JP5099943B2 - ポリペプチド、ポリヌクレオチド及びその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリペプチドとポリヌクレオチドとその用途、特には遊走刺激因子(MSF)に関する。
【0002】
【背景の技術】
MSFは、これまでに次のような報告において示されている。ショー等(1988)J.Cell Sci. 90:391−399において、正常な成人細胞によっては作られないオートクリン遊走刺激因子を胎児と癌患者の線維芽細胞が生成することを示している。ショー等(1988)J.Cell Sci. 90:401−407において、癌患者からの線維芽細胞が胎児と成人の両方に特徴的な表現型の混合物を提示したことを示している。ショー等(1989)In Vitro25:737−746において、胎児と成人癌患者の線維芽細胞によって生成された遊走刺激因子(MSF)の活性機能を記載しており、またそれがヒアルロン酸合成に影響があることを示した。グレイ等(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.(米国)86:2438−2442において、胎児及び癌患者の線維芽細胞による遊走刺激因子の精製が示されたが、アミノ酸配列情報までは提供されていない。それによると、MSFは分子量が70kDaであると推測されている。ショー及びショー(1990)Cancer Investig.8:665−667において、遊走刺激活性(MSF)の特異性と癌病原体におけるその役割の証明とが提供されている。ピカード等(1991)Lancet337:130−133において、乳癌患者の血清中に遊走刺激活性が存在することを示している。エリス等(1992)J.Cell Sci.102:447−456において、線維芽細胞の遊走とヒアルロン酸合成におけるトランスフォーミング成長因子β1とMSFとのアンタゴニスト的な影響について記載しており、かつ創傷治癒へのつながりの可能性を議論している。ピカード等(1992)Exp.Mol.Path.57:8−21は、創傷治癒における遊走刺激因子の検証を示している。アーウィン等(1994)J.Cell Sci.107:1333−1346において、歯茎の線維芽細胞による胎児様の表現型特性の発現における内部及び対外的異種性を記載しており、創傷治癒のための潜在的な重要性についても論じている。ショー等(1994)Int J Cancer.59:25−32において、乳癌線維芽細胞における異種発現が記載されており、また肉腫に近接する組織学的に正常な組織からの線維芽細胞における機能的な変異性についても論じられている。ショー等(1991)「細胞運動性因子(I ゴールドバーグ)」pp.127−146、Birkhauser Press,Baselは、遊走刺激因子(MSF)の生成における線維芽細胞間の異種性を記載しており、また癌の病原性に対する機能についても論じている。ショー等「細胞行動:粘着と運動性」(G.エバンス、C.ウィリー、R.ワーム)生物シンポジウム学会、No.47,pp.234−251の中で、フィブロネクチンのゼラチン結合ドメインにたいするMSFの潜在的機構的相同性の活動の潜在的様式及び健康及び疾患における機能について記載している。そこにおいて少量の部分的のアミノ酸が提示されている。しかし、この配列はフィブロネクチンと似ており、また現在の仕事においてクローンされ配列決定されているMSFには存在しないものである(以下参照)。胎児の線維芽細胞調整培地から単離されたMSF活性は、3つのタンパク質から構成され、1つは明らかに分子量が119kDaであり、2つは分子量が43及び33kDaである。実際には、MSFはフィブロネクチンのタンパク的分解生成物であり得るとも推測された。ショー(1995)「癌における上皮(mesenchymal)の相互作用」(I ゴールドバーグとE ローゼン).pp273−296.Birkhauser Press,Baselにおいて、腫瘍の進行促進物質としての線維芽細胞の小集団と遊走遊走因子の潜在的役割とを記載している。また、ショー等(1994)「***の腫瘍形成と悪性の進行」 Kluwer Academic Publishers ディクソン.Rとリップマン.Mの中でもMSFについて議論されている。
【0003】
このように、MSFは大多数の乳癌患者が保持する線維芽細胞によって生成されているが、正常な大人の体ではつくられないと信じられている。それゆえ例えば循環血液内、血清または尿の中においてMSFのレベルの測定することは、癌であるかまたはその疑いあるかの同定において有用であるかもしれないし、癌の結果を予測するのにも有用であるかもしれない。MSF誘導線維芽細胞は、多くの一般的な上皮腫瘍の患者に存在し、例えばメラノーマや軟線維のサルコーマと同様に***、肺及び大腸のカルチノーマに存在している。
【0004】
特にMSFの測定レベルを乳癌保持者もしくはその可能性がある患者を特定する時に用いてもよいし、あるいは癌の結果を予測するのに用いてもよいと信じられている。
【0005】
加えて、MSFは創傷液の試料の多くに存在するので創傷治癒において有用であると信じられている。創傷治癒応答の間における線維芽細胞の創傷部位への直接遊走および粒状繊維におけるヒアルロン酸の転移増加は、MSFがそれに関係していることと矛盾しない(MSFは高分子量種のヒアルロン酸の合成を刺激する)。
【0006】
MSFに対して発現した抗体はフィブロネクチンに結合するので、MSFはフィブロネクチンと関係することが知られている。
【0007】
フィブロネクチンは広く分布する糖タンパク質であり、組織(300μg/ml)内または他の体液内においてほとんどの細胞外マトリックスに高い濃度で存在している。フィブロネクチンは優れた粘着タンパク質であり、遊走を含む細胞外マトリックスにおける細胞間相互作用の多用な側面を仲介している。その本来の機能は、成長と創傷治癒の際の細胞遊走において、細胞の成長と分化及び血栓症の制御と見られる。
【0008】
MSFは構造的にフィブロネクチンと関係があることは明らかなのだが、MSFはフィブロネクチンの分解物なのか破壊された生成物なのかが明らかになっていないという事実によって、MSFの理解の進歩が妨害されてきた。
【0009】
我々は、現在発見されているMSFがフィブロネクチンの破壊されたものではないが、それは全く予期せず発現し、種々のフィブロネクチンの「ミニ」継ぎ目となるということを発見してきた。そのMSFのアミノ酸配列は、本明細書の冒頭で明らかにしたとおり、フィブロネクチンにおける類似性の無い予測外の部位において発現している。これはこれまで利用不可能であったが利用可能となりつつある測定、同定及び局在化するための方法をつながった。本明細書において初めて明らかにされたMSFをコードするポリヌクレオチドの有用性は、MSF及び有用なその変体を生成する方法を利用可能にし、かつMSFを特異的に同定し、測定しかつ局在化する方法をも利用可能にした。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における第1の側面は、[配列番号:1]で表されるアミノ酸配列を含む組換ポリペプチド、またはその変体、断片または融合体、またはその変体、断片または派生物の融合体を提供することである。
【0011】
図3,4は、ヒト遊走刺激因子(MSF)をコードした配列を含むpMSF1αの挿入cDNAによってコードされたアミノ酸配列を示している。好ましくは、アミノ酸配列はほとんどのN末端メチオニンとほとんどのC末端停止コドン(Xと記されている)の間の配列に基いているものがよい。図3,4に示した部位19から660間に標識されたpMSF1αのアミノ酸配列(すなわちMLRGPG…と記されたところから始まりLGYと記されたところまでコードしている)、または断片の変体または融合体またはその派生物またはその変体の融合体または断片を含むポリペプチドをそのポリヌクレオチドがコードするならば好ましい。
【0012】
明細書を通じて使われているMSFという用語は、図3,4に示したpMSF1αに標識されるアミノ酸配列、特に部位19から660間に与えられるアミノ酸配列であるポリペプチドを含むものを意味するものであり、他のものを含めて意味するものではない。
【0013】
この明細書を通じて、アミノ酸残基とは標準一文字標記または標準三文字標記を意味する。
【0014】
本発明の組換ポリヌクレオチドは、フィブロネクチンをコードするまたはゼラチン結合ドメインのようなフィブロネクチンの断片であるポリヌクレオチドではないと判断されるだろう。むしろ、その断片と変体と派生物は、部位をコードまたはフィブロネクチンからMSFを判別するMSFの部位であるポリヌクレオチドを含むものであり、それらは下記及び図3,4を参照することによってさらに詳細に記載される。
【0015】
ポリヌクレオチドはDNAまたはRNAであることが好ましいが、ここではDNAであるとする。ポリヌクレオチドは、イントロンを含むかもしれないし含まないかもしれない。ここではイントロンを含まないものとし、特にそのポリヌクレオチドはcDNAであるとする。
【0016】
本発明のポリヌクレオチドは、図1,2に示す[配列番号:12]で表される配列のポリヌクレオチドを含むものである。したがって、本発明のポリヌクレオチドは[配列番号:12]を含む。特に、もし本発明のポリヌクレオチドが図1,2の部位57から1982間の配列であるポリヌクレオチドを含んでいるとすれば、これはヒトのMSFの配列をコードすると信じられているので特に好ましい。
