JP5146652B2 - リチウムイオン二次電池用合金負極、その製造方法及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用合金負極、その製造方法及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 Download PDF

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本発明は、リチウムイオン二次電池用合金負極、その製造方法及びそれを用いたリチウムイオン二次電池に関し、さらに詳しくは、リチウム二次電池負極として用いた際に、充放電容量が高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる、新規なリチウム電池用合金負極と、その工業上効率的な製造方法と、これを用いた高性能のリチウム二次電池に関する。
近年、リチウム二次電池は、電子機器の駆動用電源として、その研究開発が盛んに行われている。このリチウム二次電池においては、使用する電極活物質により、充放電電圧、充放電サイクル寿命特性、保存特性などの電池特性が大きく左右される。
ところで、一般的には、リチウムイオン二次電池の負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体からなる黒鉛材料が主流であった。ところが、前記黒鉛材料は、例えば、単位質量当りの理論容量が372mAh/g であり、比重も2.25g/cmと小さいので、単位体積当り容量は837mAh/cmと小さいため、電池の高容量化が難しいという課題があった。
このため、負極活物質を改善することにより、電池特性を向上させることが図られている。例えば、負極活物質として金属リチウム(Li)を用いることにより、重量当り、及び体積当りともに、高いエネルギー密度の電池を構成することができる。しかしながら、電池の充電時に、リチウムがデンドライト状に析出し内部短絡を引き起こすという問題がある。
この解決策として、充電に際して、電気化学的にリチウムと合金化するアルミニウム、シリコン、スズなどを負極材料として用いたリチウム二次電池が報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。これらのうち、特に、シリコンは、理論容量が大きく高容量の電池用負極として有望であり、これを負極活物質とする種々の二次電池が提案されている(例えば、特許文献1、2、非特許文献2参照。)。しかしながら、これらの合金負極では、電極活物質である合金自体が、充放電により大きな体積変化を生じ、活物質粒子の割れ、又は微粉化された活物質と集電体との接触不良等を起こすため、集電特性が悪化することから、十分なサイクル特性が得られないという問題がある。
一方、代替負極材料として、リチウムの吸蔵及び放出能力を有する酸化物系負極材料を利用する多くの研究もなされている。例えば、リチウムの吸蔵と放出が可能な金属酸化物として、スズを主体とする酸化物(例えば、特許文献2、3参照。)、シリコンを主体とする酸化物(例えば、特許文献3参照。)、或いは、LiTi又はLi4/3Ti5/3で表されるリチウムチタンスピネル酸化物(例えば、非特許文献3参照。)などが提案されている。しかしながら、スズ又はシリコンを主体とする酸化物からなる負極では、サイクル特性が十分でなく、他方、リチウムチタンスピネル酸化物からなる負極では、比較的サイクル特性は良好であるが、電位が高いために電池にしたときの電圧を高くできないという問題がある。
特開平10−255768号公報(第1頁、第2頁) 特開平7−29602号公報(第1頁、第2頁) 特開平6−325765号公報(第1頁、第2頁) ソリッド ステート イオニクス(Solid State Ionics),1998年,113−115,p.57 山本浩一等,第45回電池討論会予稿集,2004年,p.288 ジャーナル オブ エレクトロケミカル ソサイァテイ(Jounal of Electorochemical Society),1995年,第142巻,第5号,p.1431
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、リチウム二次電池負極として用いた際に、充放電容量が高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる、新規なリチウム電池用合金負極と、その工業上効率的な製造方法と、これを用いた高性能のリチウム二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、リチウムイオン二次電池用合金負極について、鋭意研究を重ねた結果、負極活物質として、特定の組成を有するルテニウム(Ru)で被覆したケイ素(Si)を用いて,リチウムイオン二次電池用合金負極を形成したところ、充放電容量が高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができること、及びガスデポジション法を用いた製造方法により、工業上効率的に上記合金負極が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