JP5107837B2 - シリンダライナ、シリンダブロック及びシリンダライナの製造方法 - Google Patents

シリンダライナ、シリンダブロック及びシリンダライナの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンにおけるシリンダライナ、シリンダライナが鋳包まれたシリンダブロック及びシリンダライナの製造方法に関する。
例えば、エンジンのシリンダブロックを軽量化して燃費を向上させるという観点から、鋳鉄製のシリンダライナをアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体で鋳包んでシリンダブロックを製造することが実用化されている。
しかし、このように鋳鉄製のシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包んだシリンダブロックを用いたエンジンは、シリンダライナとシリンダブロック本体との界面の随所に空間、即ち隙間が生じることがある。
このようにシリンダライナとシリンダブロック本体との界面に隙間が生じると、シリンダライナとシリンダブロック本体との間の熱伝導効率が低下してエンジンの冷却性能に影響を及ぼすと共に、シリンダライナの周方向において熱伝導率のバラツキが発生する。シリンダライナの周方向の位置によって熱伝導率にバラツキがあると、シリンダライナの熱膨張率も周方向の位置によってバラツキが生じることになる。このバラツキによりシリンダライナが真円に膨張しなくなり、シリンダライナによって形成されるシリンダボア内面が歪んだ円筒形状となり、シリンダボア内を往復運動するピストンとの摩擦係数が高くなる。この摩擦係数の増大に起因してオイルの消費が増大すると共に、ピストンリングの摩耗が激しくなりエンジンの燃費、性能、耐久性等が低下する要因となる。また、シリンダライナとシリンダブロック本体との界面に形成された隙間に冷却水等が浸入すると、その冷却水等によってシリンダライナが発錆すると共に、その発錆がシリンダライナの変形を招く要因となることがある。
更に、シリンダブロック本体と、それに鋳包まれたシリンダライナとの界面に隙間があると、シリンダボア内面を機械加工する際に、シリンダライナが加工時の負荷により弾性変形、いわゆるスプリングバックが発生してシリンダライナの加工精度が低下する。また、界面に隙間が存在するとシリンダライナに繰り返し変形が付与されてシリンダライナの経時変化の要因となる。同様にシリンダブロック本体の薄肉部を機械加工する際に、加工時の負荷により弾性変形が発生してシリンダブロック本体の加工精度が低下する。
また、鋳鉄製のシリンダライナを鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に発生する残留応力や熱膨張差によって高い負荷が加わるが、界面に隙間が存在すると応力集中が起こりアルミニウム合金部、即ちシリンダブロック本体が破損することがある。時に、シリンダブロック本体の薄肉部に応力集中して該部が破損することが懸念される。
この対策として、鋳鉄製のシリンダライナの外周面を粒状の鋼によるショットブラストを施して表面活性化を行うと共に粗面化し、このシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包むことによりシリンダライナとシリンダブロック本体との界面を密着させるシリンダブロックの製造方法が知られている。
また、特許文献1、特許文献2及び特許文献3のように鋳鉄製のシリンダライナの外周面に溝或いは突起を多数一体に設け、このシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包むことによりシリンダライナとシリンダブロック本体との界面を密着させるシリンダブロックの製造方法が知られている。
更に、鋳鉄製のシリンダライナの外周面にアルミニウム合金溶湯との融着性が良好なCu系やZn系の金属をメッキした後、フラックス浴に浸漬してメッキ層に内蔵する水素ガス等のガス成分を除去し、しかる後このシリンダライナをアルミニウム合金で鋳包むことによりシリンダライナとシリンダブロック本体との界面を密着させるシリンダブロックの製造方法が知られている。
特開2001−227403号公報 特開2001−334357号公報 特開平7−3139419号公報
上記鋳鉄製のシリンダライナの外周面にショットブラストを施して粗面化してアルミニウム合金で鋳包むシリンダブロックの製造は、比較的低コストで行え、アルミニウム合金溶湯の湯廻りが向上し、界面の密着を高める効果がある。しかし、界面の結合強度が低く、シリンダライナを鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固時に発生する残留応力や収縮等の影響を受けやすく、界面に隙間のない安定した状態を得ることが困難である。
また、シリンダライナの外周面に溝や突起を多数一体に設け、アルミニウム合金で鋳包む特許文献1〜3に記載のシリンダブロックの製造方法によると、界面の結合強度は機械的要因によりある程度向上するが、多数の溝や突起によりシリンダライナを鋳包む際のアルミニウム合金溶湯の湯廻り性が損なわれてシリンダライナとシリンダブロック本体との界面に密着する部分と密着しない部分が発生することが懸念される。また、シリンダライナの外周面に機械加工によって多数の突起を加工するには種々の制約があり製造コストが増大するおそれがある。
鋳鉄製シリンダライナの外周面にCu系やZn系の金属をメッキした後、アルミニウム合金で鋳包むシリンダブロックの製造方法によると、メッキによるCu系やZn系の金属メッキ層、即ち被覆層の厚み及びシリンダライナと被覆層との密着状態にバラツキが発生しやすく、シリンダライナの表面形状に大きく影響する。被覆層の厚みやシリンダライナとの密着状態にバラツキがあるとアルミニウム合金溶湯と反応して界面に生成される金属間化合物の厚み等にもバラツキが発生して界面状態が不安定になり、隙間の発生や結合強度等が不安定になることが懸念される。