JP5141940B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、正極と、セパレータと、負極との積層構造を有する巻回体を備えた二次電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダ),携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。これらの電子機器のポータブル電源として用いられている電池、特に二次電池はキーデバイスとして、エネルギー密度の向上を図る研究開発が活発に進められている。中でも、非水電解質二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池)は、従来の水系電解液二次電池である鉛電池、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるので、その改良に関する検討が各方面で行われている。
リチウムイオン二次電池に使用される負極活物質としては、比較的高容量を示し良好なサイクル特性を有する難黒鉛化性炭素あるいは黒鉛などの炭素材料が広く用いられている。ただし、近年の高容量化の要求を考えると、炭素系材料の更なる高容量化が課題となっている。
このような背景から、炭素化原料と作製条件とを選ぶことにより炭素材料で高容量を達成する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような炭素材料を用いた場合には、負極放電電位が対リチウム(Li)で0.8V〜1.0Vであるので、電池を構成したときの電池放電電圧が低くなることから、電池エネルギー密度の点では大きな向上が見込めない。さらには、充放電曲線形状にヒステリシスが大きく、各充放電サイクルでのエネルギー効率が低いという欠点もある。
一方で、炭素材料を上回る高容量負極として、ある種の金属がリチウムと電気化学的に合金化し、これが可逆的に生成・分解することを応用した合金材料に関する研究も進められている。さらには、サイクル特性を改善する手法として、スズ(Sn)やケイ素(Si)を合金化してこれらの膨張を抑制することが検討されている。例えば、鉄などの遷移金属とスズとを合金化することが提案されている(特許文献2〜4,非特許文献1〜3参照)。このほかにも、MgSiなども提案されている(非特許文献4参照)。
特開平8−315825号公報 特開2004−22306号公報 特開2004−63400号公報 特開2005−78999号公報 「ジャーナル オブ ザ エレクトロケミカル ソサエティ(Journal of The Electrochemical Society)」、1999年、第146号、p405 「ジャーナル オブ ザ エレクトロケミカル ソサエティ(Journal of The Electrochemical Society)」、1999年、第146号、p414 「ジャーナル オブ ザ エレクトロケミカル ソサエティ(Journal of The Electrochemical Society)」、1999年、第146号、p423 「ジャーナル オブ ザ エレクトロケミカル ソサエティ(Journal of The Electrochemical Society)」、1999年、第146号、p4401
しかしながら、これらの手法を用いた場合であっても、充放電時における負極の膨張および収縮を十分に抑制することが難しい。そのため、結果的にサイクル特性の改善効果が得られず、合金材料を採用した高容量負極の特長を十分に活かしきれていないのが実状である。
具体的には、上記のような合金材料からなる負極を用いた巻回体を例えば円筒型の電池缶に収容した場合、巻回体の真円度が低く歪みが大きいと、充放電に伴う膨張によって巻回体内部の圧力分布が不均一となる。圧力の高い部分ではセパレータが圧縮されて微小短絡が発生してしまうおそれが生じる一方、圧力が低い部分では電極間の隙間が大きくなってリチウムの析出が起こり、負荷特性や充放電サイクル特性の劣化を招くおそれが生じる。さらに、巻回体を剛性の低い電池缶に挿入して用いる場合には、負極の膨張により電池缶が内側から押されて変形してしまうおそれもある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、十分な容量を確保しつつ、巻回体内部の圧力分布の偏りを低減し、優れた充放電サイクル特性を発現する二次電池を提供することにある。
本発明の二次電池は、帯状の正極集電体の両面に正極活物質層を有する正極と、セパレータと、帯状の負極集電体の両面に負極活物質層を有する負極との積層構造を有する巻回体を備えたものである。この巻回体では、内面側の正極活物質層における巻回中心側端面と外面側の正極活物質層における巻回中心側端面とが、巻回体の径方向において異なる位置に存在し、かつ、内面側の正極活物質層における巻回外周側端面と外面側の正極活物質層における巻回外周側端面とが、巻回体の径方向において異なる位置に存在している。
さらに、内面側および外面側の正極活物質層では、それぞれ、巻回中心側端面と巻回外周側端面とが巻回体の径方向において一致している。
ここで、本発明の第1の二次電池では、負極活物質層が、スズおよびケイ素のうちの少なくとも1種を含む。
本発明の第2の二次電池では、負極活物質層が、スズおよびケイ素のうちの少なくとも1種を含むものであり、あるいは、スズと、コバルトと、炭素とを含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下であるCoSnC含有材料を含むものである。
本発明の二次電池では、巻回体における巻回中心側および巻回外周側の両端部において、正極集電体の片面のみに正極活物質層が設けられた領域がそれぞれ存在している。さらに、内面側および外面側の正極活物質層では、それぞれ、巻回中心側端面と巻回外周側端面とが巻回体の径方向において一致している。
このため、正極活物質層の端部での(径方向の)段差が低減される。
