JP5105662B2 - ポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

ポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリスチレン系樹脂を必須成分とする熱可塑性樹脂、具体的には、ポリスチレン系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂とポリスチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂との混合物、好ましくはポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合物よりなる熱可塑性樹脂と部分的または完全に架橋された芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体及び/または部分的にあるいは完全に水素添加された芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるゴム状重合体とからなり、耐磨耗性、塗装性、溶剤接着性、印刷性に優れたポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。また、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等のポリスチレン系樹脂との接着性に優れ積層体とすることも可能なポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性エラストマーとしては、ジエン系、水素添加ジエン系、ポリオレフィン系、塩ビ系、ポリウレタン系、ポリアミド系が知られている。これらの中で、塩ビ系は環境に優しくない、ジエン系は耐候性に問題があるあるいは水素添加ジエン系、ポリウレタン系、ポリアミド系は高価である等の問題がある。この為、環境に優しく、比較的耐候性にも優れ、且つ低価格で供給できるオレフィン系熱可塑性エラストマーが主体となりつつある。特に、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)よりなるゴム状重合体とPP(ポリプロピレン)を架橋剤の存在下、押出機等の中で溶融混練させながら架橋する、いわゆる動架橋により製造されたオレフィン系熱可塑性エラストマーが中心となりつつある。軟質塩ビ代替として自動車部品、事務機器、建材等に幅広く採用されつつあり、今後期待される材料である。
【0003】
このオレフィン系熱可塑性エラストマーは、熱可塑性を付与する為に流動性のあるPPよりなるマトリツクス成分とEPDMよりなるゴム状重合体とからなる。この際、オレフィン系熱可塑性エラストマーをゴムライクにする為に、ゴム状重合体は、部分的または完全に架橋させてある。
この様な組成よりなるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ゴム的な性質を持つ。しかしながら、このオレフィン系熱可塑性エラストマーを上記自動車部品、事務機器、建材等の用途に幅広く使用しようとすると大きな問題がある。即ち、軟質塩ビは、傷つき難い、塗装し易い、印刷し易い、溶剤接着し易い等の優れた特徴を持っているが、このオレフィン系熱可塑性エラストマーは、これらの性能を満足しない。この為、利用範囲が限られているのが現状である。その為、傷つき性、塗装性、溶剤接着性、印刷性等に優れ且つ比較的安価な熱可塑性エラストマーの開発が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状に鑑み、傷つき性、即ち耐摩耗性に優れ、更に塗装性、溶剤接着性、印刷性等にも優れた熱可塑性エラストマーを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目的を達成すべく検討を進めた結果、オレフィン系熱可塑性エラストマーにポリスチレン系樹脂を共存させることにより耐摩耗性、塗装性等に優れた熱可塑性エラストマーとすることができること、即ち、ゴム成分を一般にオレフィン系熱可塑性エラストマーに使用されているEPDM等のエチレン・α−オレフィン系共重合体とし、それを部分的または完全に架橋し、且つ流動性を付与するマトリツクス成分をポリスチレン系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂と他樹脂、好ましくはポリオレフイン系樹脂との混合物よりなる熱可塑性樹脂とすることにより耐摩耗性、塗装性等に優れた熱可塑性エラストマーとすることができることを見出した。
【0006】
しかしながら、この熱可塑性エラストマーは、マトリックス成分がポリスチレン系樹脂の場合は、ポリスチレン系樹脂とゴム成分であるエチレン・α−オレフィン系共重合体と、またマトリックスがポリスチレン系樹脂とポリオレフイン系樹脂との混合物よりなる場合は、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂及びゴム成分であるエチレン・α−オレフィン系共重合体とに親和性、即ち相溶性が無い為にゴム成分とマトリックスの界面接着性に欠けるあるいはポリスチレン系樹脂と好ましく用いるポリオレフイン系樹脂とが相剥離する等で強度が低い。
【0007】
その為には、ポリスチレン系樹脂とゴム成分であるエチレン・α−オレフィン系共重合体及びポリオレフィン系樹脂とに親和性を持たせる為に相溶化剤が必要となる。しかしながら、相溶化剤を使用した場合強度は上がるが必ずしも十分とは言えない。更に、この熱可塑性エラストマーをポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等のポリスチレン系樹脂基材と積層し積層体として使用する場合には、リサイクル使用が難しい等の問題点も生ずる。即ち、積層品を粉砕してそれを基材として再利用する場合は、相溶化剤が希釈される為に基材の強度低下が起こる。相溶化剤を添加すれば、強度は保持できるが、リサイクルに手間がかかると同時にコストもかかる等の問題点が生ずる。
【0008】
この様な問題点を解決する為に発明者等は更に鋭意検討を進めた結果、ゴム状重合体をポリスチレン系樹脂と親和性を持つゴム、即ち、ゴム状重合体を芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体及び/または部分的にあるいは完全に水素添加された芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるゴムとすることによりこれらの問題点をも解決できることを見出し本発明を完成するに至った(ここで、及び/またはの意味は、ゴム状重合体は、芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体のみであってもよっても良いし、部分的にあるいは完全に水素添加された芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体のみであっても良いし、また、芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体と部分的にあるいは完全に水素添加された芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体との混合物等であっても良いことを示す)
更にポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂以外の樹脂、例えばポリスチレンと相溶するポリフェニレンエーテル系樹脂を共存させることにより耐熱性等にも優れた熱可塑性エラストマーとすることもできることも見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、基本的には
(A)ポリスチレン系樹脂を必須成分とする熱可塑性樹脂
(B)水素添加前の1,2−ビニル結合量が21〜35%である、水素添加芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなり且つ部分的または完全に架橋されたゴム状重合体よりなるポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
【0010】
本発明は、通常、相溶化剤は必要としないが、例えば、芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体中の芳香族ビニル量が少ない場合は、強度が充分でない場合もある。この場合は、必要に応じて相溶化剤を添加することもある。従って、本発明は、
(A)ポリスチレン系樹脂を必須成分とする熱可塑性樹脂
(B)芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体及び/または水素添加芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなり且つ部分的または完全に架橋されたゴム状重合体及び必要に応じて
(C)相溶化剤
よりなるポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
この組成物において成分量は、(A)成分+(B)成分+(C)成分を100重量部とした時、該組成物中の(B)成分は、40〜90重量部であり且つ(C)成分は、40重量部未満よりなる。
【0011】
以下、本発明に関して詳しく述べる。
まず本発明の各成分について詳細に説明する。
本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物中の(A)成分である熱可塑性樹脂の必須成分であるポリスチレン系樹脂は、基本的には、スチレン単量体の重合体、即ち、ポリスチレン若しくはスチレン単量体と他の単量体との共重合体である。共重合の単量体としては、例えば、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等のスチレン系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸等の有機酸単量体等を挙げることができる。これらの中でも、ポリスチレンは、安価であり最も好ましい。また、スチレン単量体とアクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エステル単量体との共重合体よりなるポリスチレン系樹脂は、これを(A)成分としたポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物より得られる成形品の耐候性に優れ好ましい。
【0012】
なお、使用するポリスチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、0.1〜50g/10分(200℃、5kg荷重下測定)の範囲であることが好ましい。更に、0.5〜 30g/10分の範囲であることがより好ましい。0.1g/10分未満では、得られるポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低い。また、 50g/10分を超えると得られるポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物より成形された成形品の機械的強度が低い。
【0013】
(A)成分である熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂をメイン成分とすることが好ましい。この熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂若しくはポリスチレン系樹脂と他樹脂、好ましくはポリオレフィン系樹脂との混合物よりなる。この際、ポリスチレン系樹脂は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。ポリスチレン系樹脂をメイン成分とする理由は、例えば(A)成分である熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂よりなり且つポリオレフィン系樹脂がメインである場合は、塗装性、溶剤接着性、印刷性に劣り、これらの特性が必要な用途、例えば軟質塩ビ代替用途である玩具用途、防水シート等の建材用途等に使用することが出来ない。しかしながらポリスチレン系樹脂をメイン成分とすることによりこれらの用途にも展開できることによる。
【0014】
本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー中の(A)成分である熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂と他樹脂、好ましくはポリオレフィン系樹脂との混合物よりなるが、この時に好ましく使用するポリオレフィン系樹脂は、大きく分けてポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂あるいはポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の混合物を使用することができる。
【0015】
ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アクリル系ビニルモノマーとエチレンとの共重合体(EEA、EMMA等)あるいは酢酸ビニルモノマーとエチレンとの共重合体(EVA)等を挙げることができる。しかしながら、これらの中でも高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、安価に入手できる為、特に好ましい。これらのポリエチレン系樹脂は、単独で用いても良いし、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0016】
高密度ポリエチレン(HDPE)を使用する場合、その密度は、一般に、0.930〜0.970g/cm2の範囲であり、メルトフローレート(MFR)は、0.05〜100g/10分(190℃、2.16kg荷重下測定)の範囲であることが好ましい。低密度ポリエチレン(LDPE)あるいは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用する場合、その密度は、一般に、0.900〜0.930g/cm2の範囲であり、メルトフローレート(MFR)は、0.05〜100g/10分(190℃、2.16kg荷重下測定)の範囲であることが好ましい。メルトフローレートが100g/10分を越えると、本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物から得られる成形品の機械的強度、耐熱性が不十分であり、また0.05g/10分より小さいと本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を成形する際、流動性が悪く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0017】