【0017】
【表1】
[配列番号:12]
【0018】
本発明は、本発明の第1の側面の組換ポリヌクレオチドの断片を含むポリヌクレオチドを含む。好ましくは、そのポリヌクレオチドが少なくとも10ヌクレオチドの長さである断片を含むポリヌクレオチドであれば好ましく、さらに好ましくは、長さは少なくとも18ヌクレオチドがよい。そのようなポリヌクレオチドはPCRプライマーとして有用である。
【0019】
ポリヌクレオチドの「変体」は、(i)タンパク質の生成に使用可能である
かまたは本明細書に含まれるポリヌクレオチドによってコードされたタンパク質に特異的に結合する抗体を調整することに使用可能であるタンパク質またはその断片、または(ii)ポリヌクレオチドまたは(i)で定義したような型の
変体に対応するアンチセンス配列である。例えば、異なるコドンは本来のコドンによってコードするアミノ酸と同じものを置換することができる。置換コドンは、異なるアミノ酸をコードするためのものであるかもしれないが、その活性またはそのタンパク質の免疫抗原性の改良またはその他の活性の調節または免疫抗原性に影響を与えないだろう。例えば、部位指定の突然変異体または他の技術は置換、挿入及び欠損、および転位による単一または複合突然変異を起こせることが、ボステインとショートル、「インビトロでの突然変異生成の戦略と応用」,SCIENCE,229:193−210(1985)によって示されておりそれは本明細書に一体に組み込まれている。そのような修飾されたヌクレオチドは本明細書記載の周知の技術に含まれるものなので、そのような修飾されたヌクレオチドは本発明の請求項の範囲に含まれるものである。
【0020】
さらには、本発明のポリヌクレオチド配列(またはその断片)は高度に厳格な条件下においてハイブリダイズする他のポリヌクレオチド配列を含むことは当然、当業者に認識されるだろう。そのようなポリヌクレオチドはいくらかのゲノムDNAを含んでいる。従って、そのポリヌクレオチドの発明は、本発明の方法におけるポリヌクレオチドによって少なくとも55パーセント、そしてさらに好ましくは少なくとも70パーセント、最も好ましくは90パーセントの相同性を示す以下に説明された方法または他の有用性のある少なくともいくつかに使用可能なポリペプチドをコードした哺乳類のポリヌクレオチドを提供する。それは特にこの実施例において、フィブロネクチンからMSFを判別する1つまたは複数の部位をコードするポリペプチドであるとする。
【0021】
MSFはヒト以外の哺乳類においても存在すると信じられている。本発明は、ラット、マウス、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウサギその他の哺乳類種のMSFをコードするポリヌクレオチドを含んでいる。
相同性率は、例えば、ウィスコンシン大学遺伝子コンピュータグループのGAPプログラムによって決定できる。
【0022】
DNA−DNA、DNA−RNA、RNA−RNAのハイブリダイゼーションは、0.1×SSCと6×SSCとの間で、55度から70度の温度における水溶液中で実行される。高い温度または低濃度SSCはより厳格なハイブリダイゼーションの条件となることがこの技術分野ではよく知られている。「高度に厳格」とは、2×SSCで65度を含めている。1×SSCは0.15M塩化ナトリウム/0.015Mクエン酸ナトリウム塩である。高度に厳格な条件下でハイブリダイズしたポリヌクレオチドは請求項の範囲に含まれている。
【0023】
ポリヌクレオチドの「変体」は、また2つのポリヌクレオチドの全体的な相同性はないだろうが、本発明のポリヌクレオチドの同等の範囲において、それは高い相同性(少なくとも80パーセントで好ましくは90又は95パーセント)を有する関連する短い(例えば20から50ヌクレオチド)ポリヌクレオチドを含む。
【0024】
ポリペプチドの「変体」には、挿入、削除、置換、それ以外の保護的なものまたは非保護的なものを含んでおり、そのような変換はそのMSFの活動を実質的に変化させることはない。
【0025】
変体とポリヌクレオチドの変体とポリペプチドは、自然変体を含み、対立遺伝子変体と自然発生の突然変異体を含む。
【0026】
例えば、ピカード等(1991)The Lancet337号,130−133で示しているように、MSFは成人の肌の刺激に基くバイオアッセイで分析されるだろう。MSFに対する特異性は、抗MSFポリクローナル抗体(本明細で示した)による遊走刺激活性の中和によって示されるかも知れない。MSFはELISA及びそのような免疫学的技術を使って分析されても良い。
【0027】
「同類置換」という言葉において、我々はGly,Ala;Val,Ile,Leu;Asp,Glu;Asn,Gln;Ser,Thr;Lys,Arg;とPhe,Tyrのような組み合わせを含めている。
【0028】
そのような変体にはタンパク質工学の方法と部位指定突然変異生成の方法が使われることを当業者にはよく知られているだろう。
【0029】
好ましくは、変体またはMSFをコードするポリヌクレオチドの変体は、同じ条件下における自然のMSFの活性において、少なくとも30パーセント、好ましくは少なくとも50パーセント、そしてさらに好ましくは70パーセントが望ましい。
【0030】
「MSFの断片」という言葉において、我々は活性を維持するまたは例えば抗体の培養または結合分析等の他の方法において有用なあらゆる断片を含めているが、フィブロネクチンの断片であり得るMSFの断片は含まない。
【0031】
「MSFの融合体」という言葉において、我々は他のすべてのポリペプチドに融合されたMSFを含めている。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)またはMSFの精製を容易にするためのタンパク質A、またはMSF融合体においていくつかの好ましい特異性をもたらす他のいくつかのポリペプチドに融合するようなポリペプチドにプロテインキナーゼが融合されるだろう。MSFのすべての変体、断片または派生物の融合体は、本発明の範囲に含まれている。
【0032】
発明の更なる側面は、MSFをコードする組換ポリヌクレオチド、またはその変体、断片、派生物またはMSFの融合体、または変体、断片または派生物の融合体を含んでいる複製可能なベクターを提供する。
【0033】
多様な方法が、ポリヌクレオチド特にDNAを例えば相補結合末端を介してベクターに結合させるために改良されてきた。例えば、相補ホモポリマー系はベクターDNAに組み込まれたDNAセグメントに加えられる。そのベクターとDNAセグメントは組換DNA分子を形成するための相補結合末端の間の水素結合によって結合する。
【0034】
人工リンカーは、DNAセグメントとベクターを結合させる選択的方法によって生成される1つまたはそれ以上の制限部位を含んでいる。初期段階で示されたエンドヌクレアーゼ制限分解によって発生したDNAセグメントは、バクテリオファージT4DNAポリメラーゼまたはエッシュリヒア コリDNAポリメラーゼ I 、すなわち3'-5'-エキソヌクレアーゼ活性で3'-1本鎖末端を除去し、ポリメラーゼ活性で3'末端を埋める酵素によって処理される。
【0035】
これらの活性の組み合わせにより平滑末端DNAセグメントを生じる。その平滑末端セグメントは、バクテリオファージT4DNAリガーゼのような、平滑末端DNA分子の連鎖反応を触媒できる酵素の過剰量中で、十分に多い量のリンカー分子と共にインキュベートされる。その結果、反応物の生成はDNAセグメントをポリメリックリンカー配列の末端に運ぶことになる。これらのDNAセグメントはその際適当な制限酵素によって切断され、それらのDNAセグメントと融合する末端が生成する酵素で発現ベクターに結合される。
【0036】
多様な制限エンドヌクレアーゼ部位を含んでいる合成リンカーは、International Biotechnologies Inc,New Haven,CN,米国を含む多くの提供者により商業上利用可能である。
【0037】
本発明のポリペプチドをコードするDNAを修飾する好ましい手段は、サイキ等(1988)Science239,487−491に示されるように、ポリメラーゼチェインリアクションを使うことである。この方法は、例えば適当な制限部位を生成することによって、DNAを好ましいベクターに入れる誘導をするもことが望ましい。また技術的に良く知られたような他の方法を、DNAを修飾するために使用しても良い。
【0038】
この方法において、酵素的に増幅されるDNAは、増幅されたDNAに自らが統合された2つの特異的プライマーによって側面を固められている。その特異的なプライマーは、技術分野において使用方法が知られている発現ベクターをクローニングするために使用できる制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含んでいるものが望ましい。
【0039】
DNA(またはレトロウイルスベクターの場合はRNA)は、本発明に示されたものを含むポリペプチドを生成するための最適な宿主において発現される。そのポリペプチドをコードするDNAは既知の技術に従って用いられることが望ましく、好ましくは本明細書に含まれる指示の観点に限定されて本発明のポリペプチドの発現と生成のための適切な宿主細胞に転位する時に使われる発現ベクターを構成する。そのような技術はUSP4,440,859、1984年4月3日発表、ラター等、USP4,530,901、1985年6月23日発表、ウェイスマン、USP4,582,800、1986年4月15日発表、クロウル、USP4,677,063、1987年5月30日発表、マーク等、USP4,678,751、1987年6月7日発表、ゴデル、USP4,704,362、1987年11月3日発表、イタクラ等、USP4,710,463、1987年12月1日発表、ミュレイ、USP4,757,006、1988年6月12日発表、トールジュニア等、USP4,766,075、1988年8月23日発表、ゴデル等、そして、USP4,810,648、1989年3月7日発表、ストーカー、これらの全ては引用文献として本明細書に一体として組み込まれている。
