JP5117473B2 - 有機el装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)装置に関する。
近年、自発光型で、高速応答、広視野角、高コントラストの特徴を有し、かつ、更に薄型軽量化が可能な有機エレクトロルミネセンス(EL)素子を用いた表示装置の開発が盛んに行われている。
この有機EL素子は、正孔注入電極(陽極)から正孔を注入するとともに、電子注入電極(陰極)から電子を注入し、発光層で正孔と電子とを再結合させて発光を得るものである。フルカラー表示を得るためには、赤(R)、緑(G)、青(B)にそれぞれ発光する画素を構成する必要がある。赤、緑、青の各画素を構成する有機EL素子の発光層には、赤色、緑色、青色といったそれぞれ異なる発光スペクトルで発光する発光材料を塗り分ける必要がある。
このような発光材料を塗り分ける方法として、真空蒸着法がある。このような真空蒸着法によって低分子系の有機EL材料を成膜する場合、各色の画素毎に開口した金属性のファインマスクを用いてそれぞれ独立にマスク蒸着する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−157973号公報
本発明は、有機EL素子を構成する薄膜の剥離を抑制することを可能とする有機EL装置を提供することにある。
本実施形態によれば、
絶縁基板と、前記絶縁基板の上方にそれぞれ配置された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の上方に配置され、前記第1スイッチング素子に到達するとともに第1凹所を形成する第1コンタクトホール及び前記第2スイッチング素子に到達するとともに第2凹所を形成する第2コンタクトホールが形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の上に配置され、前記第1コンタクトホールに延在し前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と、前記絶縁膜の上において前記第1画素電極から離間して配置され、前記第2コンタクトホールに延在し前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2画素電極と、前記第1凹所の前記第1画素電極の上に充填され絶縁材料によって形成された第1充填部材及び前記第2凹所の前記第2画素電極の上に充填され前記第1充填部材から離間し絶縁材料によって形成された第2充填部材と、前記第1画素電極の上、前記第2画素電極の上、前記第1充填部材の上、前記第2充填部材の上、及び、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間であって且つ前記絶縁膜の上にそれぞれ延在した連続膜であり、前記第1画素電極上と前記第2画素電極上とで発光色が異なる有機層と、前記有機層の上に配置された対向電極と、を備えたことを特徴とする有機EL装置が提供される。
本実施形態によれば、
絶縁基板と、前記絶縁基板の上方にそれぞれ配置された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の上方に配置され、前記第1スイッチング素子に到達するとともに第1凹所を形成する第1コンタクトホール及び前記第2スイッチング素子に到達するとともに第2凹所を形成する第2コンタクトホールが形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の上に配置され、第1上面と、前記第1コンタクトホールに延在し前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1コンタクト部と、を有する第1画素電極と、前記絶縁膜の上において前記第1画素電極から離間して配置され、第2上面と、前記第2コンタクトホールに延在し前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2コンタクト部と、を有する第2画素電極と、前記第1凹所の前記第1コンタクト部の上及び前記第凹所の前記第2コンタクト部の上にそれぞれ充填され、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間であって且つ前記絶縁膜の上に配置され、絶縁材料によって形成された充填部材と、前記第1画素電極の上、前記第2画素電極の上、及び、前記充填部材の上にそれぞれ延在した連続膜であり、前記第1画素電極上と前記第2画素電極上とで発光色が異なる有機層と、前記有機層の上に配置された対向電極と、を備え、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置する前記充填部材の上面は、前記第1上面及び前記第2上面との段差が0.2μm以下であることを特徴とする有機EL装置が提供される。
本実施形態によれば、
絶縁基板と、前記絶縁基板の上方にそれぞれ配置された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の上方に配置され、前記第1スイッチング素子に到達するとともに第1凹所を形成する第1コンタクトホール及び前記第2スイッチング素子に到達するとともに第2凹所を形成する第2コンタクトホールが形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の上に配置され、前記第1コンタクトホールに延在し前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と、前記絶縁膜の上において前記第1画素電極から離間して配置され、前記第2コンタクトホールに延在し前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2画素電極と、少なくとも前記第1凹所の前記第1画素電極の上に充填され絶縁材料によって形成された第1充填部材及び前記第2凹所の前記第2画素電極の上に充填され前記第1充填部材から離間し絶縁材料によって形成された第2充填部材と、前記第1画素電極の上面及び側面、前記第2画素電極の上面及び側面、前記第1充填部材、及び、前記第2充填部材にそれぞれ接した連続膜であり、前記第1画素電極上と前記第2画素電極上とで発光色が異なる有機層と、前記有機層の上に配置された対向電極と、を備えたことを特徴とする有機EL装置が提供される。
本発明によれば、有機EL素子を構成する薄膜の剥離を抑制することを可能とする有機EL装置を提供することができる。
