JP2008229459A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】強制再生時の再生効率を向上させるとともに、加速度的な昇温やそれに伴う熱暴走を防止し、フィルタ基材の熱損傷を防止する。
【解決手段】径方向内周部の触媒層には卑金属よりなりPMを酸化可能なPM酸化触媒を担持した卑金属担持部20を有し、径方向外周部の触媒層には貴金属触媒を担持した貴金属担持部21を有する。
卑金属担持部20での反応による発熱は小さく、貴金属担持部20は発熱量が大きい。したがって内外周部における温度差が小さくなり、外周部では燃え残りが防止され、内周部の下流部では熱損傷が生じるのが防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼル排ガスなどに含まれる粒子状物質(以下、PMという)を低温域から浄化でき、強制再生時におけるフィルタ基材の熱損傷を抑制できる排ガス浄化装置に関する。
ガソリンエンジンについては、排ガスの厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩とにより、排ガス中の有害成分は確実に減少している。一方、ディーゼルエンジンについては、有害成分がPM(炭素微粒子、サルフェート等の硫黄系微粒子、高分子量炭化水素微粒子( SOF)等)として排出されるという特異な事情から、ガソリンエンジンの場合より排ガスの浄化が難しい。
そこで従来より、セラミック製の目封じタイプのハニカム体(ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下 DPFという))が知られている。この DPFは、セラミックハニカム構造体のセルの開口部の両端を例えば交互に市松状に目封じしてなるものであり、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画するセル隔壁とよりなり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してPMを捕集する。
しかし DPFでは、PMの堆積によって圧力損失(以下、圧損という)が上昇するため、何らかの手段で堆積したPM(主にスート)を定期的に除去して再生する必要がある。そこで従来は、圧損が上昇した場合に高温の排ガスを流してPMを燃焼させることで DPFを再生することが行われている。例えば DPFの上流側に酸化触媒を配置し、HCやCOの多い排ガスを供給して酸化触媒における反応熱で排ガス温度を上昇させ、その高温の排ガスを DPFに供給することで堆積したPMを酸化する方法が知られている。しかしながらこの場合には、PMの堆積量が多いと加速度的な燃焼が生じ、時には熱暴走が生じて DPFの中心部や下流側端部に熱損傷が生じる場合がある。
そこで近年では、例えば特公平07−106290号公報に記載されているように、 DPFのセル隔壁の表面にアルミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金(Pt)などの触媒金属を担持したフィルタ触媒が開発されている。このフィルタ触媒によれば、捕集されたPMが触媒金属の触媒反応によって酸化燃焼するため、捕集と同時にあるいは捕集に連続して燃焼させることでフィルタ触媒を連続的に再生することができる。そして触媒反応は比較的低温で生じること、及び捕集量が少ないうちに燃焼できることから、フィルタ触媒に作用する熱応力が小さく破損が防止されるという利点がある。
また特開平09−094434号公報には、セル隔壁のみならず、セル隔壁の細孔内にも触媒金属を担持したコート層を形成したフィルタ触媒が記載されている。細孔内にも触媒金属を担持することで、PMと触媒金属との接触確率が高まり、細孔内に捕集されたPMも酸化燃焼させることができる。
ところがフィルタ触媒を用いても、触媒金属の活性化温度未満の低温域ではPMを酸化することは困難であり、PMの堆積によって圧損が上昇するため、強制再生は不可欠である。そこで特開2003−097251号公報には、内周部にPtなどの貴金属を担持し外周部にカリウムを担持したフィルタ触媒が提案されている。カリウムはPtなどの貴金属に比べて低温でPMを酸化できるため、外周部における燃焼開始が早まり、内外周でのPMの燃焼状態のばらつきを是正することができる。したがって内外周での再生度合いの格差を是正することができる。
また特開2003−161138号公報には、上流から下流に向け、あるいは外周から内周に向けて段階的又は連続的にPM酸化力が低くなるように構成されたフィルタ触媒が提案されている。この技術によれば、下流側あるいは内周部の触媒は酸化力が弱いため、急速なPMの酸化燃焼が回避され、その部分の温度の急激な上昇が防止される。したがってフィルタ基材の熱損傷を防止することができる。
