JP5125886B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、陰極隔壁を有する有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関するものである。
従来、有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンスをELと略すことがある。)素子の製造方法として、陽極上に逆テーパー(逆台形)形状を有する絶縁性の隔壁を設け、その上から有機層および陰極を順に蒸着法により成膜することにより、陰極を分断する方法が知られている。
しかしながら、隔壁が一部欠損する場合や、隔壁の周囲にゴミやパーティクル(微粒子)等が付着している場合には、陰極を蒸着法により成膜すると、隔壁を隔てて隣り合う陰極が隔壁を乗り越えてつながってしまい、電気的に絶縁したい陰極間でショートするという問題がある。
そこで、電気的に絶縁したい陰極間に複数の隔壁を並べて設けることにより、陰極を確実に分断する方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
特開平10−321372号公報 特開2000−235894号公報
上記の陰極を分断するために隔壁を設ける方法において、有機層を蒸着法ではなく塗布法で成膜する場合、隔壁の側面にもインクが付着し、隔壁の周辺では有機層の厚みが厚くなることがある。このような場合、隔壁の周辺で有機層の厚みが厚いことにより、陰極を分断できなくなるおそれがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、有機層を塗布法で成膜する場合に、隔壁によって陰極を確実に分断することが可能な有機EL素子およびその製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層が形成された基板上に形成され、第2電極層を複数に分断する分断領域を画定する複数の絶縁性の隔壁とを有し、上記隔壁の各々が、所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されている有機EL素子用基板上に、発光層を含む有機EL層を構成する有機層のうち少なくとも1層の有機層を、印刷法、吐出法または転写法により形成する有機層形成工程を有し、上記隔壁を構成する複数の上記小隔壁のうち発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側の端部での上記有機層の高さをt1、上記発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側とは反対側の端部での上記有機層の高さをt2としたとき、t1>t2となるように上記小隔壁の間隔が調整されていることを特徴とする有機EL素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、隔壁の各々が所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成され、この小隔壁間の間隔がt1>t2となるように調整されており、有機層を印刷法、吐出法または転写法により形成するので、有機層形成用塗工液が小隔壁の発光領域側の側面に付着して隔壁の周辺で有機層の厚みが厚くなる場合であっても、小隔壁間に有機層形成用塗工液が入り込むのを抑制することが可能である。よって、第2電極層を確実に分断し、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを防止することが可能である。
さらに、本発明においては、上記有機層形成工程後に、上記有機EL層上に、金属材料を成膜して第2電極層を形成する第2電極層形成工程を有することが好ましい。第2電極層の材料としては抵抗が低いものであればよく、金属材料が最も適しているからである。
この際、上記金属材料の成膜方法が真空蒸着法であってもよい。真空蒸着法は、ドライプロセスで有機EL層へのダメージが少ない方法であり、積層に適しているからである。
また、上記金属材料として金属ペーストを用いてもよい。ウェットプロセスはドライプロセスよりも大面積の対応に適しているからである。ウェットプロセスであっても、有機EL層に影響を与えない溶媒が配合された金属ペーストは使用可能である。
また、本発明は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層が形成された基板上に形成され、第2電極層を複数に分断する分断領域を画定する複数の絶縁性の隔壁と、上記隔壁間の上記第1電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成され、上記隔壁により分断されている第2電極層とを有し、上記隔壁の各々が、所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されており、上記隔壁を構成する複数の上記小隔壁のうち発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側の端部での上記第2電極層の高さをt3、上記発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側とは反対側の端部での上記第2電極層の高さをt4としたとき、t3>t4であり、上記隔壁を挟んで隣接する上記第2電極層が互いに電気的に絶縁されていることを特徴とする有機EL素子を提供する。
本発明によれば、隔壁の各々が所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されており、t3>t4であるので、塗工液が小隔壁の発光領域側の側面に付着して隔壁の周辺で有機層の厚みが厚くなった場合であっても、小隔壁間に位置する有機層の厚みを薄くすることができ、小隔壁間に位置する第2電極層の高さを低くすることができる。よって、第2電極層を確実に分断し、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを防止することが可能である。
上記発明においては、上記第1電極層と上記隔壁との間に絶縁層が形成されていることが好ましい。第1電極層と第2電極層とが接触してショートするのを防ぐことができるからである。
さらに、本発明においては、上記有機EL層を構成する有機層のうち少なくとも1層の有機層が、メニスカス状の断面形状を有していてもよい。有機EL層を構成する有機層がメニスカス状の断面形状を有する場合には、隔壁の周辺で有機層の厚みが厚くなるが、本発明の構成とすることにより、第2電極層を確実に分断することができる。
本発明においては、隔壁の各々が所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されているので、小隔壁間に有機層形成用塗工液が入り込むのを抑制して、第2電極層を確実に分断し、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを防止することができるという効果を奏する。
以下、本発明の有機EL素子およびその製造方法について詳細に説明する。
A.有機EL素子の製造方法
まず、本発明の有機EL素子の製造方法について説明する。
本発明の有機EL素子の製造方法は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層が形成された基板上に形成され、第2電極層を複数に分断する分断領域を画定する複数の絶縁性の隔壁とを有し、上記隔壁の各々が、所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されている有機EL素子用基板上に、発光層を含む有機EL層を構成する有機層のうち少なくとも1層の有機層を、印刷法、吐出法または転写法により形成する有機層形成工程を有し、上記隔壁を構成する複数の上記小隔壁のうち発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側の端部での上記有機層の高さをt1、上記発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側とは反対側の端部での上記有機層の高さをt2としたとき、t1>t2となるように上記小隔壁間の間隔が調整されていることを特徴とするものである。
本発明の有機EL素子の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の有機EL素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、基板2と、基板2上に形成された第1電極層3と、第1電極層3上に形成された絶縁層4と、絶縁層4上に形成され、第2電極層を複数に分断する分断領域10を画定する複数の絶縁性の隔壁5とを有する有機EL素子用基板1を準備する(図1(a)、有機EL素子用基板調製工程)。この有機EL素子用基板1において、隔壁5の各々は、所定間隔dをおいて平行に設けられた複数の小隔壁5a,5bから構成されている。小隔壁5a,5b間の間隔dは、後述の有機層形成工程にて形成される有機層について、小隔壁5aの発光領域11側の端部での有機層6の高さをt1、小隔壁の発光領域11側とは反対側の端部での有機層6の高さをt2としたとき、t1>t2となるように調整されている。また、図1(a)に示す例においては、図2に例示するように、第1電極層3のストライプパターンに、隔壁5(小隔壁5a,5b)のストライプパターンが直交するように、隔壁5(小隔壁5a,5b)が形成されている。なお、図1(a)は図2のA−A線断面図である。
