JP5109708B2 - 光学フィルタ - Google Patents
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Description
このPDPは、表示電極、バス電極、誘電体層および保護層を有する前面ガラス基板と、データ電極、誘電体層、ストライプ状の隔壁及び蛍光体層を有する背面ガラス基板とを、表示電極及びバス電極とデータ電極とが互いに直交するように貼り合せて表示セルを形成し、この表示セル内にHe−Xe混合ガス等の放電ガスを封入して構成されている。
このPDPでは、データ電極と表示電極との間に電圧を印加することにより、表示セル内にてキセノンを放電させ、プラズマ状態となったキセノンイオンが基底状態に戻る際にキセノンの共鳴線(147nm)に相当する紫外線を発生し、この紫外線が蛍光体を励起して、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光を発光させることにより、カラー表示を可能としている。
このPDPは、薄型ディスプレイ装置として、設置スペースが狭く、壁掛けテレビジョン等の表示装置等として有用であると考えられている。
光学フィルタとしては、一般に、何層かのフィルムを積層したフィルム積層体をガラス基板に貼り合わせたタイプの光学フィルタが用いられている。
しかしながら、この光学フィルタでは、PDPの表示面との間が離れているために、PDPの画素における光の照射範囲が拡大することになる。この光が光学フィルタに斜めに入射すると、内部の電磁波遮蔽層等で反射されて出力される。したがって、外光が当たる環境下で用いた場合、PDPの表示面からの直接出力光と外部からの広い範囲で反射された反射光が重なってしまい、画像がぼやけるという問題点があった。
そこで、画像のぼやけ防止を目的として、PDPの表示面に直接、貼着するフィルムタイプの光学フィルタが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
複合フィルム層2は、フィルム状の透明基材4と、その上面に形成された反射防止層5と、反対側の下面に形成された近赤外線遮蔽層6と、この近赤外線遮蔽層6の下面に形成された接着剤層7とが接合されて一体化されている。
積層体層3は、金属メッシュからなる電磁波遮蔽材層8と、この電磁波遮蔽材層8の下面全面に形成された接着剤層9とが接着されて一体化され、この接着剤層9の下面側に剥離フィルム(剥離材)10が着脱可能に貼着されている。
複合フィルム層2と積層体層3とは、接着剤層7により接着一体化されて光学フィルタ1を構成しているが、この際、電磁波遮蔽材層8に接地用電極(図示せず)が取り付けられる構成になっている。
また、電磁波遮蔽積層体層の表示面に貼着される側とは反対側の主面に外光遮蔽層を設けたことにより、外光が当たる環境下で用いた場合においても、入射する外光を外光遮蔽層が遮蔽し、電磁波遮蔽層やPDPモジュールに入射するのを防止する。これにより、外光の入射に起因する電磁波遮蔽層の表面やPDPモジュールの蛍光体部分からの反射が防止される。
よって、この外光に起因する反射および画像のぼやけを防止することが可能となり、表示面のコントラストを改善することが可能となる。
この光学フィルタでは、外光遮蔽層の表面に反射防止層、近赤外線遮蔽層のいずれか一方または双方を積層したことにより、外光遮蔽機能の他に、反射防止機能および近赤外線遮蔽機能を付与することが可能となる。
前記電磁波遮蔽層を網状の金属層としたことを特徴とする。
可視光線透過率は20%以上であることを特徴とする。
前記透明接着層には、剥離材が着脱可能に貼着されていることを特徴とする。
前記表示装置は、プラズマディスプレイパネルであることを特徴とする。
以上により、表示部における視認性及び信頼性をさらに向上させることができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図において、11は光学フィルタであり、電磁波遮蔽積層体層12と、外光遮蔽層13と、近赤外線遮蔽層14と、反射防止層15とが接合され一体化され、さらに電磁波遮蔽積層体層12には柔軟性を有する剥離フィルム(剥離材)16が着脱可能に貼着され、全体が柔軟性を有するフィルム状とされている。
透明基材21としては、柔軟性を有しかつ可視光線に対して透明性を有するものであればよく、特に限定はしないが、例えば、有機高分子材料である透明樹脂が好ましい。
また、色調や透過率を調整するために、透明樹脂に着色剤や染料を混入したものを用いてもよい。
金属メッシュとしては、例えば、(1)パラジウム等の触媒を含有するペーストを所定のメッシュパターンに印刷した後、このメッシュパターンに銅等の金属をめっきしたもの、(2)蒸着法、スパッタ法等により銀、アルミニウム等の導電性物質を網目状のパターンにて形成したもの、(3)銅等の金属めっき層にエッチングを施してメッシュパターンとしたもの、(4)銅等の金属箔にエッチングを施してメッシュパターンとしたもの、(5)繊維の表面に金属をめっきしたメッシュを透明基材21上に貼り付けたもの等を用いることができる。
この透明導電膜としては、例えば、スズ添加酸化インジウム(ITO)、アンチモン添加酸化スズ(ATO)、亜鉛添加酸化インジウム(IZO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等の透明導電膜が好適である。
したがって、電磁波遮蔽積層体層12のPDPモジュール17の表示面17aに貼着される側とは反対側(視認側)に外光遮蔽層13を設ける必要性は無く、電磁波遮蔽積層体層12のPDPモジュール17の表示面17aに貼着される側に外光遮蔽層13を設けるようにしてもかまわない。
