JP5143533B2 - 受信装置、及び信号処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、受信装置、及び信号処理方法に関する。特に、シングルキャリア伝送方式の移動体通信システムにおけるMIMO(Multiple−Input and Multiple−Output)受信装置、及び信号処理方法に関する。
無線装置間の通信速度を高速化する技術の一つとして、多入力・多出力伝送方式が知られている。この方式は、文字通り、複数のアンテナを用いた信号の入出力を基本としている。この方式の特徴は、異なる複数のアンテナを利用して、同じタイミング、かつ、同じ周波数で複数の送信データを一度に送信することが可能な点にある。そのため、同時に送信可能なチャネルの数が増加するにつれ、増加したチャネルの分だけ単位時間当たりに送信可能な情報量を増加させることが可能になる。また、この方式は、通信速度を向上させるに当たって、占有される周波数帯域が増加しないという利点も有する。
しかし、同一周波数の搬送波成分を有する複数の変調信号が同時に送信されるため、受信側において混信した変調信号(多重信号)を分離する手段が必要になる。そこで、受信側において、無線伝送路の伝送特性を表すチャネル行列が推定され、そのチャネル行列に基づいて受信信号から各サブストリームに対応する送信信号が分離される。尚、チャネル行列は、パイロットシンボル等を用いて推定される。
しかしながら、伝送路内で付加されるノイズやサブストリーム間に生じる干渉等の影響を十分に除去してサブストリーム毎の送信信号を精度良く再現するには更に特別な工夫が必要である。これに関し、近年、MIMO信号検出に関する様々な技術が開発されてきている。例えば、MMSE(Minimum Mean Squared Error)検波方式や、このMMSE検波方式よりも伝送特性を向上させることが可能なMLD(Maximum Likelihood Detection)検波方式が知られている。また、MLD検波方式よりもサブストリーム毎の信号検出に要する演算量を低減することが可能なQR分解MLD検波方式(以下、QRD−MLD方式)と呼ばれる改良方式も知られている。さらに、下記の非特許文献1には、マルチパス干渉対策を施したQRD−MLD方式の一例が開示されている。
ところで、最近、シングルキャリア伝送に係る技術として、DFT−SOFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式と呼ばれる技術が注目されている。また、この方式について、現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規格化が検討されている。
この方式は、送信信号を周波数領域で変調マッピングし、その周波数領域の変調信号を時間領域に逆変換した上で送信する送信側の技術と、2次元(空間領域+周波数領域)MMSE検波を用いて送信信号を復元する受信側の技術とを組み合わせたものである。この技術を適用すると、送信信号が周波数領域で変調マッピングされるため、送信装置の消費電力(瞬間最大電力)を抑制できる。このようなシングルキャリア伝送方式の場合、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)等のマルチキャリア伝送方式に比べてピーク電力を低く抑えることができるため、電力消費量に対する要求が厳しい携帯端末等への応用が期待されている。
しかしながら、DFT−SOFDM方式のようなMMSE検波方式を応用した技術をMIMOシステムに適用する場合、MLD検波方式等を適用した場合に得られるアンテナ間のダイバーシチゲインが得られないという問題がある。この問題は、所望の信号品質を得るために必要な信号電力対雑音電力比(SNR)を実現するために比較的大きな送信電力を要するということを意味する。つまり、高い信号品質を得ようとすると、当該技術を適用したとしても、携帯端末等に対して大きな電力負担を強いることになる。
一方、MLD検波方式等の技術を適用する場合、アンテナ間のダイバーシチゲインが得られる分だけ、高い信号品質を得るために要求される送信電力を抑制することができる。但し、MLD検波方式は、サブストリーム毎の信号検出に要する演算量が大きく現実的ではないため、比較的演算量の少ないQRD−MLD方式等が一般に利用される。しかしながら、QRD−MLD方式等を用いるとダイバーシチゲインが得られるものの、チャネル行列の各要素に独立して発生するマルチパス干渉(以下、MPI)の影響を十分に等化することが難しいため、マルチパス干渉による影響を受けやすい環境において信号品質が大きく低下してしまうという問題がある。
また、上記の非特許文献1には、DS−CDMA(Direct Sequence Code Division Multiple Access)方式を適用すると共にマルチコード伝送と呼ばれる多重法を用いてDS(Direct Sequence)処理による通信速度の低下を補償する送信側の技術と、干渉キャンセラを用いて信号分離の補助処理を施す受信側の技術とが開示されている。この技術は、DS−CDMA方式に特有の鋭い自己相関性を利用してマルチパスを独立したパスとして扱うことで、マルチパス干渉の影響を抑制するものである。しかしながら、この方式は、マルチコード伝送の利用を前提としているため、時間領域における独立な信号の加算処理が必要になり、大きなピーク電力が発生してしまうという問題がある。従って、この技術を携帯端末のような最大送信電力が制限されている装置に対して適用することは好ましくない。また、当該技術は、各パスを経由して到来する波の到達時刻が一定でないマルチユーザMIMOシステムのような環境に適用できないという問題もある。
