JP5124738B2 - 金属防錆性化合物粉末とその製法、および金属防錆用組成物と金属防錆用フィルム - Google Patents

金属防錆性化合物粉末とその製法、および金属防錆用組成物と金属防錆用フィルム Download PDF

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Description

本発明は、鉄鋼、銅、亜鉛、アルミニウム、銀などの金属、およびそれらの合金を含む金属製品や金属部品の包装に使用し、或いはそれら金属製品や金属部品が存在する空間内に存在させることで、それら金属製品や金属部品の腐食・変色を効果的に防止することのできる新規な金属防錆性化合物粉末とその製法、並びに、該化合物粉末を有効成分として含む金属防錆用組成物と、これを用いた金属防錆用フィルムに関するものである。
従来、金属製品の防錆手段としては、防錆油の塗布に始まり、気化性防錆紙による梱包や、その上に密閉フィルムで外気から遮蔽したり、密閉フィルム内に気化性防錆材を同封もしくは噴霧したりする方法などが採用されてきた。そして最近では、より省力化の観点から透明な気化性防錆フィルムを使用することが試みられている。こうした状況の下で、気化性防錆フィルムの製法として、公知の気化性防錆材や気化性防錆紙の技術を活かし、防錆対象となる金属の種類に応じて防錆効果を有する薬剤を熱可塑性樹脂に練り込み、或は塗布したり印刷したりした気化性防錆フィルムが開発されている。
こうした気化性防錆フィルムにおける最大の特徴は、透明で中身を透視することができ、且つヒートシールにより密封できることであるが、気化性防錆材をフィルムに塗布する方法では上記の特徴が生かされ難い。そこで、透明な練り込み品で、個々の金属に対して防錆効果を有する気化性防錆フィルムが開発されてきた。他方、昨今の金属製品は多種類の金属を複合し、あるいは組合せたものが殆どであり、それら全ての金属に対して防錆効果を発揮し得る防錆剤が求められている。
こうした状況の下で、多種類の金属に対し腐食や変色を防止する方法として、厚肉の熱可塑性樹脂フィルムや高価な多層フィルムで密封包装し、雰囲気中の水蒸気を始め亜硫酸イオンや硫化物イオンなどの侵入を阻止する方法が知られている。しかし、完全な密封包装には多大な手数と工程管理を要するばかりでなく包装コストを高め、ひいては製品価格を高める原因になる。
他方、金属製品の腐食や変色、酸化劣化などを防止するためのフィルム素材は多数提案されており、例えば特開平11−071471号公報には、水溶性ガラス粉末と気化性防錆剤を熱可塑性樹脂に練り込んでフィルム状に加工し、あるいは熱可塑性樹脂フィルムに塗布する方法が開示されている。また特開平10−158645号公報には、水溶性樹脂に亜硝酸塩を含有させた混合物と、熱可塑性樹脂にアンモニウム化合物を含有させた混合物とを共存させた2成分系防錆剤が開示されている。更に特開平09−124838号公報には、熱可塑性樹脂に、アミンやアンモニウム塩などの窒素含有化合物を混入させた気化性防錆剤が開示されている。
ところが、上記特開平11−071471号公報に開示された方法では、代表的な熱可塑性樹脂であるポリエチレンの加工温度である130℃付近で防錆成分が揮発し、防錆フィルムの製造環境を悪化させたり、製品フィルムに粉吹き現象を生じたりすることがある。しかも、この方法で防錆成分として用いる亜硝酸塩は、亜鉛系金属に対しては却って変色を助長することが指摘されており、且つ発がん性の問題も指摘されている。
また上記特開平10−158645号公報に記載された2成分系防錆剤では、防錆フィルム状に成形した後に複分解反応で気化性の亜硝酸アンモニウムが生成するため、鉄鋼製品などに対しては優れた防錆効果を発揮する。しかし、亜鉛系金属に対しては上記と同様に変色の原因となる。
更に、特開平09−124838号公報に開示の方法で用いられるp−ターシャリーブチル安息香酸アルカリ金属塩は、鉄鋼製品に対し接触させた状態で優れた防錆効果を示すが、該文献に開示されている他の防錆成分である亜硝酸塩系のものは、亜鉛系金属に対しては却って悪影響を及ぼす。また、亜鉛系金属に対し防錆効果を有するものとしてトリルトリアゾールが例示されているが、このものは融点が低いため、例えばポリエチレン等に練り込もうとするとフィルム状などに加工する際の熱で激しく気化し、作業環境を著しく悪化させる。また、融解したトリルトリアゾールは、融解していない他の材料に付着してそれらを凝集させ、加工装置のフィルタに詰ったり、フィルムに異物として混入し、フィルム切れを起こす原因になるなど、生産性に悪影響を及ぼす。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、上記先行技術に指摘される様な問題を生じることなく、鉄鋼、銅、亜鉛、アルミ、銀などの金属やそれらの金属を含む合金を構成素材とする金属製品や金属部品の包装に使用し、或いはそれらの金属製品や部品が存在する空間内に置くことで、それら金属製品や部品の腐食や変色を効果的に防止し得る様な新規な金属防錆性化合物粉末を提供すると共に、その有用な製法、更には、該防錆性化合物粉末を用いた金属防錆用組成物と金属防錆用フィルムを提供することにある。
特に、例えばポリエチレンの如きポリオレフィン系樹脂に練り込んでフィルム状に加工する際にも、高融点で臭気や発がん成分の揮発などによる環境汚染を起こすことがなく、また他の金属防錆成分との間で凝集などの問題を起こすことのない新規な金属防錆性化合物粉末を提供し、更には、該防錆性化合物粉末を用いて優れた防錆能を発揮する防錆用組成物を提供し、更に加えて、優れたフィルム特性と防錆能を備えた金属防錆用フィルムを提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明の金属防錆性化合物粉末は、下記式(1)で示されるトリアゾール化合物の1モルに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物の0.5モルが結合したものである金属防錆性を有する新規な粉末状の化合物である。

(式中、Rは水素またはメチル基を表す)
また本発明の製法は、上記新規な金属防錆性化合物粉末を製造する方法を提供するもので、上記式(1)で示されるトリアゾール化合物:1モルと、アルカリ金属またはアルカリ土類金属:0.4〜0.7モルを、50℃以上の温度で水に溶解反応させ、濃度を10〜40質量%とした水溶液を40℃以下に冷却し、生成する結晶を固液分離したのち乾燥するところに特徴を有している。
