JP5142640B2 - 圧力測定用材料 - Google Patents

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Description

本発明は、面圧などの圧力分布を測定する圧力測定用材料に関する。
圧力測定用の材料は、液晶ガラスの貼合せ工程、プリント基板へのハンダ印刷、ローラ間の圧力調整などの用途に使われている。このような圧力測定用の材料には、例えば、富士フイルム(株)から提供されているプレスケール(商品名)に代表される圧力測定フィルムがある。
この圧力測定フィルムの例として、電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物との発色反応を利用した圧力測定用シートが開示されており(例えば、特許文献1参照)、0.1MPa〜20MPa程度の圧力範囲で測定することができるとされている。圧力測定フィルムは、測定部位に合わせてフィルムを任意の大きさに裁断して使用できる特徴を有するほか、筆圧による高い線圧によって発色反応を起こさせる、いわゆる感圧複写紙とは異なり、面圧を測定することができる特徴を有している。
近年、製品の高機能化、高精細化により、微小な圧力の分布を測定する必要性が増加している。例えば、液晶パネルの貼り合わせでは、大面積化により真空貼り合わせ方式が増加し、大気圧である0.1MPa以下の領域での圧力分布測定が重要になっている。また、プリント基板へのハンダ印刷では、電子部品の高精細化や基板の多層化により、0.1MPa以下の微小な圧力を含む圧力領域でのハンドリングが増加しており、0.1MPa以下の微小な圧力の分布測定に対する要望が高まっている。
特公昭57−24852号公報
しかし、従来から圧力や圧力分布の測定に用いられている材料のうち、特に低圧用の圧力測定用材料においては、例えば、圧力分布を測定する場所に圧力測定用材料をセットする際に僅かな擦れが発生した場合に、擦れが発生した部分が発色してしまい、正確な面圧分布を測定することが困難な場合があった。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、擦れによる発色が抑制された低圧用の圧力測定用材料を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を解決するための鋭意検討の結果、本発明は、電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物との発色反応を利用した発色系において、電子受容性化合物を含有する顕色剤層の表面の算術平均粗さの制御が、擦れによる発色の抑制に有用であるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
上記の課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物との発色反応を利用した圧力測定用材料であって、電子供与性無色染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含有する発色剤層が基材上に設けられた第1の材料と、電子受容性化合物を含有する顕色剤層が基材上に設けられた第2の材料と、を含み、前記マイクロカプセルの体積標準のメジアン径Dに対する、前記マイクロカプセルの数平均壁厚δの比(δ/D)が、1.0×10−3以上2.0×10−2以下であって、前記顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上1.1μm以下である圧力測定用材料。
<2> 0.05MPaでの加圧前後における発色濃度差ΔDが0.02以上であることを特徴とする前記<1>に記載の圧力測定用材料。
<3> 前記電子供与性無色染料前駆体がマイクロカプセルに内包されており、該マイクロカプセルの体積標準のメジアン径がAμmであるときに、(A+5)μm以上のマイクロカプセルが2cm×2cm当たり5000〜30000個存在することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の圧力測定用材料。
<4> 前記電子供与性無色染料前駆体を内包するマイクロカプセルの体積標準のメジアン径(Aμm)が10〜40μmであることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
本発明によれば、擦れによる発色が抑制された低圧用の圧力測定用材料を提供することができる。
以下、本発明の圧力測定用材料について、詳細に説明する。
(圧力測定用材料の構成)
本発明の圧力測定用材料は、電子供与性無色染料前駆体(以下、「発色剤」ともいう)および、好ましくは溶媒を内包したマイクロカプセルを含有する層と、前記電子供与性無色染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物(以下、「顕色剤」ともいう)を含有する層とを、それぞれ別個の基材に設けて(好ましくは塗工して)構成したものである。
