JP5119695B2 - 排ガス浄化フィルタの製造方法 - Google Patents

排ガス浄化フィルタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンから排出される排ガス中に含まれるパティキュレート(固体状炭素微粒子、液体あるいは固体状の高分子量炭化水素微粒子)を捕集・燃焼して排ガスを浄化する排ガス浄化装置に関するものである。
ディーゼルエンジンから排出される排ガスに含まれるパティキュレートは、その粒子径がほぼ1μm以下で大気中に浮遊しやすく、呼吸時に人体に取り込まれやすい。
また、このパティキュレートは発ガン性物質も含んでいることから、ディーゼルエンジンから排出されるパティキュレートに対する規制が強化されつつある。
排ガスからのパティキュレートを除去する排ガス浄化フィルタとして、排ガス流にディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPF)がある。DPFとは、セラミックスなどの多孔質材料からなる隔壁によって区画された排ガス流路となる複数のセルを有する三次元構造体であり、セル両端のうち一方を交互にプラグで栓詰めされているハニカムフィルタである。ディーゼルエンジンから排出される排ガスがDPFの多数のセル内に流入し、多孔質材料の隔壁を排ガスが通過する際に隔壁表面及び隔壁に存在する細孔内の壁面に排ガス中に含まれるパティキュレートが捕集される仕組みになっている。
しかしながら、ディーゼルエンジンから排出される排ガスに含まれるパティキュレートは100nm以下の非常に微細な粒子を含むため、DPFの多孔質材料の隔壁を通過してしまうという課題があった。また、DPFはパティキュレートが連続的に捕集され続けると、DPF前後の差圧が上昇してエンジン出力の低下に繋がるという課題があった。
このような課題を克服するべく、特許文献1には、DPFの多孔質材料の隔壁厚みを250μm以下とし、気孔率を40%以上とし、平均細孔径を3〜7μmとし、細孔径が10μm以上の細孔の容積を全細孔容積の20%以下とする排ガス浄化フィルタが開示されており、圧力損失を上昇させることなく、0.08μm以下の細かい固体微粒子の捕集特性を向上させている。
特開2001−269585号公報
このような従来の排ガス浄化フィルタには、以下の課題があった。
DPFの多孔質材料の隔壁厚み、気孔率、平均細孔径、細孔容積を制御することによっ
て、パティキュレートが捕集されていない状態における排ガス浄化フィルタの圧力損失を低く抑えることは可能になるが、実際のディーゼルエンジンから排出される排ガス流にDPFを配置した場合、DPFの多孔質材料の隔壁表面及び隔壁に存在する細孔内の壁面にパティキュレートが捕集され、堆積層が形成されるに従ってDPFの圧損が上昇するという課題があった。
さらに、DPFの隔壁表面及び隔壁に存在する細孔内の壁面に捕集することによってパティキュレートの堆積層が形成され、それによって細かい固体微粒子の捕集特性を向上させることは可能であるが、ディーゼルエンジンから排出される排ガス温度程度では燃焼除去させることができず、DPFの圧損の上昇に繋がるため、電気ヒータで排ガス温度を上昇させたり、排ガス中に燃料を噴射して排ガス温度を上昇させたりして堆積したパティキュレートを燃焼除去した際に、パティキュレートの堆積層が燃焼除去されるとパティキュレートの捕集効率が低下してしまうという課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、ディーゼルエンジンの排ガス温度程度で堆積したパティキュレートを燃焼除去することで堆積層が形成されるに従ってDPFの圧損が上昇することを防止できると共に、堆積したパティキュレートが燃焼除去されても高い捕集効率を維持することができる排ガス浄化フィルタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においては、多孔質材料からなる隔壁によって区画された排ガス流路となる複数のセルを有する三次元構造体と、前記隔壁の表面及び/または隔壁に存在する細孔内の壁面に担持された酸化触媒とを備えた排ガス浄化フィルタにおいて、多孔質材料のディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)をチタニアゾルに浸漬し、この状態で減圧し、前記