また本発明の他の製法は、上記式(1)で示されるトリアゾール化合物:1モルと、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物:1/2モルを、水中で溶解反応させた後、噴霧乾燥もしくは凍結乾燥することにより粉末状で得るところに特徴を有している。
そして本発明の金属防錆用組成物は、上記金属防錆性化合物粉末を有効成分として含有せしめたところに特徴を有するもので、好ましくは該金属防錆性化合物粉末に加えて、オルトリン酸、有機ホスホン酸、芳香族カルボン酸および芳香族スルホン酸のアミン塩よりなる群から選択される少なくとも1種のアミン塩粉末を含有させ、あるいは更に、珪素含有化合物、リン酸化合物、硝酸化合物、有機酸化合物、金属化合物、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、(2−ベンゾチアゾリルチオ)酢酸、3−(2−ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸、サリチルアミド、ヒドロキシ脂肪酸金属塩よりなる群から選ばれる1種もしくは2種以上を含有せしめたものは、一段と優れた金属防錆能を有するものとなる。
上記で使用される好ましい有機ホスホン酸としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などが例示される。
また、芳香族カルボン酸および芳香族スルホン酸としては、下記式(2)および(3)で示される化合物が挙げられる。下記式(2)において、Xはカルボキシル基又はスルホン酸基を表し、A〜Aは、同一もしくは異なってもよく、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、水素、アルキル基のいずれか1種または2種以上の組合せを表し、また、下記式(3)において、Y,Zはいずれか一方がカルボキシル基又はスルホン酸基であり、Y,Zのうち、カルボキシル基又はスルホン酸基が置換していない方の置換基、およびA〜A11は、同一若しくは異なってもよく、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、水素、アルキル基のいずれか1種または2種以上の組合せを表す。
上記芳香族カルボン酸として好ましいのは、安息香酸、ニトロ安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、ジヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ブチル安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸などであり、また、好ましい芳香族スルホン酸としては、スルファニル酸、トルエンスルホン酸、ヒドロキシメチルベンゼンスルホン酸、ナフチオン酸、7−ヒドロキシナフタレンスルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸など、が挙げられる。これらも、単独で使用し得るほか、必要により2種以上を任意の組合せで併用してもよい。
また前記アミン塩として好ましいのは、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、モルホリン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、プロピルアミン、エチルアミン、メチルアミン、アンモニウム塩などであり、これらも単独で使用できるほか、必要に応じて2種以上を任意の組合せで併用してもよい。
更に他の成分として、珪素含有化合物、リン酸化合物、硝酸化合物、有機酸化合物、金属化合物、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、(2−ベンゾチアゾリルチオ)酢酸、3−(2−ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸、サリチルアミド、ヒドロキシ脂肪酸金属塩よりなる群から選ばれる化合物を、単独で、或いは必要に応じて2種以上を任意の組合せで併用すれば、防錆効果を一段と高めることができるので好ましい。
なお本発明に係る粉末状の上記金属防錆用組成物は、1質量%濃度の水溶液とした状態でpH4〜10を示すものが好ましく、さらに好ましくはpH6〜9を示すもので、こうした構成と特性を備えた本発明の防錆用組成物は、特に鉄鋼、銅、亜鉛、アルミニウム、銀などの金属やこれらの金属を含む合金に対して優れた防錆能を発揮する。
そして該金属防錆用組成物は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂中に混入してフィルム状に加工することで、金属防錆用フィルムとして有効に活用できる。
本発明における最大の特徴は、亜鉛や銅およびそれらの合金に対して防錆効果を有することが確認されているものの、融点が低くて取扱い性が悪く、殊にポリオレフィン系樹脂の如き熱可塑性樹脂への混入時に刺激性の臭気を発して作業環境を悪化させ、或いは加工時の熱で溶融して他成分粉末と共に凝集する等の問題を生じるトリアゾール化合物として、例えばベンゾトリアゾール(融点:98℃、以下、BTAと略記する)またはトリルトリアゾール(融点:88℃、以下、TTAと略記する)を、その1モルがアルカリ金属またはアルカリ土類金属の約0.5モルと結合した金属塩(以下、これを1/2金属塩という)とすることで、熱可塑性樹脂などへ練り込む際に生じる刺激性の臭気が少なく、しかも取扱いの容易な融点150℃以上の粉末状態で得ることを可能にしたところにある。また前記技術は、4−メチルベンゾトリアゾールまたは5−メチルベンゾトリアゾールに対しても同様に適用できる。
ところで、トリアゾール化合物として例えばBTAは、銅、銅合金、アルミニウム、銀などに対して防錆効果を有し、TTAは、銅、銅合金、アルミニウム、亜鉛、銀、鉄鋼などに対して防錆効果を有することが知られている。しかし、これらは融点が低く(いずれも100℃以下)、熱可塑性樹脂の加工温度よりも低いことから、そのままで使用すると臭気を発して作業環境を悪化させたり、加工時の熱で溶融したBTAやTTAが、樹脂の粘度を著しく低下させて成形不良の原因になったり、溶融していない粉末状の他の防錆成分に付着してこれらを凝集させ、加工装置のフィルタ部分で詰まりを生じたり、フィルム内やフィルム表面に粒状の異物となって混入してフィルムの物性や外観を著しく悪化させ、極端な場合はフィルム化できなくなることもあった。
また、BTAやTTAは弱酸性を示し、これは分子構造中のトリアゾール部分におけるN−HのHが活性水素として作用するため、アルカリ金属などとの塩を形成する。しかし、BTAやTTAとアルカリ金属などの1/1当モル塩は潮解性が高く、常温常湿雰囲気では粉体として得ることが困難であり、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂と混練する際に直ぐに吸湿して液状化し、均一なブレンド物を得ることができない。
