JP5115267B2 - 筒内直接噴射火花点火式内燃機関 - Google Patents

筒内直接噴射火花点火式内燃機関 Download PDF

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Description

本発明は、多噴口型の燃料噴射弁が燃焼室に直接燃料を噴射するように配設されている筒内直接噴射火花点火式内燃機関に関し、特に、混合気の均一性を向上させる技術に関する。
従来より、燃焼室に直接燃料を噴射する火花点火式内燃機関(直噴エンジンともいう)に、複数の噴口を有する多噴口型の燃料噴射弁(マルチホールインジェクタともいう)を備えたものがある。
例えば、特許文献1には、燃費改善等を目的として、点火プラグ付近にリッチ混合気を形成し、その周りにリーン混合気を形成して成層燃焼を行う直噴エンジンが開示されている。
そこでのマルチホールインジェクタは、上から順に第1列〜第4列の噴孔を備えていて、一つの噴孔からなる第1列は点火プラグを指向し、各々2つの噴孔からなる第2列〜第4列はそれぞれ点火プラグの斜め下方を指向している。また、平面視にて、第2列〜第4列の各々2つの噴孔の噴霧中心線のなす角度は下側の列ほど大きくなるように、各列の噴孔が配置されている。
従って、点火プラグを指向する第1列の噴孔の噴霧は第2〜第4列の噴孔の噴霧から干渉を受けずに、点火プラグ周辺の狭い空間にリッチ混合気塊を形成することができ、第2〜第4列の噴孔の噴霧はある程度互いに干渉しながら拡散して、リッチ混合気塊を囲む大きなリーン混合気塊を形成することができるようになっている。かかる成層燃焼においては、通常、安定した成層化を実現するために、圧縮行程における圧縮上死点近傍にて燃料噴射が行われる。
特開2007−278233号公報
ところで、このような成層燃焼とは別に、燃焼室全体に概ね均一な混合気を分散させた上で燃焼させる均一燃焼を行う場合がある。
その場合には、一般に、燃焼室に吸気を導入する吸気行程において燃料を噴射し、その際に発生する燃焼室内の吸気の流動を利用して燃焼室全体に均一に分散された混合気が形成されるようにしている。中でも、吸気側から排気側に向かって縦方向に渦巻く比較的強い吸気の流動(タンブル流という)が効果的に活用されている。
しかしながら、先の特許文献1のマルチホールインジェクタのように、比較的広角に燃料を噴射すると、噴射の勢いが分散してしまうし、気筒の周壁に燃料の液滴が付着し易くなって、混合気を均一に分散させる効率が損なわれるおそれがある。
特に、最も下向きな第4列の噴孔からの燃料噴射は、構造上、タンブル流に対して逆向きに作用して混合気の均一分散化の邪魔になり易い。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料の噴射により、タンブル流をより強化できるようにして燃焼室内における混合気の均一分散化をより促進させることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、実験から得られた知見に基づいて、最も下向きな噴霧の方向を設定し、タンブル流が燃料噴射によって強化されるようにした。
具体的には、先端部に複数の噴口を有する燃料噴射弁が気筒内の燃焼室に直接燃料を噴射するように配設されている筒内直接噴射火花点火式内燃機関であって、上記燃焼室の天井壁には、各々吸気弁によって開閉される2つの吸気口が設けられ、燃焼室内の上方を吸気側から排気側に向かう吸気の流動が生じるように、上記吸気口から吸気が燃焼室内に導入されるようになっていて、上記燃料噴射弁の先端部は、上記天井壁の周縁部における隣り合った2つの吸気口の間から燃焼室内に臨んでいて、上記複数の噴口の中で最も下向きに燃料を噴射する下方噴射噴口からの噴霧の中心線及び上記気筒の軸線と直交する方向から見て、該下方噴射噴口からの噴霧の中心線と該気筒の軸線方向とがなす鋭角側の角度が、35度以上50度以下に設定され、上記複数の噴口は、噴射された噴霧が互いに衝突しないように配設され、上記燃焼室の天井壁の略中央部に点火プラグが配置され、上記複数の噴口の中で最も上向きに噴射する上方噴射噴口の噴霧が、上記点火プラグに接触しないように構成され、上記上方噴射噴口の噴霧の中心線が、この上方噴射噴口を含み気筒の軸線に垂直な面よりも下向きに延びている、という構成とする。
