JP5131008B2 - 鋳鋼片の表層溶融処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば鋼の連続鋳造鋳片や、圧延後の鋼片などの鋳鋼片の表層を、プラズマアークによって溶融処理する表層溶融処理装置に関する。
例えば連続鋳造後の鋳片や圧延後の鋼片等の鋳鋼片の表層を溶融して改質する処理には、プラズマ加熱装置が用いられている(特許文献1)。
プラズマ加熱装置は、例えば搬送される鋳鋼片に対向配置されたトーチを陰極、鋳鋼片を陽極とする直流プラズマのプラズマトーチを備え、当該プラズマトーチと鋳鋼片との間にプラズマアークを発生させ、そのプラズマアークの熱によって鋳鋼片を加熱して溶融し、その表層を例えば改質処理するようになっている。
鋳鋼片の表層を溶融処理する場合には、鋳鋼片の表層をプラズマアークによって均一に加熱、溶融させ、可能な限り鋳鋼片の表層を均一に溶融処理する必要がある。したがって、例えば特許文献1等に示す技術を用いて幅の広い鋳鋼片を加熱する場合、鋳鋼片の幅方向全体にプラズマアークを照射して、鋳鋼片を加熱する必要がある。このため、交流磁場の電磁力を用いてプラズマアークを鋳鋼片の幅方向(鋳鋼片の搬送方向と直角方向)に往復移動させて、鋳鋼片の上面を幅方向に渡って全面に加熱溶融することが提案されている(特許文献2)。なお本願において「鋳鋼片」とは、「鋳片」と「鋼片」を総称したものであり、「鋳片」とは鋳造後の鋼材を、「鋼片」とは鋳片を圧延した後の鋼材を各々意味している。
特開2004−195512号公報 特開昭54−142154号公報
しかしながら前記従来の技術は、鋳鋼片の表層を均一に加熱溶融するには好適であったが、幅方向の両端面部分まで溶融するには至らなかった。これは、幅方向の両端面部分をも溶融するように表層部分全域にプラズマアークを照射して加熱すると、当該端面部分の溶融した溶融部が鋳鋼片から下方に垂れ落ちてしまうためである(いわゆる「溶け落ち」現象)。
しかしながらこの幅方向の両端面部分についても溶融処理しないと、表面性状が荒れた状態のままになったり、当該部分に存在する介在物を浮遊させて除去することができなくなる。したがってこの状態のまま圧延処理を実施すると、製品表面に疵が発生するおそれがある。そこで従来は、鋳鋼片の幅方向の両端面部分の内側の表層の溶融処理を行った後、溶融処理が行われていない幅方向の両端面部分を切り捨てる必要があった。このため、鋳鋼片の歩留まりが低下していた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、鋳鋼片の表層溶融処理を行なうにあたり、前記溶け落ち現象を防止して鋳鋼片の幅方向の両端面部分まで表層溶融処理を可能とし、鋳鋼片の歩留まりを向上させることを目的としている。
前記の目的を達成するため、本発明は、搬送されていく鋳鋼片の表層を、当該鋳鋼片の上方に配置したプラズマトーチからのプラズマアークによって溶融処理する装置であって、前記搬送されていく鋳鋼片の両側に配置され、当該鋳鋼片の幅方向の端面に接触させて、前記プラズマアークによって溶融した前記端面の溶融部を保持する一対の保持部材を有することを特徴としている。
本発明の表層溶融処理装置は、前記鋳鋼片の両側に、鋳鋼片の幅方向の端面に接触可能な一対の保持部材を有しているので、鋳鋼片の表層を溶融処理した際に、保持部材を接触させることで溶融部は下方に垂れる落ちることなく、保持される。これによって、鋳鋼片の幅方向の両端面部分まで、すなわち鋳鋼片の幅方向全体にプラズマアークを照射して、当該鋳鋼片の表層を溶融処理することができる。このように幅方向の両端面部分も製品として有効に利用することができるので、鋳鋼片の歩留まりを向上させることができる。