ところが、追って詳述する如くBTAやTTAの1モルに対してアルカリ金属やアルカリ土類金属を約1/2モル使用し、これを所定の条件で反応させると、BTAやTTAの1モルにアルカリ金属またはアルカリ土類金属の約1/2モルが反応した1/2金属塩をほぼ定量的に得ることができ、しかもこの1/2金属塩は水に対する溶解度が低く、吸湿性の低い安定な粉末として得られることが確認されたのである。
即ち、BTAやTTAを40〜70モル%のアルカリ金属やアルカリ土類金属と共に、水溶液中で50℃以上の温度で反応させ、濃度を10〜40質量%とした水溶液を40℃以下に冷却すると、BTAやTTAの1/2金属塩が結晶として析出し、これを固液分離してから乾燥し粉砕すると、BTAやTTAの1/2金属塩が粉末として簡単に得ることができる。また、BTAやTTA:1モルとアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物:0.5モルを、水溶液中で好ましくは40℃以上の温度で反応させた後、噴霧乾燥または凍結乾燥することによっても、BTAやTTAの1/2金属塩よりなる粉末状化合物を容易に得ることができる。
しかもこれらの1/2金属塩は高融点であり、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂の加工温度域でも溶融することがなく、且つ刺激性ガスを放出して作業環境を汚染するといった問題も殆ど生じないことが確認された。なお、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の中でも、最も低吸湿性で安定な粉末状として得られるのは、1/2Na塩と1/2Ca塩であり、BTA・1/2Na塩の融点は218℃、TTA・1/2Na塩の融点は158℃である。BTA・1/2Ca塩、TTA・1/2Ca塩の融点は、共に300℃以下には認められない。
この方法によって得られる例えば1/2Na塩は、フリーのBTAまたはTTAと、それぞれのNa塩の混合物とも考えられる。ところが、中和反応水溶液から晶析して得た乾燥物を塩酸で中和滴定して確認したところ、BTAとNaOHから得られる生成物の中和価は「210」(BTA・1/2Na塩の理論中和価は215〕、TTAとNaOHから得られる生成物の中和価は「190」(TTA・1/2Na塩の理論中和価は194)であり、ほぼ1/2Na塩として生成することが確認された。
また、示差熱分析によると、BTAは98℃、TTAは88℃である各融点の吸熱ピークが消失し、BTA・1/2Naでは218℃、TTA・1/2Na塩では158℃に吸熱ピークが現れることが確認された。また、これらの1/2Na塩は、150℃以下では融解せず熱可塑性樹脂中に粉末状態で練り込むことのできる防錆材料として有効に活用できることが確認されたのである。また、これらの1/2Na塩粉末を水に溶解した1質量%水溶液のpHは、8.5付近にあることも確認された。
また、一般に市販されているTTAは、銅、亜鉛、鉄鋼に対して優れた防錆効果を示す5−メチルベンゾトリアゾールと、銅には優れた防錆効果を示す反面、亜鉛や鉄鋼に対する防錆効果が弱く臭気の強い4−メチルベンゾトリアゾールとの混合物で、前者と後者の含有比率は質量比で約6:4である。ところが、これらを1/2Na塩として晶析し取り出した粉末は、上記質量比率で約9:1となり、亜鉛や鉄鋼に対してより優れた防錆効果を有し、且つ臭気の低い5−メチルベンゾトリアゾールが主体のTTA・1/2Na塩になることが確認された。また、晶析後の濾液を酸性にすると、4−メチルベンゾトリアゾールの含有比率が増大したTTAとして取り出せることも確認された。
こうした反応水溶液からの結晶としての晶析や吸熱ピークなどから類推すると、本発明に係る上記BTA・1/2金属塩(またはTTA・1/2金属塩)は、遊離状態のBTA(またはTTA)とBTA(またはTTA)・1/1当モル金属塩との単純な混合物ではなく、それらが複合一体化した新規な単一化合物であると判断される。
なお上記では1/2Na塩について説明したが、同様の傾向は他のアルカリ金属である1/2K塩や1/2Li塩についても確認され、更に、Mg,Ba,Caは2価の金属であるが、これらの金属塩についてもアルカリ金属塩とほぼ同様の傾向を有することが確認された。しかし、水溶液からの晶析性や乾燥後の吸湿性の観点から最も好ましいのは、アルカリ金属の中ではNa、アルカリ土類金属の中ではCaである。
かくして得られる本発明のトリアゾール化合物・1/2金属塩粉末は、先に説明した様に高融点であり、熱可塑性樹脂に練り込む際の通常の加工温度である100〜150℃よりも高融点であるため、加工時に殆ど気化することがなく作業環境を汚染する恐れも少ない。しかも、これらの粉末が練り込まれたフィルムは、鉄鋼、アルミニウム、銅、亜鉛、銀などからなる金属製品や部品に接触することで優れた防錆効果を発揮し、また上記粉末は徐々に気化するため、非接触部においても優れた防錆効果を発揮する。
従って、上記BTA(またはTTA)・1/2金属塩粉末は、そのままで、或いは必要に応じて担体成分などと混合し顆粒状などに加工して金属防錆材として使用できるほか、例えばポリオレフィン系樹脂などに練り込んで金属防錆用フィルム等として使用することもできる。
しかし、金属防錆用組成物として実用化する際には、該BTA(またはTTA)・1/2金属塩粉末と共に、第2の成分としてオルトリン酸、有機ホスホン酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸から選択される酸のアミン塩粉末を併用するのがよい。
ちなみに、オルトリン酸や有機ホスホン酸の如きリン酸化合物、サリチル酸、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸などが、アルミニウムに対して強い防錆効果を示すことは従来から知られているが、これらのアミン塩を使用すると、次の様な効果が発揮されるからである。