この構成によれば、まず、燃焼室の天井壁において、各々吸気弁によって開閉される2つの吸気口が設けられ、これら吸気口から燃焼室内の上方を吸気側から排気側に向かう吸気の流動が生じるように吸気が燃焼室に導入される。
すなわち、燃焼室に導入される吸気は、吸気口のうち、主として天井壁の中央寄りの部位から燃焼室に流れ込む。そして、排気側の気筒の内周面に沿うように下方に向かった後、ピストンの頂面に沿って吸気側に向かい、吸気側の気筒の内周面に沿うように上方に向かって流れ、燃焼室の全体にわたって大きく縦方向に旋回するようになる。
従って、吸気弁が開かれて燃焼室に吸気が導入される吸気行程での燃焼室には、排気側では下方に向かい、吸気側では上方に向かうように縦方向に渦巻く、所謂タンブル流が形成される。
そして、複数の噴口が設けられている燃料噴射弁の先端部は、天井壁の周縁部における吸気側から燃焼室内に臨んでいて、下方噴射噴口の噴霧の中心線が、気筒の軸線方向に対し、すなわち、真下向きから35度以上の角度をなしているので、この噴霧は、吸気側ではタンブル流と真正面から衝突することがなく、燃料噴射の勢いでタンブル流を弱めずに済む。更に、吸気側から排気側に向かう噴霧の流動がタンブル流を巻き込んで、その循環を導くようになるので、混合気の均一分散化が促進される。
加えて、上記複数の噴口は、噴霧が互いに衝突しないように配設する。そうすれば、異なる噴口から噴射された燃料液滴どうしがぶつかって一体化し、燃料液滴が大きくなって気化し難くなることを回避できるので、混合気の分散均一化を促進することができる。
また、上記複数の噴口の中で最も上向きに噴射する上方噴射噴口の噴霧が、点火プラグに接触しないようにしておくことで、燃料液滴が点火プラグの電極に付着して、燃焼時にくすぶるのをうまく回避できる。
具体的には、上記上方噴射噴口の噴霧の中心線が、この上方噴射噴口を含み気筒の軸線に垂直な面よりも下向きに延びているようにすることで、上方噴射噴口からの噴霧の流動もタンブル流の流動方向に向くため、更にタンブル流を強化して混合気の均一分散化を促進することができる。また、下方噴射噴口からの噴霧の巻き込み作用と合わさって、更にタンブル流が円滑に循環するようにもなる。
以上説明したように、本発明によれば燃料の噴射によってタンブル流をより強化することができるため、燃焼室内における混合気の均一分散化をより促進させることができ、燃費や出力の向上、燃焼不良の改善等の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(全体構成)
図1は、本発明の直噴エンジン1の概略図を示している。この直噴エンジン1は、シリンダブロック1aと、このシリンダブロック1a上に配置されるシリンダヘッド1bとを備えている。これらシリンダブロック1aとシリンダヘッド1bの内部には、4つの気筒2,2,2,2が配設されていて、各気筒2内にはピストン3が上下方向に往復動可能に嵌挿されている。これらピストン3,3,・・は、シリンダブロック1aの下方に回転自在に支持されたクランク軸4とコネクティングロッドを介して連結されていて、クランク軸4が延びる方向に直列状に並んでいる(図1では1つの気筒2に関する構成のみ開示)。
そして、図2に詳しく示すように、これら各気筒2内の上部に燃焼室5が形成されるようになっていて、その燃焼室5は、上面がシリンダヘッド1bに設けられた天井壁5aによって区画され、側面がシリンダヘッド1b乃至シリンダブロック1aに設けられた周壁5bによって区画され、下面がピストン3上部の頂面3aによって区画されている。燃焼室5の天井壁5aは2つの傾斜面からなる三角屋根形状をしていて、この燃焼室5は所謂ペントルーフ型となっている。
シリンダヘッド1bには、燃焼室5に吸気を導入する吸気ポート6と、燃焼室5から既燃ガスを排出する排気ポート7とがそれぞれ2つずつ形成されている。