ポリプロピレン系樹脂としては、ホモのポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとの共重合樹脂(ブロック、ランダムを含む)等を挙げることができる。ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、0.1〜100g/10分(230℃、2.16kg荷重下測定)の範囲であることが好ましい。メルトフローレートが100g/10分を越えると、本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物より得られる成形品の機械的強度、耐熱性が不十分であり、また0.1g/10分より小さいと本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を成形する際、流動性が悪く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0018】
本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物で(A)成分としてポリスチレン系樹脂と併用する場合のポリオレフィン系樹脂は、上述の如くポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂からなるが、ホモのポリプロピレン系樹脂は耐熱性が高くより好ましい。しかしながら、ホモのポリプロピレンは一般に酸化分解し易く長期使用時分子量低下により機械的強度が低下する傾向にある。
【0019】
一方、ポリエチレン系樹脂は一般に酸化分解せず架橋し機械的強度を維持あるいは向上する傾向がある。この為、ポリプロピレン系樹脂を使用する際、特に、耐久性が要求される用途に使用する場合は、ホモのポリプロピレンとポリエチレン系樹脂と併用するかあるいはプロピレンとエチレン系のランダムあるいはブロックポリマーを使用することが好ましい。何れにしてもポリプロピレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂に比較して耐熱性が高く、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂が最も好ましい。
【0020】
なお、(A)成分である熱可塑性樹脂中のポリスチレン系樹脂の量は、好ましくは40〜100重量%である。更に好ましくは、50〜100重量%である。40重量%未満では、ポリスチレン系樹脂以外の樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合、塗装性、溶剤接着性、印刷性に劣る。ポリスチレン系樹脂以外の樹脂がポリオレフィン系樹脂でない場合は、安価なポリスチレン系樹脂をメイン成分とするメリットが薄れる。
【0021】
次に(B)成分である部分的または完全に架橋されたゴム状重合体について述べる。
ゴム状重合体は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位からなるランダム共重合体よりなる。このランダム共重合体は、共役ジエン成分の二重結合を部分的にあるいは完全に水素添加したものも含む。共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。本発明のゴム状重合体は共役ジエン成分の二重結合を部分的にあるいは完全に水素添加したものも含むが、水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体と水素添加しない芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体を比較すると、水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体の方が耐候性に優れる。本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を耐候性が必要な用途に使用する場合は、水素添加率は、50%以上とすることが好ましい。しかしながら、部分的に水素添加あるいは水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体は、下記に述べる本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマーを製造する一つの方法である動架橋時、架橋し難い等の欠点もある。高い耐候性を必要としない用途に使用する場合は、水素添加率は、50%以下とすることが好ましい。
【0022】
本発明組成物の(B)成分のゴム状重合体である芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体中の芳香族ビニル量は、好ましくは1〜70重量%、より好ましくは5〜60重量%、更により好ましくは10〜50重量%である。1重量%未満の場合は、このゴム状重合体を(B)成分とした本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られる成形品の強度が低い。この理由は、(C)成分である相溶化剤を使用しない場合、ゴム成分とマトリックスであるポリスチレン系樹脂との相溶性が低く、従って、界面強度が低いことによる。相溶化剤を使用しても充分な界面強度を付与することが困難となる。70重量%を超えるとゴム的性質が低下し、エラストマーとしての性能が低い。
【0023】
芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体中の共役ジエンは、1,2結合と1,4結合を有する。分子内に1,2結合と1、4結合を共に持つことによりゴム弾性が高く且つガラス転移温度(Tg)も低下し低温特性も上がる。共役ジエンの1,2結合量、即ち1,2ビニル結合量は、好ましくは5〜95%である。より好ましくは、10〜90%である。1,2ビニル結合量が5%以下の場合及び95%以上の場合は、ゴム弾性及び低温特性も好ましくない。
【0024】
本発明組成物の(B)成分であるゴム状重合体である芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体は、水素添加したものも含め部分的に結晶化したものと結晶成分を有しない非結晶のものとがある。部分的に結晶化した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体は、それを本発明組成物とする際の原材料として使用する際、ペレット状あるいはクラム状とすることが可能となり、取り扱いが容易となると同時にこのゴム状重合体をゴム成分としたポリスチレン系熱可塑性エラストマーより得られる成形品は耐傷つき性、耐油性等に優れる。本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を耐傷つき性、耐油性等が必要とされる用途に使用する場合は、部分的に結晶化した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体を使用することが好ましい。しかしながら、一方では、結晶化することによりゴム弾性が低下し低硬度の熱可塑性エラストマーとし難い等の欠点もある。本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を低硬度の熱可塑性エラストマー用途に使用する場合は、非結晶の芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体を使用することが好ましい。
【0025】
