JP5142182B2 - 車両の懸架装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の懸架装置に関し、特に、車両が旋回状態にあるときにキングピン軸を中心とする回転トルクを発生する車両の懸架装置に係る。
車両の懸架装置としては、種々のサスペンション機構が知られているが、操舵系に係るサスペンション機構は、操舵輪たる車両前方左右の車輪を支持するため、一般的に、車両前方左右に配置するコイルスプリングと、これらを支持する左右のアッパシート及びロアシートを備えている。また、車両前方左右の車輪は操舵輪としてステアリング機構に連結されており、操舵輪回りを回転運動する幾何学中心軸であるキングピン軸(あるいは、単にキングピン)が、このステアリング機構に供されると共に、サスペンション機構に供される。即ち、操舵力の主体はキングピン軸回りのトルクであり、また、キングピン軸の鉛直線に対する角度であるキングピン傾角はサスペンションの性能を表すファクターの一つであり、キングピン軸はステアリング機構とサスペンション機構の両者に供される。換言すれば、車両の懸架装置において、キングピン軸を基準として種々の対策を講ずる場合には、サスペンション機構のみならず、ステアリング機構の一部を包含する装置として検討することが必要である。
上記のサスペンション機構に関連し、特許文献1にはサイドプルを補償する方法が開示され、特許文献2にはコイルスプリングによる回転モーメントを調整する方法が開示されている。先ず、特許文献1には、「特定の方向のサイドプルを補正するために、さらに、適当な場合には、対向する方向のサイドプルを補正するために車両の初期設計に組み込まれた補正作用を補償するためにマクファーソン舵取り車軸を備えた車両のための解決法を提案する」ことを目的とし、「ストラット(1)は、ショックアブソーバロッド(3)の軸線に対してオフセットした、および/または傾斜した下側スプリングシート(6)上のスプリング(5)の支持軸線(4)を有する。この構成は、スプリング(5)のスラスト(ベクトルF)の軸線をピボット軸線(DB)から距離(d)だけ間隔を隔てて位置させ、ピボット軸線(DB)を中心としたトルクを発生させる。このトルクの作用、および対向するストラット内の対応するトルクの作用を用いて直線コースから横滑りする車両の傾向を補償することができる」旨記載されている。
また、特許文献2には、「コイルスプリングの弾性力に基づいて車輪保持部材に作用する回転モーメントを利用可能にすること」を課題とし、「左側車輪および右側車輪を各々保持するとともにその車輪と共に転舵軸回りに回動可能な車輪保持部材と、車体側部材との間に設けられた各々のコイルスプリングを含むサスペンション装置において、左側車輪および右側車輪の各々に対応するコイルスプリングを、コイルスプリングの圧縮に伴って車輪保持部材に転舵軸回りの回転モーメントが発生し、かつ、それら回転モーメントの向きが左右で互いに逆向きとなるようにすることによって解決される」旨記載されている。
特表2003−521411号公報 特開平9−300932号公報
前掲の特許文献1及び2は、ステアリング機構との関連に言及されたものではなく、車両の旋回状態が考慮されたものでもないが、一般的な懸架装置と同様、ステアリング機構の操舵作動によって車両が旋回状態にあるときに、ステアリング機構に供する左右のキングピン軸とサスペンション機構に供する左右のコイルスプリングのばね反力線との相対関係に応じて、夫々左右のキングピン軸を中心とする回転トルクを発生するように構成されている。
上記の懸架装置に関し、特許文献1に記載の装置においては、車両旋回時における左右の車輪の回転トルクが相殺されるので、運転者にとって手応えのない操舵フィーリングとなる。また、特許文献2に記載の装置においては、車両が旋回状態にあるときには、車輪をトーイン方向へ転舵させる向きに回転トルクが発生するので、旋回方向への操舵力に対し、運転者の手に伝わる舵戻しトルクは逆位相となり、運転者にとって手応えのない操舵フィーリングとなる。
