JP5097336B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感温性粘着剤層を有する粘着シートを用いる積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサは、通常、セラミックの粉末とバインダーと溶剤の混合物を成形して得たセラミックグリーンシートに所定の内部電極を印刷し、これを台座上にシートを介して積層・圧着し(積層工程)、ついで得られた積層体をチップ状に切断し(切断工程)、この切断片をシートから剥離させて(剥離工程)、焼成し、最後に切断片の端面に外部電極を形成して製造されている。
上記積層工程では、積層時にセラミックグリーンシートが変形したり、ずれたりするのを防ぐために台座表面に使用するシートは高弾性率であることが必要となる。このため、台座の表面には、従来から紙、離型フィルム等が使用されている。一方、積層工程後の切断工程では、切断された切断片が飛散しないように積層体が台座にしっかりと固定されていることが必要である。このため切断工程では、粘着シートを用いて積層体を台座上に固定している。このように積層工程と切断工程とでは、台座表面のシートが異なり、両工程で1つのシートを共通して使用することはできなかった。
さらに、切断片をシートから剥離させるために、剥離工程では粘着シートの粘着力を低下させる必要がある。このため、特許文献1、2では、台座上に感圧性粘着シートで積層体を固定し、切断後、剥離工程で感圧性粘着シートの粘着力を低下させるために、感圧性粘着シートの粘着剤層に発泡剤を含有させることが提案されている。すなわち、切断片を粘着シートから剥離させる場合には、粘着シートの発泡処理を行って、粘着シートの粘着力を低下させる。
しかしながら、感圧性粘着シートを使用する場合、特に発泡剤を含有した感圧性粘着シートは、粘着剤層がかなりの厚さを有するため、当該粘着剤層がクッション材の役目を果たし、積層時にセラミックグリーンシートの変形、ずれを防ぐことが困難である。従って、感圧性粘着シートを積層工程から剥離工程まで一貫して使用することは困難であった。
一方、特許文献3,4には、セラミック電子部品用生シートの仮止め粘着シートとして、側鎖結晶化可能ポリマーを含有する感温性粘着剤層が基材フィルムの片面もしくは両面に設けられた粘着シートが記載されている。
この粘着シートは、該粘着剤層が側鎖結晶化可能ポリマーを含有しているために、切断工程から剥離工程において積層体を粘着シート上に載置し、前記ポリマーを加熱することにより粘着力が発現する。従って切断時に切断片が飛散したり、ずれたりすることなく、積層体を台座に固定することができるようになる。しかも切断後は冷却することにより、粘着剤層は非粘着性になるので、剥離工程が容易になる。
しかしながら、積層工程から剥離工程まで一貫して使用する場合、冷却により粘着剤層の粘着力は低下するが、積層時の圧力の影響でいわゆるアンカー効果により粘着剤層に切断片はいくらかの強度で固定されている。特に、近時は、積層セラミックコンデンサの薄型化、小型化が著しく、例えば1.0mm×0.5mm、0.6mm×0.3mm、0.4mm×0.2mmという微小チップも製造されている。このように微小化チップは、アンカー効果のために剥離するのが容易でない。
特許第2613389号公報 特許第2970963号公報 特開平9−251923号公報 特開2003−183608号公報
本発明の課題は、積層工程から剥離工程まで共通に使用することができる粘着シートを用いる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、融点以下で結晶化する側鎖結晶性ポリマーを含有する感温性粘着剤層に発泡剤を含有させた粘着シートを用いることにより、例えば積層セラミックコンデンサの製造において、(a)積層工程では前記側鎖結晶性ポリマーが結晶状態で、粘着シート上にセラミックグリーンシートを積層することができ、(b)切断工程では粘着シートを加熱して粘着性を高めて上記グリーンシートの積層体を粘着シート上に固定することができ、(c)剥離工程では粘着シートをさらに加熱して発泡剤を発泡させ、この状態で融点以下に冷却させるので、粘着シートのアンカー効果を低減して切断片を剥離することができるという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、融点以下で結晶化する側鎖結晶性ポリマーと発泡剤とを含有する感温性粘着剤層を基材フィルムの少なくとも片面に設けた粘着シートにおける感温性粘着剤層の表面に、前記側鎖結晶性ポリマーが融点以下の結晶化状態でセラミック成形シートを積層して積層体を得る工程と、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上に前記粘着シートを加熱して前記粘着剤層の粘着力を発現させ、この状態で前記積層体を切断して切断片を得る工程と、切断後、前記粘着シートをさらに加熱して前記側鎖結晶性ポリマーの融点よりも20℃以上高い温度で前記発泡剤を発泡させる工程と、発泡した前記粘着シートを融点以下に冷却して結晶化させ、該粘着シートから前記切断片を剥離させる工程とを含み、前記粘着シートが、融点以下で結晶化する側鎖結晶性ポリマーと、この側鎖結晶性ポリマーの融点よりも20℃以上高い温度で発泡する発泡剤とを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以下において弾性率が1×10 7 2×10 8 Paである感温性粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けたものであることを特徴とする。
