JP5125871B2 - コーンスピーカ - Google Patents

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本発明は、フルレンジ用のコーンスピーカに関するものである。
従来、コーンスピーカの高音特性を改善するために、種々の構造が知られており、例えば、ダブルコーンスピーカがある。ダブルコーンとは、ボイスコイルボビンの先端に、小径軽量のセンタコーンを付けたものである。高域においてセンタコーンが振動することにより、シングルコーンに比べて高音の輻射能率が増加する。
しかし、センタコーンは外周が支持されていないため共振を起こして音が歪むとともに、両コーンから放射される音の干渉により周波数特性が乱れるという問題がある。
また、コーンの前中央に球状のデュフューザを配置したものがある。このデュフューザにより位相特性が改善され、高音の指向特性が改善される。しかし、位相特性の改善は、高音の特定部のみとなるため、満足できる音質が得られにくいという問題がある。
また、環状位相等化器(ドーナツ形のイコライザ)を設けたものがある(特許文献1参照)。
図10は、環状位相等化器を設けた従来のコーンスピーカの説明図である。
図中、101は主コーン、102は副コーン、103は駆動線輪枠(ボイスコイルボビン)、104はコーン保持膜(ダンパ)、105は環状位相等化器である。
円錐状の主コーン101の中央部分にドーム形の副コーン102をつけることにより高い周波数の輻射能率を増大させる。
主コーン101と副コーン102との境界稜線106の近傍の主コーン101内面に環状位相等化器105を設ける。これにより、環状位相等化器105による回折現象によって、開口面において各部より出る音波の位相差を小さくする。その結果、周波数による輻射インピーダンスの変動を小さくするとともに、指向特性を改良することができると記載されている。また、位相差による音波の干渉のために生ずる音圧周波数特性上の凹凸をなくするとも記載されている。
しかし、この環状位相等化器105は、高音のレスポンスを上げることにより明瞭度を上げようとするものではない。
また、低音用コーンスピーカの中心部に高音用のスピーカを配置した同軸型スピーカがある。しかし、同軸型スピーカは、異なる性格のスピーカの複合体であるため、各スピーカの音質のつながりが悪いという問題がある。また、各スピーカのボイスコイルの位置が前後にずれるため、各スピーカから出る音波の位相がずれるという問題もある。
特公昭31−9903号公報
本願発明は、高音の周波数特性を改善することにより、スピーカから放出される音の明瞭度を向上させるコーンスピーカを提供することを目的とするものである。
本発明は、請求項1に記載の発明においては、コーン型振動板がセンタキャップを有し、前記コーン型振動板の外周端縁がエッジを介してフレームに固定支持されるコーンスピーカにおいて、ホーン体を有し、前記ホーン体の根元部は、前記センタキャップの前面に近接離隔して小径の根元開口部を形成し、前記ホーン体の内面は、前記根元開口部から第1の音響通路に沿って先端部まで拡大され、前記先端部はホーン開口部を形成し、前記ホーン体の背面は、前記コーン形振動板の内面との間に第2の音響通路を形成し、前記ホーン体の根元部は、前記センタキャップの前面に沿った曲面形状であり、前記ホーン体は、前記フレーム又はバッフルに固定支持されるものである。
センタキャップに対するホーン体の配置は、ホーンスピーカに似た構造となるため、センタキャップから第1の音響通路を経由して出る音がホーンスピーカの特性を有するものとなる。ホーン体の根元部とセンタキャップの前面との間の空間がセンタキャップの振動により圧縮されるコンプレッション効果により、電気音響変換効率が上がる。
また、第2の音響通路において、ホーン体は、コーン型振動板の根元部から出る音とセンタキャップからの音の干渉をなくし、レスポンスの低下を防いでいる。
請求項に記載の発明においては、請求項1に記載のコーンスピーカにおいて、前記ホーン体の背面は、該ホーン体の背面側に膨らむ形状である。
