JP5103273B2 - 美白用配合剤 - Google Patents

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本発明は、微細藻類としてのデュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を含有し、例えば皮膚に塗布したり、飲用したりすることにより、肌の美白効果を発現することができる美用配合剤に関するものである。
皮膚の老化を抑制するために種々の化粧品や飲食品が求められており、そのために外的要因と内的要因とを考慮した商品開発が進められている。外的要因の主なものは紫外線である。この紫外線は、皮膚組織中のメラノサイトを刺激してメラニン生成を活性化したり、紫外線によって発生するラジカルがコラーゲンなどの蛋白質を変性させたりする。一方、内的要因の多くは加齢によるもので、細胞の代謝活性の低下によってコラーゲンの減少や抗酸化機能の低下などが生じる。こうした外的要因と内的要因により、色素沈着、しみ、肌水分量の低下又は肌の弾力性の低下に起因するしわやたるみが生ずる。
一方、近年の美白ブームに伴って紫外線に対する意識は強く、皮膚外用剤として紫外線吸収剤、紫外線反射剤等を塗布する方法が実施されている。しかし、これらの紫外線吸収剤や紫外線反射剤は皮膚への刺激が強いことや、色浮きが目立つなどの問題があり、敬遠されることが多い。そこで、メラニンの生成を抑制することを目的として天然物由来の商品が求められ、具体的には藻類を用いる化粧品や食品が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。特許文献1には、ドナリエラ藻体からなる化粧品用配合剤が記載されている。この化粧品用配合剤によれば、アトピー性皮膚炎等の皮膚障害を改善できると共に、皮膚の老化を抑制することができる。また、特許文献2には、ドナリエラ藻体を有効成分として含有するドナリエラ藻体含有食品が記載されている。このドナリエラ藻体含有食品によれば、栄養強化が図られると共に、食味が改善される。
さらに、皮膚漂白を促進させる方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。すなわち、この特許文献3には、皮膚を漂白するのに有効な量で無色カロテノイドフィトエン及びフィトフルエンを含む組成物を対象に投与する、皮膚漂白を促進させるための方法が記載されている。これらのフィトエン及びフィトフルエンは、天然源由来であり、その天然源がデュナリエラ種の藻類であることが記載されている。
特開2003−48811号公報(第2頁及び第5頁) 特開2001−149040号公報(第2頁及び第3頁) 特開2008−13541号公報(第2頁、第5頁及び第6頁)
ところで、微細藻類であるデュナリエラには、バーダウィル、サリーナ、ターティオレクタ等の多くの種類が存在し、それぞれ特有の機能を発現している。しかしながら、特許文献1に記載されている化粧品用配合剤では、ドナリエラ藻体として具体的に記載されているのはドナリエラ・バーダウィル及びサリーナであり、その効果は皮膚障害の改善及び皮膚の老化抑制である。また、特許文献2に記載のドナリエラ藻体含有食品においても、ドナリエラ藻体として具体的に記載されているのはドナリエラ・バーダウィル及びサリーナであり、その効果は栄養強化と食味改善である。従って、これら特許文献に記載されているデュナリエラ由来の化粧品や食品では、チロシナーゼ阻害活性に基づく美肌効果を発揮することはできない。
また、特許文献3に記載されている皮膚漂白を促進させる方法では、フィトエン及びフィトフルエンが含まれる天然源である藻類はデュナリエラ種であるとされているものの、具体的な種類は開示されておらず、いずれの種が皮膚漂白の効果を奏するかは全く予測できない。しかも、皮膚細胞中のメラニン含有量を低減させるのはフィトエンとフィトフルエンとの混合物であると記載されているが、デュナリエラ種のうちのいかなるものがフィトエンないしフィトフルエンを含有するものであるかは伺い知ることはできない。従って、美肌効果を発揮するために、如何なる種類のデュナリエラを用いるべきかが求められている。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、チロシナーゼ阻害活性を発現することができ、それに基づいて良好な美効果を発揮することができる美用配合剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項に記載の美白用配合剤は、チロシナーゼ阻害活性に基づく美白用配合剤であって、デュナリエラ・ターティオレクタから水抽出により得られる成分を含有することを特徴とする。
請求項に記載の美白用配合剤は、請求項に係る発明において、コラーゲンを更に配合してなることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に係る発明の美白用配合剤では、チロシナーゼ阻害活性を発現する特性を備えているデュナリエラ・ターティオレクタから水抽出により得られる成分を含有している。従って、美白用配合剤がチロシナーゼ阻害活性を発現することができ、それに基づいて良好な美白効果を発揮することができる。