また、負極活物質層が上記の材料を含むので、高いエネルギー密度が得られる。
本発明の第1および第2の二次電池によれば、巻回体の正極活物質層における巻回中心側および巻回外周側の両端部での段差を低減するようにしたので、局所的な圧力上昇が緩和され、巻回体内部における圧力分布の偏りの発生を抑制することができる。このため、例えばリチウムの析出による負荷特性や充放電サイクル特性の劣化をも防止することができる。したがって、負極活物質として合金材料を用いることで十分な容量を確保しつつ、充放電サイクル特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において各構成要素は本発明が理解できる程度の形状、大きさおよび配置関係を概略的に示したものであり、実寸とは異なっている。
図1は本発明における一実施の形態としての二次電池1の断面構造を表すものである。この二次電池1は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状をなす電池缶11の内部に巻回体20Aを収容したものである。巻回体20Aは、後述するように複数の層からなる積層膜であり、図2に示したように巻回軸CLを中心として渦巻き状に巻回されている。図2は、図1に示した巻回体20Aについての、II−II線に沿った矢視方向における断面図である。
電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、負極端子としての機能も有している。この電池缶11は、一端部が閉鎖され他端部が開放されており、開放端部に絶縁板12および電池蓋13が取り付けられることにより電池缶11の内部が密閉されている。絶縁板12は、ポリプロピレンなどにより構成され、巻回体20Aの上に巻回周面に対して垂直に配置されている。電池蓋13は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成され、電池缶11と共に負極端子としての機能も有している。電池蓋13の外側には、正極端子となる端子板14が配置されている。また、電池蓋13の中央付近には貫通孔が設けられ、この貫通孔に、端子板14に電気的に接続された正極ピン15が挿入されている。端子板14と電池蓋13との間は絶縁ケース16により電気的に絶縁され、正極ピン15と電池蓋13との間はガスケット17により電気的に絶縁されている。絶縁ケース16は、例えばポリブチレンテレフタレートにより構成されている。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
電池蓋13の周縁付近には開裂弁18および電解液注入孔19が設けられている。開裂弁18は、電池蓋13と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合に開裂して内圧の上昇を抑えるようになっている。電解液注入孔19は、例えばステンレス鋼球よりなる封止部材19Aにより塞がれている。
巻回体20Aは、正極21と負極22とがセパレータ23を間にして積層され、巻回したものであり、中心にはセンターピン24が挿入されている。巻回体20Aは、図2に示したように、巻回軸CLと直交する断面において電池缶11の形状に合わせて成形されており、巻回中心側から巻回外周側に向けて図2に矢印で示した巻回方向Rに沿って巻回している。なお、図1では、正極21および負極22の積層構造を簡略化して示している。正極21および負極22の詳細な構成についてはのちに説明する。また、巻回体20Aの巻回数は、図1,図2に示したものに限定されず、任意に設定可能である。巻回体20Aの正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード24が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード25が接続されている。正極リード24は正極ピン15の下端に溶接されることにより端子板14と電気的に接続されており、負極リード25は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図3は、正極21の巻回前の積層断面構成を拡大して表している。この正極21は、帯状の正極集電体31の両面に正極活物質層32,33をそれぞれ設けるようにしたものである。具体的には、正極活物質層32が正極集電体31の内面側に形成され、正極活物質層33が正極集電体31の外面側に形成されている。正極21は、正極集電体31の表面に正極活物質層32および正極活物質層33の少なくとも一方が形成された正極被覆領域35と、その両隣、すなわち、正極集電体31の巻回中心側および巻回外周側の両端に位置する正極露出領域36S,36Eとを有している。正極露出領域36S,36Eでは、正極集電体31の両面が正極活物質層32,33のいずれにも覆われておらず、露出した状態となっている。正極リード25は、巻回中心側の正極露出領域36Sに接合されている。ここで、正極被覆領域35の巻回外周側には、正極集電体31に正極活物質層32のみが設けられた片面被覆領域34Eが形成されている。すなわち、正極活物質層33の巻回外周側の端面33TEは、正極活物質層32の巻回外周側の端面32TEよりも巻回中心側に位置している。一方、正極被覆領域35の巻回中心側には、正極集電体31に正極活物質層33のみが設けられた片面被覆領域34Sが形成されている。すなわち、正極活物質層33の巻回中心側の端面33TSは、正極活物質層32の巻回中心側の端面32TSよりも巻回中心側に位置している。
さらに、図2に示したように、内面側の正極活物質層32では、巻回中心側の端面32TSと巻回外周側の端面32TEとが巻回体20Aの径方向の位置Aにおいて一致している。同様に、外面側の正極活物質層33においても、巻回中心側の端面33TSと巻回外周側の端面33TEとが巻回体20Aの径方向の位置Bにおいて一致している。ここで、「一致している」とは、完全一致の状態のほか、製造誤差程度のずれを生じた状態をも含む意である。例えば、端面32TSと端面32TEとが巻回軸CLに対してなす中心角、または端面33TSと端面33TEとが巻回軸CLに対してなす中心角は、いずれも10°程度であってもよい。なお、位置Aと位置Bとが巻回軸CLに対してなす中心角θは、例えば120°となっている。