次に、有機EL素子用基板1上の全面に、印刷法、吐出法または転写法、例えばグラビア印刷法により有機層形成用塗工液を塗布し、有機層6を形成する(図1(b)、有機層形成工程)。図1(b)に示す例においては、有機層6として発光層を形成している。有機層6は、t1>t2となるように形成される。図1(b)に示す例においては、小隔壁5a,5bの発光領域11側の側面にも有機層形成用塗工液が付着し、隔壁5の周辺で有機層6の厚みが厚くなっている。一方、小隔壁5a,5b間の間隔dは比較的狭いため、小隔壁5a,5b間に有機層形成用塗工液が入り込み難くなる。そのため、t1>t2となるのである。なお、図1(b)においては、t2=0となっている。
印刷法、吐出法または転写法の場合に、小隔壁間の間隔が比較的狭いと、小隔壁間に有機層形成用塗工液が入り込み難くなる理由は明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、印刷法では、小隔壁間の間隔が比較的狭いので、版やブランケットが小隔壁間の第1電極層表面に接触できなくなり、小隔壁間に有機層形成用塗工液が入り込み難くなるものと思料される。転写法では、印刷法と同様に、小隔壁間の間隔が比較的狭いので、転写シートが小隔壁間の第1電極層表面に接触できなくなり、小隔壁間に有機層形成用塗工液が入り込み難くなるものと思料される。また、吐出法では、有機層形成用塗工液を小隔壁間の第1電極層上に吐出しないことにより、小隔壁間に有機層形成用塗工液を入り込み難くすることができる。
次いで、有機層6上に、例えば金属材料を真空蒸着法により成膜し、第2電極層7を形成する(図1(c)、第2電極層形成工程)。金属材料は小隔壁5a,5b間にも堆積されるので、小隔壁5a,5b間にも第2電極層7が形成される。この第2電極層7は、隔壁5(小隔壁5a,5b)により分断される。
本発明によれば、隔壁の各々が所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成され、この小隔壁間の間隔がt1>t2となるように調整されており、有機層を印刷法、吐出法または転写法により形成するので、有機層形成用塗工液が小隔壁の発光領域側の側面に付着して隔壁の周辺で有機層の厚みが厚くなる場合であっても、小隔壁間に有機層形成用塗工液が入り込むのを抑制することが可能である。よって、第2電極層を確実に分断し、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを防止することが可能である。
なお、「分断領域」とは、第2電極層を複数に分断する領域であって、発光に寄与しない領域をいう。この分断領域は、隔壁が設けられている領域であり、隔壁により画定される。
「発光領域」とは、発光に寄与する領域をいう。
「隔壁を構成する複数の小隔壁のうち発光領域側に設けられた小隔壁」とは、隔壁を構成する複数の小隔壁のうち、隔壁の両端に位置する2個の小隔壁をいう。図2に例示するように、隔壁5が2個の小隔壁5a,5bから構成されている場合、2個の小隔壁5a,5bのいずれもが隔壁5の両端に位置する小隔壁となる。一方、図3に例示するように、隔壁5が3個の小隔壁5a,5b,5cから構成されている場合、3個の小隔壁5a,5b,5cのうち、隔壁5の両端に位置する2個の小隔壁は、小隔壁5a,5cである。
「発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部」とは、発光領域側に設けられた小隔壁の端部のうち、発光領域側に位置する端部をいう。
一方、「発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部」とは、発光領域側に設けられた小隔壁の端部のうち、発光領域側とは反対側に位置する端部をいう。
「発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部での有機層の高さt1」とは、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部における、小隔壁の下地層表面から有機層表面までの高さをいう。図1(b)に例示するように、小隔壁5a、5bが絶縁層4の直上に形成されている場合には、小隔壁5a、5bの下地層は絶縁層4であり、上記有機層の高さt1は、小隔壁5aの発光領域11側の端部における絶縁層4表面から有機層6表面までの高さとなる。また、図4(b)に例示するように、小隔壁5a、5bが第1電極層3の直上に形成されている場合には、小隔壁5a、5bの下地層は第1電極層3であり、上記有機層の高さt1は、小隔壁5aの発光領域11側の端部における第1電極層3表面から有機層6表面までの高さとなる。すなわち、上記有機層の高さt1は、小隔壁の発光領域側の端部における有機層のみの高さ(厚み)をいう。
なお、図4(a)〜(c)は、本発明の有機EL素子の製造方法の他の例を示す工程図である。
一方、「発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での有機層の高さt2」とは、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部における、小隔壁の下地層表面から有機層表面までの高さをいう。図1(b)に例示するように、小隔壁5a、5bが絶縁層4の直上に形成されている場合には、小隔壁5a、5bの下地層は絶縁層4であり、上記有機層の高さt2は、小隔壁5aの発光領域11側とは反対側の端部における絶縁層4表面から有機層6表面までの高さとなる。また、図4(b)に例示するように、小隔壁5a、5bが第1電極層3の直上に形成されている場合には、小隔壁5a、5bの下地層は第1電極層3であり、上記有機層の高さt2は、小隔壁5aの発光領域11側とは反対側の端部における第1電極層3表面から有機層6表面までの高さとなる。すなわち、上記有機層の高さt2は、小隔壁の発光領域側とは反対側の端部における有機層のみの高さ(厚み)をいう。
なお、上記有機層の高さt1,t2は、Zygo社製の走査型白色干渉法またはキーエンス社製のレーザ顕微鏡により測定することができる。
「小隔壁間の間隔」とは、隔壁を構成する複数の小隔壁のうち、隣接する小隔壁の向かい合う端部から端部までの距離をいう。
なお、小隔壁間の間隔は、光学顕微鏡、レーザ顕微鏡、走査型白色干渉法により測定することができる。
本発明の有機EL素子の製造方法は、上記有機層形成工程を有するものであればよいが、有機層形成工程前に、上記有機EL素子用基板を調製する有機EL素子用基板調製工程や、有機層形成工程を有し、有機EL層を形成する有機EL層形成工程や、有機EL層形成工程後に、有機EL層上に第2電極層を形成する第2電極層形成工程等を有することができる。
以下、本発明の有機EL素子の製造方法における各工程について説明する。
1.有機EL素子用基板調製工程
本発明における有機EL素子用基板調製工程は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層が形成された基板上に形成され、第2電極層を複数に分断する分断領域を画定する複数の絶縁性の隔壁とを有し、上記隔壁の各々が、所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されている有機EL素子用基板を調製する工程である。本工程においては、後述の有機層形成工程にて形成される有機層について、上記隔壁を構成する複数の上記小隔壁のうち発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側の端部での上記有機層の高さをt1、上記発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側とは反対側の端部での上記有機層の高さをt2としたとき、t1>t2となるように上記小隔壁間の間隔が調整される。
以下、有機EL素子用基板における各構成について説明する。
(1)隔壁
本発明における隔壁は、第1電極層が形成された基板上に複数形成され、第2電極層を複数に分断する分断領域を画定するものである。隔壁の各々は、所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されている。この小隔壁間の間隔は、後述の有機層形成工程にて形成される有機層について、隔壁を構成する複数の小隔壁のうち発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部での有機層の高さをt1、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での有機層の高さをt2としたとき、t1>t2となるように調整される。
小隔壁間の間隔は、t1>t2となるように調整されていればよく、有機層を形成する際の塗布方法に応じて適宜調整されるものであるが、具体的には、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは60μm〜1μmの範囲内、さらに好ましくは30μm〜1μmの範囲内である。小隔壁間の間隔が広すぎると、有機層形成用塗工液が小隔壁間に入り込みやすくなり、第2電極層を分断することが困難となるおそれがあるからである。一方、小隔壁間の間隔が狭すぎるものは形成が困難であったり、また小隔壁間の間隔が狭すぎると有機層が小隔壁間で連なって成膜されるおそれがあったりするからである。
なお、小隔壁間の間隔の測定方法については、上述したとおりである。
隔壁を構成する小隔壁の数が3個以上である場合、通常、小隔壁間の間隔は等間隔とされる。
隔壁を構成する小隔壁の数としては、複数であればよく、例えば、2個、3個等とすることができる。隔壁を構成する小隔壁の数が多すぎると、発光領域が相対的に狭くなることから、隔壁を構成する小隔壁の数は2個であることが好ましい。
小隔壁が所定の高さを有していれば、第2電極層を複数に分断することができるため、小隔壁の断面形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、矩形状、台形状(順テーパー形状)、逆テーパー形状等が挙げられる。好ましくは、逆テーパー形状等のオーバーハング形状である。