本発明の圧力測定用材料は、マイクロカプセルを含む層と電子受容性化合物を含む層とが別個の基材に塗工等して設けられた、いわゆる2シートタイプであり、シートやフィルム等の基材上にマイクロカプセル含有の発色剤層を有する第1の材料と、シートやフィルム等の基材上に顕色剤含有の顕色剤層を有する第2の材料と、を有して構成されており、第1の材料のマイクロカプセルが存在する面(発色剤層表面)と、第2の材料の電子受容性化合物が存在する面(顕色剤層表面)とが互いに向き合うように両材料を重ね、重ねた状態で圧力あるいは圧力分布を測定したい部位に挟んで加圧する。
上記のように加圧されることで、マイクロカプセルが破壊されて電子供与性無色染料前駆体を含む内包物が放出され、電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物が反応することによって着色が見られるものである。このとき、加圧する圧力に対応して電子供与性無色染料前駆体を含む内包物がより多く放出されるようになり、電子受容性化合物との反応量が増えるため、より高い濃度の発色が得られる。
本発明の圧力測定用材料においては、電子供与性無色染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含有する発色剤層を基材上に塗工等して設けた第1の材料と、電子受容性化合物を含有する層を第1の材料とは別の基材上に塗工等して設けた第2の材料とから構成されることにより、その保存性や取扱い性が良好になる。
本発明において、前記電子供与性無色染料前駆体を内包するマイクロカプセルは、下記式1に示す関係を満たす。この関係式を満たすマイクロカプセルに構成することで、低圧領域(好ましくは0.1MPa未満の圧力領域)での加圧でも良好な発色を得ることができる発色系を形成することができる。下記式1において、δはマクロカプセルの数平均壁厚(μm)を表し、Dはマイクロカプセルの体積標準のメジアン径(μm)を表す。
1.0×10−3 ≦ δ/D ≦ 2.0×10−2 ・・・式1
δ/D値が前記範囲内であると、カプセルサイズとカプセル壁の厚みとのバランスが良く、薄すぎて経時でカプセルの中身が漏れる等がなく、低圧領域(好ましくは0.1MPa未満の圧力領域)で良好な発色を得ることができる。
また、δ/D値が1.0×10−3未満であると、わずかな擦れであってもカプセルが破壊されてしまい、圧力測定時に良好な発色が得られなくなる。
本発明において、体積標準のメジアン径は、マイクロカプセル液を支持体に塗布し、その表面を光学顕微鏡により150倍で撮影し、2cm×2cmの範囲にある全てのマイクロカプセルの大きさを計測して算出される値である。
また壁厚とは、マイクロカプセルのカプセル粒を形成する樹脂膜(いわゆるカプセル壁)の厚みをいい、数平均壁厚(μm)とは、5個のマイクロカプセルの個々のカプセル壁の厚みを走査型電子顕微鏡により求めて平均した平均値をいう。
上記のδ/D値の範囲のうち、低圧領域(好ましくは0.1MPa未満の圧力領域)で良好な発色(着色)を得る点で、δ/D値は、2.0×10−3〜1.5×10−2が好ましく、3.0×10−3〜1.3×10−2がより好ましい。
また本発明の圧力測定用材料は、電子受容性化合物を含有する顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが1.1μm以下であることを特徴とする。これにより擦れによる発色を効果的に抑制することができる。
本発明において、前記顕色剤層の表面の算術平均粗さRaは1.1μm以下であるが、擦れによる発色抑制と製造適性の観点から、0.1μm以上1.1μm以下である。
尚、顕色剤層の表面の算術平均粗さRaは、JIS−B−0601に準じて測定されるものである。具体的には市販のレーザー顕微鏡を用いて常法により測定することができる。
本発明の圧力測定用材料は上記構成であることにより、擦れによる発色を効果的に抑制することができ、低圧での良好な発色を得ることができる。ここでいう低圧での良好な発色とは、例えば、0.3MPaでの加圧前後における発色濃度差ΔDが0.02以上であることをいい、0.05MPaでの加圧前後における発色濃度差ΔDが0.02以上であることが好ましい。
(基材)
本発明の圧力測定用材料を構成する基材は、シート状、フィルム状、板状等のいずれであってもよく、具体的な例として、紙、プラスチィックフィルム、合成紙等が挙げられる。
前記紙の具体例としては、上質紙、中質紙、更紙、中性紙、酸性紙、再生紙、コート紙、マシンコート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、トレーシングペーパー、再生紙等を挙げることができる。前記プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム等を挙げることができる。
