JP5136563B2 - 移動通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、無線を用いて通信を行う移動通信システムに関する。例えば、本発明をハンドオーバを行う際に適用すると好適である。
従来の技術
移動通信システムにおいて、下り回線(基地局→移動局)における無線回線品質は、熱雑音および干渉波に大きく依存する。このため、干渉波をいかに抑制するかが、大きな課題となっている。
従来の技術では、或る着目するエリアへ与える干渉波を抑制するために、アンテナのダウンチルト調整や、セクタアンテナの物理的な方向調整を手動で行ったり、送信電力制御などを実施したりしている。
図1A及び図1Bにセクタアンテナのダウンチルトの適応前と適応後の例を示す。図3Aに示すように、基地局5Aのセクタアンテナcからの電波ビームが或る着目エリアAR
1に大きい干渉を与えると仮定する。この場合、図3Bに示すように、セクタアンテナcのダウンチルトが、セクタアンテナcからの電波ビームが着目エリアAR1に届かないように調整される。これによって、干渉を抑制することができる。
図2A及び図2Bに、セクタアンテナの方向調整の適応前と適応後の例を示す。図2Aに示すように、セクタアンテナの方向調整前において、セクタアンテナa(90°方向)からの電波ビームが着目エリアAR1に到達し、着目エリアAR1に干渉の大きな影響を与えると仮定する。この場合、図2Bに示すように、セクタアンテナaとセクタアンテナbのアンテナ方向が、各セクタアンテナa及びbからの電波ビームが着目エリアAR1に到達しないように調整される。これによって、干渉を抑制することができる。
図3A及び図3Bに、送信電力制御の適応前と適応後の例を示す。図3Aに示すように、基地局5Aのセクタアンテナcから、移動局1A,1B及び1Cの夫々に向けて、高出力の送信電力で電波を発する場合に、着目エリアAR1に大きい干渉の影響が生じると仮定する。この場合、図3Bに示すように、セクタアンテナcからの送信電力制御が実施され、基地局5Aと移動局との距離が遠い程、高い送信電力で電波を発する送信電力制御が行われる。これによって、着目エリアAR1に対する干渉を抑制することができる。
特開2006−115291号公報 特開2000−295650号公報 国際公開WO2005/025253号公報
しかし、図1で示した手法では、基地局の形成する無線エリアが狭くなり、無線エリアからはずれる移動端末が増大する。
また、図2で示した手法では、図2Bの状態で、30度方向のセクタ方向に干渉を避けたいゾーンがある場合に、これに対する干渉低減を図ることができない。
更に、図3で示した手法では、図3Bの移動局1C宛の信号のレベルは、移動局1Cの位置が遠方のため比較的高いので、それによる干渉の発生を抑制できない。
本発明の目的は、従来とは異なる方法により、特定エリア(着目エリア)に対して、適正に干渉波の影響低減を図ることのできる技術を提供することである。
1側面では、本発明は、セクタ構成を採用する基地局の特性を巧みに利用して所望のエリアに対する干渉波の影響の低減を図ることを目的とする。
本発明の態様は、上述した課題を解決するために以下の手段を採用する。
本発明の1つの態様では、複数のセクタを形成する第1の基地局の第1のセクタの方向に形成可能な第1の無線エリアと、複数のセクタを形成する第2の基地局の第2のセクタの方向に形成可能な第2無線エリアとの重複エリアに位置する移動端末が、第1の基地局と無線通信を行う方が第2の基地局と無線通信を行うよりも良好な無線通信が行なえる場合における通信制御方法において、第1のセクタの方向の方が、第2のセクタの方向よりも所定のエリアに向けてより広く面している場合に、移動端末を第2のセクタ方向に形成可能な第2の無線エリアで第2の基地局と無線通信を行うように制御することを特徴とする通信制御方法を用いる。
第1のセクタ方向に形成可能な第1の無線エリアで第1の基地局と通信を行う方が、第2のセクタ方向に形成可能な第2の無線エリアで第2の基地局と通信を行うよりも良好な無線通信を行うことができるとしても、第2の無線エリアで第2の基地局と無線通信を行うように制御するので、所定のエリアに対する干渉を低減することができる。通信を行うように制御するとは、ハンドオーバ先や初期接続先を第2の基地局の第2セクタ方向に形成される第2の無線エリアとする制御が含まれる。
また、その制御に際して、第2の基地局から第2のセクタ方向に向けた送信電力を増大させてより広いエリアをカバーするようにしてもよい。
また、本発明の他の態様は、移動端末の接続先となる複数の通信エリアを有する移動通信システムにおいて、
前記複数の通信エリアの一つからその通信エリアに接続された移動端末へ送信される電波が当該通信エリアと異なる他の通信エリアにおける干渉波となる場合に、当該通信エリアに関する少なくとも一つのハンドオーバ先候補から、ハンドオーバによって前記他の通信エリアに対する干渉量を低減可能なハンドオーバ先を決定する制御手段と、
前記移動端末を前記ハンドオーバ先に強制的にハンドオーバさせる手段とを含む移動通信システムである。
本発明の他の態様において、前記制御手段は、前記複数の通信エリアの一つに関する複数のハンドオーバ先候補の夫々に対し、ハンドオーバ先として決定されるための重みを有しており、
前記重みは、ハンドオーバ先候補をハンドオーバ先とするハードハンドオーバが実施されたときに、そのハンドオーバ先から前記移動端末へ送信される電波が当該ハンドオーバ先の通信エリアと異なる前記他の通信エリアを含む複数の通信エリアに与える干渉の影響を考慮して決定されるように構成することができる。
また、本発明の他の態様において、前記制御手段は、前記ハンドオーバ先候補に前記移動端末がハードハンドオーバされたと仮定したときの前記移動端末の通信品質値と、このハンドオーバ先候補に付与された重み値とから求まる品質評価値を求め、この品質評価値が前記複数の通信エリアの一つにおける前記移動端末の通信品質を上回るハンドオーバ先候補をハンドオーバ先として決定するように構成することができる。
また、本発明の他の態様において、前記制御手段は、前記移動端末について確保すべき通信品質の絶対値を有しており、ハードハンドオーバ後の前記移動端末の通信品質値が現在の前記移動端末の通信品質値、及び前記絶対値を下回るハンドオーバ候補を除外するように構成することができる。
また、本発明の他の態様において、前記制御手段は、前記移動端末が使用するサービス種別毎に決定された複数の絶対値を有し、前記移動端末が現在使用中のサービス種別に対応する絶対値と前記現在の前記移動端末の通信品質値との比較を行うように構成することができる。
また、本発明の他の態様において、前記制御手段は、特定の通信エリアに対して干渉波となる電波を送信する通信エリアに関して、当該通信エリアに接続中の移動端末に対する強制的なハードハンドオーバを実施するための実施条件を有しており、当該実施条件が満たされた場合に、前記移動端末に対する強制的なハンドオーバ先の決定を行うように構成することができる。
また、本発明の他の態様は、少なくとも二つの前記実施条件に対して優先順位が予め決
められており、二つの前記実施条件の夫々が満たされた場合には、前記優先順位に従って、優先順位の高い実施条件に関連する前記強制的なハンドオーバが実施されるように構成することができる。
また、本発明の他の態様は、前記実施条件は、前記特定の通信エリアにおける他のエリアからの干渉の影響が大きくなることが示唆される条件であるように構成することができる。
なお、上記した制御手段及びハンドオーバの実施手段は、夫々の通信エリアにおける基地局が備える構成とすることができる。通信エリアは、例えば、セル及びセクタの少なくとも一方を含むことができる。
なお、本発明は、上述した移動通信システムのみならず、移動通信システムにおける干渉制御方法の発明、或いは、移動通信システムにおける基地局(装置)の発明としても成立する。
本発明において、「基地局」は、一つの通信エリアを管理する単位として用いる。よって、複数のセクタアンテナを持つ単一の基地局(装置)における各セクタに関する部分は、夫々本発明の「基地局」を構成する。もちろん、単一セルを通信エリアとして有する基地局は、本発明の「基地局」を構成する。