、負極活物質としてルテニウムで被覆したケイ素を用いてなるリチウムイオン二次電池用合金負極であって、前記ルテニウムで被覆したケイ素は、ルテニウムを全量に対し0.1〜25質量%含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用合金負極が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記ルテニウムで被覆したケイ素は、無電解めっき法により製造したものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用合金負極が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、ガスデポジション法により、集電体上にルテニウムで被覆したケイ素粉末が堆積された電極を形成することを特徴とする第1又は2の発明のリチウムイオン二次電池用合金負極の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、前記ガスデポジション法は、表面を洗浄した集電体基板上に、ノズルから、窒素ガス又は希ガスからなるキャリアーガスとともに、ルテニウムで被覆したケイ素粉末を吐出させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用合金負極の製造方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第3の発明において、前記ルテニウムで被覆したケイ素粉末は、無電解めっき法により、塩化ルテニウム水溶液中にケイ素粉末を添加し、次いで還元剤を添加してケイ素粉末の表面上にルテニウムを析出させたものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用合金負極の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1又は2の発明のリチウムイオン二次電池用合金負極と、リチウム吸蔵可能な酸化物からなる正極と、非水系電解質とから構成されることを特徴とするリチウムイオン二次電池が提供される。
本発明のリチウムイオン二次電池用合金負極は、負極活物質としてルテニウムで被覆したケイ素を用いてなるものであり、これを用いて充放電容量が高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を得ることができ、またその製造方法は、工業上効率的な方法であるので、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用合金負極、その製造方法及びそれを用いたリチウムイオン二次電池を詳細に説明する。
1.リチウムイオン二次電池用合金負極
本発明のリチウムイオン二次電池用合金負極は、負極活物質としてルテニウムで被覆したケイ素を用いてなるリチウムイオン二次電池用合金負極であって、前記ルテニウムで被覆したケイ素は、ルテニウムを、全量に対し0.1〜25質量%含有することを特徴とする。
本発明において、リチウムイオン二次電池用合金負極は、負極活物質として、所定の組成のルテニウムで被覆したケイ素を用いることが重要である。すなわち、ルテニウムが被覆されたケイ素はケイ素単体に比べ、容量は多少低下するものの、黒鉛より重量あたりの容量は大きいため、高容量のリチウムイオン二次電池が得られる。
また、所定の組成のルテニウムで被覆したケイ素では、ケイ素単体の場合の乏しいサイクル特性を向上させることができる。すなわち、ルテニウムはその表面のみが活物質として働くが、内部は電極反応に関与しないため、充放電サイクルの間においてもケイ素粒子表面で安定に存在することができる。これにより、ケイ素粒子のリチウム化・脱リチウム化反応に伴う体積変化を抑制することが可能である。
さらに、上記合金負極において、ルテニウムは、ケイ素粒子間ではクッションの働きをするものと考えられる。すなわち、ルテニウムも電極反応によりわずかに体積変化するので、ケイ素粒子による大きな体積変化で生じる応力を緩和する働きをする。
以上より明らかなように、上記リチウムイオン二次電池用合金負極は、単位重量当り充放電容量、サイクル特性において、リチウム二次電池のリチウム反応電極として好適であり、高容量でサイクル特性が良好なリチウムイオン二次電池を構成することができる。
なお、ケイ素に被覆する金属としたは、ルテニウム以外に、鉄、コバルト又はニッケルでも上記と同じような効果が得られる。
上記合金負極に用いるルテニウムで被覆したケイ素は、ルテニウムを、全量に対し0.1〜25質量%含有するものである。すなわち、ルテニウムはケイ素粉末全体を被覆しても、一部のみを被覆しても、体積変化を緩和する働きを持たせる効果はあるが、ルテニウムの含有割合が0.1質量%未満では、リチウム化・脱リチウム化反応に伴う体積変化が緩和できなくなり、サイクル特性の悪化につながる。一方、ルテニウムの含有割合が25質量%を超えると、サイクル特性は良好だが、ケイ素に起因して充放電容量が小さくなり、全体としての充放電容量が小さくなる。