これら2つの吸気ポート6,6は、各気筒2の天井壁5aにおける傾斜面の一方に横並びに開口し、燃焼室5に臨む吸気口6aを各々の一端に有している。一方、その各他端側は、燃焼室5から斜め上方に延びて、シリンダヘッド1bの一側面(図1中、右側面)に互いに独立して開口している。各吸気ポート6の吸気口6aには、それぞれ所定のタイミングで開閉する吸気弁8が設けられている。
2つの排気ポート7,7は、各気筒2の天井壁5aにおける傾斜面の他方に横並びに開口し、燃焼室5に臨む排気口7aを各々の一端に有している。一方、その各他端側は、途中で1つに合流した後、略水平に延びてシリンダヘッド1bの他端面(図1中、左側面)に開口している。各排気ポート11の排気口7aには、それぞれ所定のタイミングで開閉する排気弁9が設けられている。
尚、この直噴エンジン1には、クランク軸4に対する吸気弁8側のカム軸の位相を所定の角度範囲において連続的に変化させる公知の可変動弁機構10(VVT10ともいう)が備えられていて、吸気弁8の開閉タイミングはこのVVT10によって制御されるようになっている(図1にのみ示す)。
シリンダヘッド1bの吸気側の側面には、各気筒2の吸気ポート6にそれぞれ連通する吸気通路11が接続されていて、この吸気通路11を介して燃焼室5に吸気が供給されるようになっている。一方、シリンダヘッド1bの排気側の側面には、各気筒2毎に分岐して排気ポート7に連通する排気マニホールド12が接続されていて、燃焼室5から既燃ガス(排気ガス)が排出されるようになっている。
燃焼サイクルにおける吸気行程においては、図2の仮想線で示すように、各吸気口6aの吸気弁8が燃焼室5内に突出して吸気口6aが開かれ、各吸気ポート6から燃焼室5内に吸気が導入される。
その際、燃焼室5内には、その上方を吸気側から排気側に向かう比較的強い吸気の流動が生じて、同図の矢印線で示すような燃焼室5内を縦方向に渦巻く吸気の流動(タンブル流)が発生する。
詳しくは、燃焼室5に導入される吸気は、吸気口6aのうち、主として天井壁5aの中央寄りの部位から燃焼室5に流れ込み、燃焼室5内の上方を吸気側から排気側に向かって流れる。そして、排気側の周側壁5bに沿うように下方に向かった後、ピストン3の頂面3aに沿って、燃焼室5内の下方を排気側から吸気側に向かって流れた後、吸気側の周側壁5bに沿うように上方に向かい、燃焼室の全体にわたって大きく縦方向に旋回するようになる。
このタンブル流を利用して燃料を均一に分散させ、燃焼室5全体に均一な混合気を形成するために、気筒の吸気行程で燃料が噴射される。燃料噴射の詳細については後述する。
シリンダヘッド1bの燃焼室5の上部には、気筒2の軸線Pに沿って延びるように点火プラグ13が配設されていて、電極が設けられた点火プラグ13の先端部13aは、4つの吸排気口6a,7a,・・に囲まれた天井壁5aの略中心から燃焼室5内に所定距離だけ下方に突出している。一方、点火プラグ13の基端部には点火回路14(図1にのみ示す)が接続されており、各気筒2毎に所定のタイミングで点火プラグ13に通電するようになっている。
シリンダヘッド1bの吸気側の側部には、2つの隣り合う吸気ポート6,6の下方を延びるようにマルチホールインジェクタ15が配設されている。その先端部15aは、シリンダヘッド1bの天井壁5aの周縁部における隣り合った2つの吸気口6a,6aの間から燃焼室5内に臨んでおり、その基端部は、各気筒2に共通の燃料分配管16(図1にのみ示す)に接続されている。
この燃料分配管16は、図示しない高圧燃料ポンプや高圧レギュレータを有する燃料供給系に接続されていて、燃料タンクから吸い上げられて適正な圧力状態に調節された高圧の燃料が、この燃料供給系から各気筒2に分配供給され、各気筒2のマルチホールインジェクタ15から噴射されるようになっている。
これらマルチホールインジェクタ15の燃料の噴射タイミングや噴射圧力、点火プラグ13の点火タイミング、吸気弁8及び排気弁9の開閉タイミングなどは、エンジンコントロールユニット(ECU)17によって制御されている。