本発明組成物の(B)成分であるゴム状重合体のメルトフローレート(MFR)は、特にゴム状重合体が好ましく使用する水素添加芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体である場合は、そのメルトフローレート(MFR)は、0.01〜20g/10分(190℃、2.16kg荷重下測定)の範囲にあるものが好ましく用いられる。更に好ましくは0.1〜10g/10分である。メルトフローレートが20g/10分を越えると機械的強度が低い熱可塑性エラストマーとなる。また、0.01/10分より小さいと本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマーを製造する際、流動性が悪く、加工性が低下して好ましくない。
【0026】
本発明組成物の(B)成分であるゴム状重合体は、複数の種類のものを混合して用いても良い。例えば、水素添加しない芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体と水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体の組み合わせ、芳香族ビニル含有量または1,2ビニル量の異なる芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは芳香族ビニル含有量または1,2ビニル量の異なる水素添加芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体等がある。この様な場合には、加工性あるいはエラストマー特性等の更なる向上を図ることが可能となる。
【0027】
更に、本発明組成物の(B)成分であるゴム状重合体は、基本的には、上記の芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体及び/または水素添加芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体であるが、性能を落とさない範囲で他のゴム状重合体、例えば芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体、水素添加芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体あるいはエチレン・α−オレフィン系共重合体(EPDM等)等を併用することも可能である。
【0028】
本発明組成物の(B)成分であるゴム状重合体は、部分的または完全に架橋していることが必要である。本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物から得られる成形品は、架橋した場合と架橋していない場合とを比較すると、耐熱性、圧縮永久歪み、反発弾性等が大きく向上しゴム弾性の高いものになる。本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物中の全ゴム状重合体中の架橋しているゴム状重合体(溶媒に溶解しないゴム状重合体)の比率を架橋度で定義すると、架橋度は、30%以上、更に50%以上であることが好ましい。
【0029】
なお、特開平11−293046号公報及び特開平11−293072号公報には、芳香族ビニル−オレフインランダム共重合体をゴム状重合体とし且つ流動成分をスチレン系樹脂と結晶性オレフィン系樹脂あるいはスチレン系樹脂とする動架橋熱可塑性エラストマーが開示されている。本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマーのゴム状重合体は、芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるが、本発明のゴム状重合体を使用した場合と該公報の芳香族ビニル−オレフィンランダム共重合体よりなるゴム状重合体を使用した場合とを比較すると、エラストマーとしての性能、即ちゴム弾性で芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体の方が大きく優れる。この理由は、以下の通りである。
【0030】
即ち、概公報で使用しているスチレン−エチレンランダム共重合体中のスチレン含有量は、ゴムライクにする為に11.5〜37.1モル%(32.6〜68.7重量%)にある。この範囲のスチレン−エチレンランダム共重合体のガラス転移温度(Tg)は、室温付近にあり、低温でのゴム弾性が悪い。一方、本発明組成物の(B)成分であるゴム状重合体は、同じスチレン系の共重合体であるが、共役ジエンを使用している。更にこの共役ジエンは、1,2結合及び1,4結合に任意にコントロールして共重合させることができる。1,2結合と1,4結合の比率でガラス転移温度(Tg)は−50℃以下にすることも可能となり、本発明のゴム状重合体を用いたポリスチレン系熱可塑性エラストマーは低温特性にも優れた熱可塑性エラストマーとすることができる。
【0031】
次に、本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物中の必要に応じて添加する(C)成分である相溶化剤について述べる。
(A)成分であるポリスチレン系樹脂と特に(B)成分のゴム状重合体である芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体中の共役ジエン成分あるいは水素添加共役ジエン成分とを相溶化させる機能を有する相溶化剤あるいは(A)成分がポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合物である場合、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを相溶化させる機能を有する相溶化剤を必要に応じて使用する。
【0032】
(C)成分である相溶化剤としては、分子内にポリスチレン成分とポリオレフィン成分を合わせもつものを挙げることができる。例えば、Aがポリスチレンあるいはポリスチレンとの共重合体、好ましくはポリスチレン、Bがポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを主体としたエチレン・α−オレフィン共重合体、水素化ポリブタジエン、水素化ポリイソプレン等からなるA−B型ブロック共重合体、Aグラフト化B共重合体及びBグラフト化A共重合体等を挙げることができる。更に、B重合体成分にAがランダムに導入された共重合体、具体的には、例えば下記に挙げるエチレン−スチレンランダム重合体の様にポリエチレンからなるB重合体成分にA単量体成分、即ちスチレン単量体がランダムに導入された共重合体等も挙げることができる。ここで、Bは、単一であっても良いし、また、2つ以上の組み合わせであっても良い。
【0033】
これらの具体的な例としては、ポリスチレングラフトポリプロピレン、ポリスチレングラフトポリエチレン、エチレン/スチレンランダム共重合体あるいは本発明組成物の(B)成分でもあるが、組成の異なる芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは水添芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体、更に芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体あるいは水添芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体等も使用することができる。なお、芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは水素添加芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体が相溶化剤としての機能を発現するには、これが架橋していないことが必要である。