特開2003−097251号公報 特開2003−161138号公報
しかしながら、上記公報に記載のように触媒の酸化力を制御するだけでは、熱暴走を止められないことが明らかとなった。すなわち、フィルタ触媒の上流側で再生に必要な温度(約 600℃)を確保すると、PMの酸化燃焼によって下流側の温度が 700℃を超える温度となり、この温度ではPMが自然燃焼するために熱暴走が生じる。特に、温度が高温となりやすい内周部にPtなどの貴金属が担持されていると、PMがCO2 まで酸化されるために発熱量がきわめて大きくなり、熱暴走が起こりやすい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、強制再生時の再生効率を向上させるとともに、加速度的な昇温やそれに伴う熱暴走を防止し、フィルタ基材の熱損傷を防止することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化装置の特徴は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁とを有するウォールフロー構造のフィルタ基材と、
セル隔壁に形成された触媒層と、を備えた排ガス浄化装置であって、
径方向内周部の触媒層には卑金属よりなりPMを酸化可能なPM酸化触媒を担持した卑金属担持部を有し、径方向外周部の触媒層には貴金属触媒を担持した貴金属担持部を有することにある。
卑金属担持部は、フィルタ基材の直径に対して1/4〜3/4の範囲に形成されていることが望ましい。
DPFやフィルタ触媒のようなハニカム体においては、外周部は内周部に比べて冷却されやすい。また排ガスを層流とみなせば、排ガスは内周部の方が流速が大きい。したがって強制再生時には、外周部に燃え残りが生じやすく、内周部の下流部に熱損傷が生じやすい。
そこで本発明の排ガス浄化装置は、PMを酸化可能な卑金属を担持した卑金属担持部を内周部に有している。卑金属よりなるPM酸化触媒はPMを酸化するもののCOまでの酸化に留まり、CO2 までは酸化が進まないと考えられ、卑金属担持部での反応による発熱は小さい。一方、外周部に担持された貴金属は、PMをCO2 まで酸化するため、貴金属担持部は発熱量が大きい。したがって内外周部における温度差が小さくなり、外周部では燃え残りが防止され、内周部の下流部では熱損傷が生じるのが防止される。
本発明の排ガス浄化装置は、フィルタ基材と、フィルタ基材のセル隔壁に形成された触媒層とからなる。このうちフィルタ基材は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁とをもつ従来の DPFと同様のウォールフロー構造のものである。
フィルタ基材は、金属フォームや耐熱性不織布などから形成することもできるし、コージェライト、炭化ケイ素などの耐熱性セラミックスから製造することもできる。例えば耐熱性セラミックスから製造する場合、コージェライト粉末を主成分とする粘土状のスラリーを調製し、それを押出成形などで成形し、焼成する。コージェエライト粉末に代えて、アルミナ、マグネシア及びシリカの各粉末をコージェライト組成となるように配合することもできる。その後、一端面のセル開口を同様の粘土状のスラリーなどで市松状などに目封じし、他端面では一端面で目封じされたセルに隣接するセルのセル開口を目封じする。その後焼成などで目封じ材を固定することでハニカム構造のフィルタ基材を製造することができる。流入側セル及び流出側セルの形状は、断面三角形、断面四角形、断面六角形、断面円形など、特に制限されない。
セル隔壁は、排ガスが通過可能な多孔質構造である。セル隔壁に細孔を形成するには、上記したスラリー中にカーボン粉末、木粉、澱粉、樹脂粉末などの可燃物粉末などを混合しておき、可燃物粉末が焼成時に消失することで細孔を形成することができ、可燃物粉末の粒径及び添加量を調整することで細孔の径と細孔容積を制御することができる。この細孔により流入側セルと流出側セルは互いに連通し、PMは細孔内に捕集されるが気体は流入側セルから流出側セルへと細孔を通過可能となる。
セル隔壁の気孔率は、40〜70%であることが望ましく、平均細孔径が10〜40μmであることが望ましい。気孔率及び平均細孔径がこの範囲にあることで、触媒層を 100〜 200g/L形成しても圧損の上昇を抑制することができ、強度の低下もさらに抑制することができる。そしてPMをさらに効率よく捕集することができる。
本発明の排ガス浄化装置は、フィルタ基材のセル隔壁に触媒層を有している。触媒層は、セル隔壁の表面のみでもよいが、セル隔壁の内部の細孔内表面にも形成することが望ましい。この触媒層は、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、あるいはこれらから選ばれる複数種からなる複合酸化物の一種又は混合物などから選ばれる多孔質酸化物を担体とし、この担体に触媒金属を担持してなる。