本発明によれば、従来とは異なる方法により、特定エリア(着目エリア)に対して、適正に干渉波の影響低減を図ることができる。
ダウンチルト調整による干渉抑制の例(適応前:チルト調整前)を示す。 ダウンチルト調整による干渉抑制の例(適応後:チルト調整後)を示す。 アンテナ方向調整による干渉抑制の例(適応前:方向調整前)を示す。 アンテナ方向調整による干渉抑制の例(適応後:方向調整後)を示す。 送信電力制御による干渉抑制の例(適応前:電力制御なし)を示す。 送信電力制御による干渉抑制の例(適応後:電力制御あり)を示す。 本発明の実施形態を適用可能な移動通信システムの例を示す。 図4に示した移動通信システムで、本発明の実施形態に係る干渉制御方法が適用された様子を示す。 本発明の実施形態に係る干渉制御方法を実現するためのフロー例を示す。 本発明の実施形態に係る干渉制御方法を実現するためのフロー例を示す。 干渉制御の開始条件及び停止条件を含む条件テーブルの設定例を示す。 相対値テーブルの設定例を示す。 優先度テーブルの設定例を示す。 絶対値テーブル(QoS毎の品質絶対値)の設定例を示す。 実施形態に係る干渉制御方法(HO処理)のフロー例を示す。 実施形態における基地局の構成例を示す。 実施形態の具体例1(ハンドオーバ前)を示す。 実施形態の具体例1(ハンドオーバ後)を示す。 具体例1における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例1における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例1における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例1における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例1における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例1における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例1における絶対値テーブルを示す。 実施形態の具体例2(ハンドオーバ前)を示す。 実施形態の具体例2(ハンドオーバ後)を示す。 具体例2における条件テーブルを示す。 具体例2における優先度テーブルを示す。 具体例2における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例2における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例2における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例2における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例2における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例2における基地局のセクタに関する相対値テーブルを示す。 具体例2における絶対値テーブルを示す。
A,B,C・・・セクタ
SA,SA1・・・着目エリア(特定エリア)
11,12,13・・・基地局
14・・・基地局制御装置
15・・・移動局(移動端末)
20・・・基地局(装置)
21・・・送受信アンテナ
22・・・送受信部
23・・・測定部
24・・・制御部
25・・・記憶部
30・・・基地局制御装置
31,32・・・基地局
35・・・移動局(移動端末)
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
実施形態に係る移動通信システムは、或る基地局の或るセクタ(セル)に接続中の移動局(Mobile Station)を、基地局(Base Station)又は基地局制御装置(Base Station Controller)(単に基地局の上位装置であり得る)にて、干渉を与える方向を考慮した上で、あ
る特定の条件を満たした場合に、強制的に他の基地局もしくは同一基地局の他のセクタにハードハンドオーバさせる機能を有する。 これによって、特定方向(例:街側、干渉エリア、重要エリア)への下り回線の干渉量を極力減らし、かわりに他の方向(例:山側、低干渉エリア、低重要度エリア)への下り回線の干渉量をあえて犠牲にすることで、エリア全体の干渉量を適切に分散させることができる。このため、ある着目するエリアにおける干渉を抑制することができる。
別の側面では、複数のセクタを形成する第1の基地局の第1のセクタの方向に形成可能な第1の無線エリアと、複数のセクタを形成する第2の基地局の第2のセクタの方向に形成可能な第2無線エリアとの重複エリアに位置する移動端末が、第1の基地局と無線通信を行う方が第2の基地局と無線通信を行うよりも良好な無線通信が行なえる場合における
通信制御方法において、第1のセクタの方向の方が、第2のセクタの方向よりも所定のエリアに向けてより広く面している場合に、移動端末を第2のセクタ方向に形成可能な第
2の無線エリアで第2の基地局と無線通信を行うように制御する。
図4は、本発明の実施形態を適用可能な移動通信システムの通信環境を示し、図5は、図4に示した移動通信システムに本発明の実施形態に係る干渉制御機能(干渉抑制機能)を実施した場合の例を示す。
図4において、移動通信システムは、複数の(図4では3つの)基地局11,12及び13と、各基地局11,12及び13が接続された基地局制御装置(基地局の上位装置)1
4とを備えている。
各基地局11,12及び13は、夫々3つのセクタアンテナを備えており、各基地局の通信エリア(セル)が、3つのセクタアンテナによって3つのセクタに夫々分割されている。図4に示す例では、各セクタアンテナのカバーする方向(角度)は、基地局間で同じに設定されている。但し、各基地局におけるセクタアンテナのカバーする角度範囲は任意に決定することができる。
図4において、基地局11,12及び13の通信エリアは相互に隣接している。ここで、セクタアンテナ11aでカバーされるセクタ(セクタ11A)に在圏する移動局15が、基地局11のセクタ11Aに接続し、セクタアンテナ11aから移動局15へ向けて電波が放射されている場合を仮定する。尚、セクタの方向とは、基地局のアンテナから放射される電波が広がっていく方向である。
セクタアンテナ11aから放射される電波は、移動局15に対しては希望波となる。これに対し、基地局11に隣接する基地局13のセクタアンテナ13aでカバーされるセクタ(セクタ13A)に対しては、セクタアンテナ11aからの電波は干渉波となり得る。セクタの方向がセクタ13Aにより形成される無線エリアを含んでいるからである。
このように、図4に示す例では、基地局11のセクタ11Aに接続中の移動局15が存在することによって、着目するエリア(基地局13のセクタ13A:符号X)における干渉量が高くなっている。特に、基地局13のセクタ13Aでは、多数の(例:20)の移動局が当該セクタ13Aに接続しており、干渉波の影響が大きい状態にある。もちろん、移動局の数に関わらず、セクタ13Aにおいて干渉を避けたいエリアが存在することもある。
そこで、図5に示すように、本発明の実施形態による干渉制御を実施する。即ち、移動局15を、基地局11のセクタ11Aから基地局12のセクタ12Cに接続させる(初期接続、ハンドオーバ)させる。この場合、移動局15は、基地局12のセクタアンテナ12cから希望波を受信することができる。一方、セクタアンテナ12cからセクタ12Cの外へ放射される干渉波は、基地局11の通信エリア外に存する湖のような重要性の低いエリアに向かう。即ち、セクタ12Cの方向は、干渉を避けたいセクタ13Aの無線エリアをあまり含んでいない(セクタ11Aの方向と比べて、セクタ13Aの無線エリアを含む率が低い)。
これによって、着目するエリア(特定エリア:セクタ13A)に対する干渉量を低下させることができる。このとき、周辺のエリア(セクタ)に与える干渉波の影響を低く抑えることが可能な接続先(ハンドオーバ先(HOターゲット))を選択することができる。
その際、セクタ12Cの方向に形成される無線エリアが広くなるように、送信電力を上げて、移動局15に無線信号を送信することもできる。