上記ルテニウムで被覆したケイ素に用いるケイ素としては、通常、電極反応に影響を与える程には不純物元素を含有しない純度のものが用いられるが、その他の目的に応じて、他の元素を添加して合金化したケイ素合金も用いることができる。また、ケイ素の粒径は0.1〜50μmであることが好ましい。また、必要に応じて機械的な方法などで粉砕したり、分級したりしたものでもよい。
なお、上記ルテニウムで被覆したケイ素粉末は、熱処理すれば、充放電容量及びサイクル特性とも熱処理前に比べ向上するが、特に熱処理しなくても問題はない。
2.リチウムイオン二次電池用合金負極の製造方法
本発明のリチウムイオン二次電池用合金負極の製造方法としては、特に限定されるものではなく、従来から行われているリチウムイオン二次電池用の合金負極の製造方法を採用することができる。例えば、所望割合のルテニウムで被覆したケイ素粉末を、所望割合の導電補助材及び所望割合のバインダと混合した後、混合物を圧延によりシート電極を形成する方法、混合物に適当な溶剤を加えてペースト状にして、銅等の金属箔集電体の表面に塗布、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して電極形成したりする方法、或いはガスデポジション法により、集電体上にルテニウムで被覆したケイ素粉末からなる電極を形成する方法等が挙げられるが、この中で、特に、ガスデポジション法により、集電体上にルテニウムで被覆したケイ素粉末が堆積された電極を形成する方法が好ましい。
上記シート電極又はペーストを用いた電極で用いられる導電補助材としては、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、金属粉末、金属繊維、その他導電性ポリマー等が用いられる。上記シート電極又はペーストを用いた電極で用いられるバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。 また、活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすもので、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
上記ガスデポジション法による電極形成方法では、例えば、集電体に上記ルテニウムで被覆したケイ素粉末を高速で吹き付け、集電体上に前記粉末を堆積して電極を形成することにより製造する。上記ガスデポジション法としては、特に限定されるものではなく、一般的な金属粉末の吹き付け方法が用いられるが、この中で、例えば、チャンバー中に取り付けた表面を洗浄した集電体基板上に、メタルマスクをおき円形電極を形成し、所定の距離に設定したノズルから、窒素ガス又は希ガスからなるキャリアーガスとともにルテニウムで被覆したケイ素粉末を吐出させる方法が好ましい。
ここで、上記集電体としては、圧延銅箔などの銅箔等の一般に用いられている銅系材料を使用することができるが、必要に応じて、ニッケル、ステンレス、モリブデン、タングステン、及びタンタルなど他の集電体材料を用いることができる。
上記ガスデポジション法による電極形成方法では、合金粉末同士の接合が生じるため、導電補助材、バインダ等を使用せずに、強固な電極を形成することができるという利点とともに、得られる電極には、粒子間に適度な空隙を有するので、良好なリチウム反応性を維持することができるという利点がある。
上記ガスデポジション法による電極形成方法に用いるルテニウムで被覆したケイ素粉末を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、無電解めっき法又は含浸法が挙げられるが、特に、ケイ素表面上に、強固に密着したリン、ホウ素を含んだルテニウム層を形成することができる無電解めっき法が好ましい。
上記無電解めっき法によるルテニウムで被覆したケイ素粉末としては、例えば、塩化ルテニウム水溶液中にケイ素粉末を添加し、次いで還元剤を添加してケイ素粉末の表面上にルテニウムを析出させたものである。その製造方法としては、例えば、まず、ケイ素粉末の表面上にルテニウムを析出させるためのルテニウム源として、塩化ルテニウム水和物、塩化ルテニウム酸、塩化ルテニウム酸カリウム等の塩化ルテニウム酸塩を、水に溶解させ、次いで、ケイ素粉末を添加する。続いて、これを十分に攪拌し、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)等の水素化ホウ素塩、アルデヒド、次亜リン酸塩、ヒドラジン等の還元剤を添加し、その後、ろ過してルテニウムで被覆したケイ素の粉末を得る。
ここで、ケイ素に対するルテニウム源の添加割合を所定の値に調整することによって、所定のルテニウム含有割合を有するルテニウムで被覆したケイ素の粉末を得ることができる。
なお、この際、使用するケイ素としては、前述のように、通常、電極反応に影響を与える程には不純物元素を含有しない純度のものが用いられるが、その他の目的に応じて、他の元素を添加して合金化したケイ素合金も用いることができる。また、ケイ素の粒径は、0.1〜50μmであることが好ましい。また、必要に応じて機械的な方法などで粉砕したり、分級したりしたものでもよい。
3.リチウムイオン二次電池
