JP2004347628A - El表示素子、el表示装置、el表示素子の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】EL素子がおおきな接合容量を持つ場合に、高速動作が期待できないこと、及び、電流経路が変換した場合に電源ラインに接続されるスイッチングトランジスタに対し駆動電流を制御するトランジスタがソースフォロワとなり、駆動用トランジスタのソース電圧がスイッチング用トランジスタの特性により変動する。
【解決手段】EL素子に流れる電流を制御するトランジスタM1が、ソースフォロワ構成とならず、駆動電圧を低くすることが可能でかつ高速動作に適した構成を与えるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】EL素子に流れる電流を制御するトランジスタM1が、ソースフォロワ構成とならず、駆動電圧を低くすることが可能でかつ高速動作に適した構成を与えるものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリックス型のEL表示素子、及びそのEL表示素子の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のアクティブマトリックス型EL表示素子の画素セルの回路は、縦横に張り巡らされた配線の交点に第1のトランジスタを設け、そのゲート電極を走査線(ゲート線ともいう)に、ドレイン領域を信号線(ドレイン線ともいう)に接続し、ソース電極は第2のトランジスタのゲート電極に接続し、前記第2のトランジスタは、ソース電極またはドレイン電極の一方が、電流供給線に接続され、ソース電極またはドレイン電極の他方がEL素子のアノード電極(あるいはカソード電極)に接続され、EL素子の他方の電極が共通電極となる構造となっている。
【0003】
以下この構成による駆動の原理を説明する。まず有機ELパネルに用いられるアクティブマトリックス方式は次の条件を満足させなければならない。
【0004】
1.特定の画素を選択し、必要な表示情報を与えられること。
【0005】
2.1フレーム期間を通じてEL素子に電流を流すことができること
この2つの条件を満足させるため、第1のトランジスタは画素を選択するためのスイッチング用トランジスタ、第2のトランジスタはELに電流を供給するための駆動用トランジスタとする。ここで液晶に用いられるアクティブマトリックス方式と比較すると、スイッチング用トランジスタは液晶用にも必要であるが、駆動用トランジスタはELを光らせるために必要である。この理由は液晶の場合は、電圧を印加することでオン状態を保持することができるが、ELの場合は、電流を流しつづけて画素をオン状態とするからである。したがってELパネルでは電流を流し続けるためにトランジスタをオンさせ続けなければならない。まず、走査線、データ線が両方ともオンになると、スイッチング用トランジスタを通してキャパシタに電荷が蓄積される。このキャパシタが駆動用トランジスタのゲートに電圧を加え続けるため、スイッチング用トランジスタがオフになっても、電流供給線から電流が流れつづけ、1フレーム期間にわたり画素をオンできる。この構成を用いて階調を表示させる場合、駆動用トランジスタのゲート電圧として階調に応じた電圧を印加する必要がある。したがって駆動用トランジスタのオン電流のばらつきがそのまま表示に現れる。トランジスタのオン電流は単結晶で形成されたトランジスタであれば、きわめて均一であるが、安価なガラス基板に形成することのできる低温多結晶トタンジスタでは、そのしきい値のばらつきが±0.2V〜0.5Vの範囲でばらつきを持つため、駆動用TFTを流れるオン電流がこれに対応してばらつき、表示にムラが発生する。これらのムラは、しきい値電圧のばらつきのみならず、TFTの移動度、ゲート絶縁膜の厚みなどでも発生する。したがってアナログ的に階調を表示させる方法では、均一な表示を得るために、デバイスの特性を厳密に制御する必要があり、現状の低温多結晶ポリシリコンTFTではこのスペックを満足できない。この問題を解決するため、図23に示すようにさまざまな回路構成が提案されている。図23(A)は非特許文献1に開示された回路である。1画素内に4つのトランジスタをもうけて、駆動用トランジスタ(=TFT2)のしきい値電圧のばらつきをコンデンサにより補償させて均一な電流を得る構成となっている。図23(C)の回路は、非特許文献2に開示されている回路であり、駆動用トランジスタ(T3)のソース電極がvddに接続されており、かつIdataの書き込みが、前記EL素子を介さない構成となるため、高速動作に適した回路となっている。
【0006】
【非特許文献1】
SID98、DIGEST、11ページ
【非特許文献2】
電子情報通信学会技術研究報告、Vol.01、部会番号EID2001−261、107〜111ページ
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図23(A)の構成では、TFT2の閾値電圧のバラツキは補償されるが、DATAを電圧で与えているため、駆動用トランジスタの閾値電圧以外の移動度など、ON電流を与えるパラメータのバラツキを補償することは出来ない。これに対しデータを電流で与えて、駆動用トランジスタの特性バラツキを補償する回路構成である図23(B)が提案された。図23(B)はIEDM98−pp875で開示されている構成である。データを電流Idataで与えることにより、上記課題の解決を図っている。
【0008】
しかしながらこの方法は、
1.プログラムされる電流がEL素子を通じてプログラムされるため、ELが大きな接合容量を持つ場合に、Idataの書きこみに時間がかかり、高速動作が期待できない。
【0009】
2.電流経路が変化した場合に電源ラインに接続されるスイッチングトランジスタ(MN4)に対し駆動電流を制御するトランジスタ(MN2)がソースフォロワとなる。従って駆動用トランジスタのソース電圧が、スイッチング用トランジスタの特性により変動するなどの欠点を有する。
【0010】
図23(C)の回路は、上述したように高速動作に適した回路となっている。しかしながら、本回路では、駆動用トランジスタ(T1)のソース−ドレイン電極間をScanning line1がオンすることにより、T1およびT2を介して短絡する構成となるためT1ならびにT2の充電能力を共に高くする必要があり、やはり高速動作には不利な構成である。さらにこれらの電流書きこみ方式では、後述するように常に駆動用トランジスタの動作領域を飽和領域としているため、飽和領域において、アーリー効果あるいはキンク電流などでドレイン電流値がドレイン電圧に依存する場合では、駆動用トランジスタの閾値電圧シフトの発生により、EL素子を流れる電流値がずれる。また駆動用トランジスタのソース−ゲート間電圧が、電流の書きこみ終了時点で変動するが、変動の程度もトランジスタの閾値電圧の変動により影響を受ける。これらの対策に関しては一切述べられていない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極及び前記第3のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続され、
前記第1の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶し、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すEL表示素子である。
【0012】
また、第2の本発明は、第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続され、
前記第3のトランジスタのゲート電極は、第3の走査線に接続され、前記第1の走査線及び前記第3の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶し、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線及び前記第3の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すEL表示素子である。
【0013】
また、第3の本発明は、前記第1のトランジスタのドレイン電極と前記第2のトランジスタのソース電極との間には一つまたは複数のトランジスタが接続されている第1または2の本発明のEL表示素子である。
【0014】
また、第4の本発明は、前記第1、2及び4のトランジスタがp−ch型トランジスタであり、前記第3のトランジスタがn−ch型トランジスタである第2の本発明のEL表示素子である。
【0015】
また、第5の本発明は、前記第1、2、3及び4のトランジスタがp−ch型トランジスタにより構成されている第1の本発明のEL表示素子である。
【0016】
また、第6の本発明は、前記第1の走査線及び第2の走査線が共通である第1の本発明のEL表示素子である。
【0017】
また、第7の本発明は、Vsigを第一のトランジスタのソース・ゲート間電圧とし、Vthを第1のトランジスタの閾値電圧とし、Vdsを第一のトランジスタのソース・ドレイン間電圧とした場合前記第1のトランジスタの飽和領域における電流値Idsが次式
Ids=k×(Vgs−Vth)2(1+Vds×λ)
であらわされており、隣接画素間における第1のトランジスタにおける閾値の変動を、最大y(V)とし、隣接画素間のEL素子を流れる電流値の変動の許容値をx(%)とした場合、前記λの値が次式
λ<0.01×x/y
を満たす第1〜6の本発明のいずれかのEL表示素子である。
【0018】
また、第8の本発明は、前記λの値は、0.06以下であり、隣接する単位画素での前記第1のトランジスタにおける閾値の変動が0.3V以下である第7の本発明のEL表示素子である。
【0019】
また、第9の本発明は、前記λの変動は10%以下である第7の本発明のEL表示素子である。
【0020】
また、第10の本発明は、前記第1トランジスタのチャンネル長が15μm以上である第7の本発明のEL表示素子である。
【0021】
また、第11の本発明は、前記コンデンサの容量値をCs、前記第3のトランジスタのオフ電流値をIoffとした場合、前記Cs及び前記Ioffは、次式Cs/Ioff>4
を満たす第1または2の本発明のEL表示素子である。
【0022】
また、第12の本発明は、前記第3のトランジスタのオフ電流値が10pA以下である第7の本発明のEL表示素子である。
【0023】
また、第13の本発明は、前記第3のトランジスタがp−ch型トランジスタで構成されており、そのゲート電極はマルチゲート構造を有し、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが216(μm2)以下である第1または2の本発明のEL表示素子である。
【0024】
また、第14の本発明は、前記第3のトランジスタがn−ch型トランジスタで構成されており、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが16(μm2)以下である第1または2の本発明のEL表示素子である。
【0025】
また、第15の本発明は、前記コンデンサの容量値が1.5pF以上である第13の本発明のEL表示素子である。
【0026】
また、第16の本発明は、第1または2の本発明のEL表示素子をマトリックス状に配置したEL表示パネルを備え、
前記EL表示パネルの隣接する前記EL表示素子の輝度差が4%以下であるEL表示装置である。
【0027】
また、第17の本発明は、前記EL表示素子の前記第3のトランジスタは、前記EL表示パネルの隣接する前記EL表示素子の輝度差が4%以下になるようなトランジスタサイズである第16の本発明のEL表示装置である。
【0028】