触媒層は、卑金属よりなりPMを酸化可能なPM酸化触媒を担持した卑金属担持部を径方向内周部に有し、貴金属触媒を担持した貴金属担持部を径方向外周部に有している。
卑金属担持部は、フィルタ基材の直径に対して1/4〜3/4の範囲に形成されていることが望ましい。卑金属担持部がフィルタ基材の直径に対して1/4未満の範囲では、貴金属担持部の範囲が広くなるために、強制再生時に内周部の下流部で熱損傷が生じやすくなる。また卑金属担持部がフィルタ基材の直径に対して3/4を超えると、貴金属担持部の範囲が狭くなるために、強制再生時にPMの燃え残りが生じやすくなり、平常の使用時に未反応のHCが多く排出される場合がある。
PM酸化可能な卑金属よりなるPM酸化触媒としては、アルカリ金属及びランタノイド元素から選ばれる少なくとも一種が好ましく、K、Cs、Rb、Ce、Ndなどが特に好ましい。
卑金属担持部における卑金属よりなるPM酸化触媒の担持量は、卑金属担持部の容積1リットルあたり 0.1〜 0.5モルの範囲が好ましい。PM酸化触媒の担持量が 0.1モル/Lより少ないとPMの浄化率が低下するとともに強制再生時に内周部においてPMの燃え残りが多くなる。またPM酸化触媒の担持量が 0.5モル/Lより多くなると、フィルタ基材との反応によってフィルタ基材の強度が低下するようになる。PM酸化触媒を担持するには、含浸担持法によって担持することができる。
貴金属担持部は、卑金属担持部の外周に形成されている。貴金属担持部に担持された貴金属触媒としては、酸化活性の高いPtを少なくとも含むことが望ましい。またPd、Rhなど、他の貴金属触媒をさらに担持してもよい。貴金属触媒の担持量は、貴金属担持部の1リットルあたり 0.1〜5gの範囲とすることが好ましい。担持量がこれより少ないと活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多く担持しても活性が飽和するとともにコストアップとなってしまう。また貴金属を担持するには、貴金属の硝酸塩などを溶解した溶液を用い、吸着担持法、含浸担持法などによって担持させることができる。
触媒層を形成するには、多孔質酸化物粉末をアルミナゾルなどのバインダ成分及び水とともにスラリーとし、そのスラリーをセル隔壁に付着させた後に焼成してコート層を形成し、不要な部位にマスキングを施して、コート層に貴金属触媒と卑金属よりなるPM酸化触媒とをそれぞれ担持すればよい。スラリーをセル隔壁に付着させるには通常の浸漬法を用いることができるが、エアブローあるいは吸引によって、セル隔壁の細孔に強制的にスラリーを充填するとともに、細孔内に入ったスラリーの余分なものを除去することが望ましい。
この場合のコート層あるいは触媒層の形成量は、フィルタ基材の1Lあたり30〜 200gとすることが好ましい。コート層あるいは触媒層が30g/L未満では、貴金属の耐久性の低下が避けられず、 200g/Lを超えると圧損が高くなりすぎて実用的ではない。
ところで強制再生時には、従来の技術で説明したように、フィルタ触媒の上流側に酸化触媒を配置し、燃料を排ガス中に添加するなどの方法でHCやCOの多い排ガスを供給して、酸化触媒における反応熱で排ガス温度を上昇させ、その高温の排ガスをフィルタ触媒に供給する方法が行われる場合が多い。この場合には、フィルタ触媒にはHC及びCOの濃度が高い排ガスが流入するが、卑金属担持部である内周部ではこれらの酸化活性が低く、HCなどの排出量が多くなる場合がある。
そこで本発明の排ガス浄化装置では、卑金属担持部の排ガス下流側の端部に、貴金属触媒をさらに担持した追加貴金属担持部をもつことが望ましい。この場合は、排ガス下流側端部では内周部から外周部まで全体に貴金属触媒が担持された構成となる。このようにすることで、卑金属担持部で酸化されなかったHCなどは追加貴金属担持部で酸化されるため、HCなどの排出を抑制することができる。
追加貴金属担持部は、排ガス下流側の端面から上流側へ50mm以内かつフィルタ基材全長の1/3以下の範囲に形成されていることが望ましい。追加貴金属担持部が排ガス下流側の端面から上流側へ50mmを超えて形成されたり、あるいはフィルタ基材全長の1/3を超えて形成されると、強制再生時に熱暴走が生じる場合がある。また追加貴金属担持部には、卑金属よりなるPM酸化触媒を担持しないことが望ましい。PM酸化触媒によって貴金属触媒の活性が低下する場合があるからである。
なお追加貴金属担持部の形成長さは、フィルタ基材がどれだけ長くても50mm以内とすればよい。過剰のHCなどを酸化するためには、50mm以内の範囲で十分だからである。追加貴金属担持部の形成長さの下限は、少しでも形成されていればその分HCなどを酸化できるが、一般には20mmもあれば十分である。