正極集電体31は、例えば、厚みが5μm〜50μm程度であり、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層32,33は、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS),硫化モリブデン(MoS),セレン化ニオブ(NbSe)あるいは酸化バナジウム(V)などのリチウムを含有しない金属硫化物,金属セレン化物あるいは金属酸化物など、またはリチウムを含有するリチウム含有化合物が挙げられる。
リチウム含有化合物の中には、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものが存在する。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられる。特にコバルト(Co),ニッケルおよびマンガン(Mn)のうちの少なくとも1種を含むものは、より高い電圧を得ることができるので好ましい。その化学式は、例えば、LiMIOあるいはLiMIIPOで表される。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi1−zCoz (z<1))、あるいはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などが挙げられる。中でも、ニッケルを含む複合酸化物が好ましい。高い容量を得ることができると共に、優れたサイクル特性も得ることができるからである。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−yMnPO(v<1))が挙げられる。
図4は、負極22の構成を表したものである。この負極22は、帯状の負極集電体41の両面に負極活物質層42を設けたものである。具体的には、負極集電体41の外面側および内面側に負極活物質層42が存在する負極被覆領域43と、巻回中心側および巻回外周側の端部に、負極集電体41の両面とも負極活物質層42が存在せずに露出している負極露出領域44S,44Eとを有している。
負極集電体41は、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。この負極集電体41の厚みは、例えば5μm〜50μmである。
負極活物質層42は、負極活物質を含んでおり、必要に応じて導電材および結着剤などの他の材料を含んでいてもよい。負極活物質としては、例えば、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む負極材料が挙げられる。このような負極材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えばリチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg),ホウ素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素,ゲルマニウム(Ge),スズ,鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)などが挙げられる。
中でも、この負極材料としては、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。具体例として、ケイ素の単体,合金,あるいは化合物、またはスズの単体,合金,あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
スズの合金としては、例えば、スズに加えて、第2の構成元素としてのケイ素,ニッケル,銅,鉄(Fe),コバルト(Co),マンガン(Mn),亜鉛(Zn),インジウム(In),銀(Ag),チタン(Ti),ゲルマニウム(Ge),ビスマス(Bi),アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素に加えて、第2の構成元素としてのスズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムのうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
中でも、この負極材料としては、スズと、コバルトと、炭素とを構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下であるCoSnC含有材料が好ましい。このような組成範囲であれば、高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができる。
このCoSnC含有材料は、必要に応じて以下に列挙する他の構成元素のうちのいずれか1種または2種以上をさらに含んでいてもよい。ここでいう他の構成元素とは、例えば、ケイ素,鉄,ニッケル,クロム,インジウム,ニオブ(Nb),ゲルマニウム,チタン,モリブデン(Mo),アルミニウム(Al),リン(P),ガリウム(Ga)およびビスマスである。これらを含むことで容量またはサイクル特性をさらに向上させることができる場合がある。