従って、第2の音響通路において、コーン型振動板から出る音波がホーン体の背面によって反射したものとコーン型振動板から出る音波との位相干渉を少なくしている。
請求項に記載の発明においては、請求項1又は2に記載のコーンスピーカにおいて、イコライザを有し、前記イコライザの基底部は、前記ホーン体の内部にあって、前記センタキャップの前面に沿って近接離隔した曲面形状であり、前記イコライザの外周面は、前記ホーン体の内面との間に前記第1の音響通路を形成し、該第1の音響通路に沿って縮小する形状であり、前記イコライザは、前記ホーン体又は前記フレーム又は前記バッフルに固定支持されるものである。
従って、前記音響通路の位置を、センタキャップの中心部と周辺部とから等距離にすることにより、センタキャップの中心部から出る音波とセンタキャップの周辺部から出る音波の位相を一致させ、高域における位相干渉によるレスポンスの低下が防止される。また、前記ホーン体と前記イコライザの間の音響通路の面積を一端狭くしてしぼり率を上げることにより、電気音響変換効率が上がる。
本発明は、構成簡単にして、高音特性が改善され、スピーカから出る音の明瞭度が向上するという効果がある。
センタキャップの前に配置されたホーン体により、大信号入力時でもボイスコイルの飛び出しが規制されるから、コーン型振動板の破壊を防ぐことができる。ホーン体やこのホーン体の支持体の存在により、ユーザがセンタキャップやコーン振動板まで指を入れにくい。そのため、センタキャップやコーン振動板が不用意に指押しされる等による破損を防ぐことができる。
本発明には、従来のダブルコーンスピーカに比べて、不要共振を起こしたり、音の干渉を生じたりするセンタコーンがない。
本発明には、従来のディフューザ環状位相等化器を備えたものに比べて、高音のレスポンスが向上する。環状位相等化器は、センタキャップから離れていること、及び、環状位相等化器の中心穴がホーン形状から大きく隔たっているために、高音のレスポンスが上がらない。
本発明は、従来の同軸型スピーカと比較すると、単一ユニットであるため、つながりの良い音質が得られ、音源中心点が異なることによる位相ずれが発生しない。
図1は、本発明の第1の実施形態のコーンスピーカの説明図である。図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のスピーカ中心軸を通るA−A断面において、矢視A方向を見た正面断面図である。図1(c)は、変形例の要部を拡大した正面断面図である。
図1(a)において、1はフレーム、2はコーン型振動板、3はエッジ、4はセンタキャップ、5はホーン体、6はホーン支持体である。
図1(b)において、7はボイスコイルボビン、8はボイスコイル、9はダンパ、10はポールピース、10aはセンタポール、10bはフランジ、11はプレート、12はマグネット、13は入力端子板、14は錦糸線(リード線)である。
最初に、一般的なコーン型スピーカと共通する構造について説明する。
フレーム1は、前面にフランジ1aを有する。フランジ1aの詳細な構造は省略している。フランジ1aにつながる傾斜支持板1cには複数の背面開口部1dが設けられている。背面開口部1dの形状、個数及び配置は任意である。
傾斜支持板1cの根元部1eから段差を設けて円形状底板1fを有し、この円形状底板1fには、後述するボイスコイルボビン7が挿通される貫通穴1gが設けられている。
フランジ1aには、後述するホーン支持体6の外端部6aが重ね合わされる部分に、取付穴1bが形成されている。この取付穴1bは、コーンスピーカを、図示しない、前面バッフル板や天井板等のバッフルにネジ部材で取り付けるためのものである。この取付穴は、フランジ1aの他の箇所(角度位置)にあってもよい。
このコーン型スピーカは、動電型(ダイナミック)スピーカであり、磁気回路に電流を流すことにより発生する電磁力を利用する。
コーン型振動板2は、その中央部の内周端縁にボイスコイルボビン7が接合され、その前面中央部にセンタキャップ4を有する。