こうした問題に対し、QRD−MLD方式を基盤とし、チャネル行列をQR分解して得られた上三角行列の最下行から順に、各行に対応する受信信号に対して周波数領域等化(FDE;Frequency−domain Equalizer)を施すことにより、周波数選択性を等化する方式(以下、QRDE−MLD方式)が考案された。しかしながら、周波数領域等化のために上三角行列に含まれる任意の伝達関数に等化係数を作用させると、QR分解の特性上、他の伝達関数の周波数選択性が強調されてしまうという問題がある。そのため、QRDE−MLD方式を適用したとしても、マルチパス干渉が比較的大きな環境下において、広帯域通信の場合に十分な周波数領域の等化が実現されないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、最尤検出に基づく多重信号の分離処理に際し、マルチパス干渉が比較的大きな環境下においても、周波数選択性を十分に等化することが可能な、新規かつ改良された受信装置、及び信号処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数のアンテナで受信した多重信号を最尤検出により分離する受信装置が提供される。当該受信装置は、レプリカ信号を用いてチャネル行列の周波数依存成分を減算する干渉成分減算部と、周波数依存成分が減算された前記チャネル行列をユニタリ行列と上又は下三角行列との積に分解する行列分解部と、前記上又は下三角行列に基づき、前記上又は下三角行列の行単位で周波数領域等化を施すことで受信サブストリーム毎に周波数選択性を等化する信号等化部とを備えることを特徴とする。
また、MMSE等化係数を用いて分離された前記多重信号の各サブストリーム成分に基づいて前記レプリカ信号を生成するレプリカ生成部をさらに備えていてもよい。
また、前記レプリカ生成部は、前記多重信号を分離する際に、伝送路の状況に応じて前記MMSE等化係数を用いるか、或いは、前記ユニタリ行列及び前記上又は下三角行列を用いるかを選択してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のアンテナで受信された多重信号が最尤検出により分離される際にマルチパス干渉による影響を抑制することが可能な信号処理方法が提供される。当該信号処理方法は、レプリカ信号を用いてチャネル行列の周波数依存成分が減算される干渉成分減算ステップと、周波数依存成分が減算された前記チャネル行列がユニタリ行列と上又は下三角行列との積に分解される行列分解ステップと、前記上又は下三角行列に基づき、前記上又は下三角行列の行単位で周波数領域等化が施されて受信サブストリーム毎に周波数選択性が等化される信号等化ステップとを含むことを特徴とする。
上記の装置又は方法を適用することにより、サブストリーム毎の周波数領域等化器により除去し切れない比較的大きなマルチパス干渉成分が予め減算されるため、マルチパス干渉の影響を大きく受けやすい伝送路の状態であっても、効果的に周波数選択性を等化することが可能になる。また、マルチパス干渉キャンセリングの初回に、MMSE等化係数を利用した信号分離法に基づいてレプリカ信号が生成されることで、レプリカ信号の生成誤差に起因する復号特性の劣化を防止することができる。但し、2回目以降で最尤検出に基づく信号分離法が実施されるため、アンテナ間のダイバーシチゲインが得られる。
以上説明したように本発明によれば、最尤検出に基づく多重信号の分離処理に際し、マルチパス干渉が比較的大きな環境下においても、周波数選択性を十分に等化することが可能になる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[QRDE−MLD方式について]
まず、本発明の好適な実施形態について説明するに先立ち、本発明に係る技術の基盤になるQRDE−MLD方式について簡単に説明する。この方式は、シングルキャリア伝送のMIMOシステムにおける多重信号分離手段において、チャネル行列の各要素に独立して含まれる周波数選択性を等化することが可能な最尤検出技術である。
(受信装置100の機能構成)
まず、図1を参照しながら、QRDE−MLD方式に係る受信装置100の機能構成について説明する。図1は、QRDE−MLD方式に係る受信装置100の機能構成を示す説明図である。尚、送信側の装置を明示していないが、例えば、サブストリーム毎に、誤り訂正符号化/誤り検出符号化する手段と、離散フーリエ変換する手段と、周波数領域で変調マッピングする手段と、変調信号を時間領域に逆フーリエ変換する手段とを備え、複数のアンテナを介して信号を送信するような機能構成を有するものである。
図1に示すように、受信装置100は、複数のアンテナに加え、主に、FFT部102と、乗算処理部104と、信号等化部106と、チャネル推定部108と、QR分解部110と、等化係数算出部112、114と、乗算係数算出部116、118と、IDFT部120と、EDC部122と、LLR部124と、S/P変換部126と、FEC部128とにより構成される。
(FFT部102、乗算処理部104)