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、シリンダライナとシリンダブロック本体との界面に隙間等の発生が抑制できると共に密着及び結合強度が確保できるシリンダライナ、シリンダブロック及びシリンダライナの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1にシリンダライナの発明は、鋳鉄製の円筒状で外周面に周方向に連続する環状の平坦面が軸方向に間隔を有して複数形成され、かつ隣接する上記平坦面間に周方向に連続する周方向溝が複数形成された、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体で鋳包みするシリンダライナにおいて、上記各周方向溝は、軸方向断面形状において一方の軸方向端部側の平坦面に連続する外周端縁から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する上記平坦面に対してアンダーカットされた第1傾斜面、該第1傾斜面の内周端から次第に縮径する第1曲面、該第1曲面の内周端から他方の軸方向端部側に移行するに従って拡径して第1傾斜面と対向する第2傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第1周方向溝部と、上記第2傾斜面の外周端に連続すると共に他方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する第3傾斜面、該第3傾斜面の内周端から次第に拡径する第2曲面、該第2曲面の外周端から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面と対向すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に外周端縁が連続する上記平坦面に対してアンダーカットされた第4傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部とを有し、上記第1周方向溝部と第2周方向溝部は上記第2傾斜面の外方端を稜線として対象に形成されたことを特徴とする特徴とする。
この発明によると、シリンダライナの外周面に周方向に連続する周方向溝を複数設け、かつ各周方向溝を一方の軸方向端部側の平坦面の端縁に、この平坦面に対してアンダーカットされて断面J字状に形成された第1周方向溝部と、第1周方向溝部に連続すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に、この平坦面に対してアンダーカットされて連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部とによって形成することで、シリンダライナを鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時にアルミニウム合金溶湯の軸方向の移動が抑制されてアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に発生する軸方向応力が均等に分散され、これにより収縮後のアルミニウム合金に生じる残留応力が軽減及び均等に分散されてシリンダブロック本体の割れ等が防止できる。
更に、シリンダライナを鋳包むシリンダブロック本体に発生する剥離応力、機械加工時の加工応力、及び残留応力等の種々の応力がシリンダライナの外周面に断面J字状の第1周方向溝部及び第2周方向溝部によって形成された周方向溝部によって受け止められてシリンダライナとシリンダブロック本体との界面における隙間の発生が防止でき、鋳鉄製のシリンダライナとアルミニウム合金製のシリンダブロック本体との界面の密着状態が安定し、界面に隙間の発生がなくシリンダライナとシリンダブロック本体との結合強度が確保できる。
上記目的を達成する請求項2にシリンダライナの発明は、鋳鉄製の円筒状で外周面に周方向に連続する螺旋状の平坦面が軸方向に間隔を有して連続して形成され、かつ該螺旋状の平坦面間に螺旋状で連続する周方向溝が形成された、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体で鋳包みするシリンダライナにおいて、上記周方向溝は、軸方向断面形状において一方の軸方向端部側の平坦面に連続する外周端縁から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する上記平坦面に対してアンダーカットされた第1傾斜面、該第1傾斜面の内周端から次第に縮径する第1曲面、該第1曲面の内周端から他方の軸方向端部側に移行するに従って拡径して第1傾斜面と対向する第2傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第1周方向溝部と、上記第2傾斜面の外周端に連続すると共に他方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する第3傾斜面、該第3傾斜面の内周端から次第に拡径する第2曲面、該第2曲面の外周端から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面と対向すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に外周端縁が連続する上記平坦面に対してアンダーカットされた第4傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部とを有し、上記第1周方向溝部と第2周方向溝部は上記第2傾斜面の外方端を稜線として対象に形成されたことを特徴とする。
この発明によると、シリンダライナの外周面に一方の軸方向端部から他方の軸方向端部に亘って周方向に連続する螺旋状の周方向溝が形成され、かつ周方向溝が軸方向断面形状において、一方の軸方向端部側の平坦面の端縁に、この平坦面に対してアンダーカットされて断面J字状に形成された第1周方向溝部と、第1周方向溝部に連続すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に、この平坦面に対してアンダーカットされて連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部とによって形成することで、シリンダライナを鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時にアルミニウム合金溶湯の移動が抑制されてアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に発生する応力が均等に分散され、これにより収縮後のアルミニウム合金に生じる残留応力が軽減及び均等に分散されてシリンダブロック本体の割れ等が防止できる。
更に、シリンダライナを鋳包むシリンダブロック本体に発生する剥離応力、機械加工時の加工応力、及び残留応力等の種々の応力がシリンダライナの外周面に断面J字状の第1周方向溝部及び第2周方向溝部によって形成された螺旋状の周方向溝部によって受け止められてシリンダライナとシリンダブロック本体との界面における隙間の発生が防止でき、鋳鉄製のシリンダライナとアルミニウム合金製のシリンダブロック本体との界面の密着状態が安定し、界面に隙間の発生がなくシリンダライナとシリンダブロック本体との結合強度が確保できる。
請求項3に記載のシリンダブロックの発明は、上記請求項1または2に記載のシリンダライナをアルミニウム合金のシリンダブロック本体で鋳包んだことを特徴とする。
この発明によると、鋳鉄製のシリンダブロックとアルミニウム合金製のシリンダブロック本体との界面の密着状態が安定し、界面に隙間の発生がなくシリンダライナとシリンダブロック本体との結合強度が安定した高品質のシリンダブロックが得られる。