追加貴金属担持部における貴金属触媒の担持量は、貴金属担持部の担持量と同様に、追加貴金属担持部の1リットルあたり 0.1〜5gの範囲とすることが好ましい。また担持される貴金属触媒種は、貴金属担持部と同一種でもよいし異種の貴金属触媒を担持してもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1、2に本実施例の排ガス浄化装置を示す。この排ガス浄化装置はフィルタ触媒であり、排ガス下流側で目詰めされた流入側セル10と、流入側セル10に隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セル11と、流入側セル10と流出側セル11を区画するセル隔壁12と、からなるフィルタ基材1と、セル隔壁12の表面及び細孔内表面に形成された図示しない触媒層とからなる。
触媒層は、PM酸化触媒としてのカリウムが担持された卑金属担持部20を内周部に有し、その外周部にPtが担持された貴金属担持部21を有している。卑金属担持部20は、フィルタ基材1の中心軸を中心にして直径40mmの範囲に形成され、フィルタ基材1の直径に対して40/ 130(1.23/4)の範囲に形成されている
以下、卑金属担持部20と貴金属担持部21とからなる触媒層の製法を説明し、その構成の詳細な説明に代える。
直径 130mm、長さ 150mmのコージェライト製フィルタ基材1(ウォールフロー構造、12mil/300cpsi)を用意した。次にγ-Al2O3粉末をアルミナゾル及びイオン交換水とともに粘度が100cps以下となるように混合してスラリーを調製し、固形分粒子の平均粒径が1μm以下となるようにミリングした。そして上記フィルタ基材1をこのスラリーに浸漬してセル内部にスラリーを流し込み、引き上げて浸漬側と反対側の端面から吸引することで余分なスラリーを除去し、 120℃で2時間通風乾燥後 600℃で2時間焼成した。この操作は2回行われ、流入側セル10及び流出側セル11にほぼ同量のコート層が形成されるように調整した。コート層の形成量は、フィルタ基材1の1リットルあたり 100gである。
次に、コート層が形成されたフィルタ基材1の中心からφ40mmの範囲について両端面をマスキングし、マスキングされていない外周部に所定濃度のジニトロジアンミン白金水溶液の所定量を吸水させ、60℃で温風乾燥後に 120℃で2時間通風乾燥してPtを担持し、貴金属担持部21を形成した。Ptの担持量は、貴金属担持部21の容積1リットルあたり1gである。
上記マスキングを除去した後、フィルタ基材1の中心からφ40mmの範囲を除く外周部について両端面をマスキングし、中心からφ40mmの範囲に所定濃度の酢酸カリウム水溶液の所定量を吸水させた。マスキングを除去した後、60℃で温風乾燥後に 120℃で2時間通風乾燥し、さらに 300℃で1時間加熱して酢酸塩を分解させてカリウム(K)を担持して卑金属担持部20を形成した。Kの担持量は、卑金属担持部20の容積1リットルあたり 0.3モルである。
(実施例2)
卑金属担持部20の形成範囲を中心からφ65mmの範囲(フィルタ基材1の直径に対して65/130(2/4)の範囲)とし、その外周に貴金属担持部21を形成したこと以外は実施例1と同様である。
(実施例3)
卑金属担持部20の形成範囲を中心からφ97.5mmの範囲(フィルタ基材1の直径に対して97.5/130(3/4)の範囲)とし、その外周に貴金属担持部21を形成したこと以外は実施例1と同様である。
(実施例4)
卑金属担持部20の形成範囲を中心からφ20mmの範囲(フィルタ基材1の直径に対して20/130(0.62/4)の範囲)とし、その外周に貴金属担持部21を形成したこと以外は実施例1と同様である。
(実施例5)
酢酸カリウム水溶液に代えて硝酸ネオジム水溶液を用い、 300℃で1時間の加熱に代えて 500℃で1時間加熱したこと以外は実施例2と同様である。Ndの担持量は、卑金属担持部20の容積1リットルあたり 0.3モルである。
(実施例6)
実施例1と同様のフィルタ基材1を用い、γ-Al2O3粉末に代えてCeO2粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてコート層を形成した。コート層の形成量は、フィルタ基材1の1リットルあたり 100gである。次いで実施例2と同様にして、PtとKを同様に担持した。
(実施例7)
酢酸カリウム水溶液に代えて酢酸セシウム水溶液を用いたこと以外は実施例6と同様である。Csの担持量は、卑金属担持部20の容積1リットルあたり 0.3モルである。
(比較例1)