尚、ハンドオーバ制御として、例えば、移動局15が基地局11、12から受信した受
信信号の品質について基地局11に報告させ(移動局15は基地局11と無線接続しているとする)、基地局11のセクタ11Aから受信した信号の方が基地局12のセクタ12Cから受信した信号よりも受信品質が良いが、基地局12のセクタ12Cでも無線通信が可能な状態であると判断すると、移動局15に対して基地局12のセクタ12Cにハンドオーバするように基地局11が指示する制御信号を送信することもできる。
例えば、セクタ11B,11Cのように、そのセクタ方向が干渉を避けたいエリア(例
えばセクタ13A)を含まない場合に適用されるハンドオーバを許容する基準(例えば、
通信中基地局との間の無線品質Q1<ハンドオーバ先基地局との間の無線品質Q2)に対して、セクタ11Aからセクタ12Cにハンドオーバする際に適用される基準を緩くする(例えば、通信中基地局との間の無線品質Q1―△Q<ハンドオーバ先基地局との間の無線品質Q2、とする)のである。
尚、ハンドオーバでなく、初期接続先を制御する際には、基地局11、12は、報知情報により、セクタ11Aに対してセクタ12Cで待ち受ける方がより緩い条件であることを移動局15に通知すればよい。
図4及び図5に示した例において、無線通信方式としてWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)システムを採用した場合における作用効果について説
明する。ここでは、周波数プランニングによって、基地局11のセクタ11Aには周波数Aが割り当てられ、セクタ11Bには周波数Bが割り当てられ、セクタ11Cには周波数Cが割り当てられていると仮定する。基地局12及び13に関しても同様に、セクタ12A及び13Aには周波数Aが割り当てられ、セクタ12B及び13Bには周波数Bが割り当てられ、セクタ12C及び13Cには周波数Cが割り当てられているものと仮定する。
いま、着目するエリアとしての基地局13のセクタ13Aに接続中の複数の移動局(例
えば20台の移動局)が存在したと仮定する。このとき、図4に示す状態では、基地局1
1のセクタ11Aには、移動局15のために電波がセクタアンテナ11aから常時送信される。このため、着目エリア(セクタ13A)に大きな干渉が生じている。
この状態において、着目エリア(セクタ13A)内における、移動局15が使用している周波数A内の帯域での、希望波対干渉波電力比(Signal-to-Interference power Ratio: SIR)は、以下の式(1)で与えられる。
SIR= 受信電力(基地局13のセクタ13A)/
受信電力(基地局11のセクタ11A)+熱雑音
・・・(1)
例えば、伝搬損失とアンテナ方向とを加味した上で、それぞれの基地局からの受信電力の差に10[dB]の差があり、かつ受信電力が高く、熱雑音が十分無視できるものと仮定する。この場合には、着目エリア(セクタ13A)内の、移動局15が使用している周波数A内の帯域におけるSIRは10[dB]となる。
これに対し、図5に示したように、移動局15の接続先を基地局11のセクタ11Aから基地局12のセクタ12Cに強制的に切り替えるハードハンドオーバを実施する。すると、移動局15の存在が原因となっていた、着目エリア(セクタ13A)に与える干渉がなくなる(セクタ13Aとセクタ12Cとで周波数が異なるため)。
このとき、着目エリア(セクタ13A)内の、移動局15がハンドオーバ前に使用していた周波数A内の帯域における、希望波対干渉波電力比(SIR)は、以下の式(2)で与えられる。
SIR= 受信電力(基地局13のセクタ13A)/熱雑音
・・・(2)
例えば、着目エリア(セクタ13A)内において、希望波の受信電力と熱雑音との差が30[dB]の場合には、移動局15が使用していた周波数A内の帯域でのSIR(熱雑音含
む)は、そのまま30[dB]となる。
従って、着目エリア(セクタ13A)内の、移動局15がハンドオーバ前に使用していた周波数A内の帯域におけるSIRが、干渉抑制制御前と比べて20[dB]改善する。この結果、着目エリア(セクタ13A)内に存在する多くの移動局が高スループットを得るなどの、高い通信品質を確保する機会に恵まれる。
以上から、干渉制御が効果的に実施されれば、特にトラフィック分布、加入者分布、重要エリア分布のような通信環境に偏りがあればあるほど、その改善度が非常に高いものになる。
なお、強制的にハードハンドオーバされる移動局15については、そのサービスをうけるための最低限必要な希望波受信電力(Received Signal Code Power: RSCP)、又はSI
Rが満たされている場合については、品質の劣化等の大きな影響を受けない(あるいは若
干の犠牲を許容する)ようにすることができる。
図6Aは、上述した移動通信システムにおける全体フローを示す。図6Bは、準備(S
1)の詳細を示すフローを示す。以下、フローにおける各ステップについて説明する。
ステップS1では、最初に、基地局制御装置14において、事前準備(事前の設定)を実施する。
図6Bにおいて、ステップS2では、基地局制御装置14に対し、干渉制御機能を開始及び停止するための条件と、その開始条件及び停止条件に対応する番号(“参照番号”と
称する)が与えられる。
図7は、干渉制御機能の開始条件及び停止条件の設定例を示す。図7に示すように、基地局ID(基地局及びセクタを特定する識別子)に対し、開始条件及びこれに関わる閾値と、停止条件及びこれに関わる閾値と、採用する番号(参照番号)とが設定される。開始条件及び停止条件は、例えば、時間帯に関する閾値と、平均送信電力に関する閾値とを含むことができる。
但し、干渉制御機能を常時適用する場合においては、図7に示したような条件を特に設定する必要はない。
ステップS3では、各基地局の各セクタに関して、ハンドオーバ先の基地局及びステップS2で与えた参照番号毎に、品質の相対値[dB]を設定する。相対値は、ステップS20(図6A)にて強制的なハンドオーバを実施するかどうかを判断するために使用される。
図8に相対値の設定例を示す。図8は、基地局ID(基地局及びセクタの識別子)に対して、ハンドオーバ先(HOターゲット)の基地局IDと、各参照番号に対応する品質の相対値[dB]とが設定されたテーブル例を示す。
図8に示す品質の相対値は、零(0)を基準としたハンドオーバの難易度を示す。相対値の値が大きい程、そのハンドオーバ先にハンドオーバし易い。相対値の値が小さい程、そ
のハンドオーバ先にハンドオーバしにくい。このように、相対値は、複数のハンドオーバ先候補がハンドオーバ先として決定されるための重みとして機能する。
また、相対値の値が0[dB]のときは、干渉制御機能を使用しない場合と同じ結果となる。この相対値の値を操作することで、所望のHOターゲットへ移動局をハンドオーバさせることができる。
図6Bに戻って、ステップS4では、ステップS2で与えた参照番号に優先順位を与える。図9に優先順位の設定例を示す。図9に示すように、優先度を示す値に対して、参照番号が割り当てられる。即ち、優先度値と参照番号との対応付けが行われる。
ステップS5では、ハンドオーバ先の品質に対する、絶対値の閾値がQoS(Quality of Service)毎に与えられる。図10に品質の絶対値の設定例を示す。図10には、QoS(サービス種別)に対応する絶対値(ハンドオーバ実施後の品質の計算値)が設定された表が示されている。
図7〜図10に示した情報は、例えば基地局制御装置が備える制御装置(コンピュータ)に対して設定される。制御装置は、CPUのようなプロセッサ、RAMのような主記憶装置、ハードディスクのような二次記憶装置,入出力装置(I/O)等から構成され、上記した情報は、例えば二次記憶装置内に格納される。格納された情報は、基地局制御装置の配下の各基地局に分配される。各基地局では、強制的なハンドオーバの実施、ハンドオーバ先の決定において、分配された情報が参照される。
ステップS2〜S5の処理が終了すると、ステップS1の準備が終了し、処理が図6AのステップS6に進む。
ステップS6以降の処理は、例えば、各基地局で実施される。但し、基地局制御装置が配下の各基地局からの報告を受け付けて、その報告内容に基づいて、各基地局に関するステップS6以降の処理を実施するように構成することもできる。