そこで、本発明は、車両が旋回状態にあるときにも、運転者に対し手応えのある操舵フィーリングを付与し得る車両の懸架装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載のように、車両のステアリング機構の操舵作動によって前記車両が旋回状態にあるときに、前記ステアリング機構に供する左右のキングピン軸と車両のサスペンション機構に供する左右のコイルスプリングのばね反力線との相対関係に応じて、夫々前記左右のキングピン軸を中心とする回転トルクを発生するように構成した車両の懸架装置において、前記サスペンション機構は、前記車両に配置するショックアブソーバと、該ショックアブソーバを囲繞するように前記コイルスプリングを支持し、前記車両の車体に固定するアッパシート及び前記ショックアブソーバに固定するロアシートとを備えたものとし、前記アッパシートの中心軸を前記ショックアブソーバの中心軸に対し前記車両の後方側にオフセットするように、又は、前記ロアシートの中心軸を前記ショックアブソーバの中心軸に対し前記車両の前方側にオフセットするように設定し、前記車両の旋回状態での前記コイルスプリングのばね反力によって、前記車両の旋回外側の車輪に対しトーアウト増大方向に回転トルクが作用すると共に、前記車両の旋回内側の車輪に対しトーイン増大方向に回転トルクが作用する構成としたものである。
あるいは、請求項に記載のように、車両のステアリング機構の操舵作動によって前記車両が旋回状態にあるときに、前記ステアリング機構に供する左右のキングピン軸と車両のサスペンション機構に供する左右のコイルスプリングのばね反力線との相対関係に応じて、夫々前記左右のキングピン軸を中心とする回転トルクを発生するように構成した車両の懸架装置において、前記サスペンション機構は、前記車両に配置するショックアブソーバと、該ショックアブソーバを囲繞するように前記コイルスプリングを支持し、前記車両の車体に固定するアッパシート及び前記ショックアブソーバに固定するロアシートとを備えたものとし前記コイルスプリングとして、前記車両の後方側に湾曲したコイル軸を有するコイルスプリングを用い、前記車両の旋回状態での前記コイルスプリングのばね反力によって、前記車両の旋回外側の車輪に対しトーアウト増大方向に回転トルクが作用すると共に、前記車両の旋回内側の車輪に対しトーイン増大方向に回転トルクが作用する構成としてもよい。
また、請求項に記載のように、車両のステアリング機構の操舵作動によって前記車両が旋回状態にあるときに、前記ステアリング機構に供する左右のキングピン軸と車両のサスペンション機構に供する左右のコイルスプリングのばね反力線との相対関係に応じて、夫々前記左右のキングピン軸を中心とする回転トルクを発生するように構成した車両の懸架装置において、前記サスペンション機構は、前記車両に配置するショックアブソーバと、該ショックアブソーバを囲繞するように前記コイルスプリングを支持し、前記車両の車体に固定するアッパシート及び前記ショックアブソーバに固定するロアシートとを備えたものとし前記コイルスプリングを、前記アッパシートに対して前記車両の前方側で当接し前記車両の後方側に空隙が形成されるように、又は、前記ロアシートに対して前記車両の前方側で当接し前記車両の後方側に空隙が形成されるように配置することとしてもよい。
更に、上記の各懸架装置において、請求項に記載のように、前記左右のコイルスプリングを相互に逆巻きに設定するとよい。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明の懸架装置においては車両の旋回状態でのコイルスプリングのばね反力によって、旋回外側の車輪に対しトーアウト増大方向に回転トルクが作用すると共に、旋回内側の車輪に対しトーイン増大方向に回転トルクが作用すので、車両の旋回時には、コイルスプリングのばね反力による回転トルクの増減量として、車輪に対し、旋回方向と逆の方向に回転トルクが作用することになり、車両旋回時の操舵フィーリングを適切に調整することができる。
更に、請求項に記載のように構成することにより、確実且つ一層適切に、車両旋回時の操舵フィーリングを調整することができる。