本発明の粘着シートは、融点以下で結晶化する側鎖結晶性ポリマーを含有する感温性粘着剤層に発泡剤を含有しているので、例えば積層セラミックコンデンサの製造において、
(a) 積層工程では前記側鎖結晶性ポリマーを融点以下の硬質で高弾性率である結晶状態にすると、粘着シート上にセラミックグリーンシートをズレや変形なく積層することができ、
(b)切断工程では粘着シートを加熱して粘着性を高めて上記グリーンシートの積層体を強固に固定することができ、
(c)剥離工程では粘着シートをさらに加熱して発泡剤を発泡させ、この状態で融点以下に冷却させるので、粘着シートのアンカー効果を低減して、簡単に切断片を剥離することができる。
従って、本発明の粘着シートは、積層工程から剥離工程まで共通に使用することができるので、積層セラミック電子部品の生産性が向上するという効果がある。
以下、本発明の粘着シートを積層セラミックコンデンサの製造に適用する場合を例にあげて詳細に説明する。この粘着シートは、融点以下で結晶化する側鎖結晶性ポリマーと発泡剤とを含有する感温性粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けたものである。
上記基材フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムの単層体またはこれらの複層体からなる厚さが5〜500μmのシートなどがあげられる。
基材フィルムの表面には、粘着剤層に対する密着性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等を施してもよい。
この基材フィルムの少なくとも片面に感温性粘着剤層が塗布される。本発明における感温性粘着剤層とは、温度変化に対応して流動状態と結晶状態を可逆的に起こす粘着剤層をいう。
本発明の場合、前記感温性粘着剤層に含有される側鎖結晶性ポリマーが融点以下では結晶化して、高弾性率になり、融点を超えると粘着性を示すようになる性質を有する。
具体的には、前記側鎖結晶性ポリマーは融点が30〜70℃であるのがよい。融点がこの範囲であると、室温下で結晶化しているので、積層工程が容易になる。
感温性粘着剤層には、側鎖結晶化可能ポリマーが、該粘着剤層を設定温度以下の温度ではほぼ非粘着性に、またそれより上の温度では粘着性にする特性を示すのに十分な量だけ存在するものである。
上記設定温度は、グリーンシート積層体の切断時の温度等によって変更することができる。例えば、30℃以下の温度ではほぼ非粘着性にまたそれより上の温度では粘着性になるように、40℃以下の温度ではほぼ非粘着性にまたそれより上の温度では粘着性になるように、あるいは50℃以下の温度ではほぼ非粘着性に、またそれより上の温度では粘着性になるようにしてもよい。これら温度の変更は、以下に示すようにポリマー構造、接着剤層の処方等を変えることによって任意に行うことができる。
本発明において「融点」とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていたポリマーの特定部分が無秩序状態となる温度をいう。本発明における融点は、示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定される。
前記側鎖結晶性ポリマーの具体例としては、炭素数16以上、好ましくは炭素数16〜22の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル30〜80重量部と、炭素数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル20〜70重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる重合体であるのがよい。
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(以下、(メタ)アクリレートともいう)としては、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートがあげられる。極性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体などが用いられる。