ステップS6では、図7に示したような情報(表)が参照され、干渉制御機能を実施するための複数の開始条件のうちの少なくとも一つが満たされたか否かが判定される。
ステップS7では、ステップS6で少なくとも一つの開始条件が満たされた場合に、干渉制御機能(強制的ハンドオーバ実施制御)の実施が開始される。
ステップS8では、干渉制御機能を実施する基地局制御装置の配下の各基地局から、その基地局配下の移動局に対し、定期的な品質報告(定期報告)の開始指示を与える。これによって、移動局から基地局に対し、所定周期で定期報告が送信される。定期報告の周期として、任意の値が設定される(例:4秒)。ただし、このような指示がなくても、移動局が基地局に定期報告を送信する設定が与えられている場合には、当該ステップS8は不要である。
ステップS9では、図7に示したような情報(表)が参照され、干渉制御機能を実施するための全ての停止条件が満たされた否かを判定する。
ステップS10では、全ての停止条件が満たされていないと判定された場合に、移動局からの品質の報告の有無が確認される。
ステップS11では、ステップS10において、移動局からの定期報告が到着している
と判定された場合に、その移動局に対するハンドオーバ処理を開始する。
ステップS12では、ステップS9にて、全ての停止条件が満たされたと判定された場合に、干渉制御機能を停止する。
ステップS13では、各基地局から配下の移動局に対し、定期報告停止の指示を送信する。ただし、定期報告が干渉制御機能の開始及び停止と無関係である場合には、ステップS13は不要である。
図11は、図6Aに示したステップS11のハンドオーバ(HO)処理の詳細を示すフローチャートである。
ステップS14では、移動局からの定期報告の内容(品質接続先、品質HO先、QoS等)を基地局が確認する。
ステップS15では、図8及び図10に示した情報(表)が参照され、複数のハンドオーバ先から、ハンドオーバ先(HOターゲット)の品質がステップS5で与えた閾値(QoS
の絶対値)を超えるハンドオーバ先、及びハンドオーバ先(HOターゲット)の品質が接続
先(HOソースとなる基地局)の品質を上回る場合のハンドオーバ先が、ハンドオーバ先の候補として抽出される。
即ち、以下の判定式を満たすハンドオーバ先を抽出する。
判定式:品質HO先≧絶対値QoS または
品質接続先≦品質HO
ステップS16では、ハンドオーバ先の数を“N”に設定する。
ステップS17では、ハンドオーバ先(HOターゲット)の有無を確認する。
ステップS18では、引数“M”を1に設定する。
ステップS19では、図8及び図9に示した情報(表)が参照され、ハンドオーバ先の品質(品質HO先)と、ハンドオーバ先の相対値の中で開始条件を満たしている最も優先度の高い相対値とを合計した値(但し対数の場合)が、M番目となる(現在のMの値に対応する)ハンドオーバ先を抽出する。
ステップS20では、図8に示した情報(表)が参照され、ステップS19で抽出されたハンドオーバ先に対して、Mの現在値に対応するハンドオーバ先の品質と、ハンドオーバ先の相対値の中で開始条件を満たしている最も優先度の高い相対値とを合計した値(但し
対数の場合)が、接続先の品質を満たしている場合に、ハンドオーバが実施される。
即ち、以下の判定式〈1〉が満たされる場合に、ハンドオーバが実施される。
判定式〈1〉:品質接続先≦(品質HO先+相対値HO先、優先度ノ高イ番号)
ステップS21では、ステップS20が満たされた場合に、ハンドオーバ先へのハンドオーバが実施可能かどうかを確認(判定)する。これはハンドオーバ先の無線リソースの枯渇状況などによって変化し、本実施形態の干渉制御とは関係なく実施される。
ステップS22では、ステップS21が満たされた場合に、ハンドオーバ先(HOター
ゲット:対象局)へのハンドオーバを実施する。なお、移動局が他の基地局制御装置配下
の基地局のエリア(セクタ)に移動した場合には、その基地局制御装置の指示に従った処理が行われる。
ステップS23は、ステップS21にてハンドオーバが実施できないと判定された場合に実行される処理であり、Mの現在値に1を加算する。
ステップS24では、引数Mの値が全てのハンドオーバ先の数であるNよりも大きな値になったかどうかが判定される(判定式:M>N)。
〈基地局の構成〉
図12は、ハンドオーバ処理に関する基地局(基地局装置)の構成例を示す。図12において、基地局20は、送受信アンテナ21と、無線信号の送受信処理及び信号の変復調処理を行う送受信部22と、平均送信電力の測定や、無線リソースの使用状況の管理を行う測定部23と、制御部24と、記憶部25とを備える。
記憶部25には、干渉制御の開始・停止の各種条件(図7)、相対値HO先、番号を含むテーブル(図8)、QoSの絶対値(図10)、及び優先度(図9)を示す情報が予め格納される。このような情報は、図6Bに示した処理を通じて基地局制御装置上で作成された情報を、制御部が基地局制御装置から受信して記憶部25に格納する。また、記憶部25は、制御部24によって実行される図6A,図11に示すような処理を実行するためのプログラムを格納している。
制御部24は、CPUのようなプロセッサ、RAMのような主記憶、入出力装置(I/
O)等からなり、記憶部25に記憶されたプログラムを実行することによって、ハンドオ
ーバ制御を含む干渉制御を実行する。
すなわち、制御部24は、ハンドオーバの可否の判定(ハンドオーバ先の無線リソースの確認等)のみならず、干渉制御機能の開始・停止のための条件式や、強制的なハンドオーバを実施するための条件式などを有し、図6A、図11に示された処理を実行する。
ここに、強制的なハードハンドオーバは、基地局における(物理的な)無線リソースの使用率等ではなく、(エリア的な)干渉を抑える方向で決定される。これが、本実施形態における干渉制御の大きなポイントである。このため、基地局の無線リソースの輻輳軽減やユーザの最低の帯域確保などを目的としたハンドオーバとは目的が大きく異なる。
本実施形態における干渉制御機能は、移動通信ネットワークでの、トラフィック分布、加入者分布、重要エリア分布などに偏差があり、偏差が大きい程、大きな干渉抑制効果を奏することができる。
なお、図12に示した基地局の構成は、1つのセクタ(セル)についてのハンドオーバを実施するための構成を示し、一つの基地局装置が複数のセクタアンテナを有する場合には、例えば、図12に示した構成が、セクタ毎に用意される。但し、制御部24及び記憶部をセクタ間で共用することができる。
〈具体例1〉
以下、上述した干渉制御の具体例を説明する。図13Aは、具体例1が適用される移動通信システムを示す。図13Aにおいて、移動通信システム(移動通信網)は、基地局制御装置(RNC)30と、この基地局制御装置30の配下にある基地局(BS)21及び基地局(BS)22とを有している。
基地局21は、セクタアンテナA,B,Cを有し、これらのセクタアンテナA,B,Cに対応する3つの通信エリア(セクタA,B,C)を備えている。図13Aには、基地局31を中心とした楕円が基地局Aを中心に三つの扇形に分割されたセクタA,B,Cが模式的に示されている。
基地局22は、基地局21と同様に、セクタアンテナA,B,Cを有し、これらのセクタアンテナA,B,Cに対応する3つの通信エリア(セクタA,B,C)を備えている。図13Aには、基地局22を中心とした楕円が基地局22を中心に三つの扇形に分割されたセクタA,B,Cが模式的に示されている。
基地局31の通信エリア(セクタ)は、基地局22の通信エリア(セクタ)に隣接しており、その一部が重なっている。具体的には、基地局21のセクタCが基地局32のセクタA及びセクタBとオーバラップしている。また、基地局21のセクタCのセクタ方向は、基地局22のセクタBのセクタ方向よりも着目エリアSA(基地局22のセクタC)に向かって広く面した状態となっている。