また、第18の本発明は、第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極及び前記第3のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続されたEL表示素子を駆動するEL表示素子の駆動方法であって、
前記第1の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶するステップと、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すステップとを備えたEL表示素子の駆動方法である。
【0029】
また、第19の本発明は、第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続され、
前記第3のトランジスタのゲート電極は、第3の走査線に接続されたEL表示素子を駆動するEL表示素子の駆動方法であって、
前記第1の走査線及び前記第3の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶するステップと、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線及び前記第3の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すステップとを備えたEL表示素子の駆動方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0031】
本発明は、上記課題に対して、ELに流れる電流を制御するトランジスタが、ソースフォロワ構成とならず、駆動電圧を低くすることが可能でかつ高速動作に適した回路構成を与えるものである。加えてその駆動用トランジスタにアーリー効果あるいはキンク電流があっても、その影響を最小に抑えることが出来、記憶される電流値の変動を小さくすることが出来で高い表示性能をえることが出来る構成を与えている。
【0032】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態1のEL表示素子(EL表示素子を含む回路構成)を示す。単位画素が最低4つからなる複数のトランジスタならびにEL素子により形成され、第1の走査線をアクティブとすることにより第1のトランジスタM1および第2のトランジスタM2を通して、前記EL素子に流すべき電流値を流し、第1のトランジスタM1のゲートとドレイン間を短絡するように第3のトランジスタM3が第1の走査線がアクティブとなることにより開くと共に、第1のトランジスタM1のゲートとソース間に接続されたコンデンサに、前記電流値を流すように第1のトランジスタM1のゲート電圧(あるいはドレイン電圧)を記憶した後に、第1の走査線を非アクティブ、第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタM1ならびにEL素子に接続された第4のトランジスタM4ならびに前記ELを含む経路に切り替えて、記憶した電流を前記EL素子に流すことを特徴とするアクティブマトリックス型EL表示素子により構成するものである。この回路は1画素内に4つのトランジスタを有しており、第1のトランジスタM1のゲートは第3のトランジスタM3のソースに接続されており、第3のトランジスタM3および第2のトランジスタM2のゲートは第1の走査線に、第3のトランジスタM3のドレインは第2のトランジスタM2のソースならびに第4のトランジスタM4のソースに接続され第2のトランジスタM2のドレインは信号線に接続されている。第4のトランジスタM4のゲートは第2の走査線に接続され、第4のトランジスタM4のドレインはEL素子のアノード電極に接続されている。
【0033】
以下その手段ならびに作用について図2を用いて説明する。
【0034】
実施の形態1の駆動回路は2つのタイミングにより制御される。第一のタイミングは必要な電流値を記憶させるタイミングである。このタイミングで第2のトランジスタM2ならびに第3のトランジスタM3が開くことにより、等価回路として図2(A)となる。ここで、信号線より所定の電流I1が書き込まれる。これにより第1のトランジスタM1はゲートとドレインが接続された状態となり、この第1のトランジスタM1と第2のトランジスタM2を通じてI1が流れる。従って、第1のトランジスタM1のゲート−ソースの電圧はI1が流れるような電圧V1となる。このときの第1のトランジスタM1のソースードレイン間の電圧は図2(C)におけるV1となる。
【0035】
第二のタイミングは第2のトランジスタM2と第3のトランジスタM3とが閉じ、第4のトランジスタM4が開くタイミングであり、そのときの等価回路は図2(B)となる。これにより第1のトランジスタM1のソース−ゲート間の電圧は保持されたまま、動作点は図のV2に移動する(図2(C))。この場合、第1のトランジスタM1は常に飽和領域で動作するため、I1の電流は一定となる。
【0036】
このように、実施の形態1におけるEL表示素子を用いることにより、上述したように、ELに流れる電流を制御するトランジスタが、ソースフォロワ構成とならず、駆動電圧を低くすることが可能でかつ高速動作に適し、加えてその駆動用トランジスタにアーリー効果あるいはキンク電流があっても、その影響を最小に抑えることが出来、記憶される電流値の変動を小さくすることが出来て高い表示性能をえることが出来る。
【0037】
ところが、実施の形態1におけるEL表示素子をマトリックス状に配置した表示パネルを備えたEL表示装置を用いて表示データを表示した場合、トランジスタのチャンネル部分をアモルファスシリコンからポリシリコンに溶融再結晶化するためのレーザビームの走査線方向と直交する方向に、表示画面に筋状のパターン(以下この筋状のパターンを縦筋と呼ぶ。)が表示されてしまう。このような縦筋が表示されることにより表示品位が損なわれてしまうという課題が発生した。
【0038】
そこで、本出願に係る発明者は、縦筋発生の原因を究明することによって、表示品位を向上する方法を発見した。そして発見した方法を用いて、高品位な表示を可能とするEL表示素子を実現することに成功した。以下縦筋の原因と高品位な表示を可能とするEL表示素子について説明する。
【0039】
まず、縦筋が表示される原因として、第3のトランジスタM3の寄生容量が原因であることがわかった。すなわち、第3のトランジスタM3の寄生容量が縦筋に与える影響を確認するために、次のような実験を行った。
【0040】
すなわち、第1の走査線から第3のトランジスタM3のゲート電極に印加する第3のトランジスタM3のON電圧を変化させて、隣接するEL表示素子(EL表示素子のことを以下画素と呼ぶ)間の輝度差の変化を調べる実験を行った。
【0041】
図3は、第3のトランジスタM3のゲート電極に一定のON電圧を印加した場合の、各走査線方向の画素列の輝度レベルと、隣接する画素の輝度差とを図示したものである。図3で横軸は、走査線方向の画素列の番号であり、縦軸は、輝度レベルと隣接する画素の輝度差とを示している。また、各走査線方向の画素列の輝度レベルを図3では、輝度レベルとして図示しており、隣接する画素の輝度差を図3では、隣接間輝度差として図示している。図3から明らかなように、隣接間輝度差があるということは、縦筋が表示されていることである。
【0042】
図4は、第3のトランジスタM3のゲート電極に印加するON電圧を変化させて、隣接間輝度差の標準偏差の3倍を求めて図示したものである。図4において、横軸は、第3のトランジスタM3のゲート電極に印加するON電圧を示しており、縦軸は、隣接間輝度差の標準偏差の3倍を示している。図4から明らかなように、第3のトランジスタM3のゲート電極に印加するON電圧の絶対値が増加すると、隣接間輝度差の標準偏差の3倍が増加している。すなわち、第3のトランジスタM3のゲート電極に印加するON電圧の絶対値が増加するほど、縦筋が目立って表示されることがわかる。
【0043】
このような縦筋の発生原因は、次のようなものであると考えられる。すなわち、第1の走査線にON電圧を印加している時には、第1のトランジスタM1及び第2のトランジスタM2及び信号線を経由して所定の電流が信号線に流れる。このとき、第1のトランジスタM1のゲート電極に接続されたコンデンサに対して、その所定の電流を流すことが出来るような電圧が書き込まれる。
【0044】
次に、第1の走査線にOFF電圧を印加する。この時に、第3のトランジスタM3のソース電極とゲート電極との間の寄生容量により、第1のトランジスタM1のゲート電位がΔVだけ変化する。図5に、第3のトランジスタM3のソース電極とゲート電極との間の寄生容量を寄生容量Cgdとして示す。また、第1のトランジスタM1のゲート電極とソース電極との間に接続されたコンデンサの容量をCsとする場合、第1のトランジスタM1のゲート電位の変化Δは次式で表される。
ΔV=Cgd×Vg/(Cs+Cgd)
図6にn番目と(n+1)番目の第1のトランジスタM1の特性を示す。n番目の第1のトランジスタM1と(n+1)番目の第1のトランジスタM1とは、図6に示すようにレーザアニールプロセスにより作成されたことに起因する特性差を有している。すなわち、n番目の第1のトランジスタM1は、第1の走査線にOFF電圧が印加され、第2の走査線にON電圧が印加されている場合、第1のトランジスタM1のゲート電極とソース電極との間に接続されているコンデンサが電圧Vg(n)を記憶している場合に、idataの電流を流す。これに対して、(n+1)番目の第1のトランジスタM1は、第1の走査線にOFF電圧が印加され、第2の走査線にON電圧が印加されている場合、第1のトランジスタM1のゲート電極とソース電極との間に接続されているコンデンサが電圧Vg(n+1)を記憶している場合に、idataの電流を流す。ところが、寄生容量Cgdにより、第1のトランジスタM1のゲート電位はΔVだけ変化するので、n番目の第1のトランジスタM1と(n+1)番目の第1のトランジスタM1の特性差により、図6に示すように、n番目の第1のトランジスタM1については、iel(n)という電流が流れ、(n+1)番目の第1のトランジスタM1については、iel(n+1)という電流が流れることになる。
【0045】
このように寄生容量Cgdにより、第1のトランジスタM1のゲート電位がΔVだけ変化することにより、第1のトランジスタM1の電流−電圧特性のばらつきが顕在化して、実際にEL素子に流れる電流が異なってしまう。これが縦筋として認識される。以上、縦筋発生の原因について説明した。
【0046】
このように、第1のトランジスタM1のゲート電位の変化ΔVは、第3のトランジスタM3のソース電極とゲート電極との間の寄生容量Cgdが大きいほど大きくなる。従って、寄生容量Cgdが大きいほど第1のトランジスタM1の特性差がより多く顕在化し、縦筋の発生が増加する。従って、縦筋を目立たなくして表示品位を向上させるためには、出来るだけ第3のトランジスタM3のソース電極とゲート電極との間の寄生容量Cgdを小さくすればよい。
【0047】
すなわち、第3のトランジスタM3として、トランジスタサイズが小さいトランジスタを用いれば寄生容量Cgdを小さくすることが出来る。従って、縦筋の発生を低減し、表示品位を向上することが出来る。
【0048】
具体的には、第3のトランジスタがp−ch型トランジスタで構成されており、そのゲート電極はマルチゲート構造を有し、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが216(μm2)以下であれば表示品位を向上することが出来た。
【0049】
また、第3のトランジスタがn−ch型トランジスタで構成されており、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが16(μm2)以下であれば表示品位を向上することが出来た。
【0050】
特に、p−ch型トランジスタよりもn−ch型トランジスタの方がトランジスタサイズが小さいので、第3のトランジスタM3として、n−ch型のトランジスタを用いることにより、より寄生容量Cgdを小さくすることが出来る。