請求項4に記載のシリンダライナの製造方法の発明は、鋳鉄製の円筒状で外周面に周方向に連続する環状の平坦面が軸方向に間隔を有して複数形成され、かつ隣接する上記平坦面間に周方向に連続する周方向溝が複数形成された、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体で鋳包みするシリンダライナの製造方法において、筒状に鋳造されたシリンダライナの素材を中心軸回りに回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当て環状でかつ上記一方の軸方向端部側の平坦面に連続する外周端縁から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する上記平坦面に対してアンダーカットされた第1傾斜面、該第1傾斜面の内周端から次第に縮径する第1曲面、該第1曲面の内周端から他方の軸方向端部側に移行するに従って拡径して第1傾斜面と対向する第2傾斜面が順に連続する断面J字状の第1周方向溝部を軸方向に間隔を有して複数切削加工し、該複数の第1周方向溝部が切削加工された素材を中心軸回りに回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当てて上記第2傾斜面の外周端に連続すると共に他方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する第3傾斜面、該第3傾斜面の内周端から次第に拡径する第2曲面、該第2曲面の外周端から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面と対向すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に外周端が連続する上記平坦面に対してアンダーカットされた第4傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部を切削加工して周方向溝を形成することを特徴とする。
請求項4に記載のシリンダライナの製造方法の発明は、鋳鉄製の円筒状で外周面に周方向に連続する環状の平坦面が軸方向に間隔を有して複数形成され、かつ隣接する上記平坦面間に周方向に連続する周方向溝が複数形成された、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体で鋳包みするシリンダライナの製造方法において、筒状に鋳造されたシリンダライナの素材を中心軸回りに回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当て環状でかつ上記一方の軸方向端部側の平坦面に連続する外周端縁から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する上記平坦面に対してアンダーカットされた第1傾斜面、該第1傾斜面の内周端から次第に縮径する第1曲面、該第1曲面の内周端から他方の軸方向端部側に移行するに従って拡径して第1傾斜面と対向する第2傾斜面が順に連続する断面J字状の第1周方向溝部を軸方向に間隔を有して複数切削加工し、該複数の第1周方向溝部が切削加工された素材を中心軸回りに回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当てて上記第2傾斜面の外周端に連続すると共に他方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する第3傾斜面、該第3傾斜面の内周端から次第に拡径する第2曲面、該第2曲面の外周端から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面と対向すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に外周端が連続する上記平坦面に対してアンダーカットされた第4傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部を上記第2傾斜面の外方端を稜線として第1周方向溝部と対象に切削加工して周方向溝を形成することを特徴とする。
請求項5に記載のシリンダライナの製造方法の発明は、鋳鉄製の円筒状で外周面に周方向に連続する螺旋状の平坦面が軸方向に間隔を有して連続して形成され、かつ該螺旋状の平坦面間に螺旋状で連続する周方向溝が形成された、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体で鋳包みするシリンダライナの製造方法において、筒状に鋳造されたシリンダライナの素材を中心軸回りに回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当て中心軸線と平行に一方の軸方向端部側から他方の軸方向端部側に移動させて螺旋状でかつ軸方向断面形状が一方の軸方向端部側の平坦面に連続する外周端縁から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する上記平坦面に対してアンダーカットされた第1傾斜面、該第1傾斜面の内周端から次第に縮径する第1曲面、該第1曲面の内周端から他方の軸方向端部側に移行するに従って拡径して第1傾斜面と対向する第2傾斜面が順に連続する断面J字状の第1周方向溝部を切削加工し、該螺旋状の第1周方向溝部が切削加工された素材を中心軸回りに上記回転方向と逆回転方向に回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当て中心軸線と平行に他方の軸方向端部側から一方の軸方向端部側に移動させて螺旋状でかつ軸方向断面形状が上記第2傾斜面の外周端に連続すると共に他方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する第3傾斜面、該第3傾斜面の内周端から次第に拡径する第2曲面、該第2曲面の外周端から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面と対向すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に外周端が連続する上記平坦面に対してアンダーカットされた第4傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部を上記第2傾斜面の外方端を稜線として第1周方向溝部と対象に切削加工して螺旋状の周方向溝を形成することを特徴とする。
この発明によると、筒状に鋳造されたシリンダライナの素材を中心軸回りに回転駆動させて外周面に加工工具を当て中心軸線と平行に一方の軸方向端部側から他方の軸方向端部側に移動させて螺旋状でかつ断面J字状の第1周方向溝部を切削加工し、この螺旋状の第1周方向溝部が切削加工された素材を中心軸回りに上記回転方向と逆回転方向に回転駆動させ、素材の外周面に加工工具を当て中心軸線と平行に他方の軸方向端部側から一方の軸方向端部側に移動させて螺旋状でかつ断面J字状に形成された第2周方向溝部を切削加工する旋盤等による機械加工により請求項のシリンダライナを効率的に製造することができる。