なお、このCoSnC含有材料は、スズと、コバルトと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、このCoSnC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズなどが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集あるいは結晶化を抑制することができるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、CoSnC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、CoSnC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPS測定では、スペクトルのエネルギー軸の補正に、例えばC1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとCoSnC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、CoSnC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
負極活物質は、さらに天然黒鉛,人造黒鉛,難黒鉛化炭素あるいは易黒鉛化炭素などの炭素材料を含むようにしてもよい。炭素材料を用いれば優れたサイクル特性を得ることができるので好ましい。
セパレータ23は、例えばポリプロピレンあるいはポリエチレンなどのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、電解質塩であるリチウム塩とを含んで構成されている。溶媒は、電解質塩を溶解し解離させるものである。溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1, 2−ジメトキシエタン、1, 2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1, 3−ジオキソラン、4メチル1, 3ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
リチウム塩としては、例えば、LiClO,LiAsF,LiPF,LiBF,LiB(C,CHSOLi,CFSOLi,LiClあるいはLiBrが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体31にドクタブレードあるいはバーコーターなどを用いて均一に塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層32,33を形成し、正極21を作製する。この際、図3に示したように、正極活物質層32,33の形成領域を調整することにより、片面被覆領域34S,34Eを形成する。具体的には、正極集電体31の内面側となる正極活物質層32を、正極集電体31の外面側となる正極活物質層33よりも巻回外周側となる領域に形成する。すなわち、正極活物質層33の端面32TEを、正極活物質層32の端面33TEよりも巻回外周側の位置となるようにし、かつ、正極活物質層33の端面32TSを、正極活物質層32の端面33TSよりも巻回外周側の位置となるようにする。
次いで、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体41にドクタブレードあるいはバーコーターなどを用いて均一に塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機により圧縮成型して負極活物質層42を形成し、負極22を作製する。ロールプレス機は加熱して用いてもよい。また、目的の物性値になるまで複数回圧縮成型してもよい。さらに、ロールプレス機以外のプレス機を用いてもよい。
続いて、正極集電体31に正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体41に負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を間にして積層したのち図2から図4に示した巻回方向Rに多数回巻回して巻回体20Aを作製する。この際、内面側の正極活物質層32では巻回中心側の端面32TSと巻回外周側の端面32TEとが位置Aにおいて一致し、外面側の正極活物質層33では巻回中心側の端面33TSと巻回外周側の端面33TEとが位置Aと異なる位置Bにおいて一致するように巻回する。
巻回体20Aを作製したのち、巻回体20Aを一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回体20Aを電池缶11の内部に収容し、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を間にしてかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、正極21からリチウムイオンが放出され、そのリチウムイオンがセパレータ23に含浸された電解液を介して負極22に吸蔵される。放電を行うと、負極22からリチウムイオンが放出され、そのリチウムイオンがセパレータ23に含浸された電解液を介して正極21に吸蔵される。
負極活物質層42は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含んでいることから、電池として比較的大きな容量が得られる反面、充放電に伴って膨張および収縮を生じることとなる。例えば、図8に示した比較例としての巻回体120Aのように、正極集電体31の両面に設けられた正極活物質層32,33の巻回中心側および巻回外周側の両端面が位置Aにおいて互いに一致するように設けられた場合、正極31による径方向の大きな段差が生じてしまう。この場合、負極活物質層42の膨張および収縮によって巻回体120A内部の圧力分布に大きな偏りが生じる可能性がある。ところが本実施の形態では、正極活物質層32の端面32TSと正極活物質層33の端面33TSとが、巻回体20Aの径方向において異なる位置に存在し、かつ、正極活物質層32の端面32TEと正極活物質層33の端面33TEとが、巻回体20Aの径方向において異なる位置に存在している。すなわち、正極21の両端には、正極集電体31の片面のみに正極活物質層32,33が設けられた片面被覆領域36S,36Eが存在している。これにより、巻回体20Aにおける巻回中心側および巻回外周側の両端部での段差が低減され、局所的な圧力上昇が緩和されることで巻回体内部における圧力分布の偏りが抑制される。その結果、十分な高い容量を確保しつつ、リチウムの析出抑制によって充放電サイクル特性を向上させることができる。
