JP5103703B2 - ボールペン用油性インキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記部材として超硬などの金属やセラミックス製のボールをステンレス製などのボールホルダーにて回転自在に抱持し、ボールホルダー内を通過してくるインキをボールとボールホルダーの隙間より主に前記ボールの回転によって吐出させる金属製のボールペンチップを使用したボールペンに使用され、少なくとも顔料、グリコールエーテル系溶剤、顔料分散用樹脂、ヒドロキシプロピルセルロースよりなるボールペン用油性インキ組成物に関するものである。更に詳しく言えば高濃度の顔料を分散したインキ組成物としても流動性が良く書き味が軽くかつペン先からのインキ洩れがなく、顔料の色沈みのない鮮明で耐候性に優れた筆跡の得られるボールペン用油性インキ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ボールペン用の油性インキ組成物としては、油溶性染料と油溶性樹脂及び有機溶剤等を含有してなるものが広く実用に供されている。この従来のインキ組成物は、粘度が高いため、中綿などのインキ吸蔵体が必要なく、透明な中空パイプを用いた構造を使用することでインキ残量の確認が容易であり、また、沸点の高い溶剤を使用することによりペン先耐乾燥性が良く、キャップをせずに長期間放置していてもカスレなく書き出せる等の特徴を持っている。
【0003】
このようなインキは通常にじみ、ボテ防止、ペン先からの洩れ防止などの諸性能をバランスよく保つためポリビニルピロリドンなどの増粘樹脂で粘度を10000〜30000mPa・s程度に調整している。しかし、着色剤が染料であることにより、必然的に筆跡の耐候性、特に耐光性や耐薬品性、特に耐アルコール性が劣り長期保存を前提とする書類等の筆記には筆跡の色のニジミや消失等の問題を起こしやすく、また染料を20〜40重量%配合し十分な筆跡濃度を持たせ、更にポリビニルピロリドン等で増粘しているため流動性が悪く、特に書き出しの書き味が重いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
筆跡の耐候性や耐薬品性を改良するために着色剤を顔料にして、更に書き味を改良するためにインキの粘度を下げるとペン先下向き放置時にインキがペン先から洩れてしまう。特にペン先が乾燥しにくい高温多湿期には洩れやすい。また、筆記時に溶剤が紙へ浸透するにつれ顔料も紙面中に入り込み、筆記初期は濃色で鮮明であった筆跡が乾燥すると濃度や鮮明性が損なわれる色沈みが起こりやすくなる。
【0005】
油性ボールペンインキの洩れ、ボテ防止剤として汎用されているポリビニルピロリドンは着色剤が染料である溶解系で粘度を10000mPa・s以上に保つことにより性能が発揮できるものであり、着色剤を顔料としたものにそのまま適用すると粘度が高すぎインキの流動性が失われ書き味が悪くなったり、筆記不能になると共に筆記できてもインキの濡れ広がり性が下がり線割れやカスレを起こしたりする。また、添加量を減らし、インキ粘度を下げるとインキ洩れが防止できないというように顔料の分散系を壊さずにインキの流動性改良による書き味の良さとインキ洩れ、顔料インキ特有の現象である色沈み問題を同時に解決できるインキ組成物は知られていない。
【0006】
本発明の目的は、ボールペン用の油性インキ組成物の、筆跡堅牢性の高い顔料を良好に分散しインキ流動性を保ちながらペン先からのインキ洩れという問題点を解決することであり、かつ顔料の色沈みによる筆跡濃度の低下のない高い筆跡濃度と筆跡の色の鮮明性を併せ持ったボールペン用油性インキ組成物を提供することである。
【0007】
即ち、本発明は、少なくとも少なくとも顔料と、顔料分散用樹脂と、ヒドロキシプロピルセルロースと、ヒドロキシプロピルセルロースが不溶のグリコールエーテル系溶剤と、ヒドロキシプロピルセルロースが1重量%以上溶解する有機溶剤としてエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコールから選ばれる1種もしくは2種以上の混合物とを含有し、前記ヒドロキシプロピルセルロースが1重量%以上溶解する有機溶剤と前記ヒドロキシプロピルセルロースが不溶のグリコールエーテル系溶剤との重量比が1:1〜1:3.5の範囲であるボールペン用油性インキ組成物を要旨とする。
【0008】
以下、更に詳述する。本発明において、インキの溶剤としてグリコールエーテル系溶剤を使用できる。グリコールエーテル系溶剤は、他のアルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エステル系溶剤に比べ紙への浸透が良く平滑紙やコート紙など一般紙に比べてインキの乾燥性が悪い表面を持つ紙に筆記しても筆跡の乾燥性が良く手や衣服を汚さない、また顔料への濡れが良く顔料の分散安定性に優れている等の特徴がある。使用できるグリコールエーテルとしては例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテルなどが挙げられる。