但し、各セクタアンテナから送信される電波の到達範囲(無線エリア)は、そのセクタ方向によって、対応する通信エリア(セクタ)にとどまらず、隣接する通信エリア(セクタ)や、その更に遠方まで到達する場合がある。このような、所定の通信エリア(セクタ)外に到達する電波が、所定の通信エリアと異なる通信エリアにおいて、干渉波として作用することがある。例えば、基地局21のセクタアンテナCから送信される電波が、基地局22のセクタBを通過して、基地局22のセクタCの一部に干渉波として到達することがある。
以下を前提として、干渉制御機能の具体例1を説明する。
(1) 移動局25が基地局31のセクタCに接続されている。
(2) ここで、基地局22のセクタCに着目すると、この基地局22のセクタC(着目エ
リアSA)には、基地局21のセクタアンテナCから送信された強い干渉波が到達してい
る。
(3) 図13Aに示す移動通信システム(ネットワークシステム)では、干渉制御機能は常時実施されるように設定されている。
(4) 図13Aに示す移動通信システムで適用される通信方式としては、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を採用するWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)システムを想定する。
(5) 基地局21及び22のセクタAには、周波数aが割り当てられており、基地局21及び22のセクタBには、周波数bが割り当てられており、基地局21及び22のセクタCには、周波数cが割り当てられている。
《相対値の設定》
基地局31には、図14A,図14B,図14Cに示されるような、セクタA,B,Cに対応する1以上のハンドオーバ先(HO target)の相対値(デフォルトの閾値)が設定され
たテーブルが予め格納される。また、基地局32には、図15A,図15B,図15Cに示されるような、セクタA,B,Cに対応する1以上のハンドオーバ先(HO target)の相
対値(デフォルトの閾値)が設定されたテーブル(相対値テーブルと称する)が予め格納される。各相対値テーブルは、図12に示した記憶部において、ハンドオーバ制御に際して参照されるハンドオーバテーブルの一部として格納される。
相対値は、0を基準として、エリア(セクタ)の重要度が低いほど大きく、エリアの重要度が高いほど小さくなるように設定する。これによって、相対値が大きいエリアが優先的にハンドオーバ先として決定されることができる。
図14及び図15において、対となるハンドオーバ先には、ハンドオーバの繰り返しを避けるために、反転した値が与えられる。例えば、図14Cに示す基地局31のセクタCの相対値テーブルには、ハンドオーバ先として基地局32のセクタBが設定されており、相対値として1.5[dB]が設定されている。これに対し、図15Bに示す基地局31のセクタBの相対値テーブルには、ハンドオーバ先として基地局31のセクタCが設定されている。このとき、基地局31のセクタCと基地局32のセクタBとが対をなす。このため、図15Bに示すように、基地局31のセクタCに対する相対値として、−1.5[
dB]が設定されている。
この場合、基地局31のセクタCから基地局32のセクタBへのハンドオーバは容易であるのに対し、基地局32のセクタBから基地局31のセクタCへのハンドオーバは容易でないことがわかる。
また、干渉制御機能の実施時において、強制的なハンドオーバのハンドオーバ先とすることを望まない(強制的ハンドオーバの作動対象としない)セクタについては、相対値として0[dB]が設定される。
《絶対値の設定》
基地局31及び32の記憶部には、予め、QoS(サービス種別)毎に干渉制御機能を実施するか否かを判定するための品質の絶対値が設定される。図16は、具体例1に適合した設定例を示す。図16に示す例では、品質の基準として希望波対干渉波電力比[dB]が適用されている。また、説明を簡単にするために、全ての基地局(基地局31及び32の
全セクタ)に一律の絶対値が適用されるものと仮定する。
《ハンドオーバ制御(干渉制御)》
以下、基地局31におけるハンドオーバ処理について説明する。基地局31は、強制的なハンドオーバ処理を実行する。基地局31は、図12に示した基地局20と同様の構成(但し3つのセクタアンテナを有する)を有することができ、ハンドオーバ処理は、図12に示したような制御部24を中心として実行される。
干渉制御機能の実施下では、移動局35は、接続先の基地局(基地局31)に対して、定期的な報告を行う。基地局31では、定期報告の内容確認を行う。例えば、基地局31が移動局35から以下の定期報告を受信したと仮定する。
(a) 現在接続中の基地局31のセクタCからの希望波対干渉波電力比(SIR)が4.0[dB]である。
(b) HOターゲットとなり得る、基地局31のセクタB(以下、候補1と表記すること
もある)からのSIRが2.2[dB]であり、基地局32のセクタB(以下、候補2と表記することもある)からのSIRが2.8[dB]である。
(c)現在のQoSクラスがQoS−1(ベストエフォート:図16のQoS−1参照)である。
基地局31の制御部24は、例えば、記憶部25(図12)上に格納されている相対値テーブル(図14C)を参照し、基地局31のセクタB(候補1),及び基地局32のセクタB(候補2)に対応する相対値を確認する。このとき、制御部24は、図14Cに示されるように、基地局31のセクタB(候補1)に対応する相対値は2.0[dB]であり、基地局32のセクタB(候補2)に対応する相対値が1.5[dB]であると認識することができる。
次に、基地局31の制御部24は、ハンドオーバ先の品質とハンドオーバ先に対応する相対値との和が、接続先の品質を越えているか否かを、以下の判定式を用いて確認する。
判定式(対数):品質接続先≦(品質HO先+相対値HO先)
具体的な数字の当てはめは、以下の通りとなる。
基地局31のセクタC_4.0[dB] ≦ 基地局31のセクタB(候補1)_2.2[d
B] + 相対値2.0[dB] = 4.2[dB]
基地局31のセクタC_4.0[dB] ≦ 基地局32のセクタB(候補2)_2.8[d
B] + 相対値1.5[dB] = 4.3[dB]
この結果、候補1及び候補2の双方とも、接続先(基地局31のセクタC)のSIR値を超えていることがわかる。よって、基地局31の制御部24は、候補1及び候補2の一方を移動局35のHOターゲットとして決定することができる。もし、或る候補の(品質HO先+相対値HO先)の値が品質接続先の値以下であれば、その候補は、HOターゲットとして選択されない。
ここでは、基地局31の制御部24は、(品質HO先+相対値HO先)の値が最も高い候補2(基地局32のセクタB)への強制的なハードハンドオーバを実施することを決定し、その準備を行う。
HOの準備の前に、HO実施を決定した候補(ここでは候補2)のSIR値がHO実施後の品質の絶対値(QoSの絶対値)より大きいか否かを制御部24は判定する。すなわち、制御部24は、図16に示したような絶対値テーブルを参照し、移動局35の現在のQoSクラス(QoS−1)に対応するQoSの絶対値(ここでは1.0[dB])よりも、候補2のSIR値が大きいかを判定する。ここでは、候補2のSIR値は、QoS−1の絶対値よりも大きいので、HO準備が実行される。
もし、移動局35のQoSクラスがQoS−3(3.5[dB]:図16)であった場合には、候補2の品質値(SIR)2.8[dB]は、QoS−3の絶対値(3.5[dB])以下となるので、HO準備は中止され、移動局35の強制的なHOは実施されない。但し、候補2の品質が、接続先の品質よりもよい場合には、強制的なHOが実施されるようにしても良い。
HO準備において、基地局31は、移動局35に対し、HOターゲットである基地局32のセクタBへのハードハンドオーバ要求の送信を指示する。基地局31は、移動局35からのハードハンドオーバ要求メッセージを受信すると、HOターゲットへのHO処理を行う。
HO処理において、移動局35は、HOターゲット(基地局32のセクタB)から、そのHOターゲットにおける無線リソースの枯渇のような理由により、HOを拒否されることがある。この場合、移動局35は、HOソースである基地局31に対して、HOが拒否されたことを通知する。
このとき、基地局31の制御部24は、移動局35に対して、候補1(基地局31のセ
クタB)へのHOを指示することができる。移動局35は、指示に従って、候補1へのH
O処理を実行することができる。