<第1の変形例>
次に、本実施の形態の第1の変形例としての二次電池について説明する。図5は本変形例としての巻回体20Bの断面構造を表すものである。本変形例としての二次電池は、巻回体20B以外の部分については上記実施の形態と同様の構成である。なお、図5ではセパレータ23の図示を省略しているが、実際には、セパレータ23は正極21と負極22とを隔てるように巻回しており、巻回体20Bを構成している。図5に示したように、巻回体20Bでは、内面側の正極活物質層32における巻回中心側の端面32TSと、外面側の正極活物質層33における巻回外周側の端面33TEとが、径方向の位置Aにおいて一致している。さらに、正極活物質層32における巻回外周側の端面32TEと、正極活物質層33における巻回中心側の端面33TSとが、径方向の位置Bにおいて一致している。ここで、「一致している」とは、完全一致の状態のほか、製造誤差程度のずれを生じた状態をも含む意である。例えば、端面32TSと端面33TEとが巻回軸CLに対してなす中心角、または端面32TEと端面33TSとが巻回軸CLに対してなす中心角は、いずれも10°程度であってもよい。なお、位置Aと位置Bとが巻回軸CLに対してなす中心角θは、例えば120°となっている。このような本変形例においても、上記実施の形態の二次電池と同様の効果を得ることができる。
<第2の変形例>
次に、本実施の形態の第2の変形例としての二次電池について説明する。図6は本変形例としての巻回体20Cの断面構造を表すものである。本変形例は、巻回体20C以外の部分については上記実施の形態と同様の構成である。なお、図6ではセパレータ23の図示を省略しているが、実際には、セパレータ23は正極21と負極22とを隔てるように巻回しており、巻回体20Cを構成している。図6に示したように、巻回体20Cでは、内面側の正極活物質層32における巻回中心側の端面32TSと、外面側の正極活物質層33における巻回外周側の端面33TEとが、径方向の位置Aにおいて一致している。しかし、正極活物質層32の端面32TEは、正極活物質層33の端面33TSの位置Bとは異なる位置Cにある。ここで、「一致している」とは、完全一致の状態のほか、製造誤差程度のずれを生じた状態をも含む意である。例えば、端面32TSと端面33TEとが巻回軸CLに対してなす中心角は10°程度であってもよい。なお、位置A〜Cは、例えば、互いに均等な角度をなしている。すなわち、位置A〜Cが巻回軸CLに対してなす中心角θ1〜θ3は、全て120°となっている。このような本変形例においても、上記実施の形態の二次電池と同様の効果を得ることができる。
<第3の変形例>
次に、本実施の形態の第3の変形例としての二次電池について説明する。図7は本変形例としての巻回体20Dの断面構造を表すものである。本変形例としての二次電池は、巻回体20D以外の部分については上記実施の形態と同様の構成である。なお、図7ではセパレータ23の図示を省略しているが、実際には、セパレータ23は正極21と負極22とを隔てるように巻回しており、巻回体20Dを構成している。図7に示したように、巻回体20Dでは、内面側の正極活物質層32における巻回中心側の端面32TSおよび巻回外周側の端面32TE、ならびに外面側の正極活物質層33における巻回中心側の端面33TSおよび巻回外周側の端面33TEが、巻回体20Cの径方向において全て異なる位置に存在している。具体的には、端面33TEが、位置Aにある端面32TSと位置Bにある端面33TSとの中間に位置し、端面32TEが、端面32TSの反対側に位置している。ここで、位置Aと位置Bとが巻回軸CLに対してなす中心角θは、例えば120°となっている。このような本変形例においても、上記実施の形態の二次電池と同様の効果を得ることができる。
続いて、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1〜4)
上記実施の形態で説明した二次電池を作製した。まず、炭酸リチウム(LiCO)と炭酸コバルト(CoCO)とを、LiCO:CoCO=0.5:1(モル比)の割合で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して、正極活物質としてのリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO)を得た。次いで、このリチウム・コバルト複合酸化物91質量部と、導電剤であるグラファイト6質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調整した。続いて、この正極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとし、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体31の両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極活物質層32,33を形成し正極21を作製した。続いて、正極集電体31の一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
また、負極活物質としてCoSnC含有材料を作製した。まず、原料としてコバルト粉末とスズ粉末と炭素粉末とを用意し、コバルト粉末とスズ粉末とを合金化してコバルト・スズ合金粉末を作製したのち、この合金粉末に炭素粉末を加えて乾式混合した。続いて、この混合物を遊星ボールミルを用いてメカノケミカル反応を利用して合成し、CoSnC含有材料を得た。