【0040】
本発明の化合物を構成するポリペプチドをコードするDNA(あるいはレトロウイルスベクターの場合、RNA)は、適切な宿主に導入するための多種多様な他のDNA配列に結合されてもよい。コンパニオンDNAは宿主の性質、宿主へのDNAの導入方法、およびエピソーマル的に維持される状態または組み込まれた状態が好ましいかどうかに依存する。
【0041】
一般に、DNAは、プラスミドのような発現に関して適したオリエンテーションおよび正しいリーディングフレームを備えた発現ベクターに挿入される。必要であれば、DNAは好ましい宿主によって認識される適切な転写および翻訳調節操作ヌクレオチド配列に結合されても良いが、そのような操作は、通常、発現ベクターを用いることで有効になる。そして、ベクターは標準的な技術をもって宿主に導入される。一般に、ベクターによって宿主全てが形質転換されるわけではない。それゆえ、形質転換された宿主細胞を選択する必要がある。一つの選択技術として、何らかの必要な調節要素をもちあわせ、形質転換された細胞において抗生物質耐性のような選択特性をコードするDNA配列を発現ベクター中に組み込むことが考えられる。
【0042】
いずれにしてもそのような選択特性を保持する遺伝子は他のベクターにも存在し、好ましい宿主細胞を共形質転換するのに用いられる。
【0043】
本発明の組換DNAによって形質転換されている宿主細胞はそれから十分な時間、かつ前記ポリペプチドの発現を可能にする本明細書の記載内容を考慮した当業者に知られる条件下で培養され、その後、回収される。
【0044】
細菌(例えば、エッシェリヒア コリおよびバチラス サブチリス)、酵母(例えば、サッカロマイセス セレビジア)、糸状菌(例えば、アスペルギラス)、植物細胞、動物細胞、昆虫細胞を含めた多くの発現システムが知られている。
【0045】
前述のベクターは、たとえベクターが他の細胞タイプ、非原核生物の細胞タイプを用いた発現に使用されるとしても、原核生物で増殖するためのColE1 oriのような原核生物のレプリコンを典型的には含んでいる。ベクターはまた、そこで形質転換されるエッシェリヒア コリのような細菌宿主において遺伝子の発現(転写および翻訳)を方向付けできる原核生物のプロモーターのような適切なプロモーターも含むことができる。
【0046】
プロモーターは、RNAポリメラーゼの結合を許容するとともに転写開始を許容するDNA配列によって形成される発現調節要素となる。模範的な細菌宿主に適合するプロモーター配列は、本発明のDNAセグメントの挿入に有効な制限部位をもつプラスミドベクターに典型的に備えられている。
【0047】
典型的な原核のベクタープラスミドはpUC18、pUC19、pBR322およびBiorad Laboratories(Richmond,CA,米国)から入手可能なpBR329およびPharmacia,Piscataway,NJ,米国から入手可能なpTrc99AおよびpKK223−3である。
【0048】
典型的な哺乳動物細胞のベクタープラスミドは、Pharmacia,Piscataway,NJ,米国から入手可能なpSVLである。このプラスミドはクローン化された遺伝子の発現を駆動するため、SV40後期プロモーターを使用し、COS−1細胞のようなT抗原合成細胞で高レベルの発現が確認される。
【0049】
誘発性の哺乳動物の発現ベクターの例はpMSGであり、これもまたPharmaciaから入手可能である。このベクターにおいては、クローン化された遺伝子の発現を駆動するため、マウスの乳腫瘍ウイルスの長末端反復のグルココルチノイド誘発性プロモーターを使用する。
【0050】
有効な酵母プラスミドベクターは、 pRS403−406およびpRS413−416であり、一般にStratagene Cloning Systems,La Jolla,CA 92037,米国から入手可能である。プラスミドpRS403、pRS404、pRS405およびpRS406は、酵母組込みプラスミド(YIps)であり、酵母を選択するための標識HIS、TRP、LEUおよびURAを組み込んでいる。プラスミドpRS413−416は、酵母動原体プラスミド(Ycps)である。
【0051】
種々の宿主細胞を用いた技術において、他のベクターおよび発現系がよく知られている。
【0052】
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドベクター構築物で形質転換された宿主細胞に関する。宿主細胞は原核生物あるいは真核生物のいずれかとなりうる。細菌細胞は、好ましくは原核生物の宿主細胞を用い、典型的には、例えばBethesda Research Laboratories Inc.,Bethesda,MD,米国から入手可能なエッシェリヒア コリDH5株やおよびRockville,MD,米国(NoATCC 31343)のAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手可能なRR1株のようなエッシェリヒア コリの株である。好ましい真核生物の宿主細胞は、酵母細胞、昆虫細胞や哺乳類の細胞、好ましくはマウス、ラット、サルまたはヒトの線維芽細胞および腎臓細胞系のような脊椎動物細胞を含む。酵母宿主細胞は、一般にStratagene Cloning Systems,La Jolla,CA 92037,米国から入手可能なYPH499、YPH500およびYPH501を含む。好ましい哺乳動物の宿主細胞は、CCL 61としてATCCから入手可能なチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、CRL 1658としてATCCから入手可能なNIH Swissマウス胚細胞NIH/3T3、ヒトの胚の腎臓細胞であるCRL1650および293細胞としてATCCから入手可能なサル腎臓由来のCOS−1細胞を含む。好ましい昆虫細胞は、バキュロウイルス発現ベクターにより遺伝子導入されうるSf9細胞である。
【0053】
本発明のDNA構築物を用いた適切な細胞宿主の形質転換は、使用されるベクターのタイプに典型的に依存するよく知られた方法によって達成される。原核生物の宿主細胞の形質転換に関しては、例えば、コーヘン等(1972)Proc.Natl.Acad.Sci.米国69,2110およびサンブルーク等(1989)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.を参照してもらいたい。酵母細菌の形質転換はシャーマン等(1986)Methods In Yeast Genetics,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.に記載されている。ベグス(1987)Nature 275,104−109の方法もまた有用である。脊椎動物に関して言えば、そのような細胞に遺伝子導入するのに有効な試薬、例えばカルシウムフォスフェートおよびDEAEデキストリンまたはリポソーム調剤はStratagene Cloning Systems、またはLife Technologies Inc.,Gaithersburg,MD 20877,米国から入手可能である。
【0054】
電気穿孔法もまた、細胞の形質転換および/または細胞への遺伝子導入をするのに有効であり、酵母細胞、細菌細胞、昆虫細胞や脊椎動物細胞を形質転換する技術においてよく知られている。
【0055】
例えば、多くの細菌種が、本明細書に一体として組み込まれているルチャンスキー等(1988)Mol.Microbiol.2,637−646に記載されている方法によって形質転換されてもよい。大多数の形質転換体は、25μFDでcm当たり6250Vの条件で2.5×PEBに懸濁されるDNA細胞混合物の前述した電気穿孔法に続いて回収される。
【0056】
電気穿孔法による酵母の形質転換の方法は、ベッカー&グアレンテ(1990)Methods Enzymol.194,182に記載されている。
【0057】
うまく形質転換された細胞、すなわち本発明のDNA構築物を含む細胞はよく知られる技術によって同定される。例えば、本発明の発現構築物の導入に起因する細胞は、本発明のポリペプチドを合成するようになる。細胞は回収および溶菌され、それら細胞のDNAの中に、サザン(1975)J.Mol.Biol.98,503あるいはベレント等(1985)Biotech.3,208に記載されるような方法を用いて、前記DNAが存在するか試験される。いずれにしても、上清中のタンパク質の存在が後述する抗体を用いて確かめられる。
【0058】
組換DNAの存在を直接分析するのに加えて、組換DNAによりタンパク質が発現されている場合、よく知られる免疫学的な方法によって形質転換が成功しているかどうか確かめられる。例えば、発現ベクターによりうまく形質転換された細胞は適切な抗原性をしめすタンパク質を合成する。
【0059】
形質転換されている懸濁された細胞の試料は回収され、適した抗体を用いてタンパク質が分析される。