【0051】
図7に、第3のトランジスタM3をn−ch型にした場合の、EL表示素子を示す。図7では、第3のトランジスタM3の代わりに第3のトランジスタM3’が用いられている。そして、第3のトランジスタM3’のゲートは、第1の走査線に接続される代わりに、第3の走査線に接続されている。また、第1のトランジスタM1、第2のトランジスタM2、及び第4のトランジスタM4は、p−ch型のトランジスタであり、第3のトランジスタM3’はn−ch型のトランジスタである。それ以外は、図1に示すEL表示素子と同様である。
【0052】
また、図8に、図7に示すEL表示素子の第1の走査線、第2の走査線、及び第3の走査線の電圧波形を示す。第3のトランジスタM3’がn−ch型のトランジスタであり、第2のトランジスタM2がp−ch型のトランジスタであるので、第1の走査線のON電圧と第2の走査線のON電圧とは極性が逆になっている。また、第2のトランジスタM2も第4のトランジスタM4も両方ともp−ch型のトランジスタであるので、第1の走査線のON電圧と第2の走査線のON電圧とは同じ極性である。図8に示すように、第1の走査線及び第3の走査線にON電圧が印加された際、第3のトランジスタM3’及び第2のトランジスタM2がともに導通状態になり、第1のトランジスタM1及び第2のトランジスタM2及び信号線を経由して表示データに対応する電流が流れ、コンデンサCにそのような所定の電流を流すような電圧が記憶される。次に、第1の走査線及び第3の走査線にOFF電圧が印加され、第2の走査線にON電圧が印加されると、コンデンサCに記憶された電圧に対応する電流が第1のトランジスタM1及び第4のトランジスタM4及びEL素子を通じて流れる。このようにしてEL素子が発光する。
【0053】
次に、隣接間輝度差と縦筋が表示されることによる画面の表示品位との関係について調べた。図9にその結果を示す。図9(A)は、目視による画面の表示品位の評価の方法を示すものである。図9(A)に示すように、目視による画面の表示品位を5段階評価した。すなわち、1は、表示品位がすぐれており、表示品位に問題が見られないことを示している。2は、表示品位がよく、表示品位のレベルが上であることを示している。3は、表示品位が許容レベルであることを示している。4は、表示品位が許容レベル以下であることを示している。また、5は、表示品位が低く、表示品位が不良であることを示している。
【0054】
図9(B)に、図9(A)に示す5段階評価を用いて、隣接画素間の輝度差と画面の表示品位との関係を調べた結果を示す。図9(B)から明らかなように、隣接間輝度差の標準偏差の3倍が約4%より小さい場合、5段階評価で3以下になっていることがわかる。すなわち、縦筋による表示品位の劣化は、隣接間輝度差の標準偏差の3倍が約4%以下であれば、許容できることになる。
【0055】
従って、第3のトランジスタM3として隣接輝度差の標準偏差の3倍が約4%以下になるだけ十分トランジスタサイズが小さいトランジスタを用いることにより、縦筋による表示品位の劣化を避けることが出来る。このように、隣接輝度差の標準偏差の3倍が約4%以下になるような第3のトランジスタM3を用いることにより、表示品位の良好なEL表示素子を実現することが出来る。
【0056】
上記EL素子については、図10に示すような構造(下取り出し方式)を用いることができる。このEL表示素子の構成は、基板上に、ホール注入電極(画素電極)となるITO、1種以上の有機層と、電子注入電極とが順次積層された構成を有する。前記基板にはTFT(薄膜トランジスタ)が設けられている。このEL表示素子を製造するには、まず、基板上にTFTのアレイを所望の形状に形成する。そして、平坦化膜上の画素電極として透明電極であるITOをスパッタ法で成膜、パターニングする。その後、有機EL層、電子注入電極等を積層する。
【0057】
図10に示されるEL表示素子は、ガラス基板11上に、TFT(薄膜トランジスタ)12のアレイと、ゲート絶縁膜を兼ねる絶縁膜13、層間絶縁膜14、平坦化膜(絶縁膜)15からなる。平坦化膜(絶縁膜)15等によりTFT12とから絶縁されて、ホール注入電極となるITO16と有機層17、電子注入電極18とを有するEL構造体が積層されている。
【0058】
なお、基板材料としては、EL素子が形成される側の反対側の裏面方向より光が出射される場合は、ガラス、石英や樹脂等の透明ないし半透明材料を用いなければならない。
【0059】
また、本実施の形態では、光取り出し方式が異なるEL表示素子(上取り出し方式)についても適用できる。このEL表示素子の構成例を図11に示す。図11に示されるEL表示素子は、ガラス基板11上に、TFT(薄膜トランジスタ)12のアレイと、ゲート絶縁層を兼ねる絶縁層13、層間絶縁膜14、平坦化膜(絶縁層)15とを有する。そして、平坦化膜(絶縁層)15でTFT12とから絶縁されて、電子注入電極となる金属膜16と有機層17、ホール注入電極となるITO18とを有するEL構造体が積層されている。
【0060】
この場合、基板材料としてはステンレスなどの非透過材料を用いることもできる。先に述べた下取り出し方式の素子の比べて、上取り出し方式の素子は、第2のトランジスタのドレイン電極となる画素電極の極性が逆になるだけであり、電子注入、輸送などの役割を有する材料の用件は同じである。また、発光層の材料の条件も基本的には同じである。
【0061】
このようにして作製したEL表示素子に直流電圧を印加し、10mA/cm2の一定電流密度で連続駆動させた。EL構造体は、5.0V 、200cd/cm2の緑色(発光極大波長λmax =460nm)の発光が確認できた。青色発光部は、輝度100cd/cm2 で、色座標がx=0.129,y=0.105、緑色発光部は、輝度200cd/cm2 で、色座標がx=0.340,y=0.625、赤色発光部は、輝度100cd/cm2 で、色座標がx=0.649,y=0.338の発光色が得られた。
【0062】
(実施の形態2)
実施の形態2のEL表示素子(EL素子を含む回路構成)は、第2のトランジスタと第4のトランジスタの導電型を異なったものとしている(図12)。これにより、第1と第2の走査線を共通とすることが可能となり、駆動回路の簡略化、ならびに画素の開口率を向上させることが出来る。本実施の形態の基本的な動作タイミングとしては、実施の形態1と同様に、信号線からの書きこみ経路がオフになる、すなわち所定の電流が記憶される際に、電流の流れる経路に分岐があると正確な電流値が第1のトランジスタM1のソース−ゲート間容量(コンデンサ)に記憶されない。第2のトランジスタM2と第4のトランジスタM4を異なった導電形にすることにより、お互いの閾値を制御することによって走査線の切り替わりのタイミングで必ず第2のトランジスタM2がオフしたのちに第4のトランジスタM4がオンすることが可能になる。ただしこの場合お互いの閾値を正確にコントロールする必要があるのでプロセスの注意が必要である。
【0063】
(実施の形態3)
実施の形態1と実施の形態2とで述べたEL表示素子を含む回路構成は、最低4つのトランジスタで実現可能であるが、より正確なタイミングのコントロールあるいは後述するように、駆動用トランジスタのアーリー効果低減のためにトランジスタを図13に示すようにカスケード接続してトランジスタの総数が4以上になってもよい。
【0064】
(実施の形態4)
実施の形態4のEL表示素子(EL素子を含む回路構成)は、単位画素が少なくとも4つのトランジスタならびにEL素子により形成され、第1および第2のトランジスタM1,M2がp−chであることを特徴とするものである。一般的にp−chトランジスタはn−chトランジスタに比較して、信頼性が高い、キンク電流が少ないなどの特長があり、電流を制御することによって目的とする発光強度を得るEL素子に対しては、第1のトランジスタM1をp−chにする効果が大きい。さらに、構成するすべてのトランジスタをp−chで構成することによって、プロセスの簡略化を図ることが出来る。
【0065】
(実施の形態5)
実施の形態5のEL表示素子は、第1のトランジスタM1の飽和領域における電流値Idsが下式
Ids=k×(Vgs−Vth)2(1+Vds×λ)
であらわされて、λの値が0.06以下であるものである。なお、上式で、Vgsは第一のトランジスタのソース・ゲート間電圧とし、Vthを第1のトランジスタの閾値電圧とし、Vdsを第一のトランジスタのソース・ドレイン間電圧である。本実施の形態では、第1のトランジスタM1の動作範囲を飽和領域に限定するが、一般的に飽和領域におけるトランジスタ特性は、理想的な特性より外れ、ソース−ドレイン間電圧の影響を受ける。この効果をアーリー効果という。アーリー効果が存在する場合の本実施形態の動作曲線を図14(A)に示す。いま隣接する画素におけるそれぞれの第1のトランジスタM1にΔVtなる閾値のシフトが発生した場合を考える。図中点線は閾値がシフトした場合の2端子特性である。この場合記憶される電流値は同じでありこの場合の、ソース−ドレイン電圧特性は図14(B)のようになる。この場合、閾値のシフトをΔLとすれば、ほぼΔV×λが第1のトランジスタM1の閾値が変動することによる、EL素子の電流値のずれに相当する。従って電流のずれをx(%)以下に抑えるためには、閾値のシフトの許容量を隣接する画素間でy(V)を許容するとして、λは0.01×x/y以下でなければならないことが判る。前記許容値はアプリケーションの輝度により変化する。図15に横軸輝度、縦軸に輝度(Bcd/m2)の変動量(ΔI・I)を示す。輝度が100cd/m2から1000cd/m2までの輝度領域においては、変動量が4%以上あれば人間は変動した境界線を認識する。したがって、輝度(電流量)の変動量が4%以内であることが必要である。本発明のEL表示素子を携帯端末用ディスプレイとして用いる場合、その要求輝度は100cd/m2程度である。図16に隣接する画素を構成する第1のトランジスタM1の閾値の変動を示す。これより変動の最大値は0.3Vであることが判った。従って、輝度の変動を4%以内に抑えるためにはλは0.06以下とすることにより、隣接画素の輝度バラツキを認知限以下に出来ることが判った。
【0066】
(実施の形態6)
実施の形態6のEL表示素子は、第1のトランジスタの飽和領域における電流値Idsが下式
Ids=k×(Vgs−Vth)2(1+Vds×λ)
であらわされて、隣接する画素における第1のトランジスタにおけるλの変動が5%以下であることを特徴とするものである。なお、上式でVgsは、第一のトランジスタのソース・ゲート間電圧とし、Vthを第1のトランジスタの閾値電圧とし、Vdsを第一のトランジスタのソース・ドレイン間電圧である。図2から明らかなように隣接する画素間において、たとえ閾値の変動が存在しない場合でも上記式のλに変動があれば、ELを流れる電流値が変動する。横軸λ、縦軸にλの変動による電流値をシミュレーションした結果を図17に示す。変動を±4%以内に抑えるためには、λの変動を±10%に抑えなければならない事がわかった。
【0067】
(実施の形態7)
実施の形態7のEL表示素子は、第1のトランジスタM1のチャンネル長が15μm以上であることを特徴とするものである。横軸にチャンネル長L(μm)、縦軸にλをプロットしたものを図18に示す。チャンネル長を15μm以上とすることによって、λの値を0.06以下に抑えることが可能であることが解った。これはLを長くしたばあい、ドレイン電圧による実効チャンネル長の変動の割合が減少するためである。
【0068】
(実施の形態8)
実施の形態8のEL表示素子は、蓄積容量値をCs(pF)、第3のトランジスタのオフ電流値をIoff(pA)とした場合次式
Cs/Ioff>4