図1は、第1実施態様における有機EL表示装置のスイッチング素子及び第1乃至第3有機EL素子を含む表示パネルの構造を概略的に示す断面図である。 図2は、図1に示した第1乃至第3有機EL素子の上面図である。 図3は、図2に示した第3有機EL素子をIII−III線で切断した構造を示す断面図である。 図4は、第2実施形態における有機EL表示装置のスイッチング素子及び第1乃至第3有機EL素子を含む表示パネルの構造を概略的に示す断面図である。 図5は、図4に示した第1乃至第3有機EL素子の上面図である。 図6は、図5に示した第3有機EL素子をVI−VI線で切断した構造を示す断面図である。 図7は、有機EL素子の水分による耐久性を比較する実験の結果を示す図である。
以下、本発明の一態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、有機EL装置の一例として、アクティブマトリクス駆動方式を採用した有機EL表示装置について説明する。
図1は、第1実施形態における有機EL表示装置のスイッチング素子SW及び第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を含む表示パネル1の断面図である。なお、ここに示した第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3は、封止基板200の側から光を放射するトップエミッションタイプであるが、本実施形態においては、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3は、アレイ基板100の側から光を放射するボトムエミッションタイプであっても良い。
アレイ基板100は、ガラス基板やプラスチック基板などの光透過性を有する絶縁基板101を備えている。スイッチング素子SW、及び、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3は、絶縁基板101の上方において、画像を表示するアクティブエリア102にそれぞれ配置されている。
絶縁基板101の上には、第1絶縁膜111が配置されている。このような第1絶縁膜111は、アクティブエリア102の概ね全体に亘って延在している。この第1絶縁膜111は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの無機化合物によって形成されている。
第1絶縁膜111の上には、スイッチング素子SWの半導体層SCが配置されている。この半導体層SCは、例えばポリシリコンによって形成されている。この半導体層SCには、チャネル領域SCCを挟んでソース領域SCS及びドレイン領域SCDが形成されている。
半導体層SCは、第2絶縁膜112によって被覆されている。また、この第2絶縁膜112は、第1絶縁膜111の上にも配置されている。このような第2絶縁膜112は、アクティブエリア102の概ね全体に亘って延在している。この第2絶縁膜112は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの無機化合物によって形成されている。
第2絶縁膜112の上には、チャネル領域SCCの直上にスイッチング素子SWのゲート電極Gが配置されている。この例では、スイッチング素子SWは、トップゲート型のpチャネル薄膜トランジスタ(TFT)である。ゲート電極Gは、第3絶縁膜113によって被覆されている。また、この第3絶縁膜113は、第2絶縁膜112の上にも配置されている。このような第3絶縁膜113は、アクティブエリア102の概ね全体に亘って延在している。この第3絶縁膜113は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの無機化合物によって形成されている。
第3絶縁膜113の上には、スイッチング素子SWのソース電極S及びドレイン電極Dが配置されている。ソース電極Sは、半導体層SCのソース領域SCSにコンタクトしている。ドレイン電極Dは、半導体層SCのドレイン領域SCDにコンタクトしている。スイッチング素子SWのゲート電極G、ソース電極S、及び、ドレイン電極Dは、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの導電材料を用いて形成されている。
これらのソース電極S及びドレイン電極Dは、第1層間絶縁膜114によって被覆されている。また、この第1層間絶縁膜114は、第3絶縁膜113の上にも配置されている。このような第1層間絶縁膜114は、アクティブエリア102の概ね全体に亘って延在している。この第1層間絶縁膜114は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの無機化合物によって形成されている。このような第1層間絶縁膜114は、スイッチング素子SWの上方に配置されたパッシベーション膜として機能する。
第1層間絶縁膜114の上には、第2層間絶縁膜115が配置されている。このような第2層間絶縁膜115は、アクティブエリア102の概ね全体に亘って延在している。この第2層間絶縁膜115は、例えば、紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂などの有機化合物によって形成されている。
これらの第1層間絶縁膜114及び第2層間絶縁膜115は、スイッチング素子SWの上方に配置された絶縁膜に相当する。つまり、第1層間絶縁膜114及び第2層間絶縁膜115は、スイッチング素子SWと第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3との間に配置されている。また、これらの第1層間絶縁膜114及び第2層間絶縁膜115には、スイッチング素子SWに到達する凹所を形成するコンタクトホールCHが形成されている。つまり、スイッチング素子SWのドレイン電極Dの一部は、コンタクトホールCHの底部に位置している。
第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を構成する各々の画素電極PEは、第2層間絶縁膜115の上に配置されている。第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の各々の画素電極PEは、コンタクトホールCH内に延在し、スイッチング素子SWのドレイン電極Dに電気的に接続されている。これらの画素電極PEは、例えば陽極に相当する。各画素電極PEは、互いに離間している。