【0060】
このように、形質転換された宿主細胞そのものに加えて、本発明はまた、栄養培地におけるそれら細胞の培養をも意図し、好ましくはモノクローナル(クローン的に均一な)培養、またはモノクローナル培養から派生する培養も意図する。
【0061】
更なる本発明の目的は、MSFまたはその変体、派生物、断片または融合体または変体、断片または派生物の融合体の生成の方法を提供し、前記MSFまたは変体または断片または派生物または融合体をコードする組換ポリヌクレオチドまたは複製可能なベクターを含む宿主細胞を培養する事と前記MSFまたはその変体、派生物、断片または融合体を単離する事と前記宿主細胞からの融合体または変体、断片または派生物を単離する事を含む方法を提供することである。
【0062】
宿主細胞を培養する事および組換タンパク質を単離する事の方法は技術的によく知られている。宿主細胞に依存するが、合成されるMSFは天然から単離されるものとは異なると認識される。例えば酵母または細菌細胞のような任意の宿主細胞はどちらかが、天然から単離されるMSFとは何故か異なって翻訳後修飾されるMSF形成の合成において引き起こされる翻訳後修飾系を保持し、または異なる天然から単離されるMSFとは何故か異なって翻訳後修飾されるMSF形成の合成において引き起こされる翻訳後修飾系を保持している。
【0063】
組換MSFは昆虫細胞のような真核生物系において合成されることが好ましい。
【0064】
本発明の更なる目的は、本明細書に開示されている方法により入手可能なMSFまたはその変体、断片、派生物または融合体またはその変体、断片または派生物の融合体を提供することである。
【0065】
本発明の更なる目的は、[配列番号:1]のアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはその変体、断片、融合体または派生物またはその変体、断片または派生物の融合体を提供することである。
【0066】
このように、本発明のポリペプチドは[配列番号:1]を含む。
【0067】
好ましくは、前記ポリペプチドは図3,4に示される標識されたpMSF1α部位19から660間のアミノ酸配列、またはその変体、断片、融合体または派生物またはその変体、断片または派生物の融合体を含む。
【0068】
本発明のポリペプチドは、フィブロネクチンまたはゼラチン結合ドメインのようなフィブロネクチンの断片ではないと認識されるだろう。好ましくは、断片、変体および派生物は、MSFとフィブロネクチンとを判別する部分であって、かつ以下および図3,4を参照することによってより詳細に記載されているMSFの一部分または部分を含むものである。
【0069】
好ましくは、本発明のポリペプチドは遊走刺激因子活性を有するものである。
【0070】
更なる本発明の目的は、MSFを選択する能力を備える(およびフィブロネクチンと交差反応しない)抗体およびフィブロネクチンを選択する能力を備える(およびMSFと交差反応しない)抗体を提供することである。
【0071】
「選択する能力」という言葉において、我々は他のポリペプチド(すなわちMSF対フィブロネクチン)より少なくとも10倍以上強く;好ましくは少なくとも50倍以上強く、そしてさらに好ましくは少なくとも100倍以上強くポリペプチドに結合する抗体を含んでいる。
【0072】
そのような抗体は、本明細書に開示されるMSFとフィブロネクチン間のアミノ酸配列の違いに関する情報を用い、技術的によく知られている方法によって作製されてもよい。特に、前記抗体はポリクローナルであってもモノクローナルであってもよい。
【0073】
前記したような反応性を有する適切なモノクローナル抗体は、例えば"Monoclonal Antibodies:A manual of techniques",H ゾラ(CRC Press,1988)および"Monoclonal Hybridoma Antibodies:techniques and Applications",SGR ヒューレル(CRC Press,1982)に開示されている知られた技術により作製されてもよい。ポリクローナル抗体は、多特異性または単一特異性をもって合成されてもよい。それら抗体は単一特異性であることが好ましい。
【0074】
一つの実施例は、フィブロネクチンと反応するのではなく、アミノ酸配列が[配列番号:1]で表されるポリペプチドまたはその天然変体と反応する抗体を提供することである。
【0075】
更なる実施例は、フィブロネクチンと反応するのではなく、アミノ酸配列が図3,4に示される標識されたpMSF1α部位19から660間の配列となるポリペプチドまたはその天然変体と反応する抗体を提供することである。
【0076】
更なる実施例は、フィブロネクチンに存在するエピトープと反応するのではなく、アミノ酸配列が図3,4に示される標識されたpMSF1αとなるポリペプチドまたはその天然変体に存在するエピトープと反応する抗体を提供することである。
【0077】
更なる実施例は、フィブロネクチンに存在するエピトープと反応するのではなく、アミノ酸配列が[配列番号:1]で表される配列の部位19から660間の配列となるポリペプチドまたはその天然変体に存在するエピトープと反応する抗体を提供することである。
【0078】
もし、前記抗体がMSFに存在する[配列番号:2]ISKYILRWRPVSIPPRNLGY;または[配列番号:3]QQWERTYLGNALVCTCYGGSR;または[配列番号:4]PCVLPFTYNDRTDSTTSNYEQDQ;または[配列番号:5]TDHTVLVQTRGGNSNGALCH;または[配列番号:6]VGNGRGEWTCIAYSQLRDQCIのペプチドのいずれかを含む分子と反応するならば、特に好ましい。下線の引かれたアミノ酸は、MSFとフィブロネクチンで異なるアミノ酸を示す。
【0079】
これらペプチドは、抗体を用いたMSFとフィブロネクチンの判別に有効と思われる図3,4に示されるようなMSFとフィブロネクチン間のアミノ酸配列の異なる領域を含み、隣接している。
【0080】
更なる実施例は、アミノ酸配列が図3,4に示される標識されたpMSF1αとなるポリペプチドまたはその天然変体と反応するのではなく、フィブロネクチンと反応する抗体を提供することである。
【0081】
更なる実施例は、アミノ酸配列が図3,4に示される標識されたpMSF1α部位19から660間の配列となるポリペプチドまたはその天然変体と反応するのではなく、フィブロネクチンと反応する抗体を提供することである。
【0082】
更なる実施例は、アミノ酸配列が[配列番号:1]で表されるポリペプチドまたはその天然変体に存在するのではなく、フィブロネクチンに存在するエピトープと反応する抗体を提供することである。
【0083】
更なる実施例は、アミノ酸配列が図3,4で示される標識されたpMSF1αの部位19と部位660間の配列となるポリペプチドまたはその天然変体に存在するのではなく、フィブロネクチンに存在するエピトープと反応する抗体を提供することである。
【0084】
もし、前記抗体が[配列番号:7]QQWERTYLGNVLVCTCYGGSRまたは[配列番号:8]EPCVLPFTYNGRTFYSCTTEGRQDGHLWCSTTSNYEQDQまたは[配列番号:9]CTDHTVLVQTQGGNSNGALCHまたは[配列番号:10]VGNGRGEWTCYAYSQLRDQCIまたは[配列番号:11]ISKYILRWRPKNSVGRWKEAまたは図3,4に示されるようなフィブロネクチンにおいて、部位648より前方で派生されるペプチドのいずれかを含む分子と反応するならば、特に好ましい。下線の引かれたアミノ酸は、フィブロネクチンとMSFで異なるアミノ酸を示す。
【0085】
これらペプチド自身が抗体として有効であるが、選択能力を備える抗体はMSFとフィブロネクチンとで異なる領域を含むこれらペプチドより小さな断片を用いて構成されてもよい。
【0086】
ペプチドが合成される前後で、ペプチドのひとつあるいはそれ以上のアミノ酸残基が化学的に修飾されても、ペプチドの機能、すなわち生体内での特異的な抗体を合成する機能は本質的には変わらないままのものとして用いられてよい。そのような修飾は、酸あるいは塩基、特に生理的に受け入れられる有機あるいは無機の酸と塩基による塩の形成、末端カルボキシル基のエステルまたはアミドの形成、およびN−t−ブトキシカルボニルのようなアミノ酸保護基の付着を含む。そのような修飾はインビボの代謝からペプチドを保護する。ペプチドには単コピーとして、あるいは多重コピーとして、例えば縦列反復が存在してもよい。そのような縦列あるいは多重反復があれば、抗原自身が担体の使用を防止するには十分である。N末端とC末端が互いに結合されることによりループが形成されること、または抗原性を増大させるためおよび/または形成されるべきジスルフィド結合を許容させるため、ひとつあるいはそれ以上のCys残基を末端に付け加えることはペプチドにとって有利に働く。ペプチドが担体、好ましくはポリペプチドと共有結合する場合、その配置が非常に好ましいので、本発明のペプチドはそのときループを形成する。
【0087】