を満たすことを特徴とするものである。図19に横軸に第3のトランジスタM3のオフ電流、縦軸にELを流れる電流値のシミュレーション結果を示す。第3のトランジスタM3のオフ電流を8pA以下とすることにより、ELを流れる電流値の変化を4%以下に抑えることが可能であることが解る。これはリーク電流が増加すると、電圧非書き込み状態においてトランジスタM1のゲート−ソース間(コンデンサの両端)に貯えられた電荷を1フィールド間保持できないためである。従って蓄積用容量が大きければオフ電流の許容量も大きくなる。我々は前記式を満たすことによって隣接画素間の電流値の変動を4%以下に抑えることが出来ることを見出した。
【0069】
(実施の形態9)
実施の形態9のEL表示素子は、アクティブマトリックスを構成するトランジスタがp−chポリシリコン薄膜トランジスタに構成されており、第3のトランジスタM3がデュアルゲート以上であるマルチゲート構造であることを特徴とするものである。第3のトランジスタM3は、第1のトランジスタM1のソース−ドレイン間スイッチとして作用するため、できるだけON/OFF比の高い特性が要求される。図20に各種ゲート構造におけるリーク電流値を示す。これより、ゲートの構造をデュアルゲート構造以上のマルチゲート構造が必要であることが解る。
【0070】
(実施の形態10)
実施の形態10のEL表示素子は、アクティブマトリックスを構成するトランジスタがポリシリコン薄膜トランジスタで構成されており、第3のトランジスタM3のチャンネル幅(W)×チャンネル長(L)を54μm2以下とするものである。前述の駆動方法において、第1のトランジスタM1のソース−ゲート間電圧は、第3のトランジスタM3がオンからオフ状態に変化する際に、第3のトランジスタM3の寄生容量により変動を受ける。第3のトランジスタM3がオンからオフになる場合に、これによる電圧の変動量ΔVoffは次式で表される。
ΔVoff=Con/(Cs+Con)×(Von−Vth)+Coff/(Cs+Coff)×(Vth−Voff)
ここでConならびにVoffは第3のトランジスタM3のオンならびにオフ状態でのトランジスタの容量、Vthは第3のトランジスタM3の閾値電圧、Csは蓄積容量の値である。従ってΔVoffは閾値電圧のバラツキの影響を受ける。この影響を小さくするためには、第3のトランジスタM3のサイズを小さくしてΔVoffの値を小さくする必要が有る。
【0071】
図21に横軸を第3のトランジスタM3のチャンネル幅(W)×チャンネル長(L)、縦軸に電流値のばらつきをプロットしたものを示す。これより、隣接するトランジスタの閾値電圧のバラツキが0.3Vの場合は、M3のL×Wを54μm2以下としなければならないことが判った。
【0072】
(実施の形態11)
実施の形態11のEL表示素子は、コンデンサが隣接する画素間の非表示領域におおむね形成されることを特徴とするアクティブマトリックス型EL表示素子である。一般的に、フルカラー有機ELを作成する場合、有機EL層をメタルマスクによるマスク蒸着で形成するため、隣接する画素間の非表示領域は10μm以上離れなければならない。この部分は発光に寄与しない部分となるため、蓄積容量をこの領域に形成することは開口率向上のために有効な手段となる。図22にその平面図を示す。
【0073】
(実施の形態12)
実施の形態12のEL表示素子は、アクティブマトリックスを構成するトランジスタがポリシリコン薄膜トランジスタに構成されており、前記アクティブマトリックスEL表示素子の垂直走査用駆動回路あるいは水平走査回路のすくなくとも1つの駆動回路が画素を構成するトランジスタを作成すると同時にガラス基板上に一体形成されることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリックス型EL表示素子を提供するものである。前述のように本発明は、単位画素内に少なくとも4つ以上のトランジスタが必要である。従ってこれらを構成するトランジスタの材料としては、移動度の高いポリシリコンをアクティブ素子の材料として用いるのが適している。従って本パネルを駆動する回路も合わせて、一体形成することが可能となる。内蔵する回路としては、走査側、信号側どちらも可能ではあるが、トランジスタの性能を加味して、内蔵する回路の種類を決定すればよい。上記実施の形態で使用するTFTとして、プレーナー型のTFT、スタガー型、逆スタガー型でもよく、また、セルフアライン方式を用いて不純物領域(ソース、ドレイン)が形成されたものでも、非セルフアライン方式によるものでもよい。
【0074】
(実施の形態13)
実施の形態13は、単位画素が複数のトランジスタならびにEL素子により形成され、第1の走査線をアクティブとすることにより第1のトランジスタおよび信号線に接続された第2のトランジスタを通して、前記EL素子に流すべき電流値を流し、第1のトランジスタのゲートとドレイン間を短絡するように第3のトランジスタが開くと共に、第1のトランジスタのゲートとソース間に接続されたコンデンサに、前記電流値を流すように第1のトランジスタのゲート電圧(あるいはドレイン電圧)を記憶した後に第1の走査線を非アクティブ、第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ並びにEL素子に接続された第4のトランジスタならびに前記ELを含む経路に切り替えて、記憶した電流を前記EL素子に流すことを特徴とするようにアクティブマトリックス型EL表示素子を駆動する。この駆動方法により、EL素子に流すべき電流値を、構成するトランジスタの特性に左右されることなく一定に制御することができる。
【0075】
(実施の形態14)
実施の形態14は、アクティブマトリックス型EL表示素子の駆動電圧が第1のトランジスタのゲート電極とドレイン電極を接続して目的とする最大電流を流すことができるゲート電圧(ドレイン電圧)と前記電流値を流すことが出来るEL素子の駆動電圧の和以上であることを特徴とするように駆動するものである。図2の駆動電圧をきめる動作曲線からわかるように、EL素子に流れる電流値が最大値となる場合において、必要な駆動電圧は最大電流を流すことができるゲート電圧(ドレイン電圧)と前記電流値を流すことが出来るEL素子の駆動電圧の和以上となる。なお、第1および第2の走査線が共通であり、第2および第4のトランジスタが異なった導電型でもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、駆動電圧を低くすることが可能でかつ高速動作に適し、加えてその駆動用トランジスタにアーリー効果あるいはキンク電流があっても、その影響を最小にして、記憶される電流値の変動を小さくすることが出来て高い表示性能をえる、アクティブマトリクス駆動タイプのEL表示素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のEL表示素子(EL表示素子を含む回路構成)を示す図
【図2】実施の形態1のEL表示素子の駆動を説明する図
【図3】実施の形態1のEL表示素子の隣接間輝度差の測定結果を示す図
【図4】第3のトランジスタのゲート電極に印加するON電圧に対する隣接間輝度差を示す図
【図5】実施の形態1のEL表示素子の第3のトランジスタの寄生容量を示す図
【図6】実施の形態1のn番目と(n+1)番目との第1のトランジスタの特性を示す図
【図7】実施の形態1の第3のトランジスタとしてn−ch型のトランジスタを用いた場合のEL表示素子を示す図
【図8】実施の形態1の図7に示すEL表示素子の第1の走査線、第2の走査線、及び第3の走査線の電圧波形を示す。
【図9】(A)隣接間輝度差と縦筋が表示されることによる画面の表示品位との関係を評価するための評価基準を示す図(B)隣接間輝度差と縦筋が表示されることによる画面の表示品位との関係を評価した結果を示す図
【図10】一般的なEL素子(下取り方式)を示す図
【図11】上取り方式のEL素子を示す図
【図12】実施の形態2のEL表示素子を示す図
【図13】実施の形態3のEL表示素子を示す図
【図14】実施の形態5のEL表示素子の駆動を示す図
【図15】輝度と輝度の変動量の関係を示す図
【図16】隣接する画素を構成する第1のトランジスタの閾値の変動を示す図
【図17】λの変動による電流値をシミュレーションした結果を示す図
【図18】チャンネル長とλの関係を示す図
【図19】第3のトランジスタのオフ電流とEL素子を流れる電流値のシミュレーション結果を示す図
【図20】各種ゲート構造におけるリーク電流値を示す図
【図21】第3のトランジスタのチャンネル幅(W)×チャンネル長(L)と電流値のばらつきの関係を示す図
【図22】実施の形態11のEL表示素子を示す図
【図23】従来技術を示す図
【符号の説明】
11 ガラス基板
12 TFT(薄膜トランジスタ)
13 絶縁膜(ゲート絶縁膜を兼ねる)
14 層間絶縁膜
15 絶縁膜(平坦化膜)
16 透明電極
17 有機層
18 電子注入電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリックス型のEL表示素子、及びそのEL表示素子の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のアクティブマトリックス型EL表示素子の画素セルの回路は、縦横に張り巡らされた配線の交点に第1のトランジスタを設け、そのゲート電極を走査線(ゲート線ともいう)に、ドレイン領域を信号線(ドレイン線ともいう)に接続し、ソース電極は第2のトランジスタのゲート電極に接続し、前記第2のトランジスタは、ソース電極またはドレイン電極の一方が、電流供給線に接続され、ソース電極またはドレイン電極の他方がEL素子のアノード電極(あるいはカソード電極)に接続され、EL素子の他方の電極が共通電極となる構造となっている。
【0003】
以下この構成による駆動の原理を説明する。まず有機ELパネルに用いられるアクティブマトリックス方式は次の条件を満足させなければならない。
【0004】
1.特定の画素を選択し、必要な表示情報を与えられること。
【0005】
2.1フレーム期間を通じてEL素子に電流を流すことができること
この2つの条件を満足させるため、第1のトランジスタは画素を選択するためのスイッチング用トランジスタ、第2のトランジスタはELに電流を供給するための駆動用トランジスタとする。ここで液晶に用いられるアクティブマトリックス方式と比較すると、スイッチング用トランジスタは液晶用にも必要であるが、駆動用トランジスタはELを光らせるために必要である。この理由は液晶の場合は、電圧を印加することでオン状態を保持することができるが、ELの場合は、電流を流しつづけて画素をオン状態とするからである。したがってELパネルでは電流を流し続けるためにトランジスタをオンさせ続けなければならない。まず、走査線、データ線が両方ともオンになると、スイッチング用トランジスタを通してキャパシタに電荷が蓄積される。このキャパシタが駆動用トランジスタのゲートに電圧を加え続けるため、スイッチング用トランジスタがオフになっても、電流供給線から電流が流れつづけ、1フレーム期間にわたり画素をオンできる。この構成を用いて階調を表示させる場合、駆動用トランジスタのゲート電圧として階調に応じた電圧を印加する必要がある。したがって駆動用トランジスタのオン電流のばらつきがそのまま表示に現れる。トランジスタのオン電流は単結晶で形成されたトランジスタであれば、きわめて均一であるが、安価なガラス基板に形成することのできる低温多結晶トタンジスタでは、そのしきい値のばらつきが±0.2V〜0.5Vの範囲でばらつきを持つため、駆動用TFTを流れるオン電流がこれに対応してばらつき、表示にムラが発生する。これらのムラは、しきい値電圧のばらつきのみならず、TFTの移動度、ゲート絶縁膜の厚みなどでも発生する。したがってアナログ的に階調を表示させる方法では、均一な表示を得るために、デバイスの特性を厳密に制御する必要があり、現状の低温多結晶ポリシリコンTFTではこのスペックを満足できない。この問題を解決するため、図23に示すようにさまざまな回路構成が提案されている。図23(A)は非特許文献1に開示された回路である。1画素内に4つのトランジスタをもうけて、駆動用トランジスタ(=TFT2)のしきい値電圧のばらつきをコンデンサにより補償させて均一な電流を得る構成となっている。図23(C)の回路は、非特許文献2に開示されている回路であり、駆動用トランジスタ(T3)のソース電極がvddに接続されており、かつIdataの書き込みが、前記EL素子を介さない構成となるため、高速動作に適した回路となっている。