以下、本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る懸架装置は図2及び図3に示す外観を呈し、一方の車輪に関するステアリング機構とサスペンション機構の一部を図1に示している。先ず、ステアリング機構10は、図1及び図2に示すように、ステアリングホイール11がステアリングコラム12を介してギヤボックス13に連結され、このギヤボックス13の左右両側に夫々、タイロッド14l及び14r並びにナックルアーム15l及び15rのリンケージを介して、ナックル16l及び16rが接続され、ナックル16l及び16rにタイヤLT及びRTが軸支されている。尚、ナックル16l及び16rは夫々ロアアーム17l及び17rに揺動自在に支持されており、ロアアーム17l及び17rは車体に揺動自在に支持されている。
一方、本実施形態のサスペンション機構20はマクスファーソン・ストラット型で、車両の左右両側に配設されるショックアブソーバ21l及び21rを囲繞するように夫々、コイルスプリング22l及び22rが配設されている。本実施形態のコイルスプリング22l及び22rには、図3に示すように円筒状のコイルスプリングCCが用いられ、車体(図示せず)に支持される左右のアッパシート23l及び23rと、ショックアブソーバ21l及び21rに固定されるロアシート24l及び24rとの間に、夫々介装されて圧縮状態で保持されている。そして、ショックアブソーバ21l及び21rは夫々、上端部がアッパシート23l及び23rと共に車体に支持され、下端部がナックル16l及び16rに固定されている。
上記本実施形態の懸架装置においては、従前の懸架装置と同様、キングピン軸KPとばね反力線SPが図1に示すようにオフセットした関係にあるが、更に、コイルスプリング22l及び22rの支持に関し、アッパシート23l及び23rとコイルスプリング22l及び22rとの相対位置関係LRが図3に示すように設定され(これについては第1の実施形態として後述)、もしくは、ロアシート24l及び24rとコイルスプリング22l及び22rとの相対位置関係が上記とは逆の関係に設定される。あるいは、従前と同様のアッパシートとロアシートとの間に特殊形状のコイルスプリングが配設され、例えば図9に示すようなコイルスプリングCSが用いられる(これについては第2の実施形態として後述)。
而して、これらによって図1に示す調整手段AJが構成され、左右のコイルスプリング22l及び22rのばね反力線SPが適宜調整され、最終的に、車両(図示せず)が旋回状態にあるときのコイルスプリング22l及び22rの圧縮量(Ca)の増減に応じて、夫々左右のキングピン軸KPを中心とする回転トルクの変化量(Tv)が、左右の車輪を車両の外方向に回転させるように調整される。つまり、少なくとも一方の車輪(タイヤLT又はRT)に関し、車両旋回状態でのコイルスプリング22l又は22rのばね反力によって、旋回外側の車輪に対しトーアウト増大方向に回転トルクが作用すると共に、旋回内側の車輪に対しトーイン増大方向に回転トルクが作用するように調整される。
例えば、図2に時計方向の白抜き矢印で示すように車両(図示せず)が右方向に旋回しているときには、荷重移動によって、左側のコイルスプリング22lは圧縮されるが、右側のコイルスプリング22rは伸張する。このため、例えば特許文献2に記載の装置においては、旋回方向への操舵力に対し、運転者の手に伝わる舵戻しトルクは逆位相となり、手応えのない操舵フィーリングとなる。これに対し、本発明においては、例えば後述する第1の実施形態又は第2の実施形態のように構成されており、少なくとも一方の車輪(タイヤLT又はRT)に関し、車両旋回時には旋回外側の車輪に対しトーアウト増大方向に回転トルクが作用すると共に、旋回内側の車輪に対しトーイン増大方向に回転トルクが作用するので、タイヤLT及びRTに対し図2に反時計方向の矢印で示すようにばね反力トルクが付与される。その結果、ステアリングホイール11に対し図2に反時計方向の矢印で示すように舵戻しトルクTcが付与されるので、車両旋回時の操舵フィーリングが適切に調整される。而して、車両旋回時には、車両の左右におけるコイルスプリング22l及び22rのばね反力によるトルクの増減量として、タイヤLT及びRTに対し、旋回方向と逆の方向に回転トルクが作用することになるので、運転者は適切な手応え(操舵フィーリング)を感ずることができる。