最近の免疫学的理論によれば、どんな免疫原性の調剤にも免疫系を刺激する、または免疫系の刺激性を高めるために担体の機能は備えられるとされている。最良の担体はT細胞エピトープである(あるいは、抗原といっしょに創造する)。前記ペプチドは、例えば架橋による血清アルブミン、ミオグロビン、細菌由来トキソイド、キーホルツタノハガイ(Keyhole limpet) ヘモシアニンのような分離担体に関する。T細胞の免疫応答を誘発するごく最近改良された担体としては、Thr−Ala−Ser−Gly−Val−Ala−Glu−Thy−Thr−Asn−Cys、β−ガラクトシダーゼおよびインターロイキン−1の163−171ペプチドのようなT細胞エピトープと思われるB型肝炎抗原(ヌクレオキャプシドタンパク質とも言われる)を含んでいる。後者の化合物は、担体として、あるいはアジュバンドとして、あるいはその両方として様々にみなされてもよい。いずれにしても、本発明の同じあるいは異なるペプチドいくつかのコピーは、お互いに架橋されてもよい。この場合、そのような分離担体は無いが、担体機能はそのような架橋により提供されてもよい。適する架橋剤はSigmaまたはPieceのカタログにおいて例えばグルタルアルデヒド、カルボジイミドおよびスクシニジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレートのような試薬を含み、(もし存在するなら)後者の試薬においてはC末端システイン残基の−SH基を利用する。
【0088】
適切な宿主中において適切なヌクレオチド配列を発現させることによってペプチドを調整した場合、そのペプチドを運搬体として働くペプチド配列との融合体生成物として発現することが有効かもしれない。Kabigenの「エコシステム」は、そのような装置の例である。
【0089】
本発明のペプチドはおそらく、2重効果をもたらす他の抗原に結合しているかもしれない。
【0090】
本発明のさらなる側面は、[配列番号:1]記載のアミノ酸配列であるポリペプチドまたはその天然変体に反応する抗体及びフィブロネクチンと反応しない抗体を生成する方法を提供する。この方法は、適切には動物をフィブロネクチンからMSFを判別するペプチドにより免疫化すること、及びMSFには結合するがフィブロネクチンに実質的には結合しない抗体を選択することを含む。適切なペプチドは上述の通り開示されている。
【0091】
本発明のさらなる側面は、フィブロネクチンに対しては反応するが、[配列番号:1]記載のアミノ酸配列のポリペプチドまたはその天然変体に対しては反応しない抗体を生成する方法を提供する。この方法は、適切にはMSFからフィブロネクチンを判別するペプチドで動物を免疫化すること及びフィブロネクチンには結合するが実質的にはMSFに結合しない抗体を選択することを含む。適切なペプチドは上述の通り開示されている。
【0092】
抗体技術の進歩により、抗体を生成するために動物を免疫化することはおそらく必要ではないことが理解されるだろう。ファージディスプレイライブラリーのような合成システムが使われても良い。そのようなシステムがこの発明の方法の範囲内に含まれる。
【0093】
本発明がなされる以前は、MSFとフィブロネクチンとが十分な構造上の違いを有することまたはそれらの相違点とは何かが知られていなかったので、MSFとフィブロネクチンとを判別するのに便利な抗体を生成するためにMSFとフィブロネクチンとのアミノ酸配列における違いを使用することは不可能であった。以下により詳しく議論されるように、そのような抗体は癌の診断に有用である。しかも、MSFとフィブロネクチンとを判別するそのような抗体が研究試薬としても有用であるということが理解されるだろう。適切には、本発明の抗体は検出可能に標識されている、例えばそれらが直接的または間接的に検出されても良いような方法で標識されて構わない。便宜上、抗体は放射活性部分または染色部分または蛍光部分によって標識されて良く、それらは酵素に結合されていても良い。典型的には、酵素は非染色(または、非蛍光)基質を染色(または、蛍光)生成物に変換することができるものである。抗体はビオチン(または、ストレプトアビジン)によって標識されて良く、放射活性部分または染色部分または蛍光部分またはそのようなもので標識されたストレプトアビジン(または、ビオチン)を使って間接的に検出されても良い。また、それらは上記のタイプの酵素に結合されていても良い。
【0094】
MSFとフィブロネクチンのアミノ酸配列に基づいて、特異的抗体を生成可能とするペプチドが生成されることが特に好ましい。
【0095】
このため、本発明のさらなる側面は、もし適切ならば動物の免疫化につづいて、[配列番号:1]の配列であるポリペプチドまたはその天然変体に対しては反応するがフィブロネクチンに対しては反応しない抗体を発現させることができる分子を提供する。
【0096】
このため、本発明のさらなる側面は、もし適切ならば動物の免疫化につづいて、フィブロネクチンに対しては反応するが[配列番号:1]の配列で表されるポリペプチドまたはその天然変体に対しては反応しない抗体を発現させることができる分子を提供する。
【0097】
この分子は、好ましくはペプチドであるが所望の抗体を発現するあらゆる分子でも良い。好ましくはペプチドであるこの分子は、技術上良く知られた方法を使って薬学的組成物として便宜的に調剤されても良い。
【0098】
上述されたペプチドは、本発明のこれらの側面の一部を形成する。
【0099】
ペプチドは、ルー等(1981)J.Org.Chem.46,3433及びここにおける引用文献として開示されるようなFmoc-polyamide法によって合成されてもよい。一時的N-アミノ基保護は9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基によって行うことができる。この高度に塩基性不安定な保護基の繰り返し開裂は、N,N‐ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンを使うことによって影響を受ける。側鎖の官能基性は、ブチルエーテル(セリン、トレオニン及びチロシンの場合)、ブチルエステル(グルタミン酸及びアスパラギン酸の場合)、ブトキシカルボニル派生物(リシン及びヒスチジンの場合)、トリチル派生物(システインの場合)、4‐メトキシ‐2,3,6‐トリメチルベンゼンスルホニル派生物(アルギニンの場合)として保護されて良い。C末端がグルタミンまたはアスパラギンであれば、側鎖アミノ酸官能規制を保護するために4‐4’‐ジメトキシベンジドリル基が使用される。固相支持体は、ジメチルアクリルイミド(バックボーンモノマー)、ビスアクリロイルエチレンジアミン(架橋体)及びアクリロイルサルコジンメチルエステル(官能性化試薬)の三種類のモノマーを成分とするポリジメチル‐アクリルアミドポリマーを基盤としている。使用されるペプチド‐樹脂間開裂可能結合試薬は、酸性不安定な4‐ヒドロキシメチル‐フェノキシアセティック酸派生物である。全てのアミノ酸派生物は、それらの前もって形成されている対称的無水物派生物として付加される。ただし、例外としてアスパラギンとグルタミンは逆転N,N‐ジシクロヘキシル‐カルボジイミド/1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール中開カップリング手法を使って付加される。全てのカップリング及び脱保護反応を、ニンヒドリン、トリニトロベンゼンスルホン酸またはイソチン試験法を使って監視する。合成の完了時において、50%の捕集剤混合物を含有する95%トリフルオロ酢酸で処理することによって側鎖保護基の付随的な除去とともに、ペプチドを樹脂支持体から開裂する。一般に使用される捕集剤は、エタンジチオール、フェノール、アニソール及び水である。それについての正確な選択は合成されるペプチド成分アミノ酸に依存している。粗製ペプチドとなるようにジエチルエーテルとともにすりつぶしたあとに、トリフルオロ酢酸を真空エバポレーションによって除去する。全ての存在する捕集剤を、水層の凍結乾燥において捕集剤の無い組成ペプチドを生成する簡単な抽出手法によって除去する。ペプチド合成のための試薬はほとんどが、Calbiochem‐Novabiochem(UK)Ltd,Nottingham NG7 2QJ,英国から利用可能である。精製は、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー及び(原理的には)逆相高性能液体クロマトグラフィーのような技術の何れか1つまたはそれらの組み合わせによって達成されても良い。ペプチドの分析は、薄層クロマトグラフィー、逆相高性能液体クロマトグラフィー、酸加水分解後のアミノ酸分析及び高速分子***(FAB)質量スペクトル分析を使用して実行しても良い。
【0100】
現在は、MSFとフィブロネクチンとを判別できるポリヌクレオチドを生成することが可能である。そのようなポリヌクレオチドは癌の診断及び予後において有効であると信じられている。
【0101】
本発明のさらなる側面は、[配列番号:1]で表される配列のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及びその天然変体及びフィブロネクチンをコードするポリヌクレオチドを判別することができるポリヌクレオチドを提供する。
【0102】
本発明のさらなる側面は、フィブロネクチンにはハイブリダイズできるが、[配列番号:1]で表される配列のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはその天然変体にはハイブリダイズできないポリヌクレオチドを提供する。
【0103】
本発明のさらなる側面は、[配列番号:1]で表される配列のポリペプチドをコードするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはその天然変体にハイブリダイズすることができるが、フィブロネクチンをコードするポリヌクレオチドにはハイブリダイズすることができないポリヌクレオチドを提供する。