チタニアゾルから引き上げた後、不織布と接触させて余剰のチタニアゾルを除去し、液体窒素に浸漬した後、減圧乾燥し、さらに、酸化焼成することによって、排ガス浄化フィルタが有する細孔の内、平均細孔径が15μm以下で、かつ、5μm以上から25μm以下の細孔容積の合計が、全細孔容積の80%以上とし、さらに、前記三次元構造体の隔壁の表面および/または隔壁に存在する細孔内の壁面には、金属塩と、1族の金属の硫酸塩および/または2族の金属の硫酸塩とを、溶解させた水溶液を用いて添着させることにより、ディーゼルエンジンの排ガス温度程度で堆積したパティキュレートを燃焼除去し、堆積したパティキュレートが燃焼除去されても高い捕集効率を維持することができるようにしたことを特徴としている。そして、三次元構造体の隔壁の表面や隔壁に存在する細孔内の壁面に均一に酸化触媒を担持することができるようにしたものである。
本発明によれば、隔壁の表面及び/または隔壁に存在する細孔内の壁面に担持された酸化触媒によってディーゼルエンジン排ガス温度程度でも堆積したパティキュレートを燃焼除去することができるためDPFの圧損上昇を低く抑え、また、細孔径を制御することによって隔壁表面にパティキュレートが衝突する確率が上昇し、堆積したパティキュレートが燃焼除去されてもパティキュレートの捕集効率を高く維持できる排ガス浄化フィルタが得られる。そして、三次元構造体の隔壁の表面や隔壁に存在する細孔内の壁面に均一に酸化触媒を担持することができるようにしたので、排ガス温度程度でもパティキュレートを燃焼除去することができる排ガスフィルタを製造することができるようになる。
本発明の評価例1の排ガス試験を表す図 本発明の実施例1、実施例2、実施例3および比較例1の評価例2における細孔分布評価の結果を示す図
本発明の請求項1に記載の発明は、多孔質材料からなる隔壁によって区画された排ガス流路となる複数のセルを有する三次元構造体と、隔壁の表面および/または隔壁に存在する細孔内の壁面に担持された酸化触媒とを備えた排ガス浄化フィルタにおいて、孔質材料のディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)をチタニアゾルに浸漬し、この状態で減圧し、前記チタニアゾルから引き上げた後、不織布と接触させて余剰のチタニアゾルを除去し、液体窒素に浸漬した後、減圧乾燥し、さらに、酸化焼成することによって、排ガス浄化フィルタが有する細孔の平均細孔径が15μm以下で、かつ、5μm以上から25μm以下の細孔における細孔容積の合計が、全細孔容積の85%以上とし、さらに、前記三次元構造体の隔壁の表面および/または隔壁に存在する細孔内の壁面には、金属塩と、1族の金属の硫酸塩および/または2族の金属の硫酸塩とを、溶解させた水溶液を用いて添着させることを特徴とする排ガス浄化フィルタの製造方法である。
このような排ガス浄化フィルタを製造することによって、隔壁の表面及び/または隔壁に存在する細孔内の壁面に担持された酸化触媒によってディーゼルエンジン排ガス温度程度でも堆積したパティキュレートを燃焼除去することができるため排ガス浄化フィルタの圧力損失の上昇を低く抑え、また、排ガス浄化フィルタが有する細孔の細孔径を制御することによって隔壁表面にパティキュレートが衝突する確率が上昇し、堆積したパティキュレートが燃焼除去されてもパティキュレートの捕集効率を高く維持できる排ガス浄化フィルタが得られる。
また、この構成によって、三次元構造体の隔壁の表面や隔壁に存在する細孔内の壁面に均一に酸化触媒を担持することができるようになり、堆積したパティキュレートと酸化触媒との接触性が向上し、排ガス温度程度でもパティキュレートを燃焼除去することができる排ガスフィルタを製造することができるようになる。種々の金属を酸化触媒として利用する際に、種々の金属を含む粒子を水に分散させたスラリーを用いて三次元構造体に添着することもできるが、粒子をナノオーダーレベルの非常に細かい粒子径にまで微粉砕しなければならないし、また、微粉化できたとしてもスラリー中で種々の金属を含む粒子を1次粒子として分散させなければ均一に担持させることは実現できない。これに対して、種々の金属の塩を水溶液として溶解することができれば粒子の分散スラリーと比べて非常に均一な水溶液となり、三次元構造体の隔壁の表面や隔壁に存在する細孔内の壁面に均一に添着することが可能になる。