本発明のポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物中の(C)成分である相溶化剤を使用する場合は、一種で有っても良いし、また、複数の組み合わせであっても良い。
【0034】
本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、(A)成分であるポリスチレン系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂と他樹脂、好ましくはポリオレフィン系樹脂との混合物、(B)成分である部分的または完全に架橋された芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるゴム状重合体及び必要に応じて(C)成分である相溶化剤よりなり、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計量を100重量部とした時、(B)成分は、40〜90重量部、好ましくは45〜80重量部、更に好ましくは50〜70重量部である。また、(C)成分は、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計量を100重量部とした時、40重量部未満、好ましくは20重量未満、更に好ましくは10重量部未満、特に好ましくはゼロである。(B)成分が40重量部未満の場合は、本発明組成物のゴム弾性に欠け、エラストマーとしての性能が劣る。90重量部を超える場合、結果として(A)成分である流動性を付与する熱可塑性樹脂の量が少なくなり、組成物の流動性に劣り成形加工が困難となる。(C)成分が40重量部を超える場合は、相溶化剤の種類によってはゴム弾性が低下すると同時に相溶化剤は一般に高価であることにより、経済性が悪い。
【0035】
本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマーの(A)成分である熱可塑性樹脂は、基本的には、ポリスチレン系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂と他樹脂、好ましくはポリオレフィン系樹脂との混合物よりなるが、ポリスチレン系樹脂と併用する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂以外に、例えば、ポリフェニレンエーテル系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート系等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。この中でも、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、ポリスチレン系樹脂との相溶性が良く最も好ましい。これ以外の熱可塑性樹脂を併用する場合は、この樹脂とポリスチレン系樹脂及び芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体と相溶する新たな相溶化剤を添加することが好ましい。
【0036】
本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物には、各種の添加剤を添加することができる。この例としては、軟質剤、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル繊維あるいは炭素繊維等の有機あるいは無機繊維、銅あるいは黄銅等の金属繊維、チタン酸カリウム、マグネシウムオキシサルフェート、硼酸アルミニウム等のウイスカー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カーボンブラック、酸化チタン、クレー、マイカ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の粉末状の無機フィラー、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート(DOP)等の可塑剤の他、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等を挙げることができる。これらの中でも軟質剤は、本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマーを成形して得られる成形品の硬度を低下する効果があり、非常に有効な成分となる。この軟質剤としては、パラフィン系、ナフテン系などのプロセスオイルが特に好ましい。これらの軟質剤を添加する場合、その配合量は、本発明組成物100重量部に対して0.5〜200重量部、好ましくは1〜100重量部、更に好ましくは1〜50重量部、特に好ましくは1〜30重量部用いる。0.5重量部未満では軟質剤添加の効果が低い。200重量部を越えると軟質剤のブリードアウトが顕著になり好ましくない。
【0037】
次に本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法について述べる。
本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、この方法に限定される訳ではないが、例えば次の様な方法で製造することができる。
第一の方法は、(A)成分であるポリスチレン系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂とポリスチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂、好ましくはポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合物、(B)成分の原料である芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるゴム状重合体、必要に応じて(C)成分である相溶化剤及びラジカル開始剤、架橋助剤等よりなる架橋剤を二軸押出機、バンバリーミキサー等で熱処理しゴム状重合体を部分的にまたは完全に動架橋する方法である。なお、相溶化剤を使用する場合、この相溶化剤がラジカル開始剤、架橋助剤で架橋する場合は、相溶化剤を添加せずに架橋させ、ゴム状重合体の架橋後相溶化剤を追添あるいは得られた熱可塑性エラストマーと相溶化剤を二軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法等で本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物とする。
【0038】
第二の方法は、(A)成分の熱可塑性樹脂が、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合物である場合、ポリオレフィン系樹脂と(B)成分の原料である芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるゴム状重合体、架橋剤及び架橋助剤を二軸押出機、バンバリーミキサー等で熱処理しゴム状重合体をラジカル開始剤、架橋助剤等よりなる架橋剤共存下部分的にまたは完全に架橋し、得られた動架橋オレフィン熱可塑性エラストマー(以下ポリオレフィン系樹脂と芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるゴム状重合体とを架橋剤共存下部分的まは完全に架橋したエラストマーをオレフィンマトリックス熱可塑性エラストマーと称する)とポリスチレン系樹脂とを二軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法である。