コーン型振動板2の外周端縁は、エッジ3を介してフレーム1のフランジ1aに固定支持される。
センタキャップ4は、ドーム状振動板として機能する。図示のセンタキャップ4は、コーン型振動板2におけるボイスコイルボビン7に近い位置に接合されているが、ボイスコイルボビン7とともに同じ内周端縁に接合されてもよい。
ボイスコイルボビン7は円筒部材であり、ボイスコイル8が巻かれている。
ダンパ9はボイスコイルボビン7と、傾斜支持板1cの根元部1eとに接合され、ボイスコイルボビン7をフレーム1に支持する。ダンパ9はスパイダとも呼ばれる。
ボイスコイルボビン7には、ポールピース10のセンタポール10aが挿通され、前後(図示では上下)に移動可能である。ポールピース10の後端面(図示下面)は、フランジ部10bであり、一方、フレーム1の円形状底板1fの背面に穴あき円盤形状のプレート11が接合されている。これらのフランジ部10bとプレート11とに挟まれて穴あき円盤形状のマグネット12が設けられている。センタポール10aとプレート11の中央穴11aとの間に、円筒状の磁気ギャップが形成され、この磁気ギャップに、ボイスコイル8が配置されている。
ボイスコイル8の図示しない引出線は、コーン型振動板2上において、錦糸線(リード線)14に接続され、錦糸線14は、入力端子板13に接続される。
上述した、ポールピース10、プレート11、マグネット12により磁気回路が構成され、磁気ギャップに位置するボイスコイル8に音声信号が供給されるとボイスコイルボビン7、コーン型振動板2及びセンタキャップ4が振動し、音波がコーン型振動板2のコーン開口部21から放音される。
この実施の形態は、上述したコーン型スピーカの一般的な構造において、ホーン体5を追加したものである。
ホーン体5は、コーン型スピーカの中心軸に対し、対称形状である。ホーン体5の図示下方、根元部5a近傍の断面は肉厚がほぼゼロであるため、根元部5aは線状の円形となる。
根元部5aは、センタキャップ4の前面に近接離隔して小径の根元開口部22を形成し、ホーン体5の内面5cは、根元部5aから第1の音響通路に沿って先端部5bまで拡大され、この先端部5bはホーン開口部23を形成する。先端部5b近傍の肉厚は、図示の例では、ほぼゼロであるため、先端部5bは線状の円形となる。
一般に、ホーンスピーカは、コーン型スピーカに比べて、電気音響変換効率が大きい。しかし、その音響通路の長さ等に応じて周波数特性が変化する。
図示のホーン体5は、センタキャップ4をホーンスピーカの振動板と見立てて、高音の電気音響変換効率を上げ、音の明瞭度を良くするためのものである。従って、ホーン体5は、センターキャップホーンと言うこともできる。
しかし、ホーンスピーカにおいて、ドーム型振動板は、ホーン体の開口部を除いて密閉空間の中にある。従って、センタキャップ4とホーン体5との組合せは、ホーンスピーカそのものではない。
レスポンスを上げたい周波数帯域に合うように、図示のホーン体5の第1の音響通路は比較的短く、ホーン開口部23は、コーン型振動板2のコーン開口部21よりも、図示下方に後退している。
根元部5aは、センタキャップ4の前面に可能な限り接近離隔させる方が、ホーンスピーカの構造に近づくために好ましい。しかし、センタキャップ4は、入力音声信号により振動する。
そのため、根元部5aは、最大許容入力時におけるセンタキャップ4の振動によっても、このセンタキャップ4に接触しないような間隔で近接離隔しているものとする。その結果、この接触によるノイズの発生やセンタキャップ4の損傷が防止される。
フルレンジスピーカの場合、スピーカ口径は16.5cm〜20cmであり、低音ほど最大振幅が大きく、最大許容入力時において、センタキャップ4は振動によって2〜3mm前まで変位する。従って、ホーン体5の根元部5aは、センタキャップ4よりも3mmの離隔をさせることが適切である。
なお、ホーン体5の根元部5aにフェルト等の緩衝部材を設けておけば、センタキャップ4が衝突してもセンタキャップ4が損傷を受けにくい。