FFT部102は、各アンテナを介して入力された時間領域の受信信号y(t)を周波数領域の受信信号y(ω)に変換する手段である。このとき、FFT部102は、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)のアルゴリズムに基づいて受信信号を周波数領域の信号に変換する。FFT部102により周波数領域に変換された受信信号は、乗算処理部104に入力される。尚、受信信号ベクトルyは、チャネル行列Hを用いて下記の式(1)のように表現される。但し、xは送信信号ベクトルである。また、nは雑音項である。
Figure 0005143533
乗算処理部104は、後述するQR分解部110から入力されたユニタリ行列Qのエルミート共役Qと、FFT部102から入力された受信信号ベクトルyとの積を算出する手段である。乗算処理部104により算出された積Qyは、信号等化部106に入力される。尚、以下の説明において、積Qyの各要素を{Qy}(k)(k=0〜3;上三角行列Rの下から(k+1)行目に対応)と表記する。また、積Qyは、下記の式(2)のように表現される。
Figure 0005143533
(信号等化部106)
信号等化部106は、乗算処理部104の出力信号と、後述する等化係数算出部112、114により算出された等化係数と、乗算係数算出部116、118により算出された乗算係数とに基づき、後述するQR分解部110により算出された上三角行列Rの各要素が持つ周波数選択性を等化し、さらに、その周波数選択性を平坦化する手段である。信号等化部106の出力信号ZはIDFT部120に入力される。尚、信号等化部106が有する機能構成の詳細については後述する。
(チャネル推定部108、QR分解部110)
チャネル推定部108は、パイロットシンボル等に基づいて信号伝送路の状態を示すチャネル行列Hを推定する手段である。チャネル推定部108により推定されたチャネル行列Hは、QR分解部110に入力される。QR分解部110は、チャネル推定部108により推定されたチャネル行列Hをユニタリ行列Qと上三角行列Rとの積に分解(所謂、QR分解)する手段である。
QR分解部110により算出されたユニタリ行列Qは、乗算処理部104に入力される。また、QR分解部110により算出された上三角行列Rは、等化係数算出部112、114、乗算係数算出部116、118、及びEDC部122に入力される。尚、本稿を通し、QR分解を前提として説明するが、QR分解に代えて、ユニタリ行列Qと下三角行列Lとの積に分解するQL分解を用いる変形例についても、本実施形態の技術的範囲に属することは言うまでもない。
(等化係数算出部112、114)
等化係数算出部112、114は、受信サブストリーム毎に周波数領域等化を実現するための等化係数(Fa、Fs)を算出する手段である。特に、等化係数算出部112は、主に、後述する加算用の乗算係数Caに関係する信号に対して周波数領域等化するための等化係数(以下、加算用等化係数Fa)を算出する。一方、等化係数算出部114は、主に、後述する減算用の乗算係数Csに関係する信号に対して周波数領域等化するための等化係数(以下、減算用等化係数Fs)を算出する。但し、上三角行列Rの最下行に対応する乗算処理部104の出力信号に対しては、後述するように、乗算係数Ca、Csとの関係を考慮しなくてもよい。
以下の説明において、{Qy}(k)に対応する加算用等化係数Fa、減算用等化係数Fsを各々Fa(k)、Fs(k)と表記する。また、加算用等化係数Fa(k)、減算用等化係数Fs(k)は、下記の式(3)、式(4)のように表現される。但し、Nは、受信アンテナの本数である。また、上付きバーは、アンサンブル平均を表す。Sは、信号電力を表す。
Figure 0005143533
(乗算係数算出部116、118)
乗算係数算出部116、118は、受信サブストリーム毎に周波数領域等化の処理を実行する前段で、乗算処理部104の各出力信号に対し、上三角行列Rの非対角要素に対応する成分を除去又は注入するための乗算係数(Ca、Cs)を算出する手段である。特に、乗算係数算出部116は、乗算処理部104の各出力信号に対し、上三角行列Rの非対角要素に対応する成分を注入するための乗算係数(以下、加算用乗算係数Ca)を算出する。一方、乗算係数算出部118は、乗算処理部104の各出力信号に対し、上三角行列Rの非対角要素に対応する成分を除去するための乗算係数(以下、減算用乗算係数Cs)を算出する。尚、後述するように、乗算係数算出部116により算出される加算用乗算係数Caは、上三角行列Rの非対角要素に対応する信号の周波数選択性を対角要素に対応する信号の周波数選択性に近似させる効果を奏するものである。
以下の説明において、上三角行列Rの非対角要素Rij(i≠j;i,j=0〜3)に対応する加算用乗算係数Ca、減算用乗算係数Csを各々Caij、Csijと表記する。また、加算用乗算係数Caij、減算用乗算係数Csijは、下記の式(5)、式(6)のように表現される。
Figure 0005143533
(IDFT部120)
IDFT部120は、信号等化部106の各出力信号Zに対し、逆離散フーリエ変換(IDFT;Inverse Discrete Fourier Transform)を施して周波数領域の信号Z(ω)から時間領域の信号Z(t)に変換する手段である。各IDFT部120の出力信号は、EDC部122に入力される。
(EDC部122)
EDC部122は、IDFT部120により時間領域の信号に変換された信号等化部106の出力信号と、所定の変調方式に対応する送信シンボル候補との間のユークリッド距離(Euclidean Distance)を算出する手段である。但し、送信シンボル候補とは、所定の変調方式に対応する信号点配置図(コンステレーション)上の各信号点のことである。また、このユークリッド距離は、下記の式(7)で表現される評価関数により算出される。