【0104】
そのようなポリヌクレオチドは、図1,2,3及び4及び既知のフィブロネクチンの配列(コーンブリット等、(1985)EMBO J.4,1755‐1759)を参考にすることによって設計することができる。そのようなポリヌクレオチドは、化学合成のような良く知られた方法によってまたは特異なプライマー及びテンプレートを使ったポリメラーゼチェインリアクションのようなDNA増幅技術によって合成されても良い。ポリヌクレオチドは、前述のようなMSFとフィブロネクチンとをコードするポリヌクレオチドを判別することができるならば、DNAであろうとRNAであろうとまたはペプチド核酸のような合成核酸であろうと構わないあらゆるポリヌクレオチドで良い。このポリヌクレオチドがハイブリダイゼーションプローブとしてまたは核酸増幅システムのためのプライマーとして用いることができるオリゴヌクレオチドであれば特に好ましい。その為、本発明のこの側面のポリヌクレオチドは長さが少なくとも10ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも14ヌクレオチドそして更により好ましくは少なくとも18ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドであろう。
【0105】
このポリヌクレオチドがMSFをコードするmRNA(またはcDNA)にはハイブリダイズするが、フィブロネクチンをコードするmRNA(またはcDNA)にはハイブリダイズしないことが特に好ましい。
【0106】
このポリヌクレオチドがフィブロネクチンをコードするmRNA(またはcDNA)にはハイブリダイズするが、MSFをコードするmRNA(またはcDNA)にはハイブリダイズしないことが特に好ましい。MSFcDNAのヌクレオチド配列はここに開示されている。フィブロネクチンヌクレオチド配列は知られている(例えば、コーンブリット等、(1985)EMBO J.4,1755‐1759を参照)。当業者であれば容易に、この情報に基づいてMSFとフィブロネクチンとのmRNAとcDNAとを判別することができるプローブを設計することができる。MSFとフィブロネクチンとの違いは、MSFにおける1型IIフィブロネクチン繰り返しモジュールからの45塩基対の欠損、及びMSFに存在する独特の尾部を含む。
【0107】
好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは検出可能に標識されている。例えば、それらが直接または間接的に検出されてもよいような方法でそれらは標識されて構わない。便宜上は、ポリヌクレオチドは放射性部分または染色部分または蛍光部分またはその他の適切な検出可能な部分で標識される。ポリヌクレオチドは酵素に結合されても良い。または、それらはビオチン(または、ストレプトアビジン)に結合されて、本発明の抗体のために記載されたのと類似の方法において検出されて良い。
【0108】
本発明のさらなる側面は、癌を診断する方法を提供する。その方法は、診断されるヒト由来の試料において[配列番号:1]で表される配列のポリペプチドまたはその天然変体または断片の存在を、フィブロネクチンからそのポリペプチドを分別できる試薬を使って検出することを含む。
【0109】
本発明のさらなる側面は、癌に対する感受性を決定する方法を提供する。この方法は、試験されるヒトから得られた試料において、[配列番号:1]に表されるペプチドまたはその天然変体または断片の存在を、フィブロネクチンからそのポリペプチドを分離できる試薬を使って検出することを含む。
【0110】
本発明のさらなる側面は、癌患者に対してあり得る結果を決定する方法を提供する。その方法は患者由来の試料において、[配列番号:1]に表されるペプチドまたはその天然変体または断片の存在を、フィブロネクチンからそのポリペプチドを分離できる試薬を使って検出することを含む。
【0111】
好ましくは、フィブロネクチンからMSFを分離できる試薬はここにおいて開示されるような抗体である。試料中の特異的なポリペプチドを検出するための抗体の使用は良く知られている。例えば、それらは酵素結合免疫測定法(ELISA)において使用されて良く、またそれらは組織病理学的分析において使用されても良い。MSFの存在は癌の高い危険性を指摘していると信じられている。
【0112】
MSFは、便宜的には血清または尿のような適切な体液中において、または組織抽出物中において、または患者由来の細胞をインビボで培養するために使用された培地中において測定されても良い。
【0113】
MSFの測定は、これまでに議論されたように多くの癌において有用であると信じられている。抗体は、免疫局在化により組織切片中におけるMSFを検出するために使用されても良い。MSF生成線維芽細胞の亜細胞は、通常の成人中に存在する(アーウィン等(1994)J.CellScience107,1333‐1364;ショール等(1994)pp277‐298 Mammary Tumorigenesis and Malignant Progressionにおいて,ディクソン,R及びリップマン,M.(編集者)、1994、Kluwer Academic Publishers。
【0114】
癌に対する診断または予後、または感受性の決定においてここで記載される方法を用いて測定されるMSFポリペプチドに限らず、適切な試料中においてMSF mRNAを検出することは望ましいかもしれないし、またMSFの生成に関係するフィブロネクチン遺伝子におけるあらゆる変化を検出することも望ましいかもしれないことが理解されるだろう。MSFcDNAまたはフィブロネクチン遺伝子における突然変異は、技術的に良く知られた方法を使って検出されても良い。
【0115】
そのため、本発明のさらなる側面は、癌に対する感受性を決定する方法を提供する。この方法は、試験されるヒトから得られた試料中において、[配列番号:1]で表される配列のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはその天然変体または断片を、フィブロネクチンをコードするポリヌクレオチドからこのポリヌクレオチドを判別することができる試薬を使って検出することを含む。
【0116】
本発明のさらなる側面は、癌患者に対するあり得る結果を決定する方法を提供する。この方法は、患者由来の試料中において、[配列番号:1]で表される配列のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはその天然変体または断片を、フィブロネクチンをコードするポリヌクレオチドからこのポリヌクレオチドを判別することができる試薬を使って検出することを含む。
【0117】
好ましくは、フィブロネクチンをコードするポリヌクレオチドからMSFをコードするポリヌクレオチドを判別することができる試薬は、ここに開示されるような適切なポリヌクレオチドである。試料中の特異的核酸を検出する方法は学術的に良く知られている。例えば、mRNAを検出するin situハイブリダイゼーション法を使っても良く、ノーザンブロット法を使っても良い。ドットブロット、スロットブロット及びサザンブロットを使用しても良い。
【0118】
このため、上述の方法において使用された試薬は、癌の診断のための試薬の製造において使用されても構わない。
【0119】
(特に、MSFまたはMSFをコードする核酸を認識するが、フィブロネクチンまたはフィブロネクチンをコードする核酸は認識しない)MSFとフィブロネクチンとを判別できる本発明の抗体及びポリヌクレオチドは、前述の抗体またはポリヌクレオチド及びその抗体またはポリヌクレオチドを標識するための手段のような他の試薬を含有する診断キットに有効に実装できる。
【0120】
本発明は例えば化学防御及び薬物療法といった多くの診療への応用を含む。
【0121】
化学防御は、不適切なMSF生産による癌の危険があると思われる個体における、MSF活性及び/または不適切なMSF発現の抑制の中和を含む。しかも、MSFの阻害因子を投与することも望ましい。MSFに対する抗体は、阻害因子として働いても良い。
【0122】
薬物療法は、不適切なMSF生産部位に結合するサイトトキシンを標的とするための抗MSF抗体の使用と、上述のようなMSF阻害因子の使用とを含む。
【0123】
抗体標的サイトトキシンは学術的に良く知られている。それは、リシンまたは毒薬のような直接的細胞毒性部分に結合された抗体、非毒性プロドラッグから毒性ドラッグに変化できる酵素のような間接的細胞毒性部分に結合された抗体とを含む。後者の場合、抗体結合酵素に加えてプロドラッグが患者に投与されても良い。
【0124】
傷の体液中のMSFを測定することは、この情報を瘢痕の予想を含むその後の治療過程の効用を予測する条件と関連させても良いので有用である。傷の体液中のMSFの量は、例えば本発明のMSF選択的抗体を使って、測定されても良い。
【0125】
MSFの不適切な発現は、慢性関節リュウマチのような炎症に特徴づけられるいくつかの病理学的な条件の特徴かもしれない。例えば関節液等の関連する体液中におけるMSFの測定は、診療的には有用であるかもしれない。この文脈において関連する他の病理学的条件は、繊維症及び歯周病を含む。
【0126】
MSFは、細胞、特に線維芽細胞の遊走に関係していると信じられている。特に、細胞の遊走は創傷内において起こるのであろう。
【0127】