また、前記合成紙の具体例としては、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等を二軸延伸してミクロボイドを多数形成したもの(ユポ等)や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどの合成繊維からなるもの、これらを紙の一部、一面、両面に積層したものなどが挙げられる。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、加圧によって生じる発色濃度をより高くする点で、プラスチックフィルム、合成紙が好ましく、プラスチックフィルムがより好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。
(電子供与性無色染料前駆体)
本発明の圧力測定用材料の発色剤層に含有されるマイクロカプセルは、電子供与性無色染料前駆体の少なくとも一種を内包する。
マイクロカプセルに内包される電子供与性無色染料前駆体は、感圧複写紙あるいは感熱記録紙の用途において公知のものを使用することができる。例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物など各種の化合物を使用することができる。
これら化合物の詳細については、特開平5−257272号公報に記載されており、電子供与性無色染料前駆体は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
電子供与性無色染料前駆体は、0.1MPa未満の圧力(好ましくは面圧)での発色性を高め、微少な圧力で高い濃度を得る(圧力変化に対する濃度変化(濃度勾配)を高める)観点から、モル吸光係数(ε)の高いものが好ましい。電子供与性無色染料前駆体のモル吸光係数(ε)は、10000 mol−1・cm−1・L以上であることが好ましく、15000 mol−1・cm−1・L以上あることがより好ましく、更には25000 mol−1・cm−1・L以上あることが好ましい。
モル吸光係数εが前記範囲の電子供与性無色染料前駆体を1種単独で用い、あるいはモル吸光係数εが前記範囲の電子供与性無色染料前駆体を含む2種以上を混合して用いる場合、電子供与性無色染料前駆体の合計量に占める、モル吸光係数εが10000 mol−1・cm−1・L以上の電子供与性無色染料前駆体の割合は、加圧によって生じる発色性を高め、高い濃度を得る(圧力変化に対する濃度変化(濃度勾配)を高める)観点から、10〜100質量%の範囲が好ましく、20〜100質量%の範囲がより好ましく、更には30〜100質量%の範囲が好ましい。
2種以上の電子供与性無色染料前駆体を用いる場合、εがそれぞれ10000 mol−1・cm−1・L以上のものを2種以上併用するのが好ましい。
モル吸光係数(ε)は、電子供与性無色染料を95%酢酸水溶液中に溶解したときの吸光度から算出することができる。具体的には、吸光度が1.0以下となるように濃度を調節した電子供与性無色染料の95%酢酸水溶液において、測定用セルの長さをAcm、電子供与性無色染料の濃度をB mol/L、吸光度をCとしたときに、下記式によって算出することができる。
モル吸光係数(ε)= C/(A×B)
電子供与性無色染料前駆体の量(例えば塗布量)は、低圧(好ましくは0.1MPa未満)での発色性を高める観点から、乾燥後の質量で0.1〜5g/mであることが好ましく、0.1〜4g/mであることがより好ましく、0.2〜3g/mであることがさらに好ましい。
(溶媒)
本発明におけるマイクロカプセルは、電子供与性無色染料前駆体と共に溶媒の少なくとも一種を内包することができる。
マイクロカプセルに内包される溶媒としては、感圧複写紙用途において公知のものを使用することができる。例えば、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン類、1−フェニル−1−キシリルエタン等のジアリールアルカン類、イソプロピルビフェニル等のアルキルビフェニル類、その他トリアリールメタン類、アルキルベンゼン類、ベンジルナフタレン類、ジアリールアルキレン類、アリールインダン類等の芳香族炭化水素;フタル酸ジブチル、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素、大豆油、コーン油、綿実油、菜種油、オリーブ油、ヤシ油、ひまし油、魚油等の天然動植物油等、鉱物油等の天然物高沸点留分等が挙げられる。溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
また、必要に応じて、補助溶媒として、メチルエチルケトン等のケトン類や酢酸エチルなどのエステル類、イソプロピルアルコール等のアルコール類等、沸点が130℃以下の溶媒を添加することもできる。
(マイクロカプセルの作製方法)
電子供与性無色染料前駆体を内包するマイクロカプセルは、それ自体公知の任意の方法、例えば、界面重合法、内部重合法、相分離法、外部重合法、コアセルベーション法等の方法により製造することができる。