弱い酸性の化合物であるBTAやTTAと強塩基のナトリウムなどとの結合は本来弱いと考えられ、これをオルトリン酸、有機ホスホン酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸等のアミン塩と共存させると複分解反応を起こす。そして、BTA(またはTTA)・1/2金属塩から外れたナトリウムイオンなどが上記リン酸類や芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸などと反応すると共に、これらリン酸類や芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸との結合から外れたアミンが気化し、鉄鋼などに対し有力な気化性防錆剤として働く。また、BTA(またはTTA)・1/2金属塩から金属が外れることによって生成するフリーのBTA,TTAは気化し、銅、亜鉛、銅合金、アルミニウム、銀などに対し有効な気化性防錆剤として作用する。即ち、これらの複分解反応によって各種の金属に対して優れた防錆効果を発揮するためと考えられる。
尚、上記オルトリン酸のアミン塩は、オルトリン酸1モルに対し、等モル量のアミンを加えた水溶液から晶析して取り出すことができる。また有機ホスホン酸の場合、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸に対しては2倍モルのアミンを使用し、アミノトリ(メチレンホスホン酸)に対しては3倍モルのアミンを使用し、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)に対しては4倍モルのアミンを使用し、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)に対しては5倍モルのアミンを使用し、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸に対しては2倍モルのアミンを使用し、芳香族カルボン酸や芳香族スルホン酸に対しては等モルのアミンを使用し、それぞれの水溶液から晶析により、或いは水溶液を噴霧乾燥若しくは凍結乾燥することにより、粉体として取り出すことができる。
オルトリン酸や有機ホスホン酸のアミン塩から得られる乾燥粉末は、1質量%水溶液の状態でpH4付近を示し、芳香族カルボン酸や芳香族スルホン酸のアミン塩から得られる乾燥粉末は、1質量%水溶液の状態でpH6付近となる。そして、これらを上記BTAやTTAの1/2金属塩粉末と混合し、1質量%水溶液としてのpHが4〜10となる様に調整すると、各種の金属に対して一段と優れた防錆効果を有するものとなる。混合物のより好ましいpHは6〜9で、pHが低過ぎると鉄鋼に対する気化防錆能が悪くなり、pHが高過ぎるとアルミニウムに接触して劣化させる恐れが生じてくる。
上記BTA(またはTTA)・1/2金属塩粉末と上記アミン塩粉末との配合比率は、それらの種類によっても変わってくるので一律に決めることはできないが、標準的な好適配合比率は質量比で前者60〜10に対して後者40〜90、より一般的には前者50〜20に対して後者50〜80の範囲である。
また本発明では、上記成分に加えて第3の成分として、珪素含有化合物、リン酸化合物、硝酸化合物、有機酸化合物、金属化合物、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、(2−ベンゾチアゾリルチオ)酢酸、3−(2−ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸、サリチルアミド、ヒドロキシ脂肪酸金属塩よりなる群から選択される少なくとも1種の粉末を併用すると、上記金属に対する防錆性を更に高めることができる。
珪素含有化合物としては、珪酸(SiO)を主成分とする珪石、珪砂、珪藻土、活性白土、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウムなどの単品または混合物、もしくはこれらを主成分とするカオリン、パーライト、ベントナイト、タルク等が挙げられ、これらを適量配合すると、特に鉄鋼やアルミニウムに対する防錆能が向上する。
リン酸化合物としては、リン酸2水素カルシウム、リン酸1水素カルシウム、リン酸3カルシウム、アパタイト、ピロリン酸2水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸3カリウム、ピロリン酸4カリウム、トリポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸3ナトリウム、ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸2水素2ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ペンタポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ウルトラポリリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、酸性リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、正リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、第一リン酸アルミニウム、第二リン酸アルミニウム、第三リン酸アルミニウム、次亜リン酸ナトリウム、リン酸1アンモニウム、リン酸2アンモニウム、リン酸3アンモニウム等が挙げられ、これらは各々単独で使用し得るほか、必要に応じて2種以上を任意の比率で複合添加してもよい。これらを適量配合すると、鉄鋼やアルミニウムに対する防錆効果が向上する。
硝酸化合物としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、硝酸リチウム等が挙げられ、これらを適量配合すると、特に鉄鋼に対する防錆効果が一段と向上する。
有機酸化合物としては、安息香酸ナトリウム、トルイル酸ナトリウム、セバシン酸ナトリウム、ドデカン2酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、グルコン酸カルシウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カルシウム等が挙げられ、これらも特に鉄鋼やアルミニウムに対する防錆効果の向上に寄与する。
金属化合物としては、アルミニウム、バリウム、カルシウム、カドミウム、セリウム、コバルト、銅、鉄、ガリウム、インジウム、イリジウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、鉛、パラジウム、ルビジウム、スカンジウム、セリウム、錫、チタン、バナジウム、イットリウム、亜鉛、ジルコニウム等の酸化物、無機酸塩、有機酸塩などが挙げられ、金属化合物に含まれる金属成分が、金属製品のうち特に銅、銅合金、銀などを腐食・変色させる硫化物イオンと反応し固定化することによって防錆能を高める。