一方、図2、図3に示すように、ピストン3の頂面3aには、2つの吸気口6a,6aが並ぶ方向に沿った頂面3aの中間部位、つまり、燃焼室5の天井壁5aの給排気口6a,6a,7a,7aの間の部分と対向する部位に、帯状に一段高くなった***面3bが形成されていて、その両側には、緩やかに下り傾斜する2つの傾斜面3c,3cがそれぞれ連続して形成されている。そして、その***面3bの長手方向の略中央部には、球面状に凹むキャビティ3dが、排気側に偏在するように形成されている。
(要部構成)
次に、本発明の特徴であるマルチホールインジェクタ15による燃料噴射の詳細について説明する。
図4に示すように、このマルチホールインジェクタ15の先端部15aには、円錐状に燃料を噴霧する複数の噴口21,22,・・,23(本実施形態では6つ)が備えられている。そして、図5の(a)に示すように、概ね燃焼室5内の排気側の空間を指向するように、これら噴口21,22,・・,23の燃料噴射方向が設定されている。
具体的には、マルチホールインジェクタ15の先端部15aの上側に位置する1つの噴口(上方噴射噴口)21は、これら噴口21,22,・・,23の中では最も上向きに噴射するように設定されている。この上方噴射噴口21の下側を略水平方向に並ぶ一群(本実施形態では4つ)の噴口(側方噴射噴口)22,22,・・は、それぞれ、上方噴射噴口21よりも所定の角度下向きに噴射するように、詳しくは、周壁5bの、マルチホールインジェクタ15の先端部15aが対向している排気側の部位近傍を指向するように設定されている。この一群の側方噴射噴口22,22,・・の下側に位置する一つの噴口(下方噴射噴口)23は、これら噴口21,22,・・,23の中では最も下向きに噴射するように、詳しくは、キャビティが凹設された部位近傍を指向するように設定されている。
上方噴射噴口21及び下方噴射噴口23はマルチホールインジェクタ15の先端部15aの中心を通る縦軸T上に配置され、側方噴射噴口22,22,・・はこの縦軸Tに対して左右対称状に配置されている。
そして、上方噴射噴口21から噴射されて形成される噴霧21f(上方噴霧21fともいう)は、図5の(a)に示すように、点火プラグ13の先端部13aに接触しないように、詳しくは、この上方噴射噴口21から下向きに延びるように、換言すれば上方噴霧21fの中心線21sが、上方噴射噴口21を含み、気筒2の軸線Pと垂直な面Mよりも下側の方向に向かって延びるように構成されている。より詳しくは、その中心線21s及び気筒2の軸線Pに直交する方向から見て、上方噴射噴口21を通る、気筒2の軸線Pの垂線Lと、上方噴霧21fの中心線21sとのなす角度θ1が10°〜14°の範囲内にある。
従って、このマルチホールインジェクタ15から噴射される燃料液滴が点火プラグの電極に付着し難くなるため、燃焼時にくすぶるのをうまく回避することができる。また、上方噴霧21fの流動は吸気のタンブル流の流動方向に向くこととなるため、タンブル流が強化されて混合気の均一分散化が促進される。
各側方噴射噴口22もまた、これらの噴霧22f(側方噴霧21fともいう)によってタンブル流が強化されるように、効率よく分散配置されている。
まず、上方噴射噴口21の下側に位置する2つの側方噴射噴口22,22(内側噴口22aともいう)は、図6に示すように、これらの噴霧22f,22f(内側噴霧22afともいう)が上方噴霧21fと燃焼室5内の空間において互いに衝突しないように近接配置されている。尚、図6中、符号Z1で示す破線の領域は点火プラグ13の先端部13aが存在するプラグ領域である。
そして、これら内側噴霧22af,22afと、その両側にそれぞれ一つづつ位置する側方噴射噴口22,22(外側噴口22bともいう)の各噴霧22f,22f(外側噴霧22bfともいう)の通過領域の上側には、吸気弁8が昇降する2つのリフト領域Z2,Z2が存在する。そのため、吸気弁8が最も下降する最大リフト位置において、各噴霧22f,22fが吸気弁8に接触しないように構成されている。
詳しくは、図5の(a)に示すように、側方噴霧22fの各中心線22s及び気筒2の軸線Pに直交する方向から見て、各側方噴射噴口22を通る、気筒2の軸線Pの垂線Lと、各中心線22sとのなす角度θ2,θ2’が25°〜40°の範囲内にある。