ホーン体5の背面5dは、コーン形振動板2の内面2aと非接触である。ホーン体5の背面5dは、コーン形振動板2の内面2aとの間に、第2の音響通路を形成する。
コーン形振動板2から出る音波は、第2の音響通路に沿って中心軸に対し斜めに放出されることからディフューザとして機能し、高域における指向性が広がる。
図示のホーン体5は、従来のホーンスピーカのホーン体のような、断面の肉厚が一様なものではなく、ホーン体5の背面5dがホーン体5の背面側に膨らむ形状である。言い換えれば、ホーン体5の背面側に凸となるように湾曲して膨らんでいる。図示の形状は、なめらかな曲面状であるが、所定の半径を有する部分球面に形成してもよい。
このような背面5dの形状であれば、コーン型振動板2から発生した音波と、この音波が背面5dで反射した音波とが位相干渉しにくいので、位相の乱れが少なく、そのため周波数レスポンスにも乱れが生じにくい。
位相の乱れが問題とならない場合は、ホーン体5の肉厚が一定であってもよい。
ホーン体5が上述した配置となるように、ホーン体5は、コーンスピーカの中心軸に対し、等角度で放射状に配置された4本のホーン支持体(スポーク)6により、フレーム1のフランジ1aに固定支持される。ホーン支持体6は4本以外の複数でもよい。
ホーン支持体6は、音波の伝搬に影響を与えないように小さくされる。
図示のホーン支持体6は、図示の例では半円状断面を有するエッジ3に触れないように、前方に凸となるように湾曲している。
ホーン支持体6は、その外端部6aにおいて、フランジ1aに重ね合わされ、その取付穴6bが取付穴1bの位置に一致する。ホーン支持体6の内端部6cは、ホーン体5の先端部5bに接合されている。
図1(c)に示す変形例は、図1(b)のホーン体5を、ホーン支持体61を用いて、前面バッフルや天井板等のバッフル62に固定支持するようにしたものである。
フレーム63の構成は、図1(b)のフレーム1と基本的には変わらない。フランジ63aに形成された取付穴63bに、ネジ64を差し込み、コーンスピーカをバッフル62に取付け固定する。取付穴63bは、フランジ63aの他の箇所(角度位置)にあってもよい。
図示のホーン支持体61は、エッジ3及び取付穴63bのネジ64に触れないように、前方(図示上方)に凸となるように湾曲している。ホーン支持体61の外端部61aに、取付穴61bが形成され、その上部に凹部61cが形成されている。ホーン支持体6は4本以外の複数でもよい。
取付穴61bにネジ64を差し込み、ホーン支持体61をバッフル62に取付け固定する。ネジ64の頭部は凹部61cに埋め込まれる。フレーム63とホーン支持体61とは、バッフル62を介して結合されるから、ホーン体5は間接的にフレーム1に固定支持されることになる。
上述した構成により、ホーン体5は、ホーン支持体6,61を介してフレーム1に固定されるから、コーン型振動板2やセンタキャップ4の振動がホーン体5に伝達されない。
ホーン体5及びホーン支持体6,62は、木材、合成樹脂、金属等、あるいは、それらの組合せ体である。振動しにくい高剛性の複合材料が好ましい。ホーン体5とホーン支持体6,62とは一体成型されてもよい。
図2は、図1に示したホーン体5の作用効果を示す周波数レスポンスのグラフである。このグラフは実測値を示すものではなく、説明用に作成されたものである。
図中、横軸は周波数(対数)[kHz]、縦軸は周波数応答(レスポンス)[dB]である。破線31は、従来のコーン型スピーカの特性である。実線32は、従来のコーン型スピーカにホーン体5を設けたとき、破線31の特性とは異なる帯域における特性を示している。
ホーン体5を設けることにより、中域を少し超えたあたり(約2〜10[kHz])の高音の帯域で、2〜3dBの改善が見られる。
従来のコーン型スピーカでは、実線32で示された帯域において、応答が低下するとともに、コーン型振動板2の根元部と周縁部との位相差による音波の干渉、あるいは、コーン型振動板2の分割振動による、ピークとディップが生じる。