記保持部材は、銅からなる本体部と、前記本体部に対して前記鋳鋼片側に取り付けられ、銅からなる接触部とを有していてもよい。また前記保持部材は、銅からなる本体部と、前記本体部に対して前記鋳鋼片側に取り付けられ、耐火物からなる接触部とを有していてもよい。
なお、鋳鋼片が搬送されてプラズマアークによる加熱溶融領域を過ぎると、それに伴って溶融部は、幅方向の両側から次第に加熱温度が低下して冷却され、固化していく。そこで、この冷却効果を高めるため、前記保持部材の内部に、冷却媒体を流通させる冷却流路を設けてもよい。
前記保持部材には、当該保持部材を前記鋳鋼片の搬送方向と直角方向に水平移動させる移動機構が設けられていてもよい。
前記移動機構を制御して前記一の保持部材を所定の位置に移動させ、前記鋳鋼片をセンタリングさせてもよい。かかる場合、例えば一の保持部材を所定の位置に移動させた後、他の保持部材を移動させて一対の保持部材で鋳鋼片を保持することによって、鋳鋼片がセンタリングされる。
前記保持部材には、前記溶融処理中の鋳鋼片を接地する接触端子が設けられていてもよい。
前記保持部材において、前記鋳鋼片の幅方向の端面との接触面における前記鋳鋼片の搬送方向に沿った方向の両端部は、当該端面側に凸に湾曲した湾曲部を有していてもよい。
本発明によれば、鋳鋼片の表層溶融処理を行なうにあたり、当該鋳鋼片の幅方向の両端面部分まで表層溶融処理できるので、鋳鋼片の歩留まりを向上させることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる表層溶融処理装置1の構成の概略を正面からみた模式図であり、図2は表層溶融処理装置1の構成の概略を上方からからみた模式図であり、図3は表層溶融処理装置1の構成の概略を側方からみた模式図である。なお、本実施の形態においては、鋳鋼片として連続鋳造される鋳片Hを用いる。
表層溶融処理装置1は、水平方向に搬送される鋳片Hの搬送ライン(図示せず)上に設けられている。表層溶融処理装置1は、例えば搬送方向Aに搬送される鋳片Hの上方に配置された、1本または複数本のプラズマトーチ10を有している。本実施の形態では、図示の都合上、4本のプラズマトーチ10を描図している。プラズマトーチ10は、複数本の場合には鋳片Hの幅方向B(搬送方向Aと直角方向)に沿って並列に配置されるが、プラズマトーチ10自体の本数は任意である。
プラズマトーチ10は、直流電源11に接続されており、この直流電源11からの直流電流による電圧の印加によって、鋳片Hとの間に直流プラズマによるプラズマアークPを形成することができる。プラズマアークPには、鋳片H側からプラズマトーチ10側に電流Iが流れている。プラズマアークPを生成するためのプラズマガスとしては、非酸化性ガス、例えばアルゴンガスや、水素とアルゴンガスの混合ガスが好ましい。なお、直流電源11からの直流電流の供給は、例えば汎用コンピュータの制御部100によって制御される。
プラズマトーチ10の下方であって、かつ鋳片Hの搬送方向Aの前後、すなわちプラズマトーチ10によって形成されるプラズマアークPの搬送方向Aの前後には、プラズマアークPに対して交流磁場を発生させるための電磁コイル12、13が、対向して平行に設けられている。電磁コイル12、13は、例えばループ状で、鋳片Hの幅方向Bに延伸している。これらの電磁コイル12、13は、交流電源(図示せず)からの交流電流の供給によって、プラズマアークPに対して周期的にローレンツ力を作用させて、プラズマアークPを、供給される交流の周波数に応じて鋳片Hの幅方向Bに往復移動させる。これによって、プラズマアークPは、鋳片Hの上面に対して幅方向Bの全体に渡って照射可能になっている。