そのため、本発明のさらなる側面は、細胞遊走を調節する方法を提供する。この方法は、本発明のポリペプチドの効果的な量を細胞遊走の調節が必要とされている部位に投与することを含む。
【0128】
典型的には、遊走が調節されている細胞は線維芽細胞である。典型的には、MSFは、線維芽細胞のような細胞の遊走を刺激する。好ましくは、細胞遊走の調節が必要とされている部位は、ウマ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ及びそのようなものの体のような哺乳類の体内である。最も好ましくは、その部位はヒトの体内である。体内の部位は創傷部位であれば好ましい。
【0129】
本発明のさらなる側面は、創傷を治療する方法を提供する。この方法は、創傷の局所に本発明のポリペプチドの効果的な量を投与することを含む。
【0130】
本発明は、瘢痕が生じ得ると思われる局所的部位にここにおいて記載されたようなMSFポリペプチドまたは適切な断片または変体の効果的な量を投与することによって、瘢痕となることを防ぐ方法を提供する。瘢痕となることを防ぐことまたは低下させることは、創傷治癒過程の一部となるだろう。ここにおいて記載されるようなMSFポリペプチドまたは適切な断片または変体は、それがヒアルロン酸形成を低下させるので、瘢痕となることを防ぐことまたは低下させることにおいて有用であると信じられている。
【0131】
投与されたペプチドが真核生物宿主において発現された組み換えポリペプチドであれば好ましい。
【0132】
MSFポリペプチドは、あらゆる適切な手段により細胞遊走部位または創傷治癒部位に投与されて良い。便宜的には、ポリペプチドは局所的に投与される。ペプチドがコラーゲンメッシュのような用いられる包帯に取りこまれているならば特に好ましい。
【0133】
本発明のポリペプチドの組み込みに適切な包帯は、学術的に良く知られている。その多くは商業的に利用可能である。
【0134】
他の調剤は、MSFの局所的な使用のために作成された軟膏、ペースト、ゲル及びクリーム(または同様のもの)への組込みを含むだろう。
【0135】
調剤は、便宜的には単位投与形態においてであって良いし、製剤業の技術分野において良く知られたあらゆる方法によって調整されても良い。そのような方法は、活性成分(本発明のポリペプチド)を一つまたはそれ以上の補助成分からなる運搬体と関連付けるステップを含む。一般的に調剤は、活性成分を液体運搬体または微細に分割された固体運搬体またはその両方と一律にかつ個人的に関連付け、最終的に必要ならば生成物を成形することによって調整される。
【0136】
経口投与に適した本発明に従った調剤は、カプセル、カシェットまたはタブレットのような断続的単位として出されるかもしれない。そのそれぞれは、予め決められた量の活性試薬を、粉末または顆粒として、または水生液体または非水溶性液体中の溶液または懸濁液として、またはoil‐in‐water液体乳化物またはwater‐in‐oil液体乳化物として含有する。活性成分は、巨丸剤、舐剤またはペーストとしてであっても良い。
【0137】
口内の局所投与に適した調剤は、通常スクロース及びアカシアまたはトラガカンスといった香料ベース中に活性成分を含むロゼンジ、ゼラチン及びグリセリンまたはスクロースまたはアカシアのような不活性ベース中に活性成分を含むトローチ及び適切な液体運搬対中に活性成分を含むうがい薬を含む。
【0138】
特に上述された成分に加えて、本発明の調剤は、疑義あるも調剤のタイプに関連する技術分野において従来からある他の試薬を含んでも良い。例えば経口投与に適したそれらの試薬は香味試薬を含んでも良い。
【0139】
遺伝子治療技術への応用には、MSF発現を操作する手段を提供するかもしれない。
【0140】
本発明のポリペプチドのあらゆる適切な量が投与されても良い。「適切な量」という言葉によって、我々は所望の生物学的応答を与え、かつ毒性またはそのようなあらゆる甚大な好ましくない効果を導くことの無い量を含めている。例えば1μg未満といった少量のMSFが効果的かもしれない。皮膚の創傷のような特定の創傷が、本発明の方法によって治療されるならば好ましい。
【0141】
本発明は、以下の図及び実施例を参照することにより更に詳細に記述されるであろう。
ここにおいて、図1,2は、MSFcDNAを含有するクローンpMSF1α中への挿入2.1kb全ヌクレオチド配列を示している。開始及び終止コドンに下線が引かれている。
【0142】
図3,4には、図1,2に示されるcDNA配列の翻訳とフィブロネクチンのゼラチン結合ドメインの配列を有するペプチド配列が配置されている。MSFの開始と終結部位は、垂直線と矢印によって特定されている。
【0143】
図5は、そのドメインにかかるMSF(pMSF1αクローン中にコードされるような)ペプチド配列を示す。pMSF1αの配列は、そのドメイン(コーンブリット等(1985)ENBOJ.4,1755‐1759からフィブロネクチンの分析を参照されたい)に関してグループ化されて示されている。残基は番号づけられてまたギャップ(^によって示される)の導入により相同性を最大化するために並べ替えられた。相同型内の相同残基はボックス(A)で表されている。終止コドンはアスタリスク(*)によって表されている。欠失アミノ酸は点線(‐)によって表されている。IGDS配列には下線が引かれている。
【0144】
図6は、フィブロネクチンとMSFの図による比較を示している。
【0145】
図7は、ドメイン内のIGD含有配列(すなわち、IGDT,IGDS及びIGDQ)部位を示している図によるMSFのモデルを示している。
【0146】
例1:MSFをコードするクローンであるpMSF1αのクローニング及び配列分析
cDNAライブラリーを、ヒト胎児線維芽細胞セルラインであるMRC5‐SV2から抽出されたmRNAを使って、ベクターガンマZapII中に構築した。
【0147】
1.2kbの断片を増幅するためのポリメラーゼチェインリアクション(PCR)において、フィブロネクチンのゼラチン結合ドメイン(GBD)由来のペプチド配列に基づいたプライマーを、ベクタープライマーとともに使用した。配列分析によると、ほとんどの断片に対してGBDに対する強い相同性を示した。明らかな相違には45塩基対の内部欠損及び175塩基対の3’末端の独特の配列を含む。
【0148】
3’ユニーク配列は、ジゴキシゲニン標識システムを使った、ライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして使用された。クローンされた挿入部位を含有するpBluescript(商標)ファージミドのインビボでの切り出し後に、陽性溶菌斑が第2及び第3のスクリーニングのために採取された。
【0149】
pMSF1αと名づけられた2.1kbの挿入を有するプラスミドが、先進プライミングアプローチを使ったサンガージオキシ法によって配列決定された。その配列は、Daresbury/SeqnetシリーズプログラムのFragment Assembly Systemを使って、単一の内容に組み立てられた。
【0150】
2.1kb断片の全ヌクレオチド配列を図1,2に示す。
【0151】
フィブロネクチンのゲラチン結合ドメインの配列を有するペプチド配列のこの配列及び配置の翻訳は、Fastaプログラム(Daresbury/Seqnet)を使って完成され、図3,4に示されている。
【0152】
図5は、そのドメインに関してグループ化されたpMSF1αのペプチド配列を示している。
【0153】
MSFをコードする他のcDNAクローンは、容易に手に入るだろうし、また技術的に良く知られた方法及び図1,2の配列から得られるプローブ、特にフィブロネクチンからMSFを判別するプローブを使って配列決定されるだろう。
【0154】
例2:通常の胸部細胞ではなく、乳癌の断片中のMSF分泌線維芽細胞の存在の実証
MSFの独特のC末端に対する独特のコーディング領域に基づいたリボプローブを使ったin situハイブリダイゼーションが、通常の胸部細胞ではなく、乳癌の断片中のMSF分泌線維芽細胞の存在を実証した。
【0155】
適切なリボプローブは、MSF1α(部位1953‐2147)の独特な全ヌクレオチド配列を含有し、それは10塩基上流までは含有していても良いしかつフィブロネクチン配列(部位1943‐2152)の内に含まれる。これは、より長いプローブの使用を可能にするにもかかわらず、MSF1αにたいする高い特異性を確実なものとする。独特の配列(部位1974‐2147)の主要部分を含有するジゴキセゲニン標識されたリボプローブが使用される。この領域は、便利な制限部位の部位に基づいて選択される。
【0156】
例3:MSFに特異的であるがフィブロネクチンと交差反応することは無いモノクローナル抗体
現在利用可能な標準的な方法のいくつかを使用して、モノクローナル抗体を引き出した。その免疫原は、MSFの10アミノ酸の独特なテイルに基づく合成ペプチドまたは[配列番号:2]ISKYILRWRPVSIPPRNLGYまたは[配列番号:3]QQWERTYLGNALVCTCYGGSRまたは[配列番号:4]EPCVLPFTYNDRTDSTTSNYEQDQまたは[配列番号:5]CTDHTVLVQTRGGNSNGALCHまたは[配列番号:6]VGNGRGEWTCIAYSQLRDQCIで表されるペプチド配列に基づくものである。
【0157】
例4:ゲノムPCR及びFISH研究
目的:(i)フィブロネクチンとの関係、及び(ii)染色体上の配座に関係
するゲノムMSF遺伝子配列に間する情報を得ること。
【0158】