これに対し、ホーン体5を設けることにより、実線32で示された帯域においてセンタキャップ4にかかる放射インピーダンスを増大させ、スピーカのインピーダンスマッチングがはかられ、高域の能率が高くなる。
図3は、本発明の第2の実施形態を説明する正面断面図である。
この実施形態では、図1に示したホーン体5をホーン体41に置き換えた。他の構成については、図1と同様であり、同様な部分には同じ符号を付している。
このホーン体41も、コーン型スピーカの中心軸に対し、回転対称形状である。ホーン体41の根元部41a近傍の断面は肉厚である。根元部41aは、センタキャップ4の前面に沿って比較的広い面積を有する曲面形状であって、センタキャップ4の前面に近接離隔して小径の根元開口部42を形成している。
図示のセンタキャップ4はドーム型であるため、根元部41aは湾曲面を有している。
ホーン体41の内面41cは、根元開口部42から第1の音響通路に沿って先端部41bまで拡大され、先端部41bはホーン開口部43を形成している。
このホーン体41の背面41dは、コーン形振動板2の内面2aとの間に第2の音響通路を形成し、ホーン体41は、4本のホーン支持体6によりフレーム1のフランジ1aに固定支持される。
ホーン支持体6に代えて、図1(c)のホーン支持体61を用いてもよい。ホーン支持体6,61は4本以外の複数でもよい。
この実施形態では、ホーン体41の根本部41aがセンタキャップ4の中央を除いて、近接離間した状態で覆うため、センタキャップ4から放出される音波は、根元開口部42に絞られて放出される。その結果、特に高音において、音響インピーダンスが大きくなりインピーダンスのマッチングが取れることにより、レスポンスが向上する。
先端部41b、背面41dは、その形状については、図1のホーン体5と同様であり、ディフューザとして機能する。
図4は、本発明の第3の実施形態を説明する正面断面図である。
この実施の形態は、図3に示した第2の実施形態にイコライザ54を追加したものである。そのため、ホーン体51は、図3のホーン体41に比べ、根本部51a近傍の断面は肉薄である。根元部51aは、センタキャップ4の前面に沿って比較的狭い面積を有する曲面形状であって、根元開口部52を図3の根元開口部42よりも大きくしている。コーン開口部53は、図3のコーン開口部43と変わらない。
このイコライザ54の基底部54aは、ホーン体51の内部にあり、センタキャップ4の前面に沿って近接離隔した曲面形状である。イコライザ54の外周面54bは、ホーン体51の内面51cとの間に第1の音響通路を形成し、この第1の音響通路に沿って縮小する形状である。図示の例では、傾斜面が徐々に小さくなり、先端部54cにおいて1点となる円錐形状(円弧側面を有する円錐)のものである。
図示の例においては、先端部54cは、ホーン体開口部53よりも前方の、ほぼ、コーン型振動板2のコーン開口部21の位置にある。
上述したイコライザ54の配置は、外周面54bから放射状に配置された4本のイコライザ支持体55が、ホーン体51の内面51cに接合され、ホーン支持体6を介して、間接的にフレーム1のフランジ1aに固定支持されることにより実現される。
ホーン支持体6に代えて、図1(c)のホーン支持体61を用いてもよい。ホーン支持体6,61は4本以外の複数でもよい。
また、イコライザ支持体55を、直接的にフレーム1の、例えばフランジ1aに固定支持されるようにしてもよい。あるいは、イコライザ支持体55を、図1(c)のバッフル62に固定支持して、間接的にフレーム1に固定支持されるようにしてもよい。
上述したイコライザ54は、音響通路の面積を一端狭くしてしぼり率を上げることとなり、その結果、電気音響変換効率を向上させる。
又、前記音響通路の位置をセンタキャップの中心部と周辺部とから等距離にすることにより、センタキャップ4の中心部から放出される音波の位相と、センタキャッ4の周辺部から放出された音波の位相とのずれを少なくする。その結果、イコライザ54を追加することにより、更に高音再生の能率が高くなり、明瞭度が向上する。