プラズマトーチ10よりも搬送方向後方側には、搬送方向Aからみて、各プラズマトーチ10間の位置に、鋳片Hの上面に対して、金属や合金等のアロイング素材14を添加するためのアロイング素材供給部15が配置されている。また鋳片Hの上面における幅方向Bの端面近傍に対しても、アロイング素材14を添加するためのアロイング素材供給部15が配置されている。これらアロイング素材供給部15に対しては、アロイング素材ホッパー(図示せず)から、アロイング素材となる所定量のアロイング素材14が供給される。なお、アロイング素材としては、例えばニッケル、フェロニッケルなどが用いられる。
鋳片Hにおけるプラズマトーチ10からのプラズマアークPが照射される位置の幅方向Bの両側、すなわち前記搬送されていく鋳片Hの両側には、一対の保持部材20、21が対向配置されている。保持部材20、21には、それぞれシャフト22、23を介して、例えばシリンダなどの移動機構24、25が設けられている。これら移動機構24、25によって、保持部材20、21は、それぞれ鋳片Hの幅方向Bに水平移動し、鋳片Hの幅方向Bの端面に接触可能となっている。なお、これら移動機構24、25の動作は、制御部100によって制御される。制御部100では、一の移動機構24を制御して一の保持部材20を所定の位置に移動させた後、他の移動機構25を制御して他の保持部材21を移動させ、一対の保持部材20、21で鋳片Hを保持することによって、鋳片Hをセンタリングすることができる。
次に例えば搬送方向Aに向かって右側に配置されている保持部材20について詳しく説明する。保持部材20は、図4に示すように、本体部30と鋳片Hの幅方向Bの側面に接触する接触部31とを有し、本体部30に対して接触部31が取り付けられている。本体部30には、例えば熱伝導率のよい銅が用いられ、接触部31には、例えばBN系(セラミック系)耐火物が用いられる。また接触部31には、その他のセラミック系材料、例えばアルミナ、ジルコニア、窒化ホウ酸、窒化アルミ等を用いてもよい。
本体部30は略直方体形状であり、本体部30の上面は鋳片Hの上面よりも高く配置されている。また搬送方向Aの本体部30の長さLは、図5に示すように、溶融処理の際に鋳鋼片Hの表層が溶融した溶融部Mを保持するのに十分な長さ、すなわち鋳片Hの幅方向Bの端部の溶融部Mが固化するのに十分な長さに設定されている。
接触部31は平板状であり、図4に示すように、本体部30の鋳片H側の側面の上部に固定されている。接触部31の上面は、鋳片Hの上面よりも高く配置されている。また接触部31の上下方向の長さDは、溶融処理の際の溶融部Mを保持するのに十分な長さに設定され、すなわち接触部31の下面が溶融部Mの下面よりも低くなるように設定されている。搬送方向Aの接触部31の長さは、図5に示すように、上述した本体部30と同じ長さLに設定されている。このような構成により、接触部31が溶融処理中の鋳片Hの幅方向Bの側面に接触した際に、溶融部Mが下方に垂れないように保持することができる。
本体部30の内部には、例えば冷却媒体としての冷却水が流通する冷却流路32が設けられている。冷却流路32は、本体部30の外部に設けられた冷却水供給源33に連通している。また、冷却流路32には、冷却水の流れを制御するバルブや流量調整部等を含む供給機器群34が設けられている。そして冷却水は、冷却流路32、冷却水供給源33、供給機器群34内を循環する。例えば冷却水供給源33内の冷却水は、供給機器群34によって本体部30内の冷却流路32に供給されて流通した後、冷却水供給源33に流入する。
接触部31の下方であって、本体部30の鋳片H側の側面には、鋳片Hの幅方向Bの側面に接触する接触端子としてのアース端子35が設けられている。アース端子35は、本体部30内を通る導線36を介して直流電源11に接続されている。そしてアース端子35は、溶融処理中の鋳片Hの幅方向Bの側面に接触した際、当該鋳片Hを直流電源11に接地することができる。なおアース端子35及び導線36は、本体部30と絶縁されている。アース端子35は、鋳片Hの搬送方向Aに回転可能な回転ローラ構成としてもよい。