前記重合体の重量平均分子量は30万〜100万であるのがよい。前記重合体の重量平均分子量が30万未満であると、凝集力不足により積層体の切断工程においてカット精度が悪くなるおそれがある。また、前記重合体の重量平均分子量が100万より上であると、溶液粘度が高くなり塗工が困難になるおそれがある。なお、前記重量平均分子量は、前記重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
また、上記感温性粘着剤層の凝集力を上げるために、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としてはイソシアネート系化合物・アジリジン系化合物・エポキシ系化合物・金属キレート系化合物等が挙げられる。また、感温性粘着剤層には、必要に応じて可塑剤、タッキファイヤー、フィラー等のような任意の成分を添加することができる。タッキファイヤーとしては、特殊ロジンエステル系、テルペンフェノール系、石油樹脂系、高水酸基価ロジンエステル系、水素添加ロジンエステル系等があげられる。
さらに融点以下の結晶状態で、積層体の最下層がよりよく密着するためにアクリル系、ゴム系の一般的な感圧性粘着剤を少量添加しても良い。
上記感温性粘着剤層には、側鎖結晶性ポリマーと共に、発泡剤が含有される。この発泡剤は、側鎖結晶性ポリマーの融点よりも20℃以上高い温度で発泡するものである。好ましくは90〜170℃で発泡する発泡剤を使用するのがよい。発泡剤の発泡温度と側鎖結晶性ポリマーとの融点の差が20℃未満であると、例えば切断工程において発泡剤が発泡して、感温性粘着剤層の粘着力を低下させるおそれがある。また塗工乾燥時に発泡するおそれがある。
このような発泡剤としては、熱膨張微性粒子、アゾ系化合物やヒドラジン系化合物、トリアゾール系化合物に代表される有機系発泡剤、炭酸水素ナトリウム等の分解型無機系発泡剤等があげられ、好ましくは低沸点物質(低沸点炭化水素など)を内包したポリマー殻で生成された熱膨張性マイクロスフェアーが例示される。また、発泡剤は感温性粘着剤層中に2〜50重量%、好ましくは2〜30重量%含有される。発泡剤の含有量がこの範囲より少ない場合は、アンカー効果が残存するため、剥離工程における粘着力の低下が十分でないおそれがある。一方、発泡剤の含有量が前記範囲を超えると、発泡剤が多すぎるために、積層時のずれが生じたり切断時の粘着力が劣るなどの問題が生じるおそれがある。発泡剤は平均粒径が5〜50μmであるのが適当である。
感温性粘着剤層を基材フィルムに設けるには、一般的にはナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーターなどが多く用いられる。また、塗工厚みや材料の粘度によっては、グラビアコーター、ロッドコーターにより行うことができる。感温性粘着剤層の厚さは、使用する発泡剤の粒径を考慮して10〜100μmであるのがよい。
前記感温性粘着剤層は、側鎖結晶性ポリマーの融点以下において、弾性率が1×106〜1×109Paであるのが好ましい。弾性率が1×106Pa未満の場合には、凝集力が劣るため、グリーンシートの積層時にシートの変形やズレが生じ、積層倒れなどが発生しやすくなる。一方、弾性率が1×109Paを超えることは本発明ではあり得ない。
また、前記感温性粘着剤層は、側鎖結晶性ポリマーの融点を超える温度において、接着力が20g/25mm〜500g/25mmであるのがよい。接着力が20g/25mm未満であると、粘着剤層の粘着性が低下するため、積層体を切断刃で切断する際に固定力不足のため切断片が飛散するなどのおそれがある。また、500g/25mmを超えると、剥離工程において発泡不足により剥がれないおそれがある。
次に、本発明の粘着シートを用いて積層セラミックコンデンサを製造する方法を図面に基づいて説明する。図1は本発明にかかる積層セラミックコンデンサを製造方法の一実施形態を示す概略説明図である。
まず、セラミック粉末のスラリーをドクターブレードで薄く延ばしてセラミックのグリーンシートを形成し、該グリーンシートの表面に電極を印刷する。次に、図1(a)に示すように、台座1上に本発明の粘着シート2を介して複数のグリーンシートを積層してグリーンシートの積層体3を形成する。このとき、粘着シート2の温度は、前記側鎖結晶性ポリマーが融点以下の結晶化状態であるのがよい。
次に、粘着シート2を融点以上に加熱して積層体3を台座1上に接着固定する。加熱は、例えば積層体3に熱源(ヒータ板)を密着させて加熱するか、あるいは台座1ごと熱雰囲気中に置くなどして行なう。加熱温度は、融点以上の比較的高い温度(例えば50〜80℃)であるのがよく、これにより積層体3は粘着シート2の粘着剤層に良好に粘着する。
固定後、積層体3を熱圧着し(図1に矢印Aで示す)、ついで切断する。図1(b)に示すように、切断は切断刃4による押し切りでもよく、回転刃による切断であってもよい。切断の際に、生シートが切断刃4に押されて横方向へ移動するのを、粘着シート2によって抑えることができる。このようにして複数の切断片5(チップ)を形成する。