請求項に係る美白用配合剤では、デュナリエラ・ターティオレクタにコラーゲンを配合してなるものである。このため、コラーゲンのもつ美肌効果にデュナリエラ・ターティオレクタのもつ美肌効果を相乗的に発揮することができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
本実施形態における美肌用配合剤は、チロシナーゼ阻害活性を発現する特性を備えているデュナリエラ・ターティオレクタを含有するものである。デュナリエラ・ターティオレクタ(Dunaliella tertiolecta)は、チロシナーゼ阻害活性を発現し、美白作用等により美肌効果を発揮するものである。デュナリエラ・ターティオレクタは、緑色植物門緑藻綱オオヒゲマワリ目デュナリエラ科に属する単細胞性微細藻類に属するものである。同属のデュナリエラとしては、デュナリエラ・サリーナ(Dunaliella salina)、デュナリエラ・バーダウィル(Dunaliella bardawil)等が挙げられる。デュナリエラ・サリーナは、プロビタミンAであるβ−カロテンを多く含む点に特徴を有する微細藻類であり、その乾燥藻体や抽出物は食品又は食品添加物として用いられている。デュナリエラ・バーダウィルもβ−カロテンを多く含む微細藻類で同様の用途に用いられ、分類学上デュナリエラ・サリーナと同種であるとされている。
これに対して、デュナリエラ・ターティオレクタは、β−カロテンを多く含有せず、デュナリエラ・サリーナやデュナリエラ・バーダウィルとは性質が相違する。さらに、デュナリエラ・サリーナはチロシナーゼ阻害活性が認められず、従ってデュナリエラ・ターティオレクタはデュナリエラ・サリーナやデュナリエラ・バーダウィルとは細胞内物質の特性に大きな差異があるものと考えられる。
デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体は、デュナリエラ・ターティオレクタの細胞(菌株)を培養(増殖)して得られた培養細胞を凍結乾燥することにより得られる。デュナリエラ・ターティオレクタの細胞は、デュナリエラ・ターティオレクタが増殖されるものであれば特に制限されず、継体培養したものであってもよい。該デュナリエラ・ターティオレクタの細胞の濃度は、例えば1×10〜10×10cells/mlに設定される。培養を行う場合の培地は海産性の藻類の培地であればいずれでもよく、天然の培地のほか、人工海水培地であってもよい。培養の条件は常法に従って設定されるが、例えば培養温度は10〜35℃、光の照度は1000〜5000ルクス(lx)、培養日数は7日から14日程度である。培養後のデュナリエラ・ターティオレクタの細胞濃度は、例えば1×10〜10×10cells/mlに設定される。
凍結乾燥(真空凍結乾燥、フリーズドライ)は、水分を含む培養細胞を例えば−30℃程度で急速に冷凍すると同時に、減圧して真空状態で水分を昇華させて乾燥する方法である。この凍結乾燥によれば、培養細胞を低温で変性させることなく、容易かつ速やかに乾燥藻体を得ることができる。
ここで、チロシナーゼ阻害活性について説明すると、皮膚細胞を形成するメラノサイトにおけるメラニンの生成にはチロシナーゼという酵素が関与しており、メラニン生成抑制作用はこのチロシナーゼ阻害活性に由来するものである。従って、係るチロシナーゼ阻害活性の発現により、皮膚の美白作用をはじめとする美肌効果を発揮することができる。
デュナリエラ・ターティオレクタを化粧品や飲食品などとして利用する場合には、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体から有効成分を抽出した抽出物を使用することが好ましい。すなわち、係る抽出物は、前記デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体に抽出溶媒を加え、撹拌して有効成分を抽出し、その抽出物を凍結乾燥して得られる。この抽出物は、乾燥品又は乾燥前の液状品として使用することができる。デュナリエラ・ターティオレクタは植物プランクトンであるにもかかわらず、細胞壁を持たないという特徴を有し、抽出効率が優れている。このことは、大型藻類などと異なる特性である。
抽出溶媒としては、水が最も代表的であるが、それ以外にエタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、アセトン、ヘキサン等の1種又は2種以上の混合物が用いられる。抽出温度は、室温〜95℃程度が採用される。この抽出温度が室温を下回ると有効成分の抽出効率が低下する一方、95℃を上回ると抽出される有効成分が変質したりして好ましくない。
次に、デュナリエラ・ターティオレクタを用いた美肌用配合剤は、デュナリエラ・ターティオレクタに少なくともコラーゲンを配合してなるものである。この美肌用配合剤では、コラーゲンのもつ美肌効果にデュナリエラ・ターティオレクタのもつ美肌効果を同時に発現することができ、かつそれらの美肌効果を相乗的に発揮することができる。美肌用配合剤に配合されるその他の配合物としては、乳糖、ショ糖、ムツウサ、セラミド、イソフラボン、茶エキス、香料等の成分やその他この種の用途に配合される成分が挙げられる。これらの成分は、その目的に応じ適宜選択して組合せることができる。