【0006】
【非特許文献1】
SID98、DIGEST、11ページ
【非特許文献2】
電子情報通信学会技術研究報告、Vol.01、部会番号EID2001−261、107〜111ページ
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図23(A)の構成では、TFT2の閾値電圧のバラツキは補償されるが、DATAを電圧で与えているため、駆動用トランジスタの閾値電圧以外の移動度など、ON電流を与えるパラメータのバラツキを補償することは出来ない。これに対しデータを電流で与えて、駆動用トランジスタの特性バラツキを補償する回路構成である図23(B)が提案された。図23(B)はIEDM98−pp875で開示されている構成である。データを電流Idataで与えることにより、上記課題の解決を図っている。
【0008】
しかしながらこの方法は、
1.プログラムされる電流がEL素子を通じてプログラムされるため、ELが大きな接合容量を持つ場合に、Idataの書きこみに時間がかかり、高速動作が期待できない。
【0009】
2.電流経路が変化した場合に電源ラインに接続されるスイッチングトランジスタ(MN4)に対し駆動電流を制御するトランジスタ(MN2)がソースフォロワとなる。従って駆動用トランジスタのソース電圧が、スイッチング用トランジスタの特性により変動するなどの欠点を有する。
【0010】
図23(C)の回路は、上述したように高速動作に適した回路となっている。しかしながら、本回路では、駆動用トランジスタ(T1)のソース−ドレイン電極間をScanning line1がオンすることにより、T1およびT2を介して短絡する構成となるためT1ならびにT2の充電能力を共に高くする必要があり、やはり高速動作には不利な構成である。さらにこれらの電流書きこみ方式では、後述するように常に駆動用トランジスタの動作領域を飽和領域としているため、飽和領域において、アーリー効果あるいはキンク電流などでドレイン電流値がドレイン電圧に依存する場合では、駆動用トランジスタの閾値電圧シフトの発生により、EL素子を流れる電流値がずれる。また駆動用トランジスタのソース−ゲート間電圧が、電流の書きこみ終了時点で変動するが、変動の程度もトランジスタの閾値電圧の変動により影響を受ける。これらの対策に関しては一切述べられていない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極及び前記第3のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続され、
前記第1の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶し、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すEL表示素子である。
【0012】
また、第2の本発明は、第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続され、
前記第3のトランジスタのゲート電極は、第3の走査線に接続され、前記第1の走査線及び前記第3の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶し、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線及び前記第3の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すEL表示素子である。
【0013】
また、第3の本発明は、前記第1のトランジスタのドレイン電極と前記第2のトランジスタのソース電極との間には一つまたは複数のトランジスタが接続されている第1または2の本発明のEL表示素子である。
【0014】
また、第4の本発明は、前記第1、2及び4のトランジスタがp−ch型トランジスタであり、前記第3のトランジスタがn−ch型トランジスタである第2の本発明のEL表示素子である。
【0015】
また、第5の本発明は、前記第1、2、3及び4のトランジスタがp−ch型トランジスタにより構成されている第1の本発明のEL表示素子である。
【0016】
また、第6の本発明は、前記第1の走査線及び第2の走査線が共通である第1の本発明のEL表示素子である。
【0017】
また、第7の本発明は、Vsigを第一のトランジスタのソース・ゲート間電圧とし、Vthを第1のトランジスタの閾値電圧とし、Vdsを第一のトランジスタのソース・ドレイン間電圧とした場合前記第1のトランジスタの飽和領域における電流値Idsが次式
Ids=k×(Vgs−Vth)2(1+Vds×λ)
であらわされており、隣接画素間における第1のトランジスタにおける閾値の変動を、最大y(V)とし、隣接画素間のEL素子を流れる電流値の変動の許容値をx(%)とした場合、前記λの値が次式
λ<0.01×x/y
を満たす第1〜6の本発明のいずれかのEL表示素子である。
【0018】
また、第8の本発明は、前記λの値は、0.06以下であり、隣接する単位画素での前記第1のトランジスタにおける閾値の変動が0.3V以下である第7の本発明のEL表示素子である。
【0019】
また、第9の本発明は、前記λの変動は10%以下である第7の本発明のEL表示素子である。
【0020】
また、第10の本発明は、前記第1トランジスタのチャンネル長が15μm以上である第7の本発明のEL表示素子である。
【0021】
また、第11の本発明は、前記コンデンサの容量値をCs、前記第3のトランジスタのオフ電流値をIoffとした場合、前記Cs及び前記Ioffは、次式Cs/Ioff>4
を満たす第1または2の本発明のEL表示素子である。
【0022】
また、第12の本発明は、前記第3のトランジスタのオフ電流値が10pA以下である第7の本発明のEL表示素子である。
【0023】
また、第13の本発明は、前記第3のトランジスタがp−ch型トランジスタで構成されており、そのゲート電極はマルチゲート構造を有し、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが216(μm2)以下である第1または2の本発明のEL表示素子である。
【0024】
また、第14の本発明は、前記第3のトランジスタがn−ch型トランジスタで構成されており、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが16(μm2)以下である第1または2の本発明のEL表示素子である。
【0025】
また、第15の本発明は、前記コンデンサの容量値が1.5pF以上である第13の本発明のEL表示素子である。
【0026】
また、第16の本発明は、第1または2の本発明のEL表示素子をマトリックス状に配置したEL表示パネルを備え、
前記EL表示パネルの隣接する前記EL表示素子の輝度差が4%以下であるEL表示装置である。
【0027】
また、第17の本発明は、前記EL表示素子の前記第3のトランジスタは、前記EL表示パネルの隣接する前記EL表示素子の輝度差が4%以下になるようなトランジスタサイズである第16の本発明のEL表示装置である。
【0028】
また、第18の本発明は、第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極及び前記第3のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続されたEL表示素子を駆動するEL表示素子の駆動方法であって、
前記第1の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶するステップと、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すステップとを備えたEL表示素子の駆動方法である。
【0029】
また、第19の本発明は、第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続され、
前記第3のトランジスタのゲート電極は、第3の走査線に接続されたEL表示素子を駆動するEL表示素子の駆動方法であって、
前記第1の走査線及び前記第3の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶するステップと、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線及び前記第3の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すステップとを備えたEL表示素子の駆動方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0031】
本発明は、上記課題に対して、ELに流れる電流を制御するトランジスタが、ソースフォロワ構成とならず、駆動電圧を低くすることが可能でかつ高速動作に適した回路構成を与えるものである。加えてその駆動用トランジスタにアーリー効果あるいはキンク電流があっても、その影響を最小に抑えることが出来、記憶される電流値の変動を小さくすることが出来で高い表示性能をえることが出来る構成を与えている。
【0032】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態1のEL表示素子(EL表示素子を含む回路構成)を示す。単位画素が最低4つからなる複数のトランジスタならびにEL素子により形成され、第1の走査線をアクティブとすることにより第1のトランジスタM1および第2のトランジスタM2を通して、前記EL素子に流すべき電流値を流し、第1のトランジスタM1のゲートとドレイン間を短絡するように第3のトランジスタM3が第1の走査線がアクティブとなることにより開くと共に、第1のトランジスタM1のゲートとソース間に接続されたコンデンサに、前記電流値を流すように第1のトランジスタM1のゲート電圧(あるいはドレイン電圧)を記憶した後に、第1の走査線を非アクティブ、第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタM1ならびにEL素子に接続された第4のトランジスタM4ならびに前記ELを含む経路に切り替えて、記憶した電流を前記EL素子に流すことを特徴とするアクティブマトリックス型EL表示素子により構成するものである。この回路は1画素内に4つのトランジスタを有しており、第1のトランジスタM1のゲートは第3のトランジスタM3のソースに接続されており、第3のトランジスタM3および第2のトランジスタM2のゲートは第1の走査線に、第3のトランジスタM3のドレインは第2のトランジスタM2のソースならびに第4のトランジスタM4のソースに接続され第2のトランジスタM2のドレインは信号線に接続されている。第4のトランジスタM4のゲートは第2の走査線に接続され、第4のトランジスタM4のドレインはEL素子のアノード電極に接続されている。
【0033】
以下その手段ならびに作用について図2を用いて説明する。
【0034】
実施の形態1の駆動回路は2つのタイミングにより制御される。第一のタイミングは必要な電流値を記憶させるタイミングである。このタイミングで第2のトランジスタM2ならびに第3のトランジスタM3が開くことにより、等価回路として図2(A)となる。ここで、信号線より所定の電流I1が書き込まれる。これにより第1のトランジスタM1はゲートとドレインが接続された状態となり、この第1のトランジスタM1と第2のトランジスタM2を通じてI1が流れる。従って、第1のトランジスタM1のゲート−ソースの電圧はI1が流れるような電圧V1となる。このときの第1のトランジスタM1のソースードレイン間の電圧は図2(C)におけるV1となる。