上述したイコライザ54としては、図示の形状に限らず、従来のホーンスピーカに採用されているようなものを使用できる。例えば、基底部54aから前方に向かって複数本の音導路を有し、各音導路が背面54bに開口を有するような形状であってもよい。
イコライザ支持体55は、音波の伝搬に影響を与えないように小さくされる。
イコライザ54、イコライザ支持体55は、振動しないことが前提であり、ホーン5、ホーン支持体6と同様の材料で形成される。これらは、ホーン5、ホーン支持体6とともに、一体成型されてもよい。
上述した説明では、スピーカグリルやスピーカネットについて触れなかった。しかし、通常の使用形態では、スピーカのコーン開口部は、スピーカグリルやスピーカネットに覆われて内部が保護される。
スピーカグリルやスピーカネットを使用することを前提とした場合、上述したホーン体5,41,51は、適切な形状のホーン支持体を介してスピーカグリルやスピーカネット枠に結合されたり、一体成型されたりしてもよい。
イコライザ54についても、同様に、適切な形状のイコライザ支持体を介してスピーカグリルやスピーカネット枠に結合されたり、一体成型されたりしてもよい。
スピーカグリルやスピーカネット枠がコーンスピーカ前面バッフル(天井スピーカの場合天井板に相当する)に取り付けられることにより、ホーン体、イコライザは、同じく前面バッフルに取り付けられたフレームに間接的に固定支持されることになる。
図5〜図9は、本発明の第1の実施形態の出力音圧周波数特性を示すグラフである。無響室とはいえない室内において、複数の周波数点におけるレスポンスを簡易測定したものである。
試作スピーカは、市販の口径20cmのフルレンジコーンスピーカにホーン支持体を設けた。試作スピーカは、図1に示した構造のコーンスピーカと基本的には同じであるが、具体形状は、図1の通りではない。ホーン支持体は、銅製の金属棒を折り曲げて木製のホーン体を支持している。コーン型振動板は紙、センタキャップはアルミニウム薄板である。
図5〜図9は、それぞれ、コーンスピーカの中心軸方向、15度、30度、45度、60度の方向での出力音圧周波数特性の測定結果を示す。破線は、ホーン体を追加する前の特性、実線は、ホーン体を追加したものの特性である。
ピンクノイズを入力し、コーン型振動板のコーン開口部から50[cm]距離(部屋の影響を避けるために、一般的な1[m]よりも近くした)において測定した。
部屋の共振の影響を受けにくい200[Hz]以上の周波数について、20[kHz]までの出力音圧レベル(SPL:Sound Pressure Level)[dB]を簡易測定した。
図5、図6に示されるセンター(中心軸方向)及び15度の方向においては、3,200〜10,000[Hz]において、ホーン体5を付加することにより、音圧が上昇している。
一般に、ホーンスピーカは、コーンスピーカよりも音響変換効率が10[dB]程度高い。しかし、振動板とホーンの根元部とは、開口部を除いて密閉し、コンプレッションドライバとすることが常識であった。これに対し、本願発明の実施形態では、密閉されていないにもかかわらず、明瞭度を上げる程度に高域を上げることができた。
図7に示されるように、30度でも、上述した高音の帯域において、音圧の低下が小さい従って、指向特性も改善されていることがわかる。
図8、図9に示される、45度、60度の方向になると、ホーン体を付加したことの効果が見られなくなる。
測定結果の図示を省略したが、ホーン体5の根元部5aに厚みがない図1のコーンスピーカに、イコライザ(図4に示したイコライザ54よりも基底部54aの径が大きい)を付加した場合、20,000[Hz]付近での音圧が上昇した。
本件スピーカに誤操作により直流成分が印加された時などに、図1(b)では根元部5aがセンタキャップ4の突出を、図3では根元部41aの下面がセンタキャップ4の突出を、図4では根本部51aの下面がセンタキャップ4の突出を防止することができる。この場合、対応面の大きい図3、図4の実施形態が有効である。
本発明は、明瞭度が、広い角度範囲で要求される天井取り付け型スピーカ(シーリングスピーカ)に適している。