前記マイクロカプセルの壁材としては、従来から感圧記録材料の電子供与性無色染料前駆体含有のマイクロカプセルの壁材として使用されている水不溶性、油不溶性のポリマーの中から、特に限定されることなく使用できる。中でも、壁材としては、ウレタン・ウレア樹脂(ポリウレタン・ウレア)、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ゼラチンが好ましく、低圧(好ましくは0.1MPa未満)で良好な発色を得る観点から、ポリウレタン・ウレア、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂がより好ましく、特にポリウレタン・ウレアが好ましい。
ここで、ポリウレタン・ウレアを用いた場合を例に説明する。
電子供与性無色染料前駆体を内包する、ポリウレタン・ウレア壁のマイクロカプセルの分散液の調製は、感圧複写紙用途において公知の方法を使用することができる。例えば、電子供与性無色染料前駆体と多価イソシアネートとを溶媒に溶解した溶液(油相)を、水溶性高分子(ポリオール、ポリアミンなどのカプセル壁形成用物質)を含有する親水性溶液(例えば水など;水相)に乳化分散させ、得られた乳化分散液中の油滴をポリウレタン・ウレアで被覆してマイクロカプセル化する方法が挙げられる。このとき、加温することによって油滴界面で高分子形成反応が進み、マイクロカプセル壁を形成できる。
マイクロカプセル化する工程途中には、多価ヒドロキシ化合物と多価アミンなどの反応調整剤を添加してもよい。多価ヒドロキシ化合物の具体例としては、脂肪族又は芳香族の多価アルコール、ヒドロキシポリエステル、ヒドロキシポリアルキレンエーテル、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物等を挙げることができる。中でも、脂肪族又は芳香族の多価アルコール、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、より好ましくは、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物である。
多価アミンとしては、分子中に2個以上の−NH基または−NH基を有するものであれば、いずれも使用可能である。具体的な化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族多価アミン;脂肪族多価アミンのエポキシ化合物付加物;ピペラジン等の脂環式多価アミン;3,9−ビス−アミノプロピル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ−(5,5)ウンデカンなどの複素環式ジアミンなどを挙げることができる。
多価ヒドロキシ化合物や多価アミンの添加量は、使用する多価イソシアネートの種類及び量、さらには所望のカプセル膜硬度などにより適宜決定される。多価ヒドロキシ化合物や多価アミンを添加する場合、「多価ヒドロキシ化合物及び/又は多価アミンの総量:多価イソシアネートの量」の比(質量比)は、0.1:99.9〜30:70であることが好ましく、1:99〜25:75であることがより好ましい。また、多価ヒドロキシ化合物の添加量としては、多価イソシアネート:多価ヒドロキシ化合物が質量比で99.9:0.1〜70:30であることが好ましく、99:1〜75:25であることがより好ましく、98:2〜80:20であることがさらに好ましい。
多価ヒドロキシ化合物や多価アミンの添加時期は、電子供与性無色染料前駆体を溶解する溶媒や補助溶媒中にあらかじめ添加しておいてもよいし、乳化分散前あるいは乳化分散後に添加してもよい。
親水性溶液中には、乳化剤として、種々の両性高分子、イオン系高分子、非イオン系高分子、例えばゼラチン、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン硫酸塩、ポリオキシアルキルエーテルやその変性体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等を添加してもよい。
前記多価イソシアネートとしては、感圧複写紙用途において公知のものを使用することができる。例えば、水添キシリレンジイソシアネート(一般に水添XDIと称される)のイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネート(一般にIPDIと称される)のイソシアヌレート体、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体にウレタン結合により脂肪族ジオール(例、アルキレンジオール)が結合した化合物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、水添キシリレンジイソシネートとトリメチロールプロパンとの付加体、イソホロンジイソシネートとトリメチロールプロパンとの付加体、キシリレンジイソシアネートのビュレット体及びトリス−(p−イソシアネートフェニル)チオホスファイトを挙げることができる。多価イソシアネートは、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、マイクロカプセルには、上記の電子供与性無色染料前駆体、溶媒、及び補助溶媒以外に、必要に応じて、添加剤を内包してもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、ワックス、臭気抑制剤などを挙げることができる。