また、金属塩と、1族の金属の硫酸塩および/または2族の金属の硫酸塩とを、溶解させた水溶液を用いて三次元構造体の隔壁の表面および/または隔壁に存在する細孔内の壁面に添着させる方法として、三次元構造体を水溶液中に浸漬することで添着させても良いし、三次元構造体は固定したまま水溶液を上昇および/または下降や、平行移送させることで添着させても良いし、三次元構造体は固定したまま水溶液を吹き付けや滴下によって添着させても良い。
また、多孔質材料からなる隔壁によって区画された排ガス流路となる複数のセルを有する三次元構造体と、隔壁の表面および/または隔壁に存在する細孔内の壁面に担持された酸化触媒とを備えた排ガス浄化フィルタにおいて、チタニアの担持量を前記DPFに対して21.3重量%とすることによって、排ガス浄化フィルタが有する細孔の平均細孔径が8〜10μmで、かつ、5μm以上から15μm以下の細孔における細孔容積の合計が、全細孔容積の80%以上としたことを特徴とする排ガス浄化フィルタの製造方法である。
このような排ガス浄化フィルタを製造することによって、ディーゼルエンジンを高負荷
運転した際に発生する比較的高温の排ガスによって、排ガス浄化フィルタに担持された酸化触媒が活性化し、排ガス浄化フィルタに堆積したパティキュレートが燃焼除去してしまった場合にも、高い捕集効率を維持することが可能になる。
また、排ガス浄化フィルタの圧力損失を低く保つことが可能になる。
また、排ガス浄化フィルタの気孔率が40%以上であることを特徴とする排ガス浄化フィルタの製造方法である。
このような排ガス浄化フィルタを製造することによって、排ガス浄化フィルタの高い捕集効率を維持したまま、排ガス浄化フィルタの圧力損失を低く保つことが可能になる。
また、排ガス浄化フィルタの隔壁厚みが450μm以下であることを特徴とする排ガス浄化フィルタの製造方法である。
このような排ガス浄化フィルタを製造することによって、排ガス浄化フィルタの高い捕集効率を維持したまま、排ガス浄化フィルタの圧力損失を低く保つことができるようになる。
また、排ガス浄化フィルタのセル数が1平方インチ当たり100セル以上であることを特徴とする排ガス浄化フィルタの製造方法である。
このような排ガス浄化フィルタを製造することによって、排ガス浄化フィルタの高い捕集効率を維持したまま、排ガス浄化フィルタの圧力損失を低く保つことが可能になる。
また、多孔質材料がコージェライト、炭化珪素、ステンレスの内のいずれか一つ以上の材料であることを特徴とする排ガス浄化フィルタの製造方法である。
このような排ガス浄化フィルタを製造することによって、長期に渡って排ガスに暴露されることになる排ガス浄化フィルタの排ガス温度に対する熱耐久性が確保できると共に、機械的振動に対する耐振動性が確保でき、排ガス中に含まれる腐食性ガスに対する耐腐食性を確保することができるようになる。また、酸化触媒と多孔質材料との密着性が向上するため排ガス浄化フィルタから酸化触媒が剥離することを防止することができる。また、比較的安価に入手することができるため製品コストを低減することできるし、機械的強度が高いことによって排ガス浄化フィルタの製造プロセスにおけるハンドリング性が向上する。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
直径が7.5インチ、高さが7インチ、セル数が1平方インチ当り100セル、壁厚みが430μmのコージェライト製DPFをチタニアゾルに浸漬し、浸漬した状態で減圧装置内に設置した。減圧装置内を約10kPaまで減圧し、その状態を5分間維持した。次に、DPFをチタニアゾルから引き上げた後、DPFを不織布と接触させ、余剰のチタニアゾルを除去した。次に、チタニアゾルを添着したDPFを液体窒素に浸漬して、添着したチタニアゾルを凍結させた後、真空凍結乾燥装置を用いて乾燥させた。次に、電気炉を用いて、チタニアゾルを添着したDPFを600℃で5時間酸化焼成して、チタニアを均一にDPFの隔壁表面及び隔壁に存在する細孔内の壁面に担持した。次に、純水3Lに、硫酸セシウムを1140gと、硫酸銅五水和物を600gと、酸化硫酸バナジウムを79
0gと、酢酸マンガン四水和物を3gとを溶解させ、触媒成分を含む水溶液を調製した。