候補2へのHOが受け入れられた場合には、ハードハンドオーバによって、移動局35の接続先が、基地局31のセクタCから基地局32のセクタBへ切り替えられる。
図13Bに、強制的なハンドハードオーバ後の様子を示す。図13に示すように、移動局35のハードハンドオーバによって、基地局31のセクタアンテナCから、移動局35
向けの電波が送信されなくなる。このため、基地局31のセクタアンテナCから移動局35向けの電波(干渉波)が基地局32のセクタC(着目エリアSA(特定エリア))に到達しなくなる。よって、基地局32のセクタC(着目エリアSA)に対する基地局31のセクタCからの干渉量が低減される。これによって、着目エリアSAでの通信環境が改善される。
なお、基地局32のセクタアンテナBからの電波の大半は、湖のような重要度の低いエリアに伝搬される。これによって、強制的なハードハンドオーバによって、HOターゲットのセクタから送信される電波が他のエリア(セクタ)に与える影響を可能な限り抑えることができる。
〈具体例2〉
次に、干渉制御の具体例2について説明する。具体例2において、具体例1と同様の構成に関しては、簡略化して説明する。図17Aは、具体例2が適用される移動通信システムを示す。図17Aにおける移動通信システムの構成は、具体例1(図13A)とほぼ同様であるので説明を省略する。
具体例2は、主に以下の点で具体例1と異なる。
(a) 干渉制御機能の開始及び停止条件が規定されている。
(b) 複数の着目エリアSA及びSA1が考慮され、着目エリアSA及びSA1に対する干渉制御の優先順位が規定されている。ここに、基地局32のセクタAのセクタ方向は、基地局31のセクタCのセクタ方向よりも着目エリアSA1に向かって広く面した状態となっている。
このため、基地局におけるハンドオーバ処理の詳細が具体例1と異なる。
以下を前提として、干渉制御機能の具体例2を説明する。
(1) 移動局35が基地局32のセクタAに接続されている。
(2) 着目エリアSA1が、基地局32のセクタAの延長線上に存在する。
(3) 図17Aに示す移動通信システム(ネットワークシステム)では、所定条件が満たされた場合に干渉制御機能が実施される。
(4) 図17Aに示す移動通信システムで適用される通信方式としては、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を採用するWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)システムを想定する。
(5) 基地局31及び32のセクタAには、周波数aが割り当てられており、基地局31及び32のセクタBには、周波数bが割り当てられており、基地局31及び32のセクタCには、周波数cが割り当てられている。
《条件設定》
基地局31及び32の記憶部25(図12)には、干渉制御機能を開始条件及び停止条件と、そのような干渉制御機能を特定する番号(参照番号)との組合せを格納したテーブル(
条件テーブル)が予め格納される。
図18は、条件テーブルの例を示す。干渉制御機能の開始条件は、干渉量の増加を示唆する条件でもある。開始条件として、以下のようなパラメータの一つ又は複数の組合せを適用することができる。
(A) 干渉量を直接的又は間接的に増加させる可能性がある(比例関係、又は高い相関関
係にある)時間帯
(B) リソース使用率
(C) トラフィック量
(D) 移動局群から報告された移動局群の品質(例えばSIR)の平均値
(E) 移動局群から報告された移動局群の品質(例えばSIR)の中央値
(F) 移動局群から報告された移動局群の品質(例えばSIR)の最低値
(G) 移動局群から報告された移動局群の品質(例えばSIR)のパーセンタイル
(H) 呼損率
(I) 呼切断率
(J) 平均送信電力
(K) 平均受信電力
(L) 平均セクタスループット
図18に示す例では、時間帯と平均送信電力の相対値とをトリガパラメータとし、両者のうちの少なくとも一つが開始条件となる閾値を満たした場合に、干渉制御機能が開始される。
ここに、参照番号1は、図20における着目エリアSAを想定して作成されており、参照番号2は着目エリアSA1を想定して作成されている。着目エリアSAは、具体例1(
図13A)で説明した着目エリアSAに相当する。例えば、着目エリアSAは、昼間に高
トラフィックが観測される地域(商店街のような商業地域)であり、着目エリアSA1は夜間に高トラフィックが観測される地域(飲食店街)であると仮定する。
このように、特定のエリア(着目エリア)に対する干渉抑制を想定した干渉制御の開始及び停止条件を示す情報(干渉制御パターンと呼ぶ)のエントリを1以上格納した条件テーブルを基地局や基地局制御装置の記憶装置に用意しておくことができる。干渉制御パターンは参照番号を用いて特定される。
基地局32の記憶部25(図12)には、干渉制御機能の対象となる着目エリアの識別情報と、干渉制御機能の開始条件及び停止条件と、そのような干渉制御機能を特定する番号(参照番号)との組合せ含むエントリを1以上格納したテーブル(条件テーブル)が予め格納される。
これによって、時間帯によって他エリアからの干渉の影響が増減する特定エリアや、イベントによって一時的に他エリアからの干渉の影響が多大となる特定エリアに対する干渉制御に、柔軟に対応することが可能となる。
《優先度の設定》
基地局31及び32の記憶部25(図12)には、条件テーブル(図18)に設定された干渉制御パターンのエントリに対する優先度が設定された優先度テーブルが予め格納される。
図19は、優先度テーブルの例を示す。図19に示すように、優先度テーブルには、優先度を示す順位(優先順位)に対応付けて、各エントリの参照番号が格納される。図19に示す例では、参照番号1の干渉制御パターンが参照番号2の干渉制御パターンよりも優先して実施されることが規定されている。
《相対値の設定》
基地局31の記憶部25(図12)には、図20A,図20B及び図20Cに示すような相対値テーブルが格納される。また、基地局32の記憶部25には、図21A,図21B及び図21Cに示すような相対値テーブルが格納される。
各相対値テーブルは、基地局のセクタ毎に用意される。相対値テーブルには、基地局のセクタに関して、HOターゲット(ハンドオーバ先)となりうる複数の基地局IDが格納され、各基地局IDについて、各参照番号(干渉制御パターン)に対応する相対値[dB]が格
納される。相対値の決定方法は、具体例1と同様である。
《絶対値の設定》
基地局31及び32の記憶部には、予め、QoS(サービス種別)毎に干渉制御機能を実施するか否かを判定するための品質の絶対値が設定される。図22は、具体例2に適合した設定例を示す。図22に示す例では、品質の基準としてSIR[dB]が設定される。また、説明を簡単にするために、全ての基地局(基地局31及び32の全セクタ)に一律の絶対値が適用されるものと仮定する。
《ハンドオーバ制御》
図17Aに示す移動通信システムにおいて、移動局35は基地局32のセクタAに接続している。ここで、基地局32のセクタAにて、例えば測定部23(図12)で測定される平均送信電力が90%となり、条件テーブル(図18)で規定した参照番号2の開始条件(
平均送信電力80%以上)が満足されたことを制御部24が認識(判定)したと仮定する。
但し、この時点で、基地局31のセクタCにおける平均送信電力は、参照番号1の開始条件を満たさない(80%を下回る)ものと仮定する。
すると、基地局32の制御部24は、配下の移動局35に対して、定期報告の送信指示を与え、移動局35から定期的に定期報告を受信する状態になる。ここに、基地局32は、移動局35から以下のような定期報告を受け取ったと仮定する。
(a) 現在接続中の基地局32のセクタAからのSIR(接続先の品質)が4.9[dB]である。
(b) ハンドオーバ先(HOターゲット)となりうる、基地局32のセクタB(候補1)からのSIRが4.6[dB]であり、基地局31のセクタC(候補2)からのSIRが4.8[
dB]である。
(c) 現在のQoSクラスはQoS−1(図22に対応)である。