マイクロカプセルに内包される溶媒と電子供与性染料前駆体との質量比(溶媒:前駆体)としては、発色性の点で、98:2〜30:70の範囲が好ましく、97:3〜40:60の範囲がより好ましく、95:5〜50:50の範囲が更に好ましい。
マイクロカプセルの体積標準のメジアン径としては、塗布・乾燥して得られる顕色剤シートと電子供与性無色染料シートとを接触させた状態で、加える圧力とその時に発色する濃度のバランスの点で、1〜100μmが好ましく、5〜70μmがより好ましく、10〜40μmが更に好ましく、15〜35μmが特に好ましい。体積標準のメジアン径は、マイクロカプセル粒子を体積累計が50%となる粒子径を閾値に2つに分けたときに、大径側と小径側とでの粒子の体積の割合が等量となる径D50である。
マイクロカプセルのカプセル壁の壁厚については、カプセル壁材の種類やカプセル径など種々の条件にも依存するが、微少の加圧で破壊可能な範囲であれば、制限なく任意に選択することができる。中でも、0.1MPa未満の低圧で良好な発色性を得る観点から、好ましい壁厚は0.005〜2.0μmの範囲であり、より好ましくは0.05〜0.30μmの範囲であり、更に好ましくは、マイクロカプセルのメジアン径Aを10〜40μmとした場合において0.06〜0.28μmである。特に好ましいカプセル壁の壁厚は、メジアン径Aが10〜40μmのマイクロカプセルのカプセル壁をポリウレタン・ウレアで構成した場合において、0.07〜0.27μmである。
(発色剤層形成用の調製液の調製)
マイクロカプセルは上記のように分散液として得ることができるが、このマイクロカプセルの分散液は、そのまま電子供与性無色染料前駆体を含有する発色剤層を形成するための調製液(特に塗布液)としてもよい。また、上記のように得られたマイクロカプセルの分散液に更に、澱粉又は澱粉誘導体の微粉末、セルロース繊維粉末等の緩衝剤、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子結着剤、酢酸ビニル系、アクリル系、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス等の疎水性高分子結着剤、蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、防腐剤を添加して調製液(特に塗布液)としてもよい。
このようにして得られた調製液(特に塗布液)を、基材の上に塗工等して付与し、乾燥させることにより、圧力測定用材料を構成する発色剤層を形成することができる。
前記発色剤層形成用の調製液を塗布液として用いる場合、塗布液の塗工方法は、通常の塗工機を用いて塗布、乾燥させて行なえる。具体的な塗工機の例としては、エアーナイフコーター、ロッドコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコータ−、エクストルージョンコーター、ダイコーター、スライドビードコーター、ダイコーター、スライドビードコーター、ブレードコーター等を挙げることができる。
本発明の圧力測定用材料は、例えば、上記塗布液を所望のシート状基材の上に、直接もしくは他の層を介して塗布し、乾燥させることにより、少なくとも発色剤層が形成されたシート材を得ることができる。
電子供与性無色染料前駆体を内包したマイクロカプセルの発色剤層中における数(塗布による場合は塗布量)は、低圧(好ましくは0.1MPa未満の圧力)で視認ないし計測可能な濃度(好ましくは0.05MPaでの加圧前後での発色濃度差ΔDが0.02以上)を得る観点から、体積標準のメジアン径がAμmであるときに、(A+5)μm以上のマイクロカプセルが2cm×2cm四方あたり5000個〜30000個であることが好ましく 、7000個〜28000個であることがより好ましい。
(電子受容性化合物)
本発明の圧力測定用材料における第2の材料を構成する顕色剤層は、電子受容性化合物(顕色剤)の少なくとも1種を含有する。
本発明の顕色剤層に含有される電子受容性化合物としては、無機化合物と有機化合物を挙げることができる。無機化合物の具体例としては、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、ベントナイト、カオリンのような粘土物質等を挙げることができる。また、有機化合物としては、芳香族カルボン酸の金属塩、フェノールホルムアルデヒド樹脂、カルボキシ変性テルペンフェノール樹脂の金属塩等を挙げることができる。