各画素電極PEとスイッチング素子SWとが接続される部分については、コンタクトホールCHにより凹所が形成されている。このようなコンタクトホールCHによって形成された凹所には、充填部材FLが充填されている。このような充填部材FLは、凹所の画素電極PEの上に充填され、その表面が略平坦化されている。
第1有機EL素子OLED1の画素電極PEの上に充填された充填部材FLと、第2有機EL素子OLED2の画素電極PEの上に充填された充填部材FLと、第3有機EL素子OLED3の画素電極PEの上に充填された充填部材FLとは、互いに離間しており、接していない。また、これらの充填部材FLは、隣接する画素電極PEの間の第2層間絶縁膜115には接していない。
このような充填部材FLは、例えば、各種樹脂材料などの有機化合物からなる絶縁材料によって形成され、その製法としては、例えばフォトリソグラフィプロセスやインクジェット方式などの各種手法を適用可能である。
このような画素電極PEの構造については、特に制限はないが、ここに示した例では、画素電極PEは、反射層PER及び透過層PETが積層された2層構造である。反射層PERは、第2層間絶縁膜115の上に配置されている。透過層PETは、反射層PERの上に積層されている。反射層PERは、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)などの光反射性を有する導電材料によって形成されている。透過層PETは、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)、インジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されている。
なお、画素電極PEは、反射層単層、あるいは、透過層単層であっても良いし、さらには、3層以上の積層構造であっても良い。第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3が封止基板200の側から光を放射するトップエミッションタイプの場合には、画素電極PEは少なくとも反射層PERを含んでいる。第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3が絶縁基板101の側から光を放射するボトムエミッションタイプの場合には、画素電極PEは反射層PERを含んでいない。
第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を構成する有機層ORGは、各画素電極PEの上に配置されている。この有機層ORGは、アクティブエリア102の概ね全体に亘って延在した連続膜であり、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3に亘って延在している。つまり、有機層ORGは、各画素電極PE及び各充填部材FLを被覆するとともに、画素電極PEの間の第2層間絶縁膜115も被覆している。この有機層ORGは、少なくとも図示を省略した発光層を含んでいる。
なお、有機層ORGは、さらに、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層、電子輸送層などを含んでいても良い。また、有機層ORGを構成する発光層は、蛍光材料によって形成されていても良いし、燐光材料によって形成されていても良い。
第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を構成する対向電極CEは、有機層ORGの上に配置されている。この例では、対向電極CEは、陰極に相当する。この対向電極CEは、アクティブエリア102の概ね全体に亘って延在した連続膜であり、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3に亘って延在し、有機層ORGを被覆している。
このような対向電極CEは、例えば半透過層によって形成されている。半透過層は、例えば、マグネシウム(Mg)・銀(Ag)などの導電材料によって形成されている。なお、対向電極CEは、半透過層及び透過層が積層された2層構造であっても良いし、透過層単層構造、または、半透過層単層構造であっても良い。透過層は、例えば、ITOやIZOなどの光透過性を有する導電材料によって形成可能である。第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3がボトムエミッションタイプの場合には、対向電極CEは少なくとも反射層あるいは半透過層を含んでいる。
対向電極CEの上には、保護膜120が配置されている。このような保護膜120は、アクティブエリア102の全体に亘って延在している。つまり、保護膜120は、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を覆っている。この保護膜120は、光透過性を有し且つ水分が浸透しにくい材料、例えば、シリコン窒化物やシリコン酸窒化物などの無機化合物によって形成されている。このような保護膜120は、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3への水分の浸透を防止する水分バリア膜として機能する。
封止基板200は、アレイ基板100に形成された第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の上方に配置されている。この封止基板200は、ガラス基板やプラスチック基板などの光透過性を有する絶縁基板である。
アレイ基板100の保護膜120と封止基板200との間には、樹脂層300が配置されている。樹脂層300は、例えば、光透過性を有する熱硬化型樹脂あるいは紫外線硬化型樹脂などの有機化合物によって形成されている。このような樹脂層300は、アレイ基板100と封止基板200との間に充填される充填層、あるいは、アレイ基板100と封止基板200とを接着する接着層として機能する。
本実施形態においては、発光層を含む有機層ORGが第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3に亘って延在した連続膜でありながら、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の発光色は、互いに異なるように構成されている。ここに示した例では、第1有機EL素子OLED1の発光色は赤色であり、第2有機EL素子OLED2の発光色は緑色であり、第3有機EL素子OLED3の発光色は青色である。