【0009】
また、これらの溶剤は単独あるいは混合して使用することができる。その使用量はボールペン用油性インキ組成物全量に対して35〜90重量%が好ましい。また、使用する溶剤はペン先乾燥性の点から沸点(760mmHg)が150℃以上、蒸気圧(20℃)が0.3mmHg以下であり、インキの吸湿性を押さえるために水に対する溶解度が水100gに対し10g以下のものがより好ましい。特に、ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル及びトリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテルは、顔料を高濃度に配合しても流動性の良いインキとなり長期にわたって顔料を安定に分散させ流動性を保持することができるという特徴を持っているため最も好ましい。
【0010】
顔料は公知の各種顔料が使用可能であり、具体例としてはアゾ系顔料、縮合ポリアゾ顔料、フタロシアン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、ペリノン、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール顔料等の有機顔料や、酸化鉄、カーボンブラツク、酸化チタン、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、群青、紺青等の無機顔料及び蛍光顔料、樹脂粒子を染料で着色した顔料で使用樹脂粒子がインキ溶剤に溶解しないものが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組合せ調色して用いてもよい。これらの着色剤の使用量は全インキ組成物に対し0.1〜50重量%が使用でき、好ましくは5〜30重量%使用できる。使用量が少ないと筆跡が薄くなり、多くなるとインキ組成物の粘度が高くなり筆跡ムラが出ることがある。
【0011】
顔料分散用樹脂は従来公知の各種分散樹脂が使用可能であり例えばポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル酸共重合体等の樹脂を一種又は二種以上混合して用いることができ、その使用量は顔料に対して10〜200重量%、好ましくは20〜100重量%である。使用量が少ないと顔料が微分散できず粗大粒子が多く残ったり分散が経時的に不安定になったりする、多くなるとインキ粘度が高くなりすぎインキの流動性が失われることがある。
【0012】
溶剤系での顔料の樹脂分散は顔料表面に樹脂分子を吸着させ顔料微細分散化と分散安定化を行うが、一般的に顔料と樹脂の親和性が強すぎると顔料の溶剤への濡れが困難になり系全体の流動性や分散度が悪くなる、しかし顔料と樹脂の親和性が小さければ顔料は分散されない。グリコールエーテル系溶剤を用いた顔料分散において、分散樹脂にポリビニルブチラールを使用すると、顔料−樹脂間の親和性と顔料−溶剤間の親和性のバランスが良く顔料を溶剤中に速やかに微細に分散でき、また顔料に吸着された樹脂は経時的な顔料の沈降を防止するとともに滑らかな筆記感を与えることができるため好ましい。またポリビニルブチラール樹脂は重合度の低いタイプのものが好ましくエタノール:トルエン=1:1の混合溶剤の10重量%溶液粘度が120mPa・s(20℃)以下程度のものとグリコールエーテル系溶剤としてジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル及び/又はトリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテルと組み合わせて使用することにより特に顔料の微分散性とインキ流動性が良好なインキ組成物を得られる。
【0013】
また、経時的な溶剤蒸発やペン先乾燥のコントロールの為に従来公知のボールペン用有機溶剤を併用することもできる。例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等のグリコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロプル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−アミル、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸−n−ブチル等のエステル系溶剤、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール系溶剤等が使用可能である。