本発明によると、シリンダライナを鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時にアルミニウム合金溶湯の移動が抑制されてアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮に伴う残留応力が軽減及び均等に分散されてシリンダブロック本体の割れ等が防止できると共に、シリンダライナを鋳包むシリンダブロック本体に発生する剥離応力、機械加工時の加工応力、及び残留応力等の種々の応力がシリンダライナの周方向溝部によって受け止められてシリンダライナとシリンダブロック本体との界面における隙間の発生が防止でき、シリンダライナとシリンダブロック本体との界面の密着状態が安定し、界面に隙間の発生がなくシリンダライナとシリンダブロック本体との結合強度が確保できる。
以下、本発明によるシリンダライナ、シリンダブロック及びシリンダライナの製造方法の実施の形態を図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1乃至図13を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。
図1は、鋳鉄製のシリンダライナ10を溶融金属となるアルミニウム合金のシリンダブロック本体30で鋳包んだシリンダブロック1の平面図、図2は図1のI−I線断面図、図3はシリンダライナ10の斜視図、図4はシリンダライナ10の側面図、図5は図3のII−II線断面図である。
シリンダライナ10は、図3乃至図5に示すように中心軸Lを中心として軸方向に延在する断面円形のシリンダボア内面11及び外周面12を有する円筒状に形成されている。また、外周面12に、一方の軸方向端部12aから他方の軸方向端部12bに亘って中心軸Lと平行で周方向Rに連続する環状の平坦面14が軸方向に等間隔pを有して複数形成され、かつ隣接する平坦面14間に周方向Rに連続する周方向溝15が形成されている。
図6に図5のA部拡大図を示すように、周方向溝15は、軸方向断面形状において、軸方向端部12a側の平坦面14の端縁となる第1外周端15aから軸方向端部12a側に移行するに従って次第に縮径するテーパ状の第1傾斜面16a、第1傾斜面16aの内周端16bから円弧状に次第に縮径する第1溝底部となる第1曲面16c、第1曲面16cの内周端16dから軸方向端部12b側に移行するに従って拡径して第1傾斜面16aと対向するテーパ状の第2傾斜面16eが連続する断面J字状に形成された第1周方向溝部16と、第2傾斜面16eの外周端となる稜線17に外周端が連続すると共に軸方向端部12b側に移行するに従って次第に縮径するテーパ状の第3傾斜面18e、第3傾斜面18eの内周端18dから円弧状に次第に拡径する第2溝底部となる第2曲面18c、第2曲面18cの外周端18bから軸方向端部12a側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面18eと対向するテーパ状で外周端が軸方向端部12b側の平坦面14の端縁となる第2外周端15bに連続する第4傾斜面18aによって断面J字状に形成された第2周方向溝部18とにより稜線17に関して対称に形成される。
この第1傾斜面16a及び第4傾斜面18aは中心軸Lと直交する径方向基準L1に対して3°から35°の傾斜角θであって、第1傾斜面16a及び第4傾斜面18aの範囲がアンダーカットを形成している。即ち各周方向溝15は軸方向端部12a側の溝底部から軸方向端部12bに向かって傾斜する第1周方向溝部16と軸方向端部12b側の溝底部から軸方向端部12aに向かって傾斜する第2周方向溝部18が稜線17を介して対称形状に連続して形成されて隣接する平坦面14間に開口して形成される。
このように形成されたシリンダライナ10は、鋳包み工程において、複数本、本実施の形態では2本を並列配置して鋳型内にセットし、アルミニウム合金溶湯で鋳包むことによって図1及び図2に示すようにシリンダライナ10がアルミニウム合金のからなるシリンダブロック本体30によって鋳包みされてシリンダライナ10とシリンダブロック本体30が一体化されたシリンダブロック1が得られる。
この鋳包み工程において、アルミニウム合金溶湯が各周方向溝15内にも進入し、シリンダライナ10を鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に、図7に説明図を示すように、収縮応力σ1が平坦面14と直交して作用し、かつ凝固に伴う軸方向の収縮がシリンダライナ10の外周面12に多数形成された各周方向溝15の第1周方向溝部16及び第2周方向溝部18によって均等に受け止められてアルミニウム合金溶湯の軸方向の移動が抑制される。これによりアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に発生する軸方向応力σ2がシリンダライナ10の外周面12に沿って均等に分散されて収縮後のアルミニウム合金に生じる残留応力を軽減及び均等に分散することができる。この残留応力の軽減及び均等化によってシリンダブロック本体30の残留応力が緩和されてシリンダブロック本体30、特に隣接するシリンダライナ10間に形成されるシリンダブロック本体30の薄肉部31の残留応力が緩和されてシリンダブロック本体30の割れ等が防止できる。
更に、このように鋳鉄製のシリンダライナ10を鋳包むアルミニウム合金製のシリンダブロック本体30には、アルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に発生する残留応力や熱膨張差によって高い負荷が加わり、図8に説明図を示すようにシリンダライナ10の外周面12からシリンダブロック本体30を剥離する方向の剥離応力σ3が発生することがある。
この剥離応力σ3に対し、シリンダライナ12の周方向溝15内に進入したシリンダブロック本体30の部分32が、シリンダライナ10の周方向溝15の第1周方向溝部16及び第2周方向溝部18、特にアンダーカットされた第1曲面16cの外周端近傍から第1傾斜面16a及び第2曲面18cの外周端近傍から第4傾斜面18aによって受け止められて抗力P3が作用し、シリンダライナ10とシリンダ本体30との密着力P1が確保される。これにより、シリンダライナ10とシリンダブロック本体30との界面Bにおける隙間の発生が防止できる。