【0035】
第二のタイミングは第2のトランジスタM2と第3のトランジスタM3とが閉じ、第4のトランジスタM4が開くタイミングであり、そのときの等価回路は図2(B)となる。これにより第1のトランジスタM1のソース−ゲート間の電圧は保持されたまま、動作点は図のV2に移動する(図2(C))。この場合、第1のトランジスタM1は常に飽和領域で動作するため、I1の電流は一定となる。
【0036】
このように、実施の形態1におけるEL表示素子を用いることにより、上述したように、ELに流れる電流を制御するトランジスタが、ソースフォロワ構成とならず、駆動電圧を低くすることが可能でかつ高速動作に適し、加えてその駆動用トランジスタにアーリー効果あるいはキンク電流があっても、その影響を最小に抑えることが出来、記憶される電流値の変動を小さくすることが出来て高い表示性能をえることが出来る。
【0037】
ところが、実施の形態1におけるEL表示素子をマトリックス状に配置した表示パネルを備えたEL表示装置を用いて表示データを表示した場合、トランジスタのチャンネル部分をアモルファスシリコンからポリシリコンに溶融再結晶化するためのレーザビームの走査線方向と直交する方向に、表示画面に筋状のパターン(以下この筋状のパターンを縦筋と呼ぶ。)が表示されてしまう。このような縦筋が表示されることにより表示品位が損なわれてしまうという課題が発生した。
【0038】
そこで、本出願に係る発明者は、縦筋発生の原因を究明することによって、表示品位を向上する方法を発見した。そして発見した方法を用いて、高品位な表示を可能とするEL表示素子を実現することに成功した。以下縦筋の原因と高品位な表示を可能とするEL表示素子について説明する。
【0039】
まず、縦筋が表示される原因として、第3のトランジスタM3の寄生容量が原因であることがわかった。すなわち、第3のトランジスタM3の寄生容量が縦筋に与える影響を確認するために、次のような実験を行った。
【0040】
すなわち、第1の走査線から第3のトランジスタM3のゲート電極に印加する第3のトランジスタM3のON電圧を変化させて、隣接するEL表示素子(EL表示素子のことを以下画素と呼ぶ)間の輝度差の変化を調べる実験を行った。
【0041】
図3は、第3のトランジスタM3のゲート電極に一定のON電圧を印加した場合の、各走査線方向の画素列の輝度レベルと、隣接する画素の輝度差とを図示したものである。図3で横軸は、走査線方向の画素列の番号であり、縦軸は、輝度レベルと隣接する画素の輝度差とを示している。また、各走査線方向の画素列の輝度レベルを図3では、輝度レベルとして図示しており、隣接する画素の輝度差を図3では、隣接間輝度差として図示している。図3から明らかなように、隣接間輝度差があるということは、縦筋が表示されていることである。
【0042】
図4は、第3のトランジスタM3のゲート電極に印加するON電圧を変化させて、隣接間輝度差の標準偏差の3倍を求めて図示したものである。図4において、横軸は、第3のトランジスタM3のゲート電極に印加するON電圧を示しており、縦軸は、隣接間輝度差の標準偏差の3倍を示している。図4から明らかなように、第3のトランジスタM3のゲート電極に印加するON電圧の絶対値が増加すると、隣接間輝度差の標準偏差の3倍が増加している。すなわち、第3のトランジスタM3のゲート電極に印加するON電圧の絶対値が増加するほど、縦筋が目立って表示されることがわかる。
【0043】
このような縦筋の発生原因は、次のようなものであると考えられる。すなわち、第1の走査線にON電圧を印加している時には、第1のトランジスタM1及び第2のトランジスタM2及び信号線を経由して所定の電流が信号線に流れる。このとき、第1のトランジスタM1のゲート電極に接続されたコンデンサに対して、その所定の電流を流すことが出来るような電圧が書き込まれる。
【0044】
次に、第1の走査線にOFF電圧を印加する。この時に、第3のトランジスタM3のソース電極とゲート電極との間の寄生容量により、第1のトランジスタM1のゲート電位がΔVだけ変化する。図5に、第3のトランジスタM3のソース電極とゲート電極との間の寄生容量を寄生容量Cgdとして示す。また、第1のトランジスタM1のゲート電極とソース電極との間に接続されたコンデンサの容量をCsとする場合、第1のトランジスタM1のゲート電位の変化Δは次式で表される。
ΔV=Cgd×Vg/(Cs+Cgd)
図6にn番目と(n+1)番目の第1のトランジスタM1の特性を示す。n番目の第1のトランジスタM1と(n+1)番目の第1のトランジスタM1とは、図6に示すようにレーザアニールプロセスにより作成されたことに起因する特性差を有している。すなわち、n番目の第1のトランジスタM1は、第1の走査線にOFF電圧が印加され、第2の走査線にON電圧が印加されている場合、第1のトランジスタM1のゲート電極とソース電極との間に接続されているコンデンサが電圧Vg(n)を記憶している場合に、idataの電流を流す。これに対して、(n+1)番目の第1のトランジスタM1は、第1の走査線にOFF電圧が印加され、第2の走査線にON電圧が印加されている場合、第1のトランジスタM1のゲート電極とソース電極との間に接続されているコンデンサが電圧Vg(n+1)を記憶している場合に、idataの電流を流す。ところが、寄生容量Cgdにより、第1のトランジスタM1のゲート電位はΔVだけ変化するので、n番目の第1のトランジスタM1と(n+1)番目の第1のトランジスタM1の特性差により、図6に示すように、n番目の第1のトランジスタM1については、iel(n)という電流が流れ、(n+1)番目の第1のトランジスタM1については、iel(n+1)という電流が流れることになる。
【0045】
このように寄生容量Cgdにより、第1のトランジスタM1のゲート電位がΔVだけ変化することにより、第1のトランジスタM1の電流−電圧特性のばらつきが顕在化して、実際にEL素子に流れる電流が異なってしまう。これが縦筋として認識される。以上、縦筋発生の原因について説明した。
【0046】
このように、第1のトランジスタM1のゲート電位の変化ΔVは、第3のトランジスタM3のソース電極とゲート電極との間の寄生容量Cgdが大きいほど大きくなる。従って、寄生容量Cgdが大きいほど第1のトランジスタM1の特性差がより多く顕在化し、縦筋の発生が増加する。従って、縦筋を目立たなくして表示品位を向上させるためには、出来るだけ第3のトランジスタM3のソース電極とゲート電極との間の寄生容量Cgdを小さくすればよい。
【0047】
すなわち、第3のトランジスタM3として、トランジスタサイズが小さいトランジスタを用いれば寄生容量Cgdを小さくすることが出来る。従って、縦筋の発生を低減し、表示品位を向上することが出来る。
【0048】
具体的には、第3のトランジスタがp−ch型トランジスタで構成されており、そのゲート電極はマルチゲート構造を有し、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが216(μm2)以下であれば表示品位を向上することが出来た。
【0049】
また、第3のトランジスタがn−ch型トランジスタで構成されており、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが16(μm2)以下であれば表示品位を向上することが出来た。
【0050】
特に、p−ch型トランジスタよりもn−ch型トランジスタの方がトランジスタサイズが小さいので、第3のトランジスタM3として、n−ch型のトランジスタを用いることにより、より寄生容量Cgdを小さくすることが出来る。
【0051】
図7に、第3のトランジスタM3をn−ch型にした場合の、EL表示素子を示す。図7では、第3のトランジスタM3の代わりに第3のトランジスタM3’が用いられている。そして、第3のトランジスタM3’のゲートは、第1の走査線に接続される代わりに、第3の走査線に接続されている。また、第1のトランジスタM1、第2のトランジスタM2、及び第4のトランジスタM4は、p−ch型のトランジスタであり、第3のトランジスタM3’はn−ch型のトランジスタである。それ以外は、図1に示すEL表示素子と同様である。
【0052】
また、図8に、図7に示すEL表示素子の第1の走査線、第2の走査線、及び第3の走査線の電圧波形を示す。第3のトランジスタM3’がn−ch型のトランジスタであり、第2のトランジスタM2がp−ch型のトランジスタであるので、第1の走査線のON電圧と第2の走査線のON電圧とは極性が逆になっている。また、第2のトランジスタM2も第4のトランジスタM4も両方ともp−ch型のトランジスタであるので、第1の走査線のON電圧と第2の走査線のON電圧とは同じ極性である。図8に示すように、第1の走査線及び第3の走査線にON電圧が印加された際、第3のトランジスタM3’及び第2のトランジスタM2がともに導通状態になり、第1のトランジスタM1及び第2のトランジスタM2及び信号線を経由して表示データに対応する電流が流れ、コンデンサCにそのような所定の電流を流すような電圧が記憶される。次に、第1の走査線及び第3の走査線にOFF電圧が印加され、第2の走査線にON電圧が印加されると、コンデンサCに記憶された電圧に対応する電流が第1のトランジスタM1及び第4のトランジスタM4及びEL素子を通じて流れる。このようにしてEL素子が発光する。
【0053】
次に、隣接間輝度差と縦筋が表示されることによる画面の表示品位との関係について調べた。図9にその結果を示す。図9(A)は、目視による画面の表示品位の評価の方法を示すものである。図9(A)に示すように、目視による画面の表示品位を5段階評価した。すなわち、1は、表示品位がすぐれており、表示品位に問題が見られないことを示している。2は、表示品位がよく、表示品位のレベルが上であることを示している。3は、表示品位が許容レベルであることを示している。4は、表示品位が許容レベル以下であることを示している。また、5は、表示品位が低く、表示品位が不良であることを示している。
【0054】
図9(B)に、図9(A)に示す5段階評価を用いて、隣接画素間の輝度差と画面の表示品位との関係を調べた結果を示す。図9(B)から明らかなように、隣接間輝度差の標準偏差の3倍が約4%より小さい場合、5段階評価で3以下になっていることがわかる。すなわち、縦筋による表示品位の劣化は、隣接間輝度差の標準偏差の3倍が約4%以下であれば、許容できることになる。
【0055】
従って、第3のトランジスタM3として隣接輝度差の標準偏差の3倍が約4%以下になるだけ十分トランジスタサイズが小さいトランジスタを用いることにより、縦筋による表示品位の劣化を避けることが出来る。このように、隣接輝度差の標準偏差の3倍が約4%以下になるような第3のトランジスタM3を用いることにより、表示品位の良好なEL表示素子を実現することが出来る。
【0056】
上記EL素子については、図10に示すような構造(下取り出し方式)を用いることができる。このEL表示素子の構成は、基板上に、ホール注入電極(画素電極)となるITO、1種以上の有機層と、電子注入電極とが順次積層された構成を有する。前記基板にはTFT(薄膜トランジスタ)が設けられている。このEL表示素子を製造するには、まず、基板上にTFTのアレイを所望の形状に形成する。そして、平坦化膜上の画素電極として透明電極であるITOをスパッタ法で成膜、パターニングする。その後、有機EL層、電子注入電極等を積層する。
【0057】
図10に示されるEL表示素子は、ガラス基板11上に、TFT(薄膜トランジスタ)12のアレイと、ゲート絶縁膜を兼ねる絶縁膜13、層間絶縁膜14、平坦化膜(絶縁膜)15からなる。平坦化膜(絶縁膜)15等によりTFT12とから絶縁されて、ホール注入電極となるITO16と有機層17、電子注入電極18とを有するEL構造体が積層されている。