【0014】
また、インキ中でヒドロキシプロピルセルロースを溶解しないグリコールエーテル系溶剤を使用する場合、ヒドロキシプロピルセルロースを1重量%以上溶解する有機溶剤を溶解安定化用溶剤として使用する。この溶解安定化用溶剤はヒドロキシプロピルセルロースを1重量%以上溶解でき、グリコールエーテル系溶剤と相溶性があればよく、特にエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等の芳香族グリコールエーテルやベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール等の芳香族アルコールが少量でもヒドロキシプロピルセルロースを低濃度から高濃度まで安定に溶解させることができ、またボールペンインキ組成物に慣用される他の樹脂や界面活性剤、ボール沈み防止剤などの成分の溶解性も良く好ましい。その使用量は溶解安定化用溶剤とグリコールエーテル系溶剤の重量比が1:1.3〜1:3.5の範囲であることが好ましい。グリコールエーテル系溶剤の溶剤比が1.2より小さいとポリビニルブチラールとグリコールエーテル系溶剤の組み合わせによる流動性改良の効果が経時的に失われ凝集によりインキの流動性が低下することがあり、3.5より大きいとヒドロキシプロピルセルロースが不溶化し析出・凝集を起こすことがある。
【0015】
ヒドロキシプロピルセルロースは少量添加でインキ粘度をそれほど上げなくともインキの先端洩れと筆跡の色沈みの防止剤として使用できるためインキ流動性が良く軽い書き味を保てる。例えばHPC−SSL、HPC−SL、HPC−L、HPC−M、HPC−H(日本曹達株式会社製)やクルーセルH、HX、M、G、J、E、EX(ハーキュレス社(米)社製)の工業用・薬品用グレードなどが使用できその使用量はインキ全量に対し0.01〜20重量%程度が好ましい。特にエタノール2重量%溶液にしたとき粘度が1000mPa・s以上のものが好ましくこの場合使用量は0.01〜5重量%が好ましい。エタノール2重量%溶液にしたとき粘度が1000mPa・s未満だと色沈み防止効果は十分だが先端洩れを防止するために添加量が多くなり特に15重量%以上の高濃度の顔料を配合した濃色インキの場合顔料が凝集しやすくなる可能性がある。
【0016】
顔料分散用樹脂やヒドロキシプロピルセルロースの他に粘度調節や定着性向上、曳糸性付与のために各種の樹脂や無機系の増粘剤、レベリング性付与剤を併用することもできる。
【0017】
その他必要に応じて、防錆剤、消泡剤、潤滑剤、カスレ防止剤、界面活性剤などの油性インキ組成物に慣用されている助剤を含有させてもよい。特に、受座の摩耗防止の為の潤滑剤は添加することが好ましい。
【0018】
溶剤量や、顔料濃度によってロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー等の分散混合機を適宜選択する。インキ作成は顔料を他の成分と共に分散させる、顔料を溶剤と分散樹脂と共に分散させ、粘度調節用樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、併用溶剤は分散後撹拌混合を行うなど各種の方法によってボールペン用油性インキ組成物を得ることができる。特に顔料の分散混合機としては、樹脂と顔料の分散時に温度コントロールのできるロールミル、ビーズミルが好ましい。
【0019】
インキ中の樹脂や添加剤の不溶解分等を除去するために分散したインキベースやインキを遠心機や濾過機で処理することもできる。
【0020】
【作用】
本発明のボールペン用油性インキ組成物は、顔料、グリコールエーテル系溶剤、分散樹脂を使用しインキ流動性を良くし、書き味を向上させたために発生する先端洩れ、色沈み、ニジミに対して、更にヒドロキシプロピルセルロースを添加することによりインキの流動性を保持したまま、これらを防止できる。なぜこのような性能を発揮できるかは定かではないが、ヒドロキシプロピルセルロースは他の増粘樹脂と比べ溶剤離れが良く、ペン先部の溶剤が少量蒸発した段階で表面に柔らかい被膜を形成し、それ以上溶剤が蒸発したり、インキが自重で垂れ下がるのを防ぐことができる。また筆記時には紙上で素早く被膜を形成し溶剤はそのまま紙中に浸透させ、顔料は紙上に残し紙中へ入り込むことを防ぐことができるのではないかと考えられる
【0021】
【実施例】
以下、実施例、比較例の配合及び評価した結果を表1に示す。なお、表内の配合数値は重量%を示す。
【0022】
【表1】
Figure 0005103703
【0023】
表中の原料の内容を注番号に従って説明する
注1 C.I.Pigment Blue15:6
注2 カーボンブラック#1000 (三菱化学(株)製)
注3 C.I.Pigment Red254