デュナリエラ・ターティオレクタを飲食品として利用する場合には、その乾燥藻体が細胞壁を持たないため、乾燥藻体をそのまま摂取しても消化、吸収性が高く、乾燥藻体が有する生理作用を十分に発揮することができるものと考えられる。しかも、乾燥藻体が持つ栄養素を全て摂取することができるため、栄養学上も優れた食材である。このため、乾燥藻体を粒状、顆粒状、カプセル状等の食品に加工したり、一般食品に混入して加工したりすることは、美肌効果を得る上で有効な手段である。例えば、コラーゲンのように1日当たりの摂取目安量が数gというような食品素材を粒状又はカプセル状のサプリメントとする場合、通常では摂取粒数は多くなり、消費者にとって摂取しづらい商品となる。しかし、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を併用することにより、コラーゲンの処方量を減少させることができ、しかもその効果を維持又は高めることができる。
ちなみに、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体には変異原性は認められず、ラットへの28日間1000mg/kg・日の連続投与でも異常は認められない。従って、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を化粧品や飲食品として利用する上での人体への悪影響を避けることができるものと考えられる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態の美肌用配合剤では、チロシナーゼ阻害活性を発現する特性を備えているデュナリエラ・ターティオレクタを含有している。従って、チロシナーゼ阻害活性を発現することができ、その美白作用等に基づいて良好な美肌効果を発揮することができる。
・ デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体は、その細胞を培養して得られた培養細胞を凍結乾燥して得られることから、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を容易かつ速やかに得ることができる。
・ デュナリエラ・ターティオレクタの抽出物は、前記デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体に抽出溶媒を加え、撹拌して有効成分を抽出し、その抽出物を凍結乾燥して得られるものである。従って、抽出された有効成分によって美肌効果を向上させることができると共に、デュナリエラ・ターティオレクタの水抽出物を簡単な操作で、効率良く得ることができる。
・ デュナリエラ・ターティオレクタがもつチロシナーゼ阻害活性は皮膚に塗布されて発現されることにより、デュナリエラ・ターティオレクタの前記効果を直接的に有効に発揮させることができる。
・ 美肌用配合剤として、デュナリエラ・ターティオレクタに少なくともコラーゲンが配合されることにより、コラーゲンのもつ美肌効果にデュナリエラ・ターティオレクタのもつ美肌効果を相乗的に発揮することができる。
以下に、参考例及び実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(参考例1、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体の調製)
デュナリエラ・ターティオレクタの細胞(菌株)として、デュナリエラ・ターティオレクタ・NAGOYA株(Dunaliella tertiolecta NAGOYA)を用いた。
培地として、NaCl 29g/L、MgCl・6HO 1.5g/L、MgSO・7HO 0.5g/L、KCl 0.2g/L、CaCl・2HO 0.2g/L、KNO 1g/L、KHPO 35mg/L、NaHCO 43mg/L、CuCl・2HO 41μg/L、ZnCl 41μg/L、CoCl・6HO 15μg/L、HBO 610μg/L、MnCl・4HO 41μg/L、(NHMo24・4HO 380μg/L、EDTA2Na・2HO 1.89mg/L及びFeCl・6HO 2.44mg/Lの組成よりなるpH7.0〜7.5の人工海水培地を使用した。
そして、この培地を容量2Lのガラス製フラスコに入れ、そこにデュナリエラ・ターティオレクタの細胞を細胞濃度が2×10cells/mlとなるように接種し、除菌した空気を通気しながら培養を行った。蛍光灯などで照度を1000〜5000ルクスに設定し、連続照射を行った。培養温度は25℃に設定した。1週間の培養後、細胞濃度が2.1×10cells/mlとなったところで遠心分離によって培地を除去し、得られた細胞を凍結乾燥した。乾燥藻体の重量は0.17gであった。
(参考例2、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体の抽出物の調製)
参考例1で得られたデュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体1gに水100mlを加え、90℃で1時間撹拌して有効成分の抽出を行った。その後、遠心分離を行い、その上清をガラス繊維フィルターにて濾過し、その濾液を凍結乾燥した。得られたデュナリエラ・ターティオレクタの抽出物の乾燥藻体は、0.38gであった。