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記リチウムイオン二次電池用合金負極と、リチウム吸蔵可能な酸化物からなる正極と、非水系電解質とから構成されるものである。これにより、高容量でサイクル特性の良好なリチウムイオン二次電池が得られる。
上記リチウム吸蔵可能な酸化物からなる正極としては、特に限定されるものではなく、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)或いはリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、さらにこれらのCo、Niを他の添加元素により置換したもの等が用いられる。
上記非水系電解質としては、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものが用いられる。上記有機溶媒としては、例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネート、エーテル化合物等を用いることができる。上記支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO等、及びそれらの複合塩を用いることができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた充放電特性の評価方法は、以下の通りである。
[充放電特性の評価方法]
三極式ビーカーセルを用いて、対極及び参照極として金属リチウム板((株)レアメタリック製、厚さ1mm、純度99.9%)、電解液として1MのLiClO支持塩とするプロピレンカーボネート(PC)溶液((株)キシダ化学製)を用いた。電解液の温度としては、30℃とした。なお、充放電測定装置(計測器センター(株)製、BS2506)により、電流値0.05mAで、0.005〜3.4Vvs.Li/Liの電位幅で充放電を繰り返し、1000回までのサイクル特性を評価した。
(実施例1)
まず、下記の[無電解めっき法によるルテニウム被覆ケイ素粉末の合成方法]により、ルテニウム被覆ケイ素粉末を作製し、下記の[ガスデポジション法による負極の作製方法]により、ルテニウム被覆ケイ素負極を作製した。
[無電解めっき法によるルテニウム被覆ケイ素粉末の合成方法]
塩化ルテニウム水和物(RuCl・nHO、n:1〜3、キシダ化学製、品番:020−68602)0.2gを、100mlの水に溶解させ、これに、ケイ素粉末(和光純薬製、品番:191−05582、平均粒径:1μm)0.125gを添加した。次いで、十分に攪拌し、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、和光純薬製、品番:192−01472)0.5gを添加し、その後、ろ過してルテニウムで被覆したケイ素の粉末を合成した。得られたルテニウム被覆ケイ素粉末の定量分析をしてルテニウムの含有割合を求めた。ルテニウムの含有割合は、6.25質量%であった。なお、SEM観察により、被覆厚みを調べたところ、約0.5μmであった。
[ガスデポジション法による負極の作製方法]
集電体基板として、圧延銅箔(ニラコ製、厚さ20μm、純度99%)を、アセトン脱脂し、次に硝酸による酸洗を行い、水洗後、再度アセトンで超音波洗浄したものを用いた。この集電体基板をチャンバー中に取り付け、集電体基板上にメタルマスクをおき、6mmφの円形電極を形成した。ガスデポジションは、基板/ノズル間距離を10mm、ノズル径0.8mmに設定して、アルゴンガスをキャリアーガス(0.6MPa)として用いて、約50mgのルテニウム被覆ケイ素粉末を吐出させて、負極を作製した。
次いで、得られた負極を用いて、上記[充放電特性の評価方法]により、1サイクル目と、500サイクル目の放電容量を求めた。結果を表1に示す。なお、図1は、放電容量(Discharge capacity)のサイクル回数(Cycle number)への依存性を表す図である。
(実施例2)
[ルテニウム被覆ケイ素粉末の合成]において、塩化ルテニウム水和物0.64gを溶解して、ルテニウム被覆ケイ素粉末のルテニウムの含有割合が20.0質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして得られた負極を用いて、上記[充放電特性の評価方法]により、1サイクル目と、500サイクル目の放電容量を求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
[ルテニウム被覆ケイ素粉末の合成]において、塩化ルテニウム水和物0.1gを溶解して、ルテニウム被覆ケイ素粉末のルテニウムの含有割合が3.85質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして得られた負極を用いて、上記[充放電特性の評価方法]により、1サイクル目と、500サイクル目の放電容量を求めた。結果を表1に示す。
(実施例4)
[無電解めっき法によるルテニウム被覆ケイ素粉末の合成方法]において、塩化ルテニウム水和物を水に溶解させた後に、KOH1.12gを添加して、pHを12に調整し、アルカリ性に保持した後に還元剤を添加したこと以外は、実施例1と同様にして得られた負極を用いて、上記[充放電特性の評価方法]により、1サイクル目と、500サイクル目の放電容量を求めた。結果を表1に示す。