図3は本発明の第1の実施形態を示すもので、サスペンション機構20を構成する左右のアッパシート23l及び23rの中心軸が何れも、左右のショックアブソーバ21l及び21rの中心軸に対し、車両の後方側に距離(Yu)だけオフセットするように設定されており、このYuをアッパシートオフセット量という。尚、この構成に代え、ロアシート24l及び24rの中心軸をショックアブソーバ21l及び21rの中心軸に対し車両の前方側にオフセットするように設定してもよく、一方の車輪のみに設定してもよい。
図3に示すようにアッパシート23l及び23rの中心軸のオフセットによって、コイルスプリング22l及び22rの圧縮量(Caとする)の増加に応じて、夫々左右のキングピン軸KPを中心とする回転トルクの変化量(Tvとする)が減少するように調整されるが、以下に、図4乃至図6を参照しながら説明する。先ず、図4は、キングピン軸KPを中心とする回転トルク(Mkpで表す)の定義に供するもので、z軸はショックアブソーバ21l(又は及び21r)の中心軸、x軸は車両の幅方向(右側車輪の場合には矢印方向が外方を示す)、y軸は車両の前後方向(矢印方向が前方を示す)で、二点鎖線がキングピン軸KPを示し、原点(0)はキングピン軸KPとショックアブソーバの中心軸(z軸)の交点である。従って、キングピン軸KPはxz面内にあり、ショックアブソーバの中心軸(z軸)に対し角度θをなす。
図4において、ショックアブソーバ21l及び21rに対し軸受を介して入力される力が、Fx、Fy及びFzであり、モーメント(トルク)がMx、My及びMz(但し、Mzは零)である。これら五つの成分のうち、キングピン軸KP回りの回転トルクMkpに影響するのはモーメントMxのみであり、以下の式で表される。
Mkp=Mx・cos{(π/2)−θ}=Mx・sinθ
ここで、Mx=Yu・Fzという関係にあり、キングピン軸KPとz軸との相対角θとすると、キングピン軸KP回りの回転トルクMkpは、Mkp=Yu・Fz・sinθで表される。而して、図4に示すようなモーメントMxを発生させるときのYuは負で、Mkpも負となる。つまり、Mkpの向きが負であるときには、タイヤRTを右側に回転させるようなトルクが発生する。
図3に示す第1の実施形態によれば、コイルスプリング22l及び22rの圧縮に伴って発生する、回転トルクMkpの変化量ΔMkp(前述のTvに対応)は、図5及び図6に示すように、アッパシートオフセット量(アッパシート23l及び23rのオフセット量Yu)に比例する。この場合において、コイルスプリング22l及び22rの圧縮に伴って発生する変化量ΔMkpが小さくなると、運転者に対する手応えが向上するので、アッパシートオフセット量を車両の後方側に設定すればよい。尚、図5は、車両左側の車輪(L)に関し、異なる車種(A及びB)について左巻きのコイルスプリング(L)を用いた場合と右巻きのコイルスプリング(R)を用いた場合の実験結果を示すもので、図5中、例えばLALは、車種Aの左側の車輪に対し左巻きのコイルスプリングを用いた場合を示す。また、図6は、車両右側の車輪(R)に関し、異なる車種(A及びB)について左巻きのコイルスプリング(L)を用いた場合と右巻きのコイルスプリング(R)を用いた場合の実験結果を示すもので、図6中、例えばRARは、車種Aの右側の車輪に対し右巻きのコイルスプリングを用いた場合を示す。
更に、左右のコイルスプリング22l及び22rの巻回方向を相互に逆方向にすると、変化量ΔMkpを一層小さくすることができ、これは、図7と図8を対比すれば明らかである。即ち、図7は、左右の車輪に対し右巻のコイルスプリングを装着した一般的な構成の実験結果を示し、〔LAR+RAR〕は、車種Aに関し、左側の車輪に右巻きのコイルスプリングを用い、右側の車輪に右巻きのコイルスプリングを用いた場合の合計の変化量ΔMkpのアッパシートオフセット量に対する変化を表し、〔LBR+RBR〕は、車種Bに関し、左側の車輪に右巻きのコイルスプリングを用い、右側の車輪に右巻きのコイルスプリングを用いた場合の合計の変化量ΔMkpのアッパシートオフセット量に対する変化を表す。一方、図8は、左右の車輪に対し相互に逆巻のコイルスプリングを装着したときの実験結果を示し、合計の変化量ΔMkpが一層小さくなっている。ここで、〔LAR+RAL〕は、車種Aに関し、左側の車輪には右巻きのコイルスプリングを用い、右側の車輪には左巻きのコイルスプリングを用いた場合の合計の変化量ΔMkpのアッパシートオフセット量に対する変化を表し、〔LBL+RAR〕は、車種Bに関し、左側の車輪には左巻きのコイルスプリングを用い、右側の車輪には右巻きのコイルスプリングを用いた場合の合計の変化量ΔMkpのアッパシートオフセット量に対する変化を表す。