一方、本実施の形態に対し、図9に図8に対応する比較説明図を示すように、周方向溝のない平坦な外周面112を有するシリンダライナ110をアルミニウム合金で鋳包みしたシリンダブロック本体130にあっては、アルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に発生する残留応力や熱膨張差によりシリンダブロック本体130をシリンダライナ110から剥離する方向の剥離応力σ3が発生すると、シリンダライナ110とシリンダブロック本体130との密着力P1に抗してシリンダブロック本体130がシリンダライナ110から剥離し、シリンダライナ110とシリンダブロック本体130との界面Bに隙間Cが発生するおそれがある。
更に、シリンダライナ10の外周面12に形成される各周方向溝15が、稜線17を介して対称に軸方向端12a側の溝底部から軸方向端部12bに向かって傾斜する第1周方向溝部16と、軸方向端12b側の溝底部から軸方向端部12aに向かって傾斜する第2周方向溝部18とによって形成されて隣接する平坦面14間に開口して形成されることから、図10の説明図に示すようにピストン等からシリンダライナ10の軸方向に作用する軸方向応力(剪断応力)σ4の分力σ4aが軸方向端部12b及び軸方向端部12a方向にそれぞれ傾斜して平坦面14間に開口する各周方向溝15の第1周方向溝部16及び第2周方向溝部18に沿って作用し、各周方向溝15によって受け止められてシリンダライナ10とシリンダブロック本体30との界面B全体に軸方向応力σ4が分散する。これにより、シリンダライナ10とシリンダブロック本体30との界面Bにおける密着が確保でき、隙間の発生が防止できる。
従って、このように形成されたシリンダブロック1は、鋳鉄製のシリンダライナ10とアルミニウム合金製のシリンダブロック本体30との界面Bに隙間が発生することなく、シリンダライナ10の軸方向及び周方向R全周におけるシリンダライナ10とシリンダブロック本体30との相互間の熱伝導率が均一になり、熱伝導率が向上してエンジンの冷却性能が確保できると共に、シリンダライナ10の熱膨張にバラツキがなくなる。その結果、シリンダライナ10が真円に膨張してシリンダボア内面11が真円の円筒状となり、シリンダボア内を往復動するピストンとの摩擦係数が抑制できる。このシリンダライナ10とピストンとの摩擦係数の抑制に伴ってオイルの消費が減少すると共にピストンリングの磨耗が回避されてエンジンの燃費、性能、耐久性等が向上する。
また、シリンダライナ10とシリンダブロック本体30との界面Bに隙間がなく密着して結合強度が確保され、シリンダボア内面11を機械加工する際にシリンダライナ10に加工時の負荷が作用してもシリンダライナ10の弾性変形が抑制されて加工精度が確保できる。更に、シリンダライナ10とシリンダブロック本体30との界面Bに隙間がなく、シリンダライナ10の変形が防止されてシリンダライナ10の経時変化が回避できる。更に、界面Bの密着によりシリンダライナ10とシリンダブロック本体30との間に冷却水等が浸入することがなくなりシリンダライナ10の発錆が抑制でき、発錆によるシリンダライナ10の変形が回避できる。
このように、本実施の形態によると、鋳鉄製のシリンダライナ10とアルミニウム合金製のシリンダブロック本体30との界面Bの密着状態が安定し、界面Bに隙間の発生がなくシリンダライナ10とシリンダブロック本体30の結合強度に優れ安定した高品質のシリンダブロック1が得られる。
図11乃至図13は、円筒状の素材の外周面に周方向溝を旋盤等の機械加工により形成するシリンダライナの製造方法の概要説明図である。
図11はシリンダライナ10に第1周方向溝部16及び第2周方向溝部18からなる周方向溝15を機械加工する際に使用する加工工具51と第1周方向溝部16の相関関係を説明する図である。
中心軸Lに対する刃先51aの中心線51bの角度、即ち切刃角αにおいて、アンダーカットが形成できるシリンダライナ10の外周面12と垂直をなす面12cと刃先51aの中心線51aとなす角度βが加工工具51の刃先51aのノーズ角γの半分より大きい角(β>(γ/2))をなす加工工具51、より詳細に刃先51aのコーナ半径rが第1曲面16cの半径に相当し、ノーズ角γが第1傾斜面16aと第2傾斜面16eとがなす角度に相当する加工工具51を用いる。
そして、図12(a)に概要を示し、(b)に加工時の加工工具51を模式的に示すように、筒状に鋳造されて予めシリンダボア内面11が加工された加工されたシリンダライナ10の素材50を中心軸L回りに回転駆動させ、切刃角αで加工工具51を当てて予め設定された軸方向間隔pで環状に各周方向溝15の第1周方向溝部16、即ち平坦面14の端縁となる第1外周端15aから軸方向端部12a側に移行するに従って次第に縮径するテーパ状の第1傾斜面16a、第1傾斜面16aの内周端16bから円弧状に次第に縮径する第1溝底部となる第1曲面16c、第1曲面16cの内周端16dから軸方向端部12b側に移行するに従って拡径して第1傾斜面16aと対向するテーパ状の第2傾斜面16eが連続する断面J字状に形成された第1周方向溝部16を切削加工する。
しかる後、各第1周方向溝部16が切削加工された素材50を図13(a)に概要を示し、(b)に加工時の工具51を模式的に示すように中心軸L回りに回転駆動させ、切刃角βで加工工具51を当てて軸方向間隔pで各第1周方向溝部16の第2傾斜面16eに第3傾斜面18eが連続する第2周方向溝部18、即ち第1周方向溝部16の第2傾斜面16eの外周端となる稜線17に外周端が連続すると共に軸方向端部12b側に移行するに従って次第に縮径するテーパ状の第3傾斜面18e、第3傾斜面18eの内周端18dから円弧状に次第に拡径する第2溝底部となる第2曲面18c、第2曲面18cの外周端18bから軸方向端部12a側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面18eと対向するテーパ状で外周端が軸方向端部12b側の平坦面14の端縁となる第2外周端15bに連続する第4傾斜面18aによって断面J字状に形成された第2周方向溝部18を切削加工することによって効率的に、かつ良好な周方向溝15が形成できる。
(第2実施の形態)
次に、図14乃至図25を参照して本発明の第2実施の形態を説明する。
図14は、本実施の形態における鋳鉄製のシリンダライナ20の斜視図、図15は図14のIII−III線断面の要部拡大図である。
シリンダライナ20は、図14及び図15に示すように中心軸Lを中心として軸方向に延在する断面円形のシリンダボア内面21及び外周面22を有する円筒状に形成されている。
外周面22に、一方の軸方向端部22aから他方の軸方向端部22bに亘って中心軸Lと平行で周方向Rに連続する螺旋状の平坦面24が軸方向に間隔を有して連続して形成され、かつ螺旋状の平坦面24間に螺旋状で連続する周方向溝25が形成されている。