本発明においては、擦れによる発色抑制の観点から、電子受容性化合物が有機化合物であることが好ましく、芳香族カルボン酸の金属塩、カルボキシ変性テルペンフェノール樹脂の金属塩であることがより好ましく、芳香族カルボン酸の金属塩であることが特に好ましい。
前記芳香族カルボン酸の金属塩の好ましい具体例としては、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−オクチルサリチル酸、3,5−ジ−t−ノニルサリチル酸、3,5−ジ−t−ドデシルサリチル酸、3−メチル−5−t−ドデシルサリチル酸、3−t−ドデシルサリチル酸、5−t−ドデシルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−エチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、カルボキシ変性テルペンフェノール樹脂、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸とベンジルクロリドとの反応生成物であるサリチル酸樹脂等の、亜鉛塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、カルシウム塩等を挙げることができる。
(顕色剤分散液の調製)
顕色剤分散液は、電子受容性化合物が上記の無機化合物である場合、無機化合物を機械的に水系で分散処理することにより調製することができ、また、電子受容性化合物が有機化合物である場合、有機化合物を機械的に水系で分散処理するか、又は有機溶媒に溶解することにより調製することができる。
詳細は、特開平8−207435号公報に記載された方法を参照することができる。
(顕色剤層形成用の調製液の調製)
上記のようにして調製された電子受容性化合物分散液は、そのまま電子受容性化合物を含有する顕色剤層を形成するための調製液(特に塗布液)としてもよい。
本発明においては、顕色剤層を形成するための調製液(特に塗布液)にバインダーを含有することが好ましい。含有するバインダーの種類と含有量とを適宜調整することで、顕色剤層表面の算術平均粗さRaを所望の範囲とすることができる。
顕色剤層形成用の調製液に使用することができるバインダーには特に制限はなく、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、無水マレイン酸−スチレン−共重合体、デンプン、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの合成又は天然高分子物質を挙げることができる。中でも、顕色剤層の表面の算術平均粗さRa制御の観点から、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス及び/又はポリビニルアルコールであることがより好ましい。
また本発明においては、顕色剤層の表面の算術平均粗さRa制御の観点から、顕色剤層中におけるバインダーの含有量が全固形分に対して、10〜23質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましく、12〜18質量%であることが更に好ましい。
また、本発明における顕色剤層形成用の調製液には顔料として、カオリン、焼成カオリン、カオリン凝集体、重質炭酸カルシウム、種々の形態(米粒状、角状、紡錘状、イガ状、球状、アラゴナイト系柱状、無定形等)の軽質炭酸カルシウム、タルク、ルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタン等を添加してもよい。更には、所望により蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、防腐剤を添加することもできる。
本発明における顕色剤シートは、基材として、ポリエステルフィルムを用いたものであって、顕色剤層が、電子受容性化合物として芳香族カルボン酸の金属塩又はカルボキシ変性テルペンフェノール樹脂の金属塩を含み、かつ、バインダーを全固形分に対して
10〜23質量%含むことが好ましく、電子受容性化合物として芳香族カルボン酸の金属塩を含み、かつ、バインダーを全固形分に対して10〜20質量%含むことがより好ましい。
前記顕色剤層形成用の調製液を塗布液として用いる場合、塗布液の塗工方法としては、通常の塗工機を用いて塗布、乾燥させて行なえる。具体的な塗工機の例としては、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、バーコーター、ロールコーター、エクストルージョンコーター、ダイコーター、スライドビードコーター、ブレードコーター等を挙げることができる。
本発明の圧力測定用材料においては、例えば、顕色剤含有の塗布液を所望のシート状基材の上に、直接もしくは他の層を介して塗布し、乾燥させることにより、少なくとも顕色剤層が形成されたシート材を得ることができる。