(比較例1)
[ガスデポジション法による負極の作製方法]において、負極活物質として、ルテニウム被覆ケイ素粉末の代わりに、ケイ素粉末を用いたことこと以外は、実施例1と同様にして得られた負極を用いて、上記[充放電特性の評価方法]により、1サイクル目と、500サイクル目の放電容量を求めた。結果を表1に示す。なお、図1は、放電容量のサイクル依存性を表す図である。
(比較例2)
[ルテニウム被覆ケイ素粉末の合成]において、塩化ルテニウム水和物0.91gを溶解して、ルテニウム被覆ケイ素粉末のルテニウムの含有割合が28.5質量%となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして得られた負極を用いて、上記[充放電特性の評価方法]により、1サイクル目と、500サイクル目の放電容量を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005146652
表1より、実施例1〜4では、負極活物質としてルテニウムで被覆したケイ素を用いてリチウムイオン二次電池用合金負極を形成し、製造方法としてガスデポジション法を用いて、本発明の方法に従って行われたので、充放電容量が高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができることが分かる。これに対して、比較例1又は2では、負極活物質がこれらの条件に合わないので、充放電容量において満足すべき結果が得られないことが分かる。
より詳しくは、実施例1では、図1に示すように、充放電の初期には放電容量はケイ素単体に比べ容量は小さいが、サイクルを重ねても、放電容量の減少率は小さく、500サイクルを経過しても500mAh/gの放電容量を示しており、良好なサイクル特性を示す。
また、実施例3では、充放電の初期には放電容量が高く、かつ500サイクル目においても高い放電容量を示している。また、実施例4では、充放電の初期には放電容量が高く、かつ500サイクル目においても770mAh/gと特に高い放電容量を示している。
一方、比較例1では、ごく初期には2000mAh/gの極めて高い容量を示すが、図1に示すように、数〜10サイクルまでに大きな容量の低下を示す。なお、第1サイクルの充電時に、すでに電極活物質の基板からの剥離が観察され、これにより放電容量が低下したと見られる。また、数十サイクル以後、放電容量の継続的減少が生じ、数百サイクル後には50mAh/gまで容量が低下してしまう。これは第一サイクルで活物質の基板からの剥離が観察されたことによるものと見られる。
以上より明らかなように、本発明のリチウムイオン二次電池用合金負極は、特に、単位体積当り容量、サイクル特性、電極の内部抵抗等の諸特性において、リチウム二次電池のリチウム反応電極として好適であり、黒鉛材料等の従来材料に代わって、リチウムイオン二次電池用負極として好適に用いられる。特に、高容量でサイクル特性が良好であることから、車載用電池等幅広い応用が期待できる。
本発明の実施例1及び比較例1に記載の負極を用いた際の充放電容量のサイクル特性評価を表す図である。

Claims (6)

  1. 負極活物質としてルテニウムで被覆したケイ素を用いてなるリチウムイオン二次電池用合金負極であって、前記ルテニウムで被覆したケイ素は、ルテニウムを全量に対し0.1〜25質量%含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用合金負極。
  2. 前記ルテニウムで被覆したケイ素は、無電解めっき法により製造したものであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用合金負極。
  3. ガスデポジション法により、集電体上にルテニウムで被覆したケイ素粉末が堆積された電極を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用合金負極の製造方法。
  4. 前記ガスデポジション法は、表面を洗浄した集電体基板上に、ノズルから、窒素ガス又は希ガスからなるキャリアーガスとともに、ルテニウムで被覆したケイ素粉末を吐出させることを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用合金負極の製造方法。
  5. 前記ルテニウムで被覆したケイ素粉末は、無電解めっき法により、塩化ルテニウム水溶液中にケイ素粉末を添加し、次いで還元剤を添加してケイ素粉末の表面上にルテニウムを析出させたものであることを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用合金負極の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用合金負極と、リチウム吸蔵可能な酸化物からなる正極と、非水系電解質とから構成されることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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