この透明接着層23の接着強度は、接着層の形成初期では、1〜10N/25mmが好ましく、より好ましくは4〜8N/25mmである。
この透明接着層23の接着強度は、形成初期から時間を経る毎に徐々に上昇して平衡に達し、その後、徐々に下降する特性を有している。したがって、平衡に達した時点における粘着強度は、10〜15N/25mmであることがさらに好ましい。
この外光遮蔽層13は、上述した透明接着層23と同様の材質からなる透明接着層33により、電磁波遮蔽層22を覆うとともに電磁波遮蔽積層体層12に貼着され、接合一体化されている。
この近赤外線遮蔽層14は、上述した透明接着層23と同様の材質からなる透明接着層43により外光遮蔽層13に貼着され、接合一体化されている。
特に、ジイモニウム系化合物は、波長850〜1100nmの近赤外線領域にモル吸光係数が10万程度の強い吸収性を有することから近赤外線遮蔽性に優れている。
この反射防止層15は、上述した透明接着層23と同様の材質からなる透明接着層46により近赤外線遮蔽層14に貼着され、接合一体化されている。
この反射防止膜45は、外部から入射する光の反射を防止することができればよく、単層構造であっても、積層構造であってもよい。
また、傷が付くのを防止するためのハードコート層や、静電気による塵埃の付着等を防止するための導電層等を、必要に応じて組み合わせて使用することができる。
その理由は、可視光透過率が20%よりも低い場合、PDPモジュール17から発せられる光が十分透過されず、ディスプレイ装置としての輝度が不足するからである。
一方、透過率を高めた場合、PDPモジュール17内の蛍光体が白色に近いものが多いために、特に暗黒色の表示部分が白っぽくなり、画面のコントラストが低下する。そこで、PDP用光学フィルタにおいては、透過率を低く設定し、不足する輝度をPDPモジュール17における蛍光体の発光強度を増すことにより、コントラストを得る方法を用いている。
このように、590nmの波長の可視光線の透過率を、450nm、525nm、620nmの各波長における可視光線の透過率よりも10%以上低くするためには、近赤外線遮蔽膜42中に、キナクリドン顔料、アゾメチン系化合物、シアニン系化合物、及びポルフイリン化合物等の選択吸収性色材を含有させることが好ましい。
この光学フィルタ11では、剥離フィルム16を電磁波遮蔽積層体層12から剥離し、露わになった透明接着層23をPDPモジュール17の表示面17aに貼着することにより、この光学フィルタ11をPDPモジュール17の表示面17aに貼着し、接合一体化することが可能である。
また、電磁波遮蔽積層体層12の表面に外光遮蔽層13を設けたことにより、外光が当たる環境下で用いた場合においても、入射する外光を外光遮蔽層13が効果的に遮蔽する。これにより、外光が電磁波遮蔽積層体層12に入射するのが効果的に防止され、外光の入射に起因する電磁波遮蔽層22の表面での反射が防止される。
以上により、この光学フィルタ11をPDPモジュール17の表示面17aに直接、貼着することで、この外光に起因する反射および画像のぼやけを防止することが可能となり、表示面17aから光学フィルタを通して表示される画像のコントラストを改善することが可能となる。
したがって、PDPモジュール17の表示面17aでの反射や画像のぼやけを防止することができる。
以上により、PDPモジュール17の表示面17aにおける視認性及び信頼性をさらに向上させることができる。
12 電磁波遮蔽積層体層
13 外光遮蔽層
14 近赤外線遮蔽層
15 反射防止層
16 剥離フィルム
17 PDPモジュール
17a 表示面
21 透明基材
22 電磁波遮蔽層
23 透明接着層
31 楔部
32 透明部
33 透明接着層
41 透明基材
42 近赤外線遮蔽膜
43 透明接着層
44 透明基材
45 反射防止膜
46 透明接着層
Claims (7)
- 表示装置の表示面に直接貼着される光学フィルタであって、
柔軟性を有する透明基材の一方の主面に電磁波遮蔽層が形成されるとともに、他方の主面に前記表示面に貼着するための透明接着層が形成された電磁波遮蔽積層体層と、
前記電磁波遮蔽層の前記表示面側と反対側の表面に接合され柔軟性を有する外光遮蔽層と、
を備えてなることを特徴とする光学フィルタ。 - 前記外光遮蔽層の表面に、反射防止層、近赤外線遮蔽層のいずれか一方または双方を積層してなることを特徴とする請求項1記載の光学フィルタ。
- 前記近赤外線遮蔽層は、柔軟性を有する透明基材の一方の主面に、接着層中に近赤外線吸収色素を分散させてなる近赤外線遮蔽膜を形成してなり、
前記外光遮蔽層の前記表示面側と反対側の表面に前記近赤外線遮蔽膜を接着し、さらに、該近赤外線遮蔽膜の前記表示面側と反対側の表面に前記反射防止層を接着してなることを特徴とする請求項2記載の光学フィルタ。 - 前記電磁波遮蔽層は、網状の金属層であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の光学フィルタ。
- 可視光線透過率は20%以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の光学フィルタ。
- 前記透明接着層には、剥離材が着脱可能に貼着されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の光学フィルタ。
- 前記表示装置は、プラズマディスプレイパネルであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の光学フィルタ。
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