Figure 0005143533
但し、xsは送信シンボル候補を示す。
尚、図中のEDC部122は、説明の便宜上、上三角行列Rの各行に対応するように各段が記載されており、例えば、最下段に記載されたEDC部122と上三角行列Rの最下行とが対応する。従って、EDC部122は、最下段から順にサブストリーム毎のユークリッド距離を算出し、全サブストリームに対応する尤度が最小となる送信シンボル候補の組み合わせ(以下、推定送信信号ベクトル)を選択する。EDC部122により選択された推定送信信号ベクトルはLLR部124に入力される。
(LLR部124、S/P変換部126、FEC部128)
LLR部124は、EDC部122から入力された推定送信信号ベクトルの対数尤度比(LLR;Log−Likelihood Ratio)を算出する手段である。S/P変換部126は、推定送信信号ベクトルをサブストリーム毎に分離する手段である。S/P変換部126により分離されたサブストリーム毎の推定送信信号は、FEC部128に入力される。FEC部128は、LLR部124により算出された対数尤度比に基づいてサブストリーム毎の推定送信信号に対して誤り訂正(Forward Error Correction)を施し、再生データを出力する。
以上、QRDE−MLD方式の受信装置100について、その全体的な機能構成の概要を説明した。但し、QRDE−MLD方式の特徴は、主に、上記で説明の詳細を省略した信号等化部106が有する機能構成にある。そこで、信号等化部106の機能構成について、より詳細な説明を加える。
(信号等化部106の詳細な機能構成について)
図2を参照しながら、信号等化部106の機能構成について、より詳細に説明する。図2は、QRDE−MLD方式に係る信号等化部106の機能構成を示す説明図である。
図2に示すように、QRDE−MLD方式に係る信号等化部106は、主に、FDE部172、176、180、184と、加減算部174、178、182とを含む。
(第1段目の処理)
まず、信号等化部106は、乗算処理部104から入力された信号{Qy}(3)を2つに分岐してFDE部172に入力する。FDE部172は、その入力された信号の一方に対して加算用等化係数Fa(3)を乗算し、その乗算結果(Z(3))をIDFT部120に向けて出力する。さらに、FDE部172は、その入力された信号の他方に対して減算用等化係数Fs(3)を乗算する。減算用等化係数Fs(3)が乗算された信号は、分岐されて加減算部174、178、182に入力される。
(第2段目の処理)
次いで、信号等化部106は、乗算処理部104から入力された信号{Qy}(2)を2つに分岐して加減算部174に入力する。加減算部174は、FDE部172から入力された信号に加算用乗算係数Ca23を乗算する。そして、加減算部174は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(2)に加算して加算信号を生成する。同様に、加減算部174は、FDE部172から入力された信号に減算用乗算係数Cs23を乗算する。そして、加減算部174は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(2)から減算して減算信号を生成する。この加算信号、及び減算信号は、FDE部176に入力される。
FDE部176は、加減算部174から入力された加算信号に対し、加算用等化係数Fa(2)を乗算し、その乗算結果(Z(2))をIDFT部120に向けて出力する。さらに、FDE部176は、加減算部174から入力された減算信号に対し、減算用等化係数Fs(2)を乗算する。減算用等化係数Fs(2)が乗算された信号は、分岐されて加減算部178、182に入力される。
(第3段目の処理)
次いで、信号等化部106は、乗算処理部104から入力された信号{Qy}(1)を2つに分岐して加減算部178に入力する。加減算部178は、FDE部172から入力された信号に加算用乗算係数Ca13を乗算する。そして、加減算部178は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(1)に加算して第1の加算信号を生成する。同様に、加減算部178は、FDE部172から入力された信号に減算用乗算係数Cs13を乗算する。そして、加減算部178は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(1)から減算して第1の減算信号を生成する。
さらに、加減算部178は、FDE部176から入力された信号に加算用乗算係数Ca12を乗算する。そして、加減算部178は、その乗算して得られた信号を第1の加算信号に加算して第2の加算信号を生成する。同様に、加減算部178は、FDE部176から入力された信号に減算用乗算係数Cs12を乗算する。そして、加減算部178は、その乗算して得られた信号を第1の減算信号から減算して第2の減算信号を生成する。この第2の加算信号、及び第2の減算信号は、FDE部180に入力される。
FDE部180は、加減算部178から入力された第2の加算信号に対し、加算用等化係数Fa(1)を乗算し、その乗算結果(Z(1))をIDFT部120に向けて出力する。さらに、FDE部180は、加減算部178から入力された第2の減算信号に対し、減算用等化係数Fs(1)を乗算する。減算用等化係数Fs(1)が乗算された信号は、分岐されて加減算部182に入力される。
(第4段目の処理)