逆テーパー形状の場合、基板表面に対するテーパー角度θは、0°<θ<90°であればよいが、好ましくは20°<θ<80°、より好ましくは30°<θ<70°である。なお、逆テーパー形状の場合、テーパー角度θとは、図4(a)に例示するような基板2表面に対するテーパー角度θをいう。
ここで、小隔壁の端部とは、小隔壁の最も外側の端部をいう。例えば、小隔壁の断面形状が逆テーパー形状である場合、小隔壁の端部は、図1(b)および図4(b)に例示するように上底面の端部となる。また例えば、小隔壁の断面形状が順テーパー形状である場合、小隔壁の端部は、図5に例示するように下底面の端部となる。
すなわち、例えば、小隔壁の断面形状が逆テーパー形状である場合、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部での有機層の高さt1は、図1(b)および図4(b)に例示するように、小隔壁5aの発光領域11側の上底面の端部における有機層の高さt1になる。また、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での有機層の高さt2は、図1(b)および図4(b)に例示するように、小隔壁5aの発光領域11側とは反対側の上底面の端部における有機層の高さt2になる。
また例えば、小隔壁の断面形状が順テーパー形状である場合、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部での有機層の高さt1は、図5に例示するように、小隔壁5aの発光領域11側の下底面の端部における有機層の高さt1になる。また、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での有機層の高さt2は、図5に例示するように、小隔壁5aの発光領域11側とは反対側の下底面の端部における有機層の高さt2になる。
小隔壁の高さとしては、通常、基板表面から小隔壁表面までの高さが、発光領域の中心部における基板表面から第2電極層表面までの高さよりも高くなるように設定される。
隔壁の形成位置としては、有機EL素子の駆動方式や表示方式等により適宜選択される。例えば、パッシブ型の有機EL素子の場合、通常、第1電極層がストライプパターンに形成されることから、この第1電極層のストライプパターンに直交するように、隔壁を構成する小隔壁もストライプパターンに形成される。また例えば、エリアカラーの有機EL素子の場合であって、かつ、第1電極層が、取り出し電極等が形成されている領域を除いて基板上にほぼ全面に形成されており、隔壁によって発光領域を所望のパターンに区画する場合、隔壁を構成する小隔壁は、所望のパターン、例えば、絵柄、文字のパターンに形成される。
隔壁を構成する複数の小隔壁は、所定間隔をおいて平行に設けられていればよく、小隔壁の形状は、直線状、曲線状等とすることができる。
隔壁により画定される分断領域の幅は、特に限定されるものではないが、300μm以下であることが好ましい。分断領域の幅が上記範囲であれば、分断領域に有機層形成用塗工液が入り込むのを抑制する効果を十分に確保することができるからである。また、分断領域の幅が広すぎると、発光領域が相対的に狭くなるからである。
隔壁の形成材料としては、例えば、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂、ノボラック系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等を挙げることができる。
この場合、隔壁の形成方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
(2)第1電極層
本発明に用いられる第1電極層は、陽極であっても陰極であってもよいが、通常は陽極として形成される。
第1電極層は透明性を有していても有していなくてもよい。第1電極層の透明性は、光の取出し面等によって適宜選択される。例えば第1電極層側から光を取り出す場合は、第1電極層は透明または半透明である必要がある。
陽極としては、正孔が注入し易いように仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましく、具体的には、ITO、酸化インジウム、金のような仕事関数の大きい金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子等を挙げることができる。
第1電極層は抵抗が小さいことが好ましく、一般には金属材料が用いられるが、有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
第1電極層は、基板上にパターン状に形成されていてもよく、取り出し電極等が形成されている領域を除いて基板上にほぼ全面に形成されていてもよい。通常、第1電極層は基板上にパターン状に形成される。第1電極層が、取り出し電極等が形成されている領域を除いて基板上にほぼ全面に形成されている場合には、隔壁によって発光領域を所望のパターンに区画することができる。
第1電極層の成膜方法としては、一般的な電極の成膜方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法などを挙げることができる。また、第1電極層のパターニング方法としては、所望のパターンに精度よく形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、具体的にはフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
(3)基板
本発明に用いられる基板は、上述の隔壁、第1電極層などを支持するものであり、所定の強度を有するものであれば特に限定されない。本発明においては、第1電極層が所定の強度を有する場合には、第1電極層が基板を兼ねるものであってもよいが、通常は所定の強度を有する基板上に第1電極層が形成される。
基板としては、上記の隔壁や第1電極層等が形成可能であれば特に限定されるものではないが、例えば光の取出し面により光透過性が必要か否かが適宜決定される。一般的には、基板側を光の取出し面とすることが好ましいことから、基板は透明な材料で形成されることが好ましい。
このような基板の形成材料としては、例えばソーダ石灰ガラス、アルカリガラス、鉛アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカガラス等のガラス板、またはフィルム状に成形が可能な樹脂基板等を用いることができる。この樹脂基板に用いる樹脂としては、耐溶媒性および耐熱性の比較的高い高分子材料であることが好ましい。具体的には、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリミクロイキシレンジメチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、非晶質ポリオレフィン等が挙げられる。また、上記の他にも所定の条件を満たす高分子材料であれば使用可能であり、2種類以上の共重合体を用いることもできる。さらに必要に応じて水分、酸素等のガスを遮断するガスバリア性を有する基板を用いてもよい。
(4)絶縁層
本発明においては、第1電極層と隔壁との間に絶縁層が形成されていることが好ましい。第1電極層と第2電極層とが接触してショートするのを防ぐことができるからである。この絶縁層は、第1電極層の端部を覆うように形成されていることが好ましい。第1電極層の端部では有機EL層の厚みが薄くなるため、絶縁層を形成することでショートし難くすることができる。また隣り合う発光領域が電気的に接続されるのを防ぐことができるからである。絶縁層が形成された部分は、発光に寄与しない領域とすることができる。
絶縁層の形成材料としては、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等を挙げることができる。
絶縁層の形成方法としては、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
2.有機層形成工程
本発明における有機層形成工程は、上記有機EL素子用基板上に、発光層を含む有機EL層を構成する有機層のうち少なくとも1層の有機層を、印刷法、吐出法または転写法により形成する工程である。本工程においては、上記隔壁を構成する複数の上記小隔壁のうち発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側の端部での上記有機層の高さをt1、上記発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側とは反対側の端部での上記有機層の高さをt2としたとき、t1>t2となるように上記有機層が形成される。
本発明に用いられる有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層を有するものである。すなわち、有機EL層とは、少なくとも発光層を含む層であり、その層構成が有機層1層以上の層をいう。通常、塗布によるウェットプロセスで有機EL層を形成する場合は、溶媒との関係で多数の層を積層することが困難であることから、1層もしくは2層の有機層で構成される場合が多いが、有機材料を工夫したり、真空蒸着法を組み合わせたりすることにより、さらに多数層とすることも可能である。
発光層以外に有機EL層を構成する有機層としては、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等を挙げることができる。正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合がある。また、電子輸送層は、電子注入層に電子輸送の機能を付与することにより、電子注入層と一体化される場合がある。さらに、有機EL層を構成する有機層としては、キャリアブロック層のような正孔もしくは電子の突き抜けを防止し、再結合効率を高めるための層等を挙げることができる。