その上で、各側方噴霧22fは、燃焼室5内の空間において互いに衝突しないように近接配置されている。詳しくは、図5の(b)に示すように、側方噴霧22fの中心線22sのそれぞれが、気筒2の軸線Pが延びる方向から見て、所定の側方噴霧角度θ3内、詳しくは、気筒2の軸線Pを中心にして、左右対称状に135度の範囲内で周壁5bの壁面と交差するようにしてある。ちなみに、本実施形態では、周方向の最も外側に位置する両側の外側噴霧22bf,22bfの中心線22bs,22bsによる上記側方噴霧角度θ3は132度となっている。
そうすると、これら一群の側方噴霧22f,22f,・・は、全体的に燃料液滴が分散しながら、吸気のタンブル流の流動方向に噴射されることとなるため、タンブル流が強化されて混合気の均一分散化が促進される。
また、これら上方噴霧21f及び側方噴霧22fは、周壁5bの壁面に至る前にタンブル流による吸気の流動層に遮られることから、燃料液滴が周壁5bの壁面に付着し難いという利点もある。
更に、下方噴射噴口23についても、その噴霧(下方噴霧23fともいう)によってタンブル流が効果的に活用できるように、効率よく配置されている。
具体的には、下方噴霧23fも側方噴霧22fと燃焼室5内の空間において衝突しないように配置されるが、その際、図7に示すように、その下方噴霧23fがあまり真下方向に向いていると、燃焼室5の吸気側で上向きに流れるタンブル流に衝突してその勢いを弱めてしまい、混合気の均一分散化の効率が低下することになる。
そこで、燃料噴霧のシミュレーション試験等を行って鋭意検討した結果、図8に示すように、下方噴霧23fの中心線23sが、この中心線23s及び上記気筒2の軸線Pと直交する方向から見て、気筒2の軸線P方向に対し、詳しくは気筒2の軸線Pと平行な下方噴射噴口23を通る基準線Hに対して、所定の角度θ4(下方噴霧角度θ4ともいう)以上をなすように、下方噴射噴口23を配置するのが好ましいことがわかった。
そのように配置すると、下方噴霧23fは、タンブル流による吸気の流動と真正面から衝突しないようになるので、その噴射の勢いでタンブル流を弱めずに済む。
しかも、そうして噴射された燃料の流動は、吸気側の周側壁5bに沿って上昇し、マルチホールインジェクタ15の先端部15a側に向かって流れる吸気を巻き込んで、図の太矢印線で示すように、吸気側から排気側に向かって燃焼室5内の上方を流れるタンブル流の流動方向に導くようになるので、上方噴射噴口21や側方噴射噴口22の燃料噴射によるタンブル流の強化作用と相俟って、タンブル流の循環が強化され、混合気の均一分散化がよりいっそう促進される。
下方噴霧角度θ4としては、実験結果に基づけば35度以上に設定するとよい。本実施形態では約40度に設定されている。
すなわち、図9は、この下方噴霧角度θ4を20度〜約50度の範囲で変えて下方噴射噴口23から噴霧した場合に、タンブル流の強さがどのように変化するかをシミュレーション試験により調べた結果を示している。同図中、実線がその変化を示しており、破線は、その比較対照として下方噴射噴口23からの噴霧がない場合を示している。尚、エンジンの回転数(例えば1500rpm)や燃料噴射圧(例えば7MPa)等、それ以外の条件は両者とも同じである。
図に示すように、20度から33度付近(転換点ともいう)までは、噴霧がない場合よりもタンブル流の強さが小さく、転換点以上では、噴霧がない場合よりもタンブル流の強さが大きくなっている。つまり、転換点よりも角度が小さいと、図7に示したように、タンブル流との衝突が生じて、全体としてタンブル流を弱めるように作用し、一方、転換点よりも角度が大きいと、図8に示したように、タンブル流との衝突が生じずに、全体としてタンブル流をより強めるように作用したものと考えられる。
一方、下方噴霧角度θ4を更に大きくしていくと、下方噴霧23fは燃焼室5の周壁5bの下側に衝突するようになる。そうなると、下方噴霧23fの燃料液滴が周壁5bに付着して燃焼不良を招くようになり、また、タンブル流が乱れて混合気の均一分散化を損なうおそれがある。