次いで、信号等化部106は、乗算処理部104から入力された信号{Qy}(0)を2つに分岐して加減算部182に入力する。加減算部182は、FDE部172から入力された信号に加算用乗算係数Ca03を乗算する。そして、加減算部182は、その乗算して得られた信号を信号{Qy}(0)に加算して第1の加算信号を生成する。同様に、加減算部182は、FDE部176から入力された信号に加算用乗算係数Ca02を乗算する。そして、加減算部182は、その乗算して得られた信号を第1の加算信号に加算して第2の加算信号を生成する。さらに、加減算部182は、FDE部180から入力された信号に加算用乗算係数Ca01を乗算する。そして、加減算部182は、その乗算して得られた信号を第2の加算信号に加算して第3の加算信号を生成する。この第3の加算信号は、FDE部184に入力される。
FDE部184は、加減算部182から入力された第3の加算信号に対し、加算用等化係数Fa(0)を乗算し、その乗算結果(Z(0))をIDFT部120に向けて出力する。信号等化部106による上記の処理を施すことにより、上三角行列Rの各要素が独立に有する周波数選択性を等化することができる。この様子を示したのが図3である。
(信号等化部106の処理による効果について)
ここで、図3を参照しながら、信号等化部106の処理による効果について簡単に説明する。図3は、信号等化部106の第3段目で実行される等化処理の効果を示す説明図である。尚、第3段目の処理を例に挙げて説明するが他段の処理についても同様である。
まず、図3の(IN)を参照する。(IN)は、上三角行列Rの下から第3行目に対応する要素R11、R21、R31の周波数特性を模式的に示すものである。(IN)に示すように、要素R11、R21、R31は、それぞれ独立の周波数特性を有している。そのため、乗算処理部104から入力される信号{Qy}(3)は、サブストリーム毎に独立した周波数選択性を有している。
次に、図3の(A1)を参照する。(A1)は、第1の加算信号における上三角行列Rの要素R11、R21、R31の周波数特性を模式的に示すものである。(A1)に示すように、第1段目の出力信号に加算用乗算係数Ca13を乗算して得られた信号を信号{Qy}(3)に加算することで、要素R31の周波数特性が要素R11と同様の周波数特性に補正される効果を得ることができる。
次に、図3の(A2)を参照すると、第2段目の出力信号に加算用乗算係数Ca12を乗算して得られた信号が更に加算されることで、要素R21の周波数特性が要素R11と同様の周波数特性に補正される効果を得ることができる。最後に、その出力信号に加算用等化係数Fa(1)が乗算されることで、(A3)に示すように、要素R11、R21、R31の周波数特性が平坦化される効果を得ることができる。
次に、図3の(S1)(S2)(S3)を参照する。(S1)は、第1段目の出力信号に減算用乗算係数Cs13を乗算して得られた信号を信号{Qy}(3)から減算した信号の周波数特性である。同様に、(S2)は、その信号から、第2段目の出力信号に減算用乗算係数Cs12を乗算して得られた信号を減算した信号の周波数特性である。つまり、(S1)(S2)では、上三角行列Rの非対角要素に対応する信号{Qy}(3)の各成分が除去されている。最後に、減算用等化係数Fs(1)が乗算されて、上三角行列Rの対角要素に対応する信号成分が平坦化される。
以上説明した通り、信号等化部106は、上三角行列Rの各要素に独立して含まれる周波数選択性を等化することができる。その結果、シングルキャリア伝送方式のMIMOシステムにおいて、マルチパス干渉による影響を効果的に抑制することが可能になる。また、最尤検出に基づく信号分離方式であるため、ダイバーシチゲインが得られることで高いSN比が実現され、結果として最大消費電力を低減させることが可能になる。但し、各段で実行される等化処理により、他段で処理されるサブストリームの周波数選択性が強調されるため、マルチパス干渉の影響が大きい場合には十分に除去できない場合がある。
<第1実施形態>
次に、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、上記のQRDE−MLD方式を基盤とし、信号等化処理の前段で、繰り返し処理によるマルチパス干渉の除去処理を実行する点に特徴がある。これは、マルチパス干渉による影響が大きな広帯域伝送等の場合においても、QRDE−MLD方式の利点を生かせるようにするものである。
[受信装置200の機能構成]
まず、図4を参照しながら、本実施形態に係る受信装置200の機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係る受信装置200の機能構成を示す説明図である。尚、上記のQRDE−MLD方式に係る受信装置100と実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
図4に示すように、受信装置200は、主に、FFT部102と、マルチパス干渉除去部202と、乗算処理部104と、信号等化部106と、チャネル推定部108と、QR分解部110と、等化係数算出部112、114と、乗算係数算出部116、118と、IDFT部120と、EDC部122と、LLR部124と、S/P変換部126と、FEC部128と、制御部204と、変調部206と、DFT部208とにより構成される。上記の受信装置100との主な構成上の相違点は、マルチパス干渉除去部202、制御部204、変調部206、及びDFT部208である。そこで、これらの相違点を中心に説明する。