注4 トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル
注5 ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル
注6 トリプロピレングリコールメチルエーテル
注7 エスレックBL−10 (積水化学(株)製ポリビニルブチラール)
注8 エスレックBL−1 (積水化学(株)製ポリビニルブチラール)
注9 クルーセルH (ハーキュレス社(米)製ヒドロキシプロピルセルロース)
注10 HPC−L (日本曹達(株)製ヒドロキシプロピルセルロース)
注11 HPC−H (日本曹達(株)製ヒドロキシプロピルセルロース)
注12 ポリビニルピロリドン K−90(BASF社(独国)製)
注13 PPH トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル
注14 レオドールSP−O30 (花王(株)製ソルビタントリオレエート 受座摩耗防止剤)
【0024】
インキ組成物の作成
表中の顔料、グリコールエーテル系溶剤、分散樹脂をビーズミルで90分間分散し分散ベースを作成する。この分散ベースと残りの成分を混合撹拌機にて温度を50℃に保ちながら4時間攪拌し、インキ組成物を得た。
【0025】
【発明の効果】
試験サンプルの作成:上記実施例1〜3及び比較例1〜3で得た各ボールペン用油性インキ組成物を市販の油性ボールペン(BK100、ぺんてる(株)製、ペン先は筆記部材としての超硬製ボールをステンレス製のボールホルダーで抱持したボールペンチップである)と同構造の筆記具に0.3g充填し、試験サンプルとした。
【0026】
常温洩れ:ボールペンサンプル10本をペン先を下にして温度20℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1週間放置した後、洩れの程度を調べた。評価基準は次の高湿洩れと同様である。
【0027】
高湿洩れ:ボールペンサンプル10本をペン先を下にして温度60℃、湿度80%の恒温恒湿槽に1週間放置した後、洩れの程度を調べた。
◎:洩れなし
○:ボール表面のインキがやや膨らんでいたりチップ小口などにインキが少量付着している
△:洩れたインキが大きな液滴状に成長しているが下に落ちてはいない
×:洩れたインキが下に液滴となって落下
【0028】
書き味:モニター5人で官能評価を行い書き味の軽さを、1点:重い、2点:普通、3点:軽い、で評価し5人の点数の平均値を算出した
○:平均値2.5以上
△:平均値1.6〜2.4
×:平均値1.5以下
【0029】
早書き:高湿洩れ試験後のサンプル10本を使用し15cm/sの速度で15cmの直線を手書きで連続30本筆記し、インキの流動性の結果として筆跡のカスレの有無を観察した。
○:線割れ、カスレがなく筆記できる
△:筆記線30本中10本以上に線割れやカスレが発生する
×:筆記線30本全てに線割れやカスレが発生したり筆記不能である
【0030】
色沈み:JIS P3201筆記用紙Aにシリコンゴムヘラでインキをヘラ引きし、ヘラ引きサンプルを2分して1片を温度50℃湿度30%恒温恒湿槽で4時間乾燥し残りのサンプル片との色変化を目視で評価した。
○:目視変化なし
△:ややくすんだ色になっている
×:色のくすみや濃度に差があるとはっきり判別できる
【0031】
以上、詳細に説明したように、本発明のボールペン用インキ組成物は、軽い書き味で筆記でき、ペン先下向きでのインキ洩れ、筆跡色の鮮明さや濃度の低下、筆跡のカスレが極力抑制されるものである。

Claims (2)

  1. 少なくとも顔料と、顔料分散用樹脂と、ヒドロキシプロピルセルロースと、ヒドロキシプロピルセルロースが不溶のグリコールエーテル系溶剤と、ヒドロキシプロピルセルロースが1重量%以上溶解する有機溶剤としてエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコールから選ばれる1種もしくは2種以上の混合物とを含有し、前記ヒドロキシプロピルセルロースが1重量%以上溶解する有機溶剤と前記ヒドロキシプロピルセルロースが不溶のグリコールエーテル系溶剤との重量比が1:1〜1:3.5の範囲であるボールペン用油性インキ組成物。
  2. 前記顔料分散用樹脂がポリビニルブチラールであると共に、前記ヒドロキシプロピルセルロースが不溶のグリコールエーテル溶剤がジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル及び/又はトリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテルである請求項1に記載のボールペン用油性インキ組成物。
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