図16に図15のB部拡大図を示すように、周方向溝25は、軸方向断面形状において軸方向端部22a側の平坦面24の端縁となる第1外周端25aから軸方向端部22a側に移行するに従って次第に縮径するテーパ状の第1傾斜面26a、第1傾斜面26aの内周端26bから円弧状に次第に縮径する第1溝底部となる第1曲面26c、第1曲面26cの内周端26dから軸方向端部22b側に移行するに従って拡径して第1傾斜面26aと対向するテーパ状の第2傾斜面26eが連続する断面J字状に形成された第1周方向溝部26と、第2傾斜面26eの外周端となる稜線27に外周端が連続すると共に軸方向端部22b側に移行するに従って次第に縮径するテーパ状の第3傾斜面28e、第3傾斜面28eの内周端28dから円弧状に次第に拡径する第2溝底部となる第2曲面28c、第2曲面28cの外周端28bから軸方向端部22a側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面28eと対向するテーパ状で外周端が軸方向端部22b側の平坦面24の端縁となる第2外周端25bに連続する第4傾斜面28aによって断面J字状に形成された第2周方向溝部28とが稜線27に関して対称に形成される。
この第1傾斜面26a及び第4傾斜面28aは中心軸Lと直交する径方向基準L1に対して3°から35°の傾斜角θであって、第1傾斜面26a及び第4傾斜面28aの範囲がアンダーカットを形成している。即ち螺旋状の周方向溝25は軸方向端部22a側の溝底部から軸方向端部22bに向かって傾斜する第1周方向溝部26と軸方向端部22b側の溝底部から軸方向端部22aに向かって傾斜する第2周方向溝部28が稜線27を介して対称に連続して形成されて隣接する平坦面24間に開口して形成される。
このように形成されたシリンダライナ20は、第1実施の形態と同様に鋳包み工程において、複数本、本実施の形態では2本を並列配置して鋳型内にセットし、アルミニウム合金溶湯で鋳包むことによって、図17に示すようにシリンダライナ20がアルミニウム合金からなるシリンダブロック本体30によって鋳包みされてシリンダライナ20とシリンダブロック本体30が一体化されたシリンダブロック1が得られる。
この鋳包み工程において、一方の軸方向端部22aから他方の軸方向端部22bに亘る螺旋状で周方向溝25が軸方向端部22a側の溝底部から軸方向端部22bに向かって傾斜する第1周方向溝部26と軸方向端部22b側の溝底部から軸方向端部22aに向かって傾斜する第2周方向溝部28が稜線27を介して対象に連続して形成されて隣接する平坦面24間に開口して形成されることからアルミニウム合金溶湯が周方向溝25内にも進入してシリンダライナ20を鋳包むアルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に、図18に説明図を示すように、収縮応力σ1が平坦面24と直交して作用し、かつ凝固に伴う軸方向の収縮がシリンダライナ20の外周面22に螺旋状に形成された周方向溝25の第1周方向溝部26及び第2周方向溝部28によって軸方向に均等に受け止められてアルミニウム合金溶湯の軸方向の移動が抑制される。この結果、アルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に発生する軸方向応力σ2がシリンダライナ20の外周面22に沿って均等に分散されて収縮後のアルミニウム合金に生じる残留応力を軽減及び均等に分散することができる。この残留応力の軽減及び均等化によってシリンダブロック本体30の残留応力が緩和されてシリンダブロック本体30、特に隣接するシリンダライナ20間に形成されるシリンダブロック本体30の薄肉部31の残留応力が緩和されてシリンダブロック本体30の割れ等が防止できる。
更に、このように鋳鉄製のシリンダライナ20を鋳包むアルミニウム合金製のシリンダブロック本体30には、アルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮時に発生する残留応力や熱膨張差によって高い負荷が加わり、図19に説明図を示すようにシリンダライナ20の外周面22からシリンダブロック本体30を剥離する方向の剥離応力σ3が発生することがある。この剥離応力σ3の一部は図20にシリンダブロック本体30を省略した説明斜視図に示すように周方向溝25の延在方向に沿って周方向応力σ3aとして分散される。
この剥離応力σ3に対し、シリンダライナ20の周方向溝25内に進入したシリンダブロック本体30の部分33が、シリンダライナ20の周方向溝25の第1周方向溝部26及び第2周方向溝部28、特にアンダーカットされた第1曲面26cの外周端近傍から第1傾斜面26a及び第2曲面28cの外周端近傍から第4傾斜面28aによって受け止められて抗力P3が作用し、シリンダライナ12とシリンダ本体30との密着力P1が確保される。これにより、シリンダライナ20とシリンダブロック本体30との界面Bにおける隙間の発生が防止できる。
また、周方向応力σ3aに対し周方向溝25に沿って周方向応力σ3aと反対方向の抗力P3aが作用し、シリンダライナ20の外周面22に沿った周方向Rの移動が抑制されてシリンダライナ20とシリンダブロック本体30との界面Bに発生する周方向の剪断応力が抑制され、シリンダライナ20とシリンダブロック本体30との界面Bにおける隙間の発生が防止できる。
更に、図21の説明図に示すようにピストン等からシリンダライナ20の軸方向に作用する軸方向応力(剪断応力)σ4は、その分力σ4aが軸方向端22a及び軸方向端部22b方向に傾斜して平坦面24間に開口する各周方向溝25の第1周方向溝部26及び第2周方向溝部28に沿って作用し、周方向溝25によって受け止められてシリンダライナ20とシリンダブロック本体30との界面B全体に軸方向応力σ4が分散する。これにより、シリンダライナ20とシリンダブロック本体30との界面Bにおける密着が確保でき、隙間の発生が防止できる。
また、この軸方向応力σ4の一部は図22にシリンダブロック本体30を省略した説明斜視図に示したように、周方向溝25の延在方向に沿って周方向応力σ4bとして分散されるが、周方向応力σ4bと反対方向の抗力P4bが作用し、シリンダライナ20の外周面22に沿った周方向Rの移動が抑制されてシリンダライナ20とシリンダブロック本体30との界面Bに発生する周方向Rの剪断応力が抑制される。この結果、シリンダライナ20とシリンダブロック本体30との界面Bにおける隙間の発生が防止できる。
従って、このように形成されたシリンダブロック1は、第1実施の形態と同様に、鋳鉄製のシリンダライナ20とアルミニウム合金製のシリンダブロック本体30との界面Bの密着状態が安定し、界面Bに隙間の発生がなくシリンダライナ20とシリンダブロック本体30の結合強度に優れ安定した高品質のシリンダブロック1が得られる。
更に、シリンダライナ20の外周面22に螺旋状に連続して形成される周方向溝25は、第1実施の形態における溝加工を断続して形成する方法に比べ、筒状に鋳造されたシリンダライナ20を中心軸L回りに回転駆動させ、外周面22に加工刃具を当てて中心軸L方向に沿って移動させて螺旋状の第1周方向溝26を機械加工し、しかる後、シリンダライナ20を中心軸L回りに逆回転駆動し、中心軸Lに沿って加工工具を逆方向に移動させて第1周方向溝26の第2傾斜面26eに第3傾斜面28eが連続する第2周方向溝28を機械加工により効率的に形成することができ、生産性の向上が得られ、製造コストの低減が得られる。