なお、保持部材21の構成については、上述した保持部材20と同様であるので説明を省略する。
本実施の形態にかかる表層溶融処理装置1は、以上の構成を有しており、次にその表層溶融処理装置1で行われる鋳片Hの溶融処理について説明する。
先ず鋳片Hを搬送し、その先端部分がプラズマトーチ10の下方(保持部材20、21の位置)まで搬送されたときに鋳片Hの搬送を停止する。その後図6(a)に示すように、制御部100によって一の移動機構24を制御して、一の保持部材20を所定の位置に移動させる。この所定の位置とは、鋳片Hが保持部材20と接触した際に、鋳片Hがセンタリングされる位置である。次に図6(b)に示すように、他の移動機構25を制御して他の保持部材21を鋳片H側に移動させて、鋳片Hが保持部材20に接触するまで移動させる。したがって、このとき鋳片Hの幅方向Bの両側面には保持部材20、21がそれぞれ接触し、鋳片Hは保持部材20、21に保持されている。こうして鋳片Hがセンタリングされる。
鋳片Hがセンタリングされると、直流電源11によってプラズマトーチ10に電圧を印加し、プラズマトーチ10内に直流プラズマを発生させる。そうすると図6(c)に示すように、プラズマトーチ10と鋳片Hとの間に直流プラズマによるプラズマアークPが形成される。このとき、電磁コイル12、13を作動させることで、図6(c)の往復矢印で示したように、プラズマアークPは交流磁場による電磁力を受けて、鋳片Hの幅方向Bに往復移動する。そしてこのプラズマアークPの形成と同時に、図3に示したように、アロイング素材供給部15から所定の金属や合金等のアロイング素材14を鋳片Hに対して連続的に供給しつつ、鋳片Hを搬送する。
そうすると鋳片Hの表層は、プラズマアークPの熱によってアロイング素材14と共に溶融し、鋳片Hの表層上に溶融部Mが形成される。この溶融部Mは、プラズマアークPの往復移動によって鋳片Hの幅方向Bの全体に渡って形成されるが、溶融部Mは保持部材20、21に保持されるので、鋳片Hから垂れ落ちることがない。
また、かかるプラズマアークPによる鋳片Hの表層の溶融処理の際に、冷却水供給源33から保持部材20、21内に冷却水を流通させる。そうすると図2に示すように、冷却水によって、溶融部Mの幅方向Bの両端部が冷却され固化する。その後、鋳片Hの搬送中に、溶融部Mの内側部分も自然冷却されて固化し、鋳片Hの表層を改質する一連の溶融処理が終了する。
以上の実施の形態によれば、溶融処理中の鋳片Hの幅方向Bの両側面に保持部材20、21を接触させているので、鋳片Hの表層を幅方向B全体に渡って溶融処理しても、溶融部Mは下方に垂れ落ちることなく、保持部材20、21によって保持される。このように鋳片Hの幅方向Bの両端面部分まで表層溶融処理を行うことができるので、当該幅方向Bの両端面部分を製品として有効に利用することができ、鋳片Hの歩留まりを向上させることができる。
また、鋳片Hの表層溶融処理中、保持部材20、21を流通する冷却水によって溶融部Mを冷却することができるので、溶融部Mを短時間で固化させることができ、鋳片Hの表層溶融処理を短時間で行うことができる。このように溶融部Mが短時間で固化すると、保持部材20、21の搬送方向Aの長さLを短くすることができ、表層溶融処理装置1を小型化することができる。
また、保持部材20、21は移動機構24、25によって鋳片Hの幅方向に移動できるので、鋳片Hの幅に応じて適切に鋳片Hの側面に接触することができる。さらに制御部100は、移動機構24、25を制御して保持部材20、21を移動させることにより、鋳片Hをセンタリングすることができるので、溶融処理中、鋳片Hの幅方向Bの全体にプラズマアークPを確実に形成することができる。