次に、調製した水溶液にチタニアを均一に担持したDPFを浸漬した状態で減圧装置内に設置した。減圧装置内を約10kPaまで減圧し、その状態を5分間維持した。その後、DPFを不織布と接触させ、余剰の触媒成分を含む水溶液を除去した。次に、DPFを液体窒素に浸漬して、添着した触媒成分を含む水溶液を凍結させた後、真空凍結乾燥装置を用いて乾燥させた。次に、電気炉を用いて、DPFを700℃で5時間焼成して、酸化触媒が均一に担持された実施例1の排ガス浄化フィルタを製造した。実施例1の排ガス浄化フィルタは、チタニア担持量がDPF重量に対して11.4%で、酸化触媒担持量がDPF重量に対して15.1%であった。
なお、実施例1、実施例2および実施例3ではチタニアゾルを用いてDPFの隔壁が有する細孔を制御したが、その他の無機材料を用いて細孔を制御しても良いし、DPF製造の原料である骨材や造孔材の種類、粒子径、配合割合を調整することによって細孔制御したものでも良く、重要なことは三次元構造体の隔壁及び/または隔壁に存在する細孔内の壁面に酸化触媒を担持した際に形成される排ガス浄化フィルタが有する細孔が制御されているかどうかである。
また、実施例1では多孔質材料からなるDPFとしてコージェライト製DPFを用いたが、炭化珪素製DPFでも良いし、連通した気孔構造を有する発泡金属製DPFや金属繊維製DPFなどでも良い。
また、実施例1ではDPFを凍結させる際、液体窒素に浸漬したが、その他の冷温液体を用いても良いし、真空凍結乾燥装置などを用いて減圧して溶媒を気化させ、その気化熱により凍結させてもよい。
(実施例2)
実施例1と同様のDPFにチタニア濃度を変更してDPFに担持し、チタニアの担持量はDPF重量に対して21.3%で、酸化触媒の担持量はDPF重量に対して14.1%とし、これを実施例2とした。
(実施例3)
実施例1と同様のDPFにチタニア濃度を変更してDPFに担持し、チタニアの担持量はDPF重量に対して30.7%で、酸化触媒の担持量はDPF重量に対して12.4%とし、これを実施例3とした。
(比較例1)
実施例1と同様のDPFに、チタニアを担持せずに、酸化触媒のみを担持し、酸化触媒の担持量はDPF重量に対して16.0%とし、これを比較例1とした。
(評価例1)
実施例1、実施例2、実施例3及び比較例1で得た排ガス浄化フィルタを用いて、以下のような排ガス試験を行った。行った排ガス試験を、図1を参照しながら説明する。
排気量4.3Lのディーゼルエンジン1を使用し、ディーゼルエンジン1からの排気ラインには切替え弁2を設けてバイパスライン3と本ライン4の二ラインを設置し、本ライン4側には酸化触媒ハニカム5を前段に、排ガス浄化フィルタ6を後段に設置した。本排ガス試験で使用した酸化触媒ハニカム5は、直径が7.5インチ、高さが3インチ、セル数が1平方インチ当り300セル、壁厚みが200μmのコージェライト製ハニカムで、ハニカムの表面には酸化触媒である白金をハニカム容積1L当り約5gの割合で担持した
ものである。バイパスライン3側に排気しながらディーゼルエンジン1を1,500rpm、トルク21kgmの条件で1時間作動させて排気を安定させた後、切替え弁2によって排ガス浄化フィルタ6を設置した本ライン4側に排ガスを導入した。
エンジン回転数は1,500rpm一定の状態で、排ガス温度は、酸化触媒ハニカム5に流入する直前の排ガス温度を熱電対で測定し、250℃から460℃の範囲で8段階の設定温度を設け、ディーゼルエンジン1への負荷をダイナモで変えていくことで各設定温度を30℃刻みで昇温して排ガス試験を行った。各設定温度の保持時間は、40分間とした。ここで、設定温度の250℃から460℃は、ディーゼルエンジン1を通常作動させる際に発生する排ガス温度レベルである。排ガス試験中は、圧力センサー7を用いて酸化触媒ハニカム5上流と排ガス浄化フィルタ6下流の位置における静圧を測定し、酸化触媒ハニカム5と排ガス浄化フィルタ6とを合せた前後の差圧を算出すると共に、酸化触媒ハニカム5上流と排ガス浄化フィルタ6下流の位置におけるパティキュレート濃度をスモークメータ8を用いて測定した。