(制御部204、変調部206、DFT部208)
制御部204は、QRDE−MLD方式の受信装置100と実質的に同一の処理に基づいて再生された再生データを用いて送信レプリカ信号x’を生成するように制御する手段である。まず、FEC部128から出力された再生データが変調部206に入力されて時間領域の送信レプリカ信号x’(t)が生成される。次いで、時間領域の信号レプリカ信号x’(t)は、DFT部208に入力されて周波数領域の送信レプリカ信号x’(ω)に変換される。この周波数領域の送信レプリカ信号x’(ω)は、マルチパス干渉除去部202、及び乗算処理部104に入力される。
(マルチパス干渉除去部202)
マルチパス干渉除去部202は、FFT部102から入力された周波数領域の受信信号に含まれるマルチパス干渉の影響を繰り返し処理により除去する手段である。マルチパス干渉除去部202は、下記の式(8)に示すように、DFT部208から出力された送信レプリカ信号x’を用いてチャネル行列Hの周波数依存成分ΔH(ω)を減算することで周波数選択性を除去する。但し、送信レプリカ信号x’には、誤差が含まれることがあり、送信信号xと送信レプリカ信号x’とが一致せずに周波数選択性が残留する可能性がある。しかし、この残留した周波数選択性(又は残留マルチパス干渉)は、後段の信号等化部106によって除去される。尚、Havは、周波数領域におけるチャネル行列Hの平均を表す。
Figure 0005143533
図5にマルチパス干渉除去部202の機能構成を示した。図5に示すように、マルチパス干渉除去部202は、受信サブストリーム毎に減算部232、234、236、238を有する。各減算部232、234、236、238では、送信レプリカ信号x’に基づいて生成された減算信号dry(k)={ΔH(ω)x’}(k)(k=0〜3)を受信信号y(k)から減算する処理(y(k)−dry(k))が施される。
上記のような再生データの出力、送信レプリカ信号の生成、及びマルチパス干渉の除去等の処理が全てのサブストリームについて誤りなしと判定されるまで繰り返される。誤りの有無は、各サブストリームについて巡回冗長検査(CRC;Cyclic Redundancy Check)を実施することで判明する。また、この繰り返し処理は、送信側に再送を促すことで、所定の処理遅延時間に到達した際に繰り返し処理を終了してもよい。
(制御部204の詳細な機能構成について)
ここで、制御部204の詳細な機能構成について説明を加える。制御部204は、伝送路の状況や再生データの復号品質を監視しながら、マルチパス干渉除去部202の動作を制御する。チャネル行列Hの平均値Havは、例えば、周波数帯域内での位相や振幅等の変化に応じて零又は非常に低いレベルとなる場合がある。こうした場合において、制御部204は、チャネル行列Hの平均値Havを算出するための平均化手法を変更する。例えば、制御部204は、平均化手法として周波数領域内での電力重み付け平均を用いたり、或いは、時間領域(インパルス応答)内で最大レベルを有するパスの伝達関数を平均値Havに代えて適用してもよい。制御部204は、こうした手法を伝送路の状況に応じて変化させることができる。
制御部204は、平均化手法を決定すると、チャネル行列Hの平均値Hav、及び周波数依存成分ΔH(ω)を算出する。次いで、制御部204は、送信レプリカ信号x’を用いて、上記の式(8)で表現される減算処理をマルチパス干渉除去部202に実行させる。また、制御部204は、QR分解部110に対してチャネル行列Hの平均値Havに対するQR分解を実行させる。また、制御部204は、信号等化部302に対し、周波数依存成分ΔH(ω)の残留成分について周波数領域等化の処理を実行させる。
さらに、制御部204は、送信レプリカ信号x’が正しく生成されない場合を想定し、サブストリーム毎に重み付けをしてもよい。実際、変調方式毎に所望の品質を得るために要する信号電力対雑音・干渉電力比(SINR)が異なるため、変調方式毎に復号後の信号品質が異なる可能性がある。但し、この復号品質は、軟値ビットの絶対値平均(例えば、Σ|tanh(LLR)|等)から推測が可能である。そこで、この推測値を用いてサブストリーム毎の送信レプリカ信号x’に重み付けを付与することにより、低品質の送信レプリカ信号に起因する復号品質の劣化を緩和することができる。
例えば、QPSKがストリーム番号1に割り当てられ、64QAMがストリーム番号2に割り当てられている場合を考える。この場合、QPSK(ストリーム番号1)に重み1.0を付与し、64QAM(ストリーム番号2)に重み0.5(<1.0)を付与することで、誤りやすいストリーム(64QAM)のレベルを低減させ、復号品質の劣化を緩和することができる。尚、制御部204は、サブストリーム毎の重みをDFTの周期で変更してもよいし、或いは、誤り訂正符号の1区間で変更してもよい。
(第1実施形態のまとめ)
以上、本実施形態に係る受信装置200の機能構成、及び信号処理方法について説明した。上記の方法は、繰り返し復号を前提とし、2回目以降の繰り返し復号処理において、周波数領域におけるマルチパス干渉の除去処理をする点に特徴がある。また、マルチパス干渉の除去後に出力される信号に対してQRDE−MLD方式の信号等化処理を施す。この処理に係る制御は、伝送路の状況や復号品質に応じて適応的に実行される。