本発明においては、有機EL層を構成する有機層のうち少なくとも1層の有機層を、印刷法、吐出法または転写法により形成する。印刷法、吐出法または転写法により形成する有機層の数としては、1層以上であればよく、例えば1層、2層、3層等とすることができる。
印刷法、吐出法または転写法により形成する有機層としては、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層が挙げられる。中でも、印刷法、吐出法または転写法により形成する有機層は、発光層であることが好ましい。また、印刷法、吐出法または転写法により形成する有機層は、正孔注入層および発光層であってもよい。
上記有機層を形成する際には、有機EL素子用基板上に、有機層を形成するための有機層形成用塗工液を、印刷法、吐出法または転写法により塗布する。この有機層形成用塗工液には、有機層の種類に応じた材料が用いられる。
以下、本工程における有機層および有機層の形成方法に分けて説明する。
(1)有機層
(i)発光層
本発明における発光層に用いられる材料としては、例えば、色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料等の発光材料を挙げることができる。
色素系材料としては、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどを挙げることができる。
また、金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロビウム錯体等、中心金属にAl、Zn、Be等または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。
さらに、高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール等、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。
上記発光層中には、発光効率の向上、発光波長を変化させる等の目的でドーピング剤を添加してもよい。このようなドーピング剤としては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン、キノキサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体を挙げることができる。
発光層の厚みとしては、電子と正孔との再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば1nm〜500nm程度とすることができる。
本発明においては、隔壁により発光層が分断され、パターン状に形成される。この際、発光層は、赤・緑・青等の複数色の発光部を有するようにパターン状に形成されていることが好ましい。これにより、カラー表示が可能な有機EL素子を得ることができる。この場合、例えば図2に示す有機EL素子用基板1を用いて、図8および図9に例示するように赤色の発光部8R、緑色の発光部8Gおよび青色の発光部8Bを有するようにパターン状に発光層を形成することができる。
(ii)正孔注入層
上述したように、正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合がある。すなわち、正孔注入層は、正孔注入機能のみを有していてもよく、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有していてもよい。
正孔注入層に用いられる材料としては、発光層内への正孔の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン誘導体等を用いることができる。具体的には、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン(α−NPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
また、正孔注入層の厚みとしては、正孔注入機能や正孔輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.5nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
(iii)電子注入層
上述したように、電子輸送層は、電子注入層に電子輸送の機能を付与することにより、電子注入層と一体化される場合がある。すなわち、電子注入層は、電子注入機能のみを有していてもよく、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有していてもよい。
電子注入層に用いられる材料としては、発光層内への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物等を用いることができる。
また、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ層を形成し、これを電子注入層とすることもできる。上記電子輸送性の有機材料としては、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体等を挙げることができ、ドープする金属としては、Li、Cs、Ba、Sr等が挙げられる。
上記電子注入層の厚みとしては、電子注入機能や電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
(iv)電子輸送層
電子輸送層に用いられる材料としては、陰極から注入された電子を発光層内へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)の誘導体等を挙げることができる。
上記電子輸送層の厚みとしては、電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
(2)有機層の形成方法
本工程に用いられる有機層形成用塗工液は、上記有機層を構成する材料を溶媒に溶解もしくは分散させることにより調製される。溶媒としては、有機層を構成する材料に応じて適宜選択される。例えば、有機層として発光層を形成する場合、発光層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、上述した発光材料を溶解もしくは分散させることができるものであれば特に限定されるものではなく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、テトラリン、メシチレン等を挙げることができる。
本工程においては、上述したように、有機EL素子用基板上に有機層形成用塗工液を印刷法、吐出法または転写法により塗布する。これらの方法は、小隔壁間に有機層形成用塗工液を入り難くすることができる方法だからである。
印刷法としては、グラビア印刷法、活版印刷法、スクリーン印刷法などが挙げられる。吐出法としては、インクジェット法が挙げられる。インクジェット法の場合、有機層形成用塗工液を不連続的に吐出してもよく連続的に吐出してもよい。また、転写法としては、熱転写法が挙げられる。
有機層形成用塗工液の塗布に際しては、図1(b)に例示するように有機EL素子用基板1の全面に有機層形成用塗工液を塗布してもよく、図6(b)、図8および図9に例示するように有機EL素子用基板1上にパターン状に有機層形成用塗工液を塗布してもよい。なお、図6(a)〜(c)は、本発明の有機EL素子の製造方法の他の例を示す工程図である。
また、有機層形成用塗工液の塗布に際して、図2および図3に例示するように、隔壁5を構成する小隔壁(5a,5b,5c)が直線状に形成されている場合、有機層形成用塗工液を、小隔壁の長手方向に対して垂直に塗布してもよく、小隔壁の長手方向に対して平行に塗布してもよい。例えば赤色の発光部8R、緑色の発光部8Gおよび青色の発光部8Bの3色の発光部を有するようにパターン状に発光層を形成する場合、図2に例示する有機EL素子用基板1を用いて、図8に例示するように小隔壁5a,5bの長手方向に対して各発光層形成用塗工液を垂直に塗布してもよく、図9に例示するように小隔壁5a,5bの長手方向に対して各発光層形成用塗工液を平行に塗布してもよい。
有機層形成用塗工液の塗布後は、乾燥を行ってもよい。
本工程においては、隔壁を構成する複数の小隔壁のうち発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部での有機層の高さをt1、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での有機層の高さをt2としたとき、t1>t2となるように有機層が形成される。
2としては、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部において、基板表面から有機層表面までの高さが、基板表面から小隔壁表面までの高さよりも低く、かつ、t1よりも低ければよい。なお、図1(b)および図6(b)に示す例においてはt2=0の場合が示されているが、t1>t2であれば図7に例示するようにt2>0でもよい。
具体的に、t2は、小隔壁の厚みを1とすると、0.1以下であることが好ましく、より好ましくは0.05以下、さらに好ましくは0.025以下である。上記の比率が上記範囲であれば、第2電極層を確実に分断し、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを効果的に抑制することができるからである。
