JP5096222B2 - 情報表示用パネルの製造方法およびそれに用いる粒子供給装置 - Google Patents
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Description
表示媒体の色として、白色と黒色との組み合わせについて述べたが、色の組み合わせについてはこれに限られるものではなく、様々な色の組み合わせが可能である。
また、上記粒子15が残留しないような断面形状の溝11aを有するフィーダーローラ11として、図8に示すように、溝11aの断面形状の側辺を構成する直線L1,L2および溝11aの断面形状の底辺を構成する直線L3と、溝11aの断面形状の側辺を構成する直線L1,L2および溝11aの断面形状の底辺を構成する直線L3との間を繋ぐ円弧ARC2,ARC3とで構成した円柱型供給回転体11を好適に用いることができる。
また、上記粒子15が残留しないような断面形状の溝11aを有するフィーダーローラ11として、図9に示すように、溝11aの断面形状の側辺を構成する直線L1,L2および溝11aの断面形状の底辺を構成する直線L3と、溝11aの断面形状の側辺を構成する直線L1,L2および溝11aの断面形状の底辺を構成する直線L3との間を斜めに繋ぐ直線L4,L5とで構成した円柱型供給回転体11を好適に用いることができる。
上記粒子15が残留しないような溝11aの断面形状は、上記に限定されるものではなく、曲線または直線もしくは曲線と直線との組み合わせもしくは直線と直線との組み合わせで構成することができ、例えば「角部が無い断面形状」や「角部があっても、その角度が90°以上である断面形状」の溝11aを好適に用いることができる。
また、図10(a),(b)に示した例を組み合わせた様々な曲線または直線もしくは曲線と直線との組み合わせもしくは直線と直線との組み合わせで構成した溝11aも好適に用いることができる。
さらに、フィーダーローラ11の溝11a内部の表面粗さ(Ra)が、表示媒体とする粒子群15の平均粒子径未満であることが好ましい。この表面粗さが粒子群の平均粒子径以上であると、粒子が溝内部表面に付着して搬送されにくくなる不都合がある。
また、本発明の粒子供給装置は、図6(a),(b)のように構成されているから、溝の角部に粒子が残留することはなく、基板中の表示媒体とする粒子群の充填量を均一化することができるので、上記本発明の情報表示用パネルの製造方法に適した粒子供給装置となる。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図13に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示状態の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
この空隙部分とは、図1(a),(b)〜図4(a),(b)、図5(a)〜(d)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。パネルの組み立てを減圧状態あるいは真空状態で行い、パネル基板間の空間を減圧状態あるいは負圧状態としても良い。
図14(a)に示すような角型の断面形状で直線閉塞型の溝51aを1本有する、図6(a)に示す構成の円柱型供給回転体51を用いる粒子供給装置を備える粒子供給装置を使用して、図6(b)に示すように、溝51a内に入った表示媒体とする粒子群52(平均粒子径9.1μm)を基板上の格子状隔壁で囲まれた四角形状のセル内に充填する粒子充填工程を行ったところ、図14(c)に示すように、溝51a内(溝51aの角部)に粒子52が残留してしまった。溝51aのサイズは幅2.0mm×深さ1.0mmであった。また、溝内部の表面粗さ(Ra)は5.6μmであった。以下の実施例との比較のため、この比較例の表示媒体とする粒子群の充填量のばらつきσを1とした。
図7に示すような円弧型の断面形状で直線閉塞型の溝11aを1本有する、図6(a)に示す構成の円筒形供給回転体11を用いる粒子供給装置12を備える粒子供給装置を使用して、溝11a内に入った表示媒体とする粒子群15(平均粒子径9.1μm)を基板上の格子状隔壁で囲まれた四角形状のセル内に充填する粒子充填工程を行ったところ、溝11a内の粒子群15の残留は無かった。溝11aのサイズは幅3mm×曲率半径R=1.5mmで、溝内部の表面粗さ(Ra)は3.0μmで、表示媒体とする粒子群15の平均粒子径(9.1μm)未満であった。この実施例1において表示媒体とする粒子群の充填量のばらつきσは0.35となり、比較例のσの半分以下になった。
図7に示すような円弧型の断面形状で直線閉塞型の溝11aを1本有する、図6(a)に示す構成の円筒形供給回転体11を用いる粒子供給装置12を備える粒子供給装置を使用して、溝11a内に入った表示媒体とする粒子群15(平均粒子径9.1μm)を基板上の格子状隔壁で囲まれた四角形状のセル内に充填する粒子充填工程を行ったところ、溝11a内の粒子群15の残留は無かった。溝11aのサイズは幅1.5mm×曲率半径Rが0.75mmで、溝内部の表面粗さ(Ra)は5.0μmで、表示媒体とする粒子群15の平均粒子径(9.1μm)未満であった。この実施例2において表示媒体とする粒子群の充填量のばらつきσは0.45となり、比較例のσの半分以下になった。
図8に示すような円弧/直線型の断面形状で直線閉塞型の溝11aを1本有する、図6(a)に示す構成の円筒形供給回転体11を用いる粒子供給装置12を備える粒子供給装置を使用して、溝11a内に入った表示媒体とする粒子群15(平均粒子径9.1μm)を基板上の格子状隔壁で囲まれた四角形状のセル内に充填する粒子充填工程を行ったところ、溝11a内の粒子群15の残留は無かった。溝11aのサイズは幅2mm×深さ1.0mm、曲率半径R=0.5mmで、溝内部の表面粗さ(Ra)は1.0μmで、表示媒体とする粒子群15の平均粒子径(9.1μm)未満であった。この実施例3において表示媒体とする粒子群の充填量のばらつきσは0.50となり、比較例のσの半分以下になった。