次に、粘着シート2をさらに加熱して、粘着剤層中の側鎖結晶性ポリマーの融点よりも20℃以上高い温度で前記発泡剤を発泡させ、ついで粘着シート2を室温(具体的には側鎖結晶性ポリマーの融点以下)まで冷却し、粘着シート2の粘着剤層を非粘着性にする。この状態で切断片5を粘着シート2から取り出し、その後、切断片5を仮焼成工程、本焼成工程へ送って焼成し、端面に外部電極を形成してチップ形の積層セラミックコンデンサが得られる。粘着シート2を冷却する際には自然放冷で剥離可能である。
なお、上記では基材フィルムの片面に感温性粘着剤層を設けて粘着シートを構成したが、基材フィルムの他方の面にも粘着剤層を設けて両面粘着シートとして使用してもよい。この場合、基材フィルムの他方の面に積層される第2の粘着剤層としては、(1)市販の感圧接着剤層、(2)市販の感圧接着剤と本発明で使用する側鎖結晶性ポリマーおよび発泡剤との混合物からなる粘着剤層、あるいは(3)本発明で使用する感温性粘着剤層などを使用することができる。
感圧接着剤としては、例えば天然ゴム接着剤;合成ゴム接着剤;スチレン/ブタジエンラテックスベース接着剤;ブロック共重合体型の熱可塑性ゴム;ブチルゴム;ポリイソブチレン;アクリル接着剤;ビニルエーテルの共重合体などがあげられる。
上記ではセラミック電子部品として積層セラミックコンデンサの製造について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクター、抵抗器、フェライト、センサー素子、サーミスタ、バリスタ、圧電セラミック等のセラミック電子部品の製造にも同様にして適用可能である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の粘着シートを詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
下記の実施例および比較例で使用した共重合体は、以下の合成例1〜4で得た4種類である。
(合成例1)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を45部、アクリル酸ブチル(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.5部の割合で酢酸エチル230部に混合し、55℃で4時間撹拌後、80℃に昇温し、ついで、パーへキシルPV(日本油脂社製)を0.5部添加し、2時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は59万、融点は46℃であった。
(合成例2)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を45部、アクリル酸メチル(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.2部の割合で酢酸エチル230部に混合し、55℃で4時間撹拌後、80℃に昇温し、ついで、パーへキシルPV(日本油脂社製)を0.5部添加し、2時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は63万、融点は57℃であった。
(合成例3)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を20部、ステアリルアクリレート(日本油脂社製)を55部、アクリル酸メチル(日本触媒社製)を20部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.2部の割合で酢酸エチル230部に混合し、55℃で4時間撹拌後、80℃に昇温し、ついで、パーへキシルPV(日本油脂社製)を0.5部添加し、2時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は57万、融点は49℃であった。
(合成例4)
アクリル酸ブチル(日本触媒社製)を45部、アクリル酸2−エチルへキシル(日本触媒社製)を50部、アクリル酸を5部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.5部の割合で酢酸エチル230部に混合し、55℃で4時間撹拌後、80℃に昇温し、ついで、パーへキシルPV(日本油脂社製)を0.5部添加し、2時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は66万であった。
合成例1〜4の共重合体を表1に示す。
Figure 0005097336
前記合成例1で得られた共重合体を、酢酸エチルを用いて固形分が30%になるように共重合体溶液を調製した。ついで、この共重合体溶液に、架橋剤としてアジリジン化合物(日本触媒社製のPZ-33)を前記共重合体100部に対して0.3重量%添加した。さらに発泡剤として熱膨張性マイクロスフェアー(EXPANCEL社製の「009DU80」、発泡温度:170℃、平均粒径:20μm)を固形分総量に対して10重量%となるように添加して感温性粘着剤組成物を得た。この感温性粘着剤組成物を基材フィルム(厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に塗布、乾燥させて厚さ40μmの感温性粘着剤層を形成した。