排ガスに含まれるパティキュレートが排ガス浄化フィルタ6に捕集されるにつれて、酸化触媒ハニカム5と排ガス浄化フィルタ6とを合せた前後の差圧が上昇していくが、排ガス温度が上昇するに従って触媒活性が上がるため、捕集されたパティキュレートが燃焼除去されることで差圧が下がる。このような差圧のプロファイルから各温度における単位時間当りの差圧変化率を算出し差圧変化率がゼロとなった時の温度をBPT(Balance Point of Temperature)と定義し、このBPTが低いほど触媒浄化フィルタ6の触媒活性が高いものとして評価した。また、酸化触媒ハニカム5上流と排ガス浄化フィルタ6下流の位置で測定したパティキュレート濃度から250℃から460℃全域における平均捕集効率を算出した。また、排ガス温度が高温になるほどパティキュレートを燃焼する触媒の活性が向上し、排ガス浄化フィルタ6におけるパティキュレートの堆積層が減少して捕集効率が低下する虞があるので460℃における平均捕集効率も算出した。結果を表1に示す。
今回排ガス浄化フィルタ6の前段に配置している酸化触媒ハニカム5は全ての例において同じものであるため、単純に今回のBPTの結果を排ガス浄化フィルタ6の触媒活性の指標として見た時、実施例1が307℃、実施例2が305℃、実施例が290℃、比較例1が310℃となり、全ての例においてディーゼルエンジン1の排ガス温度程度でパティキュレートを燃焼除去できることが分かった。BPTの結果を詳細に比較すると、チタニアの担持量が増えるほどBPTは低くなっていることから、チタニアを担持することによってパティキュレートと接触できる面積が増大し、パティキュレートをより低温から燃焼除去できるようになったと考えられる。
また、250℃から460℃全域におけるパティキュレートの平均捕集効率の結果は、実施例1が90%、実施例2が96%、実施例3が99%、比較例1が87%となり、チ
タニアを担持して排ガス浄化フィルタ6として有する細孔の細孔径を制御することによって平均捕集効率が向上することが分かった。さらに、排ガス浄化フィルタの隔壁が有する細孔を制御することによって平均捕集効率が向上する効果は、460℃の時に明確に現れ、実施例1が84%、実施例2が97%、実施例3が100%、比較例1が71%となり細孔制御した場合と細孔制御していない場合とで平均捕集効率に顕著な差が生じた。
なお、本発明を開示するに当たってはチタニアゾルを用いてDPFの隔壁が有する細孔を制御したが、その他無機材料を用いても良いし、DPF製造の原料である骨材や造孔材の種類、粒子径、配合割合を調整することによって細孔制御したものでも良く、重要なことは三次元構造体の隔壁及び/または隔壁に存在する細孔内の壁面に酸化触媒を担持した際に形成される排ガス浄化フィルタが有する細孔が制御されているかどうかである。
本発明の効果は評価例1の排ガス試験結果によって示すことができた。さらに評価例2では、実施例1、実施例2、実施例3および比較例1における排ガス浄化フィルタ6がどのような特徴を有する構造体になっているかを明確にするために評価例2に示す試験を行った。
(評価例2)
実施例1、実施例2、実施例3および比較例1で用いたコージェライト製DPFから、プラグで栓詰めされた部分を除いた箇所で、30mm×30mm×50mm程度のテストピースを切出し、実施例1、実施例2、実施例3、比較例1と同じ製法によってチタニア及び酸化触媒を担持した排ガス浄化フィルタのテストピースを用意した。これらのテストピースが有する細孔特性(平均細孔径、気孔率、細孔容積)に関して水銀圧入法により評価した。
図2には実施例1、実施例2、実施例3および比較例1と同じ製法によってチタニア及び酸化触媒を担持した排ガス浄化フィルタのテストピースの隔壁が有する細孔の細孔径に対する相対細孔容積を示したグラフである。ここで相対細孔容積とは、各例におけるテストピースが有する細孔の細孔容積を比較例1の全細孔容積で除した値である。実施例1、実施例2、実施例3の細孔分布は比較例1の細孔分布と比較して、チタニアを担持しているため細孔径は小さく、かつ、細孔分布は狭く制御できていることが分かる。
表2には実施例1、実施例2、実施例3、比較例1と同じ製法によってチタニア及び酸化触媒を担持した排ガス浄化フィルタのテストピースの平均細孔径、気孔率、及び各例のテストピースが有する細孔の細孔容積の全細孔容積に対する割合を表している。
比較例1は、15μm未満の細孔径が存在しないのに対して、実施例1は72%、実施例2は92%、実施例3は96%存在し、パティキュレートの捕集効率を向上させるためには平均細孔径が15μm以下であることが重要であることが分かる。さらに例え平均細孔径が15μm以下でも幅広い細孔分布であればパティキュレートの捕集効率は向上させることはできないため、実施例1の結果からも分かるように5μm以上から25μm以下
の細孔における細孔容積の合計が、全細孔容積の85%以上となるような細孔分布であることも重要である。