【0039】
相溶化剤を添加する場合、この相溶化剤は、その相溶化剤がラジカル開始剤、架橋助剤により架橋反応を起こさないものであれば、このオレフィンマトリックス熱可塑性エラストマー製造時にポリオレフィン系樹脂とゴム状重合体に共存させても良いが、一般には、架橋反応を起こさないもの及び架橋反応を起こすものも含めて、オレフィンマトリックス熱可塑性エラストマーとポリスチレン系樹脂とを溶融混練する際に添加することが好ましい。
【0040】
なお、オレフィンマトリックス熱可塑性エラストマー製造時に使用するポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂単独を用いた場合は、マトリックスも架橋し得られたオレフインマトリックス熱可塑性エラストマーが熱可塑性を示さない場合もある。その為、ポリオレフィン系樹脂は、架橋しないポリプロピレン系樹脂を主体とするあるいはポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合物とすることが好ましい。
【0041】
第三の方法は、第二の方法で得られたオレフィンマトリックス熱可塑性エラストマーにスチレンモノマーを含浸させ、ラジカル開始剤存在下スチレンを重合する方法等が挙げられる。第三の方法で相溶化剤は、ラジカル開始剤、架橋助剤により架橋しない相溶化剤を使用する場合は、オレフィンマトリックス熱可塑性エラストマー製造時に添加しても良いし、又、スチレンを重合した後、相溶化剤を添加し、溶融混練して本発明の組成物としても良い。
これらの方法の中でも第一の方法は、一段で本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を製造でき最も好ましい。
【0042】
上記製造方法で製造する場合、使用する架橋剤であるラジカル開始剤若しくは重合開始剤としては、有機過酸化物、有機アゾ化合物等のラジカル開始剤が挙げられる。具体的な例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類;ならびに、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0043】
これらの化合物の中では、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
前記第一あるいは第二の方法でゴム状重合体を架橋させる場合、これらのラジカル開始剤は、ゴム状重合体100重量部に対し0.02〜3重量部、好ましくは0.05〜1重量部の量で用いられる。架橋のレベルは、主としてこの量で決まる。0.02重量部未満では架橋が不十分であり、3重量部を越えても大きく架橋率が向上することは無い為、好ましい方向ではない。
【0044】
架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のものを併用して用いてもよい。
【0045】
架橋助剤は、ゴム状重合体100重量部に対し0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の量で用いられる。0.1重量部未満では架橋率が低く好ましくない。5重量部を越えても架橋率が大きく向上することはなく、また、過剰の架橋助剤が残存し、好ましい方向ではない。
架橋の方法として上記の様にラジカル開始剤と架橋助剤を使用することが好ましいが、これ以外にフェノール樹脂あるいはビスマレイミド等を架橋剤として使用することもできる。
【0046】
本発明組成物の(B)成分である芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるゴム状重合体を部分的または完全に架橋する為の設備としては、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、二軸押出機等が使用できる。とりわけ効率的に架橋を達成する為には、二軸押出機が好ましく用いられる。二軸押出機は、ゴム状重合体と熱可塑性樹脂とを均一且つ微細に分散させ、更に架橋剤による架橋反応も好ましく実施でき、架橋体を連続的に製造するのに適している。
【0047】
最も好ましい製造方法を具体的に述べると次の様な加工工程を経由して製造することができる。即ち、芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるゴム状重合体とポリスチレン系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂とポリスチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂、好ましくはポリオレフィン系樹脂との混合物を押出機のホッパーに投入する。
【0048】
ラジカル開始剤、架橋助剤等の架橋剤は、ゴム状重合体と上記熱可塑性樹脂と共に当初から添加しても良いしあるいは押出機の途中から添加しても良い。軟質剤としてオイルを添加する場合は、押出機の途中から添加しても良いし、当初と途中とに分けて添加しても良い。ゴム状重合体と熱可塑性樹脂はその一部を押出機の途中から添加しても良い。押出機内で加熱溶融し混練される際に、ゴム状重合体とラジカル開始剤及び架橋助剤とが反応し、更に必要に応じてオイル等を添加して溶融混練することにより架橋反応と混練分散とを充分させた後、押出機から取り出す。ペレタイズして本発明ポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得ることができる。
【0049】
この様にして得られた本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、任意の成形方法で各種の成形品の製造が可能である。成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡成形等が好ましく用いられる。
本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、耐摩耗性に優れる。更に塗装性、溶剤接着性、印刷性等にも優れた熱可塑性エラストマーとなり各種の自動車部品、事務機器、建材、玩具等に広く使用することが可能となる。
【0050】
更にこの本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、一般に、芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体あるいは部分的若しくは完全に水素添加した芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなる0.2〜2μmの架橋ゴム状重合体粒子とポリスチレン系樹脂を主体としたマトリックスよりなる。従って、ポリスチレン(PS)あるいは耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等のスチレン系樹脂と溶融接着することが可能となり、基材をポリスチレン(PS)あるいは耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)とし表皮材を本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物とした積層品、即ち、表面軟質化された高強度材料とすることも可能となる。この積層品は、建材用途、例えば階段の手すり、風呂場の滑り留めマット、デッキボード等に利用することも可能となる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これら実施例および比較例において、各種物性の評価に用いた試験法、原材料及び配合に使用した熱可塑性エラストマーの製造方法は以下の通りである。