図9は本発明の第2の実施形態を示すもので、サスペンション機構20を構成するコイルスプリング22l及び22rとして、特殊形状のコイルスプリングCSが用いられている。具体的には、図10にコイルスプリングCSの外形を示すように、車両の後方側に湾曲したコイル軸を有する胴曲がりのコイルスプリングCSが用いられており、アッパシートと座面との相対角(θuで表し、図10に示す矢印方向を正方向とする)及び胴曲り方向(図10に示す鉛直線が一点鎖線から実線に移動する方向を正方向とする)を変化させることにより、回転トルクMkpの変化量ΔMkpを調整することができる。
例えば、図11において、アッパシートと座面との相対角θuが大きいと(例えば+10°の場合)、圧縮に伴い(ばね高さが低くなると)回転トルクMkpが小さくなり、相対角θuが小さいと(例えば−5°の場合)、圧縮に伴い回転トルクMkpが大きくなる。尚、従来装置では相対角θuが0°の特性を示す。また、図12に車種a及び車種bの実験結果を示すように、コイルスプリングCSを(例えば、取付高さ+25mmから取付高さ−25mmまで)圧縮したときには、相対角θuの増加に応じて変化量ΔMkpが減少する。
尚、図9のコイルスプリングCSを用いる構成に代えて、コイルスプリングCCをアッパシートに対して車両の前方側で当接し車両の後方側に空隙が形成されるように配置することとしても、同様の効果を得ることができる。あるいは、コイルスプリングCCを、ロアシートに対して車両の前方側で当接し車両の後方側に空隙が形成されるように配置することとしても同様である。
以上のように、上記の各実施形態によれば、車両旋回時には、車両の左右におけるコイルスプリング22l及び22rのばね反力による回転トルクの増減量として、タイヤLT及びRTに対し、旋回方向と逆の方向に回転トルクが作用することになる。而して、図13に従来装置と本願発明による舵戻しトルクを対比して示すように、本願発明によれば、車両旋回時に大きな舵戻しトルクが付与されるので、運転者にとって手応えのある適切な操舵フィーリングとなる。
本発明の一実施形態に係る懸架装置の構成の概要を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る懸架装置の一部を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る懸架装置の一部を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態においてキングピン軸を中心とする回転トルクを示す3次元図である。 本発明の第1の実施形態における車両左側の車輪についての実験結果の一例を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における車両右側の車輪についての実験結果の一例を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における左右の車輪に対し右巻のコイルスプリングを装着したときの実験結果の一例を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態における左右の車輪に対し相互に逆巻のコイルスプリングを装着したときの実験結果の一例を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る懸架装置の一部を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に供するコイルスプリングによる回転トルク変化量の調整方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態における実験結果の一例を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態における実験結果の他の例を示すグラフである。 本発明に係る懸架装置と従来装置との効果の差を示すグラフである。