このシリンダライナの周方向溝の加工方法の概要を図23乃至図25を参照して説明する。
図23はシリンダライナ20に第1周方向溝部26及び第2周方向溝部28からなる周方向溝25を機械加工する際に使用する加工工具61と第1周方向溝部26の相関関係を説明する図である。
中心軸Lに対する刃先61aの中心線61bの角度、即ち切刃角αにおいて、アンダーカットが形成できるシリンダライナ20の外周面22と垂直をなす面22cと刃先61aの中心線61aとなす角度βが加工工具61の刃先61aのノーズ角γの半分より大きい角(β>(γ/2))をなす加工工具61、より詳細に刃先61aのコーナ半径rが第1曲面26cの半径に相当し、ノーズ角γが第1傾斜面26bと第2傾斜面26eとがなす角度に相当する加工工具61を用いる。
そして、図24(a)に概要を示し、(b)に加工時の加工工具61を模式的に示すように、筒状に鋳造されて予めシリンダボア内面21が加工されたシリンダライナ20の素材60を中心軸L回りに回転駆動させ、切刃角αで加工工具61を当てて予め設定された他方の軸方向端部22b側から一方の軸方向端部22a側に端軸方向間隔pの送り速度で螺旋状に連続する第1周方向溝部26、即ち、平坦面24の端縁となる第1外周端25aから軸方向端部22a側に移行するに従って次第に縮径するテーパ状の第1傾斜面26a、第1傾斜面26aの内周端26bから円弧状に次第に縮径する第1溝底部となる第2曲面16c、第1曲面26cの内周端26dから軸方向端部22b側に移行するに従って拡径して第1傾斜面26aと対向するテーパ状の第2傾斜面26eが連続する断面J字状に形成された第1周方向溝部26を切削加工する。
しかる後、螺旋状の第1周方向溝部26が切削加工された素材60を図25(a)に概要を示し、(b)に加工時の工具61を模式的に示すように中心軸L回りに逆方向に回転駆動させ、切刃角αで加工工具61を当てて中心軸Lに沿って加工工具を逆方向、即ち、一方の軸方向端部22a側から他方の軸方向端部22b側に移動させて第2周方向溝部26の第2係斜面26eに第3傾斜面28eが連続する螺旋状に連続する第2周方向溝部28、即ち、第2傾斜面26eの外周端となる稜線27に外周端が連続すると共に軸方向端部22b側に移行するに従って次第に縮径するテーパ状の第3傾斜面28e、第3傾斜面28eの内周端28dから円弧状に次第に拡径する第2溝底部となる第2曲面28c、第2曲面28cの外周端28bから軸方向端部22a側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面28eと対向するテーパ状で外周端が軸方向端部22b側の平坦面24の端縁となる第2外周端25bに連続する第4傾斜面28aによって断面J字状に形成された第2周方向溝部28を切削加工することによって良好な周方向溝25が形成できる。
第1実施の形態に係り、シリンダブロックの平面図である。 同上、図1のI−I線断面図である。 同上、シリンダライナの斜視図である。 同上、シリンダライナの側面図である。 同上、図3のII−II線断面の要部拡大図である。 同上、図5のA部拡大図である。 同上、アルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮による収縮応力の作用を示す説明図である。 同上、シリンダブロックに作用する剥離応力を示す説明図である。 同上、図8に対応する本実施の形態との比較説明図である。 同上、シリンダブロックに作用する軸方向応力(剪断応力)を示す説明図である。 同上シリンダライナの周方向溝の加工方法の概要説明図である。 同上、シリンダライナの周方向溝の加工方法の概要説明図である。 同上、シリンダライナの周方向溝の加工方法の概要説明図である。 第2実施の形態に係り、シリンダライナの斜視図である。 同上、図14のIII−III線断面の要部拡大図である。 同上、図15のB部拡大図である。 同上、シリンダブロックの断面図である。 同上、アルミニウム合金溶湯の凝固及び収縮による収縮応力の作用を示す説明図である。 同上、シリンダブロックに作用する剥離応力を示す説明図である。 同上、シリンダブロックに作用する周方向応力を示す説明図である。 同上、シリンダブロックに作用する軸方向応力(剪断応力)を示す説明図である。 同上、シリンダブロックに作用する軸方向応力(剪断応力)を示す説明図である。 同上、シリンダライナの周方向溝の加工方法の概要説明図である。 同上、シリンダライナの周方向溝の加工方法の概要説明図である。 同上、シリンダライナの周方向溝の加工方法の概要説明図である。
符号の説明
10 シリンダライナ
12 外周面
12a 一方の軸方向端部
12b 他方の軸方向端部
14 平坦面
15 周方向溝
15a 第1外周端
15b 第2外周端
16 第1周方向溝部
16a 第1傾斜面
16b 内周端
16c 第1曲面(第1溝底部)
16d 内周端
16e 第2傾斜面
17 稜線(外周端)
18 第2周方向溝部
18a 第4傾斜面
18b 外周端
18c 第2曲面(第2溝底部)
18d 内周端
18e 第3傾斜面
20 シリンダライナ
22 外周面
22a 一方の軸方向端部
22b 他方の軸方向端部
24 平坦面
25 周方向溝
25a 第1外周端
25b 第2外周端
26 第1周方向溝部
26a 第1傾斜面
26b 内周端
26c 第1曲面(第1溝底部)
26d 内周端
26e 第2傾斜面
27 稜線(外周端)
28 第2周方向溝部
28a 第4傾斜面
28b 外周端
28c 第2曲面(第2溝底部)
28d 内周端
28e 第3傾斜面
30 シリンダブロック本体

Claims (5)

  1. 鋳鉄製の円筒状で外周面に周方向に連続する環状の平坦面が軸方向に間隔を有して複数形成され、かつ隣接する上記平坦面間に周方向に連続する周方向溝が複数形成された、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体で鋳包みするシリンダライナにおいて、
    上記各周方向溝は、
    軸方向断面形状において一方の軸方向端部側の平坦面に連続する外周端縁から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する上記平坦面に対してアンダーカットされた第1傾斜面、該第1傾斜面の内周端から次第に縮径する第1曲面、該第1曲面の内周端から他方の軸方向端部側に移行するに従って拡径して第1傾斜面と対向する第2傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第1周方向溝部と、