電子受容性化合物(顕色剤)の顕色剤層中における量(塗布による場合は塗布量)は、乾燥後の質量で0.1〜30g/mが好ましく、より好ましくは、無機化合物の場合は3〜20g/mであり、有機化合物の場合は0.1〜5g/mであり、さらに好ましくは、無機化合物の場合は5〜15g/mであり、有機化合物の場合は0.2〜3g/mである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
−電子供与性無色染料前駆体内包マイクロカプセル液(A)の調製−
1−フェニル−1−キシリルエタン(新日本石油(株)製、ハイゾールSAS296)70部に、電子供与性無色染料前駆体として下記化合物(A)9部を溶解し、溶液Aを得た。次に、メチルエチルケトン1部に溶解したエチレンジアミンのブチレンオキシド付加物0.4部を、攪拌している溶液Aに加えて溶液Bを得た。さらに、メチルエチルケトン1部に溶解したトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン付加物2部を、攪拌している溶液Bに加えて溶液Cを得た。そして、水150部にポリビニルアルコール(PVA−205、(株)クラレ製)6部を溶解した溶液中に上記の溶液Cを加えて、乳化分散した。乳化分散後の乳化液に水300部を加え、攪拌しながら70℃まで加温し、1時間攪拌後冷却した。水を加えて濃度を調整し、固形分濃度18%の電子供与性無色染料前駆体内包マイクロカプセル液(A)を得た。
得られたマイクロカプセルの数平均壁厚(δ)は0.11μmであり、その体積標準でのメジアン径D50は20μmであった。数平均壁厚は、5個のマイクロカプセルのカプセル壁の厚みを走査型電子顕微鏡により求めて平均した平均値とし、メジアン径は、マイクロカプセル液を所望の支持体に塗布して、光学顕微鏡により150倍で撮影し、2cm×2cmの範囲にある全てのマイクロカプセルの大きさを計測して算出した。δ/Dは、0.006であった。
Figure 0005142640

−電子供与性無色染料前駆体シートの作製−
上記より得たマイクロカプセル液(A)を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの上に、乾燥後の質量が3.0g/mとなるように、バーコーターにより塗布、乾燥させて発色剤層を形成し、電子供与性無色染料前駆体シート(1)を得た。
−顕色剤シートの作製−
3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸亜鉛10部、炭酸カルシウム100部、ヘキサメタリン酸ナトリウム1部及び水200部を、サンドグラインダーを用いて平均粒子径が2μmになるように分散させて分散液を調製した。次いでこの分散液に、ポリビニルアルコールの10%水溶液100部及びスチレン−ブタジエンラテックスを固形分として10部、水450部を添加して電子受容性顕色剤含有塗布液を調製した。厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの上に、電子受容性顕色剤含有塗布液を固形分塗布量が6g/mになるように塗布、乾燥して顕色剤層を形成し、顕色剤シート(1)を得た。
以上のようにして、電子供与性無色染料前駆体シート(1)及び顕色剤シート(1)からなる2シートタイプの圧力測定用材料を作製した。
(実施例2)
実施例1の顕色剤シートの作製において、ポリビニルアルコールの10%水溶液100部の代わりに、ポリビニルアルコールの10%水溶液60部を用いた以外は、実施例1と同様にして、顕色剤シート(2)を得た。
これにより、電子供与性無色染料前駆体シート(1)及び顕色剤シート(2)からなる2シートタイプの圧力測定用材料を作製した。
(実施例3)
実施例1の顕色剤シートの作製において、ポリビニルアルコールの10%水溶液100部の代わりに、ポリビニルアルコールの10%水溶液140部を用いた以外は、実施例1と同様にして、顕色剤シート(3)を得た。
これにより、電子供与性無色染料前駆体シート(1)及び顕色剤シート(3)からなる2シートタイプの圧力測定用材料を作製した。
(比較例1)
−顕色剤シートの作製−
硫酸処理活性白土100部に40%水酸化ナトリウム水溶液5部、水300部を加えてホモジナイザーで分散し、さらにカゼインのナトリウム塩の10%水溶液50部、スチレン−ブタジエンラテックスを固形分換算量で30部を添加して電子受容性顕色剤含有塗布液を調製した。厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートシートの上に、電子受容性顕色剤含有塗布液を固形分塗布量が10g/mになるように塗布して、顕色剤シート(4)を得た。
これにより、電子供与性無色染料前駆体シート(1)及び顕色剤シート(4)からなる2シートタイプの圧力測定用材料を作製した。
(比較例2)
実施例1の顕色剤シートの作製において、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの代わりに、50g/mの上質紙を用いた以外は実施例1と同様にして、顕色剤シート(5)を得た。