【0058】
なお、基板材料としては、EL素子が形成される側の反対側の裏面方向より光が出射される場合は、ガラス、石英や樹脂等の透明ないし半透明材料を用いなければならない。
【0059】
また、本実施の形態では、光取り出し方式が異なるEL表示素子(上取り出し方式)についても適用できる。このEL表示素子の構成例を図11に示す。図11に示されるEL表示素子は、ガラス基板11上に、TFT(薄膜トランジスタ)12のアレイと、ゲート絶縁層を兼ねる絶縁層13、層間絶縁膜14、平坦化膜(絶縁層)15とを有する。そして、平坦化膜(絶縁層)15でTFT12とから絶縁されて、電子注入電極となる金属膜16と有機層17、ホール注入電極となるITO18とを有するEL構造体が積層されている。
【0060】
この場合、基板材料としてはステンレスなどの非透過材料を用いることもできる。先に述べた下取り出し方式の素子の比べて、上取り出し方式の素子は、第2のトランジスタのドレイン電極となる画素電極の極性が逆になるだけであり、電子注入、輸送などの役割を有する材料の用件は同じである。また、発光層の材料の条件も基本的には同じである。
【0061】
このようにして作製したEL表示素子に直流電圧を印加し、10mA/cm2の一定電流密度で連続駆動させた。EL構造体は、5.0V 、200cd/cm2の緑色(発光極大波長λmax =460nm)の発光が確認できた。青色発光部は、輝度100cd/cm2 で、色座標がx=0.129,y=0.105、緑色発光部は、輝度200cd/cm2 で、色座標がx=0.340,y=0.625、赤色発光部は、輝度100cd/cm2 で、色座標がx=0.649,y=0.338の発光色が得られた。
【0062】
(実施の形態2)
実施の形態2のEL表示素子(EL素子を含む回路構成)は、第2のトランジスタと第4のトランジスタの導電型を異なったものとしている(図12)。これにより、第1と第2の走査線を共通とすることが可能となり、駆動回路の簡略化、ならびに画素の開口率を向上させることが出来る。本実施の形態の基本的な動作タイミングとしては、実施の形態1と同様に、信号線からの書きこみ経路がオフになる、すなわち所定の電流が記憶される際に、電流の流れる経路に分岐があると正確な電流値が第1のトランジスタM1のソース−ゲート間容量(コンデンサ)に記憶されない。第2のトランジスタM2と第4のトランジスタM4を異なった導電形にすることにより、お互いの閾値を制御することによって走査線の切り替わりのタイミングで必ず第2のトランジスタM2がオフしたのちに第4のトランジスタM4がオンすることが可能になる。ただしこの場合お互いの閾値を正確にコントロールする必要があるのでプロセスの注意が必要である。
【0063】
(実施の形態3)
実施の形態1と実施の形態2とで述べたEL表示素子を含む回路構成は、最低4つのトランジスタで実現可能であるが、より正確なタイミングのコントロールあるいは後述するように、駆動用トランジスタのアーリー効果低減のためにトランジスタを図13に示すようにカスケード接続してトランジスタの総数が4以上になってもよい。
【0064】
(実施の形態4)
実施の形態4のEL表示素子(EL素子を含む回路構成)は、単位画素が少なくとも4つのトランジスタならびにEL素子により形成され、第1および第2のトランジスタM1,M2がp−chであることを特徴とするものである。一般的にp−chトランジスタはn−chトランジスタに比較して、信頼性が高い、キンク電流が少ないなどの特長があり、電流を制御することによって目的とする発光強度を得るEL素子に対しては、第1のトランジスタM1をp−chにする効果が大きい。さらに、構成するすべてのトランジスタをp−chで構成することによって、プロセスの簡略化を図ることが出来る。
【0065】
(実施の形態5)
実施の形態5のEL表示素子は、第1のトランジスタM1の飽和領域における電流値Idsが下式
Ids=k×(Vgs−Vth)2(1+Vds×λ)
であらわされて、λの値が0.06以下であるものである。なお、上式で、Vgsは第一のトランジスタのソース・ゲート間電圧とし、Vthを第1のトランジスタの閾値電圧とし、Vdsを第一のトランジスタのソース・ドレイン間電圧である。本実施の形態では、第1のトランジスタM1の動作範囲を飽和領域に限定するが、一般的に飽和領域におけるトランジスタ特性は、理想的な特性より外れ、ソース−ドレイン間電圧の影響を受ける。この効果をアーリー効果という。アーリー効果が存在する場合の本実施形態の動作曲線を図14(A)に示す。いま隣接する画素におけるそれぞれの第1のトランジスタM1にΔVtなる閾値のシフトが発生した場合を考える。図中点線は閾値がシフトした場合の2端子特性である。この場合記憶される電流値は同じでありこの場合の、ソース−ドレイン電圧特性は図14(B)のようになる。この場合、閾値のシフトをΔLとすれば、ほぼΔV×λが第1のトランジスタM1の閾値が変動することによる、EL素子の電流値のずれに相当する。従って電流のずれをx(%)以下に抑えるためには、閾値のシフトの許容量を隣接する画素間でy(V)を許容するとして、λは0.01×x/y以下でなければならないことが判る。前記許容値はアプリケーションの輝度により変化する。図15に横軸輝度、縦軸に輝度(Bcd/m2)の変動量(ΔI・I)を示す。輝度が100cd/m2から1000cd/m2までの輝度領域においては、変動量が4%以上あれば人間は変動した境界線を認識する。したがって、輝度(電流量)の変動量が4%以内であることが必要である。本発明のEL表示素子を携帯端末用ディスプレイとして用いる場合、その要求輝度は100cd/m2程度である。図16に隣接する画素を構成する第1のトランジスタM1の閾値の変動を示す。これより変動の最大値は0.3Vであることが判った。従って、輝度の変動を4%以内に抑えるためにはλは0.06以下とすることにより、隣接画素の輝度バラツキを認知限以下に出来ることが判った。
【0066】
(実施の形態6)
実施の形態6のEL表示素子は、第1のトランジスタの飽和領域における電流値Idsが下式
Ids=k×(Vgs−Vth)2(1+Vds×λ)
であらわされて、隣接する画素における第1のトランジスタにおけるλの変動が5%以下であることを特徴とするものである。なお、上式でVgsは、第一のトランジスタのソース・ゲート間電圧とし、Vthを第1のトランジスタの閾値電圧とし、Vdsを第一のトランジスタのソース・ドレイン間電圧である。図2から明らかなように隣接する画素間において、たとえ閾値の変動が存在しない場合でも上記式のλに変動があれば、ELを流れる電流値が変動する。横軸λ、縦軸にλの変動による電流値をシミュレーションした結果を図17に示す。変動を±4%以内に抑えるためには、λの変動を±10%に抑えなければならない事がわかった。
【0067】
(実施の形態7)
実施の形態7のEL表示素子は、第1のトランジスタM1のチャンネル長が15μm以上であることを特徴とするものである。横軸にチャンネル長L(μm)、縦軸にλをプロットしたものを図18に示す。チャンネル長を15μm以上とすることによって、λの値を0.06以下に抑えることが可能であることが解った。これはLを長くしたばあい、ドレイン電圧による実効チャンネル長の変動の割合が減少するためである。
【0068】
(実施の形態8)
実施の形態8のEL表示素子は、蓄積容量値をCs(pF)、第3のトランジスタのオフ電流値をIoff(pA)とした場合次式
Cs/Ioff>4
を満たすことを特徴とするものである。図19に横軸に第3のトランジスタM3のオフ電流、縦軸にELを流れる電流値のシミュレーション結果を示す。第3のトランジスタM3のオフ電流を8pA以下とすることにより、ELを流れる電流値の変化を4%以下に抑えることが可能であることが解る。これはリーク電流が増加すると、電圧非書き込み状態においてトランジスタM1のゲート−ソース間(コンデンサの両端)に貯えられた電荷を1フィールド間保持できないためである。従って蓄積用容量が大きければオフ電流の許容量も大きくなる。我々は前記式を満たすことによって隣接画素間の電流値の変動を4%以下に抑えることが出来ることを見出した。
【0069】
(実施の形態9)
実施の形態9のEL表示素子は、アクティブマトリックスを構成するトランジスタがp−chポリシリコン薄膜トランジスタに構成されており、第3のトランジスタM3がデュアルゲート以上であるマルチゲート構造であることを特徴とするものである。第3のトランジスタM3は、第1のトランジスタM1のソース−ドレイン間スイッチとして作用するため、できるだけON/OFF比の高い特性が要求される。図20に各種ゲート構造におけるリーク電流値を示す。これより、ゲートの構造をデュアルゲート構造以上のマルチゲート構造が必要であることが解る。
【0070】
(実施の形態10)
実施の形態10のEL表示素子は、アクティブマトリックスを構成するトランジスタがポリシリコン薄膜トランジスタで構成されており、第3のトランジスタM3のチャンネル幅(W)×チャンネル長(L)を54μm2以下とするものである。前述の駆動方法において、第1のトランジスタM1のソース−ゲート間電圧は、第3のトランジスタM3がオンからオフ状態に変化する際に、第3のトランジスタM3の寄生容量により変動を受ける。第3のトランジスタM3がオンからオフになる場合に、これによる電圧の変動量ΔVoffは次式で表される。
ΔVoff=Con/(Cs+Con)×(Von−Vth)+Coff/(Cs+Coff)×(Vth−Voff)
ここでConならびにVoffは第3のトランジスタM3のオンならびにオフ状態でのトランジスタの容量、Vthは第3のトランジスタM3の閾値電圧、Csは蓄積容量の値である。従ってΔVoffは閾値電圧のバラツキの影響を受ける。この影響を小さくするためには、第3のトランジスタM3のサイズを小さくしてΔVoffの値を小さくする必要が有る。
【0071】
図21に横軸を第3のトランジスタM3のチャンネル幅(W)×チャンネル長(L)、縦軸に電流値のばらつきをプロットしたものを示す。これより、隣接するトランジスタの閾値電圧のバラツキが0.3Vの場合は、M3のL×Wを54μm2以下としなければならないことが判った。
【0072】
(実施の形態11)
実施の形態11のEL表示素子は、コンデンサが隣接する画素間の非表示領域におおむね形成されることを特徴とするアクティブマトリックス型EL表示素子である。一般的に、フルカラー有機ELを作成する場合、有機EL層をメタルマスクによるマスク蒸着で形成するため、隣接する画素間の非表示領域は10μm以上離れなければならない。この部分は発光に寄与しない部分となるため、蓄積容量をこの領域に形成することは開口率向上のために有効な手段となる。図22にその平面図を示す。
【0073】
(実施の形態12)
実施の形態12のEL表示素子は、アクティブマトリックスを構成するトランジスタがポリシリコン薄膜トランジスタに構成されており、前記アクティブマトリックスEL表示素子の垂直走査用駆動回路あるいは水平走査回路のすくなくとも1つの駆動回路が画素を構成するトランジスタを作成すると同時にガラス基板上に一体形成されることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリックス型EL表示素子を提供するものである。前述のように本発明は、単位画素内に少なくとも4つ以上のトランジスタが必要である。従ってこれらを構成するトランジスタの材料としては、移動度の高いポリシリコンをアクティブ素子の材料として用いるのが適している。従って本パネルを駆動する回路も合わせて、一体形成することが可能となる。内蔵する回路としては、走査側、信号側どちらも可能ではあるが、トランジスタの性能を加味して、内蔵する回路の種類を決定すればよい。上記実施の形態で使用するTFTとして、プレーナー型のTFT、スタガー型、逆スタガー型でもよく、また、セルフアライン方式を用いて不純物領域(ソース、ドレイン)が形成されたものでも、非セルフアライン方式によるものでもよい。