【0052】
1.試験法
(1)硬度
2mm厚シートを4枚重ねて、ASTM D2240に準じ、Aタイプにて
23℃雰囲気下にて評価した。
【0053】
(2)引張破断強度[MPa]
JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。
(3)引張破断伸度[%]
JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。
(4)圧縮永久歪み(C−セット)[%]
JIS K6301に準じ、70℃×22時間にて評価した。
【0054】
(5)耐摩耗性
評価は、学振型摩耗試験機を用いて行った。評価条件は以下の通りである。
温度条件:23℃雰囲気下
ストローク:120mm
周波数:1往復/2秒
荷重:500g
摩耗物:綿布100% かなきん3号(JIS L 0803準拠)
三つ折りにして装着
接触面積:1cm2
評価結果は、2000回の往復時の摩耗量(g)で表す。
【0055】
(6)接着性
本発明のポリスチレン系熱可塑性エラストマーをプレス成形により
0.2mm厚のシートを得た。このシートを射出成形機(東芝IS45PN
V)の金型に貼り付け、市販の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を2mm
厚に射出成形した。得られた積層品のポリスチレン系熱可塑性エラストマー
とHIPSとの接着性を評価した。判断基準は以下の通り。
◎ 全く剥がれない(基材が破壊する)
○ 強い力で剥がすと剥がれる
△ 接着はしいてるが比較的容易に剥がすことができる
× 全く接着せず
【0056】
(7)塗装性
市販のウレタン塗料(溶剤型)を本発明のポリスチレン系熱可塑性エラスト
マーシートの上にハケ塗りし、乾燥した。エラストマーを屈曲させた時に、
基材から剥離するかどうかで評価した。判断基準は以下の通り。
○ 剥離せず
△ 剥離せず。しかし何度も屈曲すると一部剥離
× 剥離する
【0057】
(8)架橋度
架橋熱可塑性エラストマー0.5gを、キシレン200ml中で4時間リフ
ラックスさせる。溶液を定量用濾紙で濾過し、濾紙上の残さを真空乾燥後定
量し、架橋熱可塑性エラストマー中のゴム状重合体の重量に対する残さの重
量の比率(%)として算出した。
【0058】
(9)水素添加率
水素添加前の芳香族ビニル/共役ジエン共重合体を重クロロホルムに溶解し
、FT−NMR(270メガ、日本電子製)にて化学シフト4.7〜5.2
ppm(シグナルC0とする)の1,2−ビニルによるプロトン(=CH−)
と、化学シフト5.2〜5.8ppm(シグナルD0とする)のビニルプロト
ン(=CH2−)の積分強度より(V)を次式により計算した。
(V)=[0.5C0/〔0.5C0+0.5(D0−0.5C0)〕]×100
次に、水素添加芳香族ビニル/共役ジエン共重合体を重クロロホルムに溶解
し、同様にFT−NMRにて化学シフト0.6〜1.0ppm(シグナルA1
とする)の水素添加された1,2結合によるメチル基プロトン(−CH3) 化
学シフト4.7〜5.2ppm(シグナルC1とする)の水素添加されていな
い1,2−ビニルによるプロトン(=CH−)、化学シフト5.2〜5.8
ppm(シグナルD01とする)の水素添加されていないビニルプロトン(=
CH2−)の積分強度より1,2−ビニル結合部分の水素添加率(B)、1,
4−ビニルの水素添加率(C)を算出し全体の水添率(A)を計算した。
(B)=[(A11/3)/〔(A11/3)+(C11/2)〕]×100
(C)=[〔0.5(D0−0.5C0)−0.5(D11−0.5C11)〕/0.5(D0−0.5C0)]×100
ここでA11=pA1、C11=pC1、D11=pD1、p=0.5C0/(0.5C1+A1/3)とする。
【0059】
(10) 1,2−ビニル結合量
(V)×(B)/100により計算した。
【0060】
2.原材料
(1)ゴム状重合体
(a)スチレン−ブタジエンランダム共重合体
表1のスチレン−ブタジエンランダム共重合体及び水素添加スチレン
−ブタジエンランダム共重合体を製造した。重合方法は公知の方法で
実施した。(SBRと称する)
製造したSBR1〜6の組成及び水素添加率を表1に示す。
なお、示差走査熱量測定法(DSC法)測定した結果、SBR2〜4
は融点ピークを持たず非結晶ゴムであった。一方SBR1及び5、6
は融点ピークを持ち部分的結晶化ゴムであった。
(b)スチレン−イソプレンランダム共重合体
表1の水素添加スチレン−イソプレンランダム共重合体を製造した。
重合方法は公知の方法で実施した。(SIRと称する)
(c)エチレン−スチレンランダム共重合体
特開平7−70223号公報に記載の方法により製造した。共重合体
のエチレン/スチレンの組成比は、30/70(重量比)であった(
ESPと称する)
【0061】
(2)ポリスチレン系樹脂
(a)旭化成工業(株)製 ポリスチレン(商品名:GP685)
(PSと称する)
(b)旭化成工業(株)試作品 スチレン/メチルメタクリレート共重合体
(メチルメタクリレート20重量%)
(MSと称する)
(c)旭化成工業(株)試作品 スチレン/n−ブチルアクリレート共重合
体(n−ブチルアクリレート5重量%)
(BSと称する)
【0062】
(3)オレフィン系樹脂
ポリプロピレン
日本ポリオレフィン(株)製、アイソタクチックホモポリプロピレン
(商品名:PM900A)(PPと称する)
(4)ポリフェニレンエーテル系樹脂
旭化成工業(株)製、ポリフェニレンエーテルパウダー
ηsp/C=0.5(クロロホルム)(PPEと称する)
(5)ラジカル開始剤
日本油脂社(株)製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン( 商品名:パーヘキサ25B)(POXと称する)
【0063】
(6)架橋助剤
日本化成(株)社製、トリアリルイソシアヌレート(TAICと称する)
(7)軟化剤(パラフィンオイル)
出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル(商品名:PW−380)
(8)相溶化剤
水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体
旭化成工業(株)製、タフテック(スチレン含有量60%)(HTRと
称する)
【0064】
3.オレフィンマトリックス熱可塑性エラストマーの製造
押出機として、バレル中央部に注入口を有した2軸押出機(40mmφ
、L/D=47)を用いた。スクリューとしては注入口の前後に混練部を
有した2条スクリューを用いた。SBR(表1のSBR−3)/PP/PO
X/TAIC=70.0/30.0/0.5/1.0(重量比)を混合し
シリンダー温度220℃とし溶融押出を行った。この溶融押出する際、中央
部にある注入口よりSBRとPPの合計量100重量部に対して軟化剤(P
W−380)を42重量部注入した。得られた熱可塑性エラストマーの架橋
度は、80%であった。このオレフィンマトリックス熱可塑性エラストマー
をTPOと称する。なお、このTPOの組成は、SBR/PP/軟質剤=4
9.3/21.1/29.6(重量比)であった。
【0065】
【実施例1、3〜12、参考例1、比較例1】