さらに具体的に、t2は、0nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0nm〜250nmの範囲内、さらに好ましくは0nm〜100nmの範囲内である。t2が上記範囲であれば、上記の場合と同様に、第2電極層を確実に分断し、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを効果的に抑制することができるからである。
1としては、t2よりも高ければ特に限定されるものではない。
3.有機EL層形成工程
本発明における有機EL層形成工程は、上記有機層形成工程を有するものであり、有機EL層を形成する工程である。
有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層を有するものであり、その層構成については、上記有機層形成工程の項に記載した通りである。本発明においては、有機EL層を構成する有機層のうち少なくとも1層の有機層を、印刷法、吐出法または転写法により形成すればよく、有機EL層を構成する他の層を、印刷法、吐出法および転写法、以外の方法で形成することができる。例えば、有機EL素子用基板上に、正孔注入層および発光層を印刷法、吐出法または転写法により順に形成した後に、発光層上に電子輸送層や電子注入層を印刷法、吐出法および転写法、以外の方法、例えば真空蒸着法により形成することができる。また例えば、有機EL素子用基板上に、正孔注入層を印刷法、吐出法および転写法、以外の方法、例えばスピンコート法により形成した後に、正孔注入層上に発光層を印刷法、吐出法または転写法により形成することができる。
有機EL層を構成する層を印刷法、吐出法および転写法、以外の方法で形成する場合、小隔壁間にも有機EL層を構成する層が成膜されて、隔壁を構成する複数の小隔壁のうち発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部におけるこの層の厚みと、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部におけるこの層の厚みとが同程度になることもあり得る。しかしながら、本発明においては有機EL層を構成する1層以上の有機層を印刷法、吐出法または転写法で形成するので、有機EL層の厚みとしては、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部における有機EL層の厚みと、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部における有機EL層の厚みとが異なるものとなる。具体的には、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部における有機EL層の厚みが、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部における有機EL層の厚みよりも薄くなる。よって、有機EL層を構成する少なくとも1層の有機層を印刷法、吐出法または転写法により形成し、有機EL層を構成する他の層を印刷法、吐出法および転写法、以外の方法で形成したとしても、第2電極層が分断されるという効果を十分に得ることができる。
このように、有機EL層を構成する少なくとも1層の有機層を印刷法、吐出法または転写法により形成し、有機EL層を構成する他の層を印刷法、吐出法および転写法、以外の方法で形成してもよいが、中でも、有機EL層を構成する有機層のうち、湿式法で形成する有機層のすべてを印刷法、吐出法または転写法により形成することが好ましい。これにより、第2電極層をより確実に分断することができるからである。
以下、印刷法、吐出法および転写法、以外の方法で形成する他の層、および印刷法、吐出法および転写法、以外の方法に分けて説明する。
(1)印刷法、吐出法および転写法、以外の方法で形成する他の層
本発明において、印刷法、吐出法および転写法、以外の方法で形成する他の層としては、発光層以外の層であることが好ましい。このような層としては、例えば、正孔注入層、電子注入層、電子輸送層等が挙げられる。以下、これらの層について説明する。
(i)正孔注入層
正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合がある。すなわち、正孔注入層は、正孔注入機能のみを有していてもよく、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有していてもよい。
正孔注入層に用いられる材料としては、発光層内への正孔の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン誘導体等を用いることができる。具体的には、ビス(N−(1−ナフチル−N−フェニル)ベンジジン(α−NPD)、4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
また、正孔注入層の厚みとしては、正孔注入機能や正孔輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.5nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
(iii)電子注入層
電子輸送層は、電子注入層に電子輸送の機能を付与することにより、電子注入層と一体化される場合がある。すなわち、電子注入層は、電子注入機能のみを有していてもよく、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有していてもよい。
電子注入層に用いられる材料としては、発光層内への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、上記発光層の発光材料に例示した化合物の他、アルミリチウム合金、フッ化リチウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、カルシウム、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、リチウム、セシウム、フッ化セシウム等のようにアルカリ金属類、およびアルカリ金属類のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体等を用いることができる。
また、電子輸送性の有機材料にアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属をドープした金属ドープ層を形成し、これを電子注入層とすることもできる。上記電子輸送性の有機材料としては、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体等を挙げることができ、ドープする金属としては、Li、Cs、Ba、Sr等が挙げられる。
上記電子注入層の厚みとしては、電子注入機能や電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
(iv)電子輸送層
電子輸送層に用いられる材料としては、陰極から注入された電子を発光層内へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えばバソキュプロイン、バソフェナントロリン、フェナントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、またはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)等を挙げることができる。
上記電子輸送層の厚みとしては、電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
(2)印刷法、吐出法および転写法、以外の方法
印刷法、吐出法および転写法、以外の方法としては、湿式法であってもよく乾式法であってもよい。
湿式法としては、塗工液を塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、ロールコート法、ブレードコート法、スピンコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、キャスト法、LB法等を挙げることができる。
乾式法としては、真空蒸着法等の一般的な蒸着方法を用いることができる。
4.第2電極層形成工程
本発明における第2電極層形成工程は、有機EL層上に第2電極層を形成する工程である。
第2電極層は、陽極であっても陰極であってもよいが、通常は陰極として形成される。
また、第2電極層は、透明性を有していても有していなくてもよく、光の取出し面等によって適宜選択される。例えば第2電極層側から光を取り出す場合は、第2電極層は透明または半透明である必要がある。
陰極としては、電子が注入しやすいように仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましく、例えばMgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金、Li、Caをはじめとするアルカリ金属類およびアルカリ土類金属類、または、アルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の合金などが挙げられる。
また、第2電極層は抵抗が小さいことが好ましく、一般には金属材料が用いられるが、有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
本工程においては、上記有機EL層上に、金属材料を成膜して第2電極層を形成することが好ましい。第2電極層の材料としては抵抗が低いものであればよく、金属材料が最も適しているからである。