ここでは、主波長が595nm乃至800nmの範囲を第1波長範囲と定義し、この第1波長範囲内にある色を赤色とする。また、主波長が490nmより長く且つ595nmよりも短い範囲を第2波長範囲と定義し、この第2波長範囲内にある色を緑色とする。さらに、主波長が400nm乃至490nmの範囲を第3波長範囲と定義し、この第3波長範囲内にある色を青色とする。
このような構成は、例えば、以下のような構成で実現可能である。すなわち、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の有機層ORGは、例えば、発光色が赤色の第1ドーパント材料、発光色が緑色の第2ドーパント材料、及び、発光色が青色の第3ドーパント材料を含でいる。第1有機EL素子OLED1については、第1ドーパント材料が発光し、赤色を呈する。第2有機EL素子OLED2については、第1ドーパント材料が消光しており、第2ドーパント材料が発光し、緑色を呈する。第3有機EL素子OLED3については、第1ドーパント材料及び第2ドーパント材料が消光しており、第3ドーパント材料が発光し、青色を呈する。
なお、有機層ORGの形態は、特に制限はなく、第1ドーパント材料を含む第1発光層、第2ドーパント材料を含む第2発光層、及び、第3ドーパント材料を含む第3発光層を積層した3層構造であっても良いし、第1発光層及び第2発光層を積層した2層構造であっても良いし、第1発光層のみからなる単層構造であっても良い。2層構造の場合、第1発光層は、第1ドーパント材料のみならず、第2ドーパント材料や第3ドーパント材料を含んでいても良いし、第2発光層は、第2ドーパント材料のみならず、第1ドーパント材料や第3ドーパント材料を含んでいても良い。単層構造の場合、第1発光層は、第1ドーパント材料、第2ドーパント材料、及び、第3ドーパント材料を含んでいても良い。
また、第1乃至第3ドーパント材料としては、光照射によって発光性能が変化する材料として、消光する材料を適用した場合について説明したが、消光に限らず、紫外線などの光照射によって発光色が変化するなどの発光性能が変化する材料が適用可能である。
例えば、光照射によって分子の立体構造が変化して発光色が変化するあるいは消光する材料が適用可能である。例えば、一方のドーパント材料が他方のドーパント材料の異性体である場合がこの例に相当する。異性体の一種として、シス体及びトランス体の例について簡単説明する。シス体とは、主骨格に対して2つの側鎖(あるいは原子団)が同じ側にある分子の立体構造を示し、トランス体とは、主骨格に対して2つの側鎖(あるいは原子団)が互いに反対側にある分子の立体構造を示している。このようなドーパント材料は、紫外光などの光照射により、シス体からトランス体に変化する、あるいは、トランス体からシス体に変化する材料から選択され、このような材料として、例えば、フォトクロミック材料が挙げられる。
また、他の異性体の例としては、光変換型タンパク質あるいは蛍光タンパク質などと称される材料も挙げられる。例えば、蛍光タンパク質の中には、紫外光の照射により、消光状態から活性化されて発光するようになる材料や、ある発光波長から別の発光波長に変換される材料などがあり、これらも本実施形態のドーパント材料として適用可能である。
また、光照射によって発光層に含まれるドーパント材料と添加剤あるいはホスト材料とが化学結合して発光色が変化するあるいは消光する材料も適用可能である。
本実施形態における表示パネル1は、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を区画するための隔壁を省略した構成を採用している。このため、各画素電極PEの周縁を含む画素電極全体と有機層ORGとが接している。つまり、有機層ORGは、画素電極PEの上面PT及び側面PSに接している。しかも、有機層ORGが第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3に亘って延在した連続膜であるため、有機層ORGは、充填部材FL及び画素電極間の第2層間絶縁膜115とも接している。
図2は、図1に示した第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の上面図である。なお、この図においては、有機層ORG及び対向電極CEについては第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の共通層であるため図示を省略し、画素電極PE及びコンタクトホールCH周辺の構造を図示している。
第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3は、基本的には同一構造であり、X方向に並んでいる。第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の各々の画素電極PEは、互いに離間して配置されている。各画素電極PEは、Y方向に延びた略長方形状の反射層PER及び透過層PETを有している。
コンタクトホールCHは、図示しないスイッチング素子SWまで貫通している。このコンタクトホールCHは、略長方形状の画素電極PEの1つの角部付近に形成されている。コンタクトホールCH及びその周辺においては、反射層PERは欠落している。透過層PETは、反射層PERに重なるとともに、コンタクトホールCH及びその周辺に延在している。コンタクトホールCHの略全体は、透過層PETによって覆われている。この透過層PETは、図示しないスイッチング素子SWに接続されたコンタクト部PECを有している。
充填部材FLは、画素電極PEのコンタクト部PECの上に配置されている。また、この充填部材FLは、コンタクトホールCHの直上に位置する透過層PETの上に配置され、コンタクトホールCHによって形成された凹所を平坦化するように埋め込まれている。この充填部材FLは、透過層PETのエッジよりも内側に留まり、第2層間絶縁膜115には接していない。
図3は、図2に示した第3有機EL素子OLED3をIII−III線で切断した構造を示す断面図である。なお、この図においては、説明に必要な主要部のみを図示している。
スイッチング素子のドレイン電極Dと画素電極PEとの間には、第1層間絶縁膜114及び第2層間絶縁膜115が積層されている。これらの第1層間絶縁膜114及び第2層間絶縁膜115には、ドレイン電極Dまで貫通したコンタクトホールCHが形成されている。このコンタクトホールCHにより、第1層間絶縁膜114の側面114S及び第2層間絶縁膜115の側面115Sが形成されている。
第2層間絶縁膜115の上に配置された反射層PERは、コンタクトホールCHに到達していない。反射層PERの上に配置された透過層PETは、コンタクトホールCH内に延在し、第1層間絶縁膜114の側面114S及び第2層間絶縁膜115の側面115Sをそれぞれ覆うとともに、コンタクトホールCHの底部に位置するドレイン電極Dにコンタクトしている。透過層PETのうち、ドレイン電極Dにコンタクトしている部分がコンタクト部PECに相当する。