基地局32の制御部24は、相対値テーブル(図21A)を参照し、参照番号2に対応する候補1及び2の相対値を確認する。図21Aの参照番号2において、基地局32のセクタBに対する相対値は1.0[dB]であり、基地局31のセクタCに対する相対値が0.5[dB]であることがわかる。
なお、参照番号1は開始条件が満たされていないため、参照番号1に関する処理は実行されない。ただし、もし参照番号1の開始条件が参照番号2の開始条件の双方が満たされている場合には、図19に示した優先度テーブルが参照され、優先度テーブルに設定された優先順位に従って、優先順位の高い参照番号に対する処理が実行される。即ち、参照番号2ではなく、参照番号1に対する処理が実行される。
次に、基地局32は、ハンドオーバ先(候補)の品質と、ハンドオーバ先(候補)に与えられた相対値の和が、接続先の品質を越えているかどうかを、以下の判定式を用いて確認する。
判定式(対数):品質接続先≦(品質HO先+相対値HO先、優先度ノ高イ番号)
候補1及び候補2に対する判定式の当てはめ結果は、以下のようになる。
基地局32のセクタA_4.9[dB] ≦ 基地局32のセクタB(候補1)_4.6[d
B] + 相対値1.0[dB] = 5.6[dB]
基地局32のセクタA_4.9[dB] ≦ 基地局31のセクタC(候補2)_4.8[d
B] + 0.5[dB] = 5.2[dB]
上記したように、候補1及び候補2の夫々に関する和は、接続先の品質値よりも大きい
ので、候補1及び候補2の双方とも、HOターゲットとしての適格性を有する。但し、最終的なHOターゲットは一つであるので、候補1及び候補2から最終的なHOターゲットが選択される。
ここでは、候補1に関する品質値と相対値との和(5.6dB)が、候補2に関する品質値と相対値との和(5.2dB)よりも大きいので、基地局32は、候補1を最終的なHOターゲットとして選択し、HOターゲットへのハードハンドオーバの準備を行う。
その後は、具体例1で説明した手順と同様の手順で、移動局35の接続先が基地局32のセクタAから基地局32のセクタBへハードハンドオーバされる。その様子を図17Bに示す。これによって、着目エリアSA1に到達する干渉波が低減され、着目エリアに対する干渉量が低減される。
なお、具体例2における移動局35が、基地局31のセクタCと基地局32のセクタAとの重複範囲に位置しており、基地局31及び32の一方と初期接続を行い、無線通信を行う場合において、以下のような手法を適用することができる。
例えば、着目エリアSA1に対して基地局32のセクタAからの干渉量を低減することが要求される場合に、各基地局31及び32から送信される報知情報(報知信号)に、初期接続先として基地局32ではなく基地局31と接続することを指示する制御信号を含める。
言い換えれば、移動局35が良好な無線通信のために基地局31ではなく基地局32と接続すべき状況下であっても、移動局35が基地局31と接続するように制御を行う。これによって、基地局32が移動局35向けに電波を放射し、この電波が着目エリアSA1に干渉するのを防ぐことができる。
《実施形態の作用効果》
本実施形態では、セクタアンテナを使用し、かつハードハンドオーバを行う移動通信システムにおいて、ある基地局のあるセクタに接続中の移動局(Mobile Station)を、基地局(Base Station)あるいは基地局制御装置(Base Station Controller)にて、干渉を与え
る方向を考慮した上で、強制的に他の基地局もしくは同一基地局の他のセクタにハードハンドオーバさせる干渉制御機能を設ける。これによって、特定方向への下り回線の干渉量を極力減らし、かわりに他の方向への下り回線の干渉量をあえて犠牲にすることで、エリア全体の干渉量を適切に分散させ、加入者全体もしくは限定された着目するエリアの無線回線品質を向上させることができる。
また、本実施形態では、それぞれの基地局は、全てのハンドオーバ先毎に、ハードハンドオーバを行うことが許容可能な品質の相対値を単数もしくは複数持つことができる。
また、本実施形態では、ハードハンドオーバを強制的に実施する条件として、移動局において、ハンドオーバ先となる基地局のセクタの品質と、ハンドオーバ先となる基地局のセクタに与えられた相対値とを加算(あるいは乗算)した値が、接続中の基地局のセクタの品質を超える場合に、ハードハンドオーバを実施する機能を備える。
また、本実施形態では、強制的なハンドオーバを実施する過程において、ハンドオーバ後の移動局の品質が、ある規定された絶対値以下になることが見込まれるとき、その移動局に対して、ハンドオーバを実施しない機能を有する。ただしハンドオーバ後の移動局の品質の方が接続先の品質よりも、よい場合についてはこの限りではない。絶対値はQoS(ベストエフォートなどのサービス種別)毎に与えることができる。
また、本実施形態では、単数もしくは複数の基地局のセクタにて、干渉量の増加を示唆する特定の条件(開始条件)が満たされていない場合は、干渉制御を実施しない。
また、本実施形態では、単数もしくは複数の基地局のセクタにて、干渉量の増加を示唆する特定の条件(開始条件)が満たされた場合には、その条件に対応する、相対値がHOターゲット選定のための値の一つとして採用される。
また、本実施形態では、複数の条件が同時に一致した場合、あらかじめ与えた優先度の高い、その条件に対応する相対値が採用される。
また、本実施形態では、干渉量の増加を示唆する特定の条件として、干渉を直接的あるいは間接的に増加させる可能性のある(比例関係、もしくは高い相関関係にある)、時間帯、もしくはトラフィック量、もしくは使用帯域率、もしくは移動局群の品質の平均値、もしくは移動局群の品質の中央値、もしくは移動局群の品質の最低値、もしくは移動局群の品質のXパーセンタイル、もしくは呼損率、もしくは呼切断率、もしくは平均送信電力
、もしくは平均受信電力、もしくは平均セクタスループットが、対応する任意の閾値とともに与えられる。
本実施形態によれば、上述した干渉制御機能(干渉制御方法)が適用されることで、干渉を適正に分散することが可能となり、高トラフィックが見込まれる等の、或る着目する特定エリアに与える干渉量を低減することができる。
本実施形態で説明した干渉制御方法は、トラフィック分布、加入者分布、干渉分布、着目エリアの分布、基地局の分布、セクタの方向、相対値の値、周波数プランニングの精度のような様々な事項を考慮して、最適な干渉制御パターンを作成することで、着目する特定エリアに対する良好な干渉量低減効果を得ることができる。
本願の出願人が実施した統計的なシミュレーションの結果では、トラフィック分布が一様であるなどの理想的なモデルのときに本実施形態に係る干渉制御方法を適用すると、ある着目するエリアに対しての、統計的な干渉の低下率は、相対値を1.0dBとしたときは、およそ16.0%、相対値を2.0dBとしたときは、およそ25.6%になることが確認されている。
なお、上述した実施形態では、複数の基地局の夫々が複数のセクタを有し、セクタ間でハードハンドオーバがなされる移動通信システムについて説明した。このような構成に代えて、複数の基地局の夫々が単一の通信エリア(セル)を有するような移動通信システム、セルを有する基地局と、複数のセクタを有する基地局とが混在した移動通信システムにも適用が可能である。
(付記1) 複数のセクタを形成する第1の基地局の第1のセクタの方向に形成可能な第1の無線エリアと、複数のセクタを形成する第2の基地局の第2のセクタの方向に形成可能な第2無線エリアと、の重複エリアに位置する移動端末が、該第1の基地局と無線通信を行なう方が該第2の基地局と無線通信を行なうよりも良好な無線通信が行なえる場合における通信制御方法において、
前記第1のセクタの方向の方が、前記第2のセクタの方向よりも所定のエリアに向けてより広く面している場合に、移動端末を前記第2のセクタ方向に形成可能な前記第2の無線エリアで前記第2の基地局と無線通信を行うように制御する、
ことを特徴とする通信制御方法。(1)
(付記2)複数のセクタを形成する第1の基地局と、
複数のセクタを形成する第2の基地局とを備え、
