.05[MPa]〜0.5[MPa]、温度を40[℃]〜80[℃]の範囲内に設定して行うことが好ましい。
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置100においても、加湿装置64を組み込み、必要に応じて加湿装置64と併用して、用紙を加湿するようにしてもよい。
〔他の実施の形態〕
上記第1の実施の形態では、加湿装置64によって生成された加湿空気を用紙14の裏面に吹き当てて、用紙14の裏面を加湿する構成としているが、用紙14の裏面を加湿する構成は、これに限らず、この他、たとえば、噴霧器で液体(たとえば、水)を噴霧して、用紙14の裏面を加湿する構成としてもよい。また、スプレーから液体を噴霧して、用紙14の裏面を加湿する構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、用紙14の片面にのみ画像を記録する場合について説明したが、用紙14の両面に画像の記録を行う場合は、用紙14の表裏を変え、再度画像の記録を行う。すなわち、スタッカ82に回収された用紙14を取り出し、表裏を変えて給紙装置22に再度セットし、インクジェット記録装置を再度稼動させて、裏面側の記録を行う。これにより、用紙14の両面に画像を記録することができる。この場合、本実施の形態のインクジェット記録装置では、カックルを良好に矯正した状態で裏面側の画像記録を行うので、裏面に対しても高品位な画像を記録することができる。また、所定枚数積層させて回収した場合であっても、スタッカーブロッキングを生じさせることなく回収することができる。
また、表面側の記録が完了した後、連続して裏面側の記録を行うようにしてもよい。すなわち、加熱加圧された用紙を回収するのではなく、そのまま連続して裏面側の記録を行うように構成する。具体的には、用紙の表面(第1面)にインクを打滴して、画像を記録する第1の記録部と、表面(第1面)に画像が記録された用紙の裏面(第2面)を加湿する第1の加湿部と、裏面(第2面)が加湿された用紙の表面(第1面)にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第1の加熱加圧部と、加熱加圧された用紙の表裏を反転させる表裏反転部と、表裏が反転された用紙の裏面(第2面)にインクを打滴して、画像を記録する第2の記録部と、裏面(第2面)に画像が記録された用紙の表面(第1面)を加湿する第2の加湿部と、表面(第1面)が加湿された用紙の裏面(第2面)にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第2の加熱加圧部とを備えた両面インクジェット記録装置とすることもできる。
また、この場合も各加湿部の前に乾燥部を設置し、各加湿部は、各乾燥部から排出される湿潤空気を用紙に供給して加湿するように構成することができる。
また、上記実施の形態では、熱可塑性樹脂を含有する水性インクを用いて画像を記録する場合を例に説明したが、この他、水性の活性光線硬化性インク(たとえば、水性UVインク)を使用して画像を記録することもできる。この場合、加熱加圧部に活性光線照射装置が設置される。
10…インクジェット記録装置、14…用紙、20…給紙部、30…処理液付与部、32…渡し胴、34…圧胴(処理液ドラム)、36…処理液付与装置、40…記録部、42…渡し胴、44…圧胴(記録ドラム)、46C、46M、46Y、46K…インクジェットヘッド、50…乾燥部、52…渡し胴、54…圧胴(乾燥ドラム)、56…乾燥装置、60…加湿部、62…渡し胴、64…加湿装置、70…加熱加圧部、72…渡し胴、74…圧胴(加熱加圧ドラム)、76…ヒートローラ、80…回収部、82…スタッカ、84…コンベア、100…インクジェット記録装置、110…加湿機構、112…送風ヘッド、114…エアチャンバ、116…エアダクト、118…送気ファン

Claims (13)

  1. 枚葉の用紙を連続的に給紙する給紙部と、
    前記給紙部から給紙される用紙の表面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する記録部と、
    前記記録部で表面に画像が記録された用紙の裏面を加湿する加湿部と、
    前記加湿部で裏面が加湿された用紙の表面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する加熱加圧部と、
    前記加熱加圧部で加熱加圧された用紙を積層させて回収する回収部と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 枚葉の用紙の表面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する第1の記録部と、
    表面に画像が記録された前記用紙の裏面を加湿する第1の加湿部と、
    裏面が加湿された前記用紙の表面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第1の加熱加圧部と、
    用紙の表裏を反転させる表裏反転部と、
    反転された前記用紙の裏面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する第2の記録部と、
    前記裏面に画像が記録された前記用紙の表面を加湿する第2の加湿部と、
    表面が加湿された前記用紙の裏面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第2の加熱加圧部と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記加湿部で前記用紙の裏面に供給する水分量が0.1[g/m2]〜1.0[g/m2]であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ヒートローラの押圧力が0.05[MPa]〜0.5[MPa]であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記ヒートローラの温度が40[℃]〜80[℃]であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記加湿部で前記用紙の裏面を加湿する液体は水であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記加湿部で前記用紙の裏面を加湿する液体は、界面活性剤、及び/又は、防腐剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記加湿部で加湿する前に前記記録部で前記用紙の表面に打滴された水性インクを乾燥させる乾燥部を更に備え、前記加湿部は、該乾燥部から排出された湿潤空気を前記用紙の裏面に付与して、前記用紙の裏面を加湿することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記水溶性インクは、熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記水溶性インクは、活性光線硬化性インクであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 枚葉の用紙の表面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する第1の記録工程と、
    表面に画像が記録された前記用紙の裏面を加湿する第1の加湿工程と、
    裏面が加湿された前記用紙の表面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第1の加熱加圧工程と、
    加熱加圧された前記用紙の裏面にインクジェットヘッドで水性インクを打滴して、画像を記録する第2の記録工程と、
    前記裏面に画像が記録された前記用紙の表面を加湿する第2の加湿工程と、
    表面が加湿された前記用紙の裏面にヒートローラを押圧当接させて加熱加圧する第2の加熱加圧工程と、
    からなることを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 前記第2の記録工程の前に前記第1の加熱加圧工程で加熱加圧された前記用紙を所定枚数積層させて回収する回収工程を含むことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記第1の加湿工程及び第2の加湿工程で前記用紙の裏面に供給する水分量が0.1[g/m2]〜1.0[g/m2]であり、前記第1の加熱加圧工程及び第2の加熱加圧工程における前記ヒートローラの押圧力が0.05[MPa]〜0.5[MPa]、温度が40[℃]〜80[℃]であることを特徴とする請求項11又は12に記載のインクジェット記録方法。
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