充填部材FLは、コンタクトホールCHをカバーしている透過層PETの上に配置されている。図示した例では、充填部材FLは、透過層PETのコンタクトホールCH内に延在した部分の全体を覆っており、コンタクトホールCHによって形成された凹所に充填されている。充填部材FLの上面FLTは、略平坦であり、第2層間絶縁膜115の上に延在した透過層PETの上面PETTと略同一平面を成すように形成されている。
有機層ORGは、透過層PETの上及び充填部材FLの上に配置されるとともに、第2層間絶縁膜115の上にも配置されている。対向電極CEは、有機層ORGの上に配置されている。図示したように、コンタクトホールCHでは、画素電極PEと対向電極CEとの間には、有機層ORGのみならず、充填部材FLが介在している。
このような第1実施形態によれば、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を区画するための隔壁を省略し、しかも、コンタクトホールCHによって形成される凹所も平坦化されたため、コンタクトホールCHをカバーしつつ格子状に形成された隔壁を具備した構成と比較して、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を構成する薄膜、特に有機層ORG及び対向電極CEの剥離を抑制することが可能となる。この効果について、以下に、より具体的に説明する。
格子状に形成された隔壁を具備した構成では、隔壁のエッジ部分や段差の大きな部分に応力が集中しやすく、エッジ部分の薄膜が剥離することがある。特に、有機層ORGと対向電極CEとの界面の密着力は比較的弱く、対向電極CEが剥離しやすい。応力の原因としては様々考えられるが、特に、有機EL素子を被覆する保護膜120や保護膜120の上の樹脂層300などの熱膨張係数の差や、樹脂層300が硬化する際の熱収縮によるもの、アレイ基板100に加わる折り曲げの応力などが考えられる。このような薄膜の剥離は、応力緩和が困難な大型の表示パネル1において特に顕著である。
一方で、上述した第1実施形態においては、格子状の隔壁を除去し、コンタクトホールCHによって形成された凹所を充填部材FLにより平坦化している。これにより、有機層ORG及び対向電極CEが形成される下地の凹凸が小さくなり、応力の集中を緩和することが可能となる。したがって、有機層ORGや対向電極CEの剥離を抑制することができる。
また、第1実施形態によれば、凹凸の影響による有機層ORGの途切れや、対向電極CEのひび割れの発生も抑制することができる。
特に、この第1実施形態によれば、画素電極PEの上面PTと充填部材FLの上面FLTとの段差H1、もしくは、画素電極PEの上面PTと画素電極PEの下地となる絶縁膜すなわち第2層間絶縁膜115の上面115Tとの段差H2は、0.2μm以下である。なお、画素電極PEの上面PTとは、図示した例では、反射層PERに積層された透過層PETの上面であり、第2層間絶縁膜115の上に積層された透過層PETの上面PETTとは異なる。
通常、第2層間絶縁膜115の上に隔壁を形成した場合、その高さは数μm、例えば2μm程度であり、第2層間絶縁膜115との段差が極めて大きくなる。これに対して、第1実施形態では、有機層ORG及び対向電極CEが形成される下地の段差は極めて小さく、十分に平坦化されている。
さらに、第1実施形態によれば、画素電極PEの周縁を含む画素電極全体に有機層ORGが接するとともに、この有機層ORGの上に対向電極CEが配置されているため、コンタクトホールCHの直上の領域を除いて画素電極PEの略全体が発光に寄与する領域となる。このため、画素電極PEの周縁の一部に重なるように配置され有機EL素子を区画する隔壁を形成した構成と比較して、発光に寄与する領域の面積(あるいは開口率)を向上することが可能となる。
また、第1実施形態によれば、有機層ORGが第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3に亘って延在した連続膜でありながら、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の発光色は、互いに異なるように構成されている。このような構成によれば、発光層を塗り分けるための金属性のファインマスクが不要であり、このようなファインマスクを支持するための受けとしての隔壁、あるいは、発光層を塗り分ける際の混色を防止するための隔壁が不要となる。このため、隔壁の高さを考慮する必要がなくなり、アレイ基板100の表面の段差をより小さくすることが可能となる。
さらに、第1実施形態によれば、コンタクトホールCHによって形成された凹所には、インクジェット方式などで充填部材FLを充填することが可能となり、フォトリソグラフィプロセスを利用して隔壁を形成した構成と比較して、製造時間の短縮、製造工程の簡素化、生産コストの削減などが期待できる。
また、アレイ基板100に折り曲げの応力が加わるフレキシブルパネルにおいても、隔壁を省略した構成とすることにより、応力の集中が緩和され、薄膜の剥離を抑制することができる。
なお、この第1実施形態においては、スイッチング素子SWと画素電極PEとの間に配置される絶縁膜のうち、第1層間絶縁膜114は省略しても良い。この場合、第2層間絶縁膜115がスイッチング素子SWと画素電極PEとの間に配置された絶縁膜に相当する。
次に、第2実施形態について説明する。この第2実施形態における表示パネル1についても、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を区画するための隔壁を省略した構成を採用している。このため、各画素電極PEの周縁を含む画素電極全体と有機層ORGとが接している。しかも、有機層ORGが第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3に亘って延在した連続膜であるため、有機層ORGは、充填部材FLとも接している。以下に、より具体的に説明する。
図4は、第2実施形態における有機EL表示装置のスイッチング素子SW及び第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を含む表示パネル1の断面図である。図4に示した例は、図1に示した例と比較して、充填部材FLがコンタクトホールCHによって形成された凹所に充填されるとともに、隣接する画素電極PEの間に延在している点で相違している。なお、図1に示した例と同一構成については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