前記第1の基地局によって形成される複数のセクタ中の第1のセクタの方向に形成可能な第1の無線エリアと、複数のセクタを形成する第2の基地局の第2のセクタの方向に形成可能な第2無線エリアと、の重複エリアに位置する移動端末が、良好な無線通信を行うために前記第2の基地局ではなく前記第1の基地局と無線通信を行うべき状況下において、前記第1のセクタの方向が前記第2のセクタの方向よりも所定のエリアに向けてより広く面している場合に、前記移動端末が前記第2の無線エリアで前記第2の基地局と無線通信を行うように制御する手段と、
を含む移動通信システム。(2)
(付記3) 移動端末の接続先となる複数の通信エリアを有する移動通信システムにおいて、
前記複数の通信エリアの一つからその通信エリアに接続された移動端末へ送信される電波が当該通信エリアと異なる他の通信エリアにおける干渉波となる場合に、当該通信エリアに関する少なくとも一つのハンドオーバ先候補から、ハンドオーバによって前記他の通信エリアに対する干渉量を低減可能なハンドオーバ先を決定する制御手段と、
前記移動端末を前記ハンドオーバ先に強制的にハンドオーバさせる手段と
を含む移動通信システム。(3)
(付記4) 前記制御手段は、前記複数の通信エリアの一つに関する複数のハンドオーバ先候補の夫々に対し、ハンドオーバ先として決定されるための重みを有しており、
前記重みは、ハンドオーバ先候補をハンドオーバ先とするハードハンドオーバが実施されたときに、そのハンドオーバ先から前記移動端末へ送信される電波が当該ハンドオーバ先の通信エリアと異なる前記他の通信エリアを含む複数の通信エリアに与える干渉の影響を考慮して決定される
付記3に記載の移動通信システム。(4)
(付記5) 前記制御手段は、前記ハンドオーバ先候補に前記移動端末がハードハンドオーバされたと仮定したときの前記移動端末の通信品質値と、このハンドオーバ先候補に付与された重み値とから求まる品質評価値を求め、この品質評価値が前記複数の通信エリアの一つにおける前記移動端末の通信品質を上回るハンドオーバ先候補をハンドオーバ先として決定する
付記4に記載の移動通信システム。
(付記6) 前記制御手段は、前記移動端末について確保すべき通信品質の絶対値を有しており、ハードハンドオーバ後の前記移動端末の通信品質値が現在の前記移動端末の通信品質値、及び前記絶対値を下回るハンドオーバ候補を除外する
付記3〜5のいずれか一項に記載の移動通信システム。(5)
(付記7) 前記制御手段は、前記移動端末が使用するサービス種別毎に決定された複数の絶対値を有し、前記移動端末が現在使用中のサービス種別に対応する絶対値と前記現在の前記移動端末の通信品質値との比較を行う
付記6に記載の移動通信システム。
(付記8) 前記制御手段は、特定の通信エリアに対して干渉波となる電波を送信する通信エリアに関して、当該通信エリアに接続中の移動端末に対する強制的なハードハンドオーバを実施するための実施条件を有しており、当該実施条件が満たされた場合に、前記移動端末に対する強制的なハンドオーバ先の決定を行う
付記3〜7のいずれかに記載の移動通信システム。(6)
(付記9) 少なくとも二つの前記実施条件に対して優先順位が予め決められており、二つの前記実施条件の夫々が満たされた場合には、前記優先順位に従って、優先順位の高い実施条件に関連する前記強制的なハンドオーバが実施される
付記8に記載の移動通信システム。
(付記10) 前記実施条件は、前記特定の通信エリアにおける他のエリアからの干渉の影響が大きくなることが示唆される条件である
付記8又は9に記載の移動通信システム。
(付記11) 移動端末の接続先となる複数の通信エリアを有する移動通信システムにおいて、自局の通信エリア内で自局に接続された移動端末に向けて電波を送信する基地局であって、
前記複数の通信エリアの一つからその通信エリアに接続された移動端末へ送信される電波が当該通信エリアと異なる他の通信エリアにおける干渉波となる場合に、当該通信エリアに関する少なくとも一つのハンドオーバ先候補から、ハンドオーバによって前記他の通信エリアに対する干渉量を低減可能なハンドオーバ先を決定する制御手段と、
前記移動端末を前記ハンドオーバ先に強制的にハンドオーバさせる手段と
を含む基地局。(7)

Claims (7)

  1. 複数のセクタを形成する第1の基地局の第1のセクタの方向に形成可能な第1の無線エリアと、複数のセクタを形成する第2の基地局の第2のセクタの方向に形成可能な第2無線エリアと、の重複エリアに位置する移動端末が、該第1の基地局と無線通信を行う方が該第2の基地局と無線通信を行うよりも良好な無線通信が行える場合における通信制御方法において、
    前記第1のセクタの方向が前記第2のセクタの方向よりも所定のエリアに向けてより広く面している場合に、前記移動端末の通信を制御する手段が、前記移動端末を前記第2のセクタ方向に形成可能な前記第2の無線エリアで前記第2の基地局と無線通信を行うように制御する、
    ことを特徴とする通信制御方法。
  2. 複数のセクタを形成する第1の基地局と、
    複数のセクタを形成する第2の基地局とを備え、
    前記第1の基地局によって形成される複数のセクタ中の第1のセクタの方向に形成可能な第1の無線エリアと、複数のセクタを形成する第2の基地局の第2のセクタの方向に形成可能な第2無線エリアと、の重複エリアに位置する移動端末が、良好な無線通信を行うために前記第2の基地局ではなく前記第1の基地局と無線通信を行うべき状況下において、前記第1のセクタの方向が前記第2のセクタの方向よりも所定のエリアに向けてより広く面している場合に、前記移動端末が前記第2の無線エリアで前記第2の基地局と無線通信を行うように制御する手段と、
    を含む移動通信システム。
  3. 移動端末の接続先となる複数の通信エリアを有する移動通信システムにおいて、
    前記複数の通信エリアの一つの或る通信エリアに接続された移動端末へ信電が該或る通信エリアと異なる他の通信エリアにおける干渉波となる場合に、該或る通信エリアに関する少なくとも一つのハンドオーバ先候補から、該移動端末への送信電波による該他の通信エリアに対する干渉量が、ハンドオーバ前の該移動端末への送信電波による該他の通信エリアに対する干渉量よりも少なくなるハンドオーバ先を決定する制御手段と、
    前記移動端末を前記ハンドオーバ先に強制的にハンドオーバさせる手段と
    を含む移動通信システム。
  4. 前記制御手段は、前記複数の通信エリアの一つに関する複数のハンドオーバ先候補の夫々に対し、ハンドオーバ先として決定されるための重みを有しており、
    前記重みは、ハンドオーバ先候補をハンドオーバ先とするハンドオーバが実施されたときに、そのハンドオーバ先から前記移動端末へ送信される電波が当該ハンドオーバ先の通信エリアと異なる前記他の通信エリアを含む複数の通信エリアに与える干渉の影響を考慮して決定される
    請求項3に記載の移動通信システム。
  5. 前記制御手段は、前記移動端末について確保すべき通信品質の絶対値を有しており、ハンドオーバ後の前記移動端末の通信品質値が現在の前記移動端末の通信品質値、及び前記絶対値を下回るハンドオーバ候補を除外する
    請求項3又は4に記載の移動通信システム。
  6. 前記制御手段は、特定の通信エリアに対して干渉波となる電波を送信する通信エリアに関して、当該通信エリアに接続中の移動端末に対する強制的なハンドオーバを実施するための実施条件を有しており、当該実施条件が満たされた場合に、前記移動端末に対する強制的なハンドオーバ先の決定を行う
    請求項3〜5のいずれか一項に記載の移動通信システム。
  7. 移動端末の接続先となる複数の通信エリアを有する移動通信システムにおいて、自局の通信エリア内で自局に接続された移動端末に向けて電波を送信する基地局であって、
    前記複数の通信エリアの一つの或る通信エリアに接続された移動端末へ信電が該或る通信エリアと異なる他の通信エリアにおける干渉波となる場合に、該或る通信エリアに関する少なくとも一つのハンドオーバ先候補から、該移動端末への送信電波による該他の通信エリアに対する干渉量が、ハンドオーバ前の該移動端末への送信電波による該他の通信エリアに対する干渉量よりも少なくなるハンドオーバ先を決定する制御手段と、
    前記移動端末を前記ハンドオーバ先に強制的にハンドオーバさせる手段と
    を含む基地局。
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