本発明の第1の実施形態のコーン型スピーカの説明図である。 図1に示したホーン体の作用効果を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態を説明する正面断面図である。 本発明の第3の実施形態を説明する正面断面図である。 本発明の第1の実施形態の周波数特性(中心軸)を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態の周波数特性(15度)を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態の周波数特性(30度)を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態の周波数特性(45度)を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態の周波数特性(60度)を示すグラフである。 環状位相等化器を設けた従来のコーンスピーカの説明図である。
符号の説明
1…フレーム、1a…フランジ、1b…取付穴、1c…傾斜支持板、1d…背面開口部、1e…根元部、1f…円形状底板、1g…貫通穴、2…コーン型振動板、2a…内面、2b…背面、3…エッジ、4…センタキャップ、5…ホーン体、5a…根元部、5b…先端部、6…ホーン支持体、6a…外端部、6b…取付穴、6c…内端部、7…ボイスコイルボビン、8…ボイスコイル、9…ダンパ、10…ポールピース、10a…センタポール、10b…フランジ部、11…プレート、11a…中央穴、12…マグネット、13…入力端子板、14…錦糸線、21…コーン開口部、22…根元開口部、23…ホーン開口部、
31…従来のコーン型スピーカの特性、32…ホーン体を設けたコーン型スピーカの特性、
41…ホーン体、41a…根元部、41b…先端部、41c…内面、41d…背面、42…根元開口部、43…ホーン開口部、
51…ホーン体、51a…根本部、51b…先端部、51c…内面、51d…背面、52…根元開口部、53…ホーン開口部、54…イコライザ、54a…基底部、54b…外周面、54c…先端部、55…イコライザ支持体、
101…主コーン、102…副コーン、105…環状位相等化器、106…境界稜線

Claims (3)

  1. コーン型振動板がセンタキャップを有し、前記コーン型振動板の外周端縁がエッジを介してフレームに固定支持されるコーンスピーカにおいて、
    ホーン体を有し、
    前記ホーン体の根元部は、前記センタキャップの前面に近接離隔して小径の根元開口部を形成し、
    前記ホーン体の内面は、前記根元開口部から第1の音響通路に沿って先端部まで拡大され、
    前記先端部はホーン開口部を形成し、
    前記ホーン体の背面は、前記コーン形振動板の内面との間に第2の音響通路を形成し、
    前記ホーン体の根元部は、前記センタキャップの前面に沿った曲面形状であり、
    前記ホーン体は、前記フレーム又はバッフルに固定支持される、
    ことを特徴とするコーンスピーカ。
  2. 前記ホーン体の背面は、該ホーン体の背面側に膨らむ形状である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコーンスピーカ。
  3. イコライザを有し、
    前記イコライザの基底部は、前記ホーン体の内部にあって、前記センタキャップの前面に沿って近接離隔した曲面形状であり、
    前記イコライザの外周面は、前記ホーン体の内面との間に前記第1の音響通路を形成し、該第1の音響通路に沿って縮小する形状であり、
    前記イコライザは、前記ホーン体又は前記フレーム又は前記バッフルに固定支持される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコーンスピーカ。
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