アレイ基板100の絶縁基板101と第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3との間には、第1絶縁膜111、第2絶縁膜112、第3絶縁膜113、第1層間絶縁膜114、第2層間絶縁膜115、スイッチング素子SWなどが配置されている。これらの第1層間絶縁膜114及び第2層間絶縁膜115には、スイッチング素子SWのドレイン電極Dに到達するコンタクトホールCHが形成されている。
第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を構成する各々の画素電極PEは、第2層間絶縁膜115の上に配置されている。第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の各々の画素電極PEは、コンタクトホールCH内に延在し、スイッチング素子SWのドレイン電極Dに電気的に接続されている。
各画素電極PEは、第2層間絶縁膜115の上に配置された反射層PER及び反射層PERの上に配置された透過層PETによって形成されている。各画素電極PEとスイッチング素子SWとが接続される部分については、コンタクトホールCHにより凹所が形成されている。
このようなコンタクトホールCHによって形成された凹所には、充填部材FLが充填されている。このような充填部材FLは、凹所の画素電極PEの上に充填され、その表面が略平坦化されている。さらに、充填部材FLは、隣接する画素電極PEの間の第2層間絶縁膜115の上にも延在している。つまり、充填部材FLは、第2層間絶縁膜115に接している。このように、隣接する画素電極PEの間は、コンタクトホールCHによって形成された凹所を含めて充填部材FLによって埋められている。つまり、画素電極PEの間の第2層間絶縁膜115は、充填部材FLによって被覆されている。
このような充填部材FLは、第1実施形態と同様に、例えば、各種樹脂材料などの有機化合物からなる絶縁材料によって形成され、その製法としては、例えばフォトリソグラフィプロセスやインクジェット方式などの各種手法を適用可能である。
第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を構成する有機層ORGは、各画素電極PEの上に配置されている。この有機層ORGは、アクティブエリア102の概ね全体に亘って延在した連続膜であり、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3に亘って延在している。つまり、有機層ORGは、各画素電極PE及び充填部材FLを被覆している。
第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3を構成する対向電極CEは、有機層ORGの上に配置されている。この対向電極CEは、アクティブエリア102の概ね全体に亘って延在した連続膜であり、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3に亘って延在し、有機層ORGを被覆している。
図5は、図4に示した第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の上面図である。なお、この図においては、有機層ORG及び対向電極CEについては第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の共通層であるため図示を省略し、画素電極PE及びコンタクトホールCH周辺の構造を図示している。
第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3は、基本的には同一構造であり、X方向に並んでいる。第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3の各々の画素電極PEは、互いに離間して配置されている。各画素電極PEは、Y方向に延びた略長方形状の反射層PER及び透過層PETを有している。
コンタクトホールCHは、図示しないスイッチング素子SWまで貫通している。このコンタクトホールCHは、略長方形状の画素電極PEの1つの角部付近に形成されている。コンタクトホールCH及びその周辺においては、反射層PERは欠落している。透過層PETは、反射層PERに重なるとともに、コンタクトホールCH及びその周辺に延在している。コンタクトホールCHの略全体は、透過層PETによって覆われている。この透過層PETは、図示しないスイッチング素子SWに接続されたコンタクト部PECを有している。
充填部材FLは、画素電極PEのコンタクト部PECの上を含むコンタクトホールCHの直上に位置する透過層PETの上に配置されるとともに、画素電極PEの間の第2層間絶縁膜115の上にも配置されている。1つの画素電極、例えば、第2有機EL素子OLED2の画素電極PEに着目すると、この画素電極PEは枠状あるいは格子状の充填部材FLによって囲まれている。
図6は、図5に示した第3有機EL素子OLED3をVI−VI線で切断した構造を示す断面図である。なお、この図においては、説明に必要な主要部のみを図示している。
スイッチング素子のドレイン電極Dと画素電極PEとの間には、第1層間絶縁膜114及び第2層間絶縁膜115が積層されている。これらの第1層間絶縁膜114及び第2層間絶縁膜115には、ドレイン電極Dまで貫通したコンタクトホールCHが形成されている。このコンタクトホールCHにより、第1層間絶縁膜114の側面114S及び第2層間絶縁膜115の側面115Sが形成されている。
第2層間絶縁膜115の上に配置された反射層PERは、コンタクトホールCHに到達していない。反射層PERの上に配置された透過層PETは、コンタクトホールCH内に延在し、第1層間絶縁膜114の側面114S及び第2層間絶縁膜115の側面115Sをそれぞれ覆うとともに、コンタクトホールCHの底部に位置するドレイン電極Dにコンタクトしている。
充填部材FLは、コンタクトホールCHをカバーしている透過層PETの上に配置され、コンタクトホールCHによって形成された凹所に充填されるとともに、第2層間絶縁膜115の上面115Tに延在し、隣接する画素電極PEに接している。充填部材FLの上面FLTは、略平坦であり、画素電極PEの上面PT、つまり、反射層PERに積層された透過層PETの上面と略同一平面を成すように形成されている。