金属材料の成膜方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の一般的な蒸着法や、金属ペーストを塗布する方法等が挙げられる。中でも、真空蒸着法、金属ペーストを塗布する方法が好ましい。真空蒸着法は、ドライプロセスで有機EL層へのダメージが少ない方法であり、積層に適している。また、金属ペーストを塗布する方法はウェットプロセスであり、ウェットプロセスはドライプロセスよりも大面積の対応に適している。ウェットプロセスであっても、有機EL層に影響を与えない溶媒が配合された金属ペーストは使用可能である。すなわち、有機EL層の耐溶剤性などによって有機EL層に影響を与えないように工夫することで、ウェットプロセスも適用可能となる。
なお、第1電極層と隔壁との間に絶縁層が形成されていない場合、図4(a)に例示するような有機EL素子用基板1が用いられる。このような有機EL素子用基板1を用いて、図4(b)〜(c)に例示するように有機層6および第2電極層7を形成すると、図4(c)に例示するように小隔壁5a,5b間において第1電極層3と第2電極層7とが接触する場合がある。本発明においては、小隔壁5a,5b間に位置する第2電極層7は、発光領域11に位置する第2電極層7とは分断されており、電圧の印加に関与しない。よって、絶縁層が形成されておらず、小隔壁間で第1電極層および第2電極層が接触している場合であっても、第1電極層および第2電極層間でショートすることはない。
B.有機EL素子
次に、本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、基板と、上記基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層が形成された基板上に形成され、第2電極層を複数に分断する分断領域を画定する複数の絶縁性の隔壁と、上記隔壁間の上記第1電極層上に形成され、発光層を含む有機EL層と、上記有機EL層上に形成され、上記隔壁により分断されている第2電極層とを有し、上記隔壁の各々が、所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されており、上記隔壁を構成する複数の上記小隔壁のうち発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側の端部での上記第2電極層の高さをt3、上記発光領域側に設けられた上記小隔壁の上記発光領域側とは反対側の端部での上記第2電極層の高さをt4としたとき、t3>t4であり、上記隔壁を挟んで隣接する上記第2電極層が互いに電気的に絶縁されていることを特徴とするものである。
本発明の有機EL素子について図面を参照しながら説明する。
図10は本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。図10に例示する有機EL素子20は、基板2と、基板2上に形成された第1電極層3と、第1電極層3上に形成された絶縁層4と、絶縁層4上に形成され、第2電極層を複数に分断する分断領域10を画定する複数の絶縁性の隔壁5と、隔壁5間の第1電極層3上に形成された発光層8と、発光層8上に形成され、隔壁5により分断されている第2電極層7とを有している。
隔壁5の各々は、所定間隔dをおいて平行に設けられた複数の小隔壁5a,5bから構成されている。図10に示す例においては、図2に例示するように、第1電極層3のストライプパターンに、隔壁5(小隔壁5a,5b)のストライプパターンが直交するように、隔壁5(小隔壁5a,5b)が形成されている。この隔壁5を構成する複数の小隔壁5a,5bのうち発光領域11側に設けられた小隔壁5a,5b(図10においては5aとする。)の発光領域11側の端部での第2電極層の高さをt3、発光領域11側に設けられた小隔壁5a,5b(図10においては5aとする。)の発光領域11側とは反対側の端部での第2電極層の高さをt4としたとき、t3>t4となっている。
また、隔壁5を挟んで隣接する第2電極層7は互いに電気的に絶縁されている。
このような有機EL素子を製造する場合、図1(b)に例示するように、発光層等の有機層を形成する際に小隔壁5a,5bの発光領域11側の側面にも有機層形成用塗工液が付着して、隔壁5の周辺で発光層等の有機層6の厚みが厚くなることがある。しかしながら、小隔壁5a,5b間の間隔dは比較的狭いため、小隔壁5a,5b間に有機層形成用塗工液が入り込み難くなり、小隔壁5a,5b間に位置する有機層6の厚みを薄くすることができる。そのため、図10に例示する有機EL素子20においては、小隔壁間に位置する第2電極層の高さが低くなるのである。すなわち、t3>t4となるのである。
本発明によれば、隔壁の各々が所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されており、t3>t4であるので、塗工液が小隔壁の発光領域側の側面に付着して隔壁の周辺で発光層等の有機層の厚みが厚くなった場合であっても、小隔壁間に位置する発光層等の有機層の厚みを薄くすることができ、小隔壁間に位置する第2電極層の高さを低くすることができる。よって、第2電極層を確実に分断し、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを防止することが可能である。
なお、分断領域、発光領域、隔壁を構成する複数の小隔壁のうち発光領域側に設けられた小隔壁、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部、および、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部、の定義については、上記「A.有機EL素子の製造方法」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
「発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部での第2電極層の高さt3」とは、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部における、小隔壁の下地層表面から第2電極層表面までの高さをいう。図10〜図12に例示するように、小隔壁5a、5bが絶縁層4の直上に形成されている場合には、小隔壁5a、5bの下地層は絶縁層4であり、上記第2電極層の高さt3は、小隔壁5aの発光領域11側の端部における絶縁層4表面から第2電極層7表面までの高さとなる。また、図13に例示するように、小隔壁5a、5bが第1電極層3の直上に形成されている場合には、小隔壁5a、5bの下地層は第1電極層3であり、上記第2電極層の高さt3は、小隔壁5aの発光領域11側の端部における第1電極層3表面から第2電極層7表面までの高さとなる。
一方、「発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での第2電極層の高さt4」とは、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部における、小隔壁の下地層表面から第2電極層表面までの高さをいう。図10〜図12に例示するように、小隔壁5a、5bが絶縁層4の直上に形成されている場合には、小隔壁5a、5bの下地層は絶縁層4であり、上記第2電極層の高さt4は、小隔壁5aの発光領域11側とは反対側の端部における絶縁層4表面から第2電極層7表面までの高さとなる。また、図13に例示するように、小隔壁5a、5bが第1電極層3の直上に形成されている場合には、小隔壁5a、5bの下地層は第1電極層3であり、上記第2電極層の高さt4は、小隔壁5aの発光領域11側とは反対側の端部における第1電極層3表面から第2電極層7表面までの高さとなる。
なお、上記第2電極層の高さt3,t4の測定方法については、上記「A.有機EL素子の製造方法」の有機層の高さt1,t2の測定方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、基板、第1電極層、隔壁、分断領域、絶縁層については、上記「A.有機EL素子の製造方法」の有機EL素子用基板調製工程の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の有機EL素子における他の構成について説明する。
1.第2電極層
本発明においては、隔壁を構成する複数の小隔壁のうち発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側の端部での第2電極層の高さをt3、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での第2電極層の高さをt4としたとき、t3>t4となる。
4としては、発光領域側に設けられた小隔壁の発光領域側とは反対側の端部において、基板表面から第2電極層表面までの高さが、基板表面から小隔壁表面までの高さよりも低く、かつ、t3よりも低ければよい。具体的に、t4は、小隔壁の厚みを1とすると、0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.1以下である。上記の比率が上記範囲であれば、第2電極層を確実に分断し、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを効果的に抑制することができるからである。
さらに具体的に、t4は、50nm〜2000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは50nm〜1000nmの範囲内、さらに好ましくは50nm〜400nmの範囲内である。t4が上記範囲であれば、上記の場合と同様に、第2電極層を確実に分断し、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを効果的に抑制することができるからである。
3としては、t4よりも高ければ特に限定されるものではない。
また、隔壁を挟んで隣接する第2電極層は互いに電気的に絶縁されている。なお、隔壁を挟んで隣接する第2電極層が互いに電気的に絶縁されていることは、テスターによる導通の有無や、電圧印加による発光の有無などにより確認することができる。