更に、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、(2−ベンゾチアゾリルチオ)酢酸、3−(2−ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸、サリチルアミド、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等は、鉄鋼、アルミニウム、亜鉛、銅に対する防錆能を高める。
前述した第1の成分(トリアゾール・1/2金属塩粉末)と第2の成分(オルトリン酸、有機ホスホン酸、芳香族カルボン酸および芳香族スルホン酸のアミン塩)および上記第3の成分の好ましい配合比率は、それらの種類によっても変わるが、標準的なのは、質量比で(第1および第2成分):第3の成分で、99〜30:1〜70、更に好ましくは95〜40:5〜60の範囲である。
上述した各防錆成分は、それぞれ平均粒径が50μm以下となるまで粉砕してから混合するか、或いは混合してから50μm以下に粉砕して使用すれば、熱可塑性樹脂に混入してフィルム状に成形する際に、フィルムに異物感を与えることなく且つ安定した強度、物性のフィルムを得ることができる。
尚、熱可塑性樹脂の種類も特に制限されず、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などが例示されるが、フィルム素材として最も好ましいのはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂であり、フィルムの成形には、インフレーション法やTダイ法などの溶融押出し成形が好適に用いられる。
また、防錆フィルム製造用としてマスターバッチを製造する場合は、防錆剤成分としての含有量を20〜50質量%の範囲にするのがよい。ちなみに、20質量%未満では、所定の防錆能を有する防錆フィルムを得るのに多量のマスターバッチが必要となり、また50質量%を超える高濃度のものでは、マスターバッチを作成する際に、目やにが生じて連続的なマスターバッチの製造ができなくなり、目やに防止対策が必要となる。
防錆フィルムを作成する際には、防錆剤マスターバッチを2〜10質量%とするのがよく、防錆フィルム中に含まれる防錆成分の含有量は0.5〜10質量%の範囲が好ましい。0.5質量%未満では防錆力が不足気味となり、また10質量%を超えてそれ以上に増量しても防錆力は飽和しコスト高になるだけであるからである。より好ましい防錆成分の含有量は1〜5質量%の範囲である。
上記金属防錆用組成物を配合して作成された本発明の防錆フィルムは、水分やハロゲンイオン、硫黄含有ガスなどの腐食因子により腐食を受け易い金属製品や部品を密閉包装することで、フィルムに接触した部分はもとより、非接触の部分でも複分解により生成した防錆成分が気化して金属製品や金属部品の表面に付着して防錆皮膜を形成し、或いは、防錆フィルムで腐食因子を遮断し、若しくは吸収固定することで、優れた防錆能を発揮する。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。尚、下記において「部」および「%」とあるのは、特記しない限り「質量部」および「質量%」を表す。
実施例1
2Lのビーカーに、5−メチルベンゾトリアゾール:65%と4−メチルベンゾトリアゾール:35%の混合物であるTTA:266g(2モル)と、水酸化ナトリウム:48g(1.2モル)と、脱イオン水:936gを入れ、50℃で加温溶解した後、25℃まで冷却し、析出した結晶を遠心分離により固液分離する。固形物を70〜80℃で熱風乾燥するか、40〜60℃で減圧乾燥してから粉砕し、粉状物105gを得た。
得られた粉状物の中和価は190KOHmg/gであり、TTA・1/2Naの理論中和価である195KOHmg/gに近似していた。また該粉状物の示差熱分析による融点の吸熱ピーク温度は158℃であった。粉状物の原子吸光分析によるナトリウム分は7.9%であり、TTA・1/2Naの理論濃度である8.0%に近似していた。
得られた粉状物を水に溶解した後、塩酸で酸性にすることにより生成するTTAの結晶をガスクロマトグラフィーによって分析したところ、5−メチルベンゾトリアゾール:93.3%と4−メチルベンゾトリアゾール:6.7%の混合物であった。
実施例2
2Lのビーカーに、BTA:140g(1.18モル)と、水酸化ナトリウム:23.5g(1.59モル)と、脱イオン水:835gを入れ、50℃で加温して完全に溶解させた後、噴霧乾燥することにより粉状物75gを得た。得られた粉状物の中和価は218KOHmg/gであり、BTA・1/2Naの理論中和価である216KOHmg/gに近似していた。また該粉状物の示差熱分析による吸熱ピーク温度は218℃であった。粉状物の原子吸光分析によるナトリウム分は8.8%であり、BTA・1/2Caの理論濃度である8.9%に近似していた。
実施例3
1Lのビーカーに、5−メチルベンゾトリアゾール:65%と4−メチルベンゾトリアゾール:35%の混合物であるTTA:106.4g(0.8モル)と、水酸化カルシウム:29.6g(0.4モル)と、脱イオン水:790gを入れ、60℃で加温溶解した後、25℃まで冷却し、析出した結晶を遠心分離により固液分離する。固形物を70〜80℃で熱風乾燥するか、40〜60℃で減圧乾燥してから粉砕し、粉状物47gを得た。
得られた粉状物の中和価は180KOHmg/gであり、TTA・1/2Caの理論中和価である184KOHmg/gに近似していた。また該粉末状物の示差熱分析による融点の吸熱ピークは300℃以下には認められなかった。粉状物の原子吸光分析によるカルシウム分は13.0%であり、TTA・1/2Caの理論濃度である13.1%に近似していた。
得られた粉状物を水に溶解した後、塩酸で酸性にすることにより生成するTTAの結晶をガスクロマトグラフィーによって分析したところ、5−メチルベンゾトリアゾール:90.1%と4−メチルベンゾトリアゾール:9.9%の混合物であった。
実施例4
2Lのビーカーに、BTA:119g(1.0モル)と、水酸化カルシウム:37.1g(0.5モル)と、脱イオン水:700gを入れ、60℃で加温して完全に溶解させた後、噴霧乾燥することにより粉状物65gを得た。得られた粉状物の中和価は199KOHmg/gであり、BTA・1/2Caの理論中和価である203KOHmg/gに近似していた。また該粉状物の示差熱分析によると、300℃以下に融点の吸熱ピーク温度は認められなかった。粉状物の原子吸光分析によるカルシウム分は14.1%であり、BTA・1/2Caの理論濃度である13.9%に近似していた。
実施例5