符号の説明
10 ステアリング機構
11 ステアリングホイール
12 ステアリングコラム
13 ギヤボックス
14l,14r タイロッド
15l,15r ナックルアーム
16l,16r ナックル
17l,176r ロアアーム
20 サスペンション機構
22l,22r コイルスプリング
23l,23r アッパシート
KP キングピン軸
LT,RT タイヤ

Claims (4)

  1. 車両のステアリング機構の操舵作動によって前記車両が旋回状態にあるときに、前記ステアリング機構に供する左右のキングピン軸と車両のサスペンション機構に供する左右のコイルスプリングのばね反力線との相対関係に応じて、夫々前記左右のキングピン軸を中心とする回転トルクを発生するように構成した車両の懸架装置において、前記サスペンション機構は、前記車両に配置するショックアブソーバと、該ショックアブソーバを囲繞するように前記コイルスプリングを支持し、前記車両の車体に固定するアッパシート及び前記ショックアブソーバに固定するロアシートとを備え、前記アッパシートの中心軸を前記ショックアブソーバの中心軸に対し前記車両の後方側にオフセットするように、又は、前記ロアシートの中心軸を前記ショックアブソーバの中心軸に対し前記車両の前方側にオフセットするように設定し、前記車両の旋回状態での前記コイルスプリングのばね反力によって、前記車両の旋回外側の車輪に対しトーアウト増大方向に回転トルクが作用すると共に、前記車両の旋回内側の車輪に対しトーイン増大方向に回転トルクが作用すことを特徴とする車両の懸架装置。
  2. 車両のステアリング機構の操舵作動によって前記車両が旋回状態にあるときに、前記ステアリング機構に供する左右のキングピン軸と車両のサスペンション機構に供する左右のコイルスプリングのばね反力線との相対関係に応じて、夫々前記左右のキングピン軸を中心とする回転トルクを発生するように構成した車両の懸架装置において、前記サスペンション機構は、前記車両に配置するショックアブソーバと、該ショックアブソーバを囲繞するように前記コイルスプリングを支持し、前記車両の車体に固定するアッパシート及び前記ショックアブソーバに固定するロアシートとを備え、前記コイルスプリングとして、前記車両の後方側に湾曲したコイル軸を有するコイルスプリングを用い、前記車両の旋回状態での前記コイルスプリングのばね反力によって、前記車両の旋回外側の車輪に対しトーアウト増大方向に回転トルクが作用すると共に、前記車両の旋回内側の車輪に対しトーイン増大方向に回転トルクが作用することを特徴とする車両の懸架装置。
  3. 車両のステアリング機構の操舵作動によって前記車両が旋回状態にあるときに、前記ステアリング機構に供する左右のキングピン軸と車両のサスペンション機構に供する左右のコイルスプリングのばね反力線との相対関係に応じて、夫々前記左右のキングピン軸を中心とする回転トルクを発生するように構成した車両の懸架装置において、前記サスペンション機構は、前記車両に配置するショックアブソーバと、該ショックアブソーバを囲繞するように前記コイルスプリングを支持し、前記車両の車体に固定するアッパシート及び前記ショックアブソーバに固定するロアシートとを備え、前記コイルスプリングを、前記アッパシートに対して前記車両の前方側で当接し前記車両の後方側に空隙が形成されるように、又は、前記ロアシートに対して前記車両の前方側で当接し前記車両の後方側に空隙が形成されるように配置し、前記車両の旋回状態での前記コイルスプリングのばね反力によって、前記車両の旋回外側の車輪に対しトーアウト増大方向に回転トルクが作用すると共に、前記車両の旋回内側の車輪に対しトーイン増大方向に回転トルクが作用することを特徴とする車両の懸架装置。
  4. 前記左右のコイルスプリングを相互に逆巻きに設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両の懸架装置。
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