なお、第2電極層のその他の点については、上記「A.有機EL素子の製造方法」の第2電極層形成工程の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
2.有機EL層
本発明に用いられる有機EL層は、少なくとも発光層を含む1層もしくは複数層の有機層を有するものである。
なお、有機EL層の層構成および有機EL層を構成する各層については、上記「A.有機EL素子の製造方法」の有機層形成工程および有機EL層形成工程の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
有機EL層を構成する有機層のうち少なくとも1層の有機層は、メニスカス状の断面形状を有していてもよい。例えば図10〜図13においては、隣り合う隔壁5の間に位置する発光層8がメニスカス状の断面形状を有している。有機EL層を構成する発光層等の有機層がメニスカス状の断面形状を有する場合には、有機EL層上に形成される第2電極層が発光領域と分断領域とでつながってしまうおそれがあるが、本発明においては隔壁が複数の小隔壁から構成されているので、第2電極層を確実に分断することができる。よって、有機EL層を構成する有機層のうち少なくとも1層の有機層が、メニスカス状の断面形状を有する場合には、本発明の構成とすることにより、隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートするのを効果的に抑制することができる。
なお、有機EL層を構成する有機層がメニスカス状の断面形状を有することは、有機EL素子の断面の電子顕微鏡写真により確認することができる。
メニスカス状の断面形状を有する有機層の数としては、1層以上であればよく、例えば1層、2層、3層等とすることができる。
また、メニスカス状の断面形状を有する有機層としては、発光層であることが好ましい。この有機層は、正孔注入層および発光層であってもよい。
有機EL層の形成位置としては、有機EL層を構成する各層が少なくとも発光領域に形成されていればよい。例えば、発光層8は、図10〜図13に示すように隔壁5上に形成されていてもよく、図示しないが隔壁上に形成されていなくてもよい。また、発光層が隔壁上に形成されている場合には、図10、図11および図13に例示するように発光層8が隔壁5上の全部に形成されていてもよく、図12に例示するように発光層8が隔壁5上の一部に形成されていてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(透明電極層の形成)
まず、ガラス基板(厚み0.7mm)に対して、イオンプレーティング法により膜厚200nmの酸化インジウムスズ(ITO)電極膜を形成し、このITO電極膜上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO電極膜のエッチングを行って、幅1.7mmのストライプ状の透明電極層を2.3mmピッチで30本形成した。
(絶縁層の形成)
次に、上記のガラス基板(厚み0.7mm)に、洗浄処理と紫外線プラズマ洗浄を施し、その後、ポリイミド前駆体を主成分とするポジ型感光性レジストをスピンコート法で塗布し、フォトリソグラフィープロセスでパターニングして、各透明電極層上に1.5mm×1.5mmの発光エリア(開口部)が2.3mmピッチで存在するように絶縁層(厚み1.5μm)を形成した。
(隔壁の形成)
次に、上記の絶縁層が形成されたガラス基板に、洗浄処理と紫外線プラズマ洗浄を施し、その後、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂からなるネガ型感光性レジストをスピンコート法で塗布し、フォトリソグラフィープロセスでパターニングして、絶縁層上に透明電極層と直交するように、ストライプ状で断面形状が逆テーパー状の隔壁を並列に形成した。この際、隔壁を構成する小隔壁の数は2個(2ライン)とした。また、小隔壁の間隔を60μm、30μm、15μmと変化させて、隔壁を形成した。小隔壁は、幅が50μm、厚みが4μm、逆テーパーの角度は50°であった。
(正孔注入層用のインキおよび赤色発光層用のインキの調製)
次に、下記組成の正孔注入層用のインキA1を調製した。このインキA1のせん断速度100/秒における粘度(インキ温度23℃)を、Physica社製の粘弾性測定装置MCR301型により定常流測定モードで測定した結果、15cPであった。また、2Hzにおける動的表面張力(インキ温度23℃)をSITA t60/2(SITA Messtechnik GmbH社製)を用いて測定した結果、30dyne/cmであった。
<正孔注入層用のインキA1の組成>
・PEDOT(ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンスルフォネート)(混合比=1/20)(バイエル社製 Baytron PCH8000)
… 70重量%
・混合溶媒(水:イソプロピルアルコール(沸点82.4℃)=70:30)
… 30重量%
次いで、下記組成の赤色発光層用のインキB1を調製した。このインキB1のせん断速度100/秒における粘度(インキ温度23℃)を、上記のインキA1と同様に測定した結果、80cPであった。また、溶媒として使用するメシチレンとテトラリンの表面張力を、協和界面科学(株)製の表面張力計CBVP−Z型により、液温20℃で測定した。
<赤色発光層用のインキB1の組成>
・ポリフルオレン誘導体系の赤色発光材料(分子量:300,000)… 2.5重量%
・溶媒(メシチレン:テトラリン=50:50の混合溶媒) …97.5重量%
(混合溶媒の表面張力=32dyne/cm、沸点=186℃)
(メシチレンの表面張力=28dyne/cm、沸点=165℃)
(テトラリンの表面張力=35.5dyne/cm、沸点=207℃)
(正孔注入層および発光層の形成)
グラビア版として、セル間隔25μmとなるように格子形状に配列された正方形のセル(セルの一辺が100μm、セルの深さ35μm)を備えた板状のグラビア版(有効幅80mm)を準備した。このグラビア版では、正方形のセルの対角線方向を、後述のブランケットの稼動方向と一致させた。
次に、樹脂フィルムとして、易接着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製 U10、厚み100μm、表面張力60dyne/cm)を準備した。なお、このフィルムの表面張力は、2種以上の表面張力が判っている液体(標準物質)を使用して、自動接触角計(協和界面科学(株)製 DropMaster 700型)にて接触角θを測定し、γs(樹脂フィルムの表面張力)=γL(液体の表面張力)cosθ+γSL(樹脂フィルムと液体の表面張力)の式に基づいて求めた。
次いで、直径12cm、胴幅30cmのブランケット胴(表面にクッション層(硬度70°)を備える)の周面に、上記の樹脂フィルムを装着してブランケットを作製した。なお、クッション層の硬度はJIS(K6253)デュロメータ硬さ試験によるTypeA硬度である。
次に、上記のグラビア版とブランケットを平台オフセット印刷機に装着し、グラビア版に上記の正孔注入層用のインキA1を供給し、ブレードを用いて不要なインキを除去して、セル内にインキを充填した。次いで、グラビア版からブランケットにインキを受理させ、その後、ブランケットから上記の隔壁等が形成されたガラス基板上にインキを転移させることによって、正孔注入層(厚み約70nm)の形成を行った。なお、印刷速度は1000mm/秒であり、乾燥は120℃に設定したホットプレート上で1時間とした。この正孔注入層は80mm×80mmであり、上記の絶縁層の開口部を被覆するように形成した。
次いで、グラビア版に上記の赤色発光層用のインキB1を供給し、正孔注入層の形成と同様の作業によって、赤色発光層(厚み約70nm)の形成を行った。なお、印刷速度は1000mm/秒であり、乾燥は180℃に設定したホットプレート上で1時間とした。この赤色発光層は80mm×80mmであり、上記の正孔注入層を被覆するように形成した。
このとき、小隔壁の発光領域側の端部での正孔注入層および発光層の高さ(正孔注入層および発光層の高さt1)、および、小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での正孔注入層および発光層の高さ(正孔注入層および発光層の高さt2)をZygo社製の走査型白色干渉法により測定した。
(電子注入層の形成)
赤色発光層を形成した面側に、90mm×90mmの開口部を備えたメタルマスクを上記の絶縁層の発光エリア(開口部)上に位置するように配置した。次に、このマスクを介して真空蒸着法によりカルシウムを蒸着(蒸着速度=0.1nm/秒)して電子注入層(厚み10nm)を形成した。
(第2電極層の形成)
次に、電子注入層の形成に用いたメタルマスクをそのまま使用して、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着(蒸着速度=0.4nm/秒)した。これにより、電子注入層上に、アルミニウムからなる90mm×90mmの開口部の第2電極層(厚み4μm)を形成した。
最後に、第2電極層を形成した面側に、紫外線硬化型接着剤を介して封止板を貼り合わせることにより、有機EL素子を得た。
[比較例1]
下記のようにして隔壁を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(隔壁の形成)
絶縁層が形成されたガラス基板に、洗浄処理と紫外線プラズマ洗浄を施し、その後、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂からなるネガ型感光性レジストをスピンコート法で塗布し、フォトリソグラフィープロセスでパターニングして、図14(a)、(b)に例示するように、絶縁層104上に透明電極層103と直交するようにストライプ状の隔壁105を並列に形成した。この際、隔壁105は1ラインのみとした。隔壁は、幅が50μm、厚みが4μmであった。なお、図14(a)は上面図、図14(b)は図14(a)のB−B線断面図である。