なお、本発明に係る情報表示用パネルの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動方式や、外部電界形成手段を用いた外部電界駆動方式など、種々のタイプの駆動方式が適用できる。
3W 白色表示媒体(白色粒子群)
3B 黒色表示媒体(黒色粒子群)
3Wa 帯電性白色粒子
3Ba 帯電性黒色粒子
4 隔壁
5、6 電極
7,8 外部電界形成手段
9,10 導電部材
11 円柱型供給回転体(フィーダーローラ)
11a 溝
12 粒子供給装置
13 輸送管
14 ノズル
15 表示媒体とする粒子群
16 基板
17 粒子充填槽
18 粒子群貯蔵槽
18a 輸送管接続口
18b 搬送気体供給口
21−1 第1のセル
21−2 第2のセル
21−3 第3のセル
22R 赤色カラーフィルター
22G 緑色カラーフィルター
22B 青色カラーフィルター
Claims (14)
- 少なくとも一方が透明な2枚の対向する基板間に形成された隔壁で囲まれたセル空間に、粒子群として構成される表示媒体を充填した構造の情報表示用パネルの製造方法において、
前記表示媒体とする粒子群を、粒子供給装置の円柱型供給回転体から、輸送管および該輸送管に接続されたノズルを介して粒子充填槽内に載置した基板上の隔壁で囲まれたセル内に充填する粒子充填工程であって、
前記粒子供給装置の円柱型供給回転体として、側曲面に、曲線または直線またはジグザグ線または蛇行線もしくはそれらの組み合わせで構成される線形状の溝を少なくとも1本有し、かつ、その溝が断面形状において90度より小さい角度の角部を有していない構造の円柱型供給回転体を用いて前記粒子充填工程を行うことを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。 - 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝が側曲面の一周において閉塞していることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝が側曲面の一周において閉塞していないことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝の断面形状が所定曲率半径の円弧で構成されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝の断面形状が側辺および底辺を構成する直線と、溝断面形状の側辺を構成する直線と底辺を構成する直線との間を繋ぐ円弧とで構成されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝の断面形状が側面および底面を構成する直線と、前記側辺を構成する直線と底辺を構成する直線との間を斜めに繋ぐ直線とで構成されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝内部の表面粗さが、表示媒体とする粒子群の平均粒子径未満であることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 少なくとも一方が透明な2枚の対向する基板間に形成された隔壁で囲まれたセル空間に、粒子群として構成される表示媒体を充填した構造の情報表示用パネルの製造方法において、前記表示媒体とする粒子群を、粒子供給装置の円柱型供給回転体から、輸送管および該輸送管に接続されたノズルを介して粒子充填槽内に載置した基板上の隔壁で囲まれたセル内に充填する粒子充填工程で用いる粒子供給装置であって、
前記粒子供給装置の円柱型供給回転体として、側曲面に、曲線または直線またはジグザグ線または蛇行線もしくはそれらの組み合わせで構成される線形状の溝を少なくとも1本有し、かつ、その溝が断面形状において90度より小さい角度の角部を有していない構造の円柱型供給回転体を用いて前記粒子充填工程を行うことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法に用いる粒子供給装置。 - 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝が側曲面の一周において閉塞していることを特徴とする請求項8に記載の粒子供給装置。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝が側曲面の一周において閉塞していないことを特徴とする請求項8に記載の粒子供給装置。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝の断面形状が所定曲率半径の円弧で構成されることを特徴とする請求項8に記載の粒子供給装置。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝の断面形状が側辺および底辺を構成する直線と、溝断面形状の側辺を構成する直線と底辺を構成する直線との間を繋ぐ円弧とで構成されることを特徴とする請求項8に記載の粒子供給装置。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝の断面形状が側面および底面を構成する直線と、前記側辺を構成する直線と底辺を構成する直線との間を斜めに繋ぐ直線とで構成されることを特徴とする請求項8に記載の粒子供給装置。
- 前記円柱型供給回転体が側曲面に有する少なくとも1本の溝内部の表面粗さが、表示媒体とする粒子群の平均粒子径未満であることを特徴とする請求項8〜13の何れか1項に記載の粒子供給装置。
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