背景:クローンされたMSFcDNAの5’上流非翻訳配列はフィブロネクチンと相同的である。それはフィブロネクチン遺伝子との緊密な関係を強く主張する(注記:選択圧が無いので、上流非翻訳領域などは2つの遺伝子間で相同であることは実質的にあり得ない。この推論は、10アミノ酸をコードするMSFcDNAの3’末端の「独特性」と明らかに衝突するし、いくつかの停止コドンを含有する隣接する非翻訳領域を有する。)
【0159】
方法及び結果:2つのPCR反応が確立された:一つは、フィブロネクチン(FN)/MSFの末端5’非翻訳領域におけるものであり、他方は175塩基対の独特の配列を方向付けたMSFの末端3’領域におけるものである。Qiagen血液キットを使用して精製されたDNAを使って反応を行った。結果として得られたアプリコンの配列分析は、175塩基対の「独特」の配列がフィブロネクチン配列と隣接しているということを明らかにした。
【0160】
3’末端の独特の配列のゲノムにおける位置に関する初期情報を得るために、実験を行った。上述の2PCRアプローチを使ってヒトPACライブラリー(HGMPから得られた)由来のクローンを選択することによってこの実験を行った。両PCR反応から生成物の生成において、第2及び第3のスクリーニングにより同定を行った。このクローンはほぼ70から110kbのサイズであった。
【0161】
単離されたクローンは次に制限分解の対象とされた(BamHI及びKpnIにより)。その断片をpBluescript中にサブクローンし、我々の2PCRアプローチを使って分析した。2つの陽性クローンが同定された:クローンB3(2)は20kbであり、5’及び3’末端フラグメントの両方を生成できる。これによって、それが全MSF遺伝子配列を含むものであるということを示している。その他のクローンであるK5(5)は7kbであり、3’末端の独特の配列を含むのみである。
【0162】
我々は、ヒトゲノムのFISH分析において両クローンを使ってきた。我々のデータは、明らかにMSFが第2染色体の領域q35にマッピングされることを示している。注記:これは、第2染色体q34から36に座位するフィブロネクチン遺伝子内に有している。
【0163】
結果:FISH分析は、明らかにMSFの独特の配列をコードする遺伝子がフィブロネクチン遺伝子内に含まれていることを示している。これらの結果は、MSFがフィブロネクチンの新規な小さなスプライシング変体であることを示している。ゲノムフィブロネクチン遺伝子はとても大きく、かつまだ十分には配列決定されていない。我々が知る限りでは、これはこの独特の配列に関する最初のレポートである。これまでに同定されたすべてのフィブロネクチンのアイソフォーム(それらはMSFにおける70kDaに対して220kDa以上である)における独特の配列の不存在は、それがそれらの分子からスプライシングされたものであることを示している。
【0164】
この情報はいくつかの理由に関連している。第1に、これまでに記載されたフィブロネクチンの全てのスプライスされた変体は、たった70kDaの分子量のMSFに対して220kDaの範囲の分子量を有している。この小さなサイズは、全体として予想外であり、我々にMSFをフィブロネクチンの新規なミニスプライス変体と思われる。第2に、全ての既知のフィブロネクチンのスプライス変体は、IIICS領域の可変領域または全3型繰り返しの(あらゆる既知のスプライス部位を含まないMSFの終端の相当離れた下流において起こる全ての)含有/欠損に関係している。最後に、MSFの3’末端配列は同定されていないので、上記情報がゲノムDNAから得られるまではMSFが本当にフィブロネクチンのスプライス変体であることを予測することは不可能であった。
【0165】
例5:組換えMSF発現
目的:3T3細胞において組換えヒトMSF(rhMSF)を発現すること
【0166】
方法及び結果:Lipfectamine/Plusシステム(Gibco)を製造による説明書に基いて使用して、3T3細胞を形質転換した。使用されたプラスミドはpcDNA3.1/hisB/lacZである。融合タンパク質がhisテイルとともに発現されるように、挿入配列はヒトMSFcDNA配列に融合されたhisテイルをコードする配列を含んでいた。これは、発現タンパク質の精製を促進した。形質転換体は、418を含有する培地中においてそれらの選択成長により単離された。形質転換体によって生成された1リットルの調整培地を回収した。遊走刺激活性を有する全ての断片が、0−20%硫酸アンモニウム沈殿を行うことによって得られた。そのペレットを緩衝溶液中に再懸濁した。his標識されたrhMSFは、ProBondcolumn(Invitrogen)カラムを通して精製された。それら全ては、製造者による説明書に基いて行われた。ほぼ250μグラムのrhMSFが初期物質から回収された。その精製されたタンパク質はSDSPAGEにおいてほぼ70kDaの位置に一本のバンドとなった。このタンパク質は、標的の成人の線維芽細胞の遊走を刺激し、1pg/mlから10ng/mlの濃度範囲において活性であった(すなわち、胎児線維芽細胞調整培地から精製されたMSFの投与応答に関するこれまでに出版された情報との正確な一致において)。
【0167】
例6:坑MSF抗体生成物
目的:MSFに対するポリクローナル抗体を生成すること
【0168】
方法:MSFのC末端に基いた15マーの合成ペプチドで、ウサギを免疫化した:注記:これは全部で10アミノ酸の独特の配列と隣接するフィブロネクチンの5アミノ配列とを含んでいる。この合成ペプチドはキーホールツタノハガイヘモシアニン(KLH)運搬体に共有結合されており、以下の手法で2匹のウサギを免疫化するのに使われた:10mgの第1の注射から3週間後に、5mgの第2の注射をした。第1の注射から6週間後に血清が回収された。生成されたIgGがドット及びウェスタンブロットの両方において合成ペプチドを認識するために示された。
【0169】
結果:我々は、ウェスタンブロット及び免疫組織化学の両方に対して抗体を使用した。前者の利用は、(1)抗体によってrhMSFが認識されることが確かめ、(2)成人ではなく胎児の線維芽細胞が抗体によって認識されかつPAGEゲルからの流出時に遊走刺激活性を発現する70kDaの分子を生産することを実証した。
【0170】
10アミノ酸の「独特」のMSFC末端配列を組み込んでいる合成ペプチドに対して、ポリクローナル坑体が生成された。この抗体はその独特の合成ペプチド(5ng以下)及びドットブロットにおいてMSF(10ng以下)を認識する。したがって、それは4μgまでの濃度ではフィブロネクチン又はBSAを認識しない。この抗体は、MSFの組織分布を調べるために使用された。これらの実験は、MSFが胎児の皮膚の基質において存在するが成人の皮膚においては検出できないことを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の遺伝子配列を示す図である。
【図2】 図1に示す遺伝子配列の続きを示す図である。
【図3】 MSF−1αとフィブロネクチンのペプチド配列を示す図である。
【図4】 図3に示すMSF−1αとフィブロネクチンのペプチド配列の続きを示す図である。
【図5】 ドメイン内のIGD含有配列(すなわち、IGDT,IGDS及びIGDQ)部位を示す図である。
【図6】 ドメイン内のIGD含有配列(すなわち、IGDT,IGDS及びIGDQ)部位を示す図である。
【図7】 ドメイン内のIGD含有配列(すなわち、IGDT,IGDS及びIGDQ)部位を示す図である。
【配列表】
Claims (20)
- 請求項1又は2に記載の前記ポリペプチド及び他のポリペプチドの融合体をコードする組換ポリヌクレオチド。
- 配列番号12に示す配列のポリヌクレオチドを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記ポリヌクレオチドを含む複製可能なベクター。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記組換ポリヌクレオチドまたは請求項6に記載の前記複製可能なベクターを含む宿主細胞。
- 請求項1又は2に記載の前記ポリペプチド、又は前記ポリペプチド及び他のポリペプチドの融合体の生成方法であって、前記ポリペプチド又は前記融合体を発現する請求項7に記載の前記宿主細胞を培養すること、及び前記宿主細胞の培養物から前記ポリペプチド又は前記融合体を単離することを含む方法。
- 請求項9又は10に記載の前記ポリペプチド及び他のポリペプチドの融合体。
- ペプチドISKYILRWRPVSIPPRNLGYに特異的な抗体。
- モノクローナル抗体である請求項12に記載の抗体。
- ペプチドISKYILRWRPVSIPPRNLGYを含む分子。
- ペプチド配列VSIPPRNLGYをコードするポリヌクレオチド配列と相補的なポリヌクレオチド。
- 前記ポリヌクレオチドはオリゴヌクレオチドである請求項15に記載のポリヌクレオチド。
- 乳癌の診断のための試薬の製造における、ペプチドISKYILRWRPVSIPPRNLGYに特異的な抗体又はペプチド配列VSIPPRNLGYをコードするポリヌクレオチドの使用。
- 乳癌の診断のための試薬の製造における請求項15又は16に記載のポリヌクレオチドの使用。
- 細胞遊走を調節するための試薬の製造における請求項9〜11のいずれか一項に記載のポリペプチドの使用。
- 請求項9〜11のいずれか一項に記載の医薬用ポリペプチド。
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