これにより、電子供与性無色染料前駆体シート(1)及び顕色剤シート(5)からなる2シートタイプの圧力測定用材料を作製した。
[評価]
(算術平均表面粗さRaの測定)
JIS-B−0601に準じ、レーザー顕微鏡(キーエンス社製 VK−8700)を用いて、上記で得られた顕色剤シートの顕色剤層表面の算術平均粗さRaを測定した。結果を表1に示した。
(擦れによる発色濃度の測定)
15cm×25cmの平滑なガラス板上に、10cm×20cmに裁断した顕色剤シートを、顕色剤層面を上にして(PETシートがガラス板に接触するようにして)固定した。その上に、5cm×5cmに裁断した電子供与性無色染料前駆体シートを、発色剤層面を下にして(発色剤層面と顕色剤層が接するようにして)重ねた。電子供与性無色染料前駆体シート上から0.001MPaの荷重をかけながら、電子供与性無色染料前駆体シートを3m/分の速度で5cm水平に移動させた。その後、重ね合わせた両シートを剥離し、濃度計RD−19(グレタグマクベス社製)を用いて、顕色剤シートに形成された発色部の濃度(D)を測定した。また、これとは別に、未使用の顕色剤シートについて同様の方法で初期濃度(D)を測定した。そして、濃度Dから初期濃度Dを減算し、発色濃度ΔDを求め、下記の評価基準にしたがって評価した。なお、「○」が実使用上許容できる範囲である。結果を表1に示した。
−評価基準−
○(ΔD=0.00):擦れによる発色は認めらなかった。
△(0.00<ΔD≦0.01):擦れによる発色が僅かに認められた。
×(ΔD>0.01):擦れによる発色が明確に認められた。
(発色濃度)
得られた圧力測定用材料を5cm×5cmのサイズに裁断し、電子供与性無色染料前駆体シートと顕色剤シートとを、電子供与性無色染料前駆体シートの発色剤層の表面と顕色剤シートの顕色剤層の表面とが向き合うようにして重ね合わせ、重ね合わせた両シートを表面が平滑なガラス板2枚で挟み、その上に錘を乗せることによって0.05MPaの圧力で加圧し、発色させた。その後、重ね合わせた両シートを剥離し、濃度計RD−19(グレタグマクベス社製)を用いて、顕色剤シートに形成された発色部の濃度(D)を測定した。また、これとは別に、未使用の顕色剤シートについて同様の方法で初期濃度(D)を測定した。そして、濃度Dから初期濃度Dを減算し、発色濃度ΔDを求め、下記の評価基準にしたがって評価した。なお、「○」以上が実使用上許容できる範囲である。結果を表1に示した。
−評価基準−
◎(ΔD>0.06):発色が明確に認められ、濃度は高かった。
○(0.03<ΔD≦0.06):発色が明確に認められた。
△(0.01≦ΔD≦0.03):発色が微かに認められた。
×(ΔD=0.0):発色は認めらなかった。
(カプセル存在量)
電子供与性無色染料前駆体シートの発色剤層の表面を光学顕微鏡で観察し、メジアン径A=20μmであるマイクロカプセルのうち直径25μm〔(A+5)μm〕以上のマイクロカプセルの2cm×2cm当たりの数を計測した。結果を表1に示した。
Figure 0005142640

表1から、本発明の圧力測定材料は、擦れによる発色が抑制されていることが分かる。また、低圧での圧力測定が可能であることが分かる。

Claims (4)

  1. 電子供与性無色染料前駆体と電子受容性化合物との発色反応を利用した圧力測定用材料であって、
    電子供与性無色染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含有する発色剤層が基材上に設けられた第1の材料と、
    電子受容性化合物を含有する顕色剤層が基材上に設けられた第2の材料と、
    を含み、
    前記マイクロカプセルの体積標準のメジアン径Dに対する、前記マイクロカプセルの数平均壁厚δの比(δ/D)が、1.0×10−3以上2.0×10−2以下であって、
    前記顕色剤層の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上1.1μm以下である圧力測定用材料。
  2. 0.05MPaでの加圧前後における発色濃度差ΔDが0.02以上であることを特徴とする請求項1に記載の圧力測定用材料。
  3. 前記電子供与性無色染料前駆体がマイクロカプセルに内包されており、該マイクロカプセルの体積標準のメジアン径がAμmであるときに、(A+5)μm以上のマイクロカプセルが2cm×2cm当たり5000〜30000個存在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧力測定用材料。
  4. 前記電子供与性無色染料前駆体を内包するマイクロカプセルの体積標準のメジアン径(Aμm)が10〜40μmであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
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