【0074】
(実施の形態13)
実施の形態13は、単位画素が複数のトランジスタならびにEL素子により形成され、第1の走査線をアクティブとすることにより第1のトランジスタおよび信号線に接続された第2のトランジスタを通して、前記EL素子に流すべき電流値を流し、第1のトランジスタのゲートとドレイン間を短絡するように第3のトランジスタが開くと共に、第1のトランジスタのゲートとソース間に接続されたコンデンサに、前記電流値を流すように第1のトランジスタのゲート電圧(あるいはドレイン電圧)を記憶した後に第1の走査線を非アクティブ、第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ並びにEL素子に接続された第4のトランジスタならびに前記ELを含む経路に切り替えて、記憶した電流を前記EL素子に流すことを特徴とするようにアクティブマトリックス型EL表示素子を駆動する。この駆動方法により、EL素子に流すべき電流値を、構成するトランジスタの特性に左右されることなく一定に制御することができる。
【0075】
(実施の形態14)
実施の形態14は、アクティブマトリックス型EL表示素子の駆動電圧が第1のトランジスタのゲート電極とドレイン電極を接続して目的とする最大電流を流すことができるゲート電圧(ドレイン電圧)と前記電流値を流すことが出来るEL素子の駆動電圧の和以上であることを特徴とするように駆動するものである。図2の駆動電圧をきめる動作曲線からわかるように、EL素子に流れる電流値が最大値となる場合において、必要な駆動電圧は最大電流を流すことができるゲート電圧(ドレイン電圧)と前記電流値を流すことが出来るEL素子の駆動電圧の和以上となる。なお、第1および第2の走査線が共通であり、第2および第4のトランジスタが異なった導電型でもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、駆動電圧を低くすることが可能でかつ高速動作に適し、加えてその駆動用トランジスタにアーリー効果あるいはキンク電流があっても、その影響を最小にして、記憶される電流値の変動を小さくすることが出来て高い表示性能をえる、アクティブマトリクス駆動タイプのEL表示素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のEL表示素子(EL表示素子を含む回路構成)を示す図
【図2】実施の形態1のEL表示素子の駆動を説明する図
【図3】実施の形態1のEL表示素子の隣接間輝度差の測定結果を示す図
【図4】第3のトランジスタのゲート電極に印加するON電圧に対する隣接間輝度差を示す図
【図5】実施の形態1のEL表示素子の第3のトランジスタの寄生容量を示す図
【図6】実施の形態1のn番目と(n+1)番目との第1のトランジスタの特性を示す図
【図7】実施の形態1の第3のトランジスタとしてn−ch型のトランジスタを用いた場合のEL表示素子を示す図
【図8】実施の形態1の図7に示すEL表示素子の第1の走査線、第2の走査線、及び第3の走査線の電圧波形を示す。
【図9】(A)隣接間輝度差と縦筋が表示されることによる画面の表示品位との関係を評価するための評価基準を示す図(B)隣接間輝度差と縦筋が表示されることによる画面の表示品位との関係を評価した結果を示す図
【図10】一般的なEL素子(下取り方式)を示す図
【図11】上取り方式のEL素子を示す図
【図12】実施の形態2のEL表示素子を示す図
【図13】実施の形態3のEL表示素子を示す図
【図14】実施の形態5のEL表示素子の駆動を示す図
【図15】輝度と輝度の変動量の関係を示す図
【図16】隣接する画素を構成する第1のトランジスタの閾値の変動を示す図
【図17】λの変動による電流値をシミュレーションした結果を示す図
【図18】チャンネル長とλの関係を示す図
【図19】第3のトランジスタのオフ電流とEL素子を流れる電流値のシミュレーション結果を示す図
【図20】各種ゲート構造におけるリーク電流値を示す図
【図21】第3のトランジスタのチャンネル幅(W)×チャンネル長(L)と電流値のばらつきの関係を示す図
【図22】実施の形態11のEL表示素子を示す図
【図23】従来技術を示す図
【符号の説明】
11 ガラス基板
12 TFT(薄膜トランジスタ)
13 絶縁膜(ゲート絶縁膜を兼ねる)
14 層間絶縁膜
15 絶縁膜(平坦化膜)
16 透明電極
17 有機層
18 電子注入電極
Claims (19)
- 第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極及び前記第3のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続され、
前記第1の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶し、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すEL表示素子。 - 第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続され、
前記第3のトランジスタのゲート電極は、第3の走査線に接続され、前記第1の走査線及び前記第3の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶し、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線及び前記第3の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すEL表示素子。 - 前記第1のトランジスタのドレイン電極と前記第2のトランジスタのソース電極との間には一つまたは複数のトランジスタが接続されている請求項1または2に記載のEL表示素子。
- 前記第1、2及び4のトランジスタがp−ch型トランジスタであり、前記第3のトランジスタがn−ch型トランジスタである請求項2記載のEL表示素子。
- 前記第1、2、3及び4のトランジスタがp−ch型トランジスタにより構成されている請求項1記載のEL表示素子。
- 前記第1の走査線及び第2の走査線が共通である請求項1記載のEL表示素子。
- Vsgを第一のトランジスタのソース・ゲート間電圧とし、Vthを第1のトランジスタの閾値電圧とし、Vdsを第一のトランジスタのソース・ドレイン間電圧とした場合、前記第1のトランジスタの飽和領域における電流値Idsが次式
Ids=k×(Vgs−Vth)2(1+Vds×λ)
であらわされており、隣接画素間における第1のトランジスタにおける閾値の変動を、最大y(V)とし、隣接画素間のEL素子を流れる電流値の変動の許容値をx(%)とした場合、前記λの値が次式
λ<0.01×x/y
を満たす請求項1〜6のいずれかに記載のEL表示素子。 - 前記λの値は、0.06以下であり、隣接する単位画素での前記第1のトランジスタにおける閾値の変動が0.3V以下である請求項7記載のEL表示素子。
- 前記λの変動は10%以下である請求項7記載のEL表示素子。
- 前記第1トランジスタのチャンネル長が15μm以上である請求項7記載のEL表示素子。
- 前記コンデンサの容量値をCs、前記第3のトランジスタのオフ電流値をIoffとした場合、前記Cs及び前記Ioffは、次式
Cs/Ioff>4
を満たす請求項1または2に記載EL表示素子。 - 前記第3のトランジスタのオフ電流値が8pA以下である請求項7記載のEL表示素子。
- 前記第3のトランジスタがp−ch型トランジスタで構成されており、そのゲート電極はマルチゲート構造を有し、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが216(μm2)以下である請求項1または2に記載のEL表示素子。
- 前記第3のトランジスタがn−ch型トランジスタで構成されており、トータルのチャンネル長をL(μm)、チャンネル幅をW(μm)とした場合、L×Wが16(μm2)以下である請求項1または2に記載EL表示素子。
- 前記コンデンサの容量値が1.5pF以上である請求項13記載のEL表示素子。
- 請求項1または2に記載のEL表示素子をマトリックス状に配置したEL表示パネルを備え、
前記EL表示パネルの隣接する前記EL表示素子の輝度差が4%以下であるEL表示装置。 - 前記EL表示素子の前記第3のトランジスタは、前記EL表示パネルの隣接する前記EL表示素子の輝度差が4%以下になるようなトランジスタサイズである請求項16記載のEL表示装置。
- 第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極及び前記第3のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続されたEL表示素子を駆動するEL表示素子の駆動方法であって、
前記第1の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶するステップと、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すステップとを備えたEL表示素子の駆動方法。 - 第1のトランジスタと、
第2のトランジスタと、
第3のトランジスタと、
第4のトランジスタと、
コンデンサと、
EL素子とを少なくとも備え、
前記第1のトランジスタのソース電極は、コンデンサの一方及び電源ラインに接続され、
前記第1のトランジスタのゲート電極は、前記コンデンサの他方及び前記第3のトランジスタのソース電極に接続され、
前記第1のトランジスタのドレイン電極は、前記第2のトランジスタのソース電極及び前記第4のトランジスタのソース電極及び前記第3のトランジスタのドレイン電極に接続され、
前記第2のトランジスタのゲート電極は、第1の走査線に接続され、
前記第2のトランジスタのドレイン電極は、信号線に接続され、
前記第4のトランジスタのゲート電極は、第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタのドレイン電極は、前記EL素子の一端に接続され、
前記第3のトランジスタのゲート電極は、第3の走査線に接続されたEL表示素子を駆動するEL表示素子の駆動方法であって、
前記第1の走査線及び前記第3の走査線をアクティブとすることにより、前記信号線及び前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを通じて、前記EL素子に流すべき電流値の電流を流し、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記第1のトランジスタのドレイン電極との間が短絡するように前記第3のトランジスタが開くと共に、前記コンデンサが、前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶するステップと、
前記コンデンサが前記EL素子に流すべき電流値の電流を前記第1のトランジスタのゲート電圧として記憶した後、前記第1の走査線及び前記第3の走査線を非アクティブとし、前記第2の走査線をアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ及び前記第4のトランジスタ及び前記EL素子を含む経路に切り替えて、前記コンデンサが記憶した電流を前記EL素子に流すステップとを備えたEL表示素子の駆動方法。
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2003
- 2003-05-19 JP JP2003141084A patent/JP2004347628A/ja active Pending
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