例えば、図10は、下方噴霧角度θ4を約40度に設定した上記実施形態のマルチホールインジェクタ15による燃料噴射(実施例)と、下方噴霧角度θ4をそれよりも大きく設定し、下方噴霧23fが燃焼室5の周壁5bの下側に衝突するようにした比較例とについて燃料噴射実験を行い、その結果を燃料噴射終了時期(BTDC)別に、トルクとHCの排出量とに関して比較したものである。下方噴霧角度θ4以外の条件は実施例と比較例とで同一に設定されている。図中、実線が実施例、破線が比較例であり、(a)はトルクとの関係を、(b)はHCの排出量との関係を示している。
その結果、同図の(a)に示すように、実施例の方が比較例よりも大きなトルクが得られる傾向が認められ、また、(b)に示すように、実施例の方が比較例よりもHCの排出量が減少する傾向が認められた。
従って、この実験結果に基づけば、下方噴射噴口23は、その噴霧23fが周壁5bに衝突しないようにピストン3の頂面3aを指向するように設定するのが好ましい。本実施形態では、下方噴霧角度θ4を50度以下に設定する。
上記下方噴霧角度θ4等、各噴射噴口21,22,23から噴射される燃料の噴霧状態は、いずれも燃焼室5内に吸気の流動がないと仮定した場合におけるものであり、燃焼室5の内圧や噴射圧等は使用状態に基づく。ちなみに、各噴口21,22,23から噴射される噴霧21f,22f,23fの噴霧角は、いずれも10°〜15°に設定されていて(本実施形態では約12°)、噴射される燃料の少なくとも90%以上がその範囲内に含まれるようになっている。尚、噴霧角等の計測方法としては、例えばレーザーシート法がある。
以上説明したように、本発明によれば、燃料の噴射によってタンブル流が強化されて、燃焼室5内における混合気の均一分散化が促進されるため、燃費や出力の向上、燃焼不良の改善等の効果を得ることができる。
本発明の筒内直接噴射火花点火式内燃機関の概略図である。 燃焼室の概略を示す縦断面図である。 ピストンを説明するための斜視図である。 マルチホールインジェクタの先端部を示す図である。 燃料噴射の状態を説明するための図である。(a)は側方から見た図であり、(b)は上方から見た図である。 排気側から見た燃料噴射の状態を説明するための図である。 燃料噴射の状態を説明するための図である。 燃料噴射の状態を説明するための図である。 燃料噴射試験の結果を示す図である。 燃料噴射試験の結果を示す図である。(a)はトルクとの関係を、(b)はHC排出量との関係を示している。
1 直噴エンジン(筒内直接噴射火花点火式内燃機関)
2 気筒
3 ピストン
5 燃焼室
5a 天井壁
5b 周壁
6 吸気ポート
6a 吸気口
7 排気ポート
7a 排気口
8 吸気弁
9 排気弁
13 点火プラグ
15 マルチホールインジェクタ(燃料噴射弁)
15a 先端部
21 上方噴射噴口
21f 上方噴霧
21s 中心線
22 側方噴射噴口
22f 側方噴霧
22s 中心線
23 下方噴射噴口
23f 下方噴霧
23s 中心線
H 基準線
P 気筒の軸線

Claims (1)

  1. 先端部に複数の噴口を有する燃料噴射弁が気筒内の燃焼室に直接燃料を噴射するように配設されている筒内直接噴射火花点火式内燃機関であって、
    上記燃焼室の天井壁には、各々吸気弁によって開閉される2つの吸気口が設けられ、燃焼室内の上方を吸気側から排気側に向かう吸気の流動が生じるように、上記吸気口から吸気が燃焼室内に導入されるようになっていて、
    上記燃料噴射弁の先端部は、上記天井壁の周縁部における隣り合った2つの吸気口の間から燃焼室内に臨んでいて、
    上記複数の噴口の中で最も下向きに燃料を噴射する下方噴射噴口からの噴霧の中心線及び上記気筒の軸線と直交する方向から見て、該下方噴射噴口からの噴霧の中心線と該気筒の軸線方向とがなす鋭角側の角度が、35度以上50度以下に設定され、
    上記複数の噴口は、噴射された噴霧が互いに衝突しないように配設され、
    上記燃焼室の天井壁の略中央部に点火プラグが配置され、
    上記複数の噴口の中で最も上向きに噴射する上方噴射噴口の噴霧が、上記点火プラグに接触しないように構成され、
    上記上方噴射噴口の噴霧の中心線が、この上方噴射噴口を含み気筒の軸線に垂直な面よりも下向きに延びていることを特徴とする筒内直接噴射火花点火式内燃機関。
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