有機層ORGは、透過層PETの上及び充填部材FLの上に配置され、第2層間絶縁膜115には接していない。対向電極CEは、有機層ORGの上に配置されている。図示したように、コンタクトホールCHでは、画素電極PEと対向電極CEとの間には、有機層ORGのみならず、充填部材FLが介在している。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
加えて、この第2実施形態によれば、第1実施形態と比較して、有機層ORG及び対向電極CEが形成される下地の凹凸がさらに小さくなる。このため、有機層ORGや対向電極CEの剥離をより抑制することができる。
特に、この第2実施形態によれば、画素電極PEの上面PTと充填部材FLの上面FLTとの段差はほとんどなく、0.2μm以下であり、その他の部分についてはほとんど段差が形成されない。このため、第2実施形態では、第1実施形態と比較して、有機層ORG及び対向電極CEが形成される下地の段差は極めて小さく、十分に平坦化されている。
なお、この第2実施形態においても、スイッチング素子SWと画素電極PEとの間に配置される絶縁膜のうち、第1層間絶縁膜114は省略しても良い。この場合、第2層間絶縁膜115がスイッチング素子SWと画素電極PEとの間に配置された絶縁膜に相当する。
次に、本実施形態における有機EL表示装置について、有機EL素子OLEDの水分による耐久性を比較する実験を行った。
400mm×500mmの長方形状のガラス基板からなるアレイ基板100の上にスイッチング素子SW、第1絶縁膜111、第2絶縁膜112、第3絶縁膜113などを形成した。このアレイ基板100には、対角寸法が21型のアクティブエリア102が1箇所形成される。なお、スイッチング素子SWは、半導体層としてポリシリコン薄膜を備えた低温ポリシリコンTFTとして構成されている。このようなアレイ基板100を20枚準備し、5枚ずつ4つのグループ(すなわち、Aグループ、Bグループ、Cグループ、Dグループ)に分類した。
続いて、Aグループ(比較例)、Bグループ、及び、Dグループの各アレイ基板100については、第3絶縁膜113の上にパッシベーション膜である第1層間絶縁膜114を形成し、さらに、この第1層間絶縁膜114の上に第2層間絶縁膜115を形成した。一方、Cグループの各アレイ基板100については、第3絶縁膜113の上には、パッシベーション膜を形成することなく第2層間絶縁膜115を形成した。なお、第1層間絶縁膜114は無機化合物により300nmの膜厚に形成し、第2層間絶縁膜115は有機化合物により2μmの膜厚に形成した。
Aグループ、Bグループ、及び、Dグループの各アレイ基板100については、第1層間絶縁膜114及び第2層間絶縁膜115には、スイッチング素子SWまで貫通したコンタクトホールCHが形成されている。Cグループの各アレイ基板100については、第2層間絶縁膜115には、スイッチング素子SWまで貫通したコンタクトホールCHが形成されている。
続いて、A乃至Dグループの20枚の各アレイ基板100について、第2層間絶縁膜115の上に画素電極PEを形成した。画素電極PEは、2層積層構造であり、第2層間絶縁膜115の上に反射層PERを形成し、この反射層PERの上にITOからなる透過層PETを積層した。各透過層PETは、コンタクトホールCH内に延在し、スイッチング素子SWと画素電極PEとが電気的に接続されている。
Aグループ、Bグループ、及び、Cグループのアレイ基板100については、反射層PERの膜厚は80nmであり、透過層PETの膜厚は50nmとした。Dグループのアレイ基板100については、反射層PERの膜厚は200nmであり、透過層PETの膜厚は100nmとした。
続いて、比較例であるAグループの各アレイ基板100には、画素電極PEの周囲を取り囲むように格子状に厚さ2μmの隔壁を形成した。この隔壁は、樹脂材料によって形成され、画素電極PEとスイッチング素子SWとが導通する画素電極PEのコンタクト部PECを覆っている。Aグループの各アレイ基板100における表面の段差、つまり、隔壁の上面と画素電極PEの上面との段差は、2.0μm〜2.1μmであった。
一方、Bグループ及びCグループの各アレイ基板100については、隔壁を形成することなく、コンタクトホールCHによって形成された凹所に充填部材FLを充填した。この充填部材FLは、インクジェット方式により熱硬化型樹脂を凹所に滴下した後、150度の温度で2時間の加熱処理を行い、硬化させることによって形成した(第1実施形態に対応する)。このようにして形成した充填部材FLは、第2層間絶縁膜115には接していない。Bグループの各アレイ基板100における表面の段差、つまり、画素電極PEの上面と充填部材FLの上面との段差あるいは画素電極PEの上面と第2層間絶縁膜115の上面との段差は、0.19μm〜0.20μmであり、Cグループの各アレイ基板100における表面の段差は、0.18μm〜0.19μmであった。
Dグループの各アレイ基板100については、隔壁を形成することなく、コンタクトホールCHによって形成された凹所及び隣接する画素電極PEの間に充填部材FLを充填した。このような充填部材FLは、インクジェット方式により熱硬化型樹脂を滴下した後、150度の温度で2時間の加熱処理を行い、硬化させることによって形成した(第2実施形態に対応する)。Dグループの各アレイ基板100における表面の段差、つまり、画素電極PEの上面と充填部材FLの上面との段差は、0.07μm〜0.09μmであった。
続いて、Aグループの各アレイ基板100を抵抗加熱方式の有機EL成膜装置にセットし、画素電極PEの上に有機EL材料として、ホール輸送層を形成し、このホール輸送層の上に発光層を形成し、発光層の上に電子輸送層を形成し、さらに、電子輸送層の上に電子注入層を形成し、この電子注入層の上にマグネシウム・銀を用いて対向電極CEを形成した。なお、発光層を形成する際には、高精度のメタルマスクを用いて、塗りわけを行い、第1有機EL素子OLED1については赤色に発光する赤色発光層を形成し、第2有機EL素子OLED2については緑色に発光する赤色発光層を形成し、第3有機EL素子OLED3については青色に発光する赤色発光層を形成した。
一方で、B乃至Dグループの各アレイ基板100については、それぞれ抵抗加熱方式の有機EL成膜装置にセットし、画素電極PEの上に有機EL材料として、ホール輸送層を形成し、このホール輸送層の上に、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3が各々形成される領域の全面に亘って赤色に発光する第1ドーパント材料を含む赤色発光層を形成した後、一旦有機EL成膜装置から取り出し、フォトマスクを介して第2有機EL素子OLED2及び第3有機EL素子OLED3が形成される領域に主波長が365nmの紫外光を照射し、これらの領域に形成された赤色発光層に含まれる第1ドーパント材料が発光しないようにした。