[比較例2]
下記のようにして正孔注入層および発光層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(正孔注入層用のインキおよび赤色発光層用のインキの調製)
下記組成の正孔注入層用のインキを調製した。
<正孔注入層用のインキの組成>
・PEDOT(ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンスルフォネート)(混合比=1/20)(バイエル社製 Baytron PCH8000)
また、下記組成の赤色発光層用のインキを調製した。
<赤色発光層用のインキの組成>
・ポリフルオレン誘導体系の赤色発光材料(分子量:300,000)… 1.5重量%
・溶媒(キシレン) …98.5重量%
(正孔注入層および発光層の形成)
スピンコーターを用いて、正孔注入層(厚み約70nm)の形成を行った。なお、回転数3000rpmであり、乾燥は120℃に設定したホットプレート上で1時間とした。この際、絶縁層の開口部を被覆するように正孔注入層を形成した。
次に、スピンコーターを用いて、発光層(厚み約70nm)の形成を行った。なお、回転数1500rpmであり、乾燥は180℃に設定したホットプレート上で1時間とした。この際、上記正孔注入層を被覆するように発光層を形成した。
[評価]
実施例1および比較例1、2について、次のようにして分離率を求めた。なお、分離率とは、第2電極層の分断状態を示すものである。隔壁を挟んで位置する第2電極層間でショートしていない確率を、分離率として表わしている。分離率の測定方法としては、第2電極層の1ライン毎に電圧を印加し、電圧印加によって、選択位置(選択ライン)と、この選択位置に隣接する非選択位置(選択ラインに隣接する非選択ライン)とが発光した場合、第2電極層間でショートしているとみなして、1欠陥とする。そして、全ての第2電極層間を検査し、分離率を算出する。
実施例1および比較例1、2の結果を下記表1に示す。
Figure 0005125886
比較例1の小隔壁の形成数が1ラインの場合、第2電極層の分離率が大幅に低下している。これに対し、実施例1の小隔壁の形成数が2ラインの場合、比較例1の1ラインの場合よりも分離率が高く、また小隔壁の間隔が狭くなるにつれて分離率が高くなることを確認した。
また、比較例2のスピンコート法の場合、第2電極層の分離率が大幅に低下した。スピンコート法は、印刷法、吐出法および転写法のいずれにも該当しなく、本発明に適さないことがわかった。
[実施例2]
小隔壁の間隔を30μmとして隔壁を形成し、下記のようにして第2電極層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(第2電極層の形成)
電子注入層の形成に用いたメタルマスクをそのまま使用して、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着(蒸着速度=0.4nm/秒)した。これにより、電子注入層上に、アルミニウムからなる90mm×90mmの開口部の第2電極層(厚み300nm)を形成した。
このとき、小隔壁の発光領域側の端部での第2電極層の高さ(第2電極層の高さt3)、および、小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での第2電極層の高さ(第2電極層の高さt4)をキーエンス社製のレーザ顕微鏡により測定した。
第2電極層の高さt3は700nm、第2電極層の高さt4は580nmであった。
[実施例3]
小隔壁の間隔を30μmとして隔壁を形成し、下記のようにして正孔注入層および発光層を形成し、第2電極層を形成した以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
なお、隔壁を形成する際には、後述の正孔注入層および発光層の形成時に基板上に着弾したインクが流出しないように、基板の外縁に、隔壁の短辺の端部と接合するように枠状の隔壁を形成した。この枠状の隔壁は電極分離領域よりも外側に設けた。
(正孔注入層および発光層の形成)
マイクロドロップ社のマイクロドロップシステム(ディスペンサーヘッド MD-K-140)を用いて、実施例1で用いた正孔注入層用のインキA1を隔壁間に吐出した。この際、着弾したインクは隔壁の高さで保持されるようにした。またこの際、インクをディスペンサーヘッドのヒーターで加熱して吐出し、塗布方向は隔壁の長手方向と平行方向とした。インクの吐出後は、自然乾燥させ、さらに120℃に設定したホットプレート上で1時間乾燥させた。これにより、正孔注入層(厚み約70nm)を形成した。この正孔注入層は80mm×80mm領域でライン状に形成されており、絶縁層の開口部を被覆するように形成した。
次いで、マイクロドロップ社のマイクロドロップシステム(ディスペンサーヘッド MD-K-140)を用いて、実施例1で用いた赤色発光層用のインキB1を隔壁間に吐出した。この際、着弾したインクは隔壁の高さで保持されるようにした。またこの際、インクをディスペンサーヘッドのヒーターで加熱して吐出し、塗布方向は隔壁の長手方向と平行方向とした。インクの吐出後は、自然乾燥させ、さらに180℃に設定したホットプレート上で1時間乾燥させた。これにより、赤色発光層(厚み約70nm)を形成した。この赤色発光層は80mm×80mm領域でライン状に形成されており、上記の正孔注入層を被覆するように形成した。
(第2電極層の形成)
次に、電子注入層の形成に用いたメタルマスクをそのまま使用して、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着(蒸着速度=0.4nm/秒)した。これにより、電子注入層上に、アルミニウムからなる90mm×90mmの開口部の第2電極層(厚み300nm)を形成した。
このとき、小隔壁の発光領域側の端部での第2電極層の高さ(第2電極層の高さt3)、および、小隔壁の発光領域側とは反対側の端部での第2電極層の高さ(第2電極層の高さt4)をキーエンス社製のレーザ顕微鏡により測定した。
第2電極層の高さt3は700nm、第2電極層の高さt4は300nmであった。
本発明の有機EL素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明に用いられる有機EL素子用基板の一例を示す模式図である。 本発明に用いられる有機EL素子用基板の他の例を示す模式図である。 本発明の有機EL素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の有機EL素子の製造方法における有機層形成工程の一例を示す模式図である。 本発明の有機EL素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の有機EL素子の製造方法における有機層形成工程の一例を示す模式図である。 本発明の有機EL素子の製造方法における有機層形成工程の他の例を示す模式図である。 本発明の有機EL素子の製造方法における有機層形成工程の他の例を示す模式図である。 本発明の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子の他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機EL素子の他の例を示す概略断面図である。 従来の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 有機EL素子用基板
2 … 基板
3 … 第1電極層
4 … 絶縁層
5 … 隔壁
5a,5b,5c … 小隔壁
6 … 有機層
7 … 第2電極層
8 … 発光層
10 … 分断領域
11 … 発光領域
20 … 有機EL素子

Claims (4)

  1. 基板と、前記基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層が形成された基板上に形成され、第2電極層を複数に分断する分断領域を画定する複数の絶縁性の隔壁とを有し、前記隔壁の各々が、所定間隔をおいて平行に設けられた複数の小隔壁から構成されている有機エレクトロルミネッセンス素子用基板上に、発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層を構成する有機層のうち少なくとも1層の有機層を、印刷法、吐出法または転写法により形成する有機層形成工程、および前記有機層形成工程後に、前記有機エレクトロルミネッセンス層上に、単層から構成された第2電極層を形成する第2電極層形成工程を有し、
    前記隔壁を構成する複数の前記小隔壁のうち発光領域側に設けられた前記小隔壁の前記発光領域側の端部での前記有機層の高さをt、前記発光領域側に設けられた前記小隔壁の前記発光領域側とは反対側の端部での前記有機層の高さをtとしたとき、t>0であり、またt>tとなるように前記小隔壁の間隔が調整されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記第2電極層形成工程が、金属材料を成膜して第2電極層を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記金属材料の成膜方法が真空蒸着法であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 前記金属材料として金属ペーストを用いることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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