得られたCoSnC含有材料について組成の分析を行ったところ、コバルトの含有量は29.3質量%、スズの含有量は49.9質量%、炭素の含有量は19.8質量%であった。なお、炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置により測定し、コバルトおよびスズの含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析により測定した。また、得られたCoSnC含有材料についてX線回折を行ったところ、回折角2θ=20°〜50°の間に、回折角2θが1.0°以上の広い半値幅を有する回折ピークが観察された。更に、このCoSnC含有材料についてXPSを行ったところ、CoSnC含有材料中におけるC1sのピークは284.5eVよりも低い領域に得られた。すなわち、CoSnC含有材料中の炭素が他の元素と結合していることが確認された。
次いで、このCoSnC含有材料60質量部と、導電剤および負極活物質である人造黒鉛28質量部およびカーボンブラック2質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合し、負極合剤を調整した。続いて、この負極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとし、厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体41の両面に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して負極活物質層42を形成し負極22を作製した。そののち、負極集電体41の一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
続いて、厚み25μmの微孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ23を用意し、正極21,セパレータ23,負極22,セパレータ23の順に積層して積層体を形成したのち、この積層体を渦巻状に多数回巻回し、巻回体20(20A〜20D)を作製した。巻回体20の胴部の最大径は13.1mmとした。端面32TS,32TE,33TS,33TEの各位置については、後述の表1に示したように実施例ごとに変化させるようにした。ここでは、端面32TSの位置を基準(0°)とし、他の端面32TE,33TS,33TEが反時計回り(巻回方向R)に巻回軸CLに対してなす角度を表1に示した。表1において、実施例1が図2の巻回体20Aに相当し、実施例2が図5の巻回体20Bに相当し、実施例3が図6の巻回体20Cに相当し、実施例4が図7の巻回体20Dに相当する。
巻回体20を作製したのち、巻回体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回体20を内径13.4mmの電池缶11の内部に収容した。そののち、電池缶11の内部に電解液を注入した。電解液には、炭酸エチレン50体積%と炭酸ジエチル50体積%とを混合した溶媒に、電解質塩としてLiPFを1mol/dmの含有量で溶解させたものを用いた。
電池缶11の内部に電解液を注入したのち、ガスケット17を間にして電池蓋14を電池缶11にかしめることにより、外径14mm、高さ43mmの円筒型の二次電池を得た。
さらに実施例1〜4に対する比較例1,2としての二次電池を、端面32TS,32TE,33TS,33TEの各位置を表1に示したようにしたことを除き、他は実施例1〜4と同様にして作製した。なお、図8および図9に、比較例1,2に対応する巻回体120A,120Bをそれぞれ示す。但し、図8および図9ではセパレータ23の図示を省略している。
このようにして得られた実施例1〜4および比較例1,2の二次電池についてサイクル特性を調べ、得られた結果を表1に示した。表1には、200サイクル目の容量維持率と2サイクル目の容量比を示した。
Figure 0005141940
サイクル試験については、45℃の環境下において、以下の手順で行った。まず充電については、電池電圧が4.2Vとなるまで電流1Cの条件で定電流充電を行い、引き続き4.2Vの定電圧で、充電開始からの時間が合計で2.5時間となるまで定電圧充電を行った。次に放電については、電池電圧が2.5Vとなるまで電流1Cで定電流放電を行った。この充電と放電との組み合わせを1サイクルとし、200サイクルまで充放電を行った。容量維持率については、2サイクル目の放電容量に対する200サイクル目の放電容量の比率、すなわち(200サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100(%)として算出した。ここで、1Cは、電池容量を1時間で放電しきる電流値である。また、2サイクル目の容量比については、比較例2における2サイクル目の放電容量を基準(100.0%)として規格化した。
表1からわかるように、端面32TSと端面33TSとを異なる位置とし、かつ、端面32TEと端面33TEとを異なる位置とした実施例1〜4によれば、端面32TS,33TS,32TE,33TEを全て同一位置とした比較例1、または端面32TEと端面33TEとを同一位置とした比較例2と比べて、容量維持率および容量比の双方において高い数値が得られた。
すなわち、内面側の正極活物質層に32おける巻回中心側の端面32TSと、外面側の正極活物質層33における巻回中心側の端面33TSとが巻回体20の径方向において異なる位置に存在し、かつ、正極活物質層32における巻回外周側の端面32TEと、正極活物質層33における巻回外周側の端面33TEとが巻回体20の径方向において異なる位置に存在するようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが確認された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、溶媒に液状の電解質である電解液を用いる場合について説明したが、電解液に代えて、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