また、実施例2の結果から分かるように、平均細孔径が10μm以下で、かつ、5μm以上から15μm以下の細孔における細孔容積の合計が、全細孔容積の80%以上であると捕集効率をさらに向上させることができることが分かる。ここで、実施例3の結果は、平均細孔径が7μm、気孔率が34%と非常に小さいものであるが、パティキュレートの捕集効率は実施例2のそれと比べてさほど大きな向上が見られないことから、細孔径や気孔率が小さくなるほど排ガス浄化フィルタ自体の圧力損失が増大してくることから、実施例3までの平均細孔径や気孔率にはする必要が無い。
また、データとしては示さないが、排ガス浄化フィルタの隔壁の厚みが小さくなるほど、排ガス浄化フィルタ自体の圧力損失は下げられるため本発明で用いた450μmの壁厚みより小さくなるほど良い。また、データには示さないが、排ガス浄化フィルタの単位断面積当りのセル数が大きいほど排ガスの通気抵抗は大きくなるが、パティキュレートの濾過面積が増大するためパティキュレートと酸化触媒との接触確率が向上し、燃焼除去性能が高まるため、本発明で用いた1平方インチ当り100セルよりセル数は大きいほど良い。
本発明の排ガス浄化フィルタは、隔壁の表面及び/または隔壁に存在する細孔内の壁面に担持された酸化触媒によってディーゼルエンジン排ガス温度程度でも堆積したパティキュレートを燃焼除去することができるためDPFの圧力損失の上昇を低く抑え、また、細孔径を制御することによって隔壁表面にパティキュレートが衝突する確率が上昇し、高い捕集効率が維持できるなど、非常に有用であり、自動車だけでなく、建設機械、発電機、フォークリフト、耕運機、船舶などの排ガス浄化などにも適用できる。
1 ディーゼルエンジン
2 切替え弁
3 バイパスライン
4 本ライン
5 酸化触媒ハニカム
6 排ガス浄化フィルタ
7 圧力センサー
8 スモークメータ

Claims (6)

  1. 多孔質材料からなる隔壁によって区画された排ガス流路となる複数のセルを有する三次元構造体と、隔壁の表面および/または隔壁に存在する細孔内の壁面に担持された酸化触媒とを備えた排ガス浄化フィルタにおいて、
    多孔質材料のディーゼルパティキュレートフィルタ(以下DPF)をチタニアゾルに浸漬し、この状態で減圧し、
    前記チタニアゾルから引き上げた後、不織布と接触させて余剰のチタニアゾルを除去し、液体窒素に浸漬した後、減圧乾燥し、
    さらに、酸化焼成することによって、
    排ガス浄化フィルタが有する細孔の平均細孔径が15μm以下で、かつ、5μm以上から25μm以下の細孔における細孔容積の合計が、全細孔容積の85%以上とし、
    さらに、前記三次元構造体の隔壁の表面および/または隔壁に存在する細孔内の壁面には、金属塩と、1族の金属の硫酸塩および/または2族の金属の硫酸塩とを、溶解させた水溶液を用いて添着させることを特徴とする排ガス浄化フィルタの製造方法。
  2. チタニアの担持量を前記DPFに対して21.3重量%とすることによって、排ガス浄化フィルタが有する細孔の平均細孔径が8〜10μmで、かつ、5μm以上から15μm以下の細孔における細孔容積の合計が、全細孔容積の80%以上としたことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化フィルタの製造方法。
  3. 排ガス浄化フィルタの気孔率が40%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の排ガス浄化フィルタの製造方法。
  4. 排ガス浄化フィルタの隔壁の厚みが450μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタの製造方法。
  5. 排ガス浄化フィルタのセル数が1平方インチ当たり100セル以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタの製造方法。
  6. 多孔質材料がコージェライト、炭化珪素、ステンレスの内のいずれか一つ以上の材料であ
    ることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタの製造方法。
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