上記の装置及び方法を用いると、送信側に高い電力負担を強いずに最尤検出に際してマルチパス干渉の抑圧が実現される。その結果、高速パケット伝送の際に、その高速性を犠牲にすることなく通信品質を改善できる。また、最尤検出による受信アンテナ間のダイバーシチゲインを得ることができるため、MMSE方式よりも大幅な信号特性の改善が見込まれる。結果として、所望の通信品質を得るために要する送信電力が低減され、携帯端末のバッテリ持続時間を延ばすことにも繋がる。また、下り回線で考えれば、インフラ設備の省電力化が実現される。もちろん、電波到達距離が延びるという効果も得られる。
(シミュレーション結果)
図6に、本実施形態に係る受信特性のシミュレーション結果を示す。尚、シミュレーションの条件は、3GPPにて規格化が進められているEvolved UTRA and UTRAN(通称LTE : Long Term Evolution)を基準にしている。また、チャネル符号にターボ符号を用いるターボインターリーバの構成を採用した。この構成は、送信側のDFT前段でインタリーバを適用し、受信側のターボ復号前にデインタリーバを適用するものである。当該構成を採用すると、サブストリーム間の相関を低減させることが可能になるため、受信特性の向上が期待できる。本シミュレーションにおいて、ターボ符号は、拘束長4、最大繰り返し復号回数を7回とした。
また、図6には、比較のため、本実施形態に係る方式(+MPICと表示)の他に、SC−MMSE(Soft−Cansel MMSE)の特性、及びQRDE−MLD方式の特性を記載した。図6に示すように、本実施形態に係る方式は、QRDE−MLD方式に比べ、パケット誤り率(PER;Packet Error Rate)0.1においてSNRが約1.8dB程度改善されている。また、PERが0.1以下では、SC−MMSE方式に比べて大幅な特性改善が実現されている。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態は、QR分解に起因する周波数選択性の強調効果を回避するために、繰り返し処理の初回において、MMSE基準の等化係数を利用し、次回以降にQRDE−MLD方式に係る処理を実行する点に特徴がある。従って、上記の第1実施形態と本実施形態とは、図7に示す乗算処理部104、及び信号等化部302に与えられる係数と、信号等化部302による実質的な処理の流れが主に相違する。そこで、図7を参照しながら、これらの相違点を中心に説明する。
(問題提起)
既に述べた通り、QR分解を用いることで周波数領域等化の際に周波数選択性が強調されるという問題がある。この問題は、当該技術を広帯域通信に適用することで周波数選択性が激しくなる可能性を示唆するものである。例えば、QR分解に基づく信号分離法を適用した後で周波数領域等化を実施する場合、雑音強調を抑制するために周波数選択性が補正されない可能性が高まる。そのため、残留マルチパス干渉が増大し、繰り返し復号の初回における復号性能の低下を招く結果となる。そこで、本実施形態では、繰り返し復号の初回だけ、MMSE基準の等化係数に基づいて周波数領域における等化処理を実施し、その結果得られるレプリカ信号を用いて次回以降の処理を継続する方式を提案する。
[受信装置300の機能構成]
まず、図7を参照しながら、本実施形態に係る受信装置300の機能構成について説明する。図7は、本実施形態に係る受信装置300の機能構成を示す説明図である。
図7に示すように、受信装置300は、主に、FFT部102と、マルチパス干渉除去部202と、乗算処理部104と、信号等化部302と、チャネル推定部108と、QR分解部110と、等化係数算出部112、114と、乗算係数算出部116、118と、IDFT部120と、EDC部122と、LLR部124と、S/P変換部126と、FEC部128と、制御部304と、変調部206と、DFT部208とにより構成される。上記の受信装置200との主な構成上の相違点は、信号等化部302、及び制御部304にある。
(信号等化部302、制御部304)
信号等化部302は、第1実施形態における信号等化部106と同様に、上三角行列の各行に対応する受信サブストリームに対し、上三角行列の最下行から順に行単位で周波数領域等化を施すことにより、上三角行列の各要素に独立して発生する周波数選択性を等化させる手段である。但し、信号等化部302は、後述するMMSE基準の等化係数を利用して信号等化することができる。
尚、MMSE基準の等化係数は、制御部304により算出され、乗算処理部104、及び信号等化部302に入力される。乗算処理部104は、ユニタリ行列Qに代えて、下記の式(9)で表現されるMMSE基準の等化係数Wを受信信号に乗算する。また、信号等化部302は、上三角行列Rに代えて、MMSE基準の等化係数Wとチャネル行列Hとの積WHの対角成分で形成される対角行列を用いて等化処理を実行する。
Figure 0005143533
制御部304は、マルチパス干渉除去部202で用いる送信レプリカ信号が最初に生成される際に、上記の式(9)で表現されるMMSE基準の等化係数に基づく等化処理を実行させる。また、マルチパス干渉除去部202による処理が施された後において、制御部304は、MMSE基準の等化係数に基づく等化処理から、QR分解に基づく等化処理に切り替えるように、乗算処理部104、及び信号等化部302を制御する。尚、当該制御は、等化係数を変更することで実現される。
上記の制御により、上三角行列Rの右下に位置する要素のレベル低下が著しい等の理由でQR分解に基づく最尤復号の特性が悪い場合に特性を改善することが可能になる。但し、MMSE基準で等化処理を実行すると、受信ダイバーシチゲインが低下してしまう。しかし、理論的にサブストリームが直交化され、これに付随してサブストリーム間のマルチパス干渉が高々雑音レベル程度まで抑制されるため、マルチパス干渉がダイバーシチ効果を上回るような劣悪な状況において、MMSE基準を適用する方が受信装置全体としての性能を向上させることができる。