バンバリーミキサーを使用し、220〜240℃の温度で表2の仕込み組成で動架橋をした。この際、架橋剤は、POXとTAICを使用し、その添加量は、ゴム状重合体100重量部に対して参考例1は、POXを0.2重量部、TAICを0.4重量部、実施例3及び実施例5は、 POXを0.33重量部、TAICを0.66重量部、それ以外は、 POXを0.50重量部、TAICを1.00重量部とした。得られた熱可塑性エラストマーをカットした。このカット品を射出成形機(東芝IS45PNV)により230℃で成形し成形品を得た。成形品の各成分の比率及び特性を表2に示す。表中、( )内は、本発明組成物の組成である。
【0066】
【比較例2】
実施例1の仕込み組成をESP/PS/POX/TAICとしたこと以外実施例1と同様にしてゴム状重合体をESPとした熱可塑性エラストマーを得た。これを成形した成形品のA硬度は88であった。この成形品は、室温では柔らかくエラストマーチックであるが、これを−10℃に冷却した所、硬くなりエラストマーとしての性能が低下した。実施例1で得られた成形品は、−10℃に冷却しても室温と変化せずエラストマーとして優れた性能を示した。なお、ここで得られた熱可塑性エラストマーの組成は、PS/ESP/軟化剤=27.8/55.6/16.7(重量比)であった。
【0067】
【実施例14〜17】
2軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いて表の仕込み組成で各種のポリスチレン系樹脂とTPOとを溶融混練押出ペレタイズした。シリンダー温度は220℃で行った。得られたペレットを射出成形機(東芝IS45PNV)により成形し成形品を得た。成形品の各成分の比率及び特性を表に示す。表中、( )内は、本発明組成物の組成である。
【0068】
【実施例18】
ゴム状重合体をSIR(イソプレン/スチレン比は80/20、水添率は、98%)を変えること以外実施例4と同様にして熱可塑性エラストマーを得、同様に成形して成形品を得た。得られた熱可塑性エラストマーの組成は、PS/SIR/軟化剤=27.8/55.6/16.7であった。本発明組成物の組成は、(A)成分が33.3重量部、(B)成分が66.7重量部である。ここで得られた熱可塑性エラストマーの物性は以下の通りであった。
A硬度:85、引張強度:8.5MPa、伸び:250%、圧縮永久歪み:76、耐磨耗性:0.022gであった。HIPSとの接着性、塗装性は各々◎、○。
【0069】
【表1】
Figure 0005105662
【0070】
【表2】
Figure 0005105662
【0071】
【表3】
Figure 0005105662
【0072】
【発明の効果】
本発明の流動成分であるマトリックスが、ポリスチレン系樹脂を必須成分とする熱可塑性樹脂、具体的にはポリスチレン系樹脂あるいはポリスチレン系樹脂とポリスチレン系樹脂以外の樹脂との混合物、好ましくはポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合物よりなり、且つゴム成分が、部分的または完全に架橋された芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体及び/または部分的または完全に水素添加された芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなるゴム状重合体からなるポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、耐摩耗性、塗装性、溶剤接着性、印刷性等に優れた材料となる。この材料は、包装材料、住宅・建材関連材料、自動車用材料、OA機器用材料、工具、玩具、日用品等を始めとする用途に広く利用することができ、産業界に果たす役割は大きい。

Claims (8)

  1. (A)ポリスチレン系樹脂を必須成分とする熱可塑性樹脂
    (B)水素添加前の1,2−ビニル結合量が21〜35%である、水素添加芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体よりなり且つ部分的または完全に架橋されたゴム状重合体
    よりなる組成物であって、(A)成分+(B)成分を100重量部とした時、該組成物中の(B)成分は、40〜90重量部よりなるポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 更に、(C)相溶化剤を含有するポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物であって、(A)成分+(B)成分+(C)成分を100重量部とした時、該組成物中の(C)成分は、40重量部未満よりなる請求項1に記載のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. (A)成分である熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂よりなる請求項1又は2に記載のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. (A)成分である熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂よりなる請求項1又は2に記載のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 該ポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、(A)成分であるポリスチレン系樹脂よりなる熱可塑性樹脂あるいはポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂よりなる熱可塑性樹脂と(B)成分であるゴム状重合体とを架橋剤共存下動架橋したものである請求項1〜4のいずれかに記載のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 該ポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、(A)成分である熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂よりなる場合、(A)成分であるポリオレフィン系樹脂よりなる熱可塑性樹脂と(B)成分であるゴム状重合体とを架橋剤共存下動架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマーとポリスチレン系樹脂とを溶融混合したものである請求項1〜4のいずれかに記載のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  7. ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂を主体とするものである請求項6のいずれかに記載のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
  8. (B)成分であるゴム状重合体は、1〜70重量%の芳香族ビニル単量体と99〜30重量%の共役ジエン単量体よりなる水素添加前の1,2−ビニル結合量が21〜35%である、水素添加芳香族ビニル/共役ジエンランダム共重合体である請求項1〜7のいずれかに記載のポリスチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
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