なお、ゲル状の電解質には電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子化合物を用いることができる。そのような高分子化合物としては、例えば、ポリビニリデンフルオロライドあるいはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた有機固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。このとき、高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または分子中に共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
また、上記実施の形態および実施例では、巻回構造を有する円筒型の二次電池について説明したが、本発明は、巻回構造を有する二次電池であれば適用の可能性を有する。
さらに、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの長周期型周期表における他の1族の元素、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などの長周期型周期表における2族の元素、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その際、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能な負極活物質、正極活物質あるいは溶媒などは、その電極反応物質に応じて選択される。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した巻回体のII−II線に沿った構成を表す断面図である。 図1に示した正極の巻回前の構成を表す断面図である。 図1に示した負極の巻回前の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における第1の変形例としての巻回体の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における第2の変形例としての巻回体の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における第3の変形例としての巻回体の構成を表す断面図である。 第1の比較例(比較例1)としての巻回体の構成を表す断面図である。 第2の比較例(比較例2)としての巻回体の構成を表す断面図である。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20,20A〜20C…巻回体、21…正極、31…正極集電体、32,33…正極活物質層、32TS,32TE,33TS,33TE…端面、22…負極、41…負極集電体、42…負極活物質層、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード。

Claims (6)

  1. 帯状の正極集電体の両面に正極活物質層を有する正極と、セパレータと、帯状の負極集電体の両面に負極活物質層を有する負極との積層構造を有する巻回体を備え、
    前記巻回体の正極において、
    内面側の前記正極活物質層における巻回中心側端面と、外面側の前記正極活物質層における巻回中心側端面とが、前記巻回体の径方向において異なる位置に存在し、
    前記内面側の正極活物質層における巻回外周側端面と、前記外面側の正極活物質層における巻回外周側端面とが、前記巻回体の径方向において異なる位置に存在し、
    前記内面側および外面側の正極活物質層では、それぞれ、巻回中心側端面と巻回外周側端面とが前記巻回体の径方向において一致しており、
    前記負極活物質層は、スズ(Sn)およびケイ素(Si)のうちの少なくとも1種を含む
    二次電池。
  2. 帯状の正極集電体の両面に正極活物質層を有する正極と、セパレータと、帯状の負極集電体の両面に負極活物質層を有する負極との積層構造を有する巻回体を備え、
    前記巻回体の正極において、
    内面側の前記正極活物質層における巻回中心側端面と、外面側の前記正極活物質層における巻回中心側端面とが、前記巻回体の径方向において異なる位置に存在し、
    前記内面側の正極活物質層における巻回外周側端面と、前記外面側の正極活物質層における巻回外周側端面とが、前記巻回体の径方向において異なる位置に存在し、
    前記内面側および外面側の正極活物質層では、それぞれ、巻回中心側端面と巻回外周側端面とが前記巻回体の径方向において一致しており、
    前記負極活物質層は、スズ(Sn)と、コバルト(Co)と、炭素(C)とを含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合が30質量%以上70質量%以下であるCoSnC含有材料を含む
    二次電池。
  3. 前記内面側の正極活物質層における巻回中心側端面と、前記外面側の正極活物質層における巻回外周側端面とが、前記巻回体の径方向において一致している
    請求項1または請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記内面側の正極活物質層における巻回外周側端面と、前記外面側の正極活物質層における巻回中心側端面とが、前記巻回体の径方向において一致している
    請求項記載の二次電池。
  5. 前記内面側の正極活物質層における巻回中心側端面および巻回外周側端面、ならびに前記外面側の正極活物質層における巻回中心側端面および巻回外周側端面は、前記巻回体の径方向において全て異なる位置に存在する
    請求項1または請求項2に記載の二次電池。
  6. 前記外面側の正極活物質層における巻回外周側端面は、前記内面側の正極活物質層における巻回外周側端面よりも巻回中心側に位置し、
    前記外面側の正極活物質層における巻回中心側端面は、前記内面側の正極活物質層における巻回中心側端面よりも巻回中心側に位置している
    請求項1または請求項2に記載の二次電池。
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