上記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末1部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)19部を均一に混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。使用した防錆剤粉末の1%水溶液のpHは8.6であった。
実施例6
上記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.2部と、上記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.8部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)19部を均一に混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは8.6であった。
実施例7
前記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.1部と、前記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.5部と、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸とジシクロヘキシルアミンの反応物粉末0.9部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18.5部を均一に混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは7.5であった。
実施例8
前記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.1部と、前記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.5部と、パラニトロ安息香酸とジシクロヘキシルアミンの反応物粉末0.9部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18.5部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは7.8であった。
実施例9
前記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.1部と、前記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.5部と、β−オキシナフトエ酸とジシクロヘキシルアミンの反応物粉末0.9部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18.5部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは7.8であった。
実施例10
前記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.1部と、前記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.2部と、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸とジシクロヘキシルアミンの反応物粉末0.2部と、オルトリン酸とアンモニアの反応物粉末0.2部と、ケイ石粉末0.2部と、トリポリリン酸ナトリウム粉末0.2部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18.9部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは7.9であった。
実施例11
前記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.1部と、前記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.4部と、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸とジシクロヘキシルアミンの反応物粉末0.4部と、オルトリン酸とアンモニアの反応物粉末0.4部と、ケイ石粉末0.5部と、リン酸1水素カルシウム粉末0.2部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは8.0であった。
実施例12
前記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.2部と、前記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.2部と、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸とモルホリンの反応物粉末0.5部と、リン酸1水素カルシウム粉末0.5部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18.6部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは7.7であった。
実施例13
前記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.2部と、前記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.2部と、サリチル酸とジシクロヘキシルアミンの反応物粉末0.5部と、リン酸1水素カルシウム粉末0.5部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18.6部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは7.8であった。
実施例14
前記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.1部と、前記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.5部と、パラニトロ安息香酸とジシクロヘキシルアミンの反応物粉末0.6部と、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム粉末0.2部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18.6部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは7.8であった。