(実施例1、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を含有する美肌用配合剤)
デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を含有する美肌用配合剤として、その錠剤を調製した。錠剤1錠当たりの組成を基準にして説明する。すなわち、コラーゲンペプチド200.0mgに対して、実施例1で得られたデュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体40.0mg、乳糖28.5mg、ショ糖エステル8.5mg及び香料3.0mgを混合し(合計280.0mg)、常法に従って打錠を行い、錠剤を得た。
この錠剤を飲用したが、特に抵抗感なく飲用することができた。該錠剤を10粒摂取すれば、2gのコラーゲンペプチドと0.4gのデュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を摂取することができる。
(実施例2、デュナリエラ・ターティオレクタの抽出物及びコラーゲンを含有する美肌用配合剤)
デュナリエラ・ターティオレクタの抽出物を含有する美肌用配合剤として粉末飲料を調製した。その粉末飲料の1包当たりの組成を基準にして説明する。すなわち、コラーゲン(コラーゲンペプチド)700mgに対して、実施例2で得られたデュナリエラ・ターティオレクタの抽出物150mg、ムツウサ粉末40mg、セラミド含有コーン抽出物30mg、イソフラボン含有大豆抽出物20mg、麦茶エキス末150mg及び緑茶粉末110mgを配合し、お茶風味の粉末飲料を調製した。この粉末飲料をスティック状のアルミニウム製袋に充填した。
この1包を100〜150mlのお湯に溶かして飲用したが、味に抵抗感なく飲用することができた。これを1日3包飲用することにより、コラーゲンペプチドを2100mg及びデュナリエラ・ターティオレクタの抽出物を450mg摂取することができる。
(実施例3、美肌用配合剤の成分であるデュナリエラ・ターティオレクタの抽出物に関するチロシナーゼ阻害活性の測定)
参考例2で得られたデュナリエラ・ターティオレクタの抽出物を0.5mg/mlから10mg/mlまで段階的に調製した試料溶液について、以下の方法でチロシナーゼ阻害活性を測定した。その結果から、チロシナーゼに対する50%阻害濃度(IC50)を算出した。比較対照として、デュナリエラ・サリーナを参考例2と同様の方法で熱水抽出を行って得られた乾燥藻体の抽出物について試験を行った。
チロシナーゼ阻害活性試験方法:
0.5mg/mlのL−チロシン溶液0.5ml、1/15Mリン酸緩衝液(pH6.8)2.0ml及びデュナリエラ・ターティオレクタ抽出物を1/15Mリン酸緩衝液に溶かした試料溶液2.0mlを加えて混合後、チロシナーゼ溶液0.5mlを加え、37℃で1時間インキュベートし、直ちに475nmで吸光度(At)を測定した。
一方、試料溶液の代わりに1/15Mリン酸緩衝液を2.0ml加えたもの、又はチロシナーゼ溶液の代わりに精製水を0.5ml加えて同様に操作し、測定した吸光度をそれぞれAb及びAoとした。これらAt、Ab及びAoから、次式によってチロシナーゼ阻害率(%)を算出した。
チロシナーゼ阻害率(%)={〔Ab−(At−Ao)〕/Ab}×100
その結果、デュナリエラ・ターティオレクタの抽出物のIC50は、1.27mg/mlであった。一方、デュナリエラ・サリーナの抽出物のIC50は、試料の最高溶解濃度である10.0mg/ml以上であった。これらの結果より、デュナリエラ・サリーナではチロシナーゼ阻害活性が認められなかったのに対して、デュナリエラ・ターティオレクタでは高いチロシナーゼ阻害活性が認められた。従って、このチロシナーゼ阻害活性はデュナリエラ・ターティオレクタ固有のものであり、同属他種のデュナリエラにはない活性であると云える。
(実施例4、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を含有する美肌用配合剤を用いた場合の肌水分量の測定)
実施例1で得られた錠剤を試験錠剤とし、比較対照としてデュナリエラ・ターティオレクタ粉末の代わりに乳糖を配合した対照錠剤を調製した。そして、試験錠剤及び対照錠剤をそれぞれ28〜60歳の健康な女性各10名に1日当たり10粒を4週間摂取させ、それぞれ試験群及び対照群とした。摂取前日と摂取開始後1週間毎に肌水分量を測定し、その変化を比較した。
肌水分量の測定は、室温(22℃)、湿度44%に保った室内で20分以上安静にした後、肌水分測定器(ドイツのCourage+Khazaka社製のSkin Diagnostic SD27、販売者は(株)インテグラル)を使用して前腕内側部と頬の角質層の水分量を測定した。摂取前の水分量を1.00とし、4週間後までの肌水分量の相対変化を表1に示した。表1において、*は摂取前と比較して危険率5%未満で有意差が認められたことを示し、**は試験前及び対照群と比較していずれの場合にも危険率5%未満で有意差が認められたことを示す。
Figure 0005103273