その後、B乃至Dグループの各アレイ基板100のそれぞれを再び有機EL成膜装置にセットして、赤色発光層の上に、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3が各々形成される領域の全面に亘って緑色に発光する第2ドーパント材料を含む緑色発光層を形成した後、一旦有機EL成膜装置から取り出し、フォトマスクを介して第3有機EL素子OLED3が形成される領域に主波長が365nmの紫外光を照射し、この領域に形成された緑色発光層に含まれる第2ドーパント材料が発光しないようにした。
さらに、B乃至Dグループの各アレイ基板100のそれぞれを再び有機EL成膜装置にセットして、緑色発光層の上に、第1乃至第3有機EL素子OLED1乃至3が各々形成される領域の全面に亘って青色に発光する第3ドーパント材料を含む青色発光層を形成した後、青色発光層の上に電子輸送層を形成し、さらに、電子輸送層の上に電子注入層を形成し、その後、この電子注入層の上にマグネシウム・銀を用いて対向電極CEを形成した。
一方、ガラス基板からなる封止基板200を20枚用意した。それぞれの封止基板200の上には、シール材としてディスペンサーを用いて紫外線硬化型樹脂を塗布し、さらに、シール材の内側に樹脂層300を形成するための熱硬化型樹脂を適量滴下した。これらの封止基板200は、真空チャンバ内でそれぞれアレイ基板100に貼りあわせられる。その後、シール材となる紫外線硬化型樹脂に紫外線が照射され、シール材となる紫外線硬化型樹脂を硬化させた後、さらに、オーブンにて100℃の温度で3時間加熱し、樹脂層300となる熱硬化型樹脂を硬化させた。
そして、アレイ基板100と封止基板200とが貼り合わせられた表示パネル1について、それぞれ信号供給源を実装した。
続いて、A乃至Dグループの全ての表示パネル1を点灯し、有機EL素子を構成する薄膜の剥離の有無を目視にて観察して、剥離が発生したパネル枚数を計数した。この結果を図7に示す。
隔壁を備えたAグループについては、5枚の表示パネル1のうちのすべてで剥離が発生した。
隔壁を省略したB乃至Dグループについては、各々5枚の表示パネル1のすべてに剥離は発生しなかった。特に、B乃至Dグループのように、段差が0.2μm以下の表示パネルについては、いずれも薄膜の剥離は発生しないことが確認された。
また、BグループとCグループとを比較した際、パッシベーション膜である第1層間絶縁膜114の有無にかかわらず、剥離が発生しないことが確認された。さらに、Dグループのように、他のグループと比較して厚い画素電極PEを備えた構成であっても、画素電極PEの間を充填部材FLで埋めてしまう構成を適用することにより、剥離が発生しないことが確認された。
このように、アレイ基板100の表面の段差を小さくすることにより、応力集中による薄膜の剥離を回避することが可能となる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本実施形態は、有機EL装置として、有機EL表示装置について説明したが、有機EL照明や有機ELプリンターヘッドなどにも利用可能である。
1…表示パネル
OLED1…第1有機EL素子
OLED2…第2有機EL素子
OLED3…第3有機EL素子
101…絶縁基板
111…第1絶縁膜 112…第2絶縁膜 113…第3絶縁膜
114…第1層間絶縁膜 115…第2層間絶縁膜 CH…コンタクトホール
120…保護層 200…封止基板 300…樹脂層
SW…スイッチング素子
PE…画素電極 PEC…コンタクト部 PER…反射層 PET…透過層
ORG…有機層 CE…対向電極
FL…充填部材

Claims (2)

  1. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板の上方にそれぞれ配置された第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、
    前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の上方に配置され、前記第1スイッチング素子に到達するとともに第1凹所を形成する第1コンタクトホール及び前記第2スイッチング素子に到達するとともに第2凹所を形成する第2コンタクトホールが形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜の上に配置され、第1上面と、前記第1コンタクトホールに延在し前記第1スイッチング素子に電気的に接続された第1コンタクト部と、を有する第1画素電極と、
    前記絶縁膜の上において前記第1画素電極から離間して配置され、第2上面と、前記第2コンタクトホールに延在し前記第2スイッチング素子に電気的に接続された第2コンタクト部と、を有する第2画素電極と、
    前記第1凹所の前記第1コンタクト部の上及び前記第2凹所の前記第2コンタクト部の上にそれぞれ充填され、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間であって且つ前記絶縁膜の上に配置され、絶縁材料によって形成された充填部材と、
    前記第1画素電極の上、前記第2画素電極の上、及び、前記充填部材の上にそれぞれ延在した連続膜であり、前記第1画素電極上と前記第2画素電極上とで発光色が異なる有機層と、
    前記有機層の上に配置された対向電極と、
    を備え、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に位置する前記充填部材の上面は、前記第1上面及び前記第2上面と同一平面を成すように形成されたことを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記第1画素電極は、前記第1コンタクトホールにおいて欠落した第1反射層と、前記第1反射層に重なり前記第1コンタクトホールに延在した第1透過層との2層構造であり、
    前記第2画素電極は、前記第2コンタクトホールにおいて欠落した第2反射層と、前記第2反射層に重なり前記第2コンタクトホールに延在した第2透過層との2層構造であることを特徴とする請求項に記載の有機EL装置。
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