実施例15
前記実施例2で得たBTA・1/2Na粉末0.2部と、前記実施例1で得たTTA・1/2Na粉末0.2部と、セバシン酸ナトリウム粉末1部と、ベントナイト粉末0.6部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは8.7であった。
実施例16
前記実施例3で得たTTA・1/2Ca粉末0.6部と、前記実施例4で得たBTA・1/2Ca粉末0.3部と、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸とジシクロヘキシルアミンの反応物粉末0.6部と、サリチル酸ナトリウム粉末0.2部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18.3部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは8.1であった。
比較例1
粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)20部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmのブランクフィルムを作成した。
比較例2
前記実施例2で用いたBTA粉末0.2部と、前記実施例1で用いたTTA粉末0.5部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)19.3部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは5.0であった。
比較例3
前記実施例2で用いたBTA粉末0.5部と、前記実施例1で用いたTTA粉末0.5部と、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸とジシクロヘキシルアミンの反応物粉末0.5部と、ケイ石粉末0.5部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で防錆フィルムの作成を試みた。しかし、フィルム作成時に凝集物が生成してインフレーション装置の内部フィルタに詰まりを生じ、フィルムに切れ破壊が生じてフィルム成形ができなかった。なお、用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは5.5であった。
比較例4
ジシクロヘキシルアミンの安息香酸塩粉末2部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%水溶液のpHは6.9であった。
比較例5
ジシクロヘキシルアミンの亜硝酸塩粉末2部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセンNM15PW」)18部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。防錆剤粉末の1%水溶液のpHは6.8であった。
比較例6
亜硝酸ナトリウム粉末0.5部と、安息香酸ナトリウム粉末1部と、リン酸1水素アンモニウム粉末0.5部と、粒状低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「ペトロセン180」)80部、および粉末低密度ポリエチレン(東ソー社製の商品名「MCポリマーNM15PW」)18部を混合し、インフレーション装置を用いて溶融温度135℃で厚さ100μmの防錆フィルムを作成した。用いた防錆剤粉末の1%のpHは6.8であった。
上記実施例、比較例のフィルム製造時の作業環境と、得られたフィルムの外観を表1に示す。
また、上記で得た各フィルムについて下記の防錆試験を行い、結果を表2に示した。
[防錆試験]
供試金属板の種類
鋼板:SPCC−SB(冷間圧延鋼板)(60×80×1.2mm)
亜鉛板:旧2種(60×40×1.5mm)
黄銅板:C3713(快削黄銅)(60×40×2mm)
銅板:C1100P(タフピッチ銅)(60×40×1.5mm)
アルミニウム板:A1050P(60×40×1.5mm)
供試金属板の前処理
鋼板は、#240の研磨布で乾式研磨後、メタノールとアセトンで脱脂、洗浄してから乾燥し、また、亜鉛板、黄銅板、銅板およびアルミニウム板は、#320の耐水研磨紙を用いて脱イオン水中で研磨した後、メタノールおよびアセトンで脱脂、洗浄してから乾燥する。
[防錆試験法]
供試フィルムによる密封保持:上記実施例、比較例で得た各防錆フィルムを用いて袋を作成し、接触試験用としては、各袋に供試金属板を入れてから内部の空気を抜気し、ヒートシールして金属試験片を防錆フィルムに接触させた状態で密封保持し、また非接触試験用としては、各々の防錆フィルムで作成した袋に供試金属板を装入し、内部に空気を吹き込んでからヒートシールして密封し、供試金属板のエッジ以外は防錆フィルムに接触させない状態で密封保持する。
防錆試験:上記の密封保持体を、JIS K 2246で規定する「さび止め油5.34湿潤試験方法」の湿潤試験器(49±1℃、相対湿度95%以上)に吊り下げ、各金属試験板表面の表面状況を毎日観察し、さび、変色が発生するまでの日数を確認する。試験日数は30日で打ち切りとした。
表1,2から明らかな様に、実施例5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15の防錆フィルムは、フィルム製造時における環境汚染の問題を全く生じることなく、外観も問題のない透明なフィルムを作成することができる。実施例16の防錆フィルムは、フィルム作成時に他の実施例に比べて少し臭気が感じられた。これは、BTA・1/2CaやTTA・1/2Caがナトリウム塩よりも結合が弱く、フィルムの形成温度(135℃)でフリーのBTAやTTAが気化したものと考えられる。このことは、粉末の示差熱天秤測定において、ナトリウム塩は150℃以上で減量が確認されるのに対し、カルシウム塩は100℃以上で減量が確認されるのに符合する。
他方、比較例2,3,4,5は臭気が発生して作業環境の悪化が激しく、また、フィルム製造時に凝集物が発生した比較例3では、インフレーション成形時に切れを生じてフィルムの作成ができなかった。また比較例2,4,5,6では、ブリードが発生して透明なフィルムを得ることができなかった。
防錆試験結果については、実施例5の防錆フィルムは、比較例1に比較して全ての金属板に対して優れた防錆能を示しており、実施例6の防錆フィルムは、比較例2の防錆フィルムに比べて明らかに優れた防錆効果を示している。また、実施例7,11,16と、第2、第3成分を配合する毎に防錆効果の向上が認められる。