表1に示した結果より、対照群では前腕内側部と頬の角質層のいずれの部位においても、肌水分量は増加傾向を示した。一方、試験群では前腕内側部の肌水分量については、対照群との有意な差は認められなかったが、対照群より高い値を示す傾向であった。試験群の頬の角質層の肌水分量については、3週間後に摂取前との有意な変化が認められ、4週間後に対照群との有意な差が認められた。従って、コラーゲンペプチドのみを摂取するよりも、コラーゲンペプチドとデュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を併用することにより、肌水分量を相乗的に高めることができることが明らかになった。また、この肌水分量の増加は、チロシナーゼ阻害活性以外のデュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体の作用に基づくものと考えられる。
(実施例5、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を含有する美肌用配合剤を用いた場合の肌状態の変化の評価)
実施例4の各群10名の対象者に4週間飲用後に肌状態に関するアンケート調査を実施した。すなわち、肌の乾燥状態、肌のハリ、小じわ、シミ・ソバカス、化粧ののり及びしっとり感について、「良くなった」或いは「変わらない又は悪くなった」のいずれかの回答を求めた。それらの回答数を表2に示した。
Figure 0005103273
表2に示したように、対照群では肌のハリについてのみ良くなったと回答した数が過半数を超えたに過ぎなかったが、試験群では肌のハリ、小じわ及び化粧ののりについて過半数が良くなったという結果が得られた。特に、肌のハリについては、高い回答数を得た。また、シミ・ソバカスを除いて、試験群のいずれの項目についても、対照群と同等以上の効果が得られた。従って、従来のコラーゲン、セラミド等の美肌用食品素材を多量に摂取しなくても、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を併用することにより、美肌効果を一層高めることができることが示された。この美肌効果は、チロシナーゼ阻害活性以外のデュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体の作用に基づくものと考えられる。
なお、前記実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・ デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を得るための乾燥方法として、加熱乾燥法、通風乾燥法等を採用することもできる。
・ デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体又はその抽出物を皮膚に塗布すると同時に飲用し、塗布と飲用の双方で美肌効果を一層向上させるように構成することもできる。
・ デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体と、その抽出物とを所定の含有量で混合して使用することもできる。
・ デュナリエラ・ターティオレクタの抽出物として、水抽出物とアルコール抽出物などを組み合わせて使用することも可能である。
さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する
〇 前記乾燥藻体は細胞壁を持たないものであることを特徴とする美白用配合剤。このように構成した場合、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を飲食品として利用する場合に消化、吸収性を高め、乾燥藻体が有する生理作用を十分に発揮させることができる。
〇 デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体又はその抽出物を有効成分として含有することを特徴とする皮膚外用剤。この皮膚外用剤は、デュナリエラ・ターティオレクタのもつチロシナーゼ阻害活性などの作用により、良好な美肌効果を発揮することができる。
〇 デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体又はその抽出物に少なくともコラーゲンを配合してなることを特徴とする美肌用飲食品。この美肌用飲食品は、デュナリエラ・ターティオレクタのもつチロシナーゼ阻害活性などの作用により、良好な美肌効果を発揮することができる。
〇 前記チロシナーゼ阻害活性は、飲用により発現されるものであることを特徴とする美白用配合剤。このように構成した場合、デュナリエラ・ターティオレクタの乾燥藻体を飲用することによって体の内部から発明の効果を間接的に発揮することができる。

Claims (2)

  1. チロシナーゼ阻害活性に基づく美白用配合剤であって、
    デュナリエラ・ターティオレクタから水抽出により得られる成分を含有することを特徴とする美白用配合剤。
  2. コラーゲンを更に配合してなることを特徴とする請求項に記載の美白用配合剤。
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