合成例1で得られた共重合体に代えて、合成例2で得られた共重合体を用い、架橋剤量を固形分総量に対して0.5重量%とし、かつ発泡剤量を固形分総量に対して20重量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
合成例1で得られた共重合体に代えて、合成例3で得られた共重合体を用い、架橋剤量を固形分総量に対して0.4重量%とし、かつ発泡剤量を固形分総量に対して15重量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
[比較例1]
合成例1で得られた共重合体に代えて、前記合成例2で得られた共重合体を用い、架橋剤量を固形分総量に対して0.5重量%とし、かつ発泡剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
[比較例2]
合成例1で得られた共重合体に代えて、前記合成例4で得られた共重合体を用い、架橋剤量を0.5重量%とし、かつ発泡剤量を固形分総量に対して25重量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
実施例および比較例で得られた各粘着シートを以下の評価方法にて評価した。
(iv) 弾性率
弾性率を以下のようにして測定した。
(測定装置)REOLOGICA社製、RheoPolym@応力制御式レオメーター
(測定条件)ジオメトリー:直径20mm フラットプレート(SUS製)
(測定法)オシレーション歪み制御:0.1%、周波数:1Hz、測定温度他:−20〜130℃の昇温(温度変化率5℃/分)
本発明では、25℃のときの貯蔵弾性率(G’)を「弾性率」として採用した。
(i)接着力
粘着シートを融点+5℃に加熱したときのステンレス鋼板(SUS)に対する接着力をJIS Z0237に準じて測定した。ただし、比較例2は25℃での接着力を測定した。
(ii) 剥離性
前記粘着シートを融点+5℃に加熱したステンレス鋼板(SUS)に貼着させた。ついで、170℃まで昇温させた後、23℃まで冷却した。このときの剥離強度をロードセルにて測定した。その結果を表2に示す。ただし、比較例1は170℃へ昇温せずカット終了後そのまま23℃へ冷却した。なお、表2の剥離強度はn=3の平均値である。
(iii)積層性、固定力および剥離性
セラミックチップコンデンサー製造工程において、以下の通り評価した。
1) 積層性
工程終了後、チップ内の電極の位置がズレていないものを○、若干ずれているものを△、ズレが大きく不適合となるものを×とした。
2) 固定力
積層体をチップに切断する際、チップがズレ無かったものを○、ずれたものを△、飛散したものを×とした。
3) 剥離性
剥離工程において、全て剥がれたものを○、一部剥がれなかったものを△、全く剥がれなかったものを×とした。
これらの試験結果を表2に示す。
Figure 0005097336
表2から、実施例1〜3の粘着シートは発泡剤を含有した感温性粘着剤を用いることにより、積層工程から剥離工程まで一貫して使用することが可能であることがわかる。これに対して、比較例1の粘着シートは発泡剤を含まないため剥離性に劣る。比較例2の粘着シートは実施例のような感温性粘着剤層を有しないため弾性率が低く、積層性に難がある。
本発明にかかる積層セラミック電子部品の製造方法の一例を示す説明図である。
符号の説明
1:台座、2:粘着シート、3:積層体、4:切断刃、5:切断片

Claims (1)

  1. 融点以下で結晶化する側鎖結晶性ポリマーと発泡剤とを含有する感温性粘着剤層を基材フィルムの少なくとも片面に設けた粘着シートにおける前記感温性粘着剤層の表面に、前記側鎖結晶性ポリマーが融点以下の結晶化状態でセラミック成形シートを積層して積層体を得る工程と、
    前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上に前記粘着シートを加熱して、前記粘着剤層の粘着力を発現させ、この状態で前記積層体を切断して切断片を得る工程と、
    切断後、前記粘着シートをさらに加熱して、前記側鎖結晶性ポリマーの融点よりも20℃以上高い温度で前記発泡剤を発泡させる工程と、
    発泡した前記粘着シートを融点以下に冷却して結晶化させ、該粘着シートから前記切断片を剥離させる工程とを含み、
    前記粘着シートが、融点以下で結晶化する側鎖結晶性ポリマーと、この側鎖結晶性ポリマーの融点よりも20℃以上高い温度で発泡する発泡剤とを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点以下において弾性率が1×10 7 2×10 8 Paである感温性粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けたものであることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
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