実施例1と同様のコート層が形成されたフィルタ基材1を用い、マスキングすることなく全体にPtを担持した。Ptの担持量は、フィルタ基材の容積1リットルあたり1gである。
(比較例2)
実施例1と同様のコート層が形成されたフィルタ基材1を用い、マスキングすることなく全体にKを担持した。Kの担持量は、フィルタ基材の容積1リットルあたり 0.3モルである。
<試験・評価>
上記した各フィルタ触媒をコモンレール式ディーゼルエンジン(排気量 2.2L)の排気系にそれぞれ取付け、1800rpm 、60Nm、入りガス温度 260℃で1時間運転して、フィルタ基材1の容積1リットルあたり3gのPMを捕集した。なおPM捕集量は、フィルタ触媒の前後に取付けたスモークメータにてPM捕集効率と流入PM量とを計測して算出した。
次に、図2に示すように、同じエンジンの排気系で各フィルタ触媒1’の上流側に、直径 130mm、長さ 150mmのフロースルー型酸化触媒3を配設し、以下の熱暴走試験を行った。
先ず 2000rpm、 100Nmでエンジン4を安定化した後、排気管の上流に設置したインジェクタ5から排ガス中に所定量の軽油を添加し、上流側の酸化触媒3で燃焼させることで排ガス温度を上昇させる。フィルタ触媒1’の中心温度が 700℃に到達した時点で軽油の添加を停止すると共に、トルクを解除しかつエンジン回転数をアイドルに落とす。
この操作により、フィルタ触媒の床温は酸素濃度が低くPM燃焼が起こらない条件で上昇し、軽油の添加の停止時には捕集されたPMに着火すると同時に燃焼が伝播し、フィルタ触媒が異常加熱する。このときそれぞれのフィルタ触媒内部の温度を15点計測し、そのうちの最高温度をそれぞれ記録した。結果を表1に示す。
上記試験後のフィルタ触媒1’を排気系からそれぞれ取り外し、 300℃の電気炉中で2時間処理することでPM中の SOF分を揮発させ、その後の重量を測定した。さらに電気炉中にて 600℃で2時間処理してPMを燃焼させ、その後の重量を測定することで、上記の熱暴走試験時におけるPM燃焼率をそれぞれ算出した。結果を表1に示す。
Figure 2008229459
比較例1のフィルタ触媒は、酸化活性の高いPtを全体に担持しているため、PM燃焼率は高いものの最高温度がきわめて高く熱暴走が起きている。また比較例2のフィルタ触媒は、酸化能の低いKを全体に担持しているため、熱暴走は起きていないもののPM燃焼率がきわめて低く燃え残りが生じている。
しかし各実施例のフィルタ触媒では、PM燃焼率が高く、最高温度は比較例1より低いことが明らかであり、強制再生時の再生効率が高くかつ熱暴走が抑制されていることが明らかである。そして実施例4のフィルタ触媒は、他の実施例に比べて最高温度が高いことから、卑金属担持部20の範囲はフィルタ基材1の直径に対して0.62/4以上、つまり1/4以上とすることが望ましいことが明らかである。
本発明の一実施例に係る排ガス浄化装置の一部断面を含む斜視図である。 本発明の一実施例に係る排ガス浄化装置をディーゼルエンジンの排気系に搭載した状態を示す説明図である。
符号の説明
1:フィルタ基材 3:酸化触媒 5:インジェクタ
20:卑金属担持部 21:貴金属担持部

Claims (5)

  1. 排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、該流入側セルと該流出側セルを区画し多数の細孔を有する多孔質のセル隔壁とを有するウォールフロー構造のフィルタ基材と、
    該セル隔壁に形成された触媒層と、を備えた排ガス浄化装置であって、
    径方向内周部の該触媒層には卑金属よりなりPMを酸化可能なPM酸化触媒を担持した卑金属担持部を有し、径方向外周部の該触媒層には貴金属触媒を担持した貴金属担持部を有することを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 前記卑金属担持部は、該フィルタ基材の直径に対して1/4〜3/4の範囲に形成されている請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  3. 前記PM酸化触媒はアルカリ金属及びランタノイド元素から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 前記卑金属担持部の排ガス下流側の端部には、貴金属触媒をさらに担持した追加貴金属担持部をもつ請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  5. 前記追加貴金属担持部は、排ガス下流側の端面から上流側へ50mm以内かつ前記フィルタ基材全長の1/3以下の範囲に形成されている請求項4に記載の排ガス浄化装置。
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