ところで、従来溶融処理中の鋳片Hの接地は、例えば鋳片Hの下面に接触するように別途専用の接触部材が用いられていた。この点、本実施の形態の保持部材20、21には、アース端子35が設けられているので、従来のように別途接触部材を設ける必要がない。また、アース端子35は移動機構24、25によって鋳片Hの幅方向Bに移動できるので、鋳片Hの幅に応じて、当該鋳片Hを適切に接地することができる。
また、保持部材20、21の本体部30には熱伝導率のよい銅が用いられているので、本体部30を流通する冷却水によって溶融部Mを効率よく冷却することができる。
さらに、保持部材20、21の接触部31には耐火物が用いられているので、接触部31が鋳片Hとの接触によって磨耗しても容易にメンテナンスを行うことができる。またかかる耐火物は安価であり、保持部材20、21の製造を低廉化することができる。さらにアロイング素材14を添加して溶融処理を行う場合、アロイング素材14を溶融部Mに均一に拡散させるため、すなわちアロイング素材14が拡散する前に溶融部Mが固化するのを防止するため、溶融部Mを急冷しないほうが好ましく、この様な場合には接触部31に用いられる耐火物は溶融部Mの冷却速度を緩和する効果もある。なお、この溶融部Mの冷却速度の調節は、上述した冷却水供給源33や供給機器群34を制御して、保持部材20、21内を流通する冷却水の温度や流量を調節することによって行うこともできる。
以上の実施の形態では、保持部材20、21の本体部30と接触部31には、それぞれ銅と耐火物を用いていたが、本体部30と接触部31には共に銅を用いてもよく、あるいは共に耐火物を用いてもよい。例えば金属や合金等のアロイング素材14を添加せずに鋳片Hの表層を溶融処理する場合には、溶融部Mを急冷することができるので、本体部30と接触部31に銅を用いることができる。
以上の実施の形態では、保持部材20、21の平面形状は長方形であったが、図7に示すように、鋳片Hとの接触面における搬送方向Aに沿った方向の両端部が、鋳片Hの幅方向Bの側面側に凸に湾曲した(凸状に湾曲するが鋳片H側に突出していない)湾曲部40、40を有していてもよい。かかる場合、鋳片Hが保持部材20、21の長手方向に対して斜めに搬送されても、保持部材20、21が受ける衝撃を緩和することができる。
以下、鋳片の表層を溶融処理する実施例において、表面溶融処理後の鋳片の品質について説明する。なお、鋳片の表層を溶融処理する装置としては、先に図1〜図5に示した表面溶融処理装置1を用い、保持部材20、21の本体部30と接触部31には銅を用いた。
本実施例においては、連続鋳造を完了した0.2%C鋼(単位は質量%)の厚さ250mm、幅を1200mmの鋳片Hを切断後に、前記した実施の形態で説明したプラズマ加熱溶融により溶融処理する方法を用いて、アロイング素材14としてニッケルを添加して連続鋳造鋳片Hの表層5mmを10mm/sの速度で溶融処理した。このとき、各プラズマトーチ10の間隔は100mmとし、12本のトーチを使用した。また鋳片Hの両側に配置された保持部材20、21の接触部31の上面の位置は、鋳片Hの上面から10mm上方であり、接触部31の下面の位置は、鋳片Hの上面から10mm下方である。すなわち、接触部31の上下方向の長さDは20mmである。
かかる溶融処理を行った結果、鋳片Hの幅方向Bの全体に溶融深さが5mm±0.5mmの均一な溶融状態が得られ、鋳片Hの幅方向Bの端部の溶け落ち現象も起こらなかった。またカントバック分析でニッケル濃度が1質量%を目標として添加した、アロイング素材14としてのニッケルの濃度も1±0.2%と良好であった。
なお前記実施例において、保持部材20、21の接触部31にBN系耐火物を用いて、鋳片Hの表層溶融処理を行った場合でも、上述と同様に鋳片Hの幅方向Bの端部の溶け落ち現象が起こらず、アロイング素材14の濃度も良好であった。