また、繰り返し処理の2段目以降において、QR分解基準の等化処理に切り替えることにより、受信ダイバーシチ効果を得ることができる。そのため、更なる特性の改善が実現される。結果として、所望の受信品質を得るために必要なSNRが低減され、端末装置の省電力化、或いは、基地局が提供するサービスエリアの拡大等の効果が得られる。さらに、本実施形態に係る技術を応用することで、MMSE基準のみに基づく判定帰還型復調方式において、繰り返し復号回数を低減する事もできる。その結果、回路規模の削減又は処理遅延時間の大幅な削減効果を得ることが可能になり、インフラコストが削減され、移動通信サービスの提供コストが低減されるといった経済的な効果も見込める。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、各実施形態の説明において、受信アンテナ数Nを4本に設定して説明したが、これに限定されず、N≧2の任意の本数であってもよい。
ところで、周波数領域等化は、その係数の分母に含まれる固定値に応じて特性が大きく変化する。そこで、SNRのみを考慮するのではなく、無線通信帯域幅に応じた係数を固定値に設定してもよい。また、上三角行列Rの成分から推測されるマルチパス干渉項を固定値に付加してもよい。
また、QR分解にMMSEの概念を追加した擬似逆MMSE基準(Pseudo−inverse MMSE)と呼ばれる方式が報告されているが、本発明に係る技術を当該疑似逆MMSE基準に適用させることも可能である。尚、本発明に係る技術は、マルチパス干渉が問題となるシングルキャリア通信方式に対して広く適用可能である。例えば、IFDMA(Interleaved Frequency Domain Multiple Access)や、VSCRF−CDMA(Variable Spreading Chip Repetition Factor−CDMA)に係る無線通信方式、或いは、上位スケジューリング機能によって極めて短い時間を各ユーザに割り当て、他セルやセクタとの間の同一チャネル間干渉を低減させるような高速パケット伝送方式に係る無線通信システム等に適用される。
QRDE−MLD方式に係る受信装置の機能構成を示す説明図である。 同方式に係る信号等化部の機能構成を示す説明図である。 同方式の信号等化部による周波数選択性除去の様子を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る受信装置の機能構成を示す説明図である。 同実施形態に係るマルチパス干渉除去部の機能構成を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る受信装置による効果を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る受信装置の機能構成を示す説明図である。
符号の説明
100、200、300 受信装置
102 FFT部
104 乗算処理部
106 信号等化部
108 チャネル推定部
110 QR分解部
112、114 等化係数算出部
116、118 乗算係数算出部
120 IDFT部
122 EDC部
124 LLR部
126 S/P変換部
128 FEC部
172、176、180、184 FDE部
174、178、182 加減算部
202 マルチパス干渉除去部
204 制御部
206 変調部
208 DFT部
302 信号等化部
304 制御部

Claims (4)

  1. 複数のアンテナで受信した多重信号を最尤検出により分離する受信装置であって、
    レプリカ信号を用いてチャネル行列の周波数依存成分を減算する干渉成分減算部と、
    周波数依存成分が減算された前記チャネル行列をユニタリ行列と上又は下三角行列との積に分解する行列分解部と、
    前記上又は下三角行列に基づき、当該上又は下三角行列の行単位で周波数領域等化を施すことで受信サブストリーム毎に周波数選択性を等化する信号等化部と、
    を備えることを特徴とする、受信装置。
  2. MMSE(Minimum Mean Squared Error)等化係数を用いて分離された前記多重信号の各サブストリーム成分に基づいて前記レプリカ信号を生成するレプリカ生成部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記レプリカ生成部は、前記多重信号を分離する際に、伝送路の状況に応じて前記MMSE等化係数を用いるか、或いは、前記ユニタリ行列及び前記上又は下三角行列を用いるかを選択することを特徴とする、請求項2に記載の受信装置。
  4. 複数のアンテナで受信された多重信号が最尤検出により分離される際にマルチパス干渉による影響を抑制することが可能な信号処理方法であって、
    レプリカ信号を用いてチャネル行列の周波数依存成分が減算される干渉成分減算ステップと、
    周波数依存成分が減算された前記チャネル行列がユニタリ行列と上又は下三角行列との積に分解される行列分解ステップと、
    前記上又は下三角行列に基づき、当該上又は下三角行列の行単位で周波数領域等化が施されて受信サブストリーム毎に周波数選択性が等化される信号等化ステップと、
    を含むことを特徴とする、信号処理方法。
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