TTA・1/2Na量の配合量が少ない実施例10,12,13,15は、亜鉛板に対する防錆効果が実施例6,7,8,9,11,14,16よりも若干低下するが、有機酸アミン塩のみを配合した比較例4に比べると優れた防錆効果が得られている。亜硝酸塩系の防錆剤を用いた比較例5,6は、亜鉛、亜鉛合金である黄銅板や、銅板に対する防食性が乏しい。
本発明では、前記式(1)で示されるトリアゾール化合物の代表例である例えばベンゾトリアゾール(融点:98℃、以下、BTAと略記する)またはトリルトリアゾール(融点:88℃、以下、TTAと略記する)の1モルに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の1/2モルを結合させた1/2金属塩とすることで、融点が150℃以上の金属防錆能を有する粉末状の化合物として得ることができ、これを金属防錆成分として使用することで、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂に対し容易に練り込むことができる。しかも、練り込み時の臭気や有害ガスの放出により作業環境を悪化させることがなく、またアミン成分などとの間で凝集などを起こすこともなく容易にフィルム化することができる。また、フィルム内ではアミン成分などとの間で複分解反応を起こして一段と優れた気化性防錆効果を示す。よって、このフィルムをフィルム状に加工し、水分やハロゲンイオン、硫黄含有ガスなどの腐食因子によって腐食を受け易い金属製品や金属部品を密閉することで、当該フィルムに接触した部分はもとより、非接触の部分でも、気化した防錆成分が金属製品や金属部品の表面に吸着して防錆皮膜を形成し、或いは、防錆フィルムで腐食因子を遮断したり吸収固定化したりすることで、卓越した防錆能を発揮する。

Claims (14)

  1. (1)で示されるトリアゾール化合物の1モルに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物の0.5モルが結合したものであることを特徴とする金属防錆性化合物粉末。
    (式中、Rは水素またはメチル基を表す)
  2. (1)で示されるトリアゾール化合物:1モルと、アルカリ金属またはアルカリ土類金属:0.4〜0.7モルを、50℃以上の温度で水に溶解反応させ、濃度を10〜40質量%とした水溶液を40℃以下に冷却し、生成する結晶を固液分離したのち乾燥することを特徴とする金属防錆性化合物粉末の製法。
    (式中、Rは水素またはメチル基を表す)
  3. (1)で示されるトリアゾール化合物:1モルと、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物:0.5モルを、水中で溶解反応させた後、噴霧乾燥もしくは凍結乾燥することを特徴とする金属防錆性化合物粉末の製法。
    (式中、Rは水素またはメチル基を表す)
  4. 求項1に記載の金属防錆性化合物粉末を含有することを特徴とする金属防錆用組成物。
  5. 他の成分として、オルトリン酸、有機ホスホン酸、芳香族カルボン酸および芳香族スルホン酸のアミン塩よりなる群から選択される少なくとも1種のアミン塩の粉末を含有する請求項4に記載の金属防錆用組成物。
  6. 前記有機ホスホン酸が、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の金属防錆用組成物。
  7. 前記芳香族カルボン酸および芳香族スルホン酸が下記式(2)および/または(3)で示されるものである請求項5に記載の金属防錆用組成物。
    [上記式(2)において、Xはカルボキシル基又はスルホン酸基を表し、A1〜A5は、同一もしくは異なってもよく、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、水素、アルキル基のいずれか1種または2種以上の組合せを表し、また、記式(3)において、Y,Zはいずれか一方がカルボキシル基又はスルホン酸基であり、Y,Zのうち、カルボキシル基又はスルホン酸基が置換していない方の置換基、およびA6〜A11は、同一若しくは異なってもよく、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、水素、アルキル基のいずれか1種または2種以上の組合せを表す
  8. 前記アミン塩が、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、モルホリン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、プロピルアミン、エチルアミン、メチルアミン、アンモニウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5〜7のいずれかに記載の金属防錆用組成物。
  9. 更に他の成分として、珪素含有化合物、リン酸化合物、硝酸化合物、有機酸化合物、金属化合物、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、(2−ベンゾチアゾリルチオ)酢酸、3−(2−ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸、サリチルアミド、ヒドロキシ脂肪酸金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項4〜8のいずれかに記載の金属防錆用組成物。
  10. 1質量%水溶液のpHが4〜10を示すものである請求項4〜9のいずれかに記載の金属防錆用組成物。
  11. 鉄鋼、銅、亜鉛、アルミニウムまたは銀を含む金属材の防錆に使用されるものである請求項4〜10のいずれかに記載の金属防錆用組成物。
  12. (2)で表される芳香族カルボン酸又は芳香族スルホン酸が安息香酸、ニトロ安息香酸、アミノ安息香酸、サリチル酸、トルイル酸、ブチル安息香酸、トルエンスルホン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の金属防錆用組成物。
  13. (3)で表される芳香族カルボン酸又は芳香族スルホン酸がヒドロキシナフトエ酸、ナフチオン酸、7−ヒドロキシナフタレンスルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の金属防錆用組成物。
  14. 求項4〜13のいずれかに記載された金属防錆用組成物が熱可塑性樹脂に混入され、フィルム状に成形されたものであることを特徴とする金属防錆用フィルム。
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