    上記第2傾斜面の外周端に連続すると共に他方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する第3傾斜面、該第3傾斜面の内周端から次第に拡径する第2曲面、該第2曲面の外周端から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面と対向すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に外周端縁が連続する上記平坦面に対してアンダーカットされた第4傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部とを有し、上記第1周方向溝部と第2周方向溝部は上記第2傾斜面の外方端を稜線として対象に形成されたことを特徴とする特徴とするシリンダライナ。
  2. 鋳鉄製の円筒状で外周面に周方向に連続する螺旋状の平坦面が軸方向に間隔を有して連続して形成され、かつ該螺旋状の平坦面間に螺旋状で連続する周方向溝が形成された、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体で鋳包みするシリンダライナにおいて、
    上記周方向溝は、
    軸方向断面形状において一方の軸方向端部側の平坦面に連続する外周端縁から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する上記平坦面に対してアンダーカットされた第1傾斜面、該第1傾斜面の内周端から次第に縮径する第1曲面、該第1曲面の内周端から他方の軸方向端部側に移行するに従って拡径して第1傾斜面と対向する第2傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第1周方向溝部と、
    上記第2傾斜面の外周端に連続すると共に他方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する第3傾斜面、該第3傾斜面の内周端から次第に拡径する第2曲面、該第2曲面の外周端から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面と対向すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に外周端縁が連続する上記平坦面に対してアンダーカットされた第4傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部とを有し、上記第1周方向溝部と第2周方向溝部は上記第2傾斜面の外方端を稜線として対象に形成されたことを特徴とする特徴とするシリンダライナ。
  3. 上記請求項1または2に記載のシリンダライナをアルミニウム合金のシリンダブロック本体で鋳包んだことを特徴とするシリンダブロック。
  4. 鋳鉄製の円筒状で外周面に周方向に連続する環状の平坦面が軸方向に間隔を有して複数形成され、かつ隣接する上記平坦面間に周方向に連続する周方向溝が複数形成された、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体で鋳包みするシリンダライナの製造方法において、
    筒状に鋳造されたシリンダライナの素材を中心軸回りに回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当て環状でかつ上記一方の軸方向端部側の平坦面に連続する外周端縁から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する上記平坦面に対してアンダーカットされた第1傾斜面、該第1傾斜面の内周端から次第に縮径する第1曲面、該第1曲面の内周端から他方の軸方向端部側に移行するに従って拡径して第1傾斜面と対向する第2傾斜面が順に連続する断面J字状の第1周方向溝部を軸方向に間隔を有して複数切削加工し、
    該複数の第1周方向溝部が切削加工された素材を中心軸回りに回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当てて上記第2傾斜面の外周端に連続すると共に他方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する第3傾斜面、該第3傾斜面の内周端から次第に拡径する第2曲面、該第2曲面の外周端から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面と対向すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に外周端が連続する上記平坦面に対してアンダーカットされた第4傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部を上記第2傾斜面の外方端を稜線として第1周方向溝部と対象に切削加工して周方向溝を形成することを特徴とするシリンダライナの製造方法。
  5. 鋳鉄製の円筒状で外周面に周方向に連続する螺旋状の平坦面が軸方向に間隔を有して連続して形成され、かつ該螺旋状の平坦面間に螺旋状で連続する周方向溝が形成された、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体で鋳包みするシリンダライナの製造方法において、
    筒状に鋳造されたシリンダライナの素材を中心軸回りに回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当て中心軸線と平行に一方の軸方向端部側から他方の軸方向端部側に移動させて螺旋状でかつ軸方向断面形状が一方の軸方向端部側の平坦面に連続する外周端縁から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する上記平坦面に対してアンダーカットされた第1傾斜面、該第1傾斜面の内周端から次第に縮径する第1曲面、該第1曲面の内周端から他方の軸方向端部側に移行するに従って拡径して第1傾斜面と対向する第2傾斜面が順に連続する断面J字状の第1周方向溝部を切削加工し、
    該螺旋状の第1周方向溝部が切削加工された素材を中心軸回りに上記回転方向と逆回転方向に回転駆動させ、該素材の外周面に加工工具を当て中心軸線と平行に他方の軸方向端部側から一方の軸方向端部側に移動させて螺旋状でかつ軸方向断面形状が上記第2傾斜面の外周端に連続すると共に他方の軸方向端部側に移行するに従って次第に縮径する第3傾斜面、該第3傾斜面の内周端から次第に拡径する第2曲面、該第2曲面の外周端から上記一方の軸方向端部側に移行するに従って次第に拡径して第3傾斜面と対向すると共に隣接する軸方向端部側の平坦面の端縁に外周端が連続する上記平坦面に対してアンダーカットされた第4傾斜面が順に連続する断面J字状に形成された第2周方向溝部を上記第2傾斜面の外方端を稜線として第1周方向溝部と対象に切削加工して螺旋状の周方向溝を形成することを特徴とするシリンダライナの製造方法。
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