また前記実施例において、鋳片Hの幅を800mmとし、プラズマトーチ10の本数を8本に減少させても、上述と鋳片Hの幅方向Bの端部の溶け落ち現象が起こらず、アロイング素材14の濃度も良好であった。さらに鋳片Hの幅を変更しても、鋳片Hのセンタリングが適切に行われたことも確認できた。
本発明は、例えば鋼の連続鋳造鋳片や、圧延後の鋼片などの鋳鋼片の表層を、プラズマアークによって溶融処理する際に有用である。
本実施の形態にかかる表層溶融処理装置1の構成の概略を正面からみた模式的に示した説明図である。 本実施の形態にかかる表層溶融処理装置1の構成の概略を上方からみた模式的に示した説明図である。 本実施の形態にかかる表層溶融処理装置1の構成の概略を側方からみた模式的に示した説明図である。 保持部材の縦断面図である。 保持部材の平面図である。 鋳片の表層溶融処理の工程を示した説明図であり、(a)は一の保持部材を所定の位置に移動させた状態を示し、(b)は鋳片をセンタリングさせた状態を示し、(c)は鋳片の表層を溶融処理している状態を示している。 他の実施の形態にかかる保持部材の平面図である。
符号の説明
1 表層溶融処理装置
10 プラズマトーチ
11 直流電源
12、13 電磁コイル
14 アロイング素材
15 アロイング素材供給部
20、21 保持部材
22、23 シャフト
24、25 移動機構
30 本体部
31 接触部
32 冷却流路
33 冷却水供給源
34 供給機器群
35 アース
36 導線
40 湾曲部
100 制御部
H 鋳片
A 搬送方向
B 幅方向
D 接触部の上下方向の長さ
L 本体部の搬送方向の長さ
M 溶融部
P プラズマアーク

Claims (8)

  1. 搬送されていく鋳鋼片の表層を、当該鋳鋼片の上方に配置したプラズマトーチからのプラズマアークによって溶融処理する装置であって、
    前記搬送されていく鋳鋼片の両側に配置され、当該鋳鋼片の幅方向の端面に接触させて、前記プラズマアークによって溶融した前記端面の溶融部を保持する一対の保持部材を有することを特徴とする、鋳鋼片の表層溶融処理装置。
  2. 前記保持部材は、銅からなる本体部と、前記本体部に対して前記鋳鋼片側に取り付けられ、銅からなる接触部とを有することを特徴とする、請求項1に記載の表層溶融処理装置。
  3. 前記保持部材は、銅からなる本体部と、前記本体部に対して前記鋳鋼片側に取り付けられ、耐火物からなる接触部とを有することを特徴とする請求項1に記載の表層溶融処理装置。
  4. 前記保持部材の内部には、冷却媒体を流通させる冷却流路が設けられていることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の鋳鋼片の表層溶融処理装置。
  5. 前記保持部材には、当該保持部材を前記鋳鋼片の搬送方向と直角方向に水平移動させる移動機構が設けられていることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の鋳鋼片の表層溶融処理装置。
  6. 前記移動機構を制御して前記一の保持部材を所定の位置に移動させ、前記鋳鋼片をセンタリングさせる制御部を有することを特徴とする、請求項に記載の鋳鋼片の表層溶融処理装置。
  7. 前記保持部材には、前記溶融処理中の鋳鋼片を接地する接触端子が設けられていることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の鋳鋼片の表層溶融処理装置。
  8. 前記保持部材において、前記鋳鋼片の幅方向の端面との接触面における前記鋳鋼片の搬送方向に沿った方向の両端部は、当該端面側に凸に湾曲した湾曲